JP2001073158A - 部分めっきプラスチック成形体の製造方法 - Google Patents
部分めっきプラスチック成形体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ベース成形材等のプラスチック成形体の表示部
分に、シャープで且つ装飾性が豊かに文字、数字、記号
等を表示することができる部分めっきプラスチック成形
体の製造方法を提供すること。 【解決手段】無電解金属めっき性樹脂を用いてベース成
形材を成形し、該ベース成形材を粗化処理用エッチング
液に浸漬することによりその外周面を粗化処理し、該粗
化処理したベース成形材を無電解キャタリスト液に浸漬
することによりその粗化外周面上にキャタリストプライ
マー層を設け、該ベース成形材の表示部分を指定の文字
若しくは数字若しくは模様が表示できるように前記キャ
タリストプライマー層が消失するようにレーザ加工し、
該表示部分を除いた前記キャタリストプライマー層上に
無電解金属めっきを行なうことを特徴とする部分めっき
プラスチック成形体の製造方法にある。
分に、シャープで且つ装飾性が豊かに文字、数字、記号
等を表示することができる部分めっきプラスチック成形
体の製造方法を提供すること。 【解決手段】無電解金属めっき性樹脂を用いてベース成
形材を成形し、該ベース成形材を粗化処理用エッチング
液に浸漬することによりその外周面を粗化処理し、該粗
化処理したベース成形材を無電解キャタリスト液に浸漬
することによりその粗化外周面上にキャタリストプライ
マー層を設け、該ベース成形材の表示部分を指定の文字
若しくは数字若しくは模様が表示できるように前記キャ
タリストプライマー層が消失するようにレーザ加工し、
該表示部分を除いた前記キャタリストプライマー層上に
無電解金属めっきを行なうことを特徴とする部分めっき
プラスチック成形体の製造方法にある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部分めっきプラスチ
ック成形体の製造方法に関するものである。更に詳述す
れば、本発明は携帯電話、パソコン、オーディオ等の電
子機器のキートップ(ボタン)等に使用されるプラスチ
ック成形体へ装飾性に優れた部分めっきを施して成る部
分めっきプラスチック成形体の製造方法に関するもので
ある。
ック成形体の製造方法に関するものである。更に詳述す
れば、本発明は携帯電話、パソコン、オーディオ等の電
子機器のキートップ(ボタン)等に使用されるプラスチ
ック成形体へ装飾性に優れた部分めっきを施して成る部
分めっきプラスチック成形体の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、パソコン、オーディオ等の電
子機器は近代社会の汎用商品として広く実用されてい
る。
子機器は近代社会の汎用商品として広く実用されてい
る。
【0003】これらの電子機器にはアルファベット、漢
字等の文字、数字、記号等を入力できるキートップ(ボ
タン)が付いているのが通例である。
字等の文字、数字、記号等を入力できるキートップ(ボ
タン)が付いているのが通例である。
【0004】このキートップの従来の製造方法としては
次のような方法が行われている。
次のような方法が行われている。
【0005】(従来の製造方法1)樹脂でキートップベ
ース成形材を成形し、次にそのキートップベース成形材
の表面にアルファベット、漢字等の文字、数字、記号等
を塗料を用いて印刷する方法である。
ース成形材を成形し、次にそのキートップベース成形材
の表面にアルファベット、漢字等の文字、数字、記号等
を塗料を用いて印刷する方法である。
【0006】図5は、この従来の製造方法1で得られた
キートップの縦断面説明図を示したものであり、キート
ップベース成形材1の上部表面に塗料印字文字2を印字
して成るものである。
キートップの縦断面説明図を示したものであり、キート
ップベース成形材1の上部表面に塗料印字文字2を印字
して成るものである。
【0007】(従来の製造方法2)樹脂でキートップベ
ース成形材を成形し、次にそのキートップベース成形材
の表面上に塗料Bを塗布することにより塗膜Bを設け、
次にその塗膜Bの上に塗料A層を塗布することにより塗
膜Aを設ける。次に、その上層の塗膜Aをレーザ加工に
より除去することにより下層の塗膜B層を露出させ、そ
れによって所定の文字を表示させるという方法である。
ース成形材を成形し、次にそのキートップベース成形材
の表面上に塗料Bを塗布することにより塗膜Bを設け、
次にその塗膜Bの上に塗料A層を塗布することにより塗
膜Aを設ける。次に、その上層の塗膜Aをレーザ加工に
より除去することにより下層の塗膜B層を露出させ、そ
れによって所定の文字を表示させるという方法である。
【0008】図6は、この従来の製造方法2で得られた
キートップの縦断面説明図を示したものであり、キート
ップベース成形材1の上部表面に下層塗膜B3を設け、
その上に上層塗膜A4を設け、それから所定の文字を表
示できるようにレーザ加工により上層塗膜A4の一部を
除去し、それにより下層塗膜B3を露出させてレーザ加
工塗膜文字5として表示させたものである。
キートップの縦断面説明図を示したものであり、キート
ップベース成形材1の上部表面に下層塗膜B3を設け、
その上に上層塗膜A4を設け、それから所定の文字を表
示できるようにレーザ加工により上層塗膜A4の一部を
除去し、それにより下層塗膜B3を露出させてレーザ加
工塗膜文字5として表示させたものである。
【0009】(従来の製造方法3)色の異なる2種類の
樹脂を用いて2回成形する方法であり、まず、第1色に
着色した樹脂Bにより一次成形体を一次成形し、その一
次成形体の上に第2色に着色した樹脂Aにより二次成形
体を二次成形し、次にその上層の樹脂Aをレーザ加工に
より除去することにより下層の樹脂B層を露出させ、そ
れによって所定のレーザ1次成形樹脂文字を表示させる
という方法である。
樹脂を用いて2回成形する方法であり、まず、第1色に
着色した樹脂Bにより一次成形体を一次成形し、その一
次成形体の上に第2色に着色した樹脂Aにより二次成形
体を二次成形し、次にその上層の樹脂Aをレーザ加工に
より除去することにより下層の樹脂B層を露出させ、そ
れによって所定のレーザ1次成形樹脂文字を表示させる
