JPH09304437A - プローブおよびプローブ用回路基板 - Google Patents

プローブおよびプローブ用回路基板

Info

Publication number
JPH09304437A
JPH09304437A JP8114851A JP11485196A JPH09304437A JP H09304437 A JPH09304437 A JP H09304437A JP 8114851 A JP8114851 A JP 8114851A JP 11485196 A JP11485196 A JP 11485196A JP H09304437 A JPH09304437 A JP H09304437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
flexible substrate
contact
polyimide
conductive circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8114851A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumi Azuma
一美 東
Atsushi Hino
敦司 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP8114851A priority Critical patent/JPH09304437A/ja
Publication of JPH09304437A publication Critical patent/JPH09304437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/11Printed elements for providing electric connections to or between printed circuits
    • H05K1/118Printed elements for providing electric connections to or between printed circuits specially for flexible printed circuits, e.g. using folded portions
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/40Forming printed elements for providing electric connections to or between printed circuits
    • H05K3/4007Surface contacts, e.g. bumps

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Connecting Device With Holders (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)
  • Measuring Leads Or Probes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バーンイン試験等における高温での使用条件
下においても、優れた接触信頼性をもって接触対象物に
接触でき、検査用としても優れた耐久性を有するプロー
ブおよびこれを製造するための部材である回路基板を提
供すること。 【解決手段】 絶縁性を有するフレキシブル基板1の一
方の面1aに設けられた接点部2と、該フレキシブル基
板のいずれかの面または内部に設けられた導電性回路3
とが導通された構造のプローブにおいて、フレキシブル
基板の材料の線膨張係数と、当該プローブの接触対象物
の線膨張係数との差を、25℃〜300℃において10
×10-6以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路などの微
細な接触対象物に対して電気的な接触を行なうプローブ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、薄型化に伴っ
て、そこに搭載されるICなどの半導体装置もますます
の小型化が要求され、半導体素子の実装面積も極限にま
で小さくすることが要求されてきている。こうした要求
への回答の一つとして、シリコンウエハ上に多数形成さ
れた段階や分断された段階の半導体素子(以下、分断さ
れた段階のものをベアチップと呼ぶ)を、パッケージせ
ず、そのままで基板に実装するベアチップ実装が行われ
ており、今後この実装形態への移行が急速に進んでいく
と考えられている。また、将来はウエハ状態のままでの
実装さえも行われようとしている。従って、半導体素子
に対する種々の品質測定、試験、特に半導体素子にとっ
て厳しい高温の条件下において行われるバーンイン試験
も、ベアチップ、あるいはその前段階であるウエハの状
態で行わなければならない。
【0003】上記ベアチップやウエハ等の接触対象物上
に形成された微細な電極や導体部分等の被接触部に対し
て、電気的な接触を行なうにはプローブが用いられる。
本発明でいうプローブは、針式などのメカニカルな機構
を有するプローブとは異なる面状のプローブである。そ
の構造は、絶縁性を有するフレキシブル基板の一方の面
に設けられた接点部と、該フレキシブル基板のいずれか
の面または内部に設けられた導電性回路とが導通された
構造が一般的である。プローブの接点部は、被接触部に
対して電気的な接触を行う部分であって、通常はバンプ
接点(または単にバンプ)と呼ばれる突起状の良導体金
属接点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、プローブを接触
対象物に接触させた状態で、大きな温度変化を与えた場
