JPH0980202A - 光学要素構成材 - Google Patents

光学要素構成材

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JPH0980202A
JPH0980202A JP7230982A JP23098295A JPH0980202A JP H0980202 A JPH0980202 A JP H0980202A JP 7230982 A JP7230982 A JP 7230982A JP 23098295 A JP23098295 A JP 23098295A JP H0980202 A JPH0980202 A JP H0980202A
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安博 阿久根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SOR光,レーザ光,X線等の高エネルギビー
ムの照射によっては破損しないレーザ反射鏡等の構成材
を提供する。 【解決手段】 炭化珪素又はカーボンで構成される基体
の表面に炭化珪素膜を化学蒸着により被覆形成してなる
複合材である。基体は93%以上の高密度焼結体であ
る。炭化珪素膜は、そのスペクトル吸収端が550nm
以下のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンクロトロン放
射光(SOR光),レーザ光,X線等の主として高エネ
ルギビームを扱う光学機器に使用される反射鏡,回折格
子等の光学要素を構成するための構成材であって、特
に、炭化珪素又はカーボンで構成される基体の表面に炭
化珪素膜を化学蒸着により被覆形成してなる複合材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の一般的なレーザ反射鏡と
しては、銅等からなる基材を鏡面研磨し、その上に金を
蒸着させたものや、基材上に使用波長から算出,設計し
た膜厚の多層膜をコーティングして、干渉効果を利用す
るようにしたもの等が良く知られている。しかし、かか
る反射鏡は、比較的エネルギ密度が小さく且つ長波長の
領域(例えば、可視光線,赤外線)で使用する場合はと
もかく、短波長域の高エネルギビームを扱う場合には鏡
面の剥離,歪,熱損等を招来し易く、その対応が極めて
困難なものであった。
【0003】そこで、近時、かかる不都合を生じない反
射鏡等の光学要素として、炭化珪素焼結体又はカーボン
焼結体である基体の表面に炭化珪素を化学蒸着してなる
複合材を構成材として使用したものが有望視されてい
る。例えば、このような構成材からなる反射鏡は、炭化
珪素膜の表面を平滑(通常、表面粗さがRMS10Å以
下)に研磨して製作されるものであるが、CVD−Si
Cが耐熱性,熱伝導性,堅牢性等の物理的性質に優れ且
つ短波長域で高反射率を示すといった光学的性質に優れ
るものであることから、短波長域の高エネルギビームを
扱う場合にも、上記した不都合を生じることがないので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基体表面に炭
化珪素の化学蒸着膜を形成してなる複合材を構成材とす
る反射鏡等の光学要素は、高エネルギビーム(SOR
光,レーザ光,X線等)の照射等による高エネルギの供
給により破損し易いものであり、ビーム反射率も低下し
易いといった問題がある。
【0005】すなわち、このような高エネルギビームを
照射すると、炭化珪素膜表面の照射箇所に白濁(曇り)
が生じることがあるが、このような白濁が発生すると、
ビーム反射率が低下することは勿論のこと、高エネルギ
ビームの吸収率が大きくなって、反射鏡等が破損するこ
とがあった。また、このような白濁が膜表面に生じてい
ない場合にも、反射鏡等が破損することがあった。そし
て、このような反射鏡等の破損は、それ自体の破損に止