という方法である。
【0010】図7は、この従来の製造方法3で得られた
キートップの縦断面説明図を示したものであり、一次成
形体1の上に二次成形体7を成形し、次にその二次成形
体7の文字表示部分をレーザ加工により一部を除去し、
それにより下地の一次成形樹脂Bを露出させてレーザ加
工文字5として表示させたものである。
キートップの縦断面説明図を示したものであり、一次成
形体1の上に二次成形体7を成形し、次にその二次成形
体7の文字表示部分をレーザ加工により一部を除去し、
それにより下地の一次成形樹脂Bを露出させてレーザ加
工文字5として表示させたものである。
【0011】(従来の製造方法4)最近の携帯電話のキ
ートップは夜間でも文字や数字が認識できるようにバッ
クライトで光るような工夫が為されていたり、更に金属
光沢を有するめっきを施すことにより視覚に訴えるよう
な装飾性を持たせたりするようになってきており、従来
の製造方法4はこのような装飾性を持たせたキートップ
の製造方法である。
ートップは夜間でも文字や数字が認識できるようにバッ
クライトで光るような工夫が為されていたり、更に金属
光沢を有するめっきを施すことにより視覚に訴えるよう
な装飾性を持たせたりするようになってきており、従来
の製造方法4はこのような装飾性を持たせたキートップ
の製造方法である。
【0012】キートップベース成形材となるプラスチッ
ク成形体を樹脂で成形し、次にそのプラスチック成形体
の上部表面に金属めっき層を形成し、最後にその金属め
っき層の上に着色塗料等により所定文字等を印字する。
ク成形体を樹脂で成形し、次にそのプラスチック成形体
の上部表面に金属めっき層を形成し、最後にその金属め
っき層の上に着色塗料等により所定文字等を印字する。
【0013】(従来の製造方法5)従来の製造方法5
は、前述の従来の製造方法4で製造したキートップの文
字塗膜層が剥げ落ち易いという難点を改良するために提
案された方法である。
は、前述の従来の製造方法4で製造したキートップの文
字塗膜層が剥げ落ち易いという難点を改良するために提
案された方法である。
【0014】この従来の製造方法5では、キートップベ
ース成形材となるプラスチック成形体を樹脂で成形し、
次にそのプラスチック成形体の上部表面の所定領域にの
み選択的に金属めっき層、特に電解金属めっき層を形成
し、最後にその金属めっき層の上に所定文字をフォトレ
ジスト技術若しくはエッチング技術により形成させる。
ース成形材となるプラスチック成形体を樹脂で成形し、
次にそのプラスチック成形体の上部表面の所定領域にの
み選択的に金属めっき層、特に電解金属めっき層を形成
し、最後にその金属めっき層の上に所定文字をフォトレ
ジスト技術若しくはエッチング技術により形成させる。
【0015】しかしこの手法は生産性が低く、そのため
キートップのような安価製品には製造コストの面で適用
が難しい。
キートップのような安価製品には製造コストの面で適用
が難しい。
【0016】(従来の製造方法6)この従来の製造方法
6は、次のような工程を経て製造される。(例えば、特
開平5−65687号公報) ボタンベース成形材の成形 まず、ボタン母材となるボタンベース成形材を樹脂で成
形する。
6は、次のような工程を経て製造される。(例えば、特
開平5−65687号公報) ボタンベース成形材の成形 まず、ボタン母材となるボタンベース成形材を樹脂で成
形する。
【0017】 ボタンベース成形材の粗化処理 次に、そのボタンベース成形材を粗化用エッチング液に
浸漬し、それによりその外周面を粗化処理する。
浸漬し、それによりその外周面を粗化処理する。
【0018】 ボタンベース成形材の活性化処理 次に、その粗化処理したボタンベース成形材9を活性化
液に浸漬し、それによりその外周面に金属触媒核を付着
させることにより活性化処理する。
液に浸漬し、それによりその外周面に金属触媒核を付着
させることにより活性化処理する。
【0019】 ボタンベース成形材への無電解金属め
っき 次に、その活性化処理したボタンベース成形材を無電解
金属めっき液に浸漬し、それによりその外周面に無電解
めっき層を形成する。
っき 次に、その活性化処理したボタンベース成形材を無電解
金属めっき液に浸漬し、それによりその外周面に無電解
めっき層を形成する。
【0020】 レーザ加工無電解金属めっき文字の加
工 次に、その無電解金属めっき層の文字形成部分をレーザ
加工して部分的にくり抜き、それによりボタンベース成
形材の樹脂表面が露出してレーザ加工無電解金属めっき
文字を表示させる。
工 次に、その無電解金属めっき層の文字形成部分をレーザ
加工して部分的にくり抜き、それによりボタンベース成
形材の樹脂表面が露出してレーザ加工無電解金属めっき
文字を表示させる。
【0021】 電解金属めっき 最後に、外周面に残された無電解金属めっき層の上に電
解金属めっきを施すことにより装飾性ボタンを製造す
る。
解金属めっきを施すことにより装飾性ボタンを製造す
る。
【0022】図8は、このようにして従来の製造方法6
で得られた装飾性ボタンの縦断面説明図を示したもので
あり、9はボタンベース成形材、10はそのボタンベー
ス成形材8の上に無電解金属めっきして成る無電解金属
めっき層、11は電解金属めっきして成る電解金属めっ
き層、12はレーザ加工無電解金属めっき文字である。
で得られた装飾性ボタンの縦断面説明図を示したもので
あり、9はボタンベース成形材、10はそのボタンベー
ス成形材8の上に無電解金属めっきして成る無電解金属
めっき層、11は電解金属めっきして成る電解金属めっ
き層、12はレーザ加工無電解金属めっき文字である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法1〜6では次のような難点があった。
製造方法1〜6では次のような難点があった。
【0024】(1)従来の製造方法1の難点 従来の製造方法1ではプラスチック成形体に印字文字等
が塗膜文字であることから、磨り減り易く、またその装
飾性が劣るのが難点である。
が塗膜文字であることから、磨り減り易く、またその装
飾性が劣るのが難点である。
【0025】(2)従来の製造方法2の難点 従来の製造方法2でもプラスチック成形体に印字文字等
が塗膜文字であり、磨り減り易く、またその装飾性が劣