合に、接触対象物の線膨張係数とプローブの線膨張係数
との差が問題になる場合がある。特に、検査用プローブ
としてベアチップのバーンイン試験を行なう場合には、
プローブをベアチップに接触させた状態で、通常120
℃〜150℃程度、場合によっては200℃程度の高温
にまで加熱される。このような場合、従来のプローブで
は、該プローブの線膨張係数と接触対象物の線膨張係数
とが互いに大きく異なるために、試験開始時の室温状態
では接触対象物上の被接触部に接触していたプローブの
接点部が、温度上昇後には相手の被接触部からずれては
み出し、接触不良や検査不能となるという問題があっ
た。
【0005】また、プローブの接点部が被接触部からず
れてはみ出す程までには至らなくとも、プローブの接点
部が被接触部に接触した状態のまま数十μmの長さにわ
たってずれることによって、接触対象物の被接触部が大
きく傷つけられ、製品としての品質が大きく低下すると
いう問題や、逆にプローブの接点部が被接触部によって
傷つけられ、検査装置としての耐久性が低下するという
問題があった。
【0006】本発明の課題は、上記問題を解決し、バー
ンイン試験等における高温での使用条件下においても、
優れた接触信頼性をもって接触対象物に接触でき、検査
用としても優れた耐久性を有するプローブおよびこれを
製造するための部材である回路基板を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リジッド
基板などを用いてフレキシブル基板の熱膨張を抑制する
のではなく、フレキシブル基板自体の線膨張係数を接触
対象物の線膨張係数により近づけることに着目し、本発
明を完成させた。特に、接触対象物がシリコン結晶を基
板とするような半導体素子である場合には、フレキシブ
ル基板の材料として最適なポリイミドの特定を行った。
また、フレキシブル基板の材料として最適なポリイミド
の特定を行った場合に、フレキシブル基板と導電性回路
の線膨張係数の差によって、回路基板・プローブ全体に
新たに発生する反りをさらなる問題とし、これを解決し
て、本発明の有用性をより高めた。
【0008】本発明のプローブおよび回路基板は、次の
特徴を有するものである。 (1)絶縁性を有するフレキシブル基板の一方の面に設
けられた接点部と、該フレキシブル基板のいずれかの面
または内部に設けられた導電性回路とが導通された構造
を有し、前記フレキシブル基板の材料の線膨張係数と、
当該プローブの接触対象物の線膨張係数との差が、25
℃〜300℃において10×10-6以下であることを特
徴とするプローブ。
【0009】(2)当該プローブの接触対象物がシリコ
ン結晶の線膨張係数を有する電子部品であって、上記フ
レキシブル基板の材料の線膨張係数が1×10-6〜10
×10 -6である上記(1)記載のプローブ。
【0010】(3)フレキシブル基板の材料が、式
(A):
【0011】
【化7】
【0012】で表される構造単位(A)と、式(B):
【0013】
【化8】
【0014】(式中、Xは、下式(i)〜(v):
【0015】
【化9】
【0016】で表される基(i)〜(v)から選ばれる
1つの基を示す)で表される構造単位(B)とからな
り、構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比が
(A):(B)=90:10〜50:50のポリイミド
である上記(2)記載のプローブ。
【0017】(4)導電性回路が、鉄−ニッケル合金に
よって形成された回路であるか、または、フレキシブル
基板側の鉄−ニッケル合金からなる層と表層側の良導体
金属からなる層とが積層された構造の回路である上記
(1)記載のプローブ。
【0018】(5)絶縁性を有するフレキシブル基板の
一方の面に導電性回路が設けられ、フレキシブル基板の
材料が、上記(3)に記載のポリイミドであって、導電
性回路が、上記(4)に記載の導電性回路であることを
特徴とするプローブ用回路基板。
【0019】本発明のプローブは、検査用プローブのよ
うに接触対象物に対して一時的に接触を行なうものだけ
でなく、ベアチップなどの実装用として接触対象物に対
して永久的に接触させたままで用いられる接続手段をも
含むものである。
【0020】
【作用】フレキシブル基板の材料の線膨張係数と、当該
プローブの接触対象物の線膨張係数との差を、25℃〜
300℃において10×10-6以下とすることによっ
て、検査用プローブとして用い、バーンイン試験のよう
な室温から高温までの温度変化にさらされても、プロー
ブの接点部と、接触対象物の被接触部とのずれを好適に
抑制することができる。
【0021】特に、接触対象物が、半導体素子・集積回
路などのベアチップやウエハなど、微細な被接触部を有
する電子部品である場合には、これらの線膨張係数は、
結晶基板として用いられるシリコン結晶の線膨張係数と
同等であると見てよく、その値は、0℃〜200℃の温
度範囲においては、3.5×10-6程度である。その場
合、フレキシブル基板の材料の線膨張係数は、1×10
-6〜10×10-6が好ましい値となる。
【0022】一方、プローブに用いられるフレキシブル
基板の材料としては、耐熱性や機械的強度の点からポリ
イミドが最も好ましいものとして挙げられるが、上記の
ように線膨張係数1×10-6〜10×10-6を満足する
ようなポリイミドは、従来のプローブのフレキシブル基
板には用いられてはいなかった。
【0023】本発明では、ポリイミドの構成を上記構成
単位(A)、(B)からなるものとし、それらのモル比
を(A):(B)=90:10〜50:50に特定し
た。この特定によって、プローブのフレキシブル基板と
して充分な強度を有し、しかも従来のフレキシブル基板
の材料よりも線膨張係数が低く、シリコン結晶の線膨張
係数に近似するものとなって、半導体素子上の被接触部
に対するずれが抑制される。