まらず、当該光学機器を構成する他の光学要素の破損や
当該光学機器全体の破損を招く原因ともなり、大事故に
繋がり兼ねない。
【0006】本発明者は、幾多の実験,研究を行い、か
かる白濁の発生原因ないし破損原因が珪素の析出にある
ことを究明した。すなわち、膜表面に生じた白濁を子細
に観察してみると、白濁箇所では珪素が細かい液滴状を
なして析出していることが確認され、この珪素の析出が
白濁の原因であることが分かった。また、膜表面に顕著
な白濁が生じていないにも拘わらず破損したものについ
ては、照射箇所に存在する研磨傷や回折格子溝等の微細
な凹部内に珪素が顕著に析出していた。そして、このよ
うに膜表面には目視できる程度に珪素が析出していない
が、照射箇所の一部である凹部に珪素が析出している場
合には、高エネルギビームが珪素析出部分に選択的に吸
収されることから、照射箇所においてはビームが吸収さ
れる部分と吸収されない部分とが存在して、両部分間に
おいて高エネルギビームの照射による急激な熱膨張差が
生じ、その結果、反射鏡等が破損することが分かった。
【0007】さらに、本発明者は実験,研究を引続き行
い、珪素の析出原因が、主として、炭化珪素膜の純度に
あることを究明した。すなわち、炭化珪素膜の純度が低
いと、化学当量比を外れた珪素の含有量が多くなり、か
かる余剰珪素が高エネルギビームの照射により析出する
ことになるのである。例えば、レーザ反射鏡は、前述し
た如く、膜表面を表面粗さRMS10Å以下の超平滑面
に研磨されるが、その研磨工程においては、機械的に表
面に凹凸を形成している結晶が削り取られるため、その
物理的な衝撃により結晶表面或いはその直下部分におい
ては原子配列の整合性が崩れた状態となっており、特
に、大きな外力が作用して結晶表面が抉り取られている
凹部箇所においては、原子配列の乱れが著しい。したが
って、このような原子配列の整合性が崩れた箇所に、高
エネルギビームが照射されると、つまり原子の再配列を
促すことができる程の高いエネルギが供給されると、原
子の再配列がなされる過程において余剰の珪素が炭化珪
素の格子外に析出することになるのである。なお、現在
のところ、炭化珪素膜の表面層を形成する原子をその配
列を乱すことなく取り除くことは、技術的にも経済的に
も不可能である。
【0008】このような究明事項から、反射鏡等の破損
やビーム反射率の低下を防止するためには、高エネルギ
供給による珪素の析出つまりは光学要素構成材の炭化珪
素膜を化学当量比を欠く状態が可及的に存在しないもの
としておくことが必要であるとの結論に達した。
【0009】本発明は、このような究明事項及びこれに
よって得られた結論に基づいてなされたもので、SOR
光,レーザ光,X線等の高エネルギビームが照射される
等により高エネルギが炭化珪素膜表面に直接供給された
ときにも、そのエネルギ供給箇所に珪素が析出せず、上
記したような問題を生じないレーザ反射鏡等の光学要素
構成材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光学要素構成材
は、炭化珪素又はカーボンで構成される基体の表面に炭
化珪素膜を化学蒸着により被覆形成してなる複合材であ
って、上記の目的を達成すべく、特に、基体を93%以
上の高密度体とすると共に炭化珪素膜をスペクトル吸収
端550nm以下のものとしたものである。基体は93
%以上の高密度のものであれば焼結体であると否とを問
わない。また、炭化珪素膜は、炭化珪素焼結体である多
孔質の基体を配置したCVD炉内に所定の反応ガスを供
給させることによって、基体表面に化学蒸着させるが、
この場合、一般的なCVD法と異なって、CVD炉から
常時排気を行って、CVD炉内を減圧雰囲気に保持させ
ると共に、上記基体表面ないしその周辺領域に排気流を
生じさせるようにしておくことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光学要素構成材は、主と
