JP2001073193A - 絶縁膜形成方法および電子部材 - Google Patents

絶縁膜形成方法および電子部材

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JP2001073193A
JP2001073193A JP25486799A JP25486799A JP2001073193A JP 2001073193 A JP2001073193 A JP 2001073193A JP 25486799 A JP25486799 A JP 25486799A JP 25486799 A JP25486799 A JP 25486799A JP 2001073193 A JP2001073193 A JP 2001073193A
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electrodeposition
electronic member
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resin layer
forming
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Satoru Kuramochi
悟 倉持
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部材の露出した導電性部分の全体ないし
所定領域に、電着により絶縁性樹脂層を形成して、これ
を絶縁膜とする絶縁膜の形成方法であって、益々の小型
化に対応して、品質的にも満足できる絶縁膜を形成する
ことができ、且つ比較的簡単に、絶縁膜の形成を行うこ
とができる絶縁膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 電子部材の露出した導電性部分の全体な
いし所定領域に、電着により絶縁性樹脂層を形成して、
これを絶縁膜とする絶縁膜の形成方法であって、開口部
を電着剤の吐出部とする吐出装置により、電子部材の露
出した導電性部分に、電着剤を所定の形状に塗布すると
ともに、開口部側を一方の電極として、開口部と電子部
材の露出した導電性部分との間に、電圧を印加して、導
電性部分上に、電着により電着樹脂層を前記所定形状に
生成するもので、必要に応じて、乾燥、熱処理して、電
着生成された電着樹脂層を絶縁膜とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部材の露出し
た導電性部分の全体ないし所定領域に、電着により絶縁
性樹脂層を形成して、これを絶縁膜とする絶縁膜の形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の、ますます高集積
化、高性能化と伴行して、CSP(Chip Scal
e Package)に代表される半導体パッケージの
小型化、ベアチップ実装等、高密度実装化が急速に進め
られている。プリント配線板についても、片面配線から
両面配線へ、さらに多層化、薄型軽量化へと進められて
いる。ニユーメディア商品に限らず、電子機器への軽薄
短小の要求は強く、半導体装置の小型化、薄型化はもと
より、他の各種電子部品や電子部品用部材についても、
益々、その小型化、微細化が求められている。電子機器
には、多くの電子部品が使われているが、その中で、特
に、コイル、コンデンサー、抵抗器などのいわゆるLC
Rと呼ばれる受動回路部品は最も多く使われている。そ
して、近年の電子回路のSMT化(Surface M
ount Technology)の進展に伴って、L
CR部品の面実装化(チップ化)は急速な勢いで進展し
ており、一層の小型化を目指している。
【0003】このような中、各種電子部品や電子部品用
部材である電子部材に対しては、その露出した導電性部
分の全体ないし所定領域に、絶縁性樹脂層を形成して、
これを絶縁膜とする絶縁膜の形成が行われているが、従
来のカーテンフロー等による塗布による絶縁膜の形成方
法では、更なる電子部材の小型化に対応でき、且つ、品
質的にも満足できる絶縁膜を形成することが難しくなっ
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、各種電子部品や電子部品用部材である電子部材に対
しては、益々の小型化に対応して、品質的にも満足でき
る絶縁膜を形成することができ、且つ比較的簡単に、絶
縁膜を形成を行うことができる絶縁膜の形成方法が求め
られていた。本発明は、これに対応するもので、具体的
には、電子部材の露出した導電性部分の全体ないし所定
領域に、電着により絶縁性樹脂層を形成して、これを絶
縁膜とする絶縁膜の形成方法であって、益々の小型化に
対応して、品質的にも満足できる絶縁膜を形成すること
ができ、且つ比較的簡単に、絶縁膜を形成を行うことが
できる絶縁膜の形成方法を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁膜形成方法
は、電子部材の露出した導電性部分の全体ないし所定領
域に、電着により絶縁性樹脂層を形成して、これを絶縁
膜とする絶縁膜の形成方法であって、開口部を電着剤の
吐出部とする吐出装置により、電子部材の露出した導電
