JP4522315B2 - スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機 - Google Patents

スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機 Download PDF

Info

Publication number
JP4522315B2
JP4522315B2 JP2005130845A JP2005130845A JP4522315B2 JP 4522315 B2 JP4522315 B2 JP 4522315B2 JP 2005130845 A JP2005130845 A JP 2005130845A JP 2005130845 A JP2005130845 A JP 2005130845A JP 4522315 B2 JP4522315 B2 JP 4522315B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scan mirror
metal film
ceramic material
expansion coefficient
linear expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005130845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006308836A (ja
Inventor
敬之 中山
祥瑞 竹野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2005130845A priority Critical patent/JP4522315B2/ja
Publication of JP2006308836A publication Critical patent/JP2006308836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4522315B2 publication Critical patent/JP4522315B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、プリント基板や半導体チップの樹脂材やセラミックス材等に、穴あけ、切断、マーキング等を行うレーザ加工機の加工穴位置決めのガルバノスキャナに取り付けられる、レーザ加工機用のスキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機に関するものである。
従来のレーザ加工装置で用いられているスキャンミラーは、加工速度向上のための高速回転に対応させるために、軽量かつ高剛性であることが求められており、Be(特許文献1)、B4C、SiCなど、緻密化された炭化物系セラミックス等のように、比重が小さく、ヤング率の高い材料が用いられている。さらに剛性を保ちつつ軽量化を図るために、一般的なスキャンミラーの背面はリブ構造となっている。
またスキャンミラーの反射面は、加工穴の真円度を確保するため、一般的に収差の影響が実用上問題ない、λ/20(λはレーザの波長)以下の平面度を有することが必要とされている。例えば、現在プリント基板の加工用に用いられているCO2レーザの波長λは10μm前後であるため、この場合スキャンミラー反射面の平面度は0.5μm以下を満たさなければならない。
スキャンミラーに用いられる炭化物系セラミックスは高硬度であるため、反射面加工時には、大きな荷重(加工圧力)を加える必要がある。しかし、前述の通り一般的なスキャンミラーの背面はリブ構造となっているため、リブのない剛性の低い部分では加工圧力に対する逃げが生じ、必要な平面度を得るのが困難となっている。一方、平面度を得易くするため荷重を小さくした場合には、加工速度が低下するため、膨大な加工時間がかかるという問題がある。このような炭化物系セラミックスの難加工性を克服するため、スキャンミラーの反射面となる面にメッキ、蒸着などの手法により、NiやCuなどの軟質金属の膜を形成し、金属膜をダイヤモンド切削し、反射面の平面度を得るという手法が示されている。
また、緻密化されたB4CやSiCにも、空孔が存在している。上記の軟質金属膜を形成した場合には、軟質金属膜が反射面に存在する空孔を埋める効果があり、その分も含めて反射率の向上に寄与している。
特開2001―116911号公報
上記のBeを用いたスキャンミラーは、Beが毒性を持つ材料であることから、作業者や環境に対する影響が懸念されている。また、上記レーザ加工装置により高エネルギーのレーザ光により被加工材に対して加工を行った場合、レーザ加工装置内のスキャンミラーの温度が最大10℃程度上昇する。この場合、スキャンミラーのセラミックス材料上にNi、Cu等の金属膜を形成し反射面を得るという構成では、スキャンミラー本体(セラミックス材料)と金属膜の線膨張係数の違いによるバイメタル効果により、スキャンミラーが変形し反射面の平面度が悪化する。この結果、被加工材の加工穴形状が著しく悪化し、加工不良を起こすという問題が発生する。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、セラミックス材料を用い、レーザ光により高エネルギー加工を行う場合においても良好な平面度を保つことができるスキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工機用のスキャンミラーの製造方法は、スキャンミラーの本体をセラミックス材料で形成する工程と、セラミックス材料の本体の表面に、セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を持つ金属膜のみを形成する工程と、金属膜を、遊離砥粒による研磨およびダイヤモンド切削による切削のうちのいずれかを行なう仕上げ加工工程とを備える。
