JP2002299233A - 半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

半導体薄膜の形成方法

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JP2002299233A
JP2002299233A JP2001095364A JP2001095364A JP2002299233A JP 2002299233 A JP2002299233 A JP 2002299233A JP 2001095364 A JP2001095364 A JP 2001095364A JP 2001095364 A JP2001095364 A JP 2001095364A JP 2002299233 A JP2002299233 A JP 2002299233A
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laser irradiation
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Shigeyuki Yotsumoto
元 茂 之 四
Shuichi Uchikoga
修 一 内古閑
Takashi Fujimura
村 尚 藤
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動度の高いポリシリコン薄膜の形成を、高
いフルエンスマージンで実現する。 【解決手段】 画像表示装置用アクティブマトリクス基
板等の基板上に半導体薄膜を形成する方法において、a
−Si膜をSLS法によりp−Si化する際に、事前に
ELA法で結晶化するとともに膜中の水素含有量を減少
させておくことにより、アブレーションの発生を防止し
つつ、SLS法として十分に高いフルエンスでエネルギ
照射が可能となる。これにより、SLS法による結晶化
工程におけるフルエンスマージンを拡大することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体薄膜の形成
方法に係わり、特に画像表示装置用アクティブマトリク
ス基板の製造に好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像表示装置として液晶表示素子
(以下、LCDと称する)は、パーソナルコンピュー
タ、投影型テレビ、小型テレビ、携帯情報端末等に広く
利用されている。現在のLCDでは、画素ごとに半導体
素子としての薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す
る)を設けたアクティブマトリクス型LCDが主流とな
っている。
【0003】アクティブマトリクス型LCDに含まれる
アクティブマトリクス基板にTFTを形成する場合、半
導体材料としてアモルファスシリコン(以下、a−Si
と称する)が広く用いられてきた。
【0004】また近年では、a−Siより移動度が大き
いポリシリコン(以下、p−Siと称する)を半導体材
料に用いたアクティブマトリクス基板が実用化されるに
至っている。半導体材料としてp−Siを採用すること
により、画素部のみならず、画像を表示するための駆動
回路の一部を画素部と共にアクティブマトリクス基板上
に形成することができるようになった。これにより、a
−Siを用いていた装置において、アクティブマトリク
ス基板上に搭載することができず、LCDパネルに外付
けしていた部品が不要となり、製造コスト削減と狭額縁
化が可能となった。
【0005】しかしながら、現在実用化されているp−
Siを半導体材料としたアクティブマトリクス基板で
は、p−Siの移動度が十分に高くないため、搭載する
ことのできる駆動回路が限られている。このため、搭載
可能でない回路は依然としてLCDパネルに外付けされ
ている。
【0006】より多くの駆動回路をアクティブマトリク
ス基板上に作り込むことができれば、さらなるコスト削
減と高機能化が可能となる。しかし、そのためには半導
体材料としてのp−Siの移動度をさらに高くする必要
がある。ここで、p−Siの移動度を向上させるために
は、p−Siの結晶粒の大粒径化と、結晶性の向上が不
可欠である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大粒径のp−Siを得
る方法の一つに、SLS(Sequential Lateral Solidif
ication)法がある(J.S.lm et al.、App.Phys.Lett,70.
