JP2001077022A - レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置 - Google Patents

レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置

Info

Publication number
JP2001077022A
JP2001077022A JP24813699A JP24813699A JP2001077022A JP 2001077022 A JP2001077022 A JP 2001077022A JP 24813699 A JP24813699 A JP 24813699A JP 24813699 A JP24813699 A JP 24813699A JP 2001077022 A JP2001077022 A JP 2001077022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
energy density
thin film
semiconductor thin
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24813699A
Other languages
English (en)
Inventor
Daiji Ichijima
大路 市嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP24813699A priority Critical patent/JP2001077022A/ja
Publication of JP2001077022A publication Critical patent/JP2001077022A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照射するレーザビームのエネルギ密度が時間
的にゆらいでも、比較的高品質の多結晶膜を形成するこ
とが可能な結晶化膜の作製方法を提供する。 【解決手段】 アモルファス状態の半導体薄膜の表面
を、パルスレーザである方向に走査して該半導体薄膜を
結晶化させる。使用するパルスレーザは、アモルファス
状態の半導体薄膜を第1の平均結晶粒径を有する微結晶
膜にするエネルギ密度の第1の部分と、微結晶化された
半導体薄膜を、第1の平均結晶粒径よりも大きい第2の
平均結晶粒径を有する多結晶膜にするエネルギ密度を有
する第2の部分とを含む。このパルスレーザを、アモル
ファス状態の半導体薄膜に照射する。アモルファス状態
の部分に第1の部分が照射され、前回までのレーザ照射
によって微結晶化されている部分に第2の部分が照射さ
れるように、レーザ照射領域をずらしてパルスレーザを
照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザを用いてア
モルファス状態の膜を結晶化させ、結晶化膜を作製する
方法及びレーザ結晶化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板上にアモルファスシリコン膜
を堆積し、エキシマレーザ光の照射を断続的に繰り返
し、アモルファスシリコン膜を多結晶化する技術が注目
されている。多結晶シリコン膜が形成されたガラス基板
は、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置に用い
られる。
【0003】アモルファスシリコンを多結晶化するのに
十分なエネルギを得るために、レーザ光をアモルファス
シリコン膜上に集光する。レーザ光を照射しながらガラ
ス基板を移動させ、アモルファスシリコン膜の広い領域
にレーザ光を照射することにより、大面積の多結晶シリ
コン膜を形成することができる。通常、レーザビームの
断面を1方向に長い形状とする。ガラス基板を、ビーム
断面の長尺方向に直交する方向に移動させることによ
り、広い領域にレーザ光を照射することができる。
【0004】ガラス基板の移動速度は、エキシマレーザ
光のあるショットにより照射される領域と、次のショッ
トにより照射される領域とが、相互に部分的に重なる程
度とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】照射するレーザのエネ
ルギ密度を最適化することにより、一様かつ大きな結晶
粒径を有する多結晶シリコン膜を得ることができる。し
かし、一般的に、レーザ光源から出力されるレーザビー
ムのエネルギ密度は時間的に10%程度のゆらぎを持っ