して、SOR光,レーザ光,X線等の高エネルギビーム
を扱う光学機器に使用される反射鏡,回折格子等の光学
要素を構成するものとして好適するものであり、炭化珪
素又はカーボンで構成される基体の表面に炭化珪素膜を
化学蒸着により被覆形成してなる複合材である。
【0012】而して、基体は、炭化珪素又はカーボンの
焼結体等とされるが、その密度は93%以上としておく
必要がある。このような高密度としておくのは、主とし
て、当該構成材を使用して得たレーザ反射鏡等の光学要
素における静的強度,熱的強度等を確保し、耐久性を確
保するためである。すなわち、基体密度が93%未満で
あると、レーザ反射鏡等の光学要素において一般に要求
される機械的強度等を十分に確保できないからである。
特に、基体が多孔質焼結体である場合には、ビーム照射
等による温度上昇により基体空隙内の空気が膨張してク
ラックや熱歪みを生じたりする虞れがある。また、光学
要素を冷却する場合には、冷却水等の冷却液が基体内に
侵入して、その侵入水の蒸発,膨張によりクラック等が
生じる虞れがある。したがって、このような基体強度延
いては光学要素強度を充分に確保するためには、基体密
度を少なくとも93%としておくことが必要であり、よ
り好ましくは95%以上の高密度としておくのがよい。
基体密度は、炭化珪素膜の接着強度との関係もあるが、
一般には高ければ高い程よく、特に上限はない。なお、
基体材料としては、炭化珪素膜の蒸着手法にもよるが、
蒸着時に基体から蒸発する不純物が炭化珪素膜の純度に
及ぼす影響を考慮すれば、可及的に高純度の炭化珪素又
はカーボンを使用しておくことが好ましい。
【0013】炭化珪素膜は、そのスペクトル吸収端が5
50nm以下となるように形成された、β−SiC(3
C)の化学蒸着膜である。スペクトル吸収端が550n
m以下である炭化珪素膜、つまり550nm以下の波長
の光を吸収しうる炭化珪素膜は、バンドギャップが広く
(2.3eV程度)、不純物の固溶量が少ない。すなわ
ち、膜中における重金属元素の含有量が極めて少ない
(例えば、Fe:30ppb以下、Cu:50ppb以
下、Cr:40ppb以下)ことは勿論のこと、化学当
量比を外れた余剰珪素の含有量が極めて少ない。したが
って、スペクトル吸収端を短波長側に移行させるに従っ
て炭化珪素膜の純度が高くなり、冒頭で述べた珪素析出
による不都合は生じない。一方、スペクトル吸収端が長
波長側に移行することはバンドギャップが狭くなること
を意味し、スペクトル吸収端が550nmを超えるよう
な炭化珪素膜では上記余剰珪素を含めた不純物の固溶量
が多くなり、高エネルギビームの照射等により膜表面な
いし研磨傷等の微細凹部に顕著な珪素析出が生じる。こ
のような珪素析出は、スペクトル吸収端550nmを境
として長波長側に移行すればする程、顕著となる。
【0014】ところで、本発明の目的を達成する上にお
いては、炭化珪素膜のスペクトル吸収端が550nmを
最長限度として短波長側に移行する程、好ましい結果が
得られることはいうまでもない。すなわち、スペクトル
吸収端が550nm以下の範囲において、可及的に短く
なるようにすることが好ましい。但し、スペクトル吸収
端を短くするにも、成膜条件等(主として原材料の純度
や設備条件等)によっては限度があり(520nm程
度)、実際に実施する上では、通常、炭化珪素膜のスペ
クトル吸収端が520〜550nmの範囲にあれば、所
期の目的を十分に達成することができる。
【0015】炭化珪素膜の形成はCVD法によるが、そ
の具体的手法の一例を挙げると次の通りである。
【0016】すなわち、まず、基体を適宜のCVD炉内
に配置した上、CVD炉の排気口から真空ポンプにより
排気を行い、CVD炉内を減圧雰囲気に保持させる。
【0017】そして、かかる減圧雰囲気に保持させた状
態で、基体を所定温度に加熱,保持させた上で、所定の
反応ガスをCVD炉内に連続供給させる。このとき、排
気は停止させることなく継続的に行い、CVD炉内を所
