JP2001073139A - 炭化ケイ素質成形体の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素質成形体の製造方法

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JP2001073139A
JP2001073139A JP25249099A JP25249099A JP2001073139A JP 2001073139 A JP2001073139 A JP 2001073139A JP 25249099 A JP25249099 A JP 25249099A JP 25249099 A JP25249099 A JP 25249099A JP 2001073139 A JP2001073139 A JP 2001073139A
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Yoichi Kamisuke
洋一 紙透
Naoshi Irisawa
直志 入沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りや亀裂のない成形体が得られ、成形
体と基体との分離が容易であり、分離した基体を繰り返
し使用できるCVD−SiC成形体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 カーボンやシリコン層等の表面層15を
有する多孔質炭化ケイ素焼成体からなる基体10上にC
VD−SiC成形体20を形成させた後、表面層15を
除去することにより、基体とCVD−SiC成形体を分
離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン半導体プ
ロセス、特に酸化・拡散工程及びエピタキシャル成長工
程・プラズマエッチング工程に使用される例えばダミー
ウエハやサセプター等の炭化ケイ素質成形体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体プロセスに使用される炭化
ケイ素質成形体、例えば炭化ケイ素質ダミーウエハは、
通常高純度等方性黒鉛円板等を基体とし、その上にCV
D法(化学気相蒸着法)により炭化ケイ素層を形成した
後、外周(側周部)を研削して側周部を露出させ、中央
部の黒鉛基体を切削または燃焼除去して基体と分離する
ことにより単独の炭化ケイ素質成形体を得るプロセスに
より製造されている。
【0003】基体として黒鉛基材を使用するこのような
従来方法の最大の欠点は、基体である黒鉛を除去分離し
た炭化ケイ素質成形体(以下、CVD法により形成され
た炭化ケイ素質成形体をCVD−SiC成形体と表示す
ることがある。)として、反りが非常に大きいものしか
得られないという点にある。この反りのあるCVD−S
iC成形体は、ダミーウエハ等としては、自動搬送ライ
ンに乗せることができない。このため、後の厚み調整の
ための研磨代を見込んで、十分厚めのCVD−SiC成
形体をまず時間をかけて形成し、それから製品寸法に見
合った所望の厚みのCVD−SiC成形体に、時間をか
けて研削するという方法で対処していた。すなわち、本
来必要でない厚いCVD−SiC成形体を余分な時間を
かけて形成し、これをさらに余分な時間をかけて研削す
るというきわめて手間のかかる作業となっていた。従っ
て、最終的には生産性が上がらず、製品のコストダウン
という要請に応えることは出来なかった。
【0004】また、黒鉛基材は、通常使用のたびに燃焼
して基体と分離するので、再使用若しくは繰り返し使用
することが困難であった。
【0005】このような問題を解決するために、いくつ
かの提案がなされている。例えば、特開平5−1248
63号や特開平5−124864号においては、アルミ
ナや熱分解窒化ホウ素を基材として用い、基材を除去し
てCVD−SiC成形体を得る製造方法が提案されてい
る。この製造方法ではCVD−SiC成形体とアルミナ
基体等との熱膨張率係数の違いから、温度低下により基
材とSiC成形体との接合面に剪断応力が加わるため、
容易に分離することができるとされている。しかしなが
ら、この方法で得られるCVD−SiC成形体は、亀裂
を生じ易かった。
【0006】一方、特開平8−188408号において
は、一旦黒鉛等の他の基体の上に形成したCVD−Si
C形成体を基体とし、その両面に更にCVD法により炭
化ケイ素膜を形成する反りや亀裂のない炭化ケイ素成形
体の製造方法が提案されている。しかしながら、この製