るのが難点である。
が塗膜文字であり、磨り減り易く、またその装飾性が劣
るのが難点である。
【0026】(3)従来の製造方法3の難点 従来の製造方法3では金属めっき層がなく、その装飾性
が劣るのが難点である。
が劣るのが難点である。
【0027】(4)従来の製造方法4の難点 従来の製造方法4では金属めっき層の表面が平滑面であ
るためその金属めっき層の上に印字した文字塗膜層が剥
げ落ち易く、その結果キートップの品位が低下し易いと
いう難点がある。
るためその金属めっき層の上に印字した文字塗膜層が剥
げ落ち易く、その結果キートップの品位が低下し易いと
いう難点がある。
【0028】(5)従来の製造方法5の難点 従来の製造方法5では生産性が著しく低く、それにより
低価格のキートップやボタン等に実用できない。
低価格のキートップやボタン等に実用できない。
【0029】(6)従来の製造方法6の難点 従来の製造方法6では従来の製造方法5より生産性が高
いが、全ての文字、数字の形成ができないという難点が
ある。
いが、全ての文字、数字の形成ができないという難点が
ある。
【0030】即ち、この従来の製造方法6では文字、数
字等を形成させるとき無電解金属めっき層をレーザ加工
した後、電解金属めっきを行うようになっている。この
電解金属めっきでは1とか3の数字のときには容易に電
解金属めっきできるが、0とか8等の数字、電等の文字
のときには電解金属めっきができないのである。
字等を形成させるとき無電解金属めっき層をレーザ加工
した後、電解金属めっきを行うようになっている。この
電解金属めっきでは1とか3の数字のときには容易に電
解金属めっきできるが、0とか8等の数字、電等の文字
のときには電解金属めっきができないのである。
【0031】図9は、1の数字を形成させるときに電解
金属めっきができることを示した平面説明図である。
金属めっきができることを示した平面説明図である。
【0032】また、図10は3の数字を形成させるとき
に電解金属めっきができることを示した平面説明図であ
る。
に電解金属めっきができることを示した平面説明図であ
る。
【0033】図11は、0の数字を形成させるときに電
解金属めっきができないことを示した平面説明図であ
る。
解金属めっきができないことを示した平面説明図であ
る。
【0034】即ち、電解金属めっきでは電解金属めっき
箇所に通電できることが不可欠の要件であるが、0の数
字の中は電気的に孤立した電気的孤立部があり、従って
この電気的孤立部には電解金属めっきができないのであ
る。
箇所に通電できることが不可欠の要件であるが、0の数
字の中は電気的に孤立した電気的孤立部があり、従って
この電気的孤立部には電解金属めっきができないのであ
る。
【0035】また、図12は8の数字を形成させるとき
に電解金属めっきができないことを示した平面説明図で
ある。
に電解金属めっきができないことを示した平面説明図で
ある。
【0036】即ち、0の数字の場合と同様に、8の数字
の中は電気的に孤立した電気的孤立部があり、従ってこ
の電気的孤立部には電解金属めっきができないのであ
る。
の中は電気的に孤立した電気的孤立部があり、従ってこ
の電気的孤立部には電解金属めっきができないのであ
る。
【0037】これらの電気的孤立部を発生させないよう
にするには、その電気的孤立部内に給電部を設ける必要
がある。
にするには、その電気的孤立部内に給電部を設ける必要
がある。
【0038】図13は、0の数字の電気的孤立部内に給
電部を設けたことを示した平面説明図である。
電部を設けたことを示した平面説明図である。
【0039】図14は、8の数字の電気的孤立部内に給
電部を設けたことを示した平面説明図である。
電部を設けたことを示した平面説明図である。
【0040】しかし、このような給電部を設けたのでは
折角形成した文字、数字の装飾性を著しく損なうもので
ある。
折角形成した文字、数字の装飾性を著しく損なうもので
ある。
【0041】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、ベース成形材等のプラスチック成形体の表
示部分に、シャープで且つ装飾性が豊かに文字、数字、
記号等を表示することができる部分めっきプラスチック
成形体の製造方法を提供することにある。
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、ベース成形材等のプラスチック成形体の表
示部分に、シャープで且つ装飾性が豊かに文字、数字、
記号等を表示することができる部分めっきプラスチック
成形体の製造方法を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、無電解金属めっき性樹脂を用いてベース成形材を
成形し、該ベース成形材を粗化処理用エッチング液に浸
漬することによりその外周面を粗化処理し、該粗化処理
したベース成形材を無電解キャタリスト液に浸漬するこ
とによりその粗化外周面上にキャタリストプライマー層
を設け、該ベース成形材の表示部分を指定の文字若しく
は数字若しくは模様が表示できるように前記キャタリス
トプライマー層が消失するようにレーザ加工し、該表示
部分を除いた前記キャタリストプライマー層上に無電解
金属めっきを行なうことを特徴とする部分めっきプラス
チック成形体の製造方法にある。
ろは、無電解金属めっき性樹脂を用いてベース成形材を
成形し、該ベース成形材を粗化処理用エッチング液に浸
漬することによりその外周面を粗化処理し、該粗化処理
したベース成形材を無電解キャタリスト液に浸漬するこ
とによりその粗化外周面上にキャタリストプライマー層
を設け、該ベース成形材の表示部分を指定の文字若しく
は数字若しくは模様が表示できるように前記キャタリス
トプライマー層が消失するようにレーザ加工し、該表示
部分を除いた前記キャタリストプライマー層上に無電解
金属めっきを行なうことを特徴とする部分めっきプラス
チック成形体の製造方法にある。
【0043】本発明の部分めっきプラスチック成形体の
製造方法を図解すると、図4のフローチャートの通りで
ある。
製造方法を図解すると、図4のフローチャートの通りで
ある。
【0044】即ち、本発明の部分めっきプラスチック成
形体の製造方法は次のようになる。
形体の製造方法は次のようになる。
