JP2001075651A - バルブポジショナ - Google Patents

バルブポジショナ

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JP2001075651A JP25327199A JP25327199A JP2001075651A JP 2001075651 A JP2001075651 A JP 2001075651A JP 25327199 A JP25327199 A JP 25327199A JP 25327199 A JP25327199 A JP 25327199A JP 2001075651 A JP2001075651 A JP 2001075651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気式駆動部を有するバルブ制御において、バ
ルブの持つ特有の不感帯及びヒステリシスに対応させた
制御量を提供することでバルブの非線形性を吸収して応
答性を向上させたバルブポジショナを提供する。 【解決手段】バルブで制御することができる流体の流体
流量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと、バ
ルブステムの変位を電気信号に変換して得られたステム
変位信号PVとをPID制御アルゴリズムで演算して制
御量URを生成するデジタル演算手段と、制御量URに
基づいてバルブに供給する気体流量を制御する電空変換
手段とからなるバルブポジショナであって、デジタル演
算手段は、予めバルブのヒステリシス情報を蓄積してあ
るバルブヒステリシス情報手段と、制御量URと入力信
号SPとヒステリシス情報とステム変位信号PVとから
ヒステリシス加算量Hurを算出するヒステリシス演算
手段と、ヒステリシス加算量Hurと制御量URとを加
算してヒステリシス制御量UR’を算出して電空変換手
段に供給するヒステリシス加算手段とを備えたことであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブポジショナ
に関するものであり、特にバルブ特有のヒステリシス並
びに電空変換部分に発生する不感帯を改良したバルブポ
ジショナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術における調整弁の弁開度を所定
の信号に応じて制御するバルブポジショナにおいて、調
整弁を制御するアルゴリズムの開発は、その製品の性能
を決めることになるので極めて重要な事項になってきて
いる。
【0003】以前においては、バルブポジショナは、機
械式のものが多いため、機械機構による制御アルゴリズ
ムが主流であり、P(比例)制御が圧倒的に多かった。
逆に、P制御以外のアルゴリズムは、機械機構では実現
できなかった。
【0004】しかし、近年において、特にデジタル形式
のバルブポジショナが開発され、演算機能を有するポジ
ショナが出現している。この演算機能を持つことによ
り、制御アルゴリズムはソフトウエアで実現できるよう
になるため、おおよそ全ての方式の制御演算が可能にな
ってきている。従って、制御アルゴリズムは、P(比
例)制御からPID(比例、積分、微分)制御に発達し
てきている。
【0005】この結果、調整弁の制御性は格段に向上し
た。しかし、技術革新が進めば、市場の要求も更に厳し
くなるのは当然であって、現在では、更に優れた制御性
を持つポジショナが求められている。
【0006】このような背景のもとにおいて、各ポジシ
ョナベンダーでは、調整弁の制御アルゴリズムの開発が
活発に進められている。採用されているアルゴリズム
は、PID制御アルゴリズムが最もポピュラーである
が、このPID制御アルゴリズムだけでは調整弁特有の
非線形性を十分吸収することが出来ないため、PID制
御に色々な機能を付加することにより、調整弁の制御性
を向上させようとしている。
【0007】このようなPID動作機能を有するバルブ
ポジショナは、図17に示すように、電気的な信号に基
づいて空気流量を制御してバルブをコントロールする、
所謂、電空ポジショナであり、その構成はバルブで制御
する流体流量を電気信号に変換して得られた入力信号S
Pを入力し、且つこの入力信号SPとバルブ12位置の
フィードバック信号であるステム変位信号PVに基づい
て制御量URを演算出力するコントローラ11と、この
コントローラ11からの制御量URに基づいて空気圧を
制御するI/Pモジュール13と、I/Pモジュール1
3の信号によりバルブ12に供給する空気流量を制御す
るパイロットリレー14と、パイロットリレー14から
の空気流量によりステムを変位させて流体を制御するバ
ルブ12と、バルブ12のステム変位を検出するステム
変位センサ15とから構成されている。このうち、I/
Pモジュール13とパイロットリレー14とで電空変換
部16を構成する。
【0008】このような構成からなるバルブポジショナ
の最もポピュラーなデジタルPID制御の演算アルゴリ
ズムは、下記の式のようになる。
【0009】P(n)=SP(n)−PV(n) I(n)=Δt/Ti*P(n)+I(n−1) D(n)=Td/(Δt+I/γ*Td)*(P(n−
1)−P(n)+1/γ*D(n−1) U(n)=Kp*(P(n)+I(n)+D(n)) SP;目標値(入力信号)、PV(n);フィードバッ
ク値(バルブ弁開度の信号;ステム変位信号)、P
(n);比例器、I(n);積分器、D(n);微分
器、U(n);制御信号(制御量)、Δt;制御周期、
Ti;積分時間、Td;微分時間、γ;微分ゲイン、K
p;比例ゲイン
【0010】このようなPID制御アルゴリズムは、図
18に示すブロック図で示すことができ、バルブポジシ
ョナのPID制御アルゴリズムの動作は、PIDの文字
通り、比例器(P)、積分器(I)、微分器(D)から
構成され、制御量URはそれぞれ、P、I、Dの値を加
算した値に、Kpなる比例ゲインを乗算して得られる。
【0011】比例器(P)は、ポジショナの入力信号S
Pと、調整弁の弁開度を示すステム変位をステム変位セ
ンサ15で検出し、検出した電気信号をA/D変換器で
デジタル値に変換したステム変位信号PVの値との差、
即ち、偏差値で表す。
【0012】積分器(I)は、積分時間Tiで設定され
るパラメータで決まる割合で、偏差値を積分するもので
ある。
【0013】微分器(D)は、微分時間、微分ゲインで
設定されるパラメータで決まる割合で、偏差値を微分す
るものである。最終的な、制御量URは、比例器
(P)、積分器(I)、微分器(D)の値を加算したも
のに対し、比例ゲインKpを乗算した値で求める。
【0014】コントローラ11は、バルブステム変位信
号PVを入力信号SPにすばやく、正確にトラッキング
させるため、このような演算を行わないで制御量URを
求めている。例えば、入力信号SPとステム変位信号P
Vとに差がある場合は、コントローラ11はステム変位
信号PVと入力信号SPを近づける方向に制御量URの
値を変化する。又、入力信号SPとステム変位信号PV
に差がない場合は、制御量URの値は変化しない。
【0015】このようなPID制御アルゴリズムは、単
純であるため、本質的に優れているが、制御対象に非線
形性が存在する場合、制御性が著しく悪化する場合があ
る。ここで、コントローラ11によって制御対象となる
ものは、制御量URの値を供給する電空変換部16から
バルブ12までをさす。
【0016】次に、具体的な制御対象で発生する非線形
性現象について述べる。制御対象の非線形性の一つは、
不感帯である。不感帯とは、ヒステリシスや他の要因に
より制御量URを変化させても、バルブ12の弁開度に
対し感度が悪い、又は制御量URの変化により、バルブ
12の弁開度経の変化は生じるが制御量URに応じたバ
ルブ12の弁開度の変化率が得られない領域のことをさ
す。つまり、制御量URがバルブ12の弁開度の制御を
適切に行えない領域のことである。
【0017】ここでは、その不感帯の一例を示す。ポジ
ショナの一要素としてI/Pモジュール13の出力信号
を入力して空気流量を増幅するパイロットリレー14が
ある。このパイロットリレー14には、入力空気信号
(通常ノズル背圧、以後、ノズル背圧と呼ぶ)と出力空
気流量の間に、空気を制御するために発生する特有の不
感帯が存在する。
【0018】イロットリレー14は、図19に示すよう
に、筐体20内部に4つの部屋、供給圧室21、出力圧
室22、排気圧室23、背圧室24とからなり、供給圧
室21と出力圧室22との間に給気弁座25を設け、出
力圧室22と排気圧室23との間に排気弁座26を設け
た構造となっている。給気弁座25と排気弁座26との
間にはポペット弁27を摺動自在に配置した構造となっ
ている。排気弁座26の上方側には筐体20の内壁面に
取付けた出力圧ダイアフラム28と、排気弁座26の基
部端部側には背圧ダイアフラム29を設けた構造となっ
ている。この両者のダイアフラム28、29によって、
出力圧室22と排気圧室23と背圧室24とを隔離した
構成となっている。又、ポペット弁27が、一方の端部
側からバネ30により付勢されており、常時給気弁座2
5を閉塞するように機能している。更に、供給圧室21
と出力圧室22との隔壁には、貫通孔のブリード孔31
を設けた構造となっている。
【0019】このような構造からなるパイロットリレー
14は、図20に示すような、ブロック線図で表すこと
ができる。但し、原理を簡単に示すため、ポペット弁2
7のマス、不感帯、バネ30、ブリード孔31やメカニ
カルな摩擦等の影響はないものとする。
【0020】このようなブロック線図の図20を参照し
て、パイロットリレー14の動作は、先ず背圧室24の
ノズル背圧が変化することにより、排気弁座25が背圧
ダイアフラム29から力を受け、排気弁座26が動く
(図19において左方向)ことにより、出力圧室22に
流れ込む空気流量又は、出力圧室22から排気される空
気流量を調整することにより、出力圧を制御している。
【0021】ここでポペット弁27による不感帯につい
て説明する。定常状態では、ポペット弁27は、供給圧
力で給気弁座25に押し付けられているので閉まってい
る。従って、供給圧室21から出力圧室22には、ブリ
ード孔31から空気が流れ込む。この出力圧は、一定な