本発明のレーザ加工機用のスキャンミラーは、セラミックス材料からなるスキャンミラー本体と、スキャンミラー本体の上に、セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を有する金属による膜とを備える。
セラミックス材料(スキャンミラー本体)に近い線膨張係数を持つ金属膜により反射面を形成しているため、高エネルギー加工時のスキャンミラーの温度上昇に伴う、スキャンミラー本体と金属膜のバイメタル効果による反射面の平面度の変化を小さくすることができ、被加工品を高エネルギー加工する時でも高い精度の加工を行なうことができる。たとえば、良好な穴形状の加工穴を得ることができる。金属膜の線膨張係数が、0.7β未満または1.5β超えの場合は、上記バイメタル効果により平面度を低下させる。金属膜の線膨張係数が0.7β未満の場合、温度上昇に伴い金属膜に圧縮応力が生じ、ひずみが発生し、平面度が低下する。また、金属膜の線膨張係数が1.5β超えの場合、温度上昇に伴い金属膜に引張応力が生じ、やはりひずみが発生し、平面度が低下する。
また、一般にいえることであるが上記の金属膜は、セラミックス材料(スキャンミラー本体)の反射面に存在する空孔を埋める効果があるため、反射面の反射率が高くなるという効果が得られる。さらに、一般的に金属膜は、セラミックス材料(スキャンミラ−本体)よりも硬度が低く加工性が良いため、反射面の平面度が短時間で容易に得られるという効果がある。
この発明によれば、被加工物の高エネルギー加工時におけるスキャンミラーの温度上昇に伴う、スキャンミラー本体(セラミックス材料)と金属膜とのバイメタル効果による平面度劣化を小さくすることができる。このため、高エネルギー加工時でも高い精度の加工を行なうことができる。また、上記金属膜は、スキャンミラー本体の反射面に存在する空孔を埋める効果があるため、金属膜を形成させないスキャンミラー(セラミックス自体を研磨し反射面とするスキャンミラー)と比較して、高い反射率を得ることができる。さらに、金属膜は、スキャンミラー本体と比較して、硬度が低いため、金属膜を形成させないスキャンミラー(セラミックス自体を研磨し反射面とするスキャンミラー)と比較して、反射面の良好な平面度を短時間で容易に得られる。
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態における、スキャンミラーの背面部を示す斜視図である。また、図2は、本発明のスキャンミラーの部分断面図である。図1において、このスキャンミラーは、プリント基板加工用のレーザ加工機に用いられる。軽量かつ高剛性のスキャンミラーを得るためにスキャンミラー背面部1には複数のリブ2が形成されている。
本実施の形態においては、スキャンミラー本体3はB4C、SiCなどの炭化物系セラミックスにより形成されている。また、スキャンミラー本体3を被覆する金属膜6には、Mo、Zrなどの炭化物系セラミックスに近い線膨張係数を持つ金属が用いられる。それぞれの材料の線膨張係数は、B4C:4.5×10-6[1/℃]、SiC:4.4×10-6[1/℃]、Mo:5.0×10-6[1/℃]、Zr:5.4×10-6[1/℃]である。
したがって、これら金属膜6の線膨張係数と、セラミックス材料の線膨張係数との比は、(Mo/B4C):1.11、(Mo/SiC):1.14、(Zr/B4C):1.20、(Zr/SiC):1.23である。したがってこれら金属とセラミックス材料との組み合わせは、上記線膨張係数の比が、0.7〜1.5の範囲に入る組み合わせである。また低線膨張率の合金として知られるNi合金(Ni―Co系など)は、合金組成の調整によりセラミックス材料と同等またはそれ以下の線膨張係数を有するが、スキャンミラー本体のセラミックス材料との対比において、上記範囲内(0.7β〜1.5β)に入れば本実施の形態の対象となる。また、タングステン(W:線膨張係数4.3×10-6[1/℃])、タンタル(Ta:線膨張係数6.5×10-6[1/℃])なども、セラミックス材料の線膨張率の0.7〜1.5の範囲に入る金属として、金属膜に用いられる可能性が高い。一方、アルミニウム(Al:線膨張係数:23×10-6[1/℃])、銅(Cu:線膨張係数10×10-6[1/℃])などは線膨張係数が過大であり、スキャンミラー本体のセラミックス材料の線膨張係数がよほど大きくないと、本実施の形態の範囲内に入らず、金属膜に用いられる可能性は大きくない。
セラミックス材料から形成されるスキャンミラー本体3は表面が研磨されており、平坦な表面3bの中に、セラミックス材料に内在する空孔が表面に露出した凹部3aが散在し、その凹部3aを金属膜6が埋め込んでいる(図2および以後の図面においてセラミックス材料の内側に位置する空孔は図示していない)。金属膜6の表面6cは仕上げ加工が施されて良好な平坦度となっている。図2に示す仕上がり状態のままでスキャンミラーとして使用可能である。この場合、このあと説明する金(Au)蒸着膜および増反射膜を形成しないので、より安価にスキャンミラーを提供することができる。