【0045】 プラスチック成形品のベース成形材の
成形作業 まず、キートップベース成形材等のベース成形材を樹脂
で成形する。
成形作業 まず、キートップベース成形材等のベース成形材を樹脂
で成形する。
【0046】 ベース成形材の粗化処理工程 次に、そのキートップベース成形材を粗化処理用エッチ
ング液に浸漬することにより、その外周面を粗化する。
ング液に浸漬することにより、その外周面を粗化する。
【0047】 ベース成形材の活性化処理工程 次に、その外周面を粗化したキートップベース成形材を
活性化処理液に浸漬することにより、その外周面にPd
等の金属触媒を含むプライマー層を付着させる。
活性化処理液に浸漬することにより、その外周面にPd
等の金属触媒を含むプライマー層を付着させる。
【0048】 ベース成形材のプライマー層のレーザ
マーカによる印字工程 次に、その外周面を活性化処理したキートップベース成
形材の上に形成したプライマー層をレーザマーカを利用
して印字加工する。
マーカによる印字工程 次に、その外周面を活性化処理したキートップベース成
形材の上に形成したプライマー層をレーザマーカを利用
して印字加工する。
【0049】このレーザマーカ印字作業によりプライマ
ー層が除去された部分は、キートップベース成形材の樹
脂表面が露出した状態となる。
ー層が除去された部分は、キートップベース成形材の樹
脂表面が露出した状態となる。
【0050】 無電解金属めっき工程 最後に、キートップベース成形材の外周面に残されたプ
ライマー層の上に無電解金属めっきを行い、それにより
金属光沢を有する装飾性に優れた無電解金属めっき層を
形成する。
ライマー層の上に無電解金属めっきを行い、それにより
金属光沢を有する装飾性に優れた無電解金属めっき層を
形成する。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、本発明の部分めっきプラス
チック成形体の製造方法の実施の形態について説明す
る。
チック成形体の製造方法の実施の形態について説明す
る。
【0052】本発明において用いる無電解金属めっき性
樹脂としては、ABS樹脂若しくはPC樹脂(ポリカー
ボネート樹脂)であることが好ましい。
樹脂としては、ABS樹脂若しくはPC樹脂(ポリカー
ボネート樹脂)であることが好ましい。
【0053】本発明において無電解金属めっき工程は、
無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解錫めっ
きの中から選ばれた1層の無電解金属めっき層を形成す
るように行なうか、または無電解銅めっき、無電解ニッ
ケルめっき、無電解錫めっきの中から選ばれた1種の下
地無電解金属めっきを行ない、然る後該下地無電解金属
めっき上に無電解装飾性金属めっきを行なうようにする
ことが好ましい。つまり、本発明においては無電解金属
めっき層は単層無電解金属めっき層でもよく、また多層
無電解金属めっき層でもよい。
無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解錫めっ
きの中から選ばれた1層の無電解金属めっき層を形成す
るように行なうか、または無電解銅めっき、無電解ニッ
ケルめっき、無電解錫めっきの中から選ばれた1種の下
地無電解金属めっきを行ない、然る後該下地無電解金属
めっき上に無電解装飾性金属めっきを行なうようにする
ことが好ましい。つまり、本発明においては無電解金属
めっき層は単層無電解金属めっき層でもよく、また多層
無電解金属めっき層でもよい。
【0054】本発明において、無電解金属めっき層の外
周面にはクロメート処理することが好ましい。
周面にはクロメート処理することが好ましい。
【0055】
【実施例】次に、本発明の部分めっきプラスチック成形
体の製造方法の実施例について説明する。
体の製造方法の実施例について説明する。
【0056】(実施例1) プラスチック成形品のベース成形材の成形作業 まず、乳白色をしたABS樹脂を射出成形することによ
りキートップベース成形材を成形した。
りキートップベース成形材を成形した。
【0057】 ベース成形材の粗化処理工程 次に、そのキートップベース成形材を下記の組成を有す
る約65℃の粗化処理用エッチング液に約1O分間浸漬す
ることにより、その外周面を粗化した。
る約65℃の粗化処理用エッチング液に約1O分間浸漬す
ることにより、その外周面を粗化した。
【0058】<エッチング液組成> クロム酸 約 400g/dm3 硫酸 約 400g/dm3 次に、その粗化したキートップベース成形材を中和洗浄
し、更に水洗した。
し、更に水洗した。
【0059】 ベース成形材の活性化処理工程 次に、その外周面を粗化したキートップベース成形材を
下記の組成を有する約35℃のキャタリス卜液に5分間
浸漬した。
下記の組成を有する約35℃のキャタリス卜液に5分間
浸漬した。
【0060】<キャタリスト液組成> 塩化パラジウム 約 0.2g/dm3 塩化第一スズ 約 15g/dm3 塩酸 約 150cm3 /dm3 次に、下記の組成を有する40℃のアクセレーター液に
3分間浸漬することにより、キートップベース成形材の
外周面にPd等の金属触媒を含むプライマー層を付着さ
せた。
3分間浸漬することにより、キートップベース成形材の
外周面にPd等の金属触媒を含むプライマー層を付着さ
せた。
【0061】<アクセレーター液組成> 硫酸 約 100g/dm3 ベース成形材のプライマー層のレーザマーカによる
印字工程 次に、その外周面を活性化処理したキートップベース成
形材の上に形成したプライマー層をYAGレーザマーカ
を使用して印字加工した。
印字工程 次に、その外周面を活性化処理したキートップベース成
形材の上に形成したプライマー層をYAGレーザマーカ
を使用して印字加工した。
【0062】このレーザマーカ印字作業によりプライマ
ー層が除去された部分には、キートップベース成形材の
ABS樹脂表面が露出した。このため、レーザマーカ印
字作業はそのABS樹脂が熱で変質しない出力範囲で行
った。
ー層が除去された部分には、キートップベース成形材の
ABS樹脂表面が露出した。このため、レーザマーカ印
字作業はそのABS樹脂が熱で変質しない出力範囲で行
った。
【0063】 無電解金属めっき工程(その1 無電
