JP2001076720A - マグネシウム化合物、それを用いた非水電解質電池、マグネシウム化合物の合成方法及びそれを用いた非水電解質電池の製造方法 - Google Patents
マグネシウム化合物、それを用いた非水電解質電池、マグネシウム化合物の合成方法及びそれを用いた非水電解質電池の製造方法Info
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Abstract
特性及びサイクル特性の向上を実現し、更にマグネシウ
ムイオン電池を作製する際のコストを削減する。 【解決手段】負極活物質を含む負極2と、正極活物質を
含む正極3と、非水電解質とを備える非水電解質電池に
おいて、NaxMO2(但し、MはCo又はNiである。
また、xは0.2≦x≦1.0の範囲である。)とMg
(NO3)2とを混合し、焼成することにより調製される
MgxMO2(但し、Mは、Ni又はCoである。)で表
されるマグネシウム化合物を正極活物質に含有させる。
Description
負極と、正極活物質を含む正極と、非水電解質とを備え
る非水電解質電池に関するものであり、特に、マグネシ
ウムイオンを電荷担体とする非水電解質電池に関するも
のである。
充電による繰り返し使用が可能なことからポータブル用
の電源としてカメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯
電話、ラップトップコンピュータ等の様々な電子機器に
用いられている。これら電子機器の小型化・軽量化が次
々と実現されているのに伴い、ポータブル用の電源とし
ての非水電解質電池に対しても、更なる小型化・軽量化
・高エネルギー密度化の要求が高まってきている。
の中でも、とりわけリチウムイオン二次電池,ニッケル
水素二次電池は、鉛電池,ニッケルカドミウム電池等と
比較して高いエネルギー密度が得られるために広く用い
られ、市場も著しく成長している。一方で、更なるエネ
ルギー密度の向上を目指して、2価の電荷を持つマグネ
シウムイオンやカルシウムイオンを二次電池の電荷担体
として用いる試みがなされている。
極材料に黒鉛,コークス等の炭素材料を用い、正極材料
にCaCo2O4,Ca3Co4O9,Ca2Co2O5,Ca
3Co2O6,CaFeO3,CaFeO2等のカルシウム
含有金属酸化物を用いる非水電解質二次電池が、特開平
6−163080号公報等に既に開示されている。ま
た、カルシウムイオン正極の単位重量当たりの容量の向
上を図るため、カルシウムの酸化物ではなく、カルシウ
ムのケイ化物やゲルマニウム化物を正極材料とする非水
電解質電池が、特開平8−321305号公報に開示さ
れている。
て、正極にTiS2,ZrS2,RuO2,Co3O4,V2
O5等を用い、非水電解質としてアセトニトリルにMg
(ClO4)2を溶解した電解液を用いた系で、約170
mAh/gの電池容量を得たという報告がP.Nova
kらによってなされ、J.Electrochem.S
oc.,Vol.140 No.1,Jan(199
3)140に記載されている。更に、MoO3へMg2+
イオンを吸蔵させたものを正極活物質として用いた例
も、M.E.Spahr;J.Power Sourc
es 54 (1995)346に報告されている。
二次電池は、リチウムイオン二次電池を凌ぐ負荷特性を
持つ電池として期待されている。
として、TiS2,ZrS2,RuO2,Co3O4,V2O
5等を用いた非水電解質電池、或いは、MoO3へMg2+
イオンを吸蔵させたものを用いた非水電解質電池では、
正極活物質の結晶内におけるマグネシウムイオンパスが
一次元的であるために、正極活物質内でのマグネシウム
イオンの拡散が遅くなり、その結果として、負荷特性及
びサイクル特性等が悪化するという問題点を生じる。
S2,ZrS2,RuO2,Co3O4,V2O5,MoO3等
以外に、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用
いられるLixMO2(ここで、MはNi,Coの何れか
又は両方を含有する。)からリチウムを放出したものを
マグネシウムイオン電池の正極として用いることが可能
である。この方法で作製される正極は、マグネシウムイ
オンパスが二次元的であることから負荷特性及びサイク
ル特性が向上するが、この方法では、リチウムイオン二
