JP2001074834A - 水中構築物の計測方法 - Google Patents

水中構築物の計測方法

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JP2001074834A
JP2001074834A JP25083299A JP25083299A JP2001074834A JP 2001074834 A JP2001074834 A JP 2001074834A JP 25083299 A JP25083299 A JP 25083299A JP 25083299 A JP25083299 A JP 25083299A JP 2001074834 A JP2001074834 A JP 2001074834A
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measuring
sound wave
underwater
measurement
measuring means
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Kenji Morita
研志 森田
Atsushi Sugimoto
篤史 杉本
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Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toyo Construction Co Ltd
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ソナーで検知することが困難な水中構築物でも
容易にその構築位置等の構築状況を確認することができ
る水中構築物の計測方法を提供する。 【解決手段】 水中構築物の位置等の計測に際して、受
信する反射波の利得特性の違いを検出することができる
サイドスキャンソナー1を用いる。また、測定対象であ
る水中構築物としての防砂シート10に背景となる部分
と材質の異なるマーカとしてチェーン12を設置する。
これにより、形状的に通常のソナーでは探知が困難な防
砂シート10でも、反射波の利得特性の違いからマーカ
(チェーン12)を検出することができる。従って、マ
ーカを検出することで、マーカが取付けられた水中構築
物(防砂シート10)の位置の計測が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソナーを用いて水
中構築物の位置や形状等を計測する水中構築物の計測方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に水中に構築物を構築した後に、該
構築物が正しい位置に正しい形状で構築されているか否
かを確認する際には、例えば、潜水士の目視による確認
や潜水士による測量などを行なう方法と、船舶に備えら
れたソナーを用いて構築物の形状や位置を計測する方法
とがあった。なお、潜水士による方法では、深度が深く
なると潜水士の作業可能時間が短くなるなどの制約によ
り作業効率が極端に悪くなるとともに、潜水作業の危険
度も高くなるので、深度が深いところにおいては、構築
物の構築状態の確認を行なうことが困難であった。従っ
て、上述の確認作業においては、ソナーを用いた方法が
有利なものとなる。そして、ソナーを用いた方法におい
て、水中構築物の位置を確認するためには、例えば、ソ
ナーが取り付けられた船舶の位置を計測する必要があ
り、上記位置の計測には、例えば、地上の船舶が見通せ
る位置に、トータルステーションを配置し、該トータル
ステーションにより船舶の位置を計測する方法や、GP
S(Global Positioning System)を用いた方法などが
ある。
【0003】そして、船舶の位置を計測することによ
り、船舶の位置と、船舶に備えられたソナーにより測定
された水中構築物の船舶からの距離と角度とから水中構
築物の位置を確認することができる。なお、ソナーによ
る計測(音波による探査)とは、海中で音波を発信さ
せ、海底部(水中構築物を含む)からの反射波を受振処
理することによって、海底面の探査を行なう手法であ
り、例えば、船で航行しながら効率的に海底部の反射音
波像を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水中構築物
には、例えば、捨石マウンドなどのように比較的大きな
形状を有するものばかりではなく、例えば、防砂シート
等のように面積的には大きくともシート状のもので、水
底や水底上の既設の人工構造物上に敷設した場合に、敷
設後も敷設前の水底や水底上の人工構造物の形状とあま
り形状的な差がないものがある。この防砂シートのよう
に施工後も施工前との形状的な変化に乏しい構築物は、
基本的に対象物までの距離を検知することにより形状を
検知するソナーを用いて正しい位置に配置されているか
否かを判定することが困難であった。
【0005】なお、防砂シートを敷設する工法として、
大水深での施工が可能な機械式シート敷設工法が知られ
ていおり、この機械式シート敷設工法においては、クレ
ーン船のクレーンに、ロール状にされたシートを水底や
水底上の人工構造物に敷設する敷設機が取り付けられ、
該敷設機で、機械的にシートを敷設するようになってい
る。また、上記シートには、その上面のほぼ全面に渡っ
て縦横に格子状にウエイトチェーンが取り付けられてお
り、シートの浮力による浮き上がりや、捲れ上がりが防
止されている。そして、上記クレーン船には、誤差を補
正して正確な位置が計測可能なGPSを用いた位置計測
装置が備えられ、かつ、クレーン船と敷設機とには、水
中に降ろされた敷設機のクレーン船に対する相対位置を
超音波で計測する装置が備えられている。また、敷設機
には、敷設機の姿勢、敷設機と水底との間の距離、ロー
ルから引き出されたシートの長さ等を計測する装置が備
えられるとともに、シートの敷設状況をモニタするため
の水中ビデオカメラが設けられている。
【0006】このような機械式シート敷設工法において
は、水中ビデオカメラで監視しながら、高い精度で位置
と姿勢が管理された敷設機によりシートを敷設できるの
で、高精度の施工管理が可能となっており、シート敷設
後にシートの敷設位置等の敷設状態を確認しなくとも、
シートが高精度に敷設されていることを十分に推定する
ことができた。しかし、このような機械式シート敷設工
法においても、シート敷設後に、シートの敷設位置等の
敷設状況を確認したいという要望があったが、上述のよ
うにシートは、ソナーによる敷設位置の確認が困難であ
り、また、深い位置に敷設されたシートは、潜水士によ
る敷設位置の確認も困難であった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、水中に敷設されたシート等のようにソナーで容易
に検知することが困難な水中構築物でも容易にその構築
位置等の構築状況を確認することができる水中構築物の
計測方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
水中構築物の計測方法は、水上移動手段と、該水上移動
手段に取り付けられるとともに音波により計測対象まで
の距離とそれに基づく計測対象の形状を求める音波計測
手段と、上記水上移動手段の位置を検出する水上位置計
測手段とを備えた水中構築物計測装置を用いて水中構築
物の位置、形状等のデータ計測する水中構築物の計測方
法において、上記音波計測手段として、計測対象からの
反射波の利得特性の違いを検出するものを用いるととも
に、計測を行なう前に、予め、構築物に、水底等の背景
となる部分と異なる音波の反射率を有する材質のマーカ
を設け、上記水上位置計測手段により水上移動手段に取
り付けられた音波計測手段の位置を求めるとともに、上