【0024】また、フレキシブル基板の材料を上記ポリ
イミドとしたとき、導電性回路を銅などの一般的な良導
体によって形成した場合には、フレキシブル基板と導電
性回路との間の線膨張係数の差によって、プローブに反
りが生じ、新たな問題となることを見いだした。このよ
うな問題に対しては、導電性回路の材料に、鉄−ニッケ
ル合金を用いることによって、フレキシブル基板と導電
性回路との間の線膨張係数の差が小さくなり、反りが抑
制され、より好ましいプローブが得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】先ず、本発明のプローブに用いら
れる回路基板を先に説明する。本発明の回路基板は、図
3に示すように、絶縁性を有するフレキシブル基板1の
一方の面1aに導電性回路3が設けられたフレキシブル
回路基板である。
【0026】フレキシブル基板の材料は、上記作用の説
明で述べたように、この回路基板をプローブとして用い
たとき、その接触対象物に対して、線膨張係数の差が2
5℃〜300℃において10×10-6以下であるような
材料とする。特に、接触対象物が、シリコン結晶の線膨
張係数を有する電子部品であるならば、次に説明するポ
リイミドを材料とすることが最も好ましい。
【0027】上記フレキシブル基板の材料として好適に
用いられるポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物
と、特定のジアミノ化合物とを、共に出発原料として、
有機極性溶媒中で反応させ、ポリイミド前駆体を経て得
られる。上記テトラカルボン酸二無水物としては、ピロ
メリット酸二無水物(PMDA)が挙げられる。上記特
定のジアミノ化合物としては、m−トリジンと、下記式
(C)で表されるジアミノ化合物とが共に用いられる。
【0028】
【化10】
【0029】上記式(C)におけるXは、上記式(B)
におけるX、即ち、上記式(i)〜(v)で表される基
と同様である。上記式(C)で表されるジアミノ化合物
は、耐熱性が良好である。
【0030】上記m−トリジン(X)および上記式
(C)で表されるジアミノ化合物(Y)の配合割合
(X:Y)は、モル比で、X:Y=90:10〜50:
50の範囲、特に、X:Y=85:15〜60:40の
範囲に設定することが好ましい。上記配合割合におい
て、Xのモル比の値が90を越えると、ポリイミド皮膜
の強度が低下する。逆にXのモル比の値が50未満とな
ると、得られるポリイミドの線膨張係数が大きくなり、
基材がカールするようになる。
【0031】尚、上記m−トリジンおよび上記式(C)
で表されるジアミノ化合物の使用量の15モル%以内
を、これらのジアミノ化合物以外の他のジアミノ化合物
で置き換えても良い。他のジアミノ化合物としては、例
えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’
−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ンなどが挙げられる。
【0032】従って、本発明において、フレキシブル基
板の材料として好適に用いられるポリイミドは、全体
が上記構成単位(A)、(B)だけからなるポリイミ
ド、または、上記構成単位(A)、(B)がポリイミ
ド全体の85モル%以上であって、残りが、PMDAと
他のジアミノ化合物との反応により形成された構成単位
からなるポリイミドである。
【0033】上記ポリイミドは次のように前駆体を合成
して形成することができる。即ち、上記テトラカルボン
酸二無水物と、上記ジアミノ化合物を、略等モル、有機
極性溶媒中において、通常0〜90℃で1〜24時間反
応させ、ポリイミド前駆体とする。上記の有機極性溶媒
としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルホスホルアミド等が挙げ
られる。
【0034】このようにして合成されるポリイミド前駆
体は、その対数粘度(溶媒にN−メチル−2−ピロリド
ンを用い、濃度0.5g/100ml、30℃で測定)
が0.5〜5.0の範囲にあるのが好ましい。この値が
0.5より小さいと得られるポリイミドの機械的強度が
著しく低下するので好ましくない。逆にこの値が5.0
より大きいと金属箔への塗布作業性が低下するので好ま
しくない。対数粘度ηinh は、ηinh =(ln(t1
0 ))/Cで計算される。ただし、式中t1 、t
0 は、毛細管粘度計により測定される落下時間であっ
て、t1は溶液の落下時間、t0 は溶媒の落下時間であ
る。Cは溶液100ml中における重合体のg数で表し
た濃度である。対数粘度数、またはそれを用いて計算さ
れる固有粘度は、重合体の分子量と関係付けられる。
【0035】上記のようにして得られたポリイミド前駆
体の有機極性溶媒溶液を用い、例えば次のようにしてフ
レキシブル基板を製造する。
【0036】(a)先ず、上記ポリイミドの前駆体の有
機極性溶媒溶液を、導電性回路となる金属箔上にロール
コータやコンマコータ等公知の手段を用いて流延塗布す
る。有機極性溶媒溶液中のポリイミド前駆体の濃度は5
〜30重量%程度に設定することが好ましい。この濃度
が5重量%より低いと得られるポリイミドの表面が荒れ
やすく、逆に高すぎると粘度が高くなって塗布作業性が
低下する。
【0037】前駆体の塗布厚さは限定されないが、最終
的にポリイミドとして得られるフレキシブル基板の好ま
しい厚さが8μm〜50μmであることから、このよう
な厚さが得られるように塗布を行えばよい。
【0038】導電性回路となる金属箔とフレキシブル基
板であるポリイミドとの接着力を上げるために、金属箔
の表面に対してサンドブラストをはじめ、コロナ放電や
クロメート処理、あるいはシランカップリング剤や比較
的柔らかいポリイミドをプライマー層として形成するな
どの処理を施すことが好ましい。