性部分に、電着剤を所定の形状に塗布するとともに、開
口部側を一方の電極として、開口部と電子部材の露出し
た導電性部分との間に、電圧を印加して、導電性部分上
に、電着により電着樹脂層を前記所定形状に生成するも
ので、必要に応じて、乾燥、熱処理して、電着生成され
た電着樹脂層を絶縁膜とすることを特徴とするものであ
る。そして、上記において、電子部材を回転させながら
行うことを特徴とするものであり、電子部材が、棒状で
あることを特徴とするものである。また、上記における
電着剤が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、前
記ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオ
ン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料
組成物であることを特徴とするものである。
【0006】本発明の電子部材は、上記、本発明の絶縁
膜形成方法により、絶縁膜を形成したことを特徴とする
ものである。
【0007】
【作用】本発明の絶縁膜形成方法は、このような構成に
することにより、電子部材に対し、益々の小型化に対応
して、品質的にも満足できる絶縁膜を形成することがで
き、且つ比較的簡単に、絶縁膜を形成を行うことができ
る絶縁膜の形成方法の提供を可能としている。詳しく
は、電着により直接、電子部材の露出した導電性部分の
全体ないし所定領域に、絶縁性樹脂層を形成して、これ
を絶縁膜とする絶縁膜の形成方法の提供を可能としてい
る。具体的には、電子部材の露出した導電性部分の全体
ないし所定領域に、電着により絶縁性樹脂層を形成し
て、これを絶縁膜とする絶縁膜の形成方法であって、開
口部を電着剤の吐出部とする吐出装置により、電子部材
の露出した導電性部分に、電着剤を所定の形状に塗布す
るとともに、開口部側を一方の電極として、開口部と電
子部材の露出した導電性部分との間に、電圧を印加し
て、導電性部分上に、電着により電着樹脂層を前記所定
形状に生成するもので、必要に応じて、乾燥、熱処理し
て、電着生成された電着樹脂層を絶縁膜とすることによ
り、これを達成している。この場合、電子部材を回転さ
せながら行うことにより、電子部材の回転周に沿う表面
部全体ないし一部に、絶縁膜を形成することを可能とし
ている。特に、電子部材が、棒状である場合には有効で
ある。電着剤としては、イオン性基を含有するポリイミ
ド樹脂と、前記ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、
水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物から
なる電着塗料組成物が、形成される絶縁膜の絶縁性、化
学的安定性、強度の面から好ましい。
【0008】本発明の電子部材は、このような構成にす
ることにより、その作製が簡単で、低コストで、品質的
にも信頼でき、量産にも向く。
【0009】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の絶縁膜の形成方法
の実施の形態を挙げ、図に基づいて説明する。図1は本
発明の絶縁膜の形成方法の実施の形態の第1の例を示し
た概略構成図で、図2はその一部の工程断面図で、図3
は本発明の絶縁膜の形成方法の実施の形態の第2の例を
説明するための概略図で、図4は図1に示す第1の例に
より作製された電子部材を説明するための図である。
尚、図1(b)は図1(a)のA1−A2における断面
図、図4(b)は図4(a)のD1−D2における断面
図である。図1〜図4中、110は棒状の電子部材、1
10Aは1単位の電子部材、120は開口部、130は
電着剤、135は電着樹脂層(絶縁性樹脂層)、210
は電子部材、211は凸状部、410はテストピン、4
11は金属部、412は電着樹脂層部(絶縁膜部)、4
20は治具(マスク部)、421は金属部、422は電
着樹脂層部(絶縁膜部)、423は開口、430は半導
体装置、431は半田ボールである。
【0010】先ず、本発明の絶縁膜の形成方法の実施の
形態の第1の例を、図1に基づいて説明する。本例は、
少なくとも表面部を金属層とする、表面部が導電性の棒
状の電子部材110の表面の所定の領域にのみ、電着に
より絶縁性樹脂層(電着樹脂層)135を形成して、こ
れを絶縁膜とする絶縁膜の形成方法で、棒状の電子部材
110を図1(b)に示すように、回転しながら、且
つ、開口部120位置を、電子部材110に対して相対
的に移動しながら、開口部120を電着剤の吐出部とす
る吐出装置(図示していない)により、電子部材110
の露出した導電性の表面部分に、電着剤を所定の領域に
塗布するとともに、開口部120側を一方の電極とし
て、開口部120と電子部材110の露出した導電性の
表面部分との間に、電圧を印加して、電子部材110の
導電性の表面部分上に、電着により電着樹脂層135を
所定形状に生成するものである。棒状の電子部材110
は、製品の1単位となる1単位の電子部材110Aを連
続的に並べた状態のもので、絶縁性樹脂層135を形成
後に、適宜、それぞれが切断分離される。
【0011】先ず、表面部が導電性の棒状の電子部材1
10を用意し、棒状の電子部材をその長さ方向に張った
状態で、図1(b)にその一断面を示すように、矢印の