記音波計測手段の計測データの内の利得特性のデータか
ら上記マーカを識別し、上記音波計測手段の位置及び計
測データから上記マーカの位置を求めることを特徴とす
る。
【0009】上記構成によれば、音波計測手段として反
射波の利得特性の違いを検出するものを用いることによ
り、計測対象物の硬度等の特性の違いに基づく反射率の
違いから、計測対象物の材質の違いを検知することがで
きる。例えば、水底の土砂上に金属片が載置されていた
場合に、この金属片を検知することができるとともに、
このときに出射した音波の方向と、該音波の反射波から
求められた距離とに基づいて、音波計測手段に対する上
記金属片の位置を算出することができる。一方、上記水
中構築物には、水底等の背景となる部分と異なる音波の
反射率を有する材質のマーカが備えられているので、上
記音波計測手段により該音波計測手段に対する上記水中
構築物のマーカの相対位置を計測することが可能とな
る。
【0010】そして、音波計測手段により水中構築物の
マーカの相対位置を計測できれば、従来と同様に音波計
測手段が取り付けられた水上移動手段の位置が水上位置
計測手段により計測されているので、水中構築物のマー
カの位置(例えば、絶対位置、なお、絶対位置でなくと
も基準となる位置からの相対位置でも良い)を計測する
ことができる。これにより、マーカが取り付けられた水
中構築物が、例えば、シートのようにその形状からソナ
ーにより位置を計測することが難しいものであっても、
その位置を求めることができる。なお、マーカの位置
は、基本的に三次元上の位置であり、XYZ座標上のも
のとなる。また、水中構築物は、シート状のものに限ら
れるわけではなく、例えば、板状等のように水底に伏せ
た状態で配置した際に、元の水底との高低差があまりな
いものや、ソナーで形状を認識するには小さすぎるもの
や、水底の凹凸等の設置位置の周囲の形状に紛れてしま
うものなどを計測することができる。
【0011】また、上記音波計測手段は、周知のように
超音波のビームを水底に向けて走査しながら発振し、水
底から反射してきた反射波を受振子により受振し、受振
されたデータを処理することにより測定対象物(反射
体)までの距離と方向とを求め、水底面の測量を行なう
ものであり、水底面に構築物があれば、該構築物の測量
も行なわれることになる。また、上記音波計測手段は、
単に測量を行なうだけではなく、反射波の強弱から対象
物の材質の違いを把握できるようになっている。すなわ
ち、反射の強弱(音波の振幅の大小)は、海水と反射体
の音響インピーダンス比(伝達速度×速度:一般的に言
えば硬さの差)により、異なることから、反射波により
対象物の硬さ等の違いを掌握することができる。従っ
て、マーカとして、水底等の背景となる部分と異なる硬
さを有する材質(異なる音波の反射率を有する材質)の
部材を水底に設置すれば、マーカが形状的に水底に対し
て大きく異なるものでなくとも、音波計測手段により計
測されたデータからマーカを認識することができる。
【0012】上記水上位置計測手段としては、従来例と
同様に、GPSやトータルステーションを用いることが
できる。上記マーカとしては、例えば、水底と明らかに
硬さが異なり、かつ、音波を反射しやすいものとして、
例えば、金属等が考えられるが、金属以外の材質でも背
景となる部分(水底等)と異なる硬さ(反射率)を有す
るものならば良く、形状も特に限定されるものではな
い。
【0013】また、上記マーカを取り付けられる水中構
築物は、基本的に、水上や陸上において、完全に制作さ
れるか、ある程度まで制作され、かつ、上記マーカを取
り付けられた状態で水底に配置され、もしくは配置され
るとともに残りの部分を構築されるものであるが、例え
ば、水底で構築されるものであっても、構築時に構築物
の任意の位置や所定の位置にマーカを設置できるなら
ば、水底で構築される水中構築物であってもよい。
【0014】また、水中構築物に複数のマーカを分散し
て取付けるようにしたり、線状や面状等のマーカを広い
範囲わたって取付けるようにすれば、マーカに基づく水
中構築物の位置だけではなく、水中構築物の形状等の構
築状態も計測することができる。たとえば、シート状構
築物に複数のマーカを分散して取付けたり、線状のマー
カを複数取付けるようにすれば、マーカの配置からシー
ト状構築物の敷設状況を認識することができる。上記水
上移動手段は、各種船舶であり、水上移動可能なもので
有れば良く、また、他の船舶に曳航される船舶であって
も良い。
【0015】本発明の請求項2記載の水中構築物の計測
方法は、請求項1記載の水中構築物の計測方法におい
て、上記水中構築物計測装置には、上記音波計測手段の
計測データに基づいて、音波計測手段の計測対象物の位
置と形状を示す画像を出力する出力手段を備え、該出力
手段が、上記反射の利得特性の異なる部分をそれぞれ異
なる色で出力することにより、背景となる部分と異なる
音波の反射率を有する材質からなるマーカを背景となる
部分と異なる色で出力することを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、音波計測手段の計測デ
ータに基づいて、計測対象物の位置と形状を示す画像を
出力する出力手段が、マーカを背景となる部分と異なる
色で出力するので、マーカの位置を容易に認識すること
ができる。例えば、水中構築物がシート状のものの場合
に、水中構築物は、その形状が水底の形状に紛れてほと
んど認識できない状態で表示されるが、マーカを水底の
形状を示す画像の中で異なる色に表示されることで容易
に認識できる。従って、例えば、マーカをシート状の構
築物の四隅や側縁部等に配置しておけば、マーカで囲ま
れる範囲にシートがあることを認識することができる。
【0017】なお、シート状構築物は、それ自体の材質
が水底と異なり、水底に対して異なる反射率を有する可
能性があるが、透過波等により上述のような音波計測手
段を用いてもシート状構築物を認識できない可能性が高
く、やはり、マーカが必要となる。また、異なる色での
表示とは、例えば、色の違いとして色の濃淡の違いも含
むものである。
【0018】本発明の請求項3記載の水中構築物の計測
方法は、請求項1または2記載の水中構築物の計測方法
において、上記水中構築物計測装置は、その音波計測手
段と一体に移動してその姿勢を計測する姿勢計測手段を
備え、該3軸姿勢計測手段の計測データに基づいて音波
計測手段の計測データを補正することを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、3軸姿勢計測手段によ
り音波計測手段の計測データを補正しているので、水上
移動手段におけるピッチング、ローリング、ヨーイング
による音波計測手段の位置と方向のずれを補正すること
ができるので、正確な測量を行なうことができる。すな
わち、船舶に音波測定手段を配置した場合には、船舶の
波や風による揺れが、音波探査に大きな影響を与えるの
で、計測データ中に含まれる船舶の揺れの影響を補正す
る必要がある。なお、上記3軸姿勢計測手段は、周知の
ものであり、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転角度
を計測するものであり、上記ピッチング、ローリング及
びヨーイングによる音波計測手段の姿勢の変化を計測す
るものである。また、音波計測手段が水上移動手段に対
してほぼ固定的に取り付けられている場合には、3軸姿
勢センサは水上移動手段に取り付けられるものとすれば
良い。また、軸回りの回転移動だけではなく、波等によ
る音波計測手段の上下、左右、前後の直線移動も計測す
るものとし、これを音波の方向のぶれや水上位置計測手
段による計測位置のぶれの補正に利用するものとしても
良い。
【0020】本発明の請求項4記載の水中構築物の計測