ている。レーザビームのエネルギ密度が最適値からずれ
ると、一様かつ大きな粒径の多結晶シリコン膜を得るこ
とができない。例えば、エネルギ密度が小さい場合に
は、結晶粒径が大きくならず微結晶の膜が形成される。
エネルギ密度が大きくなると再アモルファス化(クエン
チング)が起こり、多結晶膜を得ることができない。
【0006】本発明の目的は、照射するレーザビームの
エネルギ密度が時間的にゆらいでも、比較的高品質の多
結晶膜を形成することが可能な結晶化膜の作製方法及び
レーザ結晶化装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、アモルファス状態の半導体薄膜の表面を、パルスレ
ーザである方向に走査して該半導体薄膜を結晶化させる
結晶化膜の作製方法において、アモルファス状態の半導
体薄膜を第1の平均結晶粒径を有する微結晶膜にするエ
ネルギ密度の第1の部分と、微結晶化された半導体薄膜
を、前記第1の平均結晶粒径よりも大きい第2の平均結
晶粒径を有する多結晶膜にするエネルギ密度を有する第
2の部分とを含むパルスレーザを、アモルファス状態の
半導体薄膜に照射する工程と、アモルファス状態の部分
に前記第1の部分が照射され、前回までのレーザ照射に
よって微結晶化されている部分に前記第2の部分が照射
されるように、レーザ照射領域をずらして前記パルスレ
ーザを照射する工程とを有する結晶化膜の作製方法が提
供される。
【0008】微結晶膜を多結晶化させるためのレーザビ
ームのエネルギ密度の好適な範囲は、アモルファス膜を
多結晶化させるためのレーザビームのエネルギ密度の好
適な範囲よりも広い。第1の部分を照射することにより
一旦アモルファスを微結晶化させ、次に第2の部分を照
射することにより多結晶化するため、レーザビームのエ
ネルギ密度にゆらぎが生じても、再現性よく良質の多結
晶膜を形成することができる。
【0009】本発明の他の観点によると、アモルファス
状態の半導体薄膜の表面を、パルスレーザである方向に
走査して該半導体薄膜を結晶化させる結晶化膜の作製方
法において、前記パルスレーザの走査方向に関するエネ
ルギ密度分布が、走査方向の前方側に肩部を有し、該肩
部の後方側に頂上部を有する形状であり、該肩部のエネ
ルギ密度が、前記半導体薄膜をアモルファス状態から平
均粒径が第1の粒径以下の微結晶状態に変化させる大き
さであり、該頂上部のエネルギ密度が、微結晶化された
前記半導体薄膜を前記第1の平均粒径よりも大きな平均
粒径の多結晶状態に変化させる大きさである前記パルス
レーザを前記半導体薄膜の表面の一部に照射する工程
と、前記パルスレーザのエネルギ密度分布の頂上部の走
査方向前方側の縁が、前回のショットで微結晶化された
領域の前方側の縁を越えず、かつ前記頂上部の後方側の
縁が、前回までのショットで微結晶化された領域の後方
側の縁を越えないように前記パルスレーザで照射される
領域をずらしながら、前記パルスレーザを繰り返し照射
する工程とを有する結晶化膜の作製方法が提供される。
【0010】本発明の他の観点によると、表面上にアモ
ルファス状態の半導体膜が形成された処理基板を保持す
る保持台と、前記保持台に保持された処理基板上の半導
体膜にパルスレーザを照射するレーザ光学系と、前記レ
ーザ光学系から出力されるパルスレーザで前記半導体膜
の表面を走査するように、前記パルスレーザと前記処理
基板との相対位置を変化させる移動機構と、前記移動機
構による移動量を制御する制御手段を有し、前記レーザ
光学系から出力されるパルスレーザの、走査方向に関す
るエネルギ密度分布が、頂上部、及び該頂上部よりも走
査方向の前方側に肩部を有する形状であり、該肩部のエ
ネルギ密度が、前記半導体薄膜をアモルファス状態から
平均粒径が第1の粒径以下の微結晶状態に変化させる大
きさであり、該頂上部のエネルギ密度分布が、微結晶化
された前記半導体薄膜を前記第1の平均粒径よりも大き
な平均粒径の多結晶状態に変化させる大きさであり、前
記制御手段が、前記パルスレーザのエネルギ密度分布の
頂上部の走査方向前方側の縁が、前回のショットで微結
晶化された領域の前方側の縁を越えず、かつ前記頂上部
の後方側の縁が、前回までのショットで微結晶化された
領域の後方側の縁を越えないように移動量を制御するレ
ーザ結晶化装置が提供される。
【0011】レーザビームの肩部を照射することによ
り、一旦アモルファス状態から微結晶状態に変え、次に
頂上部を照射することにより、多結晶化している。この
ため、レーザビームのエネルギ密度にゆらぎが生じて
も、再現性よく良質の多結晶膜を形成することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び2を参照して、本発明の