3434(1997))。
【0008】SLS法とは、a−Si薄膜にレーザ照射
した際に生じる固液界面において、既に結晶化された固
体部分を結晶核として横方向(ラテラル)成長させるこ
とを繰り返して、大粒径ポリシリコンを得る結晶化方式
である。
【0009】ところが、SLS法では、固液界面におけ
る固体部分を結晶核とすることが必要であるため、レー
ザ照射はa−Siが完全溶融するのに十分なフルエンス
(エネルギ密度「mJ/cm2」)で行わなければならない。
【0010】フルエンスが不十分でa−Siが完全溶融
しないと、溶けずに残った部分を核としてランダムに結
晶成長が生じるため、本来の横方向成長が妨げられ、大
粒径P−Siを得ることができなくなる。
【0011】ところで、a−Siにレーザ照射を行って
p−Siを得る際に、高フルエンスでのレーザ照射によ
ってシリコン膜が基板表面から消失してしまうアブレー
ションという現象がある。この現象は、a−Si膜中の
水素がレーザ照射により爆発的に放出される際に、溶融
したシリコンが一緒に吹き飛ばされることが原因と解さ
れている。
【0012】このようなアブレーションの生じた基板を
用いてTFTを作製すると、アブレーションの生じた場
所に配置されたTFTは動作しないので、そのパネルは
不良パネルとなってしまう。そのため、アブレーション
を避ける目的で、レーザ照射によりp−Siを得る工程
の前に、予めa−Si膜中の水素含有量を減少させる工
程、即ち脱水素工程を設けることが行われている。
【0013】既に、実用化されているエキシマレーザア
ニール(以下、ELAという)によるp−Si膜形成技
術では、フルエンスの増加とともに結晶粒径が増加す
る。しかし、フルエンスが所定の閾値以上になると、微
結晶が発生して粒径が急激に小さくなることが知られて
いる。従って、脱水素工程は、微結晶が発生する閾値以
下のフルエンスであって、かつアブレーションが生じな
い範囲のものであれば十分であった。
【0014】ところが上述したSLS法では、a−Si
膜を完全溶融させることが必要であり、これに必要なフ
ルエンスとは、既存のELA技術では微結晶の発生する
ような高いフルエンスの範囲に含まれる。
【0015】すなわち、SLS法により結晶化しようと
する場合、照射すべきレーザのフルエンスの範囲は、a
−Si膜が完全溶融するフルエンスを下限とし、アブレ
ーションが生じ始めるフルエンスを上限とする範囲とな
る。このため、従来の脱水素工程を経たa−Si膜に対
してSLS法で結晶化しようとすると、照射可能なフル
エンスの範囲が非常に狭くなる。よって、レーザのフル
エンスのばらつきやa−Si膜厚のばらつきまで考慮し
た上でa−Si膜をp−Si膜に改質することは困難で
あった。
【0016】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、高いフルエンスマージンをもってp−Si膜の移
動度を十分に向上させることが可能な半導体薄膜の形成
方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体薄膜の形
成方法は、基板上にアモルファスシリコン膜を形成する
工程と、前記アモルファスシリコン膜にレーザ光の照射
を行って第1のポリシリコン膜を得るとともに、膜中の
水素含有量を減じる第1のレーザ照射工程と、前記第1
のレーザ照射工程の後に、前記第1のポリシリコン膜の
少なくとも一部の領域に対して、前記第1のレーザ照射
工程で用いたレーザ光より高いエネルギ密度を有するレ
ーザ光を照射して第2のポリシリコン膜を得る第2のレ
ーザ照射工程とを備えることを特徴とする。
【0018】ここで、前記第1のレーザ照射工程で用い
るレーザ光は、前記アモルファスシリコン膜を溶融する
際に、膜中に固体部分が残存する程度のエネルギ密度を
有し、前記第2のレーザ照射工程で用いるレーザ光は、
前記第1のポリシリコン膜を溶融する際に固体部分がほ
ぼ全て消失する程度のエネルギ密度を有するものを用い
ることができる。
【0019】前記基板上には、能動素子がマトリクス状
に配置され、この能動素子毎に画素電極が配置された画
素部と、この画素部の周辺に配置された周辺回路とが形
成されており、前記第2のレーザ照射工程でレーザ光が
照射される領域は、前記周辺回路が形成された領域であ
り、このレーザ光が照射されない領域は、前記画素部が
形成された領域であってもよい。
【0020】前記第1及び第2のレーザ照射工程で用い
るレーザマスクは、レーザ光のスキャン方向に向かって
前方に配置され、第1のエネルギ密度が得られる第1の
領域と、この第1の領域の後方に配置され、前記第1の
