JPH06281795A - 放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法 - Google Patents

放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法

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JPH06281795A
JPH06281795A JP7162693A JP7162693A JPH06281795A JP H06281795 A JPH06281795 A JP H06281795A JP 7162693 A JP7162693 A JP 7162693A JP 7162693 A JP7162693 A JP 7162693A JP H06281795 A JPH06281795 A JP H06281795A
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JP
Japan
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sic
mirror
base material
film
sintered
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Pending
Application number
JP7162693A
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English (en)
Inventor
Seiichi Fukuoka
聖一 福岡
Naoki Tsuji
直樹 辻
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用中にSiC膜の剥離・変形およびピンホ
ールが生じ難く長寿命であり、且つ使用中に周囲の真空
度を低下させる恐れが極めて少ない放射光・X線反射用
SiCミラーを提供する。 【構成】 純度が99%以上、粒径が0.01〜0.2
μm、表面積が30m2/g以上のSiC超微粉末を焼
結助剤を添加せずにカーボン型に入れ、その超微粉末に
50kg/cm2以上の圧力を加えながら1900〜2
200゜Cの温度で不活性雰囲気中で焼成して焼結Si
C基材を形成する。その後、前記焼結SiC基材の表面
に化学蒸着法によりSiC膜を形成し、その膜をミラー
研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基材の表面に形成し
たSiC膜により放射光やX線を反射する放射光・X線
反射用SiCミラーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射光・X線反射用SiCミラーとして
は、従来より、カーボンやSiC(炭化珪素)の基材に
SiC膜をコーティングしたものが知られている。
【0003】従来の放射光・X線反射用SiCミラーと
しては、カーボン基材あるいは気孔率3〜30%の気孔
を有する再結晶質SiC基材の表面にSiC膜をコーテ
ィングしたミラーがある。
【0004】また、特開平4―13101号公報には、
シンクロトロン放射光用反射ミラーの一例が開示されて
いる。このミラーでは、耐熱性セラミック基材が、Si
Cが99〜55wt%、ハフニウム、ボロン、チタン、
アルミニウム、SiCウィスカーおよび金属シリコンの
群から選択される少なくとも1種が0.1〜45wt%
の組成を有している。このセラミック基材の表面には、
化学蒸着法(CVD)によりSiC膜がコーティングさ
れ、その膜の表面はミラー研磨されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カーボン基材を用いた
上記従来の放射光・X線反射用ミラーでは、放射光やX
線のエネルギーが強くなるにしたがって、カーボンとS
iCの熱膨張係数の違いによってコーティングしたSi
C膜が剥離したり変形したりする恐れがあるという問題
がある。
【0006】再結晶質SiC基材を用いた上記従来の放
射光・X線反射用ミラーでは、基材とコーティング膜に
いずれもSiCを使用しているため、SiC膜の剥離や
変形の恐れはない。しかし、基材が多くの気孔を有する
ため、コーティングされたSiC膜の表面をミラー研磨
すると、その膜に多数の微細なピンホール(開気孔)が
発生することが多いという問題がある。
【0007】また、これら両ミラーでは基材がかなりの
気孔を含むため、高温高真空の使用条件下において基材
中の気孔に吸着されていたガスが周囲に放出され、真空
度を低下させてしまうという問題もある。
【0008】特開平4―13101号公報に開示された
上記放射光・X線反射用SiCミラーでは、基材とコー
ティング膜にいずれもSiCを使用しているため、Si
C膜の剥離や変形が生じる恐れはない。しかし、前記S
iCセラミック基材は通常、硼素(B)、炭素(C)等
の焼結助剤を用いて焼結するため、基材中には焼結助剤
が残存する。この種ミラーは高温高真空下で使用される
ので、使用中に基材中に残存している焼結助材が気化し
て周囲の真空度を下げるという問題がある。
【0009】さらに、気孔の存在により十分な基材の熱
伝導が得られないため、温度分布の不均一によってSi
C膜の剥離や変形等が生じやすく、寿命が短いという問
題がある。
【0010】そこで、この発明の目的は、使用中にSi
C膜の剥離・変形およびピンホールが生じ難く、長寿命
のミラーが得られる放射光・X線反射用SiCミラーの
製造方法を提供することにある。
【0011】この発明の他の目的は、使用中に周囲の真
空度を低下させる恐れが極めて少ないミラーが得られる
放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の放射光・X線
反射用SiCミラーの製造方法は、純度が99%以上、
粒径が0.01〜0.2μm、表面積が30m2/g以
上のSiC超微粉末を焼結助剤を添加せずに成形型に入
れ、その超微粉末に50kg/cm2以上の圧力を加え
ながら1900〜2200゜Cの温度で不活性雰囲気中
で焼成して焼結SiC基材を形成する工程と、前記焼結
SiC基材の表面に化学蒸着法によりSiC膜を形成す
る工程と、前記SiC膜をミラー研磨する工程とを具備
することを特徴とする。
【0013】前記基材用のSiC超微粉末の純度を99
%以上とするのは、ミラー使用中のガス発生の原因とな
る恐れがある不純物をできるだけ少なくするためであ
る。
【0014】前記基材用のSiC超微粉末の粒径を0.