【0039】(b)金属箔に対する上記溶液の流延塗布
後、加熱処理してポリイミドを形成する。この加熱処理
は、通常100℃〜230℃で30分〜2時間程度の加
熱乾燥し溶媒を除去する工程と、さらに、250℃〜6
00℃の温度で1分〜3時間加熱処理する工程を含む。
【0040】上記(a)、(b)の工程によって、金属
箔表面に、上記式(A)、(B)で表される構成単位
(A)、(B)からなるポリイミドが形成され、導電性
回路となる金属箔と、フレキシブル基板との2層の積層
体が得られる。
【0041】このポリイミドは、構成単位(A)、
(B)によるブロック重合体であっても、ランダム重合
体であっても、また交互重合体であってもよい。そし
て、構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比は、
(A):(B)=90:10〜50:50の範囲に設定
されなければならない。特に、(A):(B)=85:
15〜60:40の範囲が好ましい。上記モル比におい
て、構造単位(A)のモル比の値が90を越えると(逆
に言うと構造単位(B)のモル比の値が10未満である
と)、ポリイミド皮膜の強度が著しく低下する。また、
構造単位(A)のモル比の値が50未満であると(逆に
言うと構造単位(B)のモル比の値が50を越える
と)、得られるポリイミドの線膨張係数が大きくなり、
プローブに用いて大きな温度変化を与えた場合に、検査
対象物に対する大きなずれやプローブ自体に大きな反り
が生じる。また、構成単位(B)を示す上記式(B)中
のXを上記のように選択することよって、耐熱性および
フレキシビリティの点で優れたポリイミドが得られる。
【0042】導電性回路となる金属箔の材料としては、
銅、ニッケル、半田、金、銀など一般公知の回路パター
ンに用いられる良導体金属であってもよいが、接触対象
物が上記電子部品である場合には、バーンイン試験にお
いて、ズレだけでなく反りをも抑制し得るという点か
ら、鉄−ニッケルの合金、特に、ニッケルを42重量%
含有する鉄−ニッケル合金(以下「42アロイ」)が最
も好適である。
【0043】また、42アロイだけを導電性回路として
用いると、用途によっては導電性回路自体の抵抗値が高
いことが問題となる場合があるが、その場合には、図4
に示すように、導体が多重に積層された構造を有する導
電性回路とし、フレキシブル基板1上に形成された42
アロイの導電性回路3a上に、上記良導体金属の層3b
をさらに積層してもよい。42アロイ層3aに対する良
導体金属層3bの積層は、金属箔単品の段階で積層する
態様31や、42アロイからなる回路パターンに対して
良導体金属をめっきする態様32など、どの段階の工程
において行なってもよい。
【0044】導電性回路となる金属箔の厚さは1μm〜
500μmが好ましく、特に5μm〜50μmがより好
ましい。金属箔の厚さが1μmより薄いと、箔の強度が
無いため塗工が困難となり、500μmを越えると得ら
れるプローブ全体が柔軟性に欠け、プローブの用途にふ
さわしくなくなるので好ましくない。
【0045】導電性回路は、この回路基板を用いてプロ
ーブを製造する場合に、フレキシブル基板の面上に設け
られる接点部と導通し得るように、該接点部の位置に対
してフレキシブル基板の内部直下、真裏、またはこれら
の近傍を通過するように設計し、形成する。導電性回路
の態様は、回路パターンであっても、上記金属箔をその
まま加工せずに用いた導体層であってもよい。導電性回
路を回路パターンとして形成する方法としては、アディ
ティブ法やサブトラクティブ法など、公知の回路パター
ン形成方法が利用できるが、当該フレキシブル基板の製
造工程からすれば、フレキシブル基板の形成後に金属箔
をエッチング等によって回路パターンとするサブトラク
ティブ法が最も好ましい。
【0046】上記のようにして得られた回路基板は、ポ
リイミドが極めて良好な寸法安定性を有しており、導電
性回路の材料として42アロイを用いることによって、
電子部品に対するバーンイン試験などに用いられても、
実質的にズレや反りが発生しないという優れた特性を備
えている。
【0047】次に、本発明のプローブを説明する。本発
明のプローブは、上記回路基板を先ず形成しこれを用い
て形成することが好ましいが、工程の順序は限定され
ず、例えば、回路パターンをプローブの加工工程中にお
いて完成させるなど、上記回路基板の構成要素を最終的
に有するものであればよい。
【0048】図1は、本発明によるプローブの基本的な
構造の一例を示す模式図である。同図に示す例では、絶
縁性を有するフレキシブル基板1の一方の面1aに設け
られた接点部2と、該フレキシブル基板の他方の面1b
に設けられた導電性回路3とが導通された構造である。
フレキシブル基板と導電性回路については、上記回路基
板において説明したとおりである。
【0049】接点部は、接触対象物の被接触部に対応す
る位置に設けられる。接点部は、接触対象物の被接触部
に対して電気的な接触を行い得るものであればよく、通
常は、良導体金属からなるバンプ接点(または単にバン
プ)と呼ばれる突起状の接点の態様が用いられる。ただ
し、バンプ接点は、必ずしもフレキシブル基板面から突
起する必要はなく、相手の形状に応じてフレキシブル基
板面と同一面、凹面を形成するものであってもよい。ま
た、接点部は、導電性回路の一部を接点部として用いる
態様(リード接点)であってもよい。以下、接点部をバ
ンプ接点とする場合について説明する。
【0050】バンプ接点の材料としては、例えば金、
銀、銅、鉛、クロム、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、
鉄、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどが例
示され、その構成は単一金属種だけでなく、異なる金属
を層状に積層してもよい。異なる金属を層状に積層する
