JP2001072653A - アミノ安息香酸誘導体 - Google Patents

アミノ安息香酸誘導体

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JP2001072653A
JP2001072653A JP2000201419A JP2000201419A JP2001072653A JP 2001072653 A JP2001072653 A JP 2001072653A JP 2000201419 A JP2000201419 A JP 2000201419A JP 2000201419 A JP2000201419 A JP 2000201419A JP 2001072653 A JP2001072653 A JP 2001072653A
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group
compound
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JP2000201419A
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Hisaya Wada
久弥 和田
Hajime Asanuma
肇 浅沼
Tetsuo Takayama
哲男 高山
Masakazu Sato
正和 佐藤
Takehiro Yamagishi
武弘 山岸
Masashi Shibuya
正史 渋谷
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 VEGF受容体拮抗剤として用いられる化合
物を提供する。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 [R1は水素原子、C1-6アルキル基など、R2は水素原
子、C1-6アルキル基など、R3はC8-25アルキル基な
ど、R4は水素原子、OR9又はCO210(ここで、R9
及びR10は水素原子又はC1-6アルキル基)、AはS
(O)q15(ここで、qは0、1又は2であり、R15
1-6アルキル基、フェニルC1-3アルキル基又は(CH
2mOR16(mは2又は3、R16は水素原子又はメトキ
シメチル基)など、XはO、単結合、CH=CH又はN
27(R27は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基で
ある。)、YはO、CONH、NHCO又はNR28(R
28は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基)、nは0
から15の整数である。]で表されるアミノ安息香酸誘
導体又はその医薬上許容される塩である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管内皮細胞の特
異的増殖因子であるVEGFの受容体への結合を阻害す
るVEGF受容体拮抗剤に関する。
【0002】
【従来の技術】VEGF(vascular endothelial growt
h factor)は血管内皮細胞に極めて特異性の高い増殖因
子であり、VEGFとその受容体は発生発育や胎盤形成
などの生理的な血管新生において中心的な役割を果たし
ている。VEGFの受容体としては、Flt−1(fms-
like tyrosine kinase)及びKDR(kinase insert do
main containing receptor)が報告されている(Advanc
es in Cancer Research、第67巻、第281頁−第3
16頁、1995年)。VEGFとその受容体は、生理
的な血管新生のみならず、糖尿病性網膜症、慢性関節リ
ウマチ、固形腫瘍(Advances in Cancer Research、第
67巻、第281頁−第316頁、1995年)などの
疾患に見られる病的な血管新生にも中心的な役割を果た
しており、そのような疾患の進展に深く関与しているこ
とが示唆されている。また、VEGFとその受容体は、
血管新生だけではなく、血管透過性亢進にも関与してい
ることが知られている。VEGFによる血管透過性亢進
は、癌性腹水貯留や虚血再灌流障害時の脳浮腫(J.Cli
n.Invest.、第104巻、第1613頁−第1620
頁、1999年)などの病的症状に関与していることが
示唆されている。したがって、VEGFとその受容体と
の結合を阻害する物質は、VEGFによる病的な血管新
生が関与している種々の疾患の治療及びVEGFによる
血管透過性亢進が関与している病的な症状の改善に有用
であると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、VE
GFによって誘導される血管新生が関与する疾患の治療
及びVEGFによって誘導される血管透過性亢進が関与
する病的症状の改善のためのVEGF受容体拮抗剤とし
て用いられる化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、下記
式(1)
【化10】
【0005】{式(1)中、R1は水素原子又はC1-6
ルキル基であり、R2は水素原子、C1-6アルキル基、C
3-8シクロアルキルC1-3アルキル基、フェニルC1-3
ルキル基、CH2CO25(ここで、R5は水素原子又は
1-6アルキル基である。)又はCH2CON(R6)R7
(ここで、R6及びR7はそれぞれ水素原子又はC1-6
ルキル基である。)で表される基であり、R3はC8-25
アルキル基、(CH2pCO211(ここで、pは1〜
20の整数、R11は水素原子又はC1-6アルキル基であ
る。)で表される基又は(CH23CONHCH
(R12)CONHR13[ここで、R12は水素原子又はC
2CO2 14(ここで、R14は水素原子又はC1-6アル
キル基である。)で表される基であり、R13はC1-20
ルキル基である。]で表される基であり、R4は水素原
子、OR9又はCO210(ここで、R9及びR10はそれ
ぞれ水素原子又はC1-6アルキル基である。)で表され
る基であり、AはS(O)q15[ここで、qは0、1
又は2であり、R15はC1-6アルキル基、フェニルC1-3
アルキル基又は(CH2mOR16(ここで、mは2又は