01〜0.2μmとするのは、0.01μmよりも小さ
いと、SiC超微粉末の取り扱いが困難となり、その結
果、焼結時に十分な緻密化が達成できないためである。
また、高純度処理および成形等も難しくなるためであ
る。他方、粒径が0.2μmを越えると、ホットプレス
によっても焼結が困難となり、所望の基材強度および密
度が得られない。
【0015】前記基材用のSiC超微粉末の表面積を3
0m2/g以上とするのは、30m2/gよりも小さい
と、SiC粒子同士の接触面積が小さくなるため、ホッ
トプレスによっても焼結が困難となり、その結果、所望
の基材強度および密度が得られないからである。
【0016】焼成工程で、前記基材用SiC超微粉末を
50kg/cm2以上の圧力を加えながら1900〜2
200゜Cの不活性雰囲気中で焼成するのは、この条件
を外れると、所望の基材強度および密度が得られない。
【0017】
【作用】この発明の方法で製造される放射光・X線反射
用SiCミラーでは、基材と膜が同じSiCであるの
で、SiC膜の剥離や変形の恐れはない。
【0018】また、この発明の方法では、SiC基材の
気孔率が極めて小さくなるため、その基材の表面に形成
したSiC膜と基材との密着性が良好となると共に、緻
密なSiC膜が形成されるので、そのSiC膜の表面を
ミラー研磨しても、微細なピンホールは発生しない。
【0019】得られるSiC基材が気孔をほとんど含ま
ず、熱伝導性が良好ないので、気孔中に吸着したガスが
使用中に放出されて周囲の真空度を低下させたり、使用
中に温度の不均一に起因してSiC膜が剥離あるいは変
形する恐れもない。
【0020】得られるSiC基材が焼結助剤を含んでい
ないため、焼結助剤に起因する真空度低下の恐れもな
い。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明をさらに詳
細に説明する。
【0022】[実施例]まず、純度が99.8%、粒径
が0.03μm、表面積が50m2/gのSiC超微粉
末を、焼結助剤を添加せずにカーボンモールド内に入
れ、上下方向から100kg/cm2の圧力を加えなが
ら2100゜Cのアルゴンガス雰囲気中で焼成して、焼
結SiC基材を得た。この焼結SiC基材の大きさは直
径60mm、高さ10mmの円筒形である。、次に、シ
ラン(SiC14)とトルエン(C65CH3)と水素
(H2)の混合ガスを用いた化学蒸着法(CVD)によ
り、前記基材の表面に厚さ500μmのSiC膜を形成
した後、ダイヤモンド研磨剤を用いてそのSiC膜のミ
ラー研磨を行なった。こうして、この発明の放射光・X
線反射用SiCミラーを得た。
【0023】こうして得られたミラーでは、表1に示す
ように、SiC基材のSiC含有量が99.8wt%、
密度が3.15g/cm3であった。また、500゜
C、10ー10Torrという高温高真空下でのガス放出
量は、100g当り0.5mlであり、極めて少なかっ
た。
【0024】[比較例1]まず、純度99.0%、粒径
0.6μm、表面積15m2/gのSiC微粉末を、焼
結助剤を添加せずにカーボンモールド内に入れ、上記実
施例と同様にして焼結SiC基材を得た。この焼結Si
C基材の大きさは、40×170×400mmの直方体
である。
【0025】次に、上記実施例と同様にして、SiC基
材の表面へのSiC膜(厚さ500μm)の形成と、そ
の膜のミラー研磨を行ない、放射光・X線反射用SiC
ミラーを得た。
【0026】比較例1では、SiC微粉末の粒径が0.