ので、ブリード孔31から流れ込んだ空気は、排気され
るので排気弁座26はブリード孔31から流れ込む流量
を排気するだけの開口面積をポペット弁27との間に保
った状態でバランスしている。
【0022】この状態から、ノズル背圧を減圧すると、
ノズル背圧の圧力を受け、排気弁座26への力と変換す
る背圧ダイヤフラム29にかかる圧力が減少し、排気弁
座26はポペット弁27から離れ、出力圧室22と排気
圧室23との開口面積が増え、出力圧室22から空気は
流出し、出力圧室22の圧力は下がる。やがて、出力圧
を受け、排気弁座26へのフイードバック力に変換する
出力圧ダイアフラム28にかかる圧力も減少し、排気弁
座26はブリード孔31から流れ込む流量を排気するだ
けの開口面積をポペット弁27との間に保った状態でバ
ランスする。逆に、ノズル背圧を増加させると、排気弁
座26はポペット弁27に近づきやがて、ポペット弁2
7にぶつかり、出力圧室22と排気圧室23を遮断す
る。この状態では、供給圧室21から出力圧室22にブ
リード孔31を通して流れ込む流量が出力圧室22に供
給するだけで、出力圧室22の圧力変化は小さく一定で
ある。ポペット弁27自身は、供給圧とポペット弁27
を押さえるバネ30で押されているため、ポペット弁2
7が供給圧とバネ30から受けている力を排気弁座26
が受ける力を上回らない限り、給気弁座25は開かな
い。従って、給気弁座25を開くためには、ある一定以
上のノズル背圧の変化が必要になる。排気弁座26がポ
ペット弁27にぶつかり、ポペット弁27を押し、給気
弁座25を開くまでの間、出力圧の変化は、ブリード孔
31から出力圧室22に流れ込む流量での圧力の変化と
なり、ノズル背圧が変化しても変わらない。ノズル背圧
が増加して、ポペット弁27を給気弁座25から押し開
けると、ノズル背圧の変化に応じて、給気弁座25の開
口面積が広がり、出力圧室22に流入する空気流量が変
化するので、出力圧力の変化率も増加する。
【0023】このような動作をするポペット弁27を使
用するパイロットリレー14は、図21に示すように、
ノズル背圧の変化と出力圧力の変化率(dp/dt;流
量)にはノズル背圧が変化しても出力圧が変化しないと
いう構造上特有の不感帯が存在する。又、この不感帯
は、図22に示すように、給気弁座25が閉まり、ブリ
ード孔31を介して供給圧室21側から出力圧室22側
に流れる場合には、給気側にのみ圧力が存在するため、
給排気の動特性に差が出てくる。つまり、出力圧の動特
性に非線形性が存在する場合、給排気特性が大きく変わ
ることになる。この非線形性は、バルブポジショナ又は
電空変換器が持つコントローラが吸収することが求めら
れており、その分制御アルゴリズムの設計を困難にして
いる。
【0024】又、上述の不感帯と広い意味で同じくし、
一時的なバルブ12の制御不能になるものとして、制御
部分をデジタル制御にし、バルブ特有のヒステリシスを
考慮したバルブポジショナがある。このデジタル制御す
るバルブポジショナは、図23に示すように、バルブ1
2の弁開度をステム変位センサ15で検出し、この検出
したステム変位信号PVをフィードバック信号として利
用し、入力信号SPと一致するように、バルブ12の入
力圧の制御量URを決定している。この場合のバルブポ
ジショナは、一般にPID制御アルゴリズムを利用して
おり、所謂、制御の部分をデジタルで演算制御するデジ
タル演算部35を設けた構成が周知である。
【0025】このバルブポジショナの構成は、入力信号
SPと、ステムからのフィードバック信号であるステム
変位信号PVとを入力して演算するデジタル演算部35
と、演算された制御量URをアナログ値に変換するD/
A変換部(D/A)36と、アナログ値を電流信号に変
換するV/I変換部(V/I)37と、この信号Iに基
づいて気体流量を変換してバルブ12に供給するI/P
モジュール13、パイロットリレー(P/P)14と、
バルブ12のステム変位を検出するステム変位センサ
(mm/V)15と、このステム変位センサ15で検出
した信号を増幅する増幅器(Amp)38と、増幅され
た信号をデジタル値に変換するA/D変換部(A/D)
39とから構成されている。ここで、V/I変換部37
と、I/Pモジュール13と、パイロットリレー14と
で電空変換部16を構成する。
【0026】デジタル演算部は、入力信号SPとステム
変位信号PVとを入力する偏差混合器40と、混合され
た信号をPID制御アルゴリズムで制御量URを算出す
るPID演算部41とから構成されている。
【0027】このPID演算部41は、図24に示すよ
うに、PID制御アルゴリズムを構成するものであり、
入力信号SPとステム変位信号PVとを偏差混合させた
信号SPーPVを積分器(I)、比例器(P)、微分器
(D)にそれぞれ入力し、その出力信号を混合して比例
ゲインKpの値を可変させることで制御量URを得る構
成となっている。
【0028】制御対象のバルブ12の応答特性の理想
は、入力信号SPに対して、無駄時間が無く、素早く応
答することであるが、実際には、制御対象のバルブ12
にはヒステリシス(バルブのバッキングリアクション)
が存在し、微少な入力信号を与えた場合、出力圧がヒス
テリシスに打ち勝つまではバルブは応答しない。特に、
制御対象の時定数が小さい場合には、定数の比例ゲイン
Kpの値を大きく取ると、系が発振するため、定数の比
例ゲインKpが大きく設定できず、入力信号SPを与え
ても、制御対象のヒステリシスに打ち勝つ迄の圧力に比
例器(P)だけでの信号では達せず、積分器(I)の出
力が圧力を補うまでの時間が必要である。
【0029】
【発明が解決するための課題】このように、従来技術に
おけるバルブポジショナにおいては、バルブ特有の不感
帯及びヒステリシスという問題が存在している。
【0030】上述したような不感帯があるパイロットリ
レーを搭載しているバルブポジショナにおいては、以下
に示すような問題点をバルブの制御に与える。
【0031】目標値である入力信号SPとフイードバッ
ク値であるステム変位信号PVが一致せず、偏差が生じ
た場合、図22に示すように、バルブ制御は偏差を小さ
くする方向に、コントローラからの制御量URの値を変
化させる。偏差が大きく、制御量URの値の変化が不感
帯を超える大きさであれば、パイロットリレーの流量は
制御量URの値の大きさにより変化するが、やがて偏差
が小さくなると不感帯に入る。不感帯内では、制御量U
Rの値が変化してもパイロットリレーの出力流量は、ブ
リード孔から流れ込む流量で決まるので、バルブの調節
弁に供給するか又は排気する空気流量は一定となるの
で、調節弁ステムの速度は一定となり制御量URの値で
制御できなくなる。バルブの空気容量が小さい場合は、
問題はそれほど深刻ではないが、バルブの空気容量が大
きい場合は、ブリード孔という僅かな流量しか流せない
穴から流れる流量でバルブを動かすことになるので、ス
テムの応答は極端に遅くなる(図19参照)。この間、
偏差は残っているわけであるから、当然積分器はその偏
差を積分している。つまり、積分器が必要以上に偏差を
留めてしまい、目標値の入力信号SPでフイードバック
値のバルブステム変位信号PVの値が止まらず行き過ぎ
が生じてしまう。一旦、行き過ぎが生じると必要以上に
偏差を留めた積分器がその偏差を吐き出すまでステムは
整定しない。このような問題には従来のPID制御アル
ゴリズムを備えた制御器であるバルブポジショナでは対
応できないという問題がある。
【0032】又、上述したデジタル制御をする場合であ
ってもポジショナの制御対象であるバルブの出力(バル
ブステム変位)がポジショナにフィードバックし、その
値が設定値と一致するような制御を行っていた。つま
り、{ポジショナ+バルブ}の制御系を観測する信号
は、バルブのステム変位のみであるからこのような問題
が生じるものと観測できるのである。
【0033】バルブのヒステリシスが直接影響される問
題として、ポジショナのPID制御アルゴリズムそのも
のに問題を起因しているものと考えられる。以下、ポジ
ショナのPID制御アルゴリズムにおいて如何にバルブ
のヒステリスの影響を被るかについての解析を行う。
【0034】図24より、比例器(P)、微分器
(D)、積分器(I)から操作量URは、偏差値err
(t)=sp(t)−pv(t)とすると、下記の式1
で表すことができる。
【0035】
【式1】
【0036】このような制御アルゴリズムを備えたPI
D制御アルゴリズムにおいて、所謂、ステップ入力信号
SPを与えると、図25に示すように、制御量UR(u
r(t))は制御対象のバルブのヒステリシスが大きく
且つ入力ステップ信号SPが小さい場合には、最初の微
分器(D)が出力する信号も小さくなるので制御量UR
(ur(t))はバルブのヒステリシス(バルブのヒス
テリシスの是正点)を超えられない。このような場合
は、入力ステップ信号SPを与えてもバルブステムはス
テップ信号SPに反応せず、その後の積分器(I)の出
力がバルブのヒステリシスを打ち破るまで、バルブステ
ムは止まったままである。即ち、ステップ入力信号SP
を与えてからバルブが反応するまでの無駄な時間が発生
していることになる。
【0037】又、微分器(D)の出力により、制御量U
R(ur(t))がバルブのヒステリシスを超えたとし
ても通常のヒステリシスが小さい場合のような応答はで
きず、最終目標値に達する時間が長くなるという問題も
ある。これは上述式1からもわかるように、制御を行う
パラメータとして、バルブの位置情報であるステム変位
信号PVの値と入力信号SPの値だけで、操作量URを
決めていたためである。即ち、バルブのヒステリシスの
状態が操作量URに反映されないためヒステリシスの影
響を大きく受けているためである。
【0038】更に、プラントの効率を上げるため、配管
に流れる流体の圧力及び温度が上がる傾向にあり、バル
ブからの流体の漏れを止めるため、バルブのパッキング
フリクションは大きくなり、その分、バルブのヒステリ
シスは大きくなる傾向にあるので、上記上述した問題は
更に大きくなってきている。
【0039】従って、PID制御アルゴリズムを採用し
ているバルブポジショナにおいて、特にパイロットリレ
ーで発生する不感帯を削減又は減少させること、並びに