解銅めっき) 最後に、キートップベース成形材を下記の組成を有する
温度が20℃の無電解Cuめっき液に浸漬することによ
り、印字部以外の外周面に残されたプライマー層上に無
電解Cuめっき層を約0.3μm厚さに形成した。
解銅めっき) 最後に、キートップベース成形材を下記の組成を有する
温度が20℃の無電解Cuめっき液に浸漬することによ
り、印字部以外の外周面に残されたプライマー層上に無
電解Cuめっき層を約0.3μm厚さに形成した。
【0064】 <無電解Cuめっき組成> 硫酸銅 約 10g/dm3 ロシエル塩 約 40g/dm3 ホルムアルデヒド 約 10g/dm3 水酸化ナトリウム 約 10g/dm3 (pH12.5) 無電解金属めっき工程(その2 無電解ニッケルめ
っき) 次に、金属めっきの光沢を向上させるために、下記に示
す温度が45℃の無電解ニッケルめっき浴を用いてニッ
ケルめっき層を厚さ約7μmに形成した。
っき) 次に、金属めっきの光沢を向上させるために、下記に示
す温度が45℃の無電解ニッケルめっき浴を用いてニッ
ケルめっき層を厚さ約7μmに形成した。
【0065】<無電解Niめっき組成> 硫酸ニッケル 約 20g/dm3 ホスフィン酸ナトリウム 約 15g/dm3 クエン酸塩 約 30g/dm3 無電解金属めっき工程(その3 無電解金めっき) 次に、金属めっきの光沢をより向上させるために、下記
に示す温度が45℃の無電解銀めっき浴を用いて金めっ
き層を厚さ約0.05μmに形成した。
に示す温度が45℃の無電解銀めっき浴を用いて金めっ
き層を厚さ約0.05μmに形成した。
【0066】<無電解Auめっき組成> シアン化金カリウム 約 10g/dm3 シアン化カリウム 約 30g/dm3 炭酸カリウム 約 30g/dm3 第2リン酸カリウム 約 35g/dm3 これらの無電解金属めっき工程において、印字部におい
てはパラジウムを含むプライマー層がレーザ加工により
完全に除去され、それによりABS樹脂が露出した状態
となっている。このABS樹脂が露出した領域には無電
解めっき工程の際に無電解金属めっき層が形成されな
い。つまりレーザ加工した印字部には無電解金属めっき
されることがなく、それによりキートップの金属めっき
部分の光沢が目立つようになる。
てはパラジウムを含むプライマー層がレーザ加工により
完全に除去され、それによりABS樹脂が露出した状態
となっている。このABS樹脂が露出した領域には無電
解めっき工程の際に無電解金属めっき層が形成されな
い。つまりレーザ加工した印字部には無電解金属めっき
されることがなく、それによりキートップの金属めっき
部分の光沢が目立つようになる。
【0067】図1は、かくして得られた実施例1の部分
めっきプラスチック成形体の製造方法で得られたキート
ップの斜視図を示したものである。
めっきプラスチック成形体の製造方法で得られたキート
ップの斜視図を示したものである。
【0068】図2は図1の断面説明図である。
【0069】図1及び図2において、20はABS製キ
ートップベース成形材、21はYAGレーザマーカ印字
「8」、22は無電解銅めっき層、23は無電解ニッケ
ルめっき層、24は無電解金めっき層である。
ートップベース成形材、21はYAGレーザマーカ印字
「8」、22は無電解銅めっき層、23は無電解ニッケ
ルめっき層、24は無電解金めっき層である。
【0070】即ち、ABS製キートップベース成形材2
0は乳白色をしたABS樹脂を射出成形して得られたも
のである。このABS製キートップベース成形材20の
上部にはYAGレーザマーカ印字「8」21が形成され
ている。
0は乳白色をしたABS樹脂を射出成形して得られたも
のである。このABS製キートップベース成形材20の
上部にはYAGレーザマーカ印字「8」21が形成され
ている。
【0071】また、そのABS製キートップベース成形
材20の外周面には厚さ約0.2μmの無電解銅めっき
層22があり、その無電解銅めっき層22の上には厚さ
約7μmの無電解ニッケルめっき層23があり、更にそ
の無電解ニッケルめっき層23の上には厚さが約0.0
5μmの無電解金めっき層が設けられている。
材20の外周面には厚さ約0.2μmの無電解銅めっき
層22があり、その無電解銅めっき層22の上には厚さ
約7μmの無電解ニッケルめっき層23があり、更にそ
の無電解ニッケルめっき層23の上には厚さが約0.0
5μmの無電解金めっき層が設けられている。
【0072】このYAGレーザマーカ印字「8」21に
はめっきが形成されておらず、ABS樹脂がそのまま露
出している。このYAGレーザマーカ印字「8」21は
塗装により表面に印刷された文字ではなく、最表面層に
ある無電解金めっき層24の色相とABS製キートップ
ベース成形材20のABS樹脂の色相との違いによって
形成されたものである。従って、このYAGレーザマー
カ印字「8」21は使用により擦れたり、消えたりする
ことがなく、しかもその周辺の無電解金めっき層24に
よって金属光沢と装飾性とを発揮することができる。そ
の上、キートップの印字部と各めっき層の境界とはシャ
ープで、それにより鮮明な文字等を表示できる。
はめっきが形成されておらず、ABS樹脂がそのまま露
出している。このYAGレーザマーカ印字「8」21は
塗装により表面に印刷された文字ではなく、最表面層に
ある無電解金めっき層24の色相とABS製キートップ
ベース成形材20のABS樹脂の色相との違いによって
形成されたものである。従って、このYAGレーザマー
カ印字「8」21は使用により擦れたり、消えたりする
ことがなく、しかもその周辺の無電解金めっき層24に
よって金属光沢と装飾性とを発揮することができる。そ
の上、キートップの印字部と各めっき層の境界とはシャ
ープで、それにより鮮明な文字等を表示できる。
【0073】(実施例2) プラスチック成形品のベース成形材の成形作業 まず、射出成形機によりPC樹脂(ポリカーボネート樹
脂)を射出成形してキートップベース成形材を成形し
た。
脂)を射出成形してキートップベース成形材を成形し
た。
【0074】 ベース成形材の粗化処理工程 次に、そのキートップベース成形材をテーピングでマス
クをし、その底面にめっきされないようにした。
クをし、その底面にめっきされないようにした。
【0075】次に、このようにしたキートップベース成