方向に回転させながら、開口部120から電着剤130
を、露出した表面部に塗布する。これと伴行して、開口
部120側を一方の電極として、開口部120と電子部
材110の電着剤130が塗布された導電性の表面部間
に電圧をかけて、前記電着剤130が塗布された導電性
の表面部に、電着により絶縁性の電着樹脂層135を形
成する。電着により形成された電着樹脂層135には、
必要に応じて、乾燥、熱処理を施す。
【0012】表面部が導電性の棒状の電子部材110と
しては、金、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、これら
の合金のみからなるもの、あるいは、表面部のみに、前
記金属層や、金、銀や他の金属層を設けたものが挙げら
れる。
【0013】電着剤130に用いられる高分子として
は、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性
合成高分子樹脂を挙げることができる。アニオン性合成
高分子樹脂としては、アクリル性樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン化油樹脂、ボリブタジエン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あ
るいは、これらの樹脂の任意の組合せによる混合物とし
て使用できる。さらに、上記のアニオン性合成樹脂とメ
ラミン樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性
樹脂とを併用しても良い。また、カチオン性合成高分子
樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組合せに
よる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン
性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等
の架橋性樹脂を併用しても良い。また、上記の高分子樹
脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、
石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加するこ
とも可能である。上記高分子樹脂は、後述する製造方法
においてアルカリ性または酸性物質により中和して水に
可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供され
る。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニ
ア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。カチオン性
合成高分子樹脂は、酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、乳酸等
の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された
高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈さ
れた状態で使用される。
【0014】特に、絶縁信頼性の点から、好ましい電着
剤130としては、イオン性基を含有するポリイミド樹
脂と、前記ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、
前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる
電着塗料組成物が挙げられる。 ポリイミドとしては、
溶剤可溶で、耐熱性、絶縁性、機械的強度を保てれば良
く、各種の芳香族酸ジ無水物と、芳香族ジアミンとを、
目的、機能により選択する。これらの芳香族酸ジ無水物
と、芳香族ジアミンとを加熱、脱水してポリイミドが合
成される。電着する機能を付加させるために、官能基、
イオン性基を導入する。例えば、カルボン酸を導入す
る。この場合の方法としては、芳香族ジアミンとして、
芳香族ジアミノカルボン酸等を用いることができる。
尚、良好な接着性を持たせるためには、ジアミノジフェ
ニルスルホンなどを導入する。
【0015】このような、絶縁膜を形成するための電着
塗料組成物を電着形成するためのポリイミドの電着液の
作製については、特公昭51−15061号公報の記
載、特公昭46−17415号公報の記載、特開平9−
104839号公報の記載を基に、これらの記載の方法
の組合せにより、芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジア
ミン成分とを仕込み合成した結果生じる、イミド結合と
アミック酸を有するカルボン酸含有のポリイミドも合成
可能である。さらには、芳香族テトラカルボン酸と芳香
族ジアミン成分の他にカルボン酸含有のモノマーをあら
かじめ合成時に仕込み、最終的にイミド結合、アミック
酸、カルボン酸官能基を含むポリイミドワニスを合成で
きる。電着液とするためには、このワニスにアミン等の
塩基を添加し、イミド結合の一部を更に開環させ、中和
塩を形成し、水と必要により各種溶剤を添加することに