エネルギ密度より高い第2のエネルギ密度が得られる第
2の領域とを有し、スキャン方向に沿って、前記レーザ
マスクにおける前記第1の領域により得られたレーザ光
で第1のレーザ照射工程を行い、続いて前記第2の領域
により得られたレーザ光で第2のレーザ照射工程を行う
こともできる。
【0021】前記レーザマスクは、矩形形状又はシェブ
ロン形状を有するものであってよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0023】図1に、本発明の実施の形態による半導体
薄膜の形成方法を、従来のELA法を用いた半導体薄膜
の形成方法、SLS法を用いた半導体薄膜の形成方法と
対比して示す。
【0024】先ず、共通のステップS1として、基板上
にa−Si薄膜を成膜する。次に、共通のステップS2
として、成膜されたa−Si薄膜に対して、一定の条件
でアニール処理等を用いて膜中に含まれる水素の含有量
を減じる脱水素工程を行う。
【0025】従来は、このステップS2の後、ステップ
S3としてELA法を用いた結晶化工程を行ってp−S
i膜I 11を得るか、あるいはステップS4としてS
LS法を用いた結晶化工程を行ってp−Si膜II 12
を得ていた。
【0026】これに対し、本実施の形態では、ステップ
S1によるa−Si膜の成膜を行い、ステップS2によ
る脱水素工程の後、ステップS13としてELA法を用
いてp−Siへ結晶化し、さらにステップS14とし
て、得られたp−Siの少なくとも一部をSLS法によ
り結晶化し、p−Si膜III 13を得る。
【0027】ここで、ステップS13におけるELA法
を用いた結晶化工程は、ステップS3における結晶化工
程と同等の条件で行うことができる。従って、p−Si
膜III 13は、ステップS3により得られたp−Si
膜I 11に対してステップS14の結晶化工程を行っ
て得たものに相当する。
【0028】図2に、ステップS3のELA法による結
晶化工程において用いられるレーザ光のフルエンスに対
するp−Si膜Iの粒径と、アブレーションの発生数と
を示す。この図2において、マージンM1として示した
フルエンスの範囲では、一定以上の粒径が得られると共
にアブレーションの発生が防止される。このマージンM
1は実用上十分な広さを有しており、この範囲内のフル
エンスのレーザ照射を行うことで、アブレーションを防
止しつつ所定の粒径のp−Si膜Iを得ることができ
る。
【0029】図3に、ステップS4におけるSLS法に
よる結晶化工程においてp−Si膜II 12を得た場合
の結晶成長の様子とアブレーション発生数とを、フルエ
ンスとの関係において示す。この図3を図2と比較して
分かるように、SLS法による結晶化工程を、ELA法
で採用されるフルエンス領域(ここでは、0.7〜1.
0 a.u.)で実施すると、フルエンスが不足して結
晶がラテラル成長せず、大粒径のp−Si膜を得ること
ができない。
【0030】SLS法では、ELA法で微結晶が生じる
ような高いフルエンス領域を採用することによってラテ
ラル成長させ、大粒径p−Si膜を得ることが可能とな
る。
【0031】ここで、ELA法で用いられるフルエンス
の範囲とSLS法で用いられるフルエンスの範囲とが異
なる理由を説明する。ELA法、SLS法のどちらの結
晶化方法も、基本的にはレーザ照射によって生じるシリ
コン膜の溶融固化過程を用いており、固体のまま残った
部分を結晶核とし、そこから結晶成長させている。EL
A法とSLS法の差異は、この結晶核にある。
【0032】ELA法では、レーザ照射によりシリコン
膜を完全に溶融させず、シリコン膜中あるいはシリコン
膜と下地膜との界面に固体部分が残るようなフルエンス
でレーザ照射する。これにより、溶融せずに残った固体
部分を結晶核として、主にシリコン膜と下地膜との間の
界面からシリコン膜表面へ向かって結晶成長する。レー
ザのフルエンスが過剰でシリコン膜が完全溶融し、シリ
コン膜中に固体部分が残らない場合には、過冷却現象に
よって結晶核がいたるところで発生し、微結晶が発生す
る。
【0033】これに対しSLS法では、シリコン膜を完
全溶融させ、シリコン膜中に結晶核を残存させない。そ
して、レーザ光を照射した領域と照射しない領域との境
界には、固体と液体の界面、すなわち固液界面が発生し
ている。SLS法では、この固液界面の固体側の結晶を
核として液体側方向かって横方向(ラテラル)に結晶成
長させる。よってSLS法による結晶化において、レー
ザのフルエンスが不十分でシリコン膜が完全溶融しない
と、固体として残った部分を核として結晶成長し、上述
の固液界面からの横方向成長が妨げられ、粒界が入って
結晶粒の大粒径化が実現できない。
【0034】このような結晶化の機構の違いにより、図
2、図3に示すごとくELA法とSLS法とでは、採用
されるフルエンス領域が異なることになる。
【0035】ところが、図3から分かるように、SLS
法による結晶化を良好に行うことができるフルエンス、
即ちシリコン膜が完全溶融するフルエンスでは、アブレ
ーションが発生するおそれがある。
【0036】上述のように、アブレーションが発生した
位置のTFTは動作しないため、結晶化工程にてアブレ
ーションが発生すると不良パネルとなる。このような現
象を回避するべく、SLS法による結晶化が可能であ
り、かつアブレーションが発生しないフルエンスの範囲
を求めると、図3においてマージンM2として示された
ように極めて狭くなる。このことは、上述したようにL
CDパネルを製造する際に非常に困難な問題となる。
【0037】図4に、本発明の実施の形態による製造方
法に従ってp−Si膜III 13を得た場合の結晶成長
の様子とアブレーション発生数とを、ステップS14と
してSLS法で結晶化したときに用いたフルエンスを横
軸として示す。尚、本実施の形態においてステップS1
3としてELA法で結晶化したときに用いたフルエンス
は、図2にマージンM1として示された範囲内にある。
【0038】本実施の形態のステップS14におけるS
LS法による結晶化工程を示す図4と、従来のステップ
S4におけるSLS法による結晶化工程を示す図3とを
比較すると、本実施の形態におけるステップS14での
結晶化工程では、フルエンスに対するアブレーション発
生数が右側にシフトしている。
【0039】即ち、従来のステップS4におけるSLS
法による結晶化工程によりp−Si膜II 12を得る際
にアブレーションが発生したような高いフルエンスを用
いて、本実施の形態におけるステップS14のSLS法
による結晶化工程を行う場合にも、アブレーションの発
生を防止することができるフルエンス範囲が存在するこ
とになる。
【0040】このことは、SLS法による結晶化を良好
に行うことができ、かつアブレーションが発生しないフ
ルエンスの範囲が、従来のステップS4における結晶化
工程よりも、本実施の形態のステップS14における結
晶化工程の方が広いことを示している。本実施の形態に
より、SLS法による結晶化工程でのフルエンスマージ
ンが広がった理由は、次のように考えることができる。
【0041】上述のようにアブレーションは、過剰なフ
ルエンスでレーザ照射した際に、シリコン膜中の水素が
爆発的に放出され、溶融したシリコンが一緒に吹き飛ば
される現象であると考えられている。従って、アブレー
ションを防止するためには、レーザ照射を行なう前のシ
リコン膜中の水素含有量を減少させることが効果的であ
る。
【0042】ところで、図1に示すように、従来のステ
ップS4におけるSLS法による結晶化工程でレーザ照
射前のシリコン膜は、ステップS2における脱水素工程
後のa−Si膜である。一方、本実施の形態におけるス
テップS14のSLS法による結晶化工程でレーザ照射
前のシリコン膜は、ステップS13においてELA法に
よる結晶化工程を終えたp−Si膜I 11である。こ
のことからら、ステップS13における結晶化工程にお
いて、アブレーションが発生しないフルエンスでのレー
ザ照射であっても、水素がa−Si膜から放出され、得
られたp−Si膜I 11の水素含有量は脱水素工程後
のa−Si膜の水素含有量よりも少なくなったと考えら
れる。
【0043】換言すれば、p−Si膜III 13を得る
ためのステップS14におけるSLS法による結晶化工
程前のp−Si膜I 11は、p−Si膜II 12を得
るための従来のステップS4におけるSLS法による結
晶化工程前のa−Si膜に比較して、水素含有量が少な
いことになる。このことは、p−Si膜III 13を得
る際に、ステップS14におけるSLS法による結晶化
工程の前に、ステップS13におけるELA法による結
晶化工程を施すことによって、アブレーション対策が効
果的に行われたことを示している。
【0044】ところで、ステップS13における結晶化
工程は、a−Si膜の全体に対して行い、p−Si膜I
11を得る。これに対し、ステップS14における結
晶化工程は、p−Si膜I 11に対して全面にSLS
法によるレーザ照射行ってもよく、あるいは必要に応じ
て所望の領域に対してのみ選択的に行ってもよい。
【0045】例えば、画像表示装置用アクティブマトリ
クス基板の製造プロセスにおける半導体薄膜の形成に本
実施の形態を適用する場合には、ステップS14におけ
るSLS法による結晶化工程は、画素部周辺に配置され
たドライバ回路に対して行うことが望ましい。即ち、よ
り高性能のトランジスタを要求されるドライバ回路のみ
をステップS14におけるSLS法による結晶化工程で
結晶化し、比較的高性能のトランジスタが要求されない
画素部では、ステップS13におけるELA法による結
晶化工程を行った後、ステップS14による結晶化工程
を行わない。このようにすることで、それぞれに必要な
トランジスタの性能を得ると共に、製造時間及びコスト
を低減することができる。
【0046】上述のように本実施の形態によれば、特別
の工程を付加することなく簡易な構成で、十分かつ効率
的に膜中の水素含有量を低減することによって、実用上
十分なフルエンスマージンを持って所望の性能を実現す
るための結晶化工程を行うことができる。
【0047】上述した実施の形態は一例であって、本発
明を限定するものではない。例えば、上記実施の形態で
はステップS13におけるELA法による結晶化工程
と、この後のステップS14におけるSLS法による結
晶化工程とを別工程で行っている。
【0048】この場合には、図5(a)に示されたよう
に、ビーム断面プロファイルP1が均一なレーザマスク
が用いられる。ここで、膜上にビームを投影したときの
形状は、マスクM1のように矩形形状であってもよく、
あるいはマスクM2のように、スキャン方向Xに突起が
向かうように配置されたシェブロン形状であってもよ
い。
【0049】このようなマスクを用いることで、照射全
域を均一なフルエンスでレーザ照射することになる。こ
の場合には、上記実施の形態の如く、ステップS13に
おけるフルエンスが低いELA法による結晶化工程と、
ステップS14におけるフルエンスが高いSLS法によ
る結晶化工程とを別の工程で行う必要がある。
【0050】しかし、レーザ照射の際に用いるレーザマ
スクを工夫することにより、同一工程でスキャン方向に
沿って異なるフルエンスによりエネルギ照射を行い、脱
水素及びp−Si膜への改質を効率良く行うことが可能
である。
【0051】例えば、図5(b)に示されたように、ビ
ーム断面プロファイルに段階があるレーザマスクを用い
る。ビーム断面プロファイルP2は、フルエンスが低い
プロファイルP2aと、フルエンスが高いプロファイル
P2bとが不連続で存在する。あるいは、ビーム断面プ
ロファイルP3のように、フルエンスが低いプロファイ
ルP3aと、フルエンスが高いプロファイルP3bとが
連続的に配置されていてもよい。
【0052】この場合の膜上にビームを投影したときの
形状は、マスクM3のように低フルエンス領域R1と高
フルエンス領域R2とがスキャン方向Xに向かって順に
配置された矩形形状であってもよい。あるいはマスクM
4のように、スキャン方向Xに突起が向かうように配置
され、やはり低フルエンス領域R1と高フルエンス領域
R2とがスキャン方向に向かって順に配置されたシェブ
ロン形状であってもよい。
【0053】このようなレーザマスクを用いることで、
レーザ光を膜上にX方向にスキャンした場合、先行して
膜上を照射する領域よりも、後続して膜上を照射する領
域の方がフルエンスが高くなる。
【0054】そこで、上記実施の形態におけるステップ
S13のように、ELA法により低フルエンスでa−S
i膜上を先行して照射することにより、膜中の水素含有
量を低減してp−Si膜に改質しておく。引き続いてス
キャン方向に沿って、ステップS14による膜を完全溶
融させる高いフルエンスでレーザを照射し、SLS法に
よる結晶化を行なうこととする。これにより、上記ステ
ップS13及びS14を同一工程で連続して行うことが
可能となり、より効率的に膜中の水素含有量を低減し、
十分なフルエンスマージンを持ってSLS法による結晶
化を実現することができる。
【0055】ここで、低フルエンス領域と高フルエンス
領域とを有するレーザマスクは、例えば光源から出力さ
れたレーザ光における断面内の光強度の設定を行うホモ
ジナイザの設定により実現してもよく、あるいはマスク
内にレーザ光の透過率が異なるフィルタに相当する手段
を設けることで実現してもよい。
【0056】また、上記実施の形態では、第1のレーザ
照射工程として、ELA法による結晶化工程を、第2の
レーザ照射工程としてSLS法による結晶化工程をそれ
ぞれあげているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、両者のエネルギ密度が所定の関係にある他の結晶
化技術をそれぞれ用いてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
板上にa−Si膜を形成した後、レーザ照射を行って第
1のポリシリコン膜を得るとともに膜中の水素含有量を
減少させておき、さらにより高いエネルギ密度で少なく
とも一部の領域にレーザ照射を行って第2のポリシリコ
ン膜を得ることにより、アブレーションを防止しつつ高
いエネルギ密度でエネルギ照射を行うことが可能とな
り、エネルギ密度の設定マージンを拡大することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による半導体薄膜の形成方
法と従来の形成方法とを対比する流れ図。
【図2】通常のELA法による結晶化におけるアブレー
ション、粒径、フルエンスの関係を示すグラフ。
【図3】従来のSLS法による結晶化におけるアブレー
ション、結晶成長、フルエンスの関係を示すグラフ。
【図4】本発明の実施の形態による半導体薄膜の形成方
法により得られる結晶化におけるアブレーション、結晶
成長、フルエンスの関係を示すグラフ。
【図5】同実施の形態におけるSLS法による結晶化に
おいて照射するレーザ光の投影形状、及び断面プロファ
イルを示す説明図。
【符号の説明】
11 p−Si膜I 12 p−Si膜II 13 p−Si膜III P1〜P3 ビーム断面プロファイル M1〜M4 レーザマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 村 尚 埼玉県深谷市幡羅町1−9−2 株式会社 東芝深谷工場内 Fターム(参考) 5F052 AA02 BA12 CA07 CA10 DA02 EA15 FA19 JA01 5F110 AA30 BB02 GG02 GG13 GG16 NN78 PP03 PP05 PP06 PP29 PP35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に半導体薄膜を形成する半導体薄膜
    の形成方法において、 前記基板上にアモルファスシリコン膜を形成する工程
    と、 前記アモルファスシリコン膜にレーザ光の照射を行って
    第1のポリシリコン膜を得るとともに、膜中の水素含有
    量を減じる第1のレーザ照射工程と、 前記第1のレーザ照射工程の後に、前記第1のポリシリ
    コン膜の少なくとも一部の領域に対して、前記第1のレ
    ーザ照射工程で用いたレーザ光より高いエネルギ密度を
    有するレーザ光を照射して第2のポリシリコン膜を得る
    第2のレーザ照射工程と、 を備えることを特徴とする半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記第1のレーザ照射工程で用いるレーザ
    光は、前記アモルファスシリコン膜を溶融する際に、膜
    中に固体部分が残存する程度のエネルギ密度を有し、 前記第2のレーザ照射工程で用いるレーザ光は、前記第
    1のポリシリコン膜を溶融する際に固体部分がほぼ全て
    消失する程度のエネルギ密度を有することを特徴とする
    請求項1記載の半導体薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記基板上には、能動素子がマトリクス状
    に配置され、この能動素子毎に画素電極が配置された画
    素部と、この画素部の周辺に配置された周辺回路とが形
    成されており、 前記第2のレーザ照射工程でレーザ光が照射される領域
    は、前記周辺回路が形成された領域であり、このレーザ
    光が照射されない領域は、前記画素部が形成された領域
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体薄
    膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2のレーザ照射工程で用い
    るレーザマスクは、 レーザ光のスキャン方向に向かって前方に配置され、第
    1のエネルギ密度が得られる第1の領域と、この第1の
    領域の後方に配置され、前記第1のエネルギ密度より高
    い第2のエネルギ密度が得られる第2の領域とを有し、 スキャン方向に沿って、前記レーザマスクにおける前記
    第1の領域により得られたレーザ光で第1のレーザ照射
    工程を行い、続いて前記第2の領域により得られたレー
    ザ光で第2のレーザ照射工程を行うことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方
    法。
  5. 【請求項5】前記レーザマスクは、矩形形状又はシェブ
    ロン形状を有することを特徴とする請求項4記載の半導
    体薄膜の形成方法。
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