定の減圧雰囲気に保持させておく。通常、200Tor
r以下に保持させておくのが好ましい。但し、真空ポン
プ能力等を考慮した経済的理由から、0.1〜200T
orrとしておくのが好ましい。また、基体は、140
0〜1500℃に加熱,保持させておくことが好まし
い。また、反応ガスとしては、例えば、モノメチルトリ
クロルシランと所定当量比(通常、20当量比程度)の
水素との混合ガスを使用する。
【0018】反応ガスを供給すると、CH3 SiCl3
+H2 →SiC+3HClの反応により、基体表面つま
り基体の内外周面又はその一方に炭化珪素膜が形成され
る。
【0019】ところで、炭化珪素膜の形成は、一般に、
CVD炉内を常圧に保持させた状態で反応ガス供給を行
う常圧CVD法によって行われる。しかし、この常圧C
VD法では、スペクトル吸収端が550nm以下となる
ような高純度の炭化珪素膜を形成することができない。
すなわち、常圧CVD法では、基体純度が低い場合には
基体中に含まれる不純物の拡散が防止できず、又は基体
純度が高い場合にもCVD炉の壁面からの汚染粒子が飛
散して、これらの汚染粒子が炭化珪素膜を形成しようと
する基体表面ないしその周辺領域に滞留することにな
り、炭化珪素膜に混入するからである。また、成膜法と
しては、常圧CVD法以外にも、排気と反応ガス供給と
を一定サイクルで交互に繰り返す間欠CVD法があり、
この間欠CVD法によれば、排気時に上記汚染粒子等が
或る程度排出されることになり、炭化珪素膜の純度向上
が期待される。しかし、排気工程において汚染粒子等が
完全に排出される訳ではなく、反応ガスの供給工程開始
時において残存する虞れがあり、常圧CVD法と同様
に、スペクトル吸収端が550nm以下となる炭化珪素
膜を形成することは到底できない。このように、従来採
用されている何れのCVD法によっても、基体表面ない
しその周辺領域に不純物が滞留して排除されないため
に、蒸着条件を如何に工夫しようとも、炭化珪素膜に多
量のFe等やSiCの当量比から外れた過剰なSiとい
った不純物が含まれることになり、スペクトル吸収端が
550nm以下となる高純度の炭化珪素膜を形成するこ
とができない。
【0020】しかし、上記した如く、CVD炉内を減圧
雰囲気に保持し、反応ガスの供給中においても排気を継
続して行うと、炭化珪素膜を形成しようとする基体表面
ないしその周辺領域に排気口方向への排気流が生じて、
不純物の表面への移行(マイグレーション)と相俟っ
て、基体表面ないしその周辺領域がクリーンに保持され
ることになる。すなわち、CVD炉の壁面に付着してい
る汚染粒子や反応ガス残渣等の不純物は、排気流によっ
て速やかにCVD炉外へと排出され、CVD炉内をクリ
ーンに保持する。その結果、基体表面には、スペクトル
吸収端が550nm以下となる高純度の炭化珪素膜が良
好に形成されるのである。なお、反応ガスの供給は、連
続的ではなく間欠的に行ってもよいが、排気は反応ガス
の供給,停止に拘わらず、継続して行うことが必要であ
る。
【0021】ところで、炭化珪素膜の膜厚は、基体との
接着強度等が十分であることを条件として、当該構成材
により製作されるレーザ反射鏡等の光学要素の使用条件
等に応じて適宜に設定できるが、一般には、50〜15
0μmとしておくのが好ましい。膜厚が50μm未満で
ある場合には、膜厚のバラツキ(±20μm)を考慮に
入れると、貫通孔による欠陥が危惧されるし、逆に膜厚
が150μmを超えると、結晶の粗大化によって表面の
滑らかさを欠くと共に成膜に時間を要してコスト高とな
るからである。勿論、レーザ反射鏡等のように表面研磨
する必要がある場合には、その研磨代も考慮しておく必
要がある。さらに、研磨容易性等を考慮して、炭化珪素
膜の結晶面をミラー指数表示における(111)面等の
一定面(特に(220)面が好ましい)に強配向させて
おくこと、つまり当該一定面の他の結晶面に対するX線