場合は、最表面の金属としてはロジウム、ルテニウムと
いったヌープ硬度700Hk〜1200Hkのものを用
いることが好ましい。
【0051】バンプ接点は導電性回路と導通するように
形成されるが、図1に示すように、フレキシブル基板の
表/裏、または表面/深層で互いに対応する位置(互い
に真下にある関係)に形成され、フレキシブル基板に設
けられた貫通孔を通して導通される構造が好ましい構造
である。このような導通の構造を有するバンプ接点の形
成方法を、上記プローブ用の回路基板を用いた例とし
て、次に概略的に説明する。
【0052】先ず、図1に示すように、フレキシブル基
板1の面1aにおいて、導電性回路3の真裏に相当する
位置(前記導電性回路が基板内部にある場合は真上に相
当する位置)に貫通孔5を設け、その孔内底面に裏面1
bの導電性回路3を露出させる。次に、孔内底面に露出
した導電性回路の面を負極とする電解めっきによって、
貫通孔内にバンプ接点の材料となる良導体金属を析出さ
せて充填し、さらに析出を継続して、フレキシブル基板
の表面から良導体金属を突起させてバンプ接点2を得
る。
【0053】導電性回路をフレキシブル基板の内部に設
ける方法としては、フレキシブル基板上に形成された導
電性回路を、さらに可撓性と絶縁性とを有する材料によ
って被覆する方法が挙げられる。この場合、フレキシブ
ル基板の材料と被覆に用いられる材料とは同じであって
も異なるものであってもよいが、ともに上記ポリイミド
とすることがより好ましい。
【0054】フレキシブル基板に貫通孔を形成する方法
としては、薬品、溶剤などを用いて化学的にエッチング
を行うウエットエッチングや炭酸ガス、YAG、エキシ
マなどのレーザー、あるいはプラズマなどを使ったドラ
イエッチング法を用いることが出来る。特に微細な穴加
工を行う場合にはレーザーを用いたエッチング法を用い
ることが好ましい。
【0055】本発明のプローブの他の構造例を、図2
(a)、(b)に模式的に示す。図2(a)は、図1と
同様の構成であるが、フレキシブル基板1と同様の材料
からなる被覆層4によって、導電性回路3の全面を被覆
することによって、導電性回路がフレキシブル基板の内
部に設けられた構造となっている。Bは接触対象物であ
る。図2(b)は、導電性回路の導体自体を部分的に接
点として用いた構造例である。また、接触対象物Bはベ
アチップであって、その被接触部B1はハンダバンプ接
点の場合の例である。同図の例では、導電性回路3を部
分的に露出させてリード状の接点部2とし、突起状の被
接触部B1に対して、プローブ側の接点部2を微細で平
坦な接触面としている。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。先ず、本発明によるプローブ用回路基板の製
造例を次の実施例1〜4に示し、それらを用いたプロー
ブの製造例を実施例5、6に示す。ただし、下記におい
て示す対数粘度は、上記と同様、溶媒にN−メチル−2
−ピロリドンを用い、濃度0.5g/100ml、30
℃で測定したものである。また、ポリイミド前駆体の溶
液粘度は、B型粘度計を用いて30℃で測定したもので
ある。
【0057】実施例1 本実施例では、フレキシブル基板の材料として、上記式
(A)、(B)で表される構造単位(A)、(B)から
なるポリイミドを用い、特に、構造単位(B)に含まれ
る基Xを上記式(i)で表される基とした。
【0058】先ず、攪拌機および温度計を備えた容積5
00ccのセパラブルフラスコに、m−トリジン(TL
D)17.0gと、4,4’−ジアミノフェニルエーテ
ル(DDE)4.0gと、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)172gとを入れて攪拌し、前記ジアミノ化
合物を溶解させた。
【0059】次に、これにピロメリット酸二無水物(P
MDA)21.8gを徐々に加えその後30℃以下の温
度で5時間攪拌を続け、濃度20%のポリイミド前駆体
溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液の対数粘度は
1.90であり、溶液粘度は800Pa・sであった。
【0060】得られた溶液を、15%ポリイミド前駆体
溶液となるようにNMPで希釈し、厚さ20μmの42
アロイ箔上にアプリケータを用いて流延塗布し、窒素雰
囲気下で100℃で30分、200℃で30分、さらに
400℃で1時間の加熱を行いフレキシブル基板を作製
した。フレキシブル基板の厚さは45μmであった。
【0061】このポリイミドは、構造単位(A)と
(B)からなり、これらのモル比は、(A):(B)=
80:20であった。また、42アロイ箔を含めた積層
体としての面方向の線膨張係数は3.0×10-6であっ
た。
【0062】次に、42アロイ箔の表面にフォトレジス
トを塗工し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離に
より、バンプ接点を形成すべき所定位置の真裏を通過す
るよう設計した所定の回路パターン(導電性回路)を形
成し、本発明によるプローブ用回路基板を得た。
【0063】実施例2 本実施例では、上記実施例1と同様、フレキシブル基板
の材料として構造単位(A)、(B)からなるポリイミ
ドを用いたが、構造単位(B)に含まれる基Xは上記式
(iv)で表される基とした。
【0064】先ず、実施例1と同様のセパラブルフラス
コに、TLD18.0gと、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン6.2gと、N
MP184gとを入れて攪拌し、前記ジアミノ化合物を
溶解させた。次に、これにPMDA21.8gを徐々に
加えその後30℃以下の温度で5時間攪拌を続け、濃度
20%のポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド
前駆体溶液の対数粘度は2.05であり、溶液粘度は9
50Pa・sであった。
【0065】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ3
5μmの42アロイ箔とを用いて、上記実施例1と全く
同様の工程にて、厚さ38μmのフレキシブル基板を作
製した。このポリイミドは、構造単位(A)と(B)か
らなり、これらのモル比は、(A):(B)=85:1
5であった。また、フレキシブル基板としての面方向の
線膨張係数は3.3×10-6であった。
【0066】次に、上記実施例1と全く同様に、42ア
ロイ箔を回路パターン(導電性回路)として加工し、本
発明によるプローブ用回路基板を得た。
【0067】実施例3 本実施例では、上記実施例1と同様、フレキシブル基板
の材料として構造単位(A)、(B)からなるポリイミ
ドを用いたが、構造単位(B)に含まれる基Xを上記式
(v)で表される基とした。
【0068】実施例1と同様のセパラブルフラスコに、
TLD19.1gと、2,2−ビス〔4−(アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン5.2g
と、NMP184.4gとを入れて攪拌し、前記ジアミ
ノ化合物を溶解させた。次に、これにPMDA21.8
gを徐々に加えその後30℃以下の温度で5時間攪拌を
続け、濃度20%のポリイミド前駆体溶液を得た。この
ポリイミド前駆体溶液の対数粘度は1.85であり、溶
液粘度は840Pa・sであった。
【0069】得られたポリイミド前駆体溶液をNMPで
15%に希釈し、厚さ35μmの42アロイ箔上にアプ
リケータを用いて流延塗布し、窒素雰囲気下で100℃
で30分、200℃で30分、さらに400℃で1時間
の加熱を行い、厚さ60μmのフレキシブル基板を作製
した。
【0070】このポリイミドは、構造単位(A)と構造
単位(B)からなり、これらのモル比は(A):(B)
=90:10であった。また、フレキシブル基板として
の面方向の線膨張係数は3.4×10-6であった。
【0071】次に、上記実施例1と全く同様に、42ア
ロイ箔を回路パターン(導電性回路)として加工し、本
発明によるプローブ用回路基板を得た。
【0072】実施例4 本実施例では、フレキシブル基板の材料として、構造単
位(A)、(B)、および構造単位(B)に含まれる基
Xが、全て上記実施例1と同様であるが、構造単位
(A)と構造単位(B)のモル比が(A):(B)=5
0:50であるポリイミドを用いた。
【0073】先ず、実施例1と同様のセパラブルフラス
コに、TLD10.6gと、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル10.0gと、NMP168.8gとを入
れて攪拌し、上記ジアミノ化合物を溶解させた。次に、
これにPMDA21.8gを徐々に加えその後30℃以
下の温度で5時間攪拌を続け、濃度20%のポリイミド
前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液の対数粘
度は1.80であり、溶液粘度は720Pa・sであっ
た。
【0074】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ3
5μmの42アロイ箔を用いて、上記実施例1と全く同
様の工程にて、厚さ60μmのフレキシブル基板を作製
した。このポリイミドは、構造単位(A)と(B)から
なり、これらのモル比は、(A):(B)=50:50
であった。また、フレキシブル基板としての面方向の線
膨張係数は6.5×10-6であった。
【0075】次に、上記実施例1と全く同様に、42ア
ロイ箔を回路パターン(導電性回路)として加工し、本
発明によるプローブ用回路基板を得た。
【0076】実施例5 上記実施例1〜4において作製したプローブ用回路基板
を用いて、これら各々にバンプ接点を形成し、図1に示
す構造のプローブを計4種類作製した。バンプ接点の形
成工程を次に示す。
【0077】先ず、プローブ用回路基板において、フレ
キシブル基板の両面のうち導電性回路が形成された面と
は反対側の面に対して、バンプ接点を形成すべき位置に
炭酸ガスレーザーをマスク投影+ガルバノスキャン法に
て照射し、内径80μmの貫通孔を形成し、該貫通孔の
内部底面に導電性回路を露出させた。次に、導電性回路
の表面(貫通孔の内部底面に露出した部分を除く)に、
めっきに対するレジスト膜を施した後、導電性回路を負
極とする電気めっきにて貫通孔内にNiを析出させ充填
した後さらに析出を継続し、基板面からの突起高さが2
0μmのバンプ接点を形成し、さらにその表面に1μm
の厚さで金めっきを行い、さらに1μmの厚さでロジウ
ムめっきを行い、レジスト膜を剥離して、本発明による
プローブを得た。
【0078】本実施例で得た4種類のプローブに、接触
対象物として6インチウエハを密着させて、室温25℃
〜150℃のバーンインサイクルにかけた後、ウエハと
プローブの各接触部の表面を観察したところ、どのウエ
ハの接触点にもバンプ接点のずれによる大きな痕は発生
しておらず、また、プローブ側のバンプ接点表面にもダ
メージは見られなかった。また、プローブ自体には使用
上問題となるような反りはなかった。
【0079】実施例6 本実施例では、上記実施例1〜4において作製したプロ
ーブ用回路基板に対して、さらに導電性回路をポリイミ
ドで被覆し、導電性回路がフレキシブル基板の内部に設
けられた構造とし、これにバンプ接点を設けて図2
(a)に示す構造のプローブとした。
【0080】実施例1〜4と全く同様に、フレキシブル
基板の一方の面に対して導電性回路を形成した後、さら
に、この導電性回路を、外部計測機器との接続に用いら
れる部分を除いて、各々のフレキシブル基板の材料と同