アモルファス半導体膜の多結晶化方法について説明す
る。
【0013】図1(A)は、アモルファス半導体膜が形
成された基板1の平面図を示す。基板1の表面をxy平
面とするxy直交座標系を考える。基板1の表面の法線
方向から、アモルファス半導体膜の表面上に、y軸方向
に長い帯状のビーム断面を有するレーザビームを照射す
る。例えばパルス発振しているXeClエキシマレーザ
の照射を断続的に繰り返す。レーザビームの1ショット
により、基板1の表面のy軸方向に長い領域2が照射さ
れる。この照射領域2をx軸の例えば正の方向に移動さ
せることにより、アモルファス半導体膜の表面がレーザ
ビームで走査される。
【0014】図1(B)は、レーザビームの照射領域2
におけるx軸方向の1ショットあたりのエネルギ密度分
布を示す。横軸はx座標(走査方向)を表し、縦軸はエ
ネルギ密度を表す。
【0015】パルスレーザのエネルギ密度分布の形状
は、頂上部4よりもx軸の正側(走査方向の前方側)に
肩部3を有する。また、頂上部4よりもx軸の負の側
(走査方向の後方側)に肩部5を有する。肩部3及び頂
上部4の幅を、それぞれW3及びW4とする。肩部3と頂
上部4との間の領域の幅は、肩部3の幅W3及び頂上部
4の幅W4に比べて十分狭い。
【0016】図1(C)は、シリコン膜にXeClエキ
シマレーザを照射して得られる多結晶膜の平均粒径とエ
キシマレーザのエネルギ密度との関係を示す。図中の実
線が、アモルファスシリコン膜にレーザを照射して得ら
れたシリコン膜の平均結晶粒径を示す。エネルギ密度が
1以下の領域では、結晶化が起こらない。エネルギ密
度がE1以上になると結晶化が始まるが、エネルギ密度
がE1からE2までの範囲内のときは、平均結晶粒径が小
さい。すなわち、シリコン膜中にシリコンの微結晶粒が
形成される。
【0017】エネルギ密度がEBのときに、平均結晶粒
径が最大になる。ただし、平均結晶粒径を大きくするた
めの好適なエネルギ密度の範囲は非常に狭い。エネルギ
密度が、好適な範囲を超えると、再アモルファス化が起
こる。
【0018】図1(C)中の破線は、微結晶化されたシ
リコン膜にレーザを照射したときの平均結晶粒径を示
す。エネルギ密度がE3とE4の間のとき、平均結晶粒径
が大きくなる。すなわち、エネルギ密度の好適な範囲
は、E3以上E4以下である。エネルギ密度の好適な範囲
の下限E3は、アモルファスシリコン膜を結晶化させる
場合の最適値EB以上である。
【0019】微結晶膜を多結晶化させる場合の好適なエ
ネルギ密度の範囲(E3〜E4)は、アモルファスシリコ
ン膜を結晶化させるときの好適なエネルギ密度の範囲よ
りも広い。このため、レーザにエネルギ密度のゆらぎが
ある場合にも、再現性よく結晶粒の大きな多結晶シリコ
ン膜を形成することができる。
【0020】図1(B)に戻って説明を続ける。頂上部
4よりも前方側の肩部3のエネルギ密度は、図1(C)
で説明したエネルギ密度E1とE2との間の大きさであ
る。このため、アモルファスシリコン膜にレーザを照射
すると、肩部3に対応する部分のシリコン膜が微結晶化
される。頂上部4のエネルギ密度は、図1(C)で説明
したエネルギ密度E3とE4との間の大きさである。この
ため、微結晶化されたシリコン膜にレーザを照射する
と、シリコン膜が部分的に溶融し、溶融した部分が再結
晶化する。このようにして、頂上部3に対応する部分の
シリコン膜が、平均結晶粒径の大きな多結晶膜になる。
【0021】次に、図2を参照して、レーザビームでシ
リコン膜表面を走査したときの、シリコン膜の結晶化の
様子について説明する。
【0022】図2は、シリコン膜の結晶化された領域と
照射されたレーザビームのエネルギ密度分布との位置関
係を示す。まず、エネルギ密度分布6で示される位置に
レーザを照射する。前方の肩部6Sに対応する領域が、
微結晶化される。頂上部6Tに対応する領域は、再アモ
ルファス化されるであろう。
【0023】エネルギ密度分布7に示されているよう
に、レーザ照射領域をx軸の正の方向に移動させる。な
お、実際には、基板1をx軸の負の方向に移動させる。
このとき、エネルギ密度分布7の頂上部7Tが、前回の
レーザショットで微結晶化された領域のx軸の正の側の
縁を越えないようにする。また、頂上部7Tの、x軸の
負の側の縁が、前回までのショットで微結晶化された領
域の、x軸の負の側の縁を越えないようにする。
【0024】このように、レーザ照射領域のずらし量を
制御すると、アモルファスシリコン膜が、エネルギ密度
分布の肩部の照射によって一旦微結晶化される。次のシ