図2に示すスキャンミラーよりも反射率を向上させる場合には、図3に示すように、金属膜6の上に金(Au)蒸着膜7および増反射膜8を形成する。増反射膜8は、ゲルマニウム(Ge)および硫化亜鉛(ZnS)から構成される。
また、図4に示すようにAu膜を介在させることなく、金属膜6に直接に増反射膜8を形成しても、図2に示す金属膜6を反射面とする場合よりも高い反射率を得ることができる。この場合、金膜なしでスキャンミラーとして使用することができ、低コスト化が可能となる。
次に、上記のスキャンミラーの製造方法について説明する。先ず、炭化物系セラミックス材料は炭化物系の材料の粉末を焼成、焼結させてスキャンミラー本体を製造する(図示せず)。次いで、図5に示すように、スキャンミラー本体3の研磨加工を行なう。セラミックス材料には多数の空孔が内在するため、スキャンミラー本体3を研磨加工すると、空孔が表面にあらわれ、平坦な面3bのなかに多数の凹部3aを形成する。この凹部3aは反射率低下の要因となるが、上述のように金属膜により埋め込まれる。
セラミックスは高硬度であるため、研磨加工時には大きな荷重を加える必要がある。しかし、図1に示すようにスキャンミラーの背面部1にはリブ2が設けられた構造となっているため、リブ2のない剛性の低い部分では加工圧力に対する逃げが生じ、良好な平面度を得るのが困難となっている。一方、荷重を小さくした場合には、加工速度が低下するため、平面度を得るために膨大な加工時間がかかる。本実施の形態では、セラミックス材料の研磨加工は、表面の平面度を3μm以下とするレベルとする。本実施の形態において、スキャンミラー本体3の表面で確認された凹部3aの大きさを実際に測定したところ、幅は最大3μm程度、深さは最大1μm程度であることがわかった。
次に図6に示すように、スキャンミラー反射面4にMoまたはZrなどの炭化物系セラミックスに近い線膨張係数を持つ金属により、金属膜6を形成する。金属膜6は、蒸着、スパッタリング等の手法により形成し、厚みは5μm程度とする。形成された金属膜6の表面は、図6に示すように、スキャンミラー本体3の表面3a,3bの形状にならって、平坦状な面6bと凹部6aとを含んだ面形態となる。
金属膜6を形成後、ダイヤモンドやアルミナ等の遊離砥粒を用いての研磨加工やダイヤモンド切削による切削加工により、金属膜6から凹部を除去した表面形態の、図2に示すスキャンミラーを得る。上記の金属膜研磨加工または金属膜切削加工は、凹部をなくし、かつレーザ加工機用のスキャンミラー反射面として必要な平面度λ/20(λはレーザの波長、例えば9.3μmのCO2レーザの場合、λ/20=0.465μm)以下となるまで行なう。ここまでの製造工程により、図2に示すスキャンミラーを得ることができる。さらに反射率を向上させる場合には、図3に示すように、スキャンミラーの金属膜6の表面に、金膜7および増反射膜8を形成する。または、図4に示すように、スキャンミラーの金属膜6の表面に、増反射膜8を直接、形成する。
金属膜6を形成しない場合(スキャンミラー本体3を研磨した表面4とし、次いで金属膜を介在させずに金膜および増反射膜を形成した場合)には、スキャンミラー本体に存在する凹部がレーザ光の散乱に悪影響を及ぼし、CO2レーザに対して最高でも98.0%の反射率しか得られなかった。これに対して、本実施の形態において、凹部3aを埋め込む金属膜6を介在させて金膜および増反射膜を形成した場合、反射率は99.0%以上となり、CO2レーザに対して高い反射率を持つスキャンミラーを得ることができた。
上述のように、金属膜6としてMoを用いた場合、MoはCO2レーザに対して高いレベルの反射率(98.2%)を有しているため、金コートなしでもスキャンミラーとして使用することができ、低コスト化が可能となる。また、Mo上に増反射膜コートを施すことで、さらに高い反射率が得られることは云うまでもない。
従来のNi膜による反射面形成を行った場合、高エネルギー加工時のスキャンミラー温度上昇による、スキャンミラー本体3と金属膜6のバイメタル効果による平面度の変化は、スキャンミラーの温度10℃の上昇で0.3μmであった。しかるに、本手法を用いてMo膜6による反射面形成を行った場合は、スキャンミラーの温度10℃の上昇で0.03μmと非常に小さくなっていた。この結果、高エネルギー加工時にも良好な加工穴形状を得ることができるスキャンミラーを得ることができた。
さらに、セラミックスの表面に加工が容易な金属膜6を形成し、その金属膜に反射面の加工を行なうので、難加工材であるスキャンミラー本体のセラミックス材料を研磨して反射面を得る場合と比較して、スキャンミラーの反射面の平面度を短時間で容易に得られる。加工性の比較の意味で、材料の硬度をあげると次のとおりである。硬度は10段階モース硬度による表示であるが、B4C、SiC、Moは換算値とした。B4C:9.6、SiC:9.3、Mo:5.5、ダイヤモンド:10、アルミナ:9である。金属膜6にMoを用いた場合、硬度比は、B4Cに対して0.57であり、SiCに対して0.59であり、セラミックスの半分に近い値まで減少する。
例えば、スキャンミラー本体3をB4Cとし、金属膜6をMoとして、ダイヤモンドの遊離砥粒による研磨加工を行った場合、平面度3μmの状態から、平面度0.465μm以下になるまでに要した加工時間は、金属膜6なしの場合10時間程度であったのに対し、金属膜ありの場合は30分(0.5時間)程度であった。