じポリイミドからなる被覆層4によってカバーコートし
た。
【0081】フレキシブル基板の両面のうち導電性回路
が形成された面とは反対側の面に対して、バンプ接点を
形成すべき位置に、波長248nmのエキシマレーザー
をマスク投影法にて照射し、内径30μmの貫通孔を形
成し、該貫通孔の底面に導電性回路を露出させた。導電
性回路の外部接続端子部に、めっきに対するレジスト膜
を施した後、導電性回路を負極とする電気めっきにて貫
通孔内にNiを析出させ充填した後さらに析出を継続
し、基板面からの突起高さが25μmのバンプ接点を形
成し、さらにその表面に1μmの厚さで金めっきを行
い、さらに1μmの厚さでロジウムめっきを行い、レジ
スト膜を剥離して、本発明によるプローブを得た。
【0082】本実施例で得た4種類のプローブに、接触
対象物としてベアチップを密着させて、室温25℃〜1
25℃のバーンインサイクルにかけた後、ベアチップと
プローブの各接触部の表面を観察したところ、どのベア
チップの接触点にもバンプ接点のずれによる大きな痕は
発生しておらず、また、プローブ側のバンプ接点表面に
もダメージは見られなかった。また、プローブ自体には
使用上問題となるような反りはなかった。
【0083】比較例1 本比較例では、フレキシブル基板の材料として、本発明
で用いるポリイミドとは構成単位の異なるポリイミドを
用いてプローブ用回路基板を作製した。先ず、実施例1
と同様のセパラブルフラスコに、TLD21.2gと、
NMP172gとを入れて攪拌し、前記ジアミンを溶解
させた。次に、これにPMDA21.8gを徐々に加え
その後30℃以下の温度で5時間攪拌を続け、濃度20
%のポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆
体溶液の対数粘度は1.85であり、溶液粘度は750
Pa・sであった。
【0084】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ2
0μmの42アロイ箔とを用いて、実施例1と同様の工
程にて、厚さ33μmのフレキシブル基板を作製した。
このフレキシブル基板は、上記作製工程が完了した時に
すでに、42アロイ箔側を内側にして大きくカールして
おり、回路基板としてプローブ製造に使用できる品質レ
ベルのものではなかった。また、フレキシブル基板とし
ての面方向の線膨張係数は−6.0×10-6であった。
【0085】比較例2 比較例1と同様、フレキシブル基板の材料として、本発
明で用いるポリイミドとは構成単位の異なるポリイミド
を用いてプローブ用回路基板を作製した。先ず、実施例
1と同様のセパラブルフラスコに、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル(DDE)20gと、NMP168
gとを入れて攪拌し、前記ジアミンを溶解させた。次
に、これにPMDA21.8gを徐々に加え、30℃以
下の温度で5時間攪拌を続け、濃度20%のポリイミド
前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液の対数粘
度は2.20であり、溶液粘度は1000Pa・sであ
った。
【0086】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ1
5μmの42アロイ箔とを用いて、実施例1と同様の工
程にて、厚さ40μmのフレキシブル基板を作製した。
このフレキシブル基板は、比較例1の場合と同様に、上
記作製工程が完了した時にすでに、42アロイ側を内側
にして大きくカールし、回路基板としてプローブの製造
に使用できる品質レベルのものではなかった。また、フ
レキシブル基板としての面方向の線膨張係数は32.5
×10-6であった。
【0087】比較例3 本比較例では、フレキシブル基板の材料として、構造単
位は本発明(実施例2)と同様であるが、構造単位
(A)と構造単位(B)のモル比が本発明で示した範囲
外であるポリイミドを用いてフレキシブル基板を作製し
た。先ず、実施例1と同様のセパラブルフラスコに、T
LD20.1gと、2,2−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン2.1gと、NMP17
5.2gとを入れて攪拌し、前記ジアミノ化合物を溶解
させた。次に、これにPMDA21.8gを徐々に加
え、30℃以下の温度で5時間攪拌を続け、濃度20%
のポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体
溶液の対数粘度は1.85であり、溶液粘度は830P
a・sであった。
【0088】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ3
5μmの42アロイ箔とを用いて、実施例1と同様の工
程にて、厚さ60μmのフレキシブル基板を作製した。
フレキシブル基板を形成するポリイミドの構造単位は実
施例2と同様であるが、構造単位(A)と(B)とのモ
ル比は、(A):(B)=95:5であった。また、フ
レキシブル基板としての面方向の線膨張係数は−1.0
×10-6であった。得られたポリイミドは可とう性が無
く、強度的にもフレキシブル基板として使用できるもの
ではなかった。
【0089】比較例4 本比較例では、比較例3と同様に、フレキシブル基板の
材料として、構造単位は本発明(実施例2)と同様であ
るが、構造単位(A)と構造単位(B)のモル比が本発
明で示した範囲外であるポリイミドを用いてフレキシブ
ル基板を作製した。先ず、実施例1と同様のセパラブル
フラスコに、TLD9.5gと、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン22.6
gと、NMP214.8gとを入れて攪拌し、前記ジア
ミノ化合物を溶解させた。次に、これにPMDA21.