形材を下記の組成を有する約65℃の粗化処理用エッチ
ング液に約20分間浸漬した。
形材を下記の組成を有する約65℃の粗化処理用エッチ
ング液に約20分間浸漬した。
【0076】<エッチング液組成> クロム酸 約 400g/dm3 硫酸 約 400g/dm3 これによりキートップベース成形材はその外周面が粗化
された。
された。
【0077】次に、濃塩酸へ浸漬処理し、更にアルカリ
溶液により中和した。
溶液により中和した。
【0078】 ベース成形材の活性化処理工程 次に、キートップベース成形材を下記の組成を有する約
35℃のキャタリスト液に5分間浸漬した。
35℃のキャタリスト液に5分間浸漬した。
【0079】<キャタリスト液組成> 塩化パラジウム 約 0.2g/dm3 塩化第一スズ 約 15g/dm3 塩酸 約 150cm3 /dm3 次に、キートップベース成形材を下記の組成を有する4
0℃のアクセレーター液に3分間浸漬し、それにより粗
化面に金属触媒核のパラジウムを含むプライマー層を付
着させた。
0℃のアクセレーター液に3分間浸漬し、それにより粗
化面に金属触媒核のパラジウムを含むプライマー層を付
着させた。
【0080】<アクセレーター液組成> 硫酸 約 100g/dm3 ベース成形材のプライマー層のレーザマーカ印字工
程 次に、プライマー層が形成されたキートップベース成形
材の表面にレーザ光で印字した。印字にはYAGレーザ
マーカを使用した。この際、下地のPC樹脂が露出し、
且つ樹脂に熱影響を及ぼさないようにレーザの出力を適
正化して印字を行った。ここでレーザマーカ印字作業部
分のプライマー層は除去され、キートップベース成形材
の樹脂表面が露出した。
程 次に、プライマー層が形成されたキートップベース成形
材の表面にレーザ光で印字した。印字にはYAGレーザ
マーカを使用した。この際、下地のPC樹脂が露出し、
且つ樹脂に熱影響を及ぼさないようにレーザの出力を適
正化して印字を行った。ここでレーザマーカ印字作業部
分のプライマー層は除去され、キートップベース成形材
の樹脂表面が露出した。
【0081】 無電解金属めっき工程(その1 無電
解銅めっき) 次に、キートップベース成形材の外周面に残されたプラ
イマー層の上に下記の組成を有する温度20℃の無電解
銅めっき液に浸漬することにより、無電解銅めっきを厚
さが0.3μmとなるように形成した。
解銅めっき) 次に、キートップベース成形材の外周面に残されたプラ
イマー層の上に下記の組成を有する温度20℃の無電解
銅めっき液に浸漬することにより、無電解銅めっきを厚
さが0.3μmとなるように形成した。
【0082】 <無電解Cuめっき組成> 硫酸銅 約 10g/dm3 ロシェル塩 約 40g/dm3 ホルムアルデヒド 約 10g/dm3 水酸化ナトリウム 約 10g/dm3 (pH12.5) 無電解金属めっき工程(その2 無電解ニッケルめ
っき) 次に、金属めっきの光沢を向上させるためにキートップ
ベース成形材の外周面に残されたプライマー層の上に、
下記の組成を有する温度45℃の無電解ニッケルめっき
液に浸漬することにより、無電解ニッケルめっきを厚さ
が5μmとなるように形成した。
っき) 次に、金属めっきの光沢を向上させるためにキートップ
ベース成形材の外周面に残されたプライマー層の上に、
下記の組成を有する温度45℃の無電解ニッケルめっき
液に浸漬することにより、無電解ニッケルめっきを厚さ
が5μmとなるように形成した。
【0083】<無電解Niめっき組成> 硫酸ニッケル 約 20g/dm3 ホスフィン酸ナトリウム 約 15g/dm3 クエン酸塩 約 30g/dm3 無電解金属めっき工程(その3 無電解金めっき) 次に、金属めっきの光沢をより向上させるためにキート
ップベース成形材の外周面に残されたプライマー層の上
に、下記の組成を有する温度20℃の無電解金めっき液
に浸漬することにより、無電解金めっきを厚さが0.0
3μmとなるように形成した。
ップベース成形材の外周面に残されたプライマー層の上
に、下記の組成を有する温度20℃の無電解金めっき液
に浸漬することにより、無電解金めっきを厚さが0.0
3μmとなるように形成した。
【0084】<無電解Auめっき組成> シアン化金カリウム 約 10g/dm3 シアン化カリウム 約 35g/dm3 炭酸カリウム 約 35g/dm3 第2リン酸カリウム 約 35g/dm3 さて、印字部は活性化工程で形成されたプライマー層が
レーザ加工により完全に除去され、それによりPC樹脂
が露出した状態となっているため、このPC樹脂が露出
した領域にはこれらの無電解金属めっきにおいて無電解
金属めっき層が形成されない。
レーザ加工により完全に除去され、それによりPC樹脂
が露出した状態となっているため、このPC樹脂が露出
した領域にはこれらの無電解金属めっきにおいて無電解
金属めっき層が形成されない。
【0085】そして最後に、キートップベース成形材の
底面に貼り付けられていたマスクテープを除去する。こ
れにより金属光沢を有し、且つ装飾性に優れた無電解金
属めっき層が形成される。
底面に貼り付けられていたマスクテープを除去する。こ
れにより金属光沢を有し、且つ装飾性に優れた無電解金
属めっき層が形成される。
【0086】ここにおいてPC樹脂は透明であるため、
本法により得られたキートップはその底面にバックライ
トを点灯することにより優れた透光性が得られ、且つそ
の文字を容易に認識できる。従って携帯電話等に適用す
れば暗闇でも使用することができる。
本法により得られたキートップはその底面にバックライ
トを点灯することにより優れた透光性が得られ、且つそ
の文字を容易に認識できる。従って携帯電話等に適用す
れば暗闇でも使用することができる。
【0087】図3は、かくして得られた実施例2の部分
めっきプラスチック成形体の製造方法で得られたキート
ップの断面説明図である。
めっきプラスチック成形体の製造方法で得られたキート
ップの断面説明図である。
【0088】図3において、25はPC製キートップベ
ース成形材、21はYAGレーザマーカ印字「8」、2
2は無電解銅めっき層、23は無電解ニッケルめっき
層、24は無電解金めっき層である。
ース成形材、21はYAGレーザマーカ印字「8」、2
2は無電解銅めっき層、23は無電解ニッケルめっき