次電池に用いる正極を作製する工程と、更に、その作製
した正極からリチウムイオンを放出する工程とが必要と
なるため製造工程が複雑となるという問題や、コストが
高くなるという問題点を生じる。
提案されたものであり、マグネシウムイオンを電荷担体
として用い、マグネシウムイオンの拡散を円滑にし、負
荷特性及びサイクル特性の向上を実現し、更にマグネシ
ウムイオン電池を作製する際のコストを削減するマグネ
シウム化合物、それを用いた非水電解質電池、マグネシ
ウム化合物の合成方法及びそれを用いた非水電解質電池
の製造方法を提供することを目的とする。
めに、本発明に係るマグネシウム化合物は、一般式Mg
xMO2(式中、MはNi又はCoである。)で表される
ものである。
シウム化合物内におけるイオン伝導が二次元的に起こる
ため、マグネシウムイオンが効率よく拡散される。
極活物質を含有する負極と、正極活物質を含有する正極
と、非水電解質とを備え、上記正極活物質として、一般
式MgxMO2(式中、MはNi又はCoである。)で表
されるマグネシウム化合物を含有するものである。
して用いれば、正極内でのマグネシウムイオンのイオン
伝導が二次元的に起こるため、マグネシウムイオンが効
率よく拡散され、負荷特性及びサイクル特性等の向上が
実現される。
合成方法は、NaxMO2(但し、式中のMはCo又はN
iである。また、xは0.2≦x≦1.0の範囲であ
る。)と、Mg(NO3)2とを混合し、焼成する工程を
有する。
oである。)で表されるマグネシウム化合物を合成する
際、上述の合成方法を用いることによって、リチウム化
合物のリチウムを放出したものにマグネシウムを吸蔵さ
せる工程を経ることなく、直接マグネシウム化合物を合
成できるため、製造工程を簡略化することが可能とな
り、製造にかかるコストが削減される。
方法は、負極活物質を含有する負極と、正極活物質を含
有する正極と、非水電解質とを備え、上記正極活物質と
して、一般式MgxMO2(式中、MはNi又はCoであ
る。)で表されるマグネシウム化合物を含有する非水電
解質電池の製造方法において、上記マグネシウム化合物
を合成するに際し、NaxMO2(但し、式中のMはCo
又はNiである。また、xは0.2≦x≦1.0の範囲
である。)と、Mg(NO3)2とを混合し、焼成する工
程を有するものである。
ネシウムイオンを電荷担体とする非水電解質電池によれ
ば、リチウムイオン電池の正極からリチウムを放出した
ものを正極として用いるのではなく、予めマグネシウム
を含有するマグネシウム化合物を正極活物質として用い
ることによって、正極を作製する工程が簡略化されるた
めに、コストの削減が可能となる。
池の実施の形態について、図面を参考にして詳細に説明
する。本発明を適用した非水電解質電池1は、図1にそ
の具体的な構成を示すように、負極2と、負極2を収納
する負極缶3と、正極4と、正極4を収納する正極缶5
と、正極4と負極2との間に配されたセパレータ6と、
ガスケット7とを備え、負極缶3及び正極缶5内に非水
電解液が充填されてなるものである。
ウムを圧延した金属マグネシウム箔からなる。上述した
もの以外にも、例えば、負極活物質の粉末と結着剤等を
混合し、更にホルムアミドやN−メチルピロリドン等の
有機溶媒を添加してペースト状の負極用合剤を調製し
て、これをアルミニウム箔等の負極集電体上に塗布し、
乾燥したものを負極2として用いることもできる。上記
結着剤には、従来公知の結着剤を用いることができる。
の吸蔵放出を可能とする材料であれば限定されることな
く使用可能であり、例えば、金属マグネシウム単体、金
属マグネシウムとアルカリ金属との合金及びマグネシウ
ムが吸蔵された導電性高分子や層状化合物(炭素材料や
金属酸化物等)を使用することができる。
り、また、非水電解液電池1の外部負極を兼ねている。
はNi又はCoであるマグネシウム化合物を正極活物質
として含有している。マグネシウム化合物は、層状構造
を有する酸化化合物からイオン交換法によって生成する
ことができる。例えば、NaxMO2(但し、MはCo又
はNiである。また、xは0.2≦x≦1.0の範囲で
ある。)と、Mg(NO3)2とを混合し、焼成すること
により調製される。
水水酸化ナトリウムとを不活性ガス雰囲気下にて十分混
合した後、500℃下にて焼成し、NaxMO2(但し、
MはCo又はNiである。また、xは0.2≦x≦1.