造方法では、SiC膜を所望の膜厚にまで一気に形成す
ることなく途中で止め、また平坦化処理するなど、工程
が煩雑化し、製造効率が低下する問題があった。
【0007】さらに特開平10−251062号におい
ては、凸形状の曲面を持つ円板形状の黒鉛材を使用する
ことで、反りを減らす提案がなされている。しかしなが
ら、この方法では、CVD−SiC成形体の反りを低減
する効果はあるものの、黒鉛材の加工が複雑になった
り、部材の削り代が大きいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かく
して、従来技術が有する前述の欠点を解消し、反りや亀
裂のないCVD−SiC成形体が得られ、成形体と基体
との分離が容易であり、しかも分離した基体を繰り返し
使用することができるようなCVD−SiC成形体の製
造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基体の
表面にCVD法により炭化ケイ素層を形成した後、基体
を分離する炭化ケイ素質成形体の製造方法において、基
体が多孔質炭化ケイ素焼成体からなり、かつ当該基体と
は異なる成分からなる表面層を有することを特徴とする
炭化ケイ素質成形体の製造方法、が提供される。
【0010】本発明においては、このように、炭化ケイ
素層を上記表面層上に形成し、当該表面層を除去するこ
とにより、基体と形成された炭化ケイ素質成形体とを分
離することができるので、基体である多孔質炭化ケイ素
焼成体と炭化ケイ素層との分離はきわめて容易であり、
また、分離した多孔質炭化ケイ素焼成体は、基体として
繰り返し使用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。本発明においては、図1(a)に示
すように基体10として多孔質炭化ケイ素(以下多孔質
SiCと表示することがある。)焼成体を使用する。
【0012】基体が多孔質炭化ケイ素焼成体であるた
め、従来用いられている等方性黒鉛に比べ、CVD法に
より形成されるCVD−SiC成形体と熱膨張率係数が
ほぼ等しい同質の材料となる。従って、温度低下によっ
て、基体とCVD−SiC成形体との界面に剪断応力が
加わることがなくなり、形成されるCVD−SiC成形
体に亀裂が入りにくくなる。
【0013】また、基体は、多数の気孔を有する多孔質
炭化ケイ素焼成体であるため、軽量化がはかられていて
取扱い易く、また切削加工性も良好となる。ここで、基
体の開気孔率としては、10〜50%が好ましい。開気
孔率が10%未満の場合には、基体の表面層を除去する
ことが難しくなり、基体と炭化ケイ素層とを分離するこ
とが困難になる。一方、開気孔率が50%を超える場合
は、基体の強度が大幅に低下してしまうので好ましくな
い。なお、上記開気孔率は、水銀圧入法によって測定し
た値である。
【0014】基体である多孔質炭化ケイ素焼成体は、例
えば以下のようにして得られる。すなわち、平均粒子径
が0.2〜20μm程度の6H型α−SiC等を原料S
iC粉末とし、これにアクリル樹脂系水性エマルショ
ン、ポリビニルアルコール(PVA )、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ワックス等の結合材
及び水若しくはアルコールやエーテル等の溶媒を加えて
混練し、まず成形用スラリーとする。
【0015】この成形用スラリーを、石膏型等の多孔質
型を使用して鋳込み成形、押出し成形、射出成形等公知
の成形手段で成形して、成形体を形成し、これを好まし
くは乾燥・脱バインダーした後、非酸化性雰囲気下で焼
成して多孔質炭化ケイ素焼成体とする。または、成形用
スラリーを乾燥・造粒し、これを500〜2,000k
g/cm2 程度のプレス圧力で冷間等方圧プレス( ラバ
ープレス )や乾式プレス成形することにより、円板状等
の成形体とした後、同様に非酸化性雰囲気下で焼成す
る。
【0016】ここで非酸化性雰囲気とは、真空若しくは
減圧下又はアルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で
あり、この雰囲気下に成形体を1,500〜2,300
℃、好ましくは1,500〜2,100℃の温度条件で
30〜600分、好ましくは120〜500分程度加熱
焼成する。焼成のための炉としては、通常使用される抵
抗加熱炉が好適に用いられる。なお、得られる多孔質炭
化ケイ素焼成体は、原料SiC粉末の粒径を適当に選択
することにより10〜50%の範囲に調節することが可
能である。
【0017】本発明においては、図2(b)に示すよう