バルブ特有のヒステリスに対応したフイードバック制御
を適確にできるようにして、バルブの応答性を早くする
ことに解決しなければならない課題を有している。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るバルブポジショナは、制御対象である
バルブの弁開度を設定するための入力信号SPを受信す
ることができる受信手段と、前記弁開度を計測して電気
信号に変換するステム変位センサ手段と、該ステム変位
センサ手段からのステム変位信号PVと、前記入力信号
SPとの偏差とに基づいて弁開度位置を制御するための
制御量URを演算出力する制御演算手段と、前記制御量
URに基づいて前記バルブの弁開度を制御する電空変換
手段とからなるバルブポジショナであって、前記制御演
算手段は、前記制御対象の不感帯を演算し、該不感帯を
低減する一定の操作量を予め演算しておき、前記ステム
変位信号PVと前記入力信号SPとに偏差が生じた時
に、前記操作量を前記制御量URに重畳させるようにし
たことである。
【0041】又、前記操作量を、前記制御量URに重畳
させる時並びに重畳を解除する時の条件は、前記偏差の
値に基づくこと;前記操作量を、前記制御量URに重畳
させる時の条件は、前記入力信号SPが変化した時であ
り、前記制御量URへの重畳を解除する時の条件は、前
記偏差の値に基づくことである。
【0042】他のバルブポジショナは、バルブで制御す
ることができる流体の流体流量を電気信号に変換して得
られた入力信号SPと、バルブステムの変位を電気信号
に変換して得られたステム変位信号PVとをPID制御
アルゴリズムで演算して制御量URを生成するデジタル
演算手段と、前記制御量URに基づいて前記バルブに供
給する気体流量を制御する電空変換手段とからなるバル
ブポジショナであって、前記デジタル演算手段は、予め
バルブのヒステリシス情報を蓄積してあるバルブヒステ
リシス情報手段と、前記制御量URと前記入力信号SP
と前記ヒステリシス情報と前記ステム変位信号PVとか
らヒステリシス加算量Hurを算出するヒステリシス演
算手段と、前記ヒステリシス加算量Hurと前記制御量
URとを加算してヒステリシス制御量UR’を算出して
前記電空変換手段に供給するヒステリシス加算手段とを
備えたことである。
【0043】又、前記ヒステリシス演算手段は、前記ス
テム変位信号PVからバルブの動きを検出するバルブス
テム状態検出手段と、前記入力信号SPが変化した方向
を検知する入力信号状態検出手段とを備え、前記バルブ
が動いていた方向と、前記入力信号SPとによりこれか
らバルブが動こうとしている方向とが逆の場合に、バル
ブのヒステリシスをキャンセルするヒステリシス加算量
Hurを前記制御量URに加算すること;前記バルブの
ヒステリシスをキャンセルする量は、前記バルブヒステ
リシス情報手段に蓄積されているヒステリシス情報に基
づいて設定すること;前記ヒステリシス演算手段は、前
記ステム変位信号PVからバルブの動きを検出するバル
ブステム状態検出手段と、前記入力信号SPが変化した
方向を検知する入力信号状態検出手段と、前記バルブが
静止した状態の時の制御量URを記憶する第1の記憶手
段と、前記入力信号SPが変化した時の制御量URを記
憶する第2の記憶手段とを備え、第2の記憶手段の値か
ら前記第1の記憶手段の値を差し引いたヒステリシス補
正値を算出し、該ヒステリシス補正値に基づいたバルブ
のヒステリシス加算量Hurを前記制御量URに加算す
ること;前記ヒステリシス加算量Hurは、前記バルブ
ヒステリシス情報手段に蓄積されているヒステリシス情
報に基づいて算出することである。
【0044】他のバルブポジショナは、バルブで制御す
ることができる流体の流体流量を電気信号に変換して得
られた入力信号SPと、バルブステムの変位を電気信号
に変換して得られたステム変位信号PVとをPID制御
アルゴリズムで演算して制御量URを生成するデジタル
演算手段と、前記制御量URに基づいてバルブに供給す
る気体流量を制御する電空変換手段と、該電空変換手段
における気体流量を検出する圧力センサ手段と、からな
るバルブポジショナであって、前記デジタル演算手段
は、予めバルブのヒステリシス情報を蓄積してあるバル
ブヒステリシス情報手段と、前記入力信号SPと前記ヒ
ステリシス情報と前記ステム変位信号PVと前記圧力セ
ンサ手段からの信号とからヒステリシス加算量Hurを
算出するヒステリシス演算手段と、前記ヒステリシス加
算量Hurと前記制御量URとを加算してヒステリシス
制御量UR’を生成して前記電空変換手段に供給するヒ
ステリシス加算手段とを備えたことである。
【0045】又、前記ヒステリシス演算手段は、前記バ
ルブの静止した時の前記圧力センサ手段からの信号を記
憶する第1の圧力記憶手段と、前記入力信号が変化した
時の前記圧力センサ手段からの信号を記憶する第2の圧
力記憶手段とを備え、該第2の圧力記憶手段の値から前
記第1の圧力記憶手段の値を差し引いた値をヒステリシ
ス補正値とし、該値に基づいてヒステリシス加算量Hu
rを算出すること;前記ヒステリシス加算量Hurは、
前記バルブヒステリシス情報手段に蓄積されているヒス
テリシス情報に基づいて設定することである。
【0046】他のバルブポジショナは、バルブで制御す
ることができる流体の流体流量を電気信号に変換して得
られた入力信号SPと、バルブステムの変位を電気信号
に変換して得られたステム変位信号PVとをPID制御
アルゴリズムで演算して制御量URを生成するデジタル
演算手段と、前記制御量URに基づいてバルブに供給す
る気体流量を制御する電空変換手段とからなるバルブポ
ジショナであって、前記デジタル演算手段は、前記バル
ブのヒステリシス情報を計測するヒステリシス計測手段
と、該ヒステリシス計測手段により算出したバルブのヒ
ステリシス情報を蓄積するバルブヒステリシス情報手段
と、前記制御量URと前記入力信号SPと前記ヒステリ
シス情報と前記ステム変位信号PVとからヒステリシス
加算量Hurを算出するヒステリシス演算手段と、前記
ヒステリシス加算量Hurと前記制御量URとを加算し
てヒステリシス制御量UR’を算出して前記電空変換手
段に供給するヒステリシス加算手段とを備えたことであ
る。
【0047】又、前記ヒステリシス計測手段は、通常運
転に入る前に、制御量URがバルブの時定数の影響を受
けないように充分ゆっくりした速度で可変し、該バルブ
が動いた時の制御量URの順方向初期値と、該バルブが
逆方向に動いた時の制御量URの逆方向初期値とを算出
し、前記順方向初期値から逆方向初期値とを差し引いた
値をバルブのヒステリシス情報とすること;前記ヒステ
リシス演算手段は、前記ステム変位信号PVからバルブ
の動きを検出するバルブステム状態検出手段と、前記入
力信号SPが変化した方向を検知する入力信号状態検出
手段とを備え、前記バルブが動いていた方向と、前記入
力信号SPとによりこれからバルブが動こうとしている
方向とが逆の場合に、バルブのヒステリシスをキャンセ
ルするヒステリシス加算量Hurを制御量URに加算す
ること;前記バルブのヒステリシスをキャンセルする量
は、前記バルブヒステリシス情報手段に蓄積されている
ヒステリシス情報に基づいて設定することである。
【0048】他のバルブポジショナは、バルブで制御す
ることができる流体の流体流量を電気信号に変換して得
られた入力信号SPと、バルブステムの変位を電気信号
に変換して得られたステム変位信号PVとをPID制御
アルゴリズムで演算して制御量URを生成するデジタル
演算手段と、前記制御量URに基づいてバルブに供給す
る気体流量を制御する電空変換手段と、該電空変換手段
における気体流量を検出する圧力センサ手段と、からな
るバルブポジショナであって、前記デジタル演算手段
は、前記バルブのヒステリシス情報を計測するヒステリ
シス計測手段と、該ヒステリシス計測手段により算出し
たバルブのヒステリシス情報を蓄積してあるバルブヒス
テリシス情報手段と、前記入力信号SPと前記ヒステリ
シス情報と前記ステム変位信号PVと前記圧力センサ手
段からの信号とからヒステリシス加算量Hurを算出す
るヒステリシス演算手段と、前記ヒステリシス加算量H
urと前記制御量URとを加算してヒステリシス制御量
UR’を算出して前記電空変換手段に供給するヒステリ
シス加算手段とを備えたことである。
【0049】又、前記ヒステリシス計測手段は、通常運
転に入る前に、制御量URをゆっくりした速度で可変
し、前記バルブが動いた時に前記圧力センサで検出した
順方向初期値と、該制御量URを逆方向に可変して該バ
ルブが逆方向に動いた時に該圧力センサで検出した逆方
向初期値とを算出し、前記順方向初期値から逆方向初期
値を差し引いた値をバルブのヒステリシス情報とするこ
と;前記ヒステリシス演算手段は、前記バルブの静止し
た時の前記圧力センサ手段からの信号を記憶する第1の
圧力記憶手段と、前記入力信号が変化した時の前記圧力
センサ手段からの信号を記憶する第2の圧力記憶手段と
を備え、該第2の圧力記憶手段の値から前記第1の圧力
記憶手段の値を差し引いた値をヒステリシス補正値と
し、該値に基づいてヒステリシス加算量Hurを算出す
ること;前記ヒステリシス加算量Hurは、前記バルブ
ヒステリシス情報手段に蓄積されているヒステリシス情
報に基づいて設定することである。
【0050】このように制御対象のバルブ特有の不感帯
を考慮し、この不感帯を低減する一定の操作量を予め演
算しておき、ステム変位信号と入力信号に偏差が生じた
時に、予め演算しておいた操作量を、制御量URに重畳
させるようにしたことにより、不感帯の削減又は縮小を
することが可能になる。
【0051】又、バルブ特有のヒステリシスにおいて
は、その特有な特徴から発生するバルブヒステリシス情
報を、バルブ制御の条件環境に合わせて追加及び補正を
することにより、バルブのヒステリシスを抹消した状態
にして迅速なバルブ応答性を可能にすることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るバルブポジシ
ョナの種々の実施の形態について図面を参照して説明す
る。尚、従来技術で説明したものと同じものには、同一
符号を付けて説明する。
【0053】本発明に係る第1の実施の形態のバルブポ
ジショナは、従来技術で説明したパイロットリレー14