6μmと大きいため、表1に示すように、上記実施例に
比べてSiC基材のSiC含有量および密度が共に小さ
くなっている。これは、上記実施例に比べて基材の気孔
率が高いことを意味する。また、その気孔率に応じてガ
ス放出量が多くなっているが、これは気孔中に吸着され
たガスが放出されたためと解される。
【0027】[比較例2]比較例1と同じSiC微粉末
に、焼結助剤として硼素(B)0.4wt%、炭素
(C)3wt%を添加したものをカーボンモールド内に
入れ、2100゜Cの常圧アルゴンガス雰囲気中で焼成
して、比較例1と同じ形状の焼結SiC基材を得た。
【0028】その後、上記実施例と同様にして、SiC
基材の表面へのSiC膜(厚さ500μm)の形成と、
その膜のミラー研磨を行ない、放射光・X線反射用Si
Cミラーを得た。
【0029】比較例2では、SiC基材の密度は上記実
施例と同じであるが、焼結助剤を添加しているためSi
C含有量が比較例1よりも低下している。また、上記実
施例と密度(気孔率)が同じであるのに、ガス放出量が
多くなっているのは、基材中に残存する焼結助剤に起因
すると解される。
【0030】[比較例3]比較例1と同じSiC微粉末
に、焼結助剤としてアルミナ(Al23)10wt%を
添加したものをカーボンモールド内に入れ、1900゜
Cの常圧アルゴンガス雰囲気中で焼成して、比較例1と
同じ形状の焼結SiC基材を得た。
【0031】その後、上記実施例と同様にして、SiC
基材の表面へのSiC膜(厚さ500μm)の形成と、
その膜のミラー研磨を行ない、放射光・X線反射用Si
Cミラーを得た。
【0032】比較例3では、SiC基材の密度は上記実
施例よりも大きくなっているが、焼結助剤を多く添加し
ているためSiC含有量が上記実施例よりも大きく低下
している。また、ガス放出量が多くなっているのは、基
材中に残存する焼結助剤に起因すると解される。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】この発明の放射光・X線反射用SiCミ
ラーの製造方法によれば、使用中にSiC膜の剥離・変
形およびピンホールが生じ難く、長寿命であり、且つ使
用中に周囲の真空度を低下させる恐れが極めて少ないミ
ラーが得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度が99%以上、粒径が0.01〜
    0.2μm、表面積が30m2/g以上のSiC超微粉
    末を焼結助剤を添加せずに成形型に入れ、その超微粉末
    に50kg/cm2以上の圧力を加えながら1900〜
    2200゜Cの温度で不活性雰囲気中で焼成して焼結S
    iC基材を形成する工程と、 前記焼結SiC基材の表面に化学蒸着法によりSiC膜
    を形成する工程と、 前記SiC膜をミラー研磨する工程とを具備することを
    特徴とする放射光・X線反射用SiCミラーの製造方
    法。
JP7162693A 1993-03-30 1993-03-30 放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法 Pending JPH06281795A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0980202A (ja) * 1995-09-08 1997-03-28 Nippon Pillar Packing Co Ltd 光学要素構成材
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CN106890724A (zh) * 2017-03-12 2017-06-27 郑州睿科生化科技有限公司 一种碳化硅微粉的生产工艺

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