方法は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の水中構築
物の計測方法において、上記音波計測手段を上記水上移
動手段に曳航された状態に取り付けるとともに、上記水
中構築物計測装置に、上記水上移動手段に対する音波計
測手段の相対位置を検出する相対位置計測手段を設け、
上記水上位置計測手段により求められた水上移動手段の
位置と、上記相対位置計測手段により求められた音波計
測手段の上記水上移動手段に対する相対位置とから、音
波計測手段の位置を求めることを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、音波計測手段を水上移
動手段に対して曳航された状態としているので、音波計
測手段を水上移動手段に対して固定的に取り付けた場合
に比較して、水上移動手段から音波計測手段をより容易
に遠くに離すことができる。従って、例えば、大水深に
おいて計測を行なうような場合に、水上移動手段に対し
て音波計測手段を下方に遠く離して、音波計測手段を大
水深においても水底に近づけることができる。なお、音
波計測手段が計測対象から離れると、計測の解像度が悪
化したり、計測が困難になったりするが、上述のように
して音波計測手段を測定対象となる水底(水中構築物)
に近づけることで、大水深でも高い解像度での計測が可
能となる。
【0022】また、音波計測手段が水上移動手段に曳航
されることで、音波計測手段は、ある範囲内で水上移動
手段に対して自由に移動できるので、水上移動手段に音
波計測手段がほぼ固定的に取り付けられている場合、す
なわち、計測時に音波計測手段が水上移動手段と一体的
に移動するように取り付けられている場合のように、水
上移動手段の位置を水上位置計測手段で計測することに
より、音波計測手段の位置を求めることができない。し
かし、ここでは、相対位置計測手段により水上移動手段
に対する音波計測手段の位置を計測できるので、水上位
置計測手段により計測される水上移動手段の位置と、相
対位置計測手段による音波計測手段の上記相対位置とか
ら、音波計測手段の位置を求めることができる。従っ
て、上述のように大水深における測量が可能となるとと
もに、請求項1記載の構成の場合と同様の作用効果を得
ることができる。
【0023】なお、相対位置計測手段としては、例え
ば、音波、光波等を用いた測量装置が考えられるが、水
中なので音波を用いた周知の測量装置を用いることが好
ましい。また、相対位置計測手段を周知のワイヤエンコ
ーダ等を用いたものとしても良い。また、音波計測手段
を曳航するものとした場合に、請求項3記載の3軸姿勢
計測手段は、音波計測手段側に取り付けられることにな
るが、相対位置計測手段が、水上移動手段の姿勢の変化
の影響を受けるので、相対位置計測手段の計測データを
補正するために、水上移動手段にも3軸姿勢計測手段を
備えることが好ましい。
【0024】本発明の請求項5記載の水中構築物の計測
方法は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の水中構築
物の計測方法において、上記水中構築物計測装置が、該
水中構築物計測装置に備えられた各種計測手段からデー
タを入力されてマーカの位置等を算出する演算処理手段
を備えるとともに、該演算処理手段に上記各種計測手段
により計測されるデータの計測時刻を同期させる同期手
段を備え、上記水上位置計測装置が、GPS衛星からの
信号を受信するとともに誤差を補正して水上移動手段の
位置を求めるとともに、GPS衛星からの信号のうちの
時刻データを上記同期手段に出力し、該同期手段が、上
記GPS衛星から受信した時刻データに基づいて、上記
各種計測手段から計測されるデータの計測時刻を対応さ
せることにより上記演算処理手段が、各種計測手段の計
測データを該計測データの計測時刻毎に対応させて演算
処理を行なうことを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、演算処理手段に、音波
計測手段が、該音波計測手段から水中構築物のマーカま
での距離と方向とを計測するためのデータを出力し、水
上計測手段が水上移動手段の位置を出力することにな
り、また、3軸姿勢計測手段、相対位置計測手段が取り
付けられている場合には、各々演算処理手段に計測デー
タを出力することになる。この際に、水上移動手段は、
計測時に一定の速度で移動している可能性が高く、ま
た、水上移動手段は、潮流、波、風等により常時、移動
するとともに姿勢が変化している。また、音波計測手段
が水上移動手段に曳航されている場合には、水上移動手
段に対して音波計測手段がさらに常時、移動もしくは姿
勢の変化をしている可能性がある。従って、水上位置計
測手段もしくは水上位置計測手段と相対位置計測手段と
により、上記音波計測手段の位置を求め、該音波計測手
段により水中構築物の相対位置を求めるとともに3軸姿
勢計測装置により補正して水中構築物の位置を求めた場
合に、音波探知機の位置を求めた時刻と、音波探知機に
より測量が行なわれた時刻とがあっていないと、誤差を
生じることになる。なお、上述の各種計測は、基本的に
連続的もしくはほぼ連続的に行なわれるので、最終的に
各データから水中構築物の位置や、周囲の水底の形状等
を求めるには、各計測データの時間軸(時刻軸)を合わ
せて同期をとる必要があり、上記同期手段がそれを行な
うようになっている。
【0026】なお、同期を取る際には、必ずしも各計測
手段から演算処理手段に計測データが入力される時刻で
同期を取るのではなく、各計測手段が計測を行なった時
刻で同期を取る必要がある。例えば、計測手段がリアル
タイムで計測と計測データの出力を行なう場合には、演
算処理手段に計測データが入力した時点と、計測が行な
われた時点とでほとんど差がないので、演算処理手段に
計測データが入力した時点で同期を取るものとしても良
いが、GPS位置計測装置のようにGPS衛星から信号
を受信してから補正された位置を算出して出力するまで
に僅かに時間差があるものにおいては、信号を受信した
時点で同期を取る必要がある。ここで、水上位置計測手
段としてGPS位置計測装置を用いた場合には、GPS
衛星から時刻データが送信されているので、この時刻デ
ータを用いて同期手段による上述の同期を取ることが可
能となる。従って、上記構成によれば、同期手段により
GPS衛星から受信した時刻データに基づいて、各計測
手段による計測データの時刻による同期を取ることがで
きる。
【0027】本発明の請求項6記載の水中構築物の計測
方法は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の水中構築
物の計測方法において、上記水中構築物が、水底もしく
は人工構造物上に敷設されたシート状構造物とされ、上
記シート状構造物に上記マーカが設けられていることを
特徴とする。
【0028】上記構成によれば、上述のようにソナーで
認識することが困難なシート状構造物を、該シート状構
造物に予め上述のマーカを取り付けておくことにより、
上述のような機能を有する音波計測手段により認識して
その測量を行なうことができる。
【0029】本発明の請求項7記載の水中構築物の計測
方法は、請求項6記載の水中構築物の計測方法におい
て、上記シート状構造物は、シートと、該シート上に縦
横に格子状に配置されたチェーンとを備え、上記チェー
ンが上記マーカとして機能することを特徴とする。
【0030】上記構成によれば、シート状構造物のシー
トの浮き上がりや捲れ上がりを防止するチェーンがマー
カとなっているので、新たにマーカを取り付ける必要が
なく、マーカを取り付ける手間を削減することができ
る。また、マーカとなるチェーンが、シートに縦横に格
子状に取り付けられているので、音波計測手段の計測デ
ータを画像として出力した際に、格子状のマーカ(チェ
ーン)を容易に認識することができる。また、シートに