(図19参照)と同じ構成となっており、そのバルブ特
有の不感帯を低減する手法に関するものである。従って
従来技術での図17及び図19はそのまま引用する。
【0054】パイロットリレー14における不感帯は、
供給圧と大気圧とポペット弁27の形状によりほぼ決ま
るため、どのような状態でもほぼ一定である事が考えら
れる。従って、不感帯がある方向にバルブ12を駆動す
る時に、不感帯の量は予め解っているので不感帯を打ち
消す方向に制御量URを算出すれば不感帯を軽減できる
はずである。
【0055】このような、バルブ12特有の不感帯を考
慮し、且つ不感帯の影響を軽減するに適切な制御量UR
に適宜重畳するブーストBoost機能(操作量)を有
するようにしたバルブポジショナの動作について、図1
に示すブロックフロー及び図2に示すタイミングチャー
トを参照して説明する。
【0056】先ず、制御演算手段を備えているコントロ
ーラ11は、偏差の方向は、バルブの不感帯が発生する
方向か否かを検出する(ステップST11)。
【0057】もし、偏差の方向が不感帯を存在する方向
である場合には、偏差の量はBoost機能が必要な大
きさであるかを検討する(ステップST12)。即ち、
図2に示すように、Boostが必要な一定の偏差値
と、Boostが不必要な一定の偏差値とを予め設定し
ておき、偏差量が、Boostが必要な偏差値を超える
場合には、Boostをオンにする。
【0058】もし、Boost機能が不必要であれば、
制御量{UR=UR{の処理(ステップST13、ST
14)をし、Boost機能が必要な場合には、制御量
{UR=UR+Boost}の処理をして制御量URに
Boostを重畳させる処理を行う(ステップST1
5)。この制御量URに重畳させると、図2に示すよう
に、制御量URがBoost分だけ加わるから急激に大
きくなり、下降勾配して減少し、Boostが不必要な
偏差値までくると、制御量URはなくなる。
【0059】尚、このように、Boostが必要な偏差
値とBoostが不必要な偏差値との2個のしきい値に
より重畳動作を行わせているが、1つのしきい値であっ
てもよい。しかし、ステム変位信号PVの値のバラツキ
やノイズの影響等を考えると2段階のしきい値でBoo
stの判断を行うほうがより安定した制御をすることが
できる。
【0060】次に、Boostにより重畳する他の具体
例について、図3のフローチャート、及び図4のタイミ
ングチャートを参照して説明する。この手法は、Boo
stの判断を全て偏差で行わないで、入力信号SPの値
で行う手法である。
【0061】先ず、制御演算手段において、入力信号S
Pの変化は不感帯が存在する方向か否かを判断する(ス
テップST21)。
【0062】もし、不感帯が存在する方向である場合に
は、その入力変化量は、Boostが必要な大きさか否
かを判断する(ステップST22)。もし、不感帯が存
在する方向でない場合には、現在Boost機能を使用
しているか否かを判断する(ステップST23)。既
に、Boost機能を搭載している場合には、現実の偏
差の量がBoost機能が不必要な大きさであるか否か
を判断する(ステップST24)。ステップST22に
戻って、Boostが必要な大きさまたはBooost
が必要である場合には、図4に示すように、入力信号S
Pの値がBoostを必要とする入力信号SPの変化量
(しきい値)を超えた場合であり、且つ偏差の値がBo
ostが不必要な偏差値を超えた状態である。この条件
を満足すると、Boostがオンになり、制御量URが
必要な値に急激に上昇する。
【0063】即ち、Boostが必要と判断すると、制
御量{UR=UR+Boost}の処理をする(ステッ
プST25)。Boostが必要でない場合には、制御
量{UR=UR}の処理をする(ステップST26)。
【0064】このように、入力信号SPの変化量に応じ
てBoostを重畳させるようにすることにより、不感
帯を減少又はなくして、正確且つ精巧なバルブ制御を達
成することができるのである。
【0065】尚、実施例においては、パイロットリレー
14の不感帯の例を扱ったが、これに限定されることな
く通常電空変換部は、ポジショナ内部に持っている要
素、例えばI/P変換機構、パイロットリレー、ステム
変位センサ等に加え、制御のターゲットであるバルブを
含んだ制御対象の中には様々な不感帯がある。これらの
不感帯を演算、又は予測することにより、上述したパイ
ロットリレー14の不感帯軽減と同様の効果を得ること
ができる。
【0066】次に、第2の実施の形態のバルブポジショ
ナについて図面を参照して説明する。第2の実施の形態
のバルブポジショナは、バルブのヒステリシスをフイー
ドバック制御して、バルブの応答性を早めるようにした
ことであり、以下その種々の実施例について説明する。
【0067】第1の実施例のバルブポジショナは、ポジ
ショナの入力信号SPが変化した場合、ポジショナは入
力信号SPの変化とバルブの弁開度が一致するように制
御するが、バルブにヒステリシスがあるため無駄な時間
が生じる。従って、バルブのヒステリシスの情報を予め
入力又は測定により記憶しておき、入力信号SPが変化
した時にヒステリシスに相当するバルブの操作量をバイ
アスとして制御量URに加算することにより、バルブの
ヒステリシスを見かけ上キャンセルできる。この方法に
より、無駄な時間を短縮し、入力信号SPの変化に対し
て機敏な応答特性が得られる。
【0068】このような機能を有するバルブポジショナ
の構成は、図5に示すように、バルブ12が制御する流
体量を電気信号に変換して得られた入力信号SPとバル
ブ12からのフィードバック信号とから制御量URを算
出するデジタル演算部35Aと、ヒステリシス制御量U
R’をアナログ信号に変換するD/A変換部36と、ア
ナログ信号Vに基づいてバルブ12に供給する空気流量
を制御する電空変換部16と、バルブ12と、バルブ1
2のステム変位を検出するステム変位センサ(mm/
V)15と、ステム変位センサ15からの信号を増幅す
るアンプ(Amp)38と、増幅された信号をデジタル
値に変換してステム変位信号PVを生成するA/D変換
器39とから構成されている。電空変換部16はヒステ
リシス制御量UR’を電流Iに変換する変換部(V/
I)37と、電流Iに基づいて空気流量を制御する入力
モジュール(I/P)13と、空気流量をバルブ12に
供給するパイロットリレー(P/P)14とから構成さ
れている。
【0069】デジタル演算部35Aは、バルブ12のヒ
ステリシス情報を格納するメモリ機能を有するバルブヒ
ステリシス情報部45と、バルブ12のヒステリシスを
キャンセルする方向を検知するためのバルブステム状態
検出部46と、入力信号SPが変化した方向を検知する
入力信号状態検出部47と、バルブ12が動いていた方
向と入力信号SPとにより、これからバルブ12が動こ
うとしている方向が逆である場合、バルブ12のヒステ
リシスをキャンセルさせることを判断するヒステリシス
演算部48と、バルブ12のヒステリシスをキャンセル
させるだけの操作量に相当するヒステリシス加算量Hu
rをバルブヒステリシス情報部45から抽出し、操作量
URに加算するヒステリシス加算器49とから構成され
ている。
【0070】このような構成からなるバルブポジショナ
は、図6に示すように、バルブヒステリシスの情報を制
御量URに加算する条件は、入力信号SPが変化した
時、バルブステムが動いている方向又は動いていた方
向が入力信号SPが変化した方向と逆である時、の2条
件が同時に成り立つ時にバルブヒステリシス操作量換算
値VHを制御量URに換算する制御をする。ここで、バ
ルブヒステリシスを加算する方向とは、ステム変位信号
PVが増加する方向がバルブステムが開く方向であり、
ステム変位信号PVが減少する方向がバルブステムが閉
まる方向とする。
【0071】このような特性を有するバルブポジショナ
の動作について、図7に示すフローチャートを参照にし
て以下説明する。
【0072】先ず、ヒステリス加算量{Hur=0}、
バルブ移動方向{pvd=1}にプリセットする(ステ
ップST11)。
【0073】そして、ステム変位信号PV{pv
(n)}が前の状態と比較して正の状態になった時は、
バルブステム移動方向{pvd=1}にセットする(ス
テップST13)。負の場合にはバルブステム移動方向
{pvd=−1}にセットする(ステップST14、S
T15)。
【0074】次に、入力信号SPがゼロの時は、ステッ
プST12に戻ってバルブ移動方向pvdを検出するよ
うにし、もし、入力信号SPに変化が生じて正の状態の
時は入力信号変化方向{spd=1}にセットし、負の
場合には入力信号変化方向{spd=−1}にセットす
る(ステップST16、ST17、ST18、ST1
9)。
【0075】この状態で、次に入力信号変化方向spd
とバルブステム移動方向pvdの積が負の場合、即ち、
バルブステムが逆方向に動いたか又は入力信号SPが以
前よりマイナスの場合である(ステップST20)。こ
の状態で、バルブステムが逆方向に動いた場合には、ヒ
ステリシス加算量Hurはバルブヒステリシス操作量換
算値VHを差し引いた値にする(ステップST21、S
T22)。バルブステムが順方向に動いた場合には、ヒ
ステリシス加算量Hurはバルブヒステリシス操作量換
算値VHを加算した値にする(ステップST23)。
【0076】そして、このヒステリシス加算量Hurを
PID演算部41の出力値である制御量UR{ur
(n)}に加算したヒステリシス制御量UR’(ヒステ
リシス操作量ur’(n))を生成する(ステップst
24)。
【0077】このようにして、バルブステムの動き及び
入力信号SPの変化に対応させてバルブヒステリシスを
加減させることによってバルブ12の応答性が迅速にな
るように制御することができるのである。
【0078】次に、第2の実施例のバルブポジショナに
ついて図面を参照して説明する。
【0079】第2の実施例のバルブポジショナは、上述
した第1の実施例で説明した図5に示す構成と同じであ
り、相違するのはヒステリシス演算部48で制御する手
法が異なる。即ち、ヒステリシス演算部48はバルブ1
2のヒステリシス状態を勘案してヒステリシス量を補正
して、バルブヒステリシス加算量Hurをヒステリシス
