JP2001073456A - Ｈ形鋼の柱・梁接合部を、高力ボルトとすみ肉溶接で接合した柱脚剛、ｘ・ｙ両方向共剛接架構の鉄骨建築。 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄骨加工業者の技術水準に優劣の差があって
も、製品は安定した信頼性のある鉄骨建築を課題とし
た。 【解決手段】 柱・梁にＨ形鋼を使用して、柱・梁接合
部に完全溶け込み溶接を採用せずに、高力ボルト及びす
み肉溶接を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、柱・梁共Ｈ形鋼
を使用し、主要な柱・梁接合部を完全溶け込み溶接を採
用せずに、Ｘ・Ｙ両方向共剛接架構とした鉄骨建築に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の鉄骨建築においては、Ｈ形鋼柱・
梁接合部は完全溶け込み溶接したブラケット形式が一般
的である。しかし完全溶け込み溶接は高度の技術を必要
とし重大な欠陥が生ずることがある。その他に、高力ボ
ルトによるスプリットティ接合があるが、建方に対する
逃げがなく、高い精度が必要である。又、Ｈ形鋼の柱を
使用の場合、断面性能により強軸方向は剛接架構とし、
弱軸方向は筋かい架構が一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の木造建築物は、
耐用年数、柱材の多用や筋かい量のため間取りや開口部
の制限、欠陥、手抜き、耐震性、シロアリの食害、腐
朽、木材資源の枯渇、熟練職工の減少及び、継ぎ目・仕
口ほぞ穴による断面欠損の問題点があった。

【０００４】この発明は、上記した問題点を解決するた
め、構造上主要な部分の柱・梁に小規模建物としては厚
肉のＨ形鋼を使用し、品質のばらつきがなく耐震、耐風
性のある頑丈な架構とした鉄骨建築を提供することを目
的としている。

【０００５】上記目的を達成するために鉄骨建築の構造
はＨ形鋼柱・梁接合部に溶接部割れその他の欠陥が生じ
ることがある全面溶け込み熔接を採用しない方法とし
て、Ｔ形鋼をフランジにしてウエブプレートをすみ肉溶
接したブラケット形式で、柱に高力ボルトとすみ肉溶接
により接合する。

【０００６】又、上記のＨ形鋼柱を一カ所にＸ・Ｙ共強
軸方向にＬ形に２本Ｈ形鋼基礎梁上に剛接することによ
り、アンカーボルト無しに柱脚剛とすることができる。

【０００７】又、基礎梁にＨ形鋼を使用してＳＲＣ梁と
したのは、割栗地業の後通常より厚目のステコンの上に
所定の高さに据え付け、布基礎として利用するため必要
とする配筋をして、ベースコンクリートを打設後鉄骨建
方を行う工法により、基礎工事が容易にできる。

【０００８】そして、面積、階数、階高、梁間の上限及
び、荷重、地耐力、モジュール、構造計算に設計基準を
設けることにより量産が可能であり、木造建物の壁厚程
度に柱・梁のフランジ幅を統一すれば、壁面より突出を
無くし室内の有効利用が計れる。そのため、木造建物の
主要構造部を鉄骨に置き換えたことを想定して、建築学
会の基準、断面性能、継ぎ手のボルト穴のゲージ及び、
断面欠損を考慮すれば、フランジ幅は１１０ｍｍ以上あ
ると良い。

【０００９】さらに、準防火地域内の３階建を想定し、
外壁耐火構造、屋根防火構造とした準耐火建築物とする
ため、耐火材を鋼板で包み、外部仕上げ化粧材のビス止
め下地としても使用可能としたことを特徴とする耐火構
造の外壁材。なお、梁や胴縁に密着する裏面に溝を作
り、壁体内の湿気を小屋裏に通し、外部に放出して防カ
ビに効果的であると共に、暴風時の許容梁間を階高以上
とした断面性能と強度を有するように設計すれば、胴縁
の使用本数を最小限にできる。

【００１０】又、上記外壁材及び金属製建具取り付け用
胴縁の取り付け用として、断面性能の良い鋼板折り曲げ
加工の溝形鋼を作り、この胴縁の内側に造作材や仕上げ
材の木下地を、大工職が釘打ちできるよう取り合い金物
を使用する。

【００１１】そして、２階以上の床の鉄骨小梁を大引き
を兼ねて約９０ｃｍ間隔に取り付け、の上に木の大引き
半割り程度の材を梁下より釘打ち又はビス止めの上、根
太を釘打ちすれば簡単に床を作ることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図１は、主要構造部である柱・梁を
Ｈ形鋼にて剛接架構とした斜視図であり、１はＨ形鋼
柱、２はＨ形鋼梁である。

【００１３】図２は、フランジＴ形鋼４又はフランジプ
レート５と組み合わせてウエブプレート６をすみ肉溶接
してブラケット３を作り、柱又は基礎梁のＨ形鋼にフラ
ンジＴ形鋼は高力ボルトで、フランジプレートとウエブ
プレートはすみ肉溶接にて接合して組み立てる。