格子状にマーカが取り付けられているので、シートの敷
設状態を格子状のマーカの計測された形状から容易に認
識することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例の水中構築物の計測方法を図面を参照して説明する。
図1はこの一例の構成の模式図であり、図2はこの一例
におけるデータ処理システムのブロック図を示したもの
である。この一例の水中構築物の計測方法は、周知の機
械式シート敷設工法により、海底の捨石マウンド上に敷
設された防砂シートの敷設位置を計測するのに本発明を
応用したものである。図1及び図2に示すように、この
一例の水中構築物の計測方法においては、水底面探査シ
ステム(水中構築物計測装置)が用いられている。
【0032】上記水底面探査システムは、例えば、水底
の形状を音波で探査するサイドスキャンソナー1(音波
計測手段)と、該サイドスキャンソナー1を水面下に備
えて水上移動する測量船2(水上移動手段、図1に図
示)と、測量船2の絶対座標(例えば、緯度・経度及び
標高でも良いが、予め決められた基準点に対するXYZ
座標でも良い)を求めるGPS位置計測装置3(水上位
置計測手段)と、測量船の姿勢変化を計測するための3
軸姿勢センサ4(3軸姿勢計測手段)と、測量船の波等
による上下動を計測するためのヒービングセンサ5(図
2に図示)と、上記サイドスキャンソナー1、GPS位
置計測装置3、3軸姿勢センサ4、ヒービングセンサ5
等からの計測データが入力されて、これらの計測データ
から防砂シート等の水中構築物の設置位置や設置状況を
算出する処理を行なう演算処理装置6(演算処理手段、
図2に図示)と、演算処理装置6により各計測データを
処理するにあたって、各計測データの計測時刻を同期さ
せる処理を行なう同期処理装置7(同期処理手段、図2
に図示)と、上記演算処理装置6の演算処理結果を出力
するプリンタ、ディスプレイ等の出力装置8(出力手
段、図2に図示)とを備えたものである。また、水底面
探査システムには、サイドスキャンソナー1を後述する
ように曳航した場合に、測量船2に対するサイドスキャ
ンソナー1の位置を検出するためのワイヤエンコーダ9
(相対位置計測手段)を備えている。
【0033】上記サイドスキャンソナー1は、基本的に
計測対象を超音波でスキャンして計測対象までの距離と
方向とを求め、これらに基づく計測対象(水底及び水中
構築物)の形状を求めるものである。そして、サイドス
キャンソナー1は、扇状の音響ビームを発射し、水底面
の凹凸からの反射を記憶し、その面的な分布をイメージ
画像として得るためのものである。また、サイドスキャ
ンソナー1においては、測定対象物からの反射波から測
定対象物までの距離(方向を含む)を求めるだけではな
く、測定対象物からの反射波の強弱を計測するようにな
っている。
【0034】そして、上述のように測定対象物からの反
射波の強弱を計測した場合には、反射波の強弱が、海水
と反射体の音響インピーダンス比により、異なることか
ら、反射波により対象物の硬さの違い等を掌握すること
ができる。すなわち、サイドスキャンソナー1におい
て、受振子が反射波を受振した際のゲイン(利得特性)
から水底と、水底に存在する水中構築物やその他の物の
材質の違いを認識できるようになっている。
【0035】ところで、この一例において測定対象物と
なる防砂シート10の後述するシート11は、例えば、
ポリエステル繊維等を多重織りして形成されるものであ
るが、これを水底や人工構造物(例えば、捨石マウン
ド)上に敷設した後に一般的なソナーで探査しようとし
た場合には、シート11が水底や人工構造物の上面形状
に対応して敷設されるので、敷設前と敷設後とで水底や
人工構造物に形状的な差があまりなく、また、シートを
音波が透過する可能性も高いので、ほとんど、シート1
1の存在を検知することができない。
【0036】また、この一例のサイドスキャンソナー1
を用いて反射波の強弱を測定するものとしても、シート
11の存在を検知することが困難である。これは、シー
ト11が水底と異なる材質(硬さ)を有するものであっ
ても、シート11が音波の多くを透過させてしまうため
ではないかと推定することができる。そこで、本発明に
おいては、シート11に後述するようにマーカとしてウ
エイトチェーン12を取り付けるものとしている。な
お、ウエイトチェーン12は、本来は、シート11の浮
き上がり等を防止するものであるが、ここでは、サイド
スキャンソナー1による音響探査の際のマーカとしても
用いている。
【0037】そして、マーカ(チェーン12)は、背景
となる水底や捨石等からなる既設の人工構造物や、シー
ト11と異なる硬さを有する材質のものとして、金属
(鉄もしくはその合金)からなるものとされている。該
マーカ(チェーン12)は、これによりサイドスキャン
ソナー1により認識可能であり、シート11にマーカを
取り付けておけば、上述のようにシート11自体がサイ
ドスキャンソナー1により認識できず、設置位置や設置
状況を直接測定することができなくとも、マーカを介し
て計測が可能となる。
【0038】なお、サイドスキャンソナー1は、例え
ば、100〜500kHzの超音波を発振して受振する
ものであり、ここでは、100kHzと500kHzと
の二つの周波数の音波を同時に発振できるものが用いら
れている。また、サイドスキャンソナー1のスキャンビ
ームのビーム幅は、水平角1度(100kHzの場合)
もしくは水平角0.2度(500kHzの場合)となっ
ている。
【0039】また、上記サイドスキャンソナー1は、図
3に示すように曳航体1a内に納められた送受波器1b
を有するものであるとともに、同軸ケーブル1cにより
測量船2内の演算処理装置6と接続されている。そし
て、サイドスキャンソナー1は、曳航体1aに納められ
た状態で図1に示すように、測量船2の一方のサイドに
取り付けられるとともに、水面下に垂下された状態の支
柱2aの下端部に取り付けられて水中に配置されてい
る。
【0040】そして、図3に示すように、上述のような
水平角度の幅を有するスキャンビームa、aを曳航体1
aの左右において、左右に走査するようになっている。
なお、曳航体1aを備えたサイドスキャンソナー1は、
後述するように曳航可能なものであり、曳航された場合
に、サイドスキャンソナー1の姿勢を計測する曳航体用
3軸姿勢センサ(図示略)を備えている。
【0041】上記測量船2は、上記水底面探査システム
の測量船2を除く装置を艤装可能な船舶であればどのよ
うな船舶であっても良い。また、測量船2に代えて後述
するように他の船舶2Bに曳航される曳航船2Aを用い
るものとしても良い。
【0042】GPS位置計測装置3は、ここでは、周知
のRTK−GPS(リアルタイムキネマティックGP
S)を用いて、GPS衛星からの信号に含まれる誤差を
補正して、高精度の位置測定が可能な周知の位置測定シ
ステムからなるものである。そして、GPS位置計測装
置3により測量船2の位置を求めることにより、サイド
スキャンソナー1の位置を求めることになる。なお、G
PS位置計測装置3は、サイドスキャンソナー1の位置
を求めるとともに、言うまでもなく、測量船2を所定の
目的地に操船するためのナビゲーションシステムとして
用いられる。また、GPS位置計測装置3のアンテナ
は、サイドスキャンソナー1が下端部に取付けられた支
柱2aの上部に取付けられている。
【0043】また、GPSにおいては、位置の計測に際
して、GPS衛星から時刻データが送信されるようにな
っており、該時刻データとして、UTC時刻(協定世界
時:Universal Time Coordinated)のデータが用いられ
ている。そして、GPS位置計測装置3からは、同期処
理装置7にUTC時刻が出力されるようになっている。
【0044】3軸姿勢センサ4は、周知のように、サイ