加算器49に与えるようにしたことである。
【0080】即ち、バルブステムが停止している状態
で、ステム変位信号PVの値が完全に入力信号SPの値
と完全に一致していない場合、PID演算部41の積分
器の出力は変化し、それに応じて制御量URは変化す
る。つまり、ヒステリシス内にバルブステムが入り込む
ことにより、制御量URが変化しても、バルブ12は動
かない。いずれは、積分器の出力がヒステリシスを打ち
破る値になりバルブ12は動くのだが長い時間がかか
る。このような状態で入力信号SPが変化した場合、加
算するヒステリシスの量が多くなりすぎ、正確な制御が
できない場合がある。従って、ヒステリシス演算部48
は、バルブが静止した状態を検知するバルブステム状態
検出部46でバルブステムが静止した状態を知り、その
時の制御量URの値を入力信号状態検出部47で検出
し、その時の制御量UR(ur1)を第1の記憶手段に
記憶する。また、入力信号SPが変化した時の制御量U
R(ur2)を第2の記憶手段に記憶する。そして、こ
の第2の記憶手段の値から第1の記憶手段の値とを差し
引いた値(ur2ーur1)をヒステリシス補正値(=
ヒステリシス加算量Hur)として、バルブ12のヒス
テリシスを制御量URに加算してヒステリシス制御量U
R’とする。
【0081】このヒステリシスの情報をヒステリシス制
御量UR’に加算する条件は、図8に示すように、入
力信号SPが変化した時、バルブステムが動いている
時、バルブステムが停止している時、バルブステム
が動いている方向又は動いた方向と入力信号SPが変化
した方向と逆である時、バルブステムが動いている方
向又は動いた方向と入力信号SPが変化した方向が同じ
である時である。
【0082】そして、、、の条件が同時に成り立
つ時は、ヒステリシス加算量{Hur=Hur±VH
(±は方向により+又は−となる)}の計算をする。
、、の条件が成り立つ時は、ヒステリシス加算量
{Hur=Hur±VH−(ur2−ur1)}の計算
をする。、、の条件が成り立つ時は、ヒステリシ
ス加算量{Hur=Hur−(ur2−ur1)}の計
算をする。これら以外の時は、ヒステリシス加算量{H
ur=Hur(何も行わない)}の計算をしてバルブヒ
ステリシスを加算する方向に制御する。ここでステム変
位信号PVの値が増加する方向がバルブステムが開く方
向、ステム変位信号PVの値が減少する方向がバルブス
テムが閉まる方向とする。
【0083】このような特性を有するバルブポジショナ
の動作について、図9に示すフローチャートを参照して
以下説明する。
【0084】先ず、ヒステリス加算量{Hur=0}、
バルブ移動方向{pvd=1}にプリセットする(ステ
ップST31)。
【0085】そして、ステム変位信号PV{バルブステ
ム値pv(n)}を前の状態と比較して正の状態になっ
た時は、バルブステム移動方向{pvd=1、pvz=
0}にセットする(ステップST32、ST33)。負
の場合にはバルブステム移動方向{pvd=−1、pv
z=0}にセットする(ステップST34、ST3
5)。そして、フラグを{flag1=0}にセットす
る(ステップST36)。
【0086】ステム変位信号PV(バルブステム値pv
(n))を前の状態と比較した時に正でも負でもない状
態、即ち、ステム変位信号PVに変化がなかった時に
は、{pvz=0}にセットする(ステップST3
7)。
【0087】次に、{pvz=1およびflag=0}
の時、即ち、ステム変位信号PVの値に変化があった時
には、第1の制御量URを{ur1=ur(n)、fl
ag=1}にセットする(ステップST38、ST3
9)。
【0088】この状態で、入力信号SP{入力信号値s
p(n)}が変化しない時には、ステップ32に戻り、
バルブステムの変化を検出する(ステップST40)。
正の方向に動いた場合には入力信号変化方向を{spd
=1}にセットする(ステップST41、ST42)。
もし、入力信号値sp(n)が負の方向に動いた場合に
は、入力信号変化方向を{spd=−1}にセットする
(ステップST43)。
【0089】そして、PID演算部41の出力である第
2の制御量UR{ur2=ur(n)}にセットする
(ステップST44)。入力信号変化方向spdとバル
ブステム移動方向pvdのどちらかがマイナス方向であ
る場合において、バルブ12が停止している時の{pv
z=1}である時であって、入力信号変化方向spdが
正の場合には、ヒステリシス加算量Hur{Hur=H
ur+VH−(ur2−ur1)}の計算をし、ヒステ
リシス制御量UR’{ur’=ur+Hur}を算出し
てステップST32に戻る(ステップST45、ST4
6、ST47、ST48、ST49)。
【0090】ステップST46において、バルブ12が
動作している時に、入力信号変化方向spdが正の方向
の時は、ヒステリシス加算量Hur{Hur=Hur+
VH}の計算をし、入力信号変化方向spdが負の方向
の場合には、ヒステリシス加算量Hur{Hur=Hu
r−VH}の計算をして、ヒステリシス制御量UR’
{ur’=ur+Hur}を算出してステップST32
に戻る(ステップST46、ST52、ST53、ST
54、ST49)。
【0091】ステップST45において、入力信号変化
方向spdとバルブステム移動方向pvdとの両者とも
正の方向である場合において、バルブが停止している時
の{pvz=1}には、ヒステリシス加算量Hur{H
ur=Hur−(ur2−ur1)}の計算をし、ヒス
テリシス制御量UR’{ur’=ur+Hur}を算出
してステップST32に戻る(ステップST45、ST
50、ST51、ST49)。
【0092】このようにして、バルブヒステリシスの量
を補正するようにすると制御状態に対応させたヒステリ
シスを補正してフイードバックすることができるのであ
る。
【0093】次に、第3の実施例のバルブポジショナに
ついて図面を参照して説明する。
【0094】第3の実施例のバルブポジショナは、ヒス
テリシス量を補正していたものに加えて、バルブに供給
する空気量を検出する圧力センサを備え、制御量URが
変化しなくともバルブの入力圧が変化する場合を検出し
て、正確なヒステリシスの補正分を計算し、フィードバ
ック制御するようにしたものである。
【0095】このバルブポジショナの構成は、図10に
示すように、バルブ12が制御する流体量を電気信号に
変換した入力信号SPとバルブ12からのフィードバッ
ク信号とから制御量URを算出するデジタル演算部35
Bと、ヒステリシス制御量UR’をアナログ信号に変換
するD/A変換部36と、アナログ信号Vに基づいてバ
ルブ12に供給する空気流量を制御する電空変換部16
と、バルブ12と、バルブ12のステム変位を検出する
ステム変位センサ(mm/V)15と、ステム変位セン
サ15からの信号を増幅するアンプ(Amp)38と、
増幅された信号をデジタル値に変換するA/D変換器3
9とから構成されている。電空変換部16はヒステリシ
ス制御量UR’を電流Iに変換する変換部(V/I)3
7と、電流Iに基づいて空気流量を制御する入力モジュ
ール(I/P)13と、空気流量をバルブ12に供給す
るパイロットリレー(P/P)14とから構成されてい
る。このパイロットリレー(P/P)14に供給される
空気流量の圧力を検出する圧力センサ51と、この圧力
センサ51のアナログ信号をデジタル信号に変換するA
/D変換器52と、このA/D変換器52で変換された
デジタル値である圧力信号poutがデジタル演算部3
5Bのヒステリシス演算部48とバルブヒステリシス情
報部45に入力される構成となっている。
【0096】デジタル演算部35Bは、バルブ12のヒ
ステリシス情報を格納するメモリ機能を有するバルブヒ
ステリシス情報部45と、バルブ12のヒステリシスを
キャンセルする方向を検知するために必要な情報である
ところの、バルブステムの動作状態を検知するバルブス
テム状態検出部46と、入力信号SPが変化した方向を
検知する入力信号状態検出部47と、バルブ12が動い
ていた方向と入力信号SPとにより、これからバルブ1
2が動こうとしている方向が逆である場合、バルブ12
のヒステリシスをキャンセルさせることを判断するヒス
テリシス演算部48と、バルブ12のヒステリシスをキ
ャンセルさせるだけの操作量に相当するヒステリシス加
算量Hurをバルブヒステリシス情報部45から抽出
し、制御量URに加算するヒステリシス加算器49とか
ら構成されている。
【0097】ヒステリシス演算部48は、入力信号状態
検出部47からの信号とバルブステム状態検出部46か
らの信号と、電空変換部16からの空気流量を電気信号
に変換した圧力信号poutとを入力してヒステリシス
加算量Hurを算出する。
【0098】このような構成からなるバルブポジショナ
は、バルブステムが停止したことを、バルブステム状態
検出部で検出し、その時のバルブの入力圧pout1を
圧力センサ51で検出したアナログ信号をデジタル値の
圧力信号poutにして、outp1として記憶する。
そして、入力信号SPが変化したことを入力信号状態検
出部47で検知し、その時のバルブの入力圧pout2
を圧力センサ51から検出して、ヒステリシス演算部4
8で、バルブ12が静止してから入力信号SPが変化す
るまでに変化した圧力値{pout2−pout1}に
相当する制御量URの値をヒステリシス補正値として、
演算し、加算してヒステリシスを演算し、ヒステリシス
加算器49に与える。
【0099】このヒステリシスの情報を制御量URに加
算する条件は、図11に示すように、入力信号SPが
変化した時、バルブステムが動いている時、バルブ
ステムが静止している時、バルブステムが動いている
方向又は動いていた方向と入力信号SPが変化した方向
と逆である時、バルブステムが動いている方向又は動
いていた方向と入力信号SPが変化した方向が同じであ
る時である。
【0100】そして、、、の条件が同時に成り立
つ時は、ヒステリシス加算量{Hur=Hur±VH
(±は方向により+又は−となる)}の計算をする。
、、の条件が同時に成り立つ時は、ヒステリシス
加算量{Hur=Hur±VH−(outp2−out
p1)/Gr}の計算をする。、、の条件が同時
に成り立つ時は、ヒステリシス加算量{Hur=Hur