本実施の形態では、金属膜6形成前のスキャンミラー反射面4の平面度を3μm以下、金属膜6厚みは5μm程度としている。しかし、金属膜6形成前のスキャンミラー本体の表面の平面度を2μmとした場合は、金属膜6の厚みは4μm程度とすることができる。また、金属膜6形成前のスキャンミラー本体の表面の平面度を1μmとした場合には、金属膜6の厚みは3μm程度とすることができる。このように、スキャンミラー本体3の表面の平面度に応じて金属膜6の厚みを変化させることにより、金属膜6形成にかかる時間を短縮することが可能となる。
上記本発明の実施の形態において、本発明の具体例を紹介したが、本発明のレーザ加工機用のスキャンミラーの製造方法の基本的な構成は、スキャンミラーの本体をセラミックス材料で形成する工程と、セラミックス材料のスキャンミラー本体の表面に、セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を持つ金属による膜を形成する工程と、金属膜を、遊離砥粒による研磨およびダイヤモンド切削による切削のうちのいずれかを行なう仕上げ加工工程とを備えることにある。また、本発明のレーザ加工機用のスキャンミラーの基本的な構成は、セラミックス材料からなるスキャンミラー本体と、スキャンミラー本体の上に、セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を有する金属による膜とを備えることにある。
上記構成により、高エネルギー加工時のスキャンミラーの温度上昇に伴う、スキャンミラー本体と金属膜のバイメタル効果による反射面の平面度の変化を小さくすることができ、被加工品を高エネルギー加工する時でも高い精度の加工を行なうことができる。金属膜の線膨張係数が、0.7β未満または1.5β超えの場合は、上記バイメタル効果により平面度を低下させる。金属膜の線膨張係数が0.7β未満の場合、温度上昇に伴い金属膜に圧縮応力が生じ、ひずみが発生し、平面度が低下する。また、金属膜の線膨張係数が1.5β超えの場合、温度上昇に伴い金属膜に引張応力が生じ、やはりひずみが発生し、平面度が低下する。金属膜の線膨張係数は0.9β〜1.3βの範囲にあることがより好ましい。その理由は、金属膜の線膨張係数がセラミックス材料により近いほうが、よりバイメタル効果によるひずみが小さいからである。
また、一般にいえることであるが上記の金属膜は、セラミックス材料(スキャンミラー本体)の反射面に存在する空孔を埋める効果があるため、反射面の反射率が高くなるという効果が得られる。さらに、一般的に金属膜は、セラミックス材料(スキャンミラ−本体)よりも硬度が低く加工性が良いため、反射面の平面度が短時間で容易に得られるという効果がある。上記のように加工性を良好にするために、金属膜は、スキャンミラー本体のセラミックスに対する硬度比が0.65以下の金属から形成されることが好ましい。
また、スキャンミラー本体をセラミックス材料で形成する工程において、セラミックス粉末を本体の形状に焼結した後、焼結された本体の表面を研磨加工する工程を備えることができる。この方法により、最終製品の反射面の平面度をより良好にすることができる。
上記のセラミックス材料のスキャンミラー本体表面を研磨加工した後、金属膜を形成する前にその本体表面の平面度を測定する工程を備えることができる。この方法により、セラミックス材料の平面度に応じて金属膜の厚みを調整でき、金属膜形成に要する処理時間を短縮することができる。
上記のセラミックス材料をB4CまたはSiCとし、また金属膜をMoまたはZrとすることができる。この構成により、緻密、軽量かつ高い剛性のスキャンミラー本体にバイメタル効果を抑制できる金属膜を市販の材料を用いて簡単に形成することができる。
また、上記金属膜上に金膜と、その金膜上に増反射膜とをさらに備えることができる。この構成により、最高レベルの高反射率のスキャンミラーを得ることができる。
また、上記の金属膜に接して増反射膜をさらに備えることもできる。この構成により、それほどコストをかけずに最終製品の反射面を金属膜で構成する場合より、より良好な反射率のスキャンミラーを得ることができる。
また、上記のスキャンミラーの背面にリブ構造を備えることができる。この構成により、より軽量で高剛性のスキャンミラーを得ることができる。
本発明のレーザ加工機は、上記のいずれかのスキャンミラーを備える。この構成により、高エネルギーで高精度の加工を被加工物に行なうことが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のスキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機を用いることにより、高エネルギーのレーザ加工を高精度で被加工物に施すことが可能となり、この分野に大きな貢献をもたらす。
本発明の実施の形態におけるプリント基板加工用のレーザ加工機で用いられるスキャンミラーの背面側を示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるスキャンミラーの部分断面図である。 本発明の実施の形態の他のスキャンミラーの部分断面図である。 本発明の実施の形態におけるさらに別のスキャンミラーの部分断面図である。 本発明の実施の形態のスキャンミラーの製造方法において、スキャンミラー本体のセラミックス材料を加工した状態を示す部分断面図である。 図5の状態に対して金属膜を形成した状態を示す図である。