0の範囲である。)を得る。次に、このNaxMO2とM
g(NO3)2とを混合し、酸素雰囲気下にて300℃以
上で焼成する。この際、以下の化学反応式(1)に示す
ように反応が進行してマグネシウム化合物が生成され
る。最後に、得られた試料粉砕し、蒸留水で十分に洗浄
する。以上の工程を経ることによって上記MgxMO2を
得ることができる。
O2の粉末と、導電剤と、結着剤とを混練して調製され
た正極用合剤を圧縮成形することによりペレット状に加
工して得られる。
剤と、結着剤とを混合し、更にホルムアミドやN−メチ
ルピロリドン等の有機溶媒を添加してペースト状の正極
用合剤を調製して、これをアルミニウム箔等の正極集電
体上に塗布し、乾燥したものを正極4として用いること
もできる。
やグラファイト等の炭素質材料を用いることができる。
また、結着剤には、例えばポリフッ化ビニリデン等を用
いることができる。
り、また、非水電解液電池1の外部正極となる。
間させるものであり、この種の非水電解液電池のセパレ
ータとして通常用いられる従来公知の材料を使用でき
る。セパレータ6には、例えば、ポリプロピレンなどの
高分子フィルムを用いることができる。また、リチウム
イオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレー
タの厚みはできるだけ薄いことが必要とされる。具体的
には、セパレータの厚みは、例えば50μm以下である
ことが好ましい。
体化されている。このガスケット7は、負極缶3及び正
極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止するため
のものである。
されてなる。非水電解液の非水溶媒には、例えば、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラク
トン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、
3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチ
ル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジプロピルカーボネート等を使用することが
できる。特に、電圧安定性の点から、プロピレンカーボ
ネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート
類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
プロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類を使用す
ることが好ましい。また、このような非水溶媒は、1種
類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用い
ても良い。
自体が上記非水溶媒に可溶でイオン伝導性を示すもので
あれば良く、特に限定されるものではない。例えば、M
g(SO2CH3)2,Mg(BF4)2,Mg(CF3SO
3)2,Mg(PF6)2等のマグネシウム塩を用いること
ができる。とりわけ、Mg(ClO4)2を用いることが
好ましい。
解質は、液状であることに限定されることなく、固体電
解質であっても、溶媒によって膨潤しているゲル電解質
であっても良い。また、電池缶、セパレータ、ガスケッ
ト等の非水電解質電池の構成要素及び電池の形状は、特
に限定されない。電池の形状は、例えば、フィルム型,
巻回型,積層型,円筒型,角型等の種々の形状で用いる
ことができる。更に、上述の非水電解質電池は、一次電
池であっても、二次電池であっても良い。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下のようにして、マグネシウムイオンを電荷担体
とする非水電解質電池1を作製し、その電池特性を評価
した。
xMO2(Mは、Ni又はCoである。)を以下に示すイ
オン交換法によって作製した。市販のCo金属粉末と、
無水水酸化ナトリウムとをモル比で1:1.1となるよ
うに秤取し、これらを不活性ガス雰囲気下にて十分に混
合した後、直径15mmのペレット状に成形した。この
ペレット状の混合物を酸素雰囲気下にて500℃で12
0時間焼成し、NaCoO2を得た。
(NO3)2の粉末とをモル比で1:1となるように秤取
し、これらを十分に混合した後、直径15mmのペレッ
ト状に成形した。最後に、このペレット状試料を酸素雰
囲気下にて310℃で100時間焼成した後、蒸留水に
て十分洗浄した。以上の工程を経ることによって、正極
活物質として用いるMg0.5CoO2を得た。
oO2の粉末と、黒鉛の粉末と、ポリフッ化ビニリデン
との混合量が、重量比で90:7:3となるように秤取