3であり、R16は水素原子又はメトキシメチル基であ
る。)で表される基である。]で表される基、下記式
(2)
【0006】
【化11】
【0007】[式中、R17は水素原子、CO219、C
2CO220、CH2CH2CO221又はCH=CHC
222(ここで、R19、R20、R21及びR22はそれぞ
れ水素原子又はC1-6アルキル基である。)で表される
基であり、R18は水素原子又はCO223(ここで、R
23は水素原子又はC1-6アルキル基である。)で表され
る基であり、Y´はO、S又はNR24(ここで、R24
水素原子又はC1-6アルキル基である。)であり、Zは
CH又はNである。]で表される基、又は下記式(3)
【0008】
【化12】
【0009】[式中、R25は水素原子又はCO2
26(ここで、R26は水素原子又はC1-6アルキル基であ
る。)で表される基である。]で表される基であり、X
はO、単結合、CH=CH又はNR27(ここで、R27
水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で表
される基であり、YはO、CONH、NHCO又はNR
28(ここで、R28は水素原子又はt−ブトキシカルボニ
ル基である。)で表される基であり、nは0〜15の整
数である(但し、XがCH=CHでないとき、nは0で
ない。)。}で表されるアミノ安息香酸誘導体又はその
医薬上許容される塩である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、C1-6アルキル
基とは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキ
ル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−エチルプロ
ピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−エチルブチ
ル基などが挙げられる。C3-8シクロアルキルC1-3アル
キル基とは炭素原子数3〜8のシクロアルキル基が置換
した炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル
基を意味し、例えばシクロプロピルメチル基、シクロブ
チルメチル基、シクロペンチルメチル基などが挙げられ
る。C8-25アルキル基とは、炭素原子数8〜25の直鎖
状又は分岐鎖状のアルキル基を意味し、例えばオクチル
基、7−メチルオクチル基、7,7−ジメチルオクチル
基、オクタデシル基、17−メチルオクタデシル基、1
7,17−ジメチルオクタデシル基、ペンタコシル基、
23−メチルテトラコシル基、22,22−ジメチルト
リコシル基などが挙げられる。C1-20アルキル基とは、
炭素原子数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
を意味し、例えばメチル基、エチル基、デシル基、9−
メチルデシル基、9,9−ジメチルデシル基、イコシル
基などが挙げられる。フェニルC1-3アルキル基とは、
フェニル基が置換した炭素原子数1〜3の直鎖状又は分
岐鎖状のアルキル基を意味し、例えばベンジル基、2−
フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げ
られる。
【0011】また、本発明において医薬上許容される塩
としては、例えば硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、
酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機
酸との塩、トリメチルアミン、メチルアミンなどのアミ
ンとの塩、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシ
ウムイオンなどの金属イオンとの塩などが挙げられる。
また、本発明に係る化合物には、結晶多形を有するもの
が存在するが、本発明はそのいずれの結晶形も包含す
る。式(1)において、AはS(O)q15(ここで、
q及びR15は前記と同意義である。)で表される基又は
下記式(5)
【0012】
【化13】
【0013】(式中、R17、R18及びY´は前記と同意
義である。)で表される基が好ましく、さらにはSR15
(ここで、R15は前記と同意義である。)で表される基
又は式(5)でR17がCO219(ここで、R19は前記
と同意義である。)で表される基であり、R18が水素原
子である基が好ましい。また、最も好ましくは、AはS
15(ここで、R15はC1-6アルキル基である。)で表
される基又は式(5)でR17がCO2Hであり、R18
水素原子である基である。また、式(1)において、R
2は好ましくは水素原子又はC1-6アルキル基である。式
(1)において、R3は好ましくは炭素原子数8〜25
の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、さらに好ま
しくは炭素原子数14〜22のアルキル基、最も好まし
くは炭素原子数18のアルキル基である。式(1)にお
いて、R4は水素原子が好ましい。式(1)において、
CO21基は下記式(4)
【0014】
【化14】
【0015】に示す位置が好ましく、さらに式(4)に
おけるAは下記式(6)
【化15】 に示す位置が好ましい。
【0016】また、XはO又は単結合が好ましく、さら
に好ましくは単結合である。YはOが好ましい。nは1
又は2が好ましい。従って、本発明において好ましい化
合物は、上記の好ましい置換基の組み合わせにより選択
される。
【0017】本発明の化合物は下記反応式で示される方
法で製造することができる。 1)AがS(O)q15で表される基である場合 式中の記号は前記と同意義であり、A′はS(O)q15
であり、haloはハロゲン原子であり、Rは水素原子を除
くR2、R′は t−ブチル基、パラメトキシベンジル基
又はジフェニルメチル基であり、R″は低級アルキル基
である。
【0018】
【化16】
【0019】
【化17】
【0020】式(7)の化合物と式(8)のカルボン酸化合
物を縮合し、式(9)で示される本発明化合物を得る。縮
合剤としては、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾールのような、アミンとカルボン酸か