−(outp2−outp1)/Gr}の計算をする。
これら以外の時は、ヒステリシス加算量{Hur=Hu
r(何も行わない)}の計算をしてバルブヒステリシス
を加算する方向に制御する。ここでステム変位信号PV
の値が増加する方向がバルブステムが開く方向、ステム
変位信号PVの値が減少する方向がバルブステムが閉ま
る方向とする。
【0101】このような特性を有するバルブポジショナ
の動作について、図12に示すフローチャートを参照に
して以下説明する。
【0102】先ず、ヒステリス加算量{Hur=0}、
バルブ移動方向{pvd=1}にプリセットする(ステ
ップST61)。
【0103】そして、ステム変位信号PV{pv
(n)}が前の状態と比較して正の状態になった時は、
バルブステム移動方向{pvd=1、pvz=0}にセ
ットする(ステップST62、ST63)。負の場合に
はバルブステム移動方向{pvd=−1、pvz=0}
にセットする(ステップST62、ST64)。
【0104】次に、入力信号SPがゼロの時は、{pv
z=1}にセットする(ステップST67)。
【0105】ステップST66及びステップST67に
おいて、入力信号SPがゼロでない時には、{flag
1=0}にセットし、バルブ12が停止している時{p
vz=1及びflag=0}の場合には、{pout1
=pout(n)、flag=1}にセットする(ステ
ップST68、ST69)。
【0106】この状態で、次に入力信号SPに変化がな
いとステップST62に戻りバルブステムの変化を検知
する(ステップST7)。
【0107】ステップST70において、入力信号SP
に変化があり、その変化が正の方向である時には、{s
pd=1}をセットし、負の方向である時には{spd
=−1}をセットし、{pout2=pout(n)}
をセットする(ステップST71、ST72、ST7
3、ST74)。
【0108】ステップST75において、バルブステム
移動方向の積が負の場合、即ち、バルブステムが逆方向
に動いたか又は入力信号SPが以前よりマイナスの場合
は、バルブ状態フラグ{pvz=1}である時には、入
力信号変化方向が正の方向である場合には、ヒステりシ
ス加算量{Hur=Hur+VH−(pout2−po
ut1)/Gr}の計算をし、ヒステリシス制御量{U
R’=UR+Hur}にしてステップST62に戻る
(ステップST75、ST76、ST77、ST78、
ST79)。ステップST77において、入力信号変化
方向が逆の場合には、ヒステリシス加算量{Hur=H
ur−VH−(pout2−pout1)/Gr}の計
算をし、ヒステリシス制御量{UR’=UR+Hur}
にしてステップST62に戻る(ステップST77、S
T80)
【0109】ステップST75において、バルブステム
移動方向又は入力信号変化方向が負の場合には、バルブ
状態フラグ{pvz=1}の時に、ヒステリシス加算量
{Hur=Hur−(pout2−pout1)/G
r}の計算をし、ヒステリシス制御量{UR’=UR+
Hur}にしてステップST62に戻る(ステップST
75、ST81、ST82、ST79)。
【0110】ステップST76において、バルブ12が
動作している時には、入力信号変化方向が正の時には、
ヒステリシス加算量{Hur=Hur+VH}の計算を
し、ヒステリシス制御量{UR’=UR+Hur}にし
てステップST62に戻る(ステップST83、ST8
4)。ステップST83において、入力信号変化方向が
負の場合には、ヒステリシス加算量{Hur=Hur−
VH}の計算をし、ヒステリシス制御量{UR’=UR
+Hur}にしてステップST62に戻る(ステップS
T83、ST85)。
【0111】このようにして、バルブステムの動き及び
入力信号SPの変化、並びに圧力センサ51の変化に基
づいてバルブヒステリシスを加減させることによってバ
ルブの応答性が迅速になるように制御することができる
のである。
【0112】次に、第4の実施例のバルブポジショナに
ついて図面を参照して説明する。
【0113】第4の実施例のバルブポジショナは、上述
した第1の実施例のバルブポジショナと同様の機能であ
り、入力信号SPが変化した時にヒステリシスに相当す
るバルブ2の操作量をバイアスとして制御量URに加算
するようにしたものに加えて、バルブ12のヒステリシ
ス情報は、予め計数(キャリブレーション)して求め、
その値をバルブヒステリシス情報部45に記憶するよう
にしたことである。
【0114】このような機能を付加したバルブポジショ
ナの構成は、図13に示すように、バルブ12が制御す
る流体量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと
バルブ12からのフィードバック信号とからヒステリシ
ス制御量UR’を算出するデジタル演算部35Cと、ヒ
ステリシス制御量UR’をアナログ信号に変換するD/
A変換部36と、アナログ信号Vに基づいてバルブ12
に供給する空気流量を制御する電空変換部16と、バル
ブ12と、バルブ12のステム変位を検出するステム変
位センサ(mm/V)15と、ステム変位センサ15か
らの信号を増幅するアンプ(Amp)38と、増幅され
た信号をデジタル値に変換してステム変位信号PVを生
成するA/D変換器39とから構成されている。電空変
換部16はヒステリシス制御量UR’を電流Iに変換す
る変換部(V/I)37と、電流Iに基づいて空気流量
を制御する入力モジュール(I/P)13と、空気流量
をバルブ12に供給するパイロットリレー(P/P)1
4とから構成されている。
【0115】デジタル演算部35Cは、バルブ12のヒ
ステリシス情報を格納するメモリ機能を有するバルブヒ
ステリシス情報部45と、バルブ12のヒステリシスを
キャンセルする方向を検知するためのバルブステム状態
検出部46と、入力信号SPが変化した方向を検知する
入力信号状態検出部47と、バルブ12が動いていた方
向と入力信号SPとにより、これからバルブ12が動こ
うとしている方向が逆である場合、バルブ12のヒステ
リシスをキャンセルさせることを判断するヒステリシス
演算部48と、バルブ12のヒステリシスをキャンセル
させるだけの操作量に相当するヒステリシス加算量Hu
rをバルブヒステリシス情報部45から抽出し、操作量
URに加算するヒステリシス加算器49と、バルブ12
を駆動する前に、バルブ12のヒステリシスを測定する
バルブヒステリシス計数手段(キャリブレーション機
能)55とから構成されている。
【0116】このような構成からなるバルブポジショナ
における基本的なバルブの開く方向等は、図6に示すも
のと同じであり、その動作について、図14に示すフロ
ーチャートを参照にして以下説明する。
【0117】先ず、制御量URに「urinit」なる
初期値を与えた後、バルブステムが静止した事を確認
し、制御量URを徐々に増加(Δur)させる(ステッ
プST91、ST92、ST93、ST94、ST9
5)。
【0118】ステム変位信号PV(バルブステム値pv
(n))が動いた時に、制御量URの増加を止め、その
時の制御量URの値をur3とする(ステップST9
6、ST97)。
【0119】バルブステムが止まった事を確認して、制
御量URを徐々に減少(Δur)させる(ステップST
98)。
【0120】バルブステムpv(n)が動いたときの制
御量URの値をur4とする(ステップST99、ST
100)。
【0121】そして、このようにして得られた制御量U
R(ur4−ur3)がバルブヒステリシス操作量換算
値VHとして、バルブヒステリシス情報部45に記憶す
る(ステップST101)。
【0122】このようにして、バルブ12の駆動前に実
際のバルブヒステリシス情報を取得するようにすると、
予めバルブ12のヒステリシス情報を設定する必要がな
くなるばかりでなく、正確なバルブヒステリシス情報を
得ることができるのである。
【0123】次に、第5の実施例のバルブポジショナに
ついて説明する。
【0124】第5の実施例のバルブポジショナは、上述
した第4の実施例で説明した図13に示す構成である、
予め計数したバルブのヒステリシス情報を算出した後
に、このヒステリシス量を補正して、ヒステリシス加算
量Hurをヒステリシス加算器49に与えるようにした
ことである。
【0125】先ず、バルブのヒステリシス情報をバルブ
ヒステリシス計測手段55により取得してから、このヒ
ステリシス情報を利用してヒステリシスの補正を行うも
のである。このバルブヒステリシス計測手段55により
ヒステリシス情報を得る手法は第4の実施例において図
14のフローチャートで説明したのでその説明は省略す
る。
【0126】そして、ヒステリシス情報を得た後に、ヒ
ステリシスの補正を行う、このヒステリシスの補正を行
う手法は、バルブステムが停止している状態で、ステム
変位信号PVの値が完全に入力信号SPの値と完全に一
致していない場合、PID演算部41の積分器の出力は
変化し、それに応じて制御量URが変化することを利用
したものであり、上述の第2の実施例と同様である。つ
まり、ヒステリシス内にバルブステムが入り込むことに
より、制御量URが変化しても、バルブ12は動かな
い。このような状態で入力信号SPが変化した場合、加
算するヒステリシスの量が多くなりすぎ、正確な制御が
できない場合がある。従って、バルブ12が静止した状
態を検知するバルブステム状態検出部46でバルブステ
ムが静止した状態を知り、その時の制御量URの値を入
力信号状態検出部47で検出し、その時の制御量UR
(ur1)を第1の記憶手段(ヒステリシス演算部41
に存在する)に記憶する。また、入力信号SPが変化し
た時の制御量UR(ur2)を第2の記憶手段(ヒステ
リシス演算部41に存在する)に記憶する。そして、こ
の第2の記憶手段の値から第1の記憶手段の値を差し引
いた値(ur2ーur1)をヒステリシス補正値とし
て、バルブのヒステリシスをヒステリシス制御量UR’
に加算する。このヒステリシスの補正については、第2
の実施例の図9のフローチャートで説明したので詳細な
説明は省略する。
【0127】次に、第6の実施例のバルブポジショナに
ついて図面を参照して説明する。
【0128】第6の実施例のバルブポジショナは、バル
ブ駆動時において、バルブのヒステリシス情報を検出し
