JP2001076835A - 圧接コネクタ用端子実装機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧接コネクタのハウジングに端子をワイヤー
ハーネス製造ラインの前段において確実に、効率良く組
込める実装機を提供する。 【解決手段】 コネクタを搬送して位置決めするコネク
タ搬送部と端子フープ２を送り出す端子供給部と、端子
フープ２に定ピッチで送りをかけ、さらに、端子Ｔを端
子ガイド３３でガイドし、その後、キャリアから切り離
し、押込みユニット３７の押込みロッドで端子ガイド３
３によるガイド下で端子をコネクタのキャビティに押込
む端子挿入部とを備えさせて実装機を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、圧接コネクタに
対する端子の組付けを、ワイヤーハーネス製造ラインの
前段において確実に効率良く行う簡素かつ小型の圧接コ
ネクタ用端子実装機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１２に、電線の端部に取付ける圧接端
子の一例を示す。電線Ａの端末部を端子Ｔのコンタクト
爪ｕ間に圧入してコンタクト爪ｕで絶縁被覆ｂを切り裂
き、導体ａとコンタクト爪ｕを電気的に導通させる。そ
の後、端子Ｔのバレルｄをかしめて電線Ａを被覆ｂの外
側から保持し、以上で端子Ｔの取付けが完了する。

【０００３】圧接コネクタを採用したワイヤーハーネス
は、このような端子を部品製造工場で予めコネクタハウ
ジングに組込んでおき、それをワイヤーハーネスの組立
て工場に送り、そこで、電線を取付けていた。

【０００４】図１３は、端子組付け後の圧接コネクタの
一例である。このように、コネクタハウジングＣに定ピ
ッチで設けられた複数個のキャビティＳに端子Ｔが組込
まれており、その端子Ｔの各々に電線が圧入される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】圧接端子を予めコネク
タハウジングに組込んでワイヤーハーネスの製造工場に
送る場合、端子を保護するために端子組付け後のコネク
タハウジングを入れる専用の通い箱等を必要とし、余分
のコストがかかる。

【０００６】また、ワイヤーハーネスの仕様によって
は、コネクタハウジングに組込む端子の数や種類が異な
るものになり、共通のコネクタハウジングを用いる場
合、外観では見分けがつかなくなるため、組付けパター
ン毎のコネクタ管理が必要になり、余分の手間が増え
る。

【０００７】そこで、圧接コネクタの端子組付けをワイ
ヤーハーネス製造ラインの前段において行うことが検討
され、そのための実装機がいくつか開発されている。

【０００８】この発明は、その実装機の信頼性を高め、
簡素化や小型化等も実現することを課題としている。

【０００９】圧接コネクタのハウジングは、端子組付け
後に電線を取付ける関係でキャビティＳの上部を図１３
に示すように開放させている。この上部開口は、電線取
付け後に蓋で閉鎖するが、それまでは開放した状態にあ
る。このような上部開口のキャビティに端子を挿入する
場合、挿入途中に端子がキャビティから抜け出すことが
ある。

【００１０】また、端子は、端子フープ（帯状キャリア
に端子を定ピッチで一体に形成したもの）を間欠送りし
ながら供給し、直前にキャリアから切り離してキャビテ
ィに押込むと組付けを効率良く行えるが、キャリアに付
いているべき端子が欠落していたり、変形して大きく位
置ずれしたりしていると端子の組付けミスが起こる。

【００１１】さらに、製造ロットが変わると機械の段取
り替えが必要になるが、その作業に手間取るような機械
は稼働率低下を招いて好ましくない。

【００１２】また、複雑かつ大型の機械は設備費や設備
スペース面で好ましくない。

【００１３】この発明は、これ等の問題点を解決しよう
とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、コネクタをセットしたコネク
タ保持治具に定ピッチで送りをかけてコネクタの各キャ
ビティを端子挿入点に位置決めするコネクタ搬送部、端
子フープをサプライリールから送り出す端子供給部、及
びベース板で支えた端子フープに送りをかけてキャリア
と一体の端子を位置決めされたキャビティの前方に１個
ずつ移動させ、その端子を切断刃でキャリアから切り離
して押込みユニットの押込みロッドでコネクタのキャビ
ティに押込む端子挿入部を設け、さらに、前記端子挿入
部に、端子をキャリアから切り離す前に待機点から降下
してコネクタのキャビティの上部開口を塞ぎ、かつその
キャビティの前方に送り込まれた端子の周りにキャビテ
ィに連じるガイド孔を作り出す端子ガイドを備えさせた
のである。