ョットで、微結晶化されたシリコン膜にエネルギ密度分
布の頂上部が照射され、その部分8が多結晶化される。
エネルギ密度7の肩部7Sに対応する部分には、微結晶
化領域9が形成される。これを繰り返すことにより、基
板表面上のシリコン膜のほぼ全体を多結晶化させること
ができる。
【0025】図1(C)に示すように、アモルファスシ
リコン膜を微結晶化させるための好適なエネルギ密度の
範囲は比較的広い。また、微結晶化されたシリコン膜
を、粒径の大きな多結晶膜にするための好適なエネルギ
密度の範囲も比較的広い。このため、照射するレーザビ
ームのエネルギ密度がゆらいでも、再現性よく多結晶化
を行うことができる。
【0026】次に、図1(B)に示す肩部5の効果につ
いて説明する。頂上部4の後方の縁においてエネルギ密
度を急激に低下させると、多結晶化されたシリコン膜
に、頂上部4の後方の縁の軌跡に対応した縞状の模様が
形成される場合がある。頂上部4の後方にも肩部5を設
けることにより、縞状の模様の形成を抑制することがで
きる。
【0027】図3は、レーザ結晶化装置の概略図を示
す。レーザ結晶化装置は、処理チャンバ10、搬送チャ
ンバ52、搬出入チャンバ53、54、エキシマレーザ
装置41、ホモジナイザ42、CCDカメラ58、ビデ
オモニタ59、及び制御手段65を含んで構成される。
処理チャンバ10には、ベローズ37、結合部材33、
35、リニアガイド機構34及びリニアモータ36等を
含む直動機構30が取り付けられている。
【0028】処理チャンバ10内に、基板載置台が配置
されている。基板載置台は、ベローズ37内を貫通する
支持棒により支持される。この支持棒は、結合部材33
及び35に結合している。リニアモータ36を駆動して
結合部材33及び35を移動させることにより、基板載
置台を並進移動させることができる。ホモジナイザ42
は、ビーム断面が帯状になり、かつエネルギ密度が一様
になるようにレーザビームを整形する。
【0029】処理チャンバ10と搬送チャンバ52がゲ
ートバルブ55を介して結合され、搬送チャンバ52と
搬出入チャンバ53、及び搬送チャンバ52と搬出入チ
ャンバ54が、それぞれゲートバルブ56及び57を介
して結合されている。真空ポンプ61、62及び63
が、それぞれ処理チャンバ10、搬出入チャンバ53及
び54に取り付けられ、各チャンバの内部を真空排気す
る。
【0030】搬送用ロボット64が搬送チャンバ52内
に収容されている。搬送用ロボット64は、処理チャン
バ10、搬出入チャンバ53及び54の各チャンバ相互
間で処理基板を移送する。
【0031】処理チャンバ10の上面に、レーザ光透過
用の石英窓8が設けられている。パルス発振したエキシ
マレーザ装置41から出力されたレーザビームがアッテ
ネータ46を通ってホモジナイザ42に入射する。ホモ
ジナイザ42は、レーザビームの断面形状を細長い形状
にする。ホモジナイザ42を通過したレーザビームは、
ビーム断面の形状に対応した細長い石英窓8を透過し、
処理チャンバ10内に配置された処理基板を照射する。
基板の表面がホモジナイズ面に一致するように、ホモジ
ナイザ42と処理基板との相対位置が調節されている。
【0032】処理チャンバ10内の処理基板は、直動機
構30により石英窓8の長尺方向に直交する向きに並進
移動する。基板表面はCCDカメラ58により撮影さ
れ、処理中の基板表面をビデオモニタ59で観察するこ
とができる。
【0033】エキシマレーザ装置41、ホモジナイザ4
2、搬送用ロボット64、ゲートバルブ55〜57、及
び直動機構30は、制御装置65によって制御される。
制御装置65は、連続する2つのショットによるレーザ
照射領域が、図2で説明した重なり具合になるように、
直動機構30を制御する。
【0034】次に、図4を参照して、レーザのエネルギ
密度分布形状の一例について説明する。
【0035】図4(A)に示す一例においては、頂上部
4及び肩部3のエネルギ密度がほぼ一定である。図4
(B)に示す一例においては、頂上部4のエネルギ密度
が、その中心部に向かって徐々に高くなり、肩部3のエ
ネルギ密度が、頂上部4から離れるに従って徐々に低く
なる。
【0036】このようなエネルギ密度分布を有するレー
ザビームは、例えば、ビームの光路内に、透過率分布を
有するフィルタを挿入することにより形成される。フィ
ルタは、図3に示すホモジナイザ42よりも下流側であ
って、ビーム断面の短軸方向に関してエネルギ密度がほ
ぼ一様になった個所に配置される。
【0037】このフィルタは、例えば、石英基板上に誘
電体多層膜を形成することにより得られる。誘電体多層