【００１４】図３は、補強用外枠鋼板１２と内枠鋼板１
３で耐火材１１を包み、両端に嵌合部を作り、外部側に
ボルト取り付け溝と内部側に換気用溝を鋼板折り曲げに
より形成された耐火構造用外壁材で、溝形鋼胴縁１４に
ボルト止めする。

【００１５】図４（ａ・ｂ）は、上記耐火構造外壁材取
り付け用の溝形鋼胴縁１４と、この胴縁に内嵌めボルト
止めした鋼板折り曲げ加工の枠１５で金属製建具をビス
止めする。

【００１６】図５（ａ・ｂ・ｃ・ｄ）は、鋼材に内装用
木下地取り付け金物で各位置により１６・１７・１８・
１９の４種類で、鋼材と金物とは割り込み引っかけ及び
打ち込みビスで、金物と木は釘打ち止めで取り付ける。

【００１７】図６（ａ）は、図１に示すＨ形鋼による剛
接架構の躯体に木造下地で内装をしたところを示し、
（ｂ）は上記躯体に準耐火建築物基準の一つの方法であ
る耐火構造の外壁と防火構造の屋根にして、その他を木
造下地で内装をしたところを示す。

【００１８】

【発明の効果】この発明は上記のように構成され、鉄骨
建築で最重要部分の剛接接合部を高力ボルト引張接合と
し、建方時の高い精度を必要としないブラケット形式に
することにより、溶接工の技量に左右される全面溶け込
み溶接をなくし耐震、耐風を考慮した構造計算結果によ
る強度に差異の少ない安定した強度が期待できる効果が
ある、

【００１９】又、Ｈ形鋼でＸ・Ｙ両方向共剛接架構とす
るために、一カ所に柱を両方向強軸方向に２本配置し
て、フランジ幅を木造建物のを壁厚程度にすれば、躯体
が壁体内に納まり柱脚部に継ぎ手を設けても、ボルトが
壁体より突出することなく内外の壁仕上げに支障がない
効果がある。

【００２０】そして、外壁耐火、防火構造屋根とした準
耐火建築物仕様とすれば鉄骨造の躯体と下地以外を木造
下地で施工することができ、許容張り間を階高以上の強
度と外部側をビス止めが可能な鋼板とした耐火外壁材と
したことで、外装材下地に使用した場合運搬や施工時の
破損を少なくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 Ｈ形鋼による剛接架構を示す斜視図。

【図２】 Ｈ形構による剛接架構を示す構造詳細図。

【図３】 耐火構造の外壁材を示す横断面図。

【図４】 外壁材と金属製建具取り付け用の胴縁断面
図。

【図５】 木下地取り付け用の金物を示す正面図と断面
図。

【図６】 （ａ） 鉄骨構造躯体に防火構造とした矩計
図。 （ｂ） 鉄骨構造躯体に準耐火建築物とした矩計図。

【符号の説明】

１…Ｈ形鋼柱 ２…Ｈ形鋼
梁 ３…ブラケット ４…フラン
ジＴ形鋼 ５…フランジプレート ６…ウエブ
プレート ７…スチフナー ８…柱固定
プレート ９…水平ブレース取り付けプレート １０…基礎コ
ンクリート １１…耐火構造用耐火材 １２…補強
用外枠鋼板 １３…内枠薄鋼板 １４…溝形
鋼胴縁 １５…金属製建具取り付け用胴縁 １６、１７、１８、１９…内装用木下地取り付け金物

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジＴ形鋼（４）又は一部フランジ
   プレート（５）と、ウエブプレート（６）を溶接してブ
   ラケット（３）を作り、Ｈ形鋼柱（１）に、柱脚では基
   礎梁のＨ形鋼梁（２）に高力ボルトとすみ肉溶接で取り
   付けたことを特徴とする柱・梁接合部。なお、ブラケッ
   ト（３）は鋳鋼製でも良い。
2. 【請求項２】 Ｈ形鋼柱（１）を一カ所にＸ・Ｙ両方向
   共強軸方向にＬ形に２本配置したことを特徴とする、柱
   ・梁Ｈ形鋼、柱脚剛、Ｘ・Ｙ両方向共剛接架構の鉄骨建
   築。
3. 【請求項３】 風荷重による曲げ応力に対する外側を、
   補強用外枠鋼板（１２）で耐火構造用耐火材（１１）を
   包み、内側は、内枠薄鋼板（１３）をスポット溶接又は
   ビス止めとした耐火構造の外壁材。
4. 【請求項４】 耐火構造外壁材取り付け用として、曲げ
   加工による溝形鋼胴縁（１４）とこの胴縁に内嵌めボル
   ト止めした、金属製建具取り付け用胴縁（１５）及び、
   内装用木下地取り付け金物（１６、１７、１８、１
   ９）。