【００１５】この実装機は、端子挿入部に端子の送り確
認センサを含ませておくと好ましい。

【００１６】また、押込みユニットの押込みロッドをス
プリングで前向きに付勢してロッド駆動用アクチュエー
タに押込み方向への相対変位が許容されるように取付
け、その押込みロッドと前記アクチュエータの相対変位
を検出する検知器とから成る押込み確認センサを設けて
おくのも好ましい。

【００１７】このほか、実施形態で述べるような構造に
すると、実装機の簡素化、小型化、段取り替えの迅速化
なども図れる。

【００１８】

【作用】この発明の実装機は、端子挿入部に含ませた端
子ガイドによって端子の位置矯正とキャビティへの誘導
がなされるので、端子の組付けミスが生じ難い。

【００１９】端子の送り確認センサを設けたものは、送
り位置ずれの原因究明、及び修正が可能であり、端子の
送り位置ずれによる組付けミス、組付け漏れも防止され
る。

【００２０】また、押込み確認センサを設けたものは、
端子が引っ掛かるなどしてキャビティへの押込みがうま
くなされなかったときに、押込ロッドとアクチュエータ
の相対変位が起こり、それを変位検出器が検出するの
で、押込みが確実になされたか否かの検査も行える。

【００２１】

【発明の実施の形態】図１乃至図３に、この発明の端子
実装機の実施形態の概要を示す。

【００２２】この実装機は、コネクタ保持治具１の搬送
部１０（図２、図５参照）と、端子供給部２０と、端子
挿入部３０とから成る。

【００２３】搬送部１０は、コネクタ保持治具１を案内
する図５の摺動レール１１と、コネクタ保持治具を定位
置に搬送し、さらに、定ピッチで送りをかける送り機構
（図示省略）とを備えている。

【００２４】送り機構は、サーボモータでボールねじを
回転させてボールねじに螺合したスライダ（図示せず）
を変位させる。スライダには図５に示す連結ピン１２を
設けてあり、そのピン１２をコネクタ保持治具１に係合
させてスライダの移動力をコネクタ保持治具１に伝え
る。連結ピン１２は駆動源を有する出没自在のピンであ
り、コネクタ保持治具１を次工程に送るときに治具１か
ら離脱する。

【００２５】端子供給部２０は、端子フープ２をサプラ
イリール２１から繰り出す。端子フープ２は、図１１に
示すように、帯状キャリア３に定ピッチで端子Ｔを一体
に形成したものである。

【００２６】端子供給部２０には、繰り出される端子フ
ープ２に張力がかからないようにするために、モータ２
２で駆動する送りリール２３と、ガイドローラ２４とセ
ンサ２５を設けている。センサ２５は、弛みが無くなっ
て端子フープ２がガイド枠２６の底から浮き上ったとき
にそれを検出し、そこからの信号で送りリール２３が回
転して端子フープ２の送り出しがなされ、これにより、
端子フープ２は常に緩みを生じた状態で繰り出されてい
く。

【００２７】端子挿入部３０は、図４乃至図８に詳しく
示すように、テーブル３１を有し、そのテーブル３１上
に端子供給部２０から送り出された端子フープ２が押え
ローラ３２で浮き上りを止めて載置される。

【００２８】この端子挿入部３０には、図４、図５に示
す端子ガイド３３と、図５に示す切断刃３４と、図４に
示す端子フープ２の間欠送り機構３５と、端子送り確認
センサ３６及び図５に示す端子の押込みユニット３７が
設けられている。図４の２７は端子の有無を検出する検
出器である。

【００２９】図４、図５の３８は上部にシリンダ３９を
取付けたスタンドであり、そのスタンド３８の前部に可
動ブロック４０を設けている。可動ブロック４０は、ス
タンド前面のガイドレール４１に取外し自在に添わせ
（図６参照）、さらに、図４に示すＴ継手とＴスロット
を嵌め合わせる連結具４２を用いてシリンダ３９の出力
ロッド先端に着脱自在に連結している。

【００３０】端子ガイド３３は、先端側の下部を切欠い
た図１０に示すような門型断面の細長い部品であり、図
５に示すスプリング４３で下向きに付勢して可動ブロッ
ク４０に取付けている。また、切断刃３４は可動ブロッ
ク４０に取付けている。