膜の材料として、例えばSiO2、Al23、MgF2
Zr等を用いることができる。例えば、図4(A)に示
す例の場合には、レーザビームのエネルギ密度分布の頂
上部に相当する領域の透過率を99%とし、肩部に相当
する領域の透過率を70%とし、肩部よりも外側の領域
の透過率を0%とする。図4(B)に示す例の場合に
は、透過率を連続的に変化させればよい。
【0038】図4(A)及び図4(B)のいずれの場合
も、頂上部4と肩部3との境界においてエネルギ密度が
不連続に変化する。この場合、頂上部4と肩部3との境
界は明確に把握される。
【0039】図4(C)に示す一例においては、頂上部
4のエネルギ密度分布が、中央が盛り上がった滑らかな
曲線状であり、肩部3のエネルギ密度分布が、頂上部4
から離れるに従って単調に減少する上に凸の曲線状であ
る。頂上部4のエネルギ密度分布曲線を滑らかに延ばす
と、肩部3のエネルギ密度分布曲線に繋がる。このよう
なエネルギ密度分布を有するレーザビームは、例えば昭
和オプトロニクス株式会社製のエキシマ&YAGレーザ
用バリアブルアッテネータを用いることにより得られ
る。
【0040】この場合、エネルギ密度分布曲線のみか
ら、頂上部4と肩部3とを画定することは困難である。
このような場合には、図1(C)に示すエネルギ密度E
3とE4との間の大きさの部分が頂上部4になり、エネル
ギ密度E1とE2との間の大きさの部分が肩部3になる。
【0041】肩部3の幅が狭いと、ショットごとのレー
ザ照射領域のずらし量を少なくしなければならない。ま
た、移動制御も困難になる。上記実施例の十分な効果を
得るためには、肩部3の幅が頂上部4の幅の1倍〜2倍
の範囲とすることが好ましい。
【0042】上記実施例では、アモルファスシリコン膜
を多結晶化させる場合を説明したが、シリコン以外の半
導体材料にも適用可能であろう。また、レーザ光源とし
てXeClエキシマレーザを使用したが、半導体材料を
多結晶化させるのに十分なエネルギのレーザを出力でき
る他のレーザ光源を用いてもよい。
【0043】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザのエネルギ密度にゆらぎがある場合でも、再現性
よくアモルファス状態の半導体薄膜を多結晶化させるこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の実施例で処理する基板
の平面図、図1(B)は、アモルファス半導体薄膜に照
射するレーザビームのエネルギ密度分布を示すグラフ、
図1(C)は、レーザ照射により多結晶化した半導体薄
膜の平均結晶粒径とレーザのエネルギ密度との関係を示
すグラフである。
【図2】半導体薄膜の多結晶化された領域と、照射され
たレーザのエネルギ密度分布との関係を示す図である。
【図3】実施例によるレーザ結晶化装置の概略図であ
る。
【図4】レーザビームのエネルギ分布の他の例を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 レーザ照射領域 3、5 肩部 4 頂上部 6、7 エネルギ密度分布 6S、7S 肩部 6T、7T 頂上部 10 処理チャンバ 30 直動機構 33、35 結合部材 34 リニアガイド機構 36 リニアモータ 37 真空ベローズ 41 エキシマレーザ装置 42 ホモジナイザ 46 アッテネータ 52 搬送チャンバ 53、54 搬出入チャンバ 55〜57 ゲートバルブ 58 CCDカメラ 59 ビデオモニタ 61、62、63 真空ポンプ 64 搬送ロボット 65 制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス状態の半導体薄膜の表面
    を、パルスレーザである方向に走査して該半導体薄膜を
    結晶化させる結晶化膜の作製方法において、 アモルファス状態の半導体薄膜を第1の平均結晶粒径を
    有する微結晶膜にするエネルギ密度の第1の部分と、微
    結晶化された半導体薄膜を、前記第1の平均結晶粒径よ
    りも大きい第2の平均結晶粒径を有する多結晶膜にする
    エネルギ密度を有する第2の部分とを含むパルスレーザ
    を、アモルファス状態の半導体薄膜に照射する工程と、 アモルファス状態の部分に前記第1の部分が照射され、
    前回までのレーザ照射によって微結晶化されている部分
    に前記第2の部分が照射されるように、レーザ照射領域
    をずらして前記パルスレーザを照射する工程とを有する
    結晶化膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 アモルファス状態の半導体薄膜の表面