に、基体である多孔質炭化ケイ素焼成体10の表面に、
当該基体とは異なる成分からなる表面層15を設ける。
【0018】表面層15としては、適当な手段により、
多孔質炭化ケイ素焼成体から除去できるものが好まし
く、このようなものであれば特に限定するものではない
が、例えば、カーボン層やケイ素層が好ましいものとし
て挙げられる。
【0019】カーボン層やシリコン層等の表面層の厚み
は、0.2〜400μm、特には0.5〜200μmで
あることが好ましい。カーボン層を設ける方法として
は、例えば、スラリー又はペースト状のカーボン質接
着剤を塗布し乾燥する方法、CVD法によりカーボン
を堆積させる方法、高温でSiC多孔質体を焼成して
表面を炭化させる方法などが採用できる。
【0020】また、シリコン層を設ける方法としては、
CVD法によりシリコンを堆積させる方法、粉末シ
リコンを分散させたスラリーを塗布し乾燥する方法など
が採用できる。
【0021】なお、カーボン層やシリコン層は、開気孔
の全部または一部を埋めてもよい。本発明においては、
このようなカーボン層やシリコン層等からなる表面層
を、多孔質炭化ケイ素焼成体からなる基体の表面に設
け、CVD法による炭化ケイ素層20の形成を、この表
面層を介して行うようにする(図1(c))。形成され
る炭化ケイ素層の厚みは、通常100〜10,000μ
m、好ましくは200〜8,000μm、さらに好まし
くは300〜5,000μm程度である。
【0022】もし、この第二の表面層が無く、多孔質炭
化ケイ素焼成体からなる基体表面が、直接CVDの原料
ガスに接触する場合は、原料ガスがこの開気孔内部にま
で浸透して、気孔を埋めるようにして堆積し、この上に
続いて本来のCVD−SiCコートが行われるため、所
謂アンカー効果により、形成されるCVD−SiC体
は、開気孔中に堆積したSiCを介して基板と強固に結
合密着し、両者を分離することは極めて困難になると推
定される。
【0023】以上のようにして、CVD法による炭化ケ
イ素層を、この表面層上に形成した後、当該表面層を除
去することにより、形成された炭化ケイ素層すなわち炭
化ケイ素成形体を分離する。
【0024】この分離は次のようにして容易に行われ
る。例えば、まず、図1(c)に示す外周(側周部)
(l−l,l’−l’)の研削により、多孔質SiC基
体10の側周部表面の一部(m,m’)を露出させる
(図1(d))。表面層15は、また、多孔質SiC基
体10とCVD−SiC成形体20との界面層(k,
k’)を形成しているので、この界面層たる基体の表面
層を、適当な手段で除去することにより、CVD−Si
C成形体20を多孔質SiC基体10から分離するので
ある(図1(e))。
【0025】表面層15の除去方法としては、それぞれ
の表面層の種類に応じた手段を採用できる。例えば、表
面層がカーボン層の場合には、酸化雰囲気中で焼成し
て界面層であるカーボン層を焼き飛ばす方法がもっとも
容易である。また、界面の隙間に機械的な力を加えて
界面層であるカーボン層を剥離せしめる方法も採用でき
る。一方、シリコン層の場合は、界面の隙間に機械的
な力を加えて界面層であるシリコン層を剥離せしめる方
法、シリコンの沸点以上の高温に加熱してシリコン層
を蒸発させる方法、HF溶液等のシリコンのエッチン
グ作用のある薬品と接触せしめ、界面層であるシリコン
層を溶解する方法、加熱して界面層であるシリコン層
を軟化または溶融せしめて、CVD−SiC成形体と多
孔質SiC基体とを分離した後、表面に残存するシリコ
ン層を研磨除去するかHF溶液で除去する、等の種々の
手段が採用できる。
【0026】本発明を実施するためのCVD炉の形式
は、特に限定するものではないが、横型タイプ、縦型タ
イプ、ベルジャータイプ等が好ましく使用され、また加
熱方法としては、直接通電法や高周波誘導加熱或いはレ
ーザー加熱法が適用される。
【0027】CVD法による炭化ケイ素の形成は、基本
的に、1,000〜1,600℃、好ましくは1,10
0〜1,500℃の非酸化性雰囲気中に原料ガスを導入
・分解することにより行われる。製膜時間は、形成され
る炭化ケイ素層の厚さにより異なるが、通常5〜40時
間、好ましくは10〜30時間である。
【0028】原料ガスとしては、 (1) SiとCを異な
る化合物より供給する原料ガス系、例えば、SiCl4
とCH4 、SiCl4 とC38 、SiCl4 とC6
14、SiCl4 とCCl4 、Si26 とCH4 等でも
よいし、 (2) またはSiとCを同一化合物より供給す
る原料ガス系、例えば、CH3 SiCl3 、(CH32