回折強度比がそのピーク強度において一定以上(99以
上)となるようにしておくことが好ましい。
【0022】
【実施例】高純度炭化珪素粉末(粒径:1μm未満)を
結合剤を使用することなく成形,焼成して、直径100
mm,厚さ10mm,密度95%の炭化珪素焼結体たる
基体を製作した。そして、基体をCVD炉内に配置し
て、1500℃に加熱,保持した状態で、CVD炉内に
モノメチルトリクロルシランと20当量比の水素とを連
続的に供給させた。この間においては、CVD炉の排気
口に接続した真空ポンプにより排気を継続して行い、炉
内を50Torrの減圧雰囲気に保持させた。而して、
膜厚:120μm,スペクトル吸収端:520nm,吸
光度:0.246/600nmの炭化珪素膜(β−Si
C(3C))が形成されたレーザ反射鏡構成材(以下
「実施例材」という)を得た。この炭化珪素膜にあって
は、化学当量比から外れた余剰Siは殆ど存在せず、膜
中に含まれる重金属元素も極く微量(Fe:30pp
b,Cu:50ppb以下,Cr:40ppb以下)で
あった。また、炭化珪素膜の結晶面は(220)面に強
配向されており、(220)面の他の結晶面((11
1)面等)に対するX線回折強度比はそのピーク強度に
おいて1000以上であった。
【0023】また、比較例として、実施例材におけると
同一の基体を製作し、常法(常圧CVD法)により炭化
珪素膜を形成したレーザ反射鏡構成材(以下「比較例
材」という)を得た。炭化珪素膜の形成に使用したCV
D炉及び反応ガス並びに基体の加熱温度は、実施例材に
おけると同一である。比較例材における炭化珪素膜の膜
厚は250μmであるが、スペクトル吸収端は620n
mであった。
【0024】而して、実施例材と比較例材とを、その膜
表面をRMS10Å以下に研磨してレーザ反射鏡を得
た。そして、各レーザ反射鏡に、共振器内強度が2MW
であり且つ1パルスが5nsであるアルゴンエキシマレ
ーザを照射(1パルス)して、照射箇所における白濁な
いし珪素析出の有無を調査した。その結果、比較例材で
構成されたレーザ反射鏡については、膜表面及び研磨傷
において顕著な白濁ないし珪素析出の存在が認められた
が、実施例材で構成されたレーザ反射鏡については、白
濁ないし珪素析出は全く存在しなかった。爾後、上記ア
ルゴンエキシマレーザの照射を10回に亘って繰り返し
たところ、比較例材のものでは破損したが、実施例材の
ものでは何らの変化も認められなかった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の光学要素構成材は、93%以上の高密度基
体にスペクトル吸収端550nm以下の高純度膜を被覆
形成させたものであるから、光学要素の構成材として必
要とされる静的強度,熱的強度を十分に確保できると共
に、高エネルギが膜表面に供給されたときにも、その供
給箇所に研磨傷,回折格子溝等の微細な凹部が存在して
いると否とに拘わらず、珪素の析出を可及的に防止でき
るものである。したがって、本発明の光学要素構成材に
よれば、SOR光,レーザ光等の高エネルギビームの照
射等によっても破損したり反射率が低下したりする等の
不都合を全く生じない、極めて耐久性,光学性能に優れ
たレーザ反射鏡等の光学要素を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素又はカーボンで構成される基体
    の表面に炭化珪素膜を化学蒸着により被覆形成してなる
    複合材であって、基体が93%以上の高密度体であり、
    炭化珪素膜がスペクトル吸収端550nm以下のもので
    あることを特徴とする光学要素構成材。
JP7230982A 1995-09-08 1995-09-08 高エネルギビーム用光学要素構成材 Expired - Fee Related JP2851818B2 (ja)

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