【００３１】間欠送り機構３５は、図７に示す揺動リン
ク３５ａと、そのリンクの揺動支点になる支軸３５ｂ
と、スプリング３５ｃで前下り方向に付勢して揺動リン
ク３５ａの下端にピン３５ｄで揺動自在に取付けた送り
爪３５ｅと、揺動リンク３５ａに形成されているカム溝
３５ｆに抜き差し自在に係合させるカムフォロア３５ｇ
とから成る。カムフォロア３５ｇは可動ブロック４０
に、揺動リンク３５ａはスタンド３８に各々取付けてお
り、可動ブロック４０の降下時に揺動リンク３５ａが送
り方向前方に振れる。その振れの途中に送り爪３５ｅの
先端がキャリア３の送り孔に係合し、その後、キャリア
３が爪３５ｅに押されて端子フープ２に端子１ピッチ分
の送りがかかる。

【００３２】端子送り確認センサ３６は、図８（ａ）に
示すように、可動ブロック４０に昇降自在に取付けたス
ライドロッド３６ａと、そのロッドを下向きに付勢する
スプリング３６ｂと、ロッド３６ａの変位を検知するフ
ォトセンサ３６ｃとから成る。スライドロッド３６ａ
は、下端に接触子３６ｄを有しており、その接触子３６
ｄが可動ブロック４０の降下時に直下の端子Ｔの位置を
矯正しながらその端子を囲む。

【００３３】直下にあるべき端子の位置が図８（ｂ）の
ようにずれている場合には、端子Ｔ上に接触子３６ｄが
乗り上げてスライドロッド３６ａが押し上げられ、セン
サ３６ｃが作動する。従って、この送り確認センサ３６
を設けることで端子の送り位置ずれが判り、送り位置ず
れの原因究明や修復を行って送り位置ずれに起因した端
子の挿入ミス、挿入漏れを防止することが可能になる。

【００３４】次に、押込みユニット３７は、図９に示す
ように、シリンダ３７ａで押し引きする押込みロッド３
７ｂを有し、その押込みロッド３７ｂで端子Ｔをコネク
タのキャビティＳに押込むようにしてある。この押込み
ユニット３７には、下記の押込み確認センサを付属させ
ている。即ち、シリンダ３７ａの出力部にスライドロッ
ド３７ｃを取付け、スプリング３７ｄで前向きに付勢し
たそのスライドロッド３７ｃに押込みロッド３７ｂを連
結しており、一定値以上の押込み抵抗を受けると押込み
ロッド３７ｂがその位置に停止し、スプリング３７ｄを
圧縮してシリンダ３７ａの出力部のみが前進する。この
際のロッド３７ｂとシリンダ出力部の相対変位量が設定
値を越えるとフォトセンサ３７ｅが作動し、そこからの
信号で押込み不良が判る。なお、押込むべき端子が無い
場合には、押込み抵抗が発生しないので、その抵抗を検
出することによって端子の挿入漏れも知ることができ
る。

【００３５】以上の如く構成した実装機は、先ず、図５
に示すコネクタＣを保持した治具１が端子実装点に搬送
されて位置決めされる。

【００３６】次に、シリンダ３９が作動して可動ブロッ
ク４０が降下し、間欠送り機構３５が駆動されて端子フ
ープ２に１ピッチ分の送りがかかる。その直後に端子ガ
イド３３がコネクタのキャビティＳの前方に送り込まれ
た端子Ｔを図１０に示すように上から覆って端子Ｔの位
置、向きのずれを矯正し、同時にキャビティＳの上部開
口も塞いでキャビティＳに通じるガイド孔４４を作り出
す。端子ガイド３３は、この位置で停止するが、図５に
示す可動ブロック４０はこの後もスプリング４３を圧縮
して下死点まで降下し、その降下により切断刃３４が端
子Ｔをキャリア３から切り離す。このとき、送り確認セ
ンサ３６による後続の端子の送り確認もなされる。

【００３７】その後、押込みユニット３７のシリンダ３
７ａが作動して押込みロッド３７ｂが端子ガイド３３内
の端子ＴをコネクタＣのキャビティＳに押込む。端子Ｔ
は逆止用の金属ランスを有しており、正常な押込みが完
了するとキャビティ内に安定して保持される。

【００３８】以上の作業を終えるとシリンダ３７ａと３
９が復帰し、コネクタの次のキャビティが端子挿入点に
移されて上記の動作が繰り返される。

【００３９】なお、同一コネクタに種類の異なる端子を
組付ける必要があるときには、異種端子を組付ける実装
機を図１〜図３に示すように、２台以上並列に配置して
作業を行うとよい。

【００４０】

【発明の効果】以上述べたように、この発明の端子実装
機は、キャリアから切り離す前の端子を端子ガイドで囲
い、そのガイドで、その後に押し込まれる端子をコネク
タのキャビティに向けて誘導するようにしたので、端子
押込みの円滑化、正確化が図れ、製品の信頼性向上、生
産性の向上に貢献できる。