ドスキャンソナー1を備えた測量船2の姿勢についての
データを得るセンサであり、具体的には、ピッチング
(pitching:縦揺)、ローリング(rolli
ng:横揺)、ヨーイング(yawing:偏揺)の3
つの回転運動を定量化することで、船舶2の姿勢を表す
ものである。そして、サイドスキャンソナー1を測量船
2に固定的に取り付けた場合に、船の揺れに伴ってサイ
ドスキャンソナー1が移動するとともに方向を代えるこ
とから、GPS位置計測装置3からのデータだけでは、
正確なサイドスキャンソナー1の位置と方向とを求める
ことができないので、上記3軸姿勢センサ4の計測デー
タにより、サイドスキャンソナー1の位置と方向を補正
するようになっている。
【0045】また、後述するようにサイドスキャンソナ
ー1を曳航した場合には、サイドスキャンソナー1は、
船の揺れにより直接影響を受けることがなくなるので、
船に設置された3軸姿勢センサ4により、サイドスキャ
ンソナー1の位置と方向との補正ができない。この場合
には、上記ワイヤエンコーダ9等のように、測量船2か
らサイドスキャンソナー1の相対位置を測定する装置を
用いて、サイドスキャンソナー1の位置を求める。な
お、曳航されたサイドスキャンソナー1の方向を計測す
るために、上述のように上記曳航体1aに3軸姿勢セン
サを配置しても良い。また、この場合に、測量船2側の
3軸姿勢センサ4は、測量船2から曳航されたサイドス
キャンソナー1の相対位置をワイヤエンコーダ9で求め
る際に、測量船2の姿勢の変化による誤差を修正するの
に用いられる。
【0046】上記ヒービングセンサ5は、船舶2のヒー
ビング(heaving:上下揺)のデータを得ること
により、船舶2の波による上下動のデータを得るセンサ
である。すなわち、船舶は、波、風等により、上述の3
軸回りの回転運動だけではなく、上下動、左右動及び前
後動を行なうことになる。そして、船舶は、波と船舶の
移動とにより比較的短いサイクルで上下動している。従
って、このヒービングセンサ5を用いて、GPS位置計
測装置3による計測データを補正しても良い。
【0047】上記演算処理装置6は、ここでは、サイド
スキャンソナー1、GPS位置計測装置3、3軸姿勢セ
ンサ4及びヒービングセンサ5の制御装置を兼ねるもの
であり、3台のコンピュータ(例えば、パーソナルコン
ピュータ(PC))からなるものである。そして、上記
演算処理装置6は、GPS位置計測装置3、3軸姿勢セ
ンサ4及びヒービングセンサ5からの計測データ(サイ
ドスキャンソナー1が曳航される場合には、ワイヤエン
コーダ9の計測データを含む)が入力されるとともに、
これらの装置を制御するナビゲーションコントローラ6
aと、サイドスキャンソナー1からの計測データが入力
されるとともに、ナビゲーションコントローラ6aから
サイドスキャンソナー1のデータが入力され、かつ、サ
イドスキャンソナー1を制御するシステムコントローラ
6bと、該システムコントローラ6bから入力される計
測データからサイドスキャンソナーによる計測対象物の
絶対座標や、3次元形状等を算出するとともに、計測デ
ータ及び算出されたデータを保存し、かつ、処理結果を
各種画像データや数値データとして出力できるように計
測データを加工処理する収録・処理システム6cとを備
えるものである。
【0048】上記ナビゲーションコントローラ6aにお
いては、GPS位置計測装置3、3軸姿勢センサ4及び
ヒービングセンサ5、ワイヤエンコーダ9等からの計測
データが入力されるが、これは、サイドスキャンソナー
1の位置を検出するための位置検出データxである。な
お、GPS位置計測装置3からのデータは、測量船2
(調査船)の運行に必要な調査船測位用データyとして
も用いられる。
【0049】上記同期処理装置7は、上記収録・処理シ
ステム6cにおいて、計測対象物の絶対座標や、3次元
形状等を算出する際に、例えば、GPS位置計測装置3
からの位置情報を、3軸姿勢センサ4の計測データによ
り補正することになるが、この際に、GPS位置計測装
置3からほぼ連続的に出力される位置データの時刻軸
と、3軸姿勢センサ4からほぼ連続的に出力される姿勢
データの時刻軸とをGPS位置計測装置3により受信さ
れる上述のUTC時刻データを用いて、同期させるもの
である。
【0050】すなわち、GPS位置計測装置3において
は、GPS衛星から信号を受信してから位置データを算
出するまでに僅かに時間差があり、3軸姿勢センサ4等
から信号が演算処理装置6に入力された時刻と、GPS
位置計測装置3から位置データが演算処理装置6に入力
された時刻とで、データを対応させるとずれが生じてし
まう。
【0051】そこで、同期処理装置7は、GPS位置計
測装置3から入力されるUTC時刻データを基準とし、
このUTC時刻と、演算処理装置6内に内蔵された計時
装置(時計)の時刻とを対応させるとともに、GPS位
置計測装置3から入力される位置データを、該位置デー
タを求めるためにGPS衛星から入力された信号のUT
C時刻と対応させる。従って、同期処理装置7により、
図4に示されるように、GPS位置計測装置3から入力
される位置データ(GPSデータ)の時間軸Tと、3軸
姿勢センサ4から入力される姿勢データ(動揺データ)
の時間軸Tと、サイドスキャンソナー1から入力される
測深データの時間軸Tと、ヒービングセンサ5から入力
されるヒーブデータの時間軸Tとの同期が取られること
になる。これにより、実際に各計測装置により計測され
た計測データの計測時刻がずれることによる誤差を防止
することができる。
【0052】上記出力装置8は、収録・処理システム6
cにおいて、上述の各計測装置からの計測データを処理
することにより求められた水底(海底)の地形や、水底
上に構築された水中構築物や、それ以前に構築された人
工構造物等の形状を、主に、三次元座標に対応した画像
として出力するものである。なお、収録・処理システム
6cにおいては、様々な周知の画像処理を行えるように
なっており、出力装置8からは、画像処理が施された画
像を出力するようになっている。そして、出力される画
像中において、上記マーカの画像を強調したり、マーカ
以外のノイズとなる部分を除去したりすることができ
る。また、出力される画像は、3次元座標に対応してお
り、画像中の各点の位置が認識できるようにされてい
る。そして、出力された画像からマーカ(チェーン1
2)の位置が把握できるようになっている。また、出力
装置8においては、数値等によりマーカの位置を出力す
るようになっていても良い。
【0053】次に、図5を参照して、サイドスキャンソ
ナー1を曳航した場合の水底探査システムについて説明
する。なお、図5に示される水底探査システムにおいて
は、水底探査システムの水上移動手段を測量船2とせず
に、船舶2Bにより曳航される曳航船2Aに水底探査シ
ステムの水上移動手段以外の部分を艤装するものとして
いる。そして、図5に示される水底探査システムは、上
述の図1に示される水底探査システムに対して、サイド
スキャンソナー1を水上移動手段に固定するのではな
く、曳航するものとしている。また、曳航により水上移
動手段の位置を求めるだけでは、位置を求められなくな
ったサイドスキャンソナー1の位置を求めるために、上
述のワイヤエンコーダ9等の相対位置計測手段を用いる
ようになった点が上述の場合と異なるが、その他の点に
ついては、図1に示される水底探査システムとほぼ同様
のものである。
【0054】なお、曳航船2Aを曳航する際には、移動
する船舶2Bに曳航される状態としても良いが、例え
ば、停止した状態の船舶2Bにおいて、ウィンチにより
曳航船2Aを引張るものとしても良い。また、ウィンチ
により曳航船2Aを引張る場合には、必ずしも、自走可
能な船舶2Bを必要とせず、台船や陸上から曳航船2A
を引張って曳航船2Aを移動させるものとしても良い。