符号の説明
1 スキャンミラー背面部、2 リブ、3 スキャンミラー本体(セラミックス製)、3a 凹部、3b 平坦面、6 金属膜、6a 金属膜の凹部、6b 平坦状面、6c 平坦面、7 金膜、8 増反射膜。

Claims (7)

  1. レーザ加工機用のスキャンミラーにおいて、
    セラミックス材料からなるスキャンミラー本体と、
    前記スキャンミラー本体の上に、前記セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を有する金属膜のみを備えており、
    前記金属膜は、前記セラミックス材料に内在する空孔が表面に露出した凹部を埋め込んでいる、スキャンミラー。
  2. 前記セラミックス材料はB4CまたはSiCであり、前記金属膜はMoまたはZrである、請求項1に記載のスキャンミラー。
  3. 前記スキャンミラーの背面にリブ構造を備える、請求項1または2のいずれかに記載のスキャンミラー。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載のスキャンミラーを備える、レーザ加工機。
  5. レーザ加工機用のスキャンミラーの製造方法において、
    前記スキャンミラーの本体をセラミックス材料で形成する工程と、
    前記セラミックス材料のスキャンミラー本体の表面に、前記セラミック材料の線膨張係数βに対して0.7β〜1.5βの範囲内の線膨張係数を持つ金属膜のみを形成する工程と、
    前記金属膜を、遊離砥粒による研磨およびダイヤモンド切削による切削のうちのいずれかを行なう仕上げ加工工程とを備える、スキャンミラーの製造方法。
  6. 前記スキャンミラー本体をセラミックス材料で形成する工程において、セラミックス粉末を前記本体の形状に焼結した後、前記焼結された本体の表面を研磨加工する工程を備える、請求項5に記載のスキャンミラーの製造方法。
  7. 前記セラミックス材料のスキャンミラー本体表面を研磨加工した後、金属膜を形成する前にその本体表面の平面度を測定する工程を備える、請求項6に記載のスキャンミラーの製造方法。
JP2005130845A 2005-04-28 2005-04-28 スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機 Expired - Fee Related JP4522315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005130845A JP4522315B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005130845A JP4522315B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006308836A JP2006308836A (ja) 2006-11-09
JP4522315B2 true JP4522315B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=37475803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005130845A Expired - Fee Related JP4522315B2 (ja) 2005-04-28 2005-04-28 スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4522315B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009024181A1 (en) * 2007-08-20 2009-02-26 Optosic Ag Method of manufacturing and processing silicon carbide scanning mirrors
JP5539628B2 (ja) * 2008-06-20 2014-07-02 キヤノン電子株式会社 光走査用マイクロミラーデバイス、光走査装置、画像形成装置、表示装置および入力装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06281795A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Toshiba Ceramics Co Ltd 放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法
JPH09292505A (ja) * 1996-04-24 1997-11-11 Mitsubishi Materials Corp 高エネルギ光線用反射鏡
JP2001116911A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学ミラーと光学スキャナーおよびレーザ加工機
JP2003109892A (ja) * 2001-10-02 2003-04-11 Toto Ltd 露光装置用部材
JP2005099638A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Kyocera Corp ガルバノミラー及びこれを用いた映像プロジェクタ装置