SiCl2 、(CH33 SiCl、(CH34
i、CH3 SiHCl 2 であってもよい。これら原料ガ
スは、H2 、He、Ar等のキャリヤガス、若しくは希
釈ガスとともに炉内に導入される。
【0029】CVD法による炭化ケイ素層形成時の圧力
については、特に限定はないが、1〜300Torr、
好ましくは10〜150Torr程度の減圧下に堆積が
行われることが望ましい。
【0030】なお、本発明において、形成されるCVD
−SiC成形体中に、基体である多孔質SiC焼成体か
ら、金属不純物が拡散して混入しないようにするため、
基体中の金属不純物の含有量は、低い方が好ましい。特
に金属不純物の含有量の合計量は、50ppm以下、好
ましくは40ppm以下、さらに好ましくは30ppm
以下、最も好ましく10ppm以下であることが望まし
い。
【0031】ここに云う金属不純物とは、Fe、Cu、
Mg、V、Ni、Mn、Na、K、Al等の金属不純物
であり、ウエハに取り込まれ、半導体デバイスに対し、
絶縁抵抗の低下やSiO2 の耐電圧低下さらにはpn接
合リーク不良等を引き起こす可能性のある有害な物質で
ある。
【0032】
〔実施例1〕
【0033】(多孔質SiC基体の調製)まず、平均粒
子径が5μmのα−6H型の結晶構造を持つ炭化ケイ素
粉末を準備した。そして、この炭化ケイ素粉末に対して
5重量%のPVA水溶液を2.0重量%、ワックスを3
重量%添加して湿式混合を行い、その後、乾燥・造粒を
行った。
【0034】この造粒品を使用してプレス成型を行い、
円板状の成型体を得た。この成形体を真空中で1,90
0℃、4時間の条件で焼成を行うことにより、直径20
0mm、厚み6mmの円板状のSiC焼成体の基体を得
た。SiC焼成体の開気孔率は、30%であった。
【0035】(表面層の形成)このようにして得られた
多孔質SiC焼成体からなる基体の表面全面に、高純度
カーボン粉末からなるスラリー状のカーボン質接着剤を
塗布・乾燥し、約50μmのカーボン層を基体の表面層
として形成した。
【0036】(CVD−SiC層の形成)この表面にカ
ーボン層を持つ多孔質SiC焼成体からなる基体を減圧
CVD炉に設置した。原料ガスにSiCl4 およびCH
4 を使用し、H2 ガスをキャリアガスとして100To
rr、1,3 00℃、15時間の条件で、基体表面にC
VD−SiC成形体を形成した。形成されたCVD−S
iC成形体の厚さは、900μmであった。
【0037】(基体の表面層の除去)引き続いて、基体
表面に沿って形成されたCVD−SiC形成体の外周
(側面)を、多孔質SiC焼成体が露出するまで研削し
た。露出した基体の側面部には、基体である多孔質Si
C焼成体上の上端、下端にカーボン層の断面が露出し、
さらにこの上に炭化ケイ素が形成され、図1(d)に示
すように、上下にそれぞれ三層構造をなしていることが
認められた。
【0038】この研削した多孔質SiC焼成体を1,2
00℃の酸化雰囲気に投入放置することにより、上記露
出した多孔質SiC焼成体とSiC成型体の界面に形成
されたカーボン層を、焼き飛ばして除去した。かくし
て、基体である円板状の多孔質SiC焼成体と、CVD
−法による炭化ケイ素(CVD−SiC成形体)は容易
に分離することが可能であった。
【0039】このようにして得られた二枚の円板状のC
VD−SiC成形体(厚み900μm)については、亀
裂の発生は見られず、反りや変形が少ないので、両面全
体を加工することができ、厚み500μmに容易に加工
できた。
【0040】一方、分離された基体である多孔質SiC
焼成体は使用前とほとんど変わらず、以上の操作を繰り
返し使用することが可能であった。
【0041】〔実施例2〕実施例1と同じ炭化ケイ素粉
末から、同様にして成形を行い、得られた成形体を1,
600℃、6時間の条件で焼成を行うことにより、直径
200mm、厚み6mmの多孔質SiC焼成体の基体を
得た。この多孔質SiC焼成体の開気孔率は、27%で
あった。
【0042】このようにして得られた多孔質SiC焼成
体からなる基体の表面全面に、5重量%PVA水溶液を
塗布してアルゴン雰囲気中、1,000℃の条件で表面
を炭化させ、約50μmのカーボン層を基体の表面層と
して形成した。
【0043】この表面にカーボン層を持つ多孔質SiC
焼成体からなる基体を減圧CVD炉に設置し、実施例1
と同様にして厚み900μmのCVD法によるSiCコ
ートを行った。実施例1と同様に処理し、カーボン層を
焼きとばして除去することにより、基体とCVD−Si
C成形体の分離を行った。この際、CVD−SiC成形