このようにすれば、船舶2にサイドスキャンソナーを備
えた場合よりも、サイドスキャンソナー1においてエン
ジン等の船舶の駆動系等からのノイズによる影響を防止
することができる。
【0055】そして、曳航船2Aには、曳航船2Aから
さらに曳航されるサイドスキャンソナー1の曳航船2A
からの相対位置を求める上述のワイヤエンコーダ9(ト
ラックポイントワイヤエンコーダ)が装備されている。
このワイヤエンコーダ9は、例えば、以下のようにし
て、曳航船2Aに対するサイドスキャンソナー1の相対
位置を求めるものである。すなわち、曳航船2Aの三点
S1、S2、S3からサイドスキャンソナー1にそれぞ
れワイヤ9a…を接続する。そして、該ワイヤ9a…
は、繰出し、巻き戻しが可能な状態とされるとともに、
繰出し及び巻き戻しによりワイヤ9a…に所定の張力を
かけて張った状態とする。また、各ワイヤ9a…の繰出
し長さから、上記三点S1、S2、S3からサイドスキ
ャンソナー1までのそれぞれの距離L1、L2、L3ま
での距離を図れるようにしたものである。そして、上記
三点S1、S2、S3の位置関係と、上記距離L1、L
2、L3から曳航船2Aに対するサイドスキャンソナー
1の相対位置を求めるようにしたものである。
【0056】なお、ここでは、GPS位置計測装置3に
よる位置データと、3軸姿勢センサ4及びヒービングセ
ンサ5による船の動揺のデータとから、上記三点S1、
S2、S3のそれぞれの絶対位置を求め、これら三点S
1、S2、S3の絶対位置のデータと、これら三点から
サイドスキャンソナー1までの距離L1、L2、L3と
から収束計算によりサイドスキャンソナー1の位置を求
めるようにしたものである。
【0057】次に、図6等を参照して、上述の水底探査
システムを用いた水中構築物の計測方法を説明する。図
6は、水中構築物としての防砂シート10の設置位置と
設置状況と計測する方法を説明するための図面である。
なお、図6は、基本的に図5に示す水底探査システムを
用いて、実際に防砂シート10の敷設位置のデータを得
る時の断面模式図である。
【0058】なお、図6においては、ケーソン20の裏
側に設けられた捨石マウンド21上に、防砂シート10
が敷設されている。また、防砂シート10は、そのケー
ソン側の浅い部分に敷設される上側縁部がH鋼22に固
定された状態で敷設されている。そして、この一例にお
いては、上述した水底探査システムを用いて、捨石マウ
ンド21上に敷設された防砂シート10の敷設位置及び
敷設状況を計測する。
【0059】なお、防砂シート10のシート11上に
は、上述したマーカとしての格子状のチェーン12(図
1及び図5に図示)が、その上面のほぼ全面を覆うよう
に取付けられている。そして、水底探査システムにおい
ては、船舶2Bにより曳航された状態の曳航船2Aを、
防砂シート10が敷設された捨石マウンド上の海面で移
動させる。この際には、上述のようにウィンチにより曳
航船2Aを引張るものとしても良い。
【0060】そして、曳航船2Aを移動させるととも
に、サイドスキャンソナー1による捨石マウンド21上
の水底探査、GPS位置計測装置3による曳航船2Aの
位置の計測、3軸姿勢センサ4による曳航船2Aの姿勢
(動揺)の計測、ヒービングセンサ5による曳航船2A
の上下動の計測、ワイヤエンコーダ9による曳航船2A
に対するサイドスキャンソナー1の相対位置の計測が行
なわれる。
【0061】そして、演算処理装置6(ナビゲーション
・コントローラ6a)においては、GPS位置計測装置
3から図5に示すGPS位置計測装置3(アンテナ)の
位置(X0,Y0,Z0)が入力される。そして、このG
PS位置計測装置3の位置(X0,Y0,Z0)に対して
曳航船2Aに固定的に設けられたワイヤエンコーダ9の
ワイヤの起点となる3点S1、S2、S3の位置が算出
されることになるが、この際には、上記3点S1、S
2、S3の絶対位置が船の動揺により変化するので、3
軸姿勢センサ4からの姿勢データ(3軸の角度(P0、
R0、Y0))により、上記3点S1、S2、S3の位置
を補正する。
【0062】また、この際には、予め、上記同期処理装
置により、GPS位置計測装置3のほぼ連続する位置デ
ータと、3軸姿勢センサ4の姿勢データとの時刻軸を同
期させる処理を行なう。これにより上記3点S1、S
2、S3の位置(Xs1,Ys1,Zs1)(Xs2,Ys2,Z
s2)(Xs3,Ys3,Zs3)を求める。そして、ワイヤエ
ンコーダ9により計測される上記3点S1、S2、S3
からサイドスキャンソナー1までの距離L1,L2,L3
と、上記3点S1、S2、S3の位置(Xs1,Ys1,Z
s1)(Xs2,Ys2,Zs2)(Xs3,Ys3,Zs3)から収
束計算により、サイドスキャンソナーの位置(Xs,Y
s,Zs)を求める。
【0063】なお、これらの処理は、時刻軸にそってほ
ぼ連続するデータについて行なわれるので、算出された
データも時刻軸にそってほぼ連続したものとなる。一
方、演算処理装置6(システム・コントローラ6b)に
は、サイドスキャンソナー1のスキャンビームによるデ
ータが入力され、該データから計測対象物のサイドスキ
ャンソナー1に対する相対位置(相対的な3次元形状)
と、反射波の利得による物性の一次判別が行なわれる。
すなわち、スキャンビームにより計測された計測対象物
がその反射波の利得の違いにより複数の領域にわけられ
ることになる。
【0064】次に、一次判別が行なわれたデータにおい
て、防砂シート10のマーカとなるチェーン12が示さ
れる利得の範囲外の部分をノイズとして除去し、チェー
ン12を他の背景となる部分から検出する。そして、チ
ェーン12のサイドスキャンソナー1に対する相対位置
(xc1,yc1,zc1)〜(xcn,ycn,zcn)を求める。この
際の相対位置においては、サイドスキャンソナー1の移
動が時刻の経過として示されることになり、時間軸に沿
ってほぼ連続したデータとして出力されることになる。
【0065】次に、同期処理装置7によりUTC時刻を
元に、時刻軸にそって移動するサイドスキャンソナー1
の位置座標(Xs,Ys,Zs)とチェーン12の相対位
置座標(xcn,ycn,zcn)とが同期処理されるとととも
に、これらのデータからチェーン12の絶対位置座標
(Xs,Ys,Zs)が算出される。
【0066】また、演算処理装置6(収録・処理システ
ム6c)においては、サイドスキャンソナー1からの計
測データが画像として処理されることになる。すなわ
ち、サイドスキャンソナー1においては、そのスキャン
ビームのスキャン範囲と、サイドスキャンソナー1の移
動範囲とからなる水底の範囲における反射波による測距
の値が画像として得られる。そして、上記水底の範囲
は、上述の時刻軸に対応するサイドスキャンソナー1の
位置座標(Xs,Ys,Zs)から実際の絶対位置の範囲
に変換されることになり、実際の位置に対応する画像デ
ータが得られることになる。また、この画像データにお
いては、画像上の位置により三次元位置が示されるとと
もに、例えば、色の濃淡や色の違いにより反射波のゲイ
ンの違いが表されることになる。
【0067】そして、収録・処理システム6cにおいて
は、画像データの処理においても、同一利得域毎、すな
わち、反射波のゲインの値が近い測定対象毎にグループ
化され、これらグループのうちのマーカとしてのチェー
ン12が属するグループを抽出する画像処理が行なわれ
る。これにより、チェーン12が明確化された画像を得
ることができ、この画像からチェーン12の位置を容易
に認識することができる。また、チェーン12は、防砂
シート10のシート11の上面のほぼ全体に渡って格子
状に配置されているので、画像中に表示されたチェーン
12の形状から防砂シート10の敷設状況を認識するこ
とができる。
【0068】なお、以上の説明においては、サイドスキ
ャンソナー1を曳航船2Aに対して曳航する場合につい