た後に、この検出したヒステリシス情報に基づいてヒス
テリシス量を補正する。そして、バルブに供給する空気
量を検出する圧力センサからの検知情報により、制御量
URが変化しなくともバルブの入力圧は変化する場合を
検出して、正確なヒステリシスの補正分を計算してフィ
ードバック制御するようにしたものである。
【0129】このバルブポジショナの構成は、図15に
示すように、バルブ12が制御する流体量を電気信号に
変換して得られた入力信号SPとバルブ12からのフィ
ードバック信号とからヒステリシス制御量UR’を算出
するデジタル演算部35Dと、ヒステリシス制御量U
R’をアナログ信号に変換するD/A変換部36と、ア
ナログ信号Vに基づいてバルブ12に供給する空気流量
を制御する電空変換部16と、バルブ12と、バルブ1
2のステム変位を検出するステム変位センサ(mm/
V)15と、ステム変位センサ15からの信号を増幅す
るアンプ(Am)38と、増幅された信号をデジタル値
(ステム変位信号PV)に変換するA/D変換器39と
から構成されている。電空変換部16はヒステリシス制
御量UR’を電流Iに変換する変換部(V/I)37
と、電流Iに基づいて空気流量を制御する入力モジュー
ル(I/P)13と、空気流量をバルブ12に供給する
パイロットリレー(P/P)14とから構成されてい
る。加えて、このパイロットリレー(P/P)14に供
給される空気流量の圧力を検出する圧力センサ51と、
この圧力センサ51のアナログ信号をデジタル信号に変
換するA/D変換器52と、このA/D変換器52で変
換されたデジタル値(圧力信号pout)がデジタル演
算部35Dのヒステリシス演算部48とバルブヒステリ
シス情報部45に入力される構成となっている。
【0130】デジタル演算部35Dは、バルブ12のヒ
ステリシス情報を格納するメモリ機能を有するバルブヒ
ステリシス情報部45と、バルブ12のヒステリシスを
キャンセルする方向を検知するために必要な情報である
ところの、バルブステムの動作状態を検知するバルブス
テム状態検出部46と、入力信号SPが変化した方向を
検知する入力信号状態検出部47と、バルブ12が動い
ていた方向と入力信号SPとにより、これからバルブ1
2が動こうとしている方向が逆である場合、バルブ12
のヒステリシスをキャンセルさせることを判断するヒス
テリシス演算部48と、バルブ12のヒステリシスをキ
ャンセルさせるだけの操作量に相当するヒステリシス加
算量Hurをバルブヒステリシス情報部45から抽出
し、制御量URに加算するヒステリシス加算器49と、
バルブ12を駆動する前にバルブ12のヒステリシスを
測定するバルブヒステリシス計数手段(キャリブレーシ
ョン機能)55とから構成されている。
【0131】このような構成からなるバルブポジショナ
における基本的な動作は、上述した第3の実施例と同じ
であるので、異なるところのバルブ12を駆動する直前
においてバルブ12のヒステリシス情報を得るところに
ついて、図16に示すフローチャートを参照にして以下
説明する。
【0132】先ず、制御量URに「urinit」なる
初期値を与えた後、バルブステムが静止した事を確認
し、制御量URを徐々に増加(Δur)させる(ステッ
プST111、ST112、ST113)。
【0133】ステム変位信号PV(バルブステムpv
(n))が動いた時に、制御量URの増加を止め、再び
バルブ12が静止した時のpout1(順方向初期値)
をpout(n)とする(ステップST114、ST1
15、ST116、ST117)。
【0134】この状態で、制御量URを徐々に減少させ
る。バルブステムpv(n)が動いた時のpout2
(逆方向初期値)をpout(n)とする。そしてバル
ブヒステリシス操作量換算値VHは{|pout1−p
out2|/Gr}で求め、この値VHはバルブヒステ
リシス情報部に記憶される(ステップST118、ST
119、ST120、ST121)。ゲインGrで割る
ことによりデイメンジョンを制御量URに合わせること
ができる。
【0135】このようにして、バルブ12の駆動前に実
際のバルブヒステリシス情報を取得するようにすると、
予めバルブ12のヒステリシス情報を設定する必要がな
くなるばかりでなく、正確なバルブヒステリシス情報を
得ることができ、この情報に基づいてヒステリシスの補
正制御を行えばさらに正確なバルブのヒステリシスに対
応したヒステリシス制御量UR’を供給することができ
るのである。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るバル
ブポジショナは、制御対象の不感帯を演算により求め
る、若しくは、その制御をポジショナに与えることによ
り、不感帯を軽減するのに必要な操作量を演算し、その
操作量をポジショナが演算した制御量URに重畳するこ
とにより、制御対象の不感帯を軽減でき、制御性の良い
バルブポジショナを実現できるという効果がある。
【0137】又、バルブのヒステリシス情報を制御量U
Rにフイードバックさせるようにしたことによりバルブ
のヒステリシスで受ける影響を低減できるので、バルブ
の応答性が改善できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る第1の実施の形態のバルブポジ
ショナの不感帯を解決するためのフローチャートであ
る。
【図2】同バルブポジショナにおけるBoostをかけ
るためのタイミングチャートである。
【図3】同バルブボジショナの不感帯にBoostをか
けるためのフローチャートである。
【図4】同バルブポジショナにおけるBoostをかけ
るためのタイミングチャートである。
【図5】本願発明に係る第2の実施の形態における第1
の実施例のバルブポジショナの構成を示したブロック図
である。
【図6】同バルブヒステイリシスに加算する方向を一覧
表にしたものである。
【図7】同第1の実施例の動作を示したフローチャート
である。
【図8】同第2の実施例におけるバルブヒステリシスに
加算する方向を一覧表にしたものである。
【図9】同第2の実施例のバルブポジショナの動作を示
したフローチャートである。
【図10】同第2の実施例におけるバルブポジショナの
構成を示したブロック図である。
【図11】同第2の実施例におけるバルブヒステリシス
の加算方向を一覧表にしたものである。
【図12】同第3の実施例における動作を示したフロー
チャートである。
【図13】同第4の実施例におけるバルブポジショナの
構成を示したブロック図である。
【図14】同第4の実施例における動作を示したフロー
チャートである。
【図15】同第6の実施例におけるバルブポジショナの
構成を示したブロック図である。
【図16】同第6の実施例における動作を示したフロー
チャートである。
【図17】従来技術及び本願発明の第1の実施の形態に
おけるバルブポジショナの構成を略示的に示したブロッ
ク図である。
【図18】図17に示すバルブポジショナの機能を略示
的に示したブロック図である。
【図19】従来技術及び本願発明の第1の実施の形態に
おけるバルブポジショナのパイロットリレーを示した断
面図である。
【図20】図17に示すバルブポジショナにおける構成
を機能的に示したブロック図である。
【図21】バルブポジショナのバルブ特有の不感帯を示
したグラフである。
【図22】バルブポジショナのバルブ特有の不感帯をグ
ラフで示した説明図である。
【図23】従来技術におけるバルブポジショナのバルブ
ヒステリシスを有する構成を示した略示的なブロック図
である。
【図24】PID制御アルゴリズムの略示的なブロック
図である。
【図25】バルブヒステリシスが発生するためのメカニ
ズムを示したグラフである。
【符号の説明】
11;コントローラ、12;バルブ、13;I/Pモジ
ュール、14;パイロットリレー、15;電空変換部、
20;筐体、21;供給圧室、22;出力圧室、23;
排気圧室、24;背圧室、25;給気弁座、26;排気
弁座、27;ぽペット弁、28;出力圧ダイアフラム、
29;背圧ダイアフラム、30;バネ、31;ブリード
孔、35;デジタル演算部、35A;デジタル演算部、
35B;デジタル演算部、35C;デジタル演算部、3
5D;デジタル演算部、36;D/A変換部、37;V
/I変換部、38;増幅器、39;A/D変換部、4
0;偏差混合器、41;PID演算部、45;バルブヒ
ステリシス情報部、46;バルブステム状態検出部、4
7;入力信号状態検出部、48;ヒステリシス演算部、
49;ヒステリシス加算器、51;圧力センサ、52;
A/D変換器、55;バルブヒステリシス計数手段

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象であるバルブの弁開度を設定する
    ための入力信号SPを受信することができる受信手段
    と、前記弁開度を計測して電気信号に変換するステム変
    位センサ手段と、該ステム変位センサ手段からのステム
    変位信号PVと、前記入力信号SPとの偏差とに基づい
    て弁開度位置を制御するための制御量URを演算出力す
    る制御演算手段と、前記制御量URに基づいて前記バル
    ブの弁開度を制御する電空変換手段とからなるバルブポ
    ジショナであって、前記制御演算手段は、前記制御対象
    の不感帯を演算し、該不感帯を低減する一定の操作量を
    予め演算しておき、前記ステム変位信号PVと前記入力
    信号SPとに偏差が生じた時に、前記操作量を前記制御
    量URに重畳させるようにしたことを特徴とするバルブ
    ポジショナ。
  2. 【請求項2】前記操作量を、前記制御量URに重畳させ
    る時並びに重畳を解除する時の条件は、前記偏差の値に
    基づくことを特徴とする請求項1に記載のバルブポジシ
    ョナ。
  3. 【請求項3】前記操作量を、前記制御量URに重畳させ
    る時の条件は、前記入力信号SPが変化した時であり、
    前記制御量URへの重畳を解除する時の条件は、前記偏
    差の値に基づくことを特徴とする請求項1に記載のバル
    ブポジショナ。
  4. 【請求項4】バルブで制御することができる流体の流体
    流量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと、バ