らアミドを製造する際に一般的に使用される試薬を用い
る。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなど
の反応に不活性な溶媒などが用いられる。又は式(8)
のカルボン酸を一般的に用いられる方法にて酸ハロゲン
化物又は混合酸無水物に変換後、式(7)の化合物と塩
基存在下反応させることによっても式(9)の本発明の
化合物を得ることができる。塩基としてはピリジンやト
リエチルアミンなどが用いられる。溶媒としては塩化メ
チレンなどの反応に不活性な溶媒が挙げられる。
【0021】式(9)の化合物のアミド基水素の置換は強
塩基存在下で行われ、アミドの窒素原子が修飾(R)され
た式(10)の本発明化合物を得ることができる。ここで
の塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、
水素化カルシウムなどが挙げられる。溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミドなどの反応に不活性な溶
媒などが用いられる。式(10)の化合物のうちRがCH
2CO2R′の化合物は、塩化メチレンなどの反応に不活
性な溶媒中、トリフルオロ酢酸などの強酸の存在下に反
応させて、式(11)のカルボン酸化合物とすることがで
きる。式(11)のカルボン酸化合物は縮合剤存在下、式
(12)のアミンと反応させて式(13)のアミド化合物を
得ることができる。縮合剤としては、1−[3−(ジメ
チルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩
酸塩と1−ヒドロキシベンゾトリアゾールのような、ア
ミンとカルボン酸からアミドを製造する際に一般的に使
用される試薬を用いる。溶媒としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの反応に不活性な溶媒などが用いら
れる。
【0022】式(14)の化合物は、R1がt-Bu、X
がN(CO2Bu-t)である式(1)の化合物を塩化メチ
レンなどの反応に不活性な溶媒中、トリフルオロ酢酸な
どの強酸の存在下に反応させて得ることができる。式
(15)の化合物は、R1がt-Bu、YがN(CO2Bu-
t)である式(1)の化合物を塩化メチレンなどの反応に
不活性な溶媒中、トリフルオロ酢酸などの強酸の存在下
に反応させて得ることができる。式(16)の化合物
は、A′がS(CH2mOCH2OMeである式(1)
の化合物をメタノールなどの低級アルコールとテトラヒ
ドロフランなどの極性溶媒の混合溶媒中、塩酸、硫酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸などの酸の存在下に反応させて
得ることができる。なお、R1がアルキル基であり、R4
がアルコキシカルボニル基であり、又はR 3がアルコキ
シカルボニルアルキル基である本発明化合物は、エステ
ル基を加水分解する通常の方法で加水分解し、それぞれ
1が水素原子、R4がカルボキシル基であり、又はR3
がカルボキシアルキル基である本発明の化合物に導くこ
とができる。また、A′がSR15である本発明の化合物
は、塩化メチレンなどの反応に不活性な溶媒中、メタク
ロロ過安息香酸などの酸化剤で酸化してA′がSOR15
又はSO215である本発明化合物に導くことができ
る。
【0023】2)Aが式(2)又は式(3)で表される
基である場合 例として上記式(1)におけるAが式(2)で表される
基である場合について述べる。式中の記号は前記と同意
義であり、haloはハロゲン原子、Rは水素原子を除くR
2である。
【0024】
【化18】
【0025】式(17)の化合物と式(18)のニトロ
化合物を塩基存在下、及び触媒量の銅粉末の存在下又は
非存在下、適当な溶媒中、0℃から150℃の間の温度
にて攪拌し、式(19)の化合物を得る。塩基として
は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウムなどの無機塩基、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの有機
塩基などが用いられる。溶媒としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの反応に不活性な溶媒などが用いら
れる。必要に応じて、式(19)の化合物を低級アルキ
ルハロゲン化物と塩基存在下、適当な溶媒中、0℃から
100℃の間の温度にて撹拌し、R17が水素原子又はア
ルコキシカルボニル基を含む基、R18が水素原子又はア
ルコキシカルボニル基、R1がアルキル基である式(1
9)の化合物を得る。塩基としては、炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸セシウムなどが用いられる。溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミドなどの反応に不活性な溶
媒などが用いられる。
【0026】次いで、カルボキシル基を含まない式(1
9)の化合物のニトロ基をアミノ基に還元して式(2
0)の化合物を得る。還元方法としては塩化アンモニウ
ム、塩酸又は酢酸などの酸存在下での鉄又はスズなどの
金属及び金属塩を用いた還元、パラジウム−炭素、ラネ
ーニッケル、酸化白金などの触媒を用いた接触還元、パ
ラジウム−炭素触媒存在下ギ酸アンモニウムによる還元
などが挙げられる。溶媒としてはメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどの反応に不活性な溶媒
が挙げられる。ここで得られた式(20)の化合物を式
(21)のカルボン酸と縮合させ、式(22)の本発明の化
合物を得る。縮合剤としては、1−[3−(ジメチルア
ミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と
1−ヒドロキシベンゾトリアゾールのような、アミンと
カルボン酸からアミドを製造する際に一般的に使用され
る試薬を用いる。溶媒としては、N,N−ジメチルホル
ムアミドなどの反応に不活性な溶媒などが用いられる。
又は式(21)のカルボン酸を一般的に用いられる方法
にて酸ハロゲン化物又は混合