て説明したが、図1に示すようにサイドスキャンソナー
1を測量船2(曳航船2Aでも良い)に固定的に取付け
た場合には、サイドスキャンソナー1の位置の算出方法
が異なるだけで後は同様の処理となる。そして、サイド
スキャンソナー1が測量船2に固定されている場合に
は、測量船2に対するサイドスキャンソナー1の相対位
置を求める必要がなくなるので、以下のようにして、サ
イドスキャンソナー1の位置が求められることになる。
演算処理装置6(ナビゲーション・コントローラ6a)
においては、GPS位置計測装置3から図1に示すGP
S位置計測装置3(アンテナ)の位置(X0,Y0,Z
0)が入力される。そして、このGPS位置計測装置3
の位置(X0,Y0,Z0)に対して測量船2に固定的に
設けられたサイドスキャンソナー1の位置(Xs,Ys,
Zs)が算出されることになるが、この際には、サイド
スキャンソナー1の絶対位置が船の動揺により変化する
ので、3軸姿勢センサ4からの姿勢データ(3軸の角度
(P0、R0、Y0))により、上記サイドスキャンソナ
ー1の位置(Xs,Ys,Zs)を補正する。また、この
際には、上述のようにGPS位置計測装置3の計測デー
タと、3軸姿勢センサ4の計測データとをUTC時刻に
より同期処理する。
【0069】以上のように、この一例においては、音波
探査装置として、反射音波の利得特性から、水中に存在
する構造物の材質の違い(硬さや反射率など)によっ
て、存在する物質を識別することが可能なものを用い、
かつ、測定対象物に、背景となる水底や水中構造物と異
なる材質(音波反射率)となるマーカを取付けること
で、従来、音波探査により位置や形状等を計測すること
が困難であった水中構築物の三次元位置や、三次元の形
状の計測が可能となる。すなわち、板状等のように水底
に伏せた状態で配置した際に、元の水底との高低差があ
まりないものや、サイドスキャンソナー1で形状を認識
するには小さすぎるものや、水底の凹凸等の設置位置の
周囲の形状に紛れてしまうものなどについても、上記の
ようなマーカを取り付けることで計測することができ
る。
【0070】また、この一例においては、GPSの位置
情報と、UTC時間を用いて同期した3軸姿勢センサ及
びヒービングセンサとの計測データにより、サイドスキ
ャンソナー1を保持する船舶の揺れに起因する誤差や、
GPS衛星から送られる位置情報を、演算処理する際に
経過する時間差に起因する誤差を取り除くことができ、
高精度かつ迅速に、水中構造物の位置情報を得ることが
できる。
【0071】また、防砂シート10のシート11上にチ
ェーン12が格子状に取り付けられていることにより
(チェーン12の配置が規則的になるために)、音波計
測の際の反射音波強度から、防砂シート10の敷設位置
(チェーン12の配置状態)を高精度かつ迅速に計測及
びグラフィック化(例えば3次元グラフィック化など)
するのに好適である。すなわち、マーカの形態を、マー
カを見た場合に、マーカが取付けられた水中構築物の形
状を認識しやすいものとしておけば、この一例の水底探
査システムから得られる画像から容易に水中構築物の状
態を認識することができる。例えば、機械式シート敷設
工法により敷設した防砂シート10が、予定通りの位置
に正確に敷設されているかどうかの確認のための計測に
適用した場合には、敷設位置に関する位置情報を、正確
かつ迅速に得ることができる。従って、機械式シート敷
設工法において、敷設したシートの位置確認も含めた工
程全体の作業負荷の低減及び工期短縮に寄与することが
でき、工法全体のコスト低減に寄与することができる。
【0072】なお、上述の通りにすることで、マーカが
取り付けられた水中構築物の位置を計測することができ
るが、さらに計測位置の精度を上げるためには、以下の
ようにしても良い。図7は計測位置の精度を向上させる
ために、後述する既知座標マーカ23を用いて、水中構
築物の位置計測を行う場合の模式図を示したものであ
る。そして、図7は、機械式シート敷設工法で敷設した
防砂シートの敷設位置を計測する場合を説明するための
前述の図6の斜視図に相当するものである。
【0073】図7に示すように、マーカ(チェーン1
2)を有する防砂シート10が設置されている捨石マウ
ンド21上に、別の手段で測量を行い予め座標位置を計
測された既知座標マーカ23が設けられている。既知座
標マーカ23は、例えば、鉄板等の金属板からなるもの
であるが、これに限定されるものではなく、上述のよう
に、水底等の背景となる部分と異なる反射率をもち、サ
イドスキャンソナー1が反射波のゲインの違いを検知可
能なものであれば良い。
【0074】図6及び図7に示すように、捨石マウンド
21は海底部において傾斜状に設けられている。従っ
て、捨石マウンド21の上部では比較的深度が浅く、こ
のように浅い位置においては、例えば潜水士による測量
が可能である。そこで、図7に示すように、捨石マウン
ド21上で測量可能な浅い位置に既知座標マーカ23を
設置して、サイドスキャンソナー1による防砂シート1
0の計測に先だって、予め既知座標マーカ23の位置を
測量することができる。そして既知座標マーカ23の測
量は、例えば、図7に示すように、該既知座標マーカ2
3の4つの頂点の座標((X1、Y1、Z1)〜(X
4、Y4、Z4))について測量しておくなどすれば良
い。そしてこのあとに、サイドスキャンソナー1を用い
て防砂シート10の計測を行う。そしてこの時に既知座
標マーカ23も同時に計測するものとすれば、既知座標
マーカ23は上述のように位置が測量されていることか
ら、サイドスキャンソナー1による防砂シート10の位
置計測の結果を補正することができる。例えば、既知座
標マーカ23の測量の結果を演算処理装置6へとフィー
ドバックすることで、防砂シート10に設けられたマー
カ(チェーン12)の計測精度を向上させることができ
る。
【発明の効果】本発明の請求項1記載の水中構築物の計
測方法によれば、位置や形状等を計測すべき水中構築物
に、水底等の背景となる部分と異なる音波の反射率を有
する材質のマーカが備えられているので、反射波のゲイ
ンの違いを検知可能な音波計測手段を用いて水底探査す
ることにより、従来の測距を主な目的とする音波探査装
置では、計測が困難であった水中構築物、すなわち、構
築前と構築後であまり水底や既設構造物に対して形状の
差が無い水中構築物の位置や形状の計測を行なうことが
できる。
【0075】請求項2記載の水中構築物の計測方法によ
れば、音波計測手段の計測データに基づいて、計測対象
物の位置と形状を示す画像を出力する出力手段が、マー
カを背景となる部分と異なる色で出力するので、マーカ
の位置を容易に認識することができる。
【0076】請求項3記載の水中構築物の計測方法によ
れば、3軸姿勢計測手段により音波計測手段の計測デー
タを補正しているので、水上移動手段におけるピッチン
グ、ローリング、ヨーイングによる音波計測手段におけ
る音波の方向のぶれを補正することができ、より正確な
測量を行なうことができる。
【0077】請求項4記載の水中構築物の計測方法によ
れば、音波計測手段を水上移動手段に対して曳航された
状態としているので、音波計測手段を水上移動手段に対
して固定的に取り付けた場合に比較して、水上移動手段
から音波計測手段をより容易に遠くに離すこと、すなわ
ち、音波計測手段をより深い位置に配置することがで
き、例えば、大水深においても計測を行なうことができ
る。また、相対位置計測手段により水上移動手段に対す
る音波計測手段の位置を計測できるので、水上位置計測
手段により計測される水上移動手段の位置と、相対位置
計測手段による音波計測手段の上記相対位置とから、音
波計測手段の位置を求めることができる。従って、上述
のように大水深における測量が可能となるとともに、請