層、24は無電解金めっき層である。
【0089】即ち、PC製キートップベース成形材25
は透明なPC樹脂を射出成形して得られたものである。
このPC製キートップベース成形材25の上部には、Y
AGレーザマーカ印字「8」21が形成されている。
は透明なPC樹脂を射出成形して得られたものである。
このPC製キートップベース成形材25の上部には、Y
AGレーザマーカ印字「8」21が形成されている。
【0090】また、そのABS製キートップベース成形
材20の外周面には厚さ約0.3μmの無電解銅めっき
層22があり、その無電解銅めっき層22の上には厚さ
約5μmの無電解ニッケルめっき層23があり、更にそ
の無電解ニッケルめっき層23の上には厚さが0.03
μmの無電解金めっき層が設けられている。
材20の外周面には厚さ約0.3μmの無電解銅めっき
層22があり、その無電解銅めっき層22の上には厚さ
約5μmの無電解ニッケルめっき層23があり、更にそ
の無電解ニッケルめっき層23の上には厚さが0.03
μmの無電解金めっき層が設けられている。
【0091】このYAGレーザマーカ印字「8」21に
は、めっきが形成されておらず、ABS樹脂がそのまま
露出している。このYAGレーザマーカ印字「8」21
は塗装により表面に印刷された文字ではなく、最表面層
にある無電解銀めっき層24の色相とABS製キートッ
プベース成形材20のABS樹脂の色相との違いによっ
て形成されたものである。従ってこのYAGレーザマー
カ印字「8」21は使用により擦れたり、消えたりする
ことがなく、しかもその周辺の無電解銀めっき層24に
よって金属光沢と装飾性とを発揮することができる。
は、めっきが形成されておらず、ABS樹脂がそのまま
露出している。このYAGレーザマーカ印字「8」21
は塗装により表面に印刷された文字ではなく、最表面層
にある無電解銀めっき層24の色相とABS製キートッ
プベース成形材20のABS樹脂の色相との違いによっ
て形成されたものである。従ってこのYAGレーザマー
カ印字「8」21は使用により擦れたり、消えたりする
ことがなく、しかもその周辺の無電解銀めっき層24に
よって金属光沢と装飾性とを発揮することができる。
【0092】ここで、キートップの表面(文字面)側に
はこれらのレーザ加工されためっき層が形成されていな
い印字部がある。この印字部はPC樹脂の表面が露出し
ている状態にある。このキートップの印字部は、塗装に
より表面に印刷された文字と異なり、最表面層としての
無電解Auめっき層の色相とPC成形品の色相(透明)
との違いによって形成されたものであるため、使用して
いくうちに擦れて消えることがない。また金めっきによ
って金属光沢があり、装飾性にも優れている。
はこれらのレーザ加工されためっき層が形成されていな
い印字部がある。この印字部はPC樹脂の表面が露出し
ている状態にある。このキートップの印字部は、塗装に
より表面に印刷された文字と異なり、最表面層としての
無電解Auめっき層の色相とPC成形品の色相(透明)
との違いによって形成されたものであるため、使用して
いくうちに擦れて消えることがない。また金めっきによ
って金属光沢があり、装飾性にも優れている。
【0093】なお、キートップの底面には無電解金属め
っきの前にテーピングでマスクをしたから底面にはめっ
きが施されない。
っきの前にテーピングでマスクをしたから底面にはめっ
きが施されない。
【0094】(実施例3)実施例2において無電解金属
めっき層の最表面をクロメート処理を実施した。この最
表面をクロメート処理した無電解金属めっき層は耐蝕性
が良好である。 (変形例)本発明においてエッチング液、活性化液、無
電解めっき液等は上記の液組成に限定されるものではな
い。
めっき層の最表面をクロメート処理を実施した。この最
表面をクロメート処理した無電解金属めっき層は耐蝕性
が良好である。 (変形例)本発明においてエッチング液、活性化液、無
電解めっき液等は上記の液組成に限定されるものではな
い。
【0095】また、粗化方法としては気相エッチング法
やプラズマエッチング法を用いてもよい。
やプラズマエッチング法を用いてもよい。
【0096】更に、成形体の材質としてはABS樹脂、
PC樹脂等に限らず、プラスチックめっきが可能な材質
であれば、どのようなものでもよい。
PC樹脂等に限らず、プラスチックめっきが可能な材質
であれば、どのようなものでもよい。
【0097】
【発明の効果】本発明の部分めっきプラスチック成形体
の製造方法によれば、シャープで且つ優れた装飾性を有
する文字や数字等を形成したプラスチック成形体を得る
ことができるものであり、工業上有用である。
の製造方法によれば、シャープで且つ優れた装飾性を有
する文字や数字等を形成したプラスチック成形体を得る
ことができるものであり、工業上有用である。
【図1】実施例1の部分めっきプラスチック成形体の製
造方法で得られたキートップの斜視図を示したものてあ
る。
造方法で得られたキートップの斜視図を示したものてあ
る。
【図2】図2は図1の断面説明図である。
【図3】実施例2の部分めっきプラスチック成形体の製
造方法で得られたキートップの断面説明図である。
造方法で得られたキートップの断面説明図である。
【図4】本発明の部分めっきプラスチック成形体の製造
方法のフローチャートである。
方法のフローチャートである。
【図5】従来第1の製造方法で得られたキートップの縦
断面説明図を示したものである。
断面説明図を示したものである。
【図6】従来第2の製造方法で得られたキートップの縦
断面説明図を示したものである。
断面説明図を示したものである。
【図7】従来第3の製造方法で得られたキートップの縦
断面説明図を示したものである。
断面説明図を示したものである。
【図8】従来第6の製造方法で得られた装飾性ボタンの
縦断面説明図を示したものである。
縦断面説明図を示したものである。
【図9】1の数字を形成させるときに電解金属めっきが
できることを示した平面説明図である。
できることを示した平面説明図である。
【図10】3の数字を形成させるときに電解金属めっき
ができることを示した平面説明図である。
ができることを示した平面説明図である。
【図11】0の数字を形成させるときに電解金属めっき
ができないことを示した平面説明図である。
ができないことを示した平面説明図である。