    を、パルスレーザである方向に走査して該半導体薄膜を
    結晶化させる結晶化膜の作製方法において、 前記パルスレーザの走査方向に関するエネルギ密度分布
    が、走査方向の前方側に肩部を有し、該肩部の後方側に
    頂上部を有する形状であり、該肩部のエネルギ密度が、
    前記半導体薄膜をアモルファス状態から平均粒径が第1
    の粒径以下の微結晶状態に変化させる大きさであり、該
    頂上部のエネルギ密度が、微結晶化された前記半導体薄
    膜を前記第1の平均粒径よりも大きな平均粒径の多結晶
    状態に変化させる大きさである前記パルスレーザを前記
    半導体薄膜の表面の一部に照射する工程と、 前記パルスレーザのエネルギ密度分布の頂上部の走査方
    向前方側の縁が、前回のショットで微結晶化された領域
    の前方側の縁を越えず、かつ前記頂上部の後方側の縁
    が、前回までのショットで微結晶化された領域の後方側
    の縁を越えないように前記パルスレーザで照射される領
    域をずらしながら、前記パルスレーザを繰り返し照射す
    る工程とを有する結晶化膜の作製方法。
  3. 【請求項3】 表面上にアモルファス状態の半導体膜が
    形成された処理基板を保持する保持台と、 前記保持台に保持された処理基板上の半導体膜にパルス
    レーザを照射するレーザ光学系と、 前記レーザ光学系から出力されるパルスレーザで前記半
    導体膜の表面を走査するように、前記パルスレーザと前
    記処理基板との相対位置を変化させる移動機構と、 前記移動機構による移動量を制御する制御手段を有し、 前記レーザ光学系から出力されるパルスレーザの、走査
    方向に関するエネルギ密度分布が、頂上部、及び該頂上
    部よりも走査方向の前方側に肩部を有する形状であり、
    該肩部のエネルギ密度が、前記半導体薄膜をアモルファ
    ス状態から平均粒径が第1の粒径以下の微結晶状態に変
    化させる大きさであり、該頂上部のエネルギ密度分布
    が、微結晶化された前記半導体薄膜を前記第1の平均粒
    径よりも大きな平均粒径の多結晶状態に変化させる大き
    さであり、 前記制御手段が、前記パルスレーザのエネルギ密度分布
    の頂上部の走査方向前方側の縁が、前回のショットで微
    結晶化された領域の前方側の縁を越えず、かつ前記頂上
    部の後方側の縁が、前回までのショットで微結晶化され
    た領域の後方側の縁を越えないように移動量を制御する
    レーザ結晶化装置。
JP24813699A 1999-09-02 1999-09-02 レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置 Pending JP2001077022A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24813699A JP2001077022A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24813699A JP2001077022A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001077022A true JP2001077022A (ja) 2001-03-23

Family

ID=17173772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24813699A Pending JP2001077022A (ja) 1999-09-02 1999-09-02 レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001077022A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299233A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Toshiba Corp 半導体薄膜の形成方法
JP2010500759A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 ティーシーズィー ピーティーイー リミテッド アモルファスシリコンの結晶化を最適化するシステム及び方法