求項1記載の構成の場合と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0078】請求項5記載の計測方法によれば、同期手
段によりGPS衛星から受信した時刻データに基づい
て、各計測手段による計測データの時刻による同期を取
ることができ、水上位置計測手段もしくは水上位置計測
手段と相対位置計測手段とにより、上記音波計測手段の
位置を求め、該音波計測手段により水中構築物の相対位
置を求めるとともに3軸姿勢計測装置により補正して水
中構築物の位置を求めた場合に、音波探知機の位置が求
められた時刻と、音波探知機により測量が行なわれた時
刻とがあっていないことにより生じる誤差を補正するこ
とができる。
【0079】請求項6記載の計測方法によれば、上述の
ようにソナーで認識することが困難なシート状構造物
を、該シート状構造物に予め上述のマーカを取り付けて
おくことにより、上述のような機能を有する音波計測手
段により認識してその測量を行なうことができる。
【0080】請求項7記載の計測方法によれば、シート
状構造物のシートの浮き上がりや捲れ上がりを防止する
チェーンがマーカーとなっているので、新たにマーカー
を取り付ける必要がなく、マーカーを取り付ける手間を
削減することができる。また、マーカとなるチェーン
が、シートに縦横に格子状に取り付けられているので、
音波計測手段の計測データを画像として出力した際に、
格子状のマーカ(チェーン)を容易に認識することがで
きる。また、シートに格子状にマーカが取り付けられて
いるので、シートの敷設状態を格子状のマーカの形状か
ら容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例の水中構築物の計
測方法に用いられる水底探査システムを示す概略図であ
る。
【図2】上記例の水底探査システムにおけるデータ処理
を説明するためのブロック図を示したものである。
【図3】上記例の水底探査システムのサイドスキャンソ
ナーの使用状態を示す概略斜視図である。
【図4】上記例の水中構築物の計測方法において得られ
る各データのタイムチャートを示した図である。
【図5】上記例の水底探査システムにおいてサイドスキ
ャンソナーを曳航した場合を示す概略図である。
【図6】上記例の水中構築物の計測方法において、機械
式シート敷設工法で敷設した防砂シートの敷設位置を計
測する場合を説明するための図である。
【図7】上記例の水中構築物の計測方法において、計測
位置の精度を向上させるために既知座標マーカを用い
て、水中構築物の位置計測を行う場合の模式図である。
【符号の説明】
1 サイドスキャンソナー(音波計測手段) 2 測量船(水上移動手段) 2A 曳航船(水上移動手段) 3 GPS位置計測装置(水上位置計測手段) 4 3軸姿勢センサ(3軸姿勢計測手段) 6 演算処理装置(演算処理手段) 7 同期処理装置(同期処理手段) 8 出力装置(出力手段) 9 ワイヤエンコーダ(相対位置計測手段) 10 防砂シート(水中構築物) 12 チェーン(マーカ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水上移動手段と、該水上移動手段に取り
    付けられるとともに音波により計測対象までの距離とそ
    れに基づく計測対象の形状を求める音波計測手段と、上
    記水上移動手段の位置を検出する水上位置計測手段とを
    備えた水中構築物計測装置を用いて水中構築物の位置、
    形状等のデータ計測する水中構築物の計測方法におい
    て、 上記音波計測手段として、計測対象からの反射波の利得
    特性の違いを検出するものを用いるとともに、 計測を行なう前に、予め、水中構築物に、水底等の背景
    となる部分と異なる音波の反射率を有する材質のマーカ
    を設け、 上記水上位置計測手段により水上移動手段に取り付けら
    れた音波計測手段の位置を求めるとともに、上記音波計
    測手段の計測データの内の利得特性のデータから上記マ
    ーカを識別し、上記音波計測手段の位置及び計測データ
    から上記マーカが設けられた水中構築物の位置を求める
    ことを特徴とする水中構築物の計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水中構築物の計測方法に
    おいて、 上記水中構築物計測装置には、上記音波計測手段の計測
    データに基づいて、音波計測手段の計測対象物の位置と
    形状を示す画像を出力する出力手段を備え、 該出力手段が、上記反射の利得特性の異なる部分をそれ
    ぞれ異なる色で出力することにより、背景となる部分と
    異なる音波の反射率を有する材質からなるマーカを背景
    となる部分と異なる色で出力することを特徴とする水中
    構築物の計測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水中構築物の計
    測方法において、 上記水中構築物計測装置は、その音波計測手段と一体に
    移動してその姿勢を計測する姿勢計測手段を備え、 該3軸姿勢計測手段の計測データに基づいて音波計測手
    段の計測データを補正することを特徴とする水中構築物
    の計測方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の水
    中構築物の計測方法において、 上記音波計測手段を上記水上移動手段に曳航された状態
    に取り付けるとともに、上記水中構築物計測装置に、上
    記水上移動手段に対する音波計測手段の相対位置を検出
    する相対位置計測手段を設け、 上記水上位置計測手段により求められた水上移動手段の
    位置と、上記相対位置計測手段により求められた音波計
    測手段の上記水上移動手段に対する相対位置とから、音
    波計測手段の位置を求めることを特徴とする水中構築物
    の計測方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の水
    中構築物の計測方法において、 上記水中構築物計測装置が、該水中構築物計測装置に備
    えられた各種計測手段からデータを入力されてマーカの
    位置等を算出する演算処理手段を備えるとともに、該演
    算処理手段に上記各種計測手段により計測されるデータ
    の計測時刻を同期させる同期手段を備え、 上記水上位置計測装置が、GPS衛星からの信号を受信
    するとともに誤差を補正して水上移動手段の位置を求め
    るとともに、GPS衛星からの信号のうちの時刻データ
    を上記同期手段に出力し、 該同期手段が、上記GPS衛星から受信した時刻データ
    に基づいて、上記各種計測手段から計測されるデータの
    計測時刻を対応させることにより上記演算処理手段が、
    各種計測手段の計測データを該計測データの計測時刻毎
    に対応させて演算処理を行なうことを特徴とする水中構
    築物の計測方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の水
    中構築物の計測方法において、 上記水中構築物が、水底もしくは人工構造物上に敷設さ
    れたシート状構造物とされ、 上記シート状構造物に上記マーカが設けられていること
    を特徴とする水中構築物の計測方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の水中構築物の計測方法に
    おいて、 上記シート状構造物は、シートと、該シート上に縦横に
    格子状に配置されたチェーンとを備え、 上記チェーンが上記マーカとして機能することを特徴と
    する水中構築物の計測方法。
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