【図12】8の数字を形成させるときに電解金属めっき
ができないことを示した平面説明図である。
ができないことを示した平面説明図である。
【図13】0の数字の電気的孤立部内に給電部を設けた
ことを示した平面説明図である。
ことを示した平面説明図である。
【図14】8の数字の電気的孤立部内に給電部を設けた
ことを示した平面説明図である。
ことを示した平面説明図である。
1 キートップベース成形材 2 塗料印字文字 3 下層塗膜B 4 上層塗膜A 5 レーザ加工塗膜文字 6 一次成形体 7 二次成形体 8 レーザ加工1次成形樹脂文字 9 ボタンベース成形材 10 無電解金属めっき層 11 電解金属めっき層 12 レーザ加工無電解金属めっき文字 20 ABS製キートップベース成形材 21 YAGレーザマーカ印字「8」 22 無電解銅めっき層 23 無電解ニッケルめっき層 24 無電解金めっき層 25 PC製キートップベース成形材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 18/28 C23C 18/28 A 18/31 18/31 Z (72)発明者 薄井 実 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 駒木根 力夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 市毛 敏明 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 4F006 AA04 AA15 AA36 AA58 AB73 BA01 BA15 DA04 EA01 EA03 EA04 4F073 AA01 AA06 AA28 BA19 BA26 CA46 EA01 EA32 EA33 EA34 EA53 EA56 GA11 4K022 AA14 AA20 AA51 BA03 BA08 BA14 BA21 BA31 BA35 BA36 CA02 CA06 CA07 CA12 CA18 CA21 DA01 DB02 DB06 EA04
Claims (5)
- 【請求項1】無電解金属めっき性樹脂を用いてベース成
形材を成形し、該ベース成形材を粗化処理用エッチング
液に浸漬することによりその外周面を粗化処理し、該粗
化処理したベース成形材を無電解キャタリスト液に浸漬
することによりその粗化外周面上にキャタリストプライ
マー層を設け、該ベース成形材の表示部分を指定の文字
若しくは数字若しくは模様が表示できるように前記キャ
タリストプライマー層が消失するようにレーザ加工し、
該表示部分を除いた前記キャタリストプライマー層上に
無電解金属めっきを行なうことを特徴とする部分めっき
プラスチック成形体の製造方法。 - 【請求項2】用いる無電解金属めっき性樹脂が、ABS
樹脂若しくはPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)である
ことを特徴とする請求項1記載の部分めっきプラスチッ
ク成形体の製造方法。 - 【請求項3】無電解金属めっき工程が、無電解銅めっ
き、無電解ニッケルめっき、無電解錫めっきの中から選
ばれた1層の無電解金属めっき層を形成するように行な
うことを特徴とする請求項1記載の部分めっきプラスチ
ック成形体の製造方法。 - 【請求項4】無電解金属めっき工程が、無電解銅めっ
き、無電解ニッケルめっき、無電解錫めっきの中から選
ばれた1種の下地無電解金属めっきを行ない、然る後該
下地無電解金属めっき上に無電解装飾性金属めっきを行
なうことを特徴とする請求項1記載の部分めっきプラス
チック成形体の製造方法。 - 【請求項5】無電解金属めっき工程終了後、該無電解金
属めっきの最表面の無電解金属めっき層上をクロメート
処理することを特徴とする請求項1記載の部分めっきプ
ラスチック成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25024299A JP2001073158A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 部分めっきプラスチック成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25024299A JP2001073158A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 部分めっきプラスチック成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001073158A true JP2001073158A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17204966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25024299A Pending JP2001073158A (ja) | 1999-09-03 | 1999-09-03 | 部分めっきプラスチック成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001073158A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007103267A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Univ Waseda | 固体高分子電解質型燃料電池用バイポーラプレート及び固体高分子電解質型燃料電池 |
-
1999
- 1999-09-03 JP JP25024299A patent/JP2001073158A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007103267A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Univ Waseda | 固体高分子電解質型燃料電池用バイポーラプレート及び固体高分子電解質型燃料電池 |
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