CN111192914A (zh) * 2017-10-18 2020-05-22 汉阳大学校产学协力团 层、多级元件、多级元件制造方法和驱动多级元件的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299233A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Toshiba Corp 半導体薄膜の形成方法
JP2010500759A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 ティーシーズィー ピーティーイー リミテッド アモルファスシリコンの結晶化を最適化するシステム及び方法
CN111192914A (zh) * 2017-10-18 2020-05-22 汉阳大学校产学协力团 层、多级元件、多级元件制造方法和驱动多级元件的方法
CN111192914B (zh) * 2017-10-18 2023-10-31 汉阳大学校产学协力团 层、多级元件、多级元件制造方法和驱动多级元件的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5789011B2 (ja) 薄膜の直線走査連続横方向凝固
US7259081B2 (en) Process and system for laser crystallization processing of film regions on a substrate to provide substantial uniformity, and a structure of such film regions
US7311778B2 (en) Single scan irradiation for crystallization of thin films
JP5000062B2 (ja) 連続運動順次横方向凝固を実現する方法およびシステム
US7470602B2 (en) Crystalline film and its manufacture method using laser
US20150004808A1 (en) Systems and methods for processing thin films
US6635555B2 (en) Method of controlling crystallographic orientation in laser-annealed polycrystalline silicon films
CA2374498A1 (en) Surface planarization of thin silicon films during and after processing by the sequential lateral solidification method
US7651931B2 (en) Laser beam projection mask, and laser beam machining method and laser beam machine using same
JP2001274088A (ja) 基板上の半導体膜領域の結晶化処理及びこの方法により製造されたデバイス
JP2004153232A (ja) 半導体素子の製造方法およびその方法により製造された半導体素子
KR100652082B1 (ko) 반도체 디바이스, 그 제조 방법 및 제조 장치
JP4769491B2 (ja) 結晶化方法、薄膜トランジスタの製造方法、薄膜トランジスタおよび表示装置
JP2001077022A (ja) レーザを用いた結晶化膜の作製方法及びレーザ結晶化装置
KR100682439B1 (ko) 반도체 박막의 제조 방법
JP2003347208A (ja) アモルファス材料の結晶化方法
JP4410926B2 (ja) レーザアニーリング方法
JP2002057105A (ja) 半導体薄膜製造方法、半導体薄膜製造装置、およびマトリクス回路駆動装置
JP2007221062A (ja) 半導体デバイスの製造方法および製造装置
JPH03289128A (ja) 半導体薄膜結晶層の製造方法
JP2000133613A (ja) 半導体薄膜の製造方法
JP2006135192A (ja) 半導体デバイスの製造方法と製造装置
JPH11345769A (ja) 半導体薄膜の製造方法及びアニール装置
JP2006135232A (ja) 半導体デバイスの製造方法と製造装置
JP2008098310A (ja) 結晶化方法、被結晶化基板、薄膜トランジスタの製造方法、薄膜トランジスタ及び表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626