JP2005134680A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Mitsubishi Electric Corp 反射ミラー、導光光学系システム、レーザ加工機、および反射ミラーの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06281795A (ja) * 1993-03-30 1994-10-07 Toshiba Ceramics Co Ltd 放射光・X線反射用SiCミラーの製造方法
JPH09292505A (ja) * 1996-04-24 1997-11-11 Mitsubishi Materials Corp 高エネルギ光線用反射鏡
JP2001116911A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光学ミラーと光学スキャナーおよびレーザ加工機
JP2003109892A (ja) * 2001-10-02 2003-04-11 Toto Ltd 露光装置用部材
JP2005099638A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Kyocera Corp ガルバノミラー及びこれを用いた映像プロジェクタ装置
JP2005134680A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Mitsubishi Electric Corp 反射ミラー、導光光学系システム、レーザ加工機、および反射ミラーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006308836A (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3648205B2 (ja) 石油掘削用トリコンビットのインサートチップおよびその製造方法ならびに石油掘削用トリコンビット
JP5260309B2 (ja) 凹形非研磨中間表面を有するセラミック切削インサート及びそのような切削インサートの製造方法
EP3053682B1 (en) Cutting tool and method for manufacturing cut product using same
CN110523985A (zh) 一种激光选区熔化制备导向叶片的工艺
KR20040032151A (ko) 스로우 어웨이 팁
JP6509704B2 (ja) ペリクル枠およびペリクル枠の製造方法
JP2004223700A (ja) 転写光学面の加工方法、加工機、光学素子成形用型及びダイアモンド工具
JP4522315B2 (ja) スキャンミラー、その製造方法およびレーザ加工機
US20060218788A1 (en) Method of manufacturing a hollow blade that includes a recessed tip cap and method of reparing such a blade
JP2007181882A (ja) 転写光学面の加工方法、光学素子用成形金型及び光学素子
FR3074800B1 (fr) Procede de fabrication de pieces en materiau ceramique par la technique des procedes additifs
JP5839289B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP6509603B2 (ja) ペリクル枠の製造方法
JP5897028B2 (ja) 全面仕上げプレス加工/全面仕上げ焼結されたカッティングインサート及び当該カッティングインサートの製造方法
EP0619382A1 (en) Hard sintered tool and manufacturing method thereof
CA3099808C (en) Mirror support for a composite optical mirror and method for its production
Baumeister et al. Replication of LIGA structures using microcasting
US20060150684A1 (en) Composite mold and method for making the same
JP4854946B2 (ja) エンドミル素材及びエンドミル
JP2996441B2 (ja) 歯車型ドレッサの製造方法
US11794257B2 (en) Cutting insert and cutting tool
JP4794163B2 (ja) スローアウェイチップの製造方法
JP2004268202A (ja) 小径エンドミル
JP5275744B2 (ja) 切削インサート、窒化珪素切削工具、切削インサートに用いられる窒化珪素焼結体の製造方法
US20070281183A1 (en) Film formation method, die, and method of manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4522315

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees