JP2006049862A - 液晶表示装置の入出力保護に好適なトランジスタ構造および回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば液晶表示装置の入出力保護に好適なTFT構造および回路配置を提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態によれば、Si薄膜(71)により形成されたソース領域(73)、チャネル領域(74)、およびドレイン領域(75)を有し、チャネル領域上部にゲート絶縁膜(76)およびゲート電極(77)を有するTFT(70)であって、チャネル領域の中央部およびソース側端部は実質的に単結晶の半導体により形成され、チャネル領域のドレイン側端部(82)は多結晶またはアモルファス半導体により形成されているTFTが提供される。かかるTFTを保護回路部(136)に使用することにより、保護回路部におけるサージ電圧の吸収を可能にする。
【選択図】 図5

Description

本発明は例えば液晶パネル装置の入出力部における保護回路等に好適に使用される薄膜トランジスタ(以下TFT(thin film transistor)という)に関し、特に、電流サージや電圧ノイズに関係する静電気に対して保護機能を有するTFTの構造、および静電気対策を有する入出力保護回路に関する。
液晶表示装置等、従来の電子装置においては、入出力端子と電子装置の入出力回路部の初段トランジスタとの間に通常静電破壊防止回路を設けている。即ち、入出力回路部の初段トランジスタの前に絶縁破壊電圧の低い半導体素子、例えばトランジスタまたはダイオード等、を用いて形成された静電破壊防止回路を設けるのが普通である。
図15に例えば液晶表示装置に用いられているnチャネルTFTを用いた入出力保護回路200の等価回路図を示す。また図16にはpチャネルTFTを用いた入出力保護回路220の等価回路図を示す。図15において入出力端子パッド201を介して液晶表示パネルの各画素の対向電極等に供給される電圧は、先ずこの入出力保護回路200に印加される。図15に示すように、入力された電圧は直列に接続された抵抗R11およびR15を通って電子装置の入力回路(図示せず)に入る。この入出力保護回路200は、入出力保護TFT203および204と、入力抵抗R11と、入出力保護TFT203、204のゲートGとドレインD間に接続された抵抗R12、R13とを有する。サージ電圧は、抵抗R11とR15の間に配置された入出力保護TFT203および204により処理される。入出力保護TFT203はプラスのサージ電圧に対応し、入出力保護TFT204はマイナスのサージ電圧に対応する。抵抗R14は、入出力保護TFT203で処理しきれなかったサージを処理する。そしてこれらの後部に抵抗R15を介して電子装置の入力回路が配置されている。
この従来例においては、入出力保護TFT203および204は図示されていない入力回路のTFTに比べ耐圧の低い、例えばSD(single drain)構造を有するTFTとして形成される。一方、図示されていない入力回路のTFTは耐圧の高いいわゆるLDD(lightly doped drain)構造を持つTFTとして形成されている。なお、本願明細書においてSD構造とは不純物濃度の低いチャネル領域に不純物濃度の高いドレイン領域が直接隣接する、普通に使用されている通常のFET構造を指す。
入出力保護TFT203の高濃度不純物拡散層から構成されるソースSは、電源Vssに接続されている。また、この入出力保護TFT203のドレインDは抵抗R12を介してゲートGに接続されている。また、入出力保護TFT204における高濃度不純物拡散層から構成されるドレインDは、電源Vddに接続されている。またドレインDは、抵抗R13を介してゲートGに接続されている。また、入出力保護TFT203および204は例えば液晶パネルの対向電極(図示せず)に電圧を与えるバッファとして作用させることができる。そして、入出力保護TFT203のドレイン、および入出力保護TFT204のソースSは抵抗R15を介して所定の電子装置の入力回路に接続されている。図16は上記の通りpチャネルトランジスタを使用して形成された入出力保護回路220を示す図である。図15に示すnチャネルトランジスタを使用して形成された入出力保護回路と同様の機能を有する。
ここで、MOSTFTのスナップバック(snapback)現象について、図17および図18を用いて説明する。図17に示す構造のnチャネルMOSTFTにおいては、酸化絶縁膜211上に多結晶シリコン層217が形成され、その上にゲート絶縁膜212が形成され、その上にゲート電極213が形成されている。このゲート電極213をマスクパターンとして不純物が多結晶シリコン層217にドープされて、自己整合的にドレイン領域214とソース領域215が形成され、マスクされたゲート電極213下の多結晶シリコン217の領域、即ち、ドレイン領域214とソース領域215の中間領域が、チャネル領域216となっている。
このような構造のnチャネルTFTにおいて、ソース領域215を電源Vssに接続し、ドレイン領域214とゲート電極213とを共通接続し、制御電圧Vcntを与えるようにする。制御電圧Vcntを可変にすることにより、ドレイン領域214とソース領域215間の印加電圧Vdsを制御し、ドレイン領域214とソース領域215に流れる電流Idsの変化を調べる。この結果、印加電圧Vdsと電流Idsとの関係は、図18の実線のように変化する。
ここで、印加電圧Vdsを一旦、降伏電圧(ブレークアウト電圧)BVds以上にすると、電流Idsが急に流れ始め、印加電圧Vdsを降伏電圧BVds以下にしても電流Idsは減少しなくなる。そして、より低い印加電圧Vdsで電流Idsが増加するという2次降状が生じる。このような現象をスナップバック現象と呼ぶ。
電圧電流特性において、図18のP点における電圧をホールド(Hold)電圧と呼び、電流をホールド電流と呼ぶ。このようなスナップバック特性は、MOSTFTのバイポーラアクションと言われている。TFTのドレイン領域とチャネル領域との不純物濃度差がより大きくなると、図18において、実線から破線のように電圧電流特性が変化する。なおpチャネルTFTの場合も、nチャネルTFTの場合と同様の特性を有し、図19のように変化する。
降伏電圧BVdsとホールド電圧とを高くしたLDD構造のTFTを、例えば液晶パネルの駆動用TFTとして用いることは好適である。しかし、LDD構造のTFTを入出力保護用TFTとして使用するのは逆に耐圧が高い故に不適当である。このため、従来技術においては、入出力保護用TFTとしてはSD構造のTFTを、そして例えば液晶パネルの駆動用TFTとしてはLDD構造のTFTを使用する等、2種類のTFT形成し使用している。
"エキシマレーザを用いた巨大結晶粒Si薄膜の形成"、松村正清、表面科学、Vol.21,No.5,pp.278−287,2000 "エキシマレーザ光照射による巨大結晶粒シリコン薄膜"、松村正清、応用物理、第71巻、第5号、2002、pp.543−pp547
LDD構造のTFTとSD構造のTFTを同一基板上に形成するので、かかる構成においては、LDD領域形成用のマスクが一枚分余分に必要であった。さらに、LDD領域形成のため、工程数およびコストの増加という問題があった。
また、例えば液晶表示装置において各画素の駆動や保護回路等に用いられている複数のTFTは、絶縁基板上に互にアイソレーションして形成されている。それ故に基板電位が固定できず入出力保護回路に流れ込んだ電流の逃げ道が十分確保されない。このためサージ電流が流れることにより、結果的に入出力保護回路を構成する入出力保護TFTの絶縁膜または接合部において静電破壊が生じ、入出力保護回路の本来の役割が果たせなくなるという問題があった。
また、図15および図16に示す構成では、入出力保護回路に流れ込んだ電流の逃げ道が十分確保されていないため、結果的に入出力保護回路を構成する入出力保護TFTの絶縁膜または接合部において静電破壊が生じ、入出力保護回路の本来の役割が果たせなくなるという問題があった。
上記の問題を解決するために、本発明においては、例えば以下に記載する実施の形態のような独特の構成を有するTFTを採用する。また、かかる独特の構成を有するTFTを使用する保護回路を提供する。
本発明の実施の形態によれば、半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域を有し、チャネル領域上部にゲート絶縁膜およびゲート電極を有するTFTであって、チャネル領域の中央部およびソース側端部は実質的に単結晶の半導体に設けられ、チャネル領域のドレイン側端部は多結晶またはアモルファス半導体に設けられているTFT(第1のTFT)が提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域を有し、チャネル領域上部にゲート絶縁膜およびゲート電極を有するTFTであって、チャネル領域の中央部およびドレイン側端部は実質的に単結晶の半導体に設けられ、チャネル領域のソース側端部は多結晶またはアモルファス半導体に設けられているTFT(第2のTFT)が提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域を有し、チャネル領域上部にゲート絶縁膜およびゲート電極を有するTFTであって、上記半導体薄膜は結晶化された半導体薄膜により形成され、チャネル領域は結晶化された半導体薄膜の成長開始領域および結晶成長領域により形成されているTFTが提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、少なくとも複数のTFT用いて構成された電子装置の入出力保護回路であって、入出力保護回路は入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を前記電子装置に伝える入出力回路部と、入出力端部と入出力回路部との間に接続された保護回路部とを有し、この保護回路部は少なくとも上記第1のTFTを用いて構成され、入出力回路部は少なくとも上記第2のTFTを用いて構成されている入出力保護回路が提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、上記薄膜トランジスタを使用することを特徴とする液晶表示装置が提供される。
本発明によれば、ドレイン側ゲート端のチャネル部に結晶欠陥を多く含む多結晶シリコン領域もしくはアモルファスシリコン領域をもつTFTを入出力保護回路に用い、入出力回路そのものには、チャネル部全体が結晶性の良い実質的に単結晶の大粒径化された結晶化半導体領域に形成されたTFTを使用する。このため、BVsd耐圧の異なる2種類のTFTを作り分けるために、マスク数および工程数を増やすことなく保護回路を形成できる。
また、ドレイン側ゲート端のチャネル部に結晶欠陥を多く含む多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコン領域をつくることにより、不所望の静電気サージが入力されても多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコンの結晶欠陥によって、サージ電流を緩和することで入出力保護TFTの破壊を防ぐことができる。
さらに、後に説明する位相変調エキシマレーザ結晶化法(PM−ELC)等のSiの結晶化技術を用いてTFTを製造することにより、容易に多結晶シリコン領域もしくはアモルファスシリコン領域と実質的に単結晶の大粒径化された結晶化された半導体領域が形成できる。このため2種類のBVsd耐圧を有する2種類のTFTを同一基板に容易に形成することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る入出力保護用のトランジスタ70(図5、図6参照)、90(図7、図8参照)、110(図9)は、通常のTFTの製造に使用されているような例えばガラス基板上に一様に形成されたアモルファスSi薄膜を用いて形成されるのではなく、例えば以下に例示する特有の結晶化工程を経た半導体薄膜を使用して形成される。
本発明においては、図5に示すような少なくとも実質的に単結晶の大粒径化された結晶化領域(即ち、横方向結晶成長領域)20と、多結晶またはアモルファス領域(即ち、結晶成長開始領域)19とを備えた半導体薄膜(例えばSi薄膜、Ge薄膜等)71を使用してTFTを形成する。TFTのチャネル領域はこの実質的に単結晶の領域20と多結晶またはアモルファス領域である結晶成長開始領域19に形成される。この少なくとも実質的に単結晶の領域と多結晶領域とを備えた半導体薄膜として、例えば、図3の写真に示すような、少なくとも互いに隣接し、それぞれが概ねストライプ状の結晶成長開始領域19、横方向結晶成長領域20、そして結晶衝突領域21とを有するSi薄膜を使用することができる。かかるSi薄膜は、以下に述べるような方法により、例えば液晶パネルに使用されるような大きな絶縁基板上に均一に形成することが可能である。
図3の写真に示す結晶成長開始領域19は、その大きさが概ね0.2μm程度の多数の微結晶からなる多結晶領域として形成される。結晶粒界にはキャリアの発生・再結合中心として働く電気的に活性な欠陥が存在する。このような多数の多結晶からなる領域は、不純物を高濃度でドープした部分を除き、TFTの活性領域として使用するのは一般に望ましくない。しかし、本発明の実施の形態においては、この多結晶領域をTFTのチャネル領域の一部として積極的に活用する。かかる横方向結晶成長領域20、結晶成長開始領域19、そして結晶衝突領域21とを有するSi薄膜を形成する方法の例について以下説明する。
本発明によるTFTは例えば以下に述べるような位相変調エキシマレーザ結晶化法により結晶化されたシリコン薄膜に形成される。シリコン薄膜を形成する基板がガラス基板の場合、単結晶を得るためにシリコンウエハを作製する時のような高温は使用できない。このため、まず任意の方法によりガラス基板に例えば非晶質または多結晶シリコン薄膜を形成する。次にパルス状のエキシマレーザ光をこの非晶質または多結晶シリコン薄膜に照射し、このシリコン薄膜を溶融する。続いて溶融したシリコン薄膜を結晶化させて部分的に単結晶化されたシリコン薄膜を得る。この実施例ではシリコンを用いているが、例えばゲルマニウム、III-V族半導体を使用する等、使用される半導体材料はシリコンに限定されるものではない。
アモルファスシリコンおよび多結晶シリコンを結晶化させる場合、できるだけ大きな面積を持つ単結晶部分からなる大粒径化された結晶領域を得る必要がある。このための一方法として、各ストライプ部分毎に横方向に温度分布を与えるように薄膜を溶融し、その後この温度傾斜を有するまま基板温度を低下させシリコン薄膜を結晶化する方法を用いる。かかる温度分布を得るために、適当なパターンを持つ位相シフトマスクを用いて基板表面に照射されるエキシマレーザの強度に空間分布を持たせ、例えば各ストライプ部分の横方向に温度傾斜を与える手法を採用することができる。
この方法によれば、レーザビームの照射後において、溶融時の温度傾斜に基き基板の各部分の温度がそれぞれ低下し、低温の部分から順次高温部分に向かって横方向の結晶成長が生ずる。このため、最初に生じた多結晶部分から特に成長に適した結晶部分を種とする結晶成長が横方向に拡大し、個々のTFTのチャネル部と同等の大きな複数の単結晶領域即ち大粒径化された結晶化領域が形成される。この方法により、例えば粒径が数μm〜10μmの大きさの複数の単結晶からなるストライプ状の横方向に結晶が成長した領域を得ることができる。
位相シフトマスク10を使用した結晶化工程を、図1を参照して説明する。図1において、入射するエキシマレーザ光11は光強度を均一化する公知のホモジナイズ光学系によりホモジナイズされている。図1(A)に示す位相シフトマスク10は、透明媒質、例えば、石英基材に厚さの異なる互いに隣合う領域を設けたものである。そして、これら領域間の段差部12(位相シフト部)において、入射するエキシマレーザ光11を回折並びに干渉させる。このようにして入射したレーザ光線の強度について周期的な空間分布を付与するものである。
この位相シフトマスク10は、隣接するパターンを通過したレーザ光が逆位相(180°のずれ)となるように構成される。即ち、例えば図2に示すようにストライプ状に交互に配列された領域は、例えば透過光の位相がπの第1のストリップ領域(位相領域)13aと、透過光の位相が0の第2のストリップ領域(位相領域)13bとからなる。これらストリップ領域はこの例では例えば10μmの幅を有する。
具体的には、例えば波長248nmのKrFエキシマレーザを用いた場合、この位相シフトマスク10は、屈折率が1.5の矩形の石英基板を248nmの光に対して位相がπに相当する深さ、即ち248nmの深さにパターンエッチングして作製する。このエッチングにより薄く形成された領域が第1のストリップ領域13aとなり、エッチングされない領域が第2のストリップ領域13bとなる。ストリップ領域13aと13bの段差△tが射出されるそれぞれのレーザ光の位相差θに対応する。位相差θは、θ=2π△t(n−1)/λで与えられる。ここで、λは、レーザ光の波長、nは石英基板の屈折率である。
このような構成の位相シフトマスク10においては、厚い第2の位相領域13bを通過したエキシマレーザ光11は、薄い第1の位相領域13aを通過したエキシマレーザ光に比較して180°遅れる。この結果、レーザ光間で、干渉と回折とが生じ、図1(B)に示すようなレーザ光の強度分布14が得られる。即ち、位相シフト部を通過した光は、隣接する透過光相互が逆位相となるため、これら領域間の対応する位置で光強度が最小、例えば0となる。このため、光強度が最小の部分15の温度が最も低くなり、基板表面に図1(B)に示すような温度分布16が形成される。
レーザ光の照射が停止されると、まずこの温度の最小の部分17もしくはこれの近傍の領域において温度が融点以下となり、半導体が結晶化する際に核となる多数の微少な多結晶が発生する。このためこの温度の最小の部分17においては最初多結晶が生成され、いわゆる上記結晶成長開始領域19が形成される。しかし、温度傾斜部18の温度傾斜により順次結晶が横方向に成長する間に、特に成長に適した結晶方位を有する結晶部分が温度の最小の部分から横方向に成長する。このため各温度傾斜部18において、実質的に大きな単結晶領域からなる大粒径化された結晶化領域、即ち図3に示すように結晶成長開始領域19から横方向に結晶成長した領域(横方向結晶成長領域)20、が得られる。加熱温度が最高の部分22付近において両側から成長してきた単結晶が衝突し多結晶部分即ち結晶衝突領域21が形成される。
図1(C)は、このようにして半導体薄膜30に形成された多結晶からなる結晶成長開始領域19、結晶成長開始領域19から横方向に結晶が成長した領域である実質的に大きな単結晶領域からなる大粒径化された結晶化領域20、そして左右から成長した結晶の衝突領域21を示す断面図である。
位相シフトマスクを例えば図2に示すように連続するストライプ状(32a、32b)に形成すると、絶縁基板上にストライプ状に連続する複数の結晶成長開始領域19、大粒径化された結晶化領域20、そして結晶衝突領域21を形成ることができる。図2(A)はかかる位相シフトマスクの平面図であり、図2(B)は断面図である。図2の位相シフトマスク32を使用する場合は温度の最小の部分が段差部33に沿って線状に形成されるが、位相シフトマスクの形状はこれに限定されるものではない。適切に形成された位相シフトマスクパターンを使用することにより、光強度が最小の部分15即ち温度の最小の部分17を例えば格子状にまたは点状に形成することも可能である。
上記本発明の実施の形態においては、TFTのチャネル領域が実質的に単結晶の領域および結晶欠陥を多く含む領域、例えば多結晶半導体領域またはアモルファス半導体領域を含む領域に形成されることを必要とするものである。この実質的に単結晶領域および結晶欠陥を多く含む領域の製造方法は、上記方法に限定されるものではない。例えば、絶縁基板上に全体的にアモルファス半導体薄膜を形成し、単結晶化すべき所定の部分について部分的にレーザ光を照射して溶融および結晶化を行い、実質的に単結晶の領域とアモルファス領域とを形成することも可能である。なお、実質的に単結晶領域と記載したのは、例えば横方向結晶成長領域20は完全な単結晶として形成されるのではないが、各TFTの動作領域が横方向結晶成長領域20の各単結晶領域内に形成できる程度の大きな単結晶部分により形成されるからである。TFTの動作領域が複数の単結晶部分により形成される場合もあり得る。
図3は実際に結晶化した半導体薄膜の顕微鏡写真を示すが、多結晶からなる結晶成長開始領域19から横方向に概ね扇状に結晶が成長しているのがわかる。横方向に結晶が成長しゲート幅が1μm程度のTFTの寸法と比較すれば実質的に単結晶といえる扇状の大粒径化された結晶化領域20が形成されているのがわかる。
図4に本発明に係る半導体薄膜の結晶化に使用可能な結晶化装置40の一実施例を示す。この事例では、レーザ光源としてエキシマレーザ41(例えば、XeCl、KrFなど)を用いているが、必ずしもこれらエキシマレーザに限定されるわけではない。図4に示すように、パルスレーザ光42を射出するエキシマレーザ41の出射側には、レーザ光42のエネルギ密度を制御するためのアッテネータ43と、レーザ光の強度を均一化するホモジナイズ光学系44とが順次配設されている。アッテネータ43およびホモジナイズ光学系44は光学装置において通常使用されているものが使用可能である。このホモジナイズ光学系44の射出側には、位相シフトマスク46が配置される。そして位相シフトマスク46により形成されたレーザ光パターンを等倍もしくは縮小する投影レンズ47が配置されている。
この投影レンズ47の射出側には、レーザ光に対し直角方向に移動可能なXYステージ48が配置されている。なおXYステージ48には半導体薄膜49が形成された絶縁基板50が配置されることになる。XYステージ48はレーザ光に対し直角方向に移動するため駆動装置51に接続されている。XYステージ48の上部に、半導体薄膜49の位置を認識するための受光装置52が設けられている。
上記エキシマレーザ41、アッテネータ43、駆動装置51、および受光装置52は信号ライン57を介して制御装置53にそれぞれ電気的に結合されている。制御装置53はこれら各装置41、43、51、52からの信号を処理し、これらに必要な制御信号を生成する信号処理部55および信号処理に必要な情報およびプログラムを記憶する記憶部56を有する。制御装置53は、エキシマレーザ照射により非晶質または多結晶半導体薄膜49に大粒径化された結晶化領域を形成することを可能とするプログラムを含み、例えば、パルス発光するエキシマレーザ41の発光制御、アッテネータ43のエネルギ密度の制御、駆動装置51によるXYステージ48の移動制御、受光装置52による半導体薄膜49の位置認識等を含む結晶化装置に必要な各種の制御を行うことができる。
図5に本発明の第1の実施の形態によるTFT70を示す。図5は、例えば液晶表示装置の入出力保護回路として使用可能な半導体薄膜に形成されるTFTの構造と、結晶化された半導体薄膜構造との位置関係を示す。
TFT70は前記位相変調エキシマレーザ結晶化法によってアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンが結晶化されたSi薄膜71に形成されている。このSi薄膜71は図6に示すように例えばガラス基板、石英基板またはプラスチック基板等の絶縁基板72上に形成されている。通常の膜形成方法、例えばCVD法、蒸着、スパッタ法等、により絶縁基板72上に厚さが例えば30〜200nm程度、望ましくは50〜100nm程度のSi薄膜が形成され、次にSi薄膜は位相変調エキシマレーザ結晶化法によって結晶化される。TFT70は回路構成上の必要に応じて、例えばイオン注入法等により各領域にドープする不純物の種類と濃度を適宜選択することにより、pチャネルTFTまたはnチャネルTFTとすることができる。
位相変調エキシマレーザ結晶化法によって結晶化されたSi薄膜71は、結晶粒の大きさがおよそ0.2μ程度またはそれ以下の微結晶Siを含む結晶成長開始領域19と、結晶が横方向に成長している横方向結晶成長領域20、そして横方向に成長した結晶同士が衝突する領域21を有する。入出力保護回路を形成する複数のTFTが適宜これらの領域に形成される。図6は素子分離のためTFTの周辺部がエッチングにより除去され、アイランド状に形成されたTFT70の断面図である。
図5に例示するように、入出力保護トランジスタが形成されるTFT70のSi薄膜71は、ソース領域73、チャネル領域74、そしてドレイン領域75を有する。Si薄膜71は各TFT70間のアイソレーションのために各TFT70の周囲がエッチングにより除去され、この例では矩形のSiアイランド83として形成されている。Si薄膜71上に例えばSiOからなる厚さが30〜200nmのゲート絶縁膜76、ゲート電極77、ソース電極78、ドレイン電極79、層間絶縁膜80が形成されている。
各電極としては、例えば厚さが200〜300nmの多結晶Si、タングステン−モリブデン合金、アルミニウム、その他高融点金属材料を、各電極が必要とする電気特性や仕事関数に応じて選択して使用することができる。ソース電極78およびドレイン電極79としてアルミニウム膜を使用する場合には、アルミニウム膜とSi薄膜との間にバリアメタルとしてチタン薄膜を介在させるのが良い。必要な場合、絶縁基板72上に例えばSiO等からなる下地アンダーコート絶縁膜81を設けることができる。
図5に示すTFT構造において、多数の微結晶を含み多くの結晶欠陥を有する結晶成長開始領域19はドレイン領域75とチャネル領域74にまたがった構造をしている。このためチャネル領域74のドレイン側端部82は結晶成長開始領域19に形成されている。即ち、チャネル領域74はソース側端部と中央部の大部分が実質的に単結晶である横方向結晶成長領域20に形成される。そして、ドレイン側端部82、例えば図5においてチャネル領域74のうち右側の約20%の部分、が結晶成長開始領域19に形成される。
図5においてはドレイン領域75は結晶成長開始領域19および図5においてその右側の横方向結晶成長領域20’に形成されている。場合によってはドレイン領域75は、結晶成長開始領域19のみに形成しても良い。ドレイン領域75には、およそ2020/cmの高濃度の不純物がドープされるので、結晶成長開始領域19および横方向結晶成長領域20は電気的には同等の低抵抗部分として作用するからである。
図7に例えば液晶表示装置の入出力回路部137(図13参照)の入出力トランジスタ133として使用可能な、本発明の第2の実施の形態によるTFT90の平面図を示し、図8に断面図を示す。
図7および図8に示す第2の実施の形態において例示されるTFT90は、通常は上記第1の実施の形態によるTFT70と同一の絶縁基板72上に同時に形成されたSi薄膜の他の領域に形成される。TFT90は回路構成上の必要に応じて、例えばイオン注入法等により各領域にドープする不純物の種類と濃度を適宜選択し、p形TFTまたはn形TFTとすることができる。
図7に例示する入出力回路トランジスタとして使用されるTFT90のSi薄膜71は、ソース領域92、チャネル領域93、そしてドレイン領域94を有する。Si薄膜71は各TFT間のアイソレーションのために各TFTの周囲がエッチングにより除去され、この例では矩形のSiアイランド83として形成される。そしてSi薄膜71上にSiOからなるゲート絶縁膜96、ゲート電極97、ソース電極98、ドレイン電極99、層間絶縁膜100を有する。必要な場合例えばSiO等からなる下地アンダーコート絶縁膜81を設けることができる。
このTFT90の構造は、結晶成長開始領域19がソース領域92とチャネル領域93にまたがって形成される構造をしている。即ち、チャネル領域93はドレイン側端部と中央部の大部分が実質的に単結晶の横方向結晶成長領域20に形成され、ソース側端部101、例えば図7において左側の約20%、が結晶成長開始領域19に形成されている。そして、ドレイン領域94は中央部の横方向結晶成長領域20、結晶衝突領域21およびその右側の横方向結晶成長領域20‘に形成されている。
図9に第3の実施の形態に係るTFT110の断面構造(図9(A))およびTFT110の半導体アイランドの平面図(図9(B))を示す。このTFT110は、ドレイン領域112、チャネル領域113、そしてソース領域114を有する。そしてこれらの領域上にSiOからなるゲート絶縁膜115、ドレイン電極116、ゲート電極117、ソース電極118、層間絶縁膜119を有する。必要な場合絶縁基板120上に例えばSiO等からなる下地アンダーコート絶縁膜121を設けることができる。
このTFT構造において、多数の微結晶を含み多くの結晶欠陥の多い結晶成長開始領域19はドレイン領域112とチャネル領域113にまたがった構造をしている。即ち、チャネル領域113はドレイン側の結晶成長開始領域19と中央部の実質的に単結晶の横方向結晶成長領域20に形成されている。ソース領域114は横方向結晶成長領域20に形成されている。
図10(A)は、チャネル領域のドレイン側端部に結晶欠陥の多い結晶成長開始領域のあるTFTにおいて、ゲート電極とソース電極を短絡させ、ドレイン電極に電圧を印加した場合のチャネル領域の電位分布および電界分布を示すシミュレーション結果である。
シミュレーションには例えばSilvaco社のATLASデバイスシミュレータを使用することができる。シミュレーションにおいてチャネル部の移動度は単結晶Siと同じ600cm/v・s、結晶欠陥部(多結晶領域)についてはa−Siと同等の1cm/v・sとした。n層のシート抵抗を計算する条件として不純物濃度を5×1020cm−3、活性化50%とした。ゲート電極はMoW(midgap材料)でありTFTのチャネル部の不純物濃度は2×1015cm−3とした。SiSiO界面準位密度は3.0×1011cm−2、固定電荷は3.0×1011cm−2、Siバルク内の欠陥密度は3.0×1011cm−2とした。印加電圧は、Vg=0V、Vd=5V、Vs=Gndとした。
図10(A)において左側にソースが形成され、右側にドレインが形成されている。チャネル領域のドレイン側端部に結晶欠陥の多い領域が存在するとことにより、この部分(図の右側の部分)が非常に大きな抵抗となり、この部分に電界が集中し電位が急上昇している。この場合、電界強度は4×10V/cmあることを示している。
図10(B)は、チャネル領域のソース側端部に結晶欠陥の多い結晶成長開始領域のあるTFTにおいて、ゲート電極とドレイン電極を短絡させ、ソース電極に電圧を印加した場合の電位分布および電界分布を示すシミュレーション結果である。シミュレーションの条件は図4(A)と同様である。左側にソースが形成され、右側にドレインが形成されている。この場合はチャネル領域のソース側端部での電界の集中は、図4(A)のドレイン部と比較し小さく、電界強度は3×10V/cmあることを示している。
実際にチャネル領域のドレイン側端部に結晶欠陥の多い結晶成長開始領域を有するTFTについてソース−ドレイン耐圧を上記シミュレーションと同じ電圧を印加して測定すると、その耐圧は比較的低い。その理由はドレイン側に結晶欠陥のある場合、このドレイン側端部に電界が集中するためと考えられる。一方ソース側に結晶欠陥のあるTFTの場合、ソース−ドレイン耐圧は上記ドレイン側に結晶欠陥のある場合と比較し高いという実測定の結果が得られている。これはドレイン側に結晶欠陥のある場合よりも電界集中が比較的低いためと考えられる。
図11に、チャネル領域のソース側端部に結晶欠陥を多く含む領域を有するTFTと(実線)、チャネル領域のドレイン側端部に結晶欠陥を多く含む領域を有するTFT(点線)について特性を比較するため、ソース−ドレイン電圧とドレイン電流の関係について同様にATLASデバイスシミュレータを使用してミュレーションした結果を示す。チャネル領域のドレイン側端部が結晶欠陥を多く含む多結晶の場合(点線)は、ソース−ドレイン電圧が約2Vにおいてドレイン電流が急速に増加し、ソース−ドレイン耐圧はほぼ2Vである。これに対しチャネル領域のソース側端部が多結晶の場合(実線)は、ドレイン電流は徐々に増加するが、ソース−ドレイン電圧が5V以内の範囲では電流の急激な増加は見られずより高い耐圧を有する。
図12はチャネル領域のソース側端部が多結晶の場合(実線)、そしてチャネル領域のドレイン側端部が多結晶の場合(点線)について、ソース−ドレイン電圧とドレイン電流の関係についての実測した結果である。なおこの測定においてゲート電圧Vgを1〜5Vの間で1Vづつ変えている。図12はチャネル領域のドレイン側端部が多結晶の場合の方がドレイン電流がより急増しサージ電圧の吸収効果が高いことを示している。
このようにTFTにおいて、チャネル領域のドレイン側端部に多くの結晶欠陥がある場合とソース側端部に多くの結晶欠陥がある場合とでは、ソース−ドレイン耐圧(BVds)に非対象性が存在する。チャネル領域のドレイン側に多くの結晶欠陥がある場合には、チャネル領域のソース側に多くの結晶欠陥がある場合と比較し、ソース−ドレイン耐圧(BVds)が低い。この耐圧の低いTFTを入出力保護トランジスタとして有効に使用することができる。以上はn形TFTに関して説明したが、P形TFTにおいても同様である。
図13に本発明の第4の実施の形態として、液晶表示装置の入出力保護回路130に本発明に係るTFTとしてn形TFTを配置した例を示す。パッド132は入出力パッドであり入出力端部131を構成し、ここに外部回路(図示せず)からの入力信号が送られる。また入力信号の入力時の静電気ノイズも通常このパッド132を介して入力される。R21〜R25は入出力保護回路130における配線が有する寄生抵抗を等価回路的に考えた場合の抵抗である。かかる寄生抵抗については、例えば各抵抗値がR21が100Ω、R22が100Ω、R23が100Ω、R24が50〜100Ω、R25が500Ωとなるように配線導体の構造が設計される。
R22およびR23は保護回路部136を形成する入出力保護トランジスタ134および135のゲートをそれぞれのドレインに短絡させる配線の寄生抵抗である。入出力保護トランジスタ134はソースが電源Vss(例えば0〜−5v)に接続され、プラスの電荷をもつ静電気ノイズ時に電流が流れ込むトランジスタである。一方入出力保護トランジスタ135は、電源Vdd(例えば5〜10v)に接続され、マイナスの電荷をもつ静電気ノイズ時に電流が流れ込むトランジスタである。保護回路部136を形成するR24は入出力回路部137を形成するR25に対して抵抗値を低く設定し、入出力保護トランジスタ134および135を介して流れきらなかったサージ電流を流すための配線の寄生抵抗であり、Vssに接続されている。
入出力回路部137を形成する入出力トランジスタ133としてソース−ドレイン耐圧の高い本発明の第2の実施の形態のトランジスタを配置し、保護回路部136を形成する入出力保護トランジスタ134および135として本発明の第1の実施の形態に示すソース−ドレイン耐圧の低いトランジスタを配置する。これにより例えば静電気ノイズがパッド132に入った場合、入出力保護トランジスタ134よび135が入出力トランジスタ133よりも早くオンすることで入出力トランジスタ133を保護することができる。
なお入出力トランジスタ133は第2の実施の形態2に示すようなチャネル領域のソース側端部に多結晶部分を有するトランジスタに代えて、チャネル領域に多結晶部分を含まないTFTとすることも可能である。またこの入出力保護回路を、入出力保護トランジスタとしてp形TFTを用いて形成することも可能である。
保護回路部136はドレイン側ゲート端のチャネル部に結晶欠陥を多く含む多結晶SiもしくはアモルファスSi領域をもつTFTにより構成し、一方入出力回路部137はチャネル部に結晶性の良い実質的に単結晶領域をもつTFTにより構成する。かかる構造により電子装置の入力部の保護回路に関し、BVsd耐圧の異なる複数のTFTを従来のTFT構造のみを使用する工程と比較しマスク数を増やすことなく形成できる。
また、ドレイン側ゲート端のチャネル部に結晶欠陥を多く含む多結晶SiもしくはアモルファスSi領域を形成することにより、大きな静電気サージが電子装置の入力部に印加されても、結晶欠陥領域において、サージ電流を緩和することが可能なため、TFTの破壊を防ぐことができる。
上記図13はnチャネル薄膜トランジスタを使用した場合の実施の形態を示す図であるが、図14に示すようにpチャネル薄膜トランジスタを使用して同様の保護回路を形成することができる。
上記保護回路に係るTFTは、例えば上記位相変調結晶化法を用いて結晶化した半導体薄膜を用いて形成することにより、簡便に作製することが出来る。
なお、本発明に係る入出力保護回路は、電子装置に使用される、少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された入出力保護回路であって、入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を該電子装置に伝える入出力回路部と、該入出力端部と該入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
該保護回路部は、チャネル領域の中央部およびソース側端部は実質的に単結晶の半導体薄膜に設けられ、該チャネル領域のドレイン側端部は多結晶半導体またはアモルファス半導体薄膜に設けられている薄膜トランジスタを用いて構成され、
該入出力回路部は、少なくともチャネル領域の中央部およびドレイン側端部は実質的に単結晶の半導体薄膜に設けられ、チャネル領域のソース側端部は多結晶半導体またはアモルファス半導体薄膜に設けられている薄膜トランジスタを用いて構成されている入出力保護回路として構成することができる。
また、本発明に係る他の入出力保護回路は、電子装置に使用される、少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された入出力保護回路であって、入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を該電子装置に伝える入出力回路部と、該入出力端部と該入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
該保護回路部は、少なくともチャネル領域のドレイン側端部が成長開始領域により形成されている薄膜トランジスタを用いて構成され、
該入出力回路部は、少なくともチャネル領域のソース側端部が成長開始領域により形成されている薄膜トランジスタを用いて構成されている入出力保護回路として構成することができる。
図20に、例えば図13または図14に例示するような本発明に係る入出力保護回路130、140を使用する液晶表示装置250の具体例を示す。液晶表示装置250を形成する薄膜トランジスタや画素の形成領域は303および303’で示している。液晶表示装置250は、図20(b)に示すように、上下1対の透明基板291、292、液晶層293、複数の画素電極294、そして対向電極297を含む。
1対の透明基板291、292としては例えばガラス基板を用いることができる。これら透明基板291、292は、枠状のシール材318を介して接合されている。液晶層293は、1対の透明基板291、292およびシール材318により囲まれた領域に密閉して配置される。
前記1対の透明基板291、292のうちの一方の透明基板、例えば下側の透明基板292の内面には、行方向および列方向にマトリックス状に設けられた複数の画素電極294と、この複数の画素電極294にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタ298と、複数の薄膜トランジスタ298と電気的に接続された複数の走査配線295および信号配線296が設けられている。この実施例においては、薄膜トランジスタ298と画素電極294がそれぞれ素子形成領域303、303‘に形成されている。
複数の走査配線295は行方向に延在し薄膜トランジスタ298のゲートに接続されている。これら走査配線295の一端はそれぞれ走査線駆動回路299に接続されている。また、複数の信号配線296は列方向に延在して各薄膜トランジスタ298に接続されている。これら信号配線296の一端はそれぞれ信号線駆動回路部分300に接続されている。走査線駆動回路299および信号線駆動回路部分300は液晶コントローラ301に接続されている。液晶コントローラ301は外部回路302から供給される画像信号及び同期信号を受信し、画素映像信号Vpix、垂直祖歌制御信号YCT、および水平走査制御信号XCTを発生する。液晶コントローラ301の入力部306は、例えば図13または図14に示す例示するような本発明に係る入出力保護回路304を介して、外部回路302に接続される。入出力保護回路304は、外部回路302およびそれとの接続ライン305から進入する望ましくない高電圧が、液晶コントローラ301に直接加わるのを防止する。
入出力保護回路304は液晶コントローラ301と共に、液晶表示装置250と同一の基板292に同一の工程で形成し、液晶表示装置250と一体化して形成することができる。また本発明に係る薄膜トランジスタ70、90を液晶表示装置250の内部回路、例えば走査線駆動回路299または信号線駆動回路部分300等に適宜適用し、それぞれの回路部分を直接保護することもできる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上記実施の形態は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されるべきものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、本発明の範囲内のものである。
本発明に関する実施の形態としての位相シフトマスクを使用した結晶化工程の原理を示す図である。 本発明に関する実施の形態としての位相シフトマスクについて例示する図である。 本発明において使用される結晶化した半導体薄膜の具体例の顕微鏡写真である。 本発明に係る半導体薄膜の結晶化に使用可能な結晶化装置である。 本発明の第1の実施の形態の入出力保護用トランジスタの構造を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態の入出力保護用トランジスタの構造を示す断面図図である。 本発明の第2の実施の形態の入出力用トランジスタの構造を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態の入出力用トランジスタの構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態の薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。 本発明の第1および第2の実施の形態の薄膜トランジスタの構造における内部電界および電位のシミュレーションの図である。 本発明の第1および第2の実施の形態の薄膜トランジスタの構造におけるソースドレイン耐圧のシミュレーションの結果を示すである。 本発明の第1および第2の実施の形態の薄膜トランジスタの構造におけるソースドレイン耐圧の実測結果を示すである。 本発明に係るnチャネル薄膜トランジスタを使用する第4の実施の形態としての入出力保護回路を示す図である。 本発明に係るpチャネル薄膜トランジスタを使用する入出力保護回路を示す図である。 従来技術におけるnチャネル薄膜トランジスタを使用する入出力保護回路を示す図である。 従来技術におけるpチャネル薄膜トランジスタを使用する入出力保護回路を示す図である。 MOS FETにおけるスナップバック特性の測定方法を示す図である。 MOS nチャネルFETにおけるスナップバック特性を示す図である。 MOS pチャネルFETにおけるスナップバック特性を示す図である。 本発明により形成された入出力保護回路を使用した液晶表示装置の具体例を示す図である。
符号の説明
10…位相シフトマク、 11…エキシマレーザ光、 12…段差部、 13a…第1のストリップ領域(位相領域)、 13b…第2のストリップ領域(位相領域)、 14…強度分布、 15…光強度が最小の部分、 16…温度分布、 17…温度の最小の部分、 18…温度傾斜部、 19…結晶成長開始領域、 20…横方向結晶成長領域(結晶化領域)、 21…結晶衝突領域、 22…加熱温度が最高の部分、 30…半導体薄膜、 32…位相シフトマスク、 33…段差部、 40…結晶化装置、 41…エキシマレーザ、 42…パルスレーザ光、 43…アッテネータ、 44…ホモジナイズ光学系、46…位相シフトマスク、 47…投影レンズ、 48…XYステージ 49…半導体薄膜、 50…絶縁基板、 51…駆動装置、 52…受光装置、 53…制御装置、 55…信号処理部、 56…記憶部、 57…信号ライン、 70…トランジスタ(TFT)、 71…半導体薄膜(Si薄膜、Ge薄膜等)、 72…絶縁基板、 73…ソース領域、 74…チャネル領域、 75…ドレイン領域、 76…ゲート絶縁膜、 77…ゲート電極、 78…ソース電極、 79…ドレイン電極、 80…層間絶縁膜、 81…下地アンダーコート絶縁膜、 82…ドレイン側端部、 83…アイランド、 90…トランジスタ(TFT)、 92…ソース領域、 93…チャネル領域、 94…ドレイン領域、 96…ゲート絶縁膜、 97…ゲート電極、 98…ソース電極、 99…ドレイン電極、 100…層間絶縁膜、 101…ソース側端部、 110…TFT、 112…ドレイン領域、 113…チャネル領域、 114…ソース領域、 115…ゲート絶縁膜、 116…ドレイン電極、 117…ゲート電極、 118…ソース電極、 119…層間絶縁膜、 120…絶縁基板、 121…下地アンダーコート絶縁膜、 130…入出力保護回路、 131…入出力端部、 132…パッド、 133…入出力トランジスタ、 134…入出力保護トランジスタ、 135…入出力保護トランジスタ、 136…保護回路部、 137…入出力回路部、 200…入出力保護回路、 201…入出力端子パッド、 203…入出力保護TFT、 204…入出力保護TFT、 211…酸化絶縁膜、 212…ゲート絶縁膜、 213…ゲート電極、 214…ドレイン領域、 215…ソース領域、 216…チャネル領域、 217…シリコン層、 220…入出力保護回路、 250…液晶表示装置、 291、292…透明基板、 293…液晶層、 294…画素電極、 295…走査配線、 296…信号配線、 297…対向電極、 298…薄膜トランジスタ、 299…走査線駆動回路、 300…信号線駆動回路、 301…液晶コントローラ、 302…外部回路、 303、303’…素子形成領域、 304…入出力保護回路、 305…接続ライン、 306…入力部、 318…シール材

Claims (13)

  1. 実質的に単結晶の領域および多結晶またはアモルファス領域とを有する半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域、前記チャネル領域の上部に形成されたゲート絶縁膜、およびゲート電極を有する薄膜トランジスタであって、
    前記チャネル領域の中央部およびソース側端部は前記実質的に単結晶の半導体薄膜に設けられ、前記チャネル領域のドレイン側端部は前記多結晶半導体またはアモルファス半導体薄膜に設けられていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 実質的に単結晶の領域および多結晶またはアモルファス領域とを有する半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、ドレイン領域、前記チャネル領域の上部に形成されたゲート絶縁膜およびゲート電極を有する薄膜トランジスタであって、
    前記チャネル領域の中央部およびドレイン側端部は前記実質的に単結晶の半導体に設けられ、前記チャネル領域のソース側端部は前記多結晶半導体またはアモルファス半導体に設けられていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  3. 前記多結晶半導体またはアモルファス半導体薄膜は結晶粒の大きさが0.2μまたはそれ以下の微結晶を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 半導体薄膜に形成されたソース領域、チャネル領域、ドレイン領域、前記チャネル領域上部に形成されたゲート絶縁膜、およびゲート電極を有する薄膜トランジスタであって、
    前記半導体薄膜は結晶化された半導体薄膜により形成され、前記チャネル領域は結晶化された半導体薄膜の成長開始領域および結晶成長領域により形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  5. 前記チャネル領域のドレイン側端部が前記成長開始領域により形成されていることを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記チャネル領域のソース側端部が前記成長開始領域により形成されていることを特徴とする請求項4記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記成長開始領域は結晶粒の大きさが0.2μまたはそれ以下の微結晶を有することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記半導体はSiであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項記載の薄膜トランジスタ。
  9. 少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された、電子装置の入出力保護回路であって、
    前記入出力保護回路は入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を前記電子装置に伝える入出力回路部と、前記入出力端部と前記入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
    前記保護回路部は少なくとも請求項1または請求項5記載の薄膜トランジスタを用いて構成されていることを特徴とする入出力保護回路。
  10. 少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された、電子装置の入出力保護回路であって、
    前記入出力保護回路は入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を前記電子装置に伝える入出力回路部と、前記入出力端部と前記入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
    前記入出力回路部は少なくとも請求項2または請求項6記載の薄膜トランジスタを用いて構成されていることを特徴とする入出力保護回路。
  11. 少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された電子装置の入出力保護回路であって、
    前記入出力保護回路は入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を前記電子装置に伝える入出力回路部と、前記入出力端部と前記入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
    前記保護回路部は少なくとも請求項1記載の薄膜トランジスタを用いて構成され、
    前記入出力回路部は少なくとも請求項2記載の薄膜トランジスタを用いて構成されている入出力保護回路。
  12. 少なくとも複数の薄膜トランジスタ用いて構成された電子装置の入出力保護回路であって、
    前記入出力保護回路は入力信号が入力する入出力端部と、入力信号を前記電子装置に伝える入出力回路部と、前記入出力端部と前記入出力回路部との間に配置された保護回路部とを有し、
    前記保護回路部は少なくとも請求項5記載の薄膜トランジスタを用いて構成され、
    前記入出力回路部は少なくとも請求項6記載の薄膜トランジスタを用いて構成されている入出力保護回路。
  13. 請求項1、2または4のいずれか1項記載の薄膜トランジスタを使用することを特徴とする液晶表示装置。
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