体には、亀裂の発生は全く見られなかった。
【0044】〔実施例3〕まず、実施例2と同様にして
基体である多孔質SiC焼成体を得た。この基体表面に
スパッタリング法によりシリコンを10μmコーティン
グし、基体の表面層とした。この様にして得られた基体
に実施例2と同様にして厚み900μmのCVD−Si
C成形体を形成した。実施例1と同様に基体の側面部を
露出させた後、真空中で、1,500℃に加熱してシリ
コンを蒸発させて除いて、基体とCVD−SiC成形体
の分離を行った。この際、CVD−SiC成形体には、
亀裂の発生は全く見られなかった。
【0045】〔実施例4〕実施例3と同様にして厚み9
00μmのCVD−SiC成形体の形成までを行った。
同様にして基体表面に沿って形成された円板状のCVD
−SiC形成体の外周(側面)を、多孔質SiC焼成体
が露出するまで研削した後、当該露出した部分について
HF水溶液に浸漬させてシリコンを溶解せしめて除去
し、基体とCVD−SiC形成体との分離を行った。
【0046】〔比較例1〕円板状のカーボン基体(直径
200mm、厚さ6mm)を使用し、これに直接厚み9
00μmのCVD法によるSiC成形体の形成を行っ
た。カーボン基体を焼きとばして分離したが、CVD−
SiC成形体は、反りが大きく、クラックの発生が見ら
れた。
【0047】〔比較例2〕上下面が凸形状に形成された
円板状のカーボン基体(直径200mm、端部の厚さ5
mm、中央部の厚さ7mm)に、厚み900μmのCV
D−SiCコーティングを行った。外周を研削し、カー
ボンを除去して厚み900μmに加工したが、一部未加
工部分が残り、厚みの不均一な部材となってしまった。
【0048】〔比較例3〕実施例1で調製した多孔質S
iC焼成体からなる基体にカーボン層を形成せずに使用
した他は、実施例と同様にして、CVD−SiC成形体
を形成した。引き続いて、基体表面に沿って形成された
CVD−SiC成形体の外周(側面)を、多孔質SiC
焼成体が露出するまで研削したが、CVD−SiC成形
体は、基体表面の開気孔部内にまで入りこんで、きわめ
て強固に密着しているため、機械的な切削により、CV
D−SiC成形体と基体とを分離することは困難であっ
た。
【0049】
【発明の効果】本発明の炭化ケイ素質成形体の製造方法
においては、多孔質炭化ケイ素焼成体からなる基体の表
面にカーボンやシリコン等からなる表面層を設け、CV
D−SiC成形体をこの表面層上に形成するようにし、
かつ、この表面層を除去することにより多孔質炭化ケイ
素焼成体からなる基体を分離するようにしているので、
形成されたCVD−SiC成形体と基体とは、容易に分
離することが可能である。
【0050】また、本発明の炭化ケイ素質成形体の製造
方法においては、形成されるCVD−SiC成形体と熱
膨張率がほぼ等しい多孔質SiC焼成体を基体として用
いているために、CVD−SiC成形体に亀裂が入りに
くい。
【0051】さらに本発明においては、除去されるの
は、カーボン等の表面層だけであるため、基体を繰り返
し使用できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 基体 15 表面層 20 CVD−SiC成形体 l,l’ 外周(側周部) m,m’ 露出した外周(側周部) k,k’ 界面層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の表面にCVD法により炭化ケイ素
    層を形成した後、基体を分離する炭化ケイ素質成形体の
    製造方法において、基体が多孔質炭化ケイ素焼成体から
    なり、かつ当該基体とは異なる成分からなる表面層を有
    することを特徴とする炭化ケイ素質成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭化ケイ素層を上記表面層上に形成し、
    当該表面層を除去することにより、基体と形成された炭
    化ケイ素成形層とを分離する請求項1記載の炭化ケイ素
    質成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記表面層が、カーボン層又はシリコン
    層である請求項1または2記載の炭化ケイ素質成形体の
    製造方法。
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Cited By (4)

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