し、これらをN−メチル−2−ピロリドン中で分散させ
て混練し、正極用合剤を調製した。この正極用合剤を6
0mgと、正極集電体であるアルミニウムメッシュとを
圧縮成形することによって、直径15mmのペレット状
の正極4を作製した。一方、負極2には、正極4と略同
型になるように金属マグネシウムを圧延した円形のマグ
ネシウム箔板を用いた。
エチレンカーボネートを50体積部と、ジメチルカーボ
ネート50体積部とを混合した溶媒に、Mg(Cl
O4)2を1mol/lの濃度で溶解させることにより非
水電解液を調製した。
5に収納し、負極2を負極缶3に収納し、負極2と正極
4との間に多孔性ポリプロピレン膜のセパレータ6を配
した。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、
負極缶3と正極缶5とをかしめて固定することにより2
025型のコイン型電池を作製した。
xMO2(Mは、Ni又はCoである。)を以下に示すよ
うに作製したこと以外は、全て実施例1と同様にして正
極及びコイン型電池を作製した。
をモル比で1:1.1となるように秤取し、これらを大
気中にて十分に混合した後、直径15mmのペレット状
に成形した。このペレット状の混合物を大気中にて85
0℃で24時間焼成し、Na0.7CoO2を得た。次に、
このNa0.7CoO2の粉末と、Mg(NO3)2の粉末と
をモル比で1:1となるように秤取し、これらを十分に
混合した後、直径15mmのペレット状に成形した。最
後に、このペレット状試料を酸素雰囲気下にて310℃
で100時間焼成した後、蒸留水にて十分洗浄した。以
上の工程を経ることによって、正極活物質として用いる
Mg0.35CoO2を得た。
てV2O5を用いたこと以外は、実施例1と同様に正極を
作製し、同様の方法にてコイン型電池を作製した。
てMoO3を用いたこと以外は、実施例1と同様に正極
を作製し、同様の方法にてコイン型電池を作製した。
る。)の同定 上述の実施例で、正極活物質として用いるマグネシウム
化合物を得る際に行ったイオン交換法によって作製され
たNa0.7CoO2及びMg0.35CoO2のX線回折結果
を図2に示す。また、LixCoO2の[CoO2]面に
おけるX線の回折角度とxの値との関係を図3に示す。
また、Li+イオン、Mg2+イオン及びNa+イオンのイ
オン半径を表1に示す。
oO2]の層間にNa+イオンが挿入された構造をとって
いる。Journal of Solid State
Chemistry,Vol.141(1998)3
85によれば、Na0.71CoO2の[CoO2]の層間距
離は、0.544nmと報告されている。この[CoO
2]の層間距離から、次の式(2)に示すブラックの式
により回折角度を求めると2θ=16.3°という値が
得られる。
離、θはブラック角、λは使用したX線の波長、nは反
射次数を示している。また、実施例2で得られたNa
0.7CoO2のX線回折ピークは、図2に示すように、2
θ=16.2°を示す位置に現れているのが確認でき
る。これより、得られた試料は、式(2)に示すブラッ
クの式によって求められる回折角度とほぼ等しい値を有
するので、[CoO2]の層間にNa+イオンが挿入した
結晶構造になっていることが判る。表1に示したよう
に、Li+イオンとMg2+イオンのイオン半径は、ほぼ
等しく、両者ともNa+イオンのイオン半径と比べると
小さい。仮に、イオン交換反応により、Na0.7CoO2
のNa+イオンが、Mg2+イオンに交換されている場
合、表1に示したイオン半径の値を参考にすれば、Mg
2+イオンが挿入された層におけるX線回折ピークは、N
a+イオンが挿入されている層におけるX線回折ピーク
よりも高角度側にシフトすると考えられる。尚かつ、L
i+イオンとMg2 +イオンのイオン半径が、ほぼ等しい
ことから、Na0.7CoO2及びMg0.35CoO2のX線
の回折角度は、Li0.35CoO2の[CoO2]の層間に
Li+イオンが挿入された層におけるX線の回折角度と
ほぼ一致すると考えられる。
おけるX線の回折角度とxの値との関係を示す。この図
は、Journal of Solid State
Chemistry,Vol.141(1998)38
5で報告された値を参考にして作成したものである。図
3に示すように、LixCoO2の[CoO2]面におけ
る回折角度とxの値とは、線形関係にあることが判る。
最小二乗法により両者の関係を数式で表すと、以下に示
す式(3)のようになる。ここで、yは[CoO2]面
におけるX線の回折角度を示している。
の値を求めると、y=18.3°という値が得られる。
以上のことと、Li+イオンとMg2+イオンのイオン半
径が、ほぼ等しいことから、Mg0.35CoO2の[Co
O2]面におけるX線回折ピークもまた、2θ=18.