8gを徐々に加えその後30℃以下の温度で5時間攪拌
を続け、濃度20%のポリイミド前駆体溶液を得た。こ
のポリイミド前駆体溶液の対数粘度は2.05であり、
溶液粘度は950Pa・sであった。
【0090】得られたポリイミド前駆体溶液と、厚さ3
5μmの42アロイ箔とを用いて、実施例1と同様の工
程にて、厚さ60μmのフレキシブル基板を作製した。
このフレキシブル基板を形成するポリイミドの構造単位
は実施例2と同様であるが、構造単位(A)と(B)と
のモル比は、(A):(B)=45:55であった。ま
た、フレキシブル基板としての面方向の線膨張係数は1
2.0×10-6であった。
【0091】次に、上記実施例1と全く同様に、42ア
ロイ箔を回路パターン(導電性回路)として加工し、さ
らに、実施例5と同様の工程にてプローブを作製した。
【0092】本比較例で得たプローブに、接触対象物と
してベアチップを密着させて、室温25℃〜150℃の
バーンインサイクルにかけた後、ベアチップとプローブ
の各接触部の表面を観察したところ、ベアチップのパッ
ド部には数十μmにわたってバンプ接点の動いたキズが
発生していた。
【0093】
【発明の効果】上記説明および実施例の結果からも明ら
かなように、本発明のプローブを例えば検査用プローブ
として用いた場合には、バーンイン試験などの激しい温
度変化にさらされても、プローブには反りが発生し難
く、しかも優れた寸法安定性を示す。これによってバン
プ接点と被接触部とのズレも少なく、接触信頼性および
検査装置としての耐久性も向上する。また、実装用の接
続具として用いた場合にも、激しい温度変化が作用する
使用環境のもとでも、優れた接続の信頼性を示すものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプローブの基本的な構造の一例を
示す模式図である。
【図2】本発明によるプローブの他の構造例を示す模式
図である。
【図3】本発明のプローブに用いられる回路基板の構造
の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の回路基板における導電性回路の構造例
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 フレキシブル基板 2 接点部 3 導電性回路(回路パターン)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性を有するフレキシブル基板の一方
    の面に設けられた接点部と、該フレキシブル基板のいず
    れかの面または内部に設けられた導電性回路とが導通さ
    れた構造を有し、前記フレキシブル基板の材料の線膨張
    係数と、当該プローブの接触対象物の線膨張係数との差
    が、25℃〜300℃において10×10-6以下である
    ことを特徴とするプローブ。
  2. 【請求項2】 当該プローブの接触対象物がシリコン結
    晶の線膨張係数を有する電子部品であって、上記フレキ
    シブル基板の材料の線膨張係数が1×10-6〜10×1
    -6である請求項1記載のプローブ。
  3. 【請求項3】 フレキシブル基板の材料が、式(A): 【化1】 で表される構造単位(A)と、式(B): 【化2】 (式中、Xは、 【化3】 で表される基を示す)で表される構造単位(B)とから
    なり、構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比が
    (A):(B)=90:10〜50:50のポリイミド
    である請求項2記載のプローブ。
  4. 【請求項4】 導電性回路が、鉄−ニッケル合金によっ
    て形成された回路であるか、または、フレキシブル基板
    側の鉄−ニッケル合金からなる層と表層側の良導体金属
    からなる層とが積層された構造の回路である請求項1記
    載のプローブ。
  5. 【請求項5】 絶縁性を有するフレキシブル基板の一方
    の面に導電性回路が設けられ、フレキシブル基板の材料
    が、式(A): 【化4】 で表される構造単位(A)と、式(B): 【化5】 (式中、Xは、 【化6】 で表される基を示す)で表される構造単位(B)とから
    なり、構造単位(A)と構造単位(B)とのモル比が
    (A):(B)=90:10〜50:50のポリイミド
    であって、導電性回路が、鉄−ニッケル合金によって形
    成された回路であるかまたはフレキシブル基板側の鉄−
    ニッケル合金からなる層と表層側の良導体金属からなる
    層とが積層された構造の回路であることを特徴とするプ
    ローブ用回路基板。
JP8114851A 1996-05-09 1996-05-09 プローブおよびプローブ用回路基板 Pending JPH09304437A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8114851A JPH09304437A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 プローブおよびプローブ用回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8114851A JPH09304437A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 プローブおよびプローブ用回路基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09304437A true JPH09304437A (ja) 1997-11-28

Family

ID=14648302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8114851A Pending JPH09304437A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 プローブおよびプローブ用回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09304437A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013084568A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用電位測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013084568A (ja) * 2011-09-29 2013-05-09 Honda Motor Co Ltd 燃料電池用電位測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5374469A (en) Flexible printed substrate
EP0875906B1 (en) Electronic part and process for manufacturing the same
JP3096234B2 (ja) プローブ構造の製造方法
US6746816B2 (en) Photosensitive resin composition and circuit board
KR100454619B1 (ko) 폴리이미드-금속호일복합필름
KR20080061388A (ko) 가요성 적층판, 그의 제조 방법, 및 가요성 인쇄 배선판
JPH11292968A (ja) 電子部品およびその製造方法
TW200427583A (en) Laminate and use thereof
US6623843B2 (en) Resin composition for wiring circuit board, substrate for wiring circuit board, and wiring circuit board
JPH09304437A (ja) プローブおよびプローブ用回路基板
JPH02247232A (ja) ポリイミド膜のパターン形成方法および該膜を用いた電子装置
JP3969902B2 (ja) チップサイズパッケージ用インターポーザーの製造方法
WO1997003542A1 (fr) Plaquette de circuits imprimes et son procede de fabrication
JP3248786B2 (ja) 回路基板構造、および回路基板の製造方法
JPS6044338A (ja) 複合成形品
JP3689985B2 (ja) 回路基板及びその製造方法
JP2001313451A (ja) フレキシブル配線板の製造方法
JP4024918B2 (ja) 回路基板の製造方法および回路基板
JPH11274724A (ja) 配線基板およびその製造方法
JPH1012984A (ja) 回路基板、回路付きサスペンション基板及びそれらの製造方法
JP3177923B2 (ja) プローブ構造およびその製造方法
JP2001168130A (ja) 転写用配線部材とその製造方法、および配線基板
JPH02209757A (ja) 配線基板
JP2001024141A (ja) 半導体装置用回路部材の製造方法
JP4334711B2 (ja) 電子部材への絶縁膜形成方法および電子部材