より、ポリイミドの電着液の製造ができる。尚、特公昭
51−15061号公報には、主鎖中の末端にカルボキ
シル基を有し、繰り返し単位中にイミド結合を有するポ
リイミドなどに、アンモニア、アミンあるいはその他の
塩基を作用させて一部を開環させ、繰り返し単位中のイ
ミド結合をアミドカルボン酸のアンモニウム塩、アミン
塩にし、界面活性剤を含む水溶液中で強制攪拌して分散
させてなる、ポリイミドの電着液の製造方法が記載され
ている。また、特公昭46−17415号公報には、繰
り返し単位中にイミド結合を有するポリイミドの製造方
法として、芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミン成
分とを、フェノール系溶媒中で加熱反応させて、イミド
化率の高い溶剤可溶型ポリイミド樹脂を直接得る方法が
記載されている。また、特開平9−104839号公報
には、芳香族ジアミンとして、芳香族ジアミノカルボン
酸等を用い、他の芳香族テトラカルボン酸と他の芳香族
ジアミン成分とを、フェノール系溶媒中で加熱反応さ
せ、イミド化率の高い電着型ポリイミド樹脂を直接得る
方法が記載されている。
【0016】ここでは、ポリイミドとしては、ポリイミ
ドの前駆体でなく、ポリイミドとすることによって、保
存安定性を増している。使用できるポリイミドは、芳香
族テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンをほぼ等
量用い、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機極性溶
媒中で加熱、重縮合する。必要に応じて触媒を添加して
140〜200°Cに加熱し、縮合により生じた水を系
外に除去する。
【0017】電着するために導入する官能基すなわちイ
オン性基としては、アニオン性基であるならば、例え
ば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノー
ル基等を、カチオン性基としては、例えば、アミノ基等
を用いる。アニオン性基を導入する場合、特にカルボン
酸基が好ましく、モノマーとしてはジアミノ安息香酸等
が用いられる。
【0018】アニオン電着液の場合、溶媒中に溶解した
アニオン性基を有する電着用ポリイミドを塩基性化合物
で中和し、適当な溶剤、水を添加する。塩基性化合物と
しては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、メ
チルモルホリンなどを使うことができる。カチオン電着
液の場合、溶媒中に溶解したカチオン性基を有する電着
液用ポリイミドを酸性化合物で中和し、適当な溶剤、水
を添加する。酸性化合物としては、ギ酸、乳酸、酢酸、
酪酸等を使うことができる。
【0019】溶剤としては多種用いることができる、水
洗時の安定性を考慮すると、比較的親油性の材料が用い
られ、適度な電着後のフロー性を調節できる。
【0020】樹脂を乳化し、分散する方法としては、均
一に攪拌できるものであれば何でも良く、超音波分散塩
なども使用できる。
【0021】次いで、図2に基づき、1単位の電子部材
110Aについての絶縁性樹脂層135の形成をさらに
説明しておく。本例においては、1単位の電子部材11
0Aの長さ方向所定幅のみに、全面に絶縁性樹脂層13
5を形成するものである。図1に示すように、電子部材
110を回転させながら、且つ、開口部120を電子部
材110に対して相対的に一方方向(点線矢印方向)に
所定の速度で移動させながら、開口部120と電子部材
110の露出した導電性の表面部に、電圧をかけ、電着
により電着樹脂層135の形成を行うが、1単位の電子
部材110Aそれぞれについては、その幅方向の所定の
位置(これをここでは図2(a)に示すB1とする)か
らB2位置まで、電着剤130が開口部120より吐出
され、それ以外の位置においては吐出されない。このた
め、開口部の相対的な移動とともに、電子部材110A
への電着樹脂層135の形成は、先ず、図2(a)のよ
うに開始され、図2(b)で終わる。このようにして、
図1に示す棒状の電子部材110の各1単位の電子部材
110Aへの電着樹脂層135の形成は行われる。次い
で、各1単位の電子部材110Aについては、それぞ
れ、図2(c)に示すように、電圧が印加されない状態
にして、水洗し、余分の電着剤130を除去し、図2
(d)に示すように、所定の領域のみに電着樹脂層13
5を形成する。必要に応じて、電着により形成された電
着樹脂層135を乾燥、熱処理しておく。
【0022】このようにして、電着樹脂層が形成され
た、棒状の電子部材110を、それぞれ、1単位の電子
部材110Aに切断分離して、多数の電子部材110A
を得ることができる。このような、分離された1単位の
電子部材110Aの使用例としては、例えば、電子部材
110Aの素材が金属材料のみからなる場合、図4に示
すように、半導体装置テスト用のテストピン410が挙
げられる。テストピン410としては、直接接続する部
分以外が、電着樹脂層412に被膜されていることによ
り、耐磨耗性、絶縁性に強いものとしている。
【0023】(変形例)第1の例の変形例としては、表
面部の所定の絵柄部分(パターンニング部)のみ導電性
として、この部分の露出した部分を覆うように電着樹脂