3°を示す位置に現れると予想される。一方、実施例1
及び実施例2で得られたMg0.35CoO2のX線回折ピ
ークは、図2に示すように、2θ=18.3°を示す付
近に現れている。これより、Na+イオンとMg2+イオ
ンとが十分に交換され、[CoO2]の層面にMg2+イ
オンが配位された構造となっていることが判る。
法によって作製されるマグネシウム化合物は、[CoO
2]の層間にMg2+イオンが配位した構造となっている
ことが判る。従って、上述の実施例1及び実施例2に示
すイオン交換法によれば、MgxMO2(Mは、Ni又は
Coである。)で表されるマグネシウム化合物が生成で
きる。
て評価した結果を図4に示す。また、MgxCoO2にお
ける正極の単位重量当たりの電池容量を、図5に示す。
上述のように作製した非水電解質電池を、23℃下にて
100μA/cm2で定電流充電し、電池電圧が3.0
V(対Mg2+/Mg)に達した後、3.0Vで定電流充
電を行い、4時間経過した時点で満充電とした。続い
て、0.0V(対Mg2+/Mg)になるまで定電流放電
を行った。この工程を1サイクルとし、これを20サイ
クル繰り返し行って、それぞれのサイクル毎に放電容量
を測定した。サイクル特性の評価には、1サイクル目の
放電容量を定格容量C(1)とし、Nサイクル目の放電
容量をC(N)としたときの容量維持率S(=C(N)
/C(1))を用いた。
gxMO2(但し、MはNi又はCoである。)で表され
る化合物を正極活物質として用いた実施例1及び実施例
2の非水電解質電池は、V2O5及びMoO3を正極活物
質として用いた比較例1及び比較例2の非水電解質電池
と比べてサイクル特性及び電池特性に優れる。
ウム化合物を正極活物質として用いることによって、正
極内でのマグネシウムイオンのイオン伝導が二次元的に
起こるため、マグネシウムイオンが効率よく拡散され、
負荷特性及びサイクル特性等の向上が実現されることが
判った。
るマグネシウム化合物、それを用いた非水電解質電池、
マグネシウム化合物の合成方法及びそれを用いた非水電
解質電池の製造方法によれば、正極内でのマグネシウム
イオンのイオン伝導が二次元的に起こるため、マグネシ
ウムイオンが効率よく拡散され、負荷特性及びサイクル
特性等の向上が実現される。更に、正極を作製する工程
を簡略化できるため、マグネシウムイオン電池を作製す
る際のコストを削減することが可能となる。
の一構成例を示す断面図である。
折結果を示すX線回折図である。
回折角度とxの値との関係を示す図である。
率との関係を示す図である。
ついて、正極の単位重量当たりの電池容量と、電池電圧
との関係を表す図である。
極、5 正極缶、6 セパレータ、7 ガスケット
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式MgxMO2(式中、MはNi又は
Coである。)で表されることを特徴とするマグネシウ
ム化合物。 - 【請求項2】 負極活物質を含有する負極と、 正極活物質を含有する正極と、 非水電解質とを備え、 上記正極活物質として、一般式MgxMO2(式中、Mは
Ni又はCoである。)で表されるマグネシウム化合物
を含有することを特徴とする非水電解質電池。 - 【請求項3】 マグネシウム化合物を合成するに際し、
NaxMO2(但し、式中のMはCo又はNiである。ま
た、xは0.2≦x≦1.0の範囲である。)と、Mg
(NO3)2とを混合し、焼成する工程を有することを特
徴とするマグネシウム化合物の合成方法。 - 【請求項4】 上記マグネシウム化合物は、一般式Mg
xMO2(式中、MはNi又はCoである。)で表される
ことを特徴とする請求項3記載のマグネシウムの合成方
法。 - 【請求項5】 負極活物質を含有する負極と、正極活物
質を含有する正極と、非水電解質とを備え、上記正極活
物質として、一般式MgxMO2(式中、MはNi又はC
oである。)で表されるマグネシウム化合物を含有する
非水電解質電池の製造方法において、 上記マグネシウム化合物を合成するに際し、NaxMO2
(但し、式中のMはCo又はNiである。また、xは
0.2≦x≦1.0の範囲である。)と、Mg(N
O3)2とを混合し、焼成する工程を有することを特徴と
する非水電解質電池の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24654299A JP2001076720A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | マグネシウム化合物、それを用いた非水電解質電池、マグネシウム化合物の合成方法及びそれを用いた非水電解質電池の製造方法 |
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JP (1) | JP2001076720A (ja) |
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