【００４１】また、端子の送り確認センサや端子の押込
み確認センサを付属させたものは、端子の挿入漏れ、組
付け不良を無くすことができ、信頼性がより向上する。

【００４２】このほか、端子の間欠送り機構、端子ガイ
ド、切断刃をひとつのアクチュエータで駆動する実施形
態の実装機は、構造の簡素化、小型化が図れる。

【００４３】また、実施形態の実装機は、端子ガイド、
切断刃、送り確認センサを可動ブロックに取付けてユニ
ット化し、そのユニットをワンタッチ操作で着脱できる
ようにしたので、段取り替えも迅速に行え、稼働率も高
められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の実装機の全体の概要を示す正面図

【図２】同上の実装機の側面図

【図３】同じく平面図

【図４】端子挿入部の詳細を示す正面図

【図５】端子挿入部の側面図

【図６】可動ブロック取付け部の平面視断面図

【図７】間欠送り機構の詳細を示す正面図

【図８】（ａ）端子送り確認センサの詳細を示す正面図 （ｂ）端子送りの位置ずれ検出原理を示す図

【図９】押込みユニットの詳細を示す側面図

【図１０】（ａ）端子ガイドの詳細を示す側面図 （ｂ）同上のガイドの断面図

【図１１】端子フープの一例を示す斜視図

【図１２】圧接端子の一例を示す斜視図

【図１３】圧接コネクタの一例を示す蓋取付け前の斜視
図

【符号の説明】

１ コネクタ保持治具 ２ 端子フープ ３ キャリア １０ 搬送部 １１ 摺動レール １２ 連結ピン ２０ 端子供給部 ２１ サプライリール ２３ 送りリール ２５ センサ ３０ 端子挿入部 ３１ テーブル ３２ 押えローラ ３３ 端子ガイド ３４ 切断刃 ３５ 間欠送り機構 ３５ｅ 送り爪 ３６ 端子送り確認センサ ３７ 押込みユニット ３７ａ シリンダ ３７ｂ 押込みロッド ３７ｅ フォトセンサ ３９ シリンダ ４０ 可動ブロック ４１ ガイドレール ４２ 連結具 Ｔ 端子 Ａ 電線 Ｃ コネクタハウジング Ｓ キャビティ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタをセットしたコネクタ保持治具
   に定ピッチで送りをかけてコネクタの各キャビティを端
   子挿入点に位置決めするコネクタ搬送部、端子フープを
   サプライリールから送り出す端子供給部、及びベース板
   で支えた端子フープに送りをかけてキャリアと一体の端
   子を位置決めされたキャビティの前方に１個ずつ移動さ
   せ、その端子を切断刃でキャリアから切り離して押込み
   ユニットの押込みロッドでコネクタのキャビティに押込
   む端子挿入部を設け、さらに、前記端子挿入部に、端子
   をキャリアから切り離す前に待機点から降下してコネク
   タのキャビティの上部開口を塞ぎ、かつそのキャビティ
   の前方に送り込まれた端子の周りにキャビティに連じる
   ガイド孔を作り出す端子ガイドを備えさせて成る圧接コ
   ネクタ用端子実装機。
2. 【請求項２】 押込みユニットの押込みロッドをスプリ
   ングで前向きに付勢してロッド駆動用アクチュエータに
   押込み方向への相対変位が許容されるように取付け、そ
   の押込みロッドと前記アクチュエータの相対変位を検出
   する検知器とから成る押込み確認センサを設けた請求項
   １記載の圧接コネクタ用端子実装機。
3. 【請求項３】 ガイドレールで案内してシリンダで昇降
   させる可動ブロックを端子挿入部に設けてその可動ブロ
   ックに前記端子ガイドと切断刃を取付け、さらに、前記
   間欠送り機構を、固定フレームで支える揺動リンクと、
   そのリンクの下端にスプリングで前下り方向の力を加え
   て揺動可能に取付ける送り爪と、可動ブロックに取付け
   て揺動リンクに設けたカム溝に係合させるカムフォロア
   とで構成し、前記端子ガイド、切断刃及び間欠送り機構
   を前記シリンダで駆動するようにした請求項１又は２に
   記載の圧接コネクタ用端子実装機。
4. 【請求項４】 下端の接触子が真下の端子に当たったと
   きに押し上げられるスライドロッドと、このロッドを下
   向きに付勢するスプリングと、スライドロッドの変位検
   知器とから成る端子送り確認センサを前記可動ブロック
   に設けた請求項３記載の圧接コネクタ用端子実装機。