層135を形成する方法もある。電子部材の素材として
は、絶縁性の芯部の表面部のみに、銅、ニッケル、アル
ミニウム、鉄、これらの合金、金、銀等の金属層を設け
たものが用いられる。但し、この場合にも、開口部12
0側を一方の電極とし、所定の絵柄部分と、開口部間に
電圧をかけることが必要で、連続した絵柄である場合
や、所定部分に電着を行うための補助のリードを設けて
ある場合にのみ適用できる。尚、棒状の電子部材110
の芯となる絶縁性のベース材質としては、ガラス、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレ
ン、アクリル等の絶縁性樹脂が挙げられる。
【0024】次ず、本発明の絶縁膜の形成方法の実施の
形態の第2の例を、図3に基づいて説明する。本例は、
エッチング加工やプレス加工等により外形加工された金
属からなる平坦状の電子部材210の所定の領域の表面
部のみに、電着により絶縁性樹脂層(電着樹脂層)13
5を形成して、これを絶縁膜とする絶縁膜の形成方法
で、図3(a)に示すように、開口部120を所定の方
向に電子部材210から相対的に位置移動しながら、開
口部120を電着剤の吐出部とする吐出装置(図示して
いない)により、電子部材210の露出した導電性の表
面部分に、電着剤を所定の領域に塗布するとともに、開
口部120側を一方の電極として、開口部120と電子
部材210との間に、電圧を印加して、電子部材210
の導電性の表面部分上に、電着により電着樹脂層135
を所定形状に生成するものである。本例は、図3(a)
に示すように、開口部120の幅が、電子部剤210の
凸状部211の幅(長手方向)よりも小さく、図3
(b)に示すように、凸状部211の電着剤が塗布され
た領域のみに電着樹脂層135が形成される。本例の電
子部材210の素材としては、銅、銅ニッケル合金、ニ
ッケル、鉄、鉄ニッケル合金等があげられるが、これに
限定はされない。電着剤としては、上記第1の例と同様
のものが使用できる。
【0025】このようにして、電着樹脂層135が形成
される電子部材210としては、形状により、その用途
は広い。例えば、半導体装置用のリードフレームの、イ
ンナーリード部の所定の表面領域にのみ電着樹脂層を形
成する場合等に用いられる。
【0026】
【実施例】実施例は、図1に示す第1の例の絶縁膜形成
方法により、図4に示す半導体装置テスト用のテストピ
ンを作製したもので、図1に基づいて説明する。まず、
0.2mmφの太さの棒状の金からなる電子部材110
を用意した。次いで、開口径を0.1mmφとする開口
部120から、下記のようにして調整した電着液を吐出
しながら、開口部を点線矢印の方向に所定の速度1mm
/secで移動しながら、且つ、電子部材110を回転
させながら、開口部120側を一方の電極として、開口
部120と電子部材110間に、その間隔をほぼ100
μmとし、電圧30Vをかけ、電着し、所定領域に電着
樹脂層135をウエット状態で12μmの厚さに形成し
た。1単位の電子部材110Aの両端部500μm幅の
みを除き、表面部に電着樹脂層135を形成するよう
に、間欠的に吐出し、電着を行った。電着剤の液温度は
ほぼ25°Cになるようにして行った。この後、300
°C、30分間で電着生成物を加熱処理して硬化させ、
乾燥膜厚3μmを得た。開口部120からの電着材13
0の吐出の制御は、図示していないが、開口部に繋がる
液供給部のからの電着剤液の供給をバルブの開閉操作を
制御することにより行った。
【0027】以下のようにポリイミドワニスを作製し、
電着液の調整を行った。 <ポリイミドワニスの製造>11容量の三つ口セパラブ
ルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器,窒素導入管及
びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管
をつけた還流冷却器を取り付ける。窒素気流中を流しな
がら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフ
ラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示す。3、
4、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無
水物(以後BTDAと呼ぶ)32.22g(0.lモ
ル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)
スルホン(m−BAPS)21.63g(0.05モ
ル),γ−バレロラクトン1.5g(0.015モ
ル)、ピリジン2.37g(0.03モル)、NMP
(N−メチル−2−ピロリドンの略)200g、トルエ
ン30gを加えて、窒素を通じながらシリコン浴中,室
温で30分撹件(200rpm)、ついで昇温して18
0℃、l時間、200rpmに攪拌しながら反応させ
る。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、
BTDA16.11g(0.05モル)、3、5ジアミ
ノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)15.22g(0.