    ルブステムの変位を電気信号に変換して得られたステム
    変位信号PVとをPID制御アルゴリズムで演算して制
    御量URを生成するデジタル演算手段と、前記制御量U
    Rに基づいて前記バルブに供給する気体流量を制御する
    電空変換手段とからなるバルブポジショナであって、前
    記デジタル演算手段は、予めバルブのヒステリシス情報
    を蓄積してあるバルブヒステリシス情報手段と、前記制
    御量URと前記入力信号SPと前記ヒステリシス情報と
    前記ステム変位信号PVとからヒステリシス加算量Hu
    rを算出するヒステリシス演算手段と、前記ヒステリシ
    ス加算量Hurと前記制御量URとを加算してヒステリ
    シス制御量UR’を算出して前記電空変換手段に供給す
    るヒステリシス加算手段とを備えたことを特徴とするバ
    ルブポジショナ。
  5. 【請求項5】前記ヒステリシス演算手段は、前記ステム
    変位信号PVからバルブの動きを検出するバルブステム
    状態検出手段と、前記入力信号SPが変化した方向を検
    知する入力信号状態検出手段とを備え、前記バルブが動
    いていた方向と、前記入力信号SPとによりこれからバ
    ルブが動こうとしている方向とが逆の場合に、バルブの
    ヒステリシスをキャンセルするヒステリシス加算量Hu
    rを前記制御量URに加算することを特徴とする請求項
    4に記載のバルブポジショナ。
  6. 【請求項6】前記バルブのヒステリシスをキャンセルす
    る量は、前記バルブヒステリシス情報手段に蓄積されて
    いるヒステリシス情報に基づいて設定することを特徴と
    する請求項5に記載のバルブポジショナ。
  7. 【請求項7】前記ヒステリシス演算手段は、前記ステム
    変位信号PVからバルブの動きを検出するバルブステム
    状態検出手段と、前記入力信号SPが変化した方向を検
    知する入力信号状態検出手段と、前記バルブが静止した
    状態の時の制御量URを記憶する第1の記憶手段と、前
    記入力信号SPが変化した時の制御量URを記憶する第
    2の記憶手段とを備え、第2の記憶手段の値から前記第
    1の記憶手段の値を差し引いたヒステリシス補正値を算
    出し、該ヒステリシス補正値に基づいたバルブのヒステ
    リシス加算量Hurを前記制御量URに加算することを
    特徴とする請求項4に記載のバルブポジショナ。
  8. 【請求項8】前記ヒステリシス加算量Hurは、前記バ
    ルブヒステリシス情報手段に蓄積されているヒステリシ
    ス情報に基づいて算出することを特徴とする請求項7に
    記載のバルブポジショナ。
  9. 【請求項9】バルブで制御することができる流体の流体
    流量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと、バ
    ルブステムの変位を電気信号に変換して得られたステム
    変位信号PVとをPID制御アルゴリズムで演算して制
    御量URを生成するデジタル演算手段と、前記制御量U
    Rに基づいてバルブに供給する気体流量を制御する電空
    変換手段と、該電空変換手段における気体流量を検出す
    る圧力センサ手段と、からなるバルブポジショナであっ
    て、前記デジタル演算手段は、予めバルブのヒステリシ
    ス情報を蓄積してあるバルブヒステリシス情報手段と、
    前記入力信号SPと前記ヒステリシス情報と前記ステム
    変位信号PVと前記圧力センサ手段からの信号とからヒ
    ステリシス加算量Hurを算出するヒステリシス演算手
    段と、前記ヒステリシス加算量Hurと前記制御量UR
    とを加算してヒステリシス制御量UR’を生成して前記
    電空変換手段に供給するヒステリシス加算手段とを備え
    たことを特徴とするバルブポジショナ。
  10. 【請求項10】前記ヒステリシス演算手段は、前記バル
    ブの静止した時の前記圧力センサ手段からの信号を記憶
    する第1の圧力記憶手段と、前記入力信号が変化した時
    の前記圧力センサ手段からの信号を記憶する第2の圧力
    記憶手段とを備え、該第2の圧力記憶手段の値から前記
    第1の圧力記憶手段の値を差し引いた値をヒステリシス
    補正値とし、該値に基づいてヒステリシス加算量Hur
    を算出することを特徴とする請求項9に記載のバルブポ
    ジショナ。
  11. 【請求項11】前記ヒステリシス加算量Hurは、前記
    バルブヒステリシス情報手段に蓄積されているヒステリ
    シス情報に基づいて設定することを特徴とする請求項9
    に記載のバルブポジショナ。
  12. 【請求項12】バルブで制御することができる流体の流
    体流量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと、
    バルブステムの変位を電気信号に変換して得られたステ
    ム変位信号PVとをPID制御アルゴリズムで演算して
    制御量URを生成するデジタル演算手段と、前記制御量
    URに基づいてバルブに供給する気体流量を制御する電
    空変換手段とからなるバルブポジショナであって、前記
    デジタル演算手段は、前記バルブのヒステリシス情報を
    計測するヒステリシス計測手段と、該ヒステリシス計測
    手段により算出したバルブのヒステリシス情報を蓄積す
    るバルブヒステリシス情報手段と、前記制御量URと前
    記入力信号SPと前記ヒステリシス情報と前記ステム変
    位信号PVとからヒステリシス加算量Hurを算出する
    ヒステリシス演算手段と、前記ヒステリシス加算量Hu
    rと前記制御量URとを加算してヒステリシス制御量U
    R’を算出して前記電空変換手段に供給するヒステリシ
    ス加算手段とを備えたことを特徴とするバルブポジショ
    ナ。
  13. 【請求項13】前記ヒステリシス計測手段は、通常運転
    に入る前に、制御量URがバルブの時定数の影響を受け
    ないように充分ゆっくりした速度で可変し、該バルブが
    動いた時の制御量URの順方向初期値と、該バルブが逆
    方向に動いた時の制御量URの逆方向初期値とを算出
    し、前記順方向初期値から逆方向初期値とを差し引いた
    値をバルブのヒステリシス情報とすることを特徴とする
    請求項12に記載のバルブポジショナ。
  14. 【請求項14】前記ヒステリシス演算手段は、前記ステ
    ム変位信号PVからバルブの動きを検出するバルブステ
    ム状態検出手段と、前記入力信号SPが変化した方向を
    検知する入力信号状態検出手段とを備え、前記バルブが
    動いていた方向と、前記入力信号SPとによりこれから
    バルブが動こうとしている方向とが逆の場合に、バルブ
    のヒステリシスをキャンセルするヒステリシス加算量H
    urを制御量URに加算することを特徴とする請求項1
    2に記載のバルブポジショナ。
  15. 【請求項15】前記バルブのヒステリシスをキャンセル
    する量は、前記バルブヒステリシス情報手段に蓄積され
    ているヒステリシス情報に基づいて設定することを特徴
    とする請求項12に記載のバルブポジショナ。
  16. 【請求項16】バルブで制御することができる流体の流
    体流量を電気信号に変換して得られた入力信号SPと、
    バルブステムの変位を電気信号に変換して得られたステ
    ム変位信号PVとをPID制御アルゴリズムで演算して
    制御量URを生成するデジタル演算手段と、前記制御量
    URに基づいてバルブに供給する気体流量を制御する電
    空変換手段と、該電空変換手段における気体流量を検出
    する圧力センサ手段と、からなるバルブポジショナであ
    って、前記デジタル演算手段は、前記バルブのヒステリ
    シス情報を計測するヒステリシス計測手段と、該ヒステ
    リシス計測手段により算出したバルブのヒステリシス情
    報を蓄積してあるバルブヒステリシス情報手段と、前記
    入力信号SPと前記ヒステリシス情報と前記ステム変位
    信号PVと前記圧力センサ手段からの信号とからヒステ
    リシス加算量Hurを算出するヒステリシス演算手段
    と、前記ヒステリシス加算量Hurと前記制御量URと
    を加算してヒステリシス制御量UR’を算出して前記電
    空変換手段に供給するヒステリシス加算手段とを備えた
    ことを特徴とするバルブポジショナ。
  17. 【請求項17】前記ヒステリシス計測手段は、通常運転
    に入る前に、制御量URをゆっくりした速度で可変し、
    前記バルブが動いた時に前記圧力センサで検出した順方
    向初期値と、該制御量URを逆方向に可変して該バルブ
    が逆方向に動いた時に該圧力センサで検出した逆方向初
    期値とを算出し、前記順方向初期値から逆方向初期値を
    差し引いた値をバルブのヒステリシス情報とすることを
    特徴とする請求項16に記載のバルブポジショナ。
  18. 【請求項18】前記ヒステリシス演算手段は、前記バル
    ブの静止した時の前記圧力センサ手段からの信号を記憶
    する第1の圧力記憶手段と、前記入力信号が変化した時
    の前記圧力センサ手段からの信号を記憶する第2の圧力
    記憶手段とを備え、該第2の圧力記憶手段の値から前記
    第1の圧力記憶手段の値を差し引いた値をヒステリシス
    補正値とし、該値に基づいてヒステリシス加算量Hur
    を算出することを特徴とする請求項16に記載のバルブ
    ポジショナ。
  19. 【請求項19】前記ヒステリシス加算量Hurは、前記
    バルブヒステリシス情報手段に蓄積されているヒステリ
    シス情報に基づいて設定することを特徴とする請求項1
    6に記載のバルブポジショナ。
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