1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、
室温で30分攪拌したのち(200rpm)、次いで昇
温して180℃に加熱攪拌しトルエンー水留出分15m
lを除去する。その後、トルエンー水留出分を系外に除
きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終
了した。20%ポリイミドワニスを得た。 <電着液の調製>20%濃度ポリイミドワニス100g
に3SN(NMP:テトラヒドロチオフェンー1、l−
ジオキシド=l:3(重量)の混合溶液)150g、ベ
ンジルアルコール75g、メチルモルホリン5.0g
(中和率200%)、水30gを攪拌して水性電着液を
調製する。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4
%、pH7.8、暗赤褐色透明液である。
【0028】この後、棒状の電子部材110から1単位
の電子部材110A毎に切断分離して、テストピンとし
て、電着樹脂層135を形成した電子部材110Aを得
た。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記のように、電子部材に対
し、益々の小型化に対応して、品質的にも満足できる絶
縁膜を形成することができ、且つ比較的簡単に、絶縁膜
を形成を行うことができる絶縁膜の形成方法の提供を可
能とした。特に、電着剤として、イオン性基を含有する
ポリイミド樹脂と、前記ポリイミド樹脂を溶解可能な有
機溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化
合物からなる電着塗料組成物を用いることにより、絶縁
性や熱的安定性、強度や化学的安定性に優れた電子部品
の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁膜の形成方法の実施の形態の第1
の例を示した概略構成図
【図2】本発明の絶縁膜の形成方法の実施の形態の第1
の例の工程断面図
【図3】本発明の絶縁膜の形成方法の実施の形態の第2
の例を説明するための概略図
【図4】図1に示す第1の例により作製された電子部材
を説明するための図
【符号の説明】
110 棒状の電子部材 110A 1単位の電子部材 120 開口部 130 電着剤 135 電着樹脂層(絶縁性樹脂層) 210 電子部材 211 凸状部 410 テストピン 411 金属部 412 電着樹脂層部(絶縁膜部) 420 治具(マスク部) 421 金属部 422 電着樹脂層部(絶縁膜部) 423 開口 430 半導体装置 431 半田ボール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部材の露出した導電性部分の全体な
    いし所定領域に、電着により絶縁性樹脂層を形成して、
    これを絶縁膜とする絶縁膜の形成方法であって、開口部
    を電着剤の吐出部とする吐出装置により、電子部材の露
    出した導電性部分に、電着剤を所定の形状に塗布すると
    ともに、開口部側を一方の電極として、開口部と電子部
    材の露出した導電性部分との間に、電圧を印加して、導
    電性部分上に、電着により電着樹脂層を前記所定形状に
    生成するもので、必要に応じて、乾燥、熱処理して、電
    着生成された電着樹脂層を絶縁膜とすることを特徴とす
    る絶縁膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、電子部材を回転させ
    ながら行うことを特徴とする絶縁膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、電子部材が、棒状で
    あることを特徴とする絶縁膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3における電着剤が、イ
    オン性基を含有するポリイミド樹脂と、前記ポリイミド
    樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基と極性
    が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物である
    ことを特徴とする絶縁膜形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の絶縁膜形成方
    法により、絶縁膜を形成したことを特徴とする電子部
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020065967A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 シャープ株式会社 表示デバイスの製造方法、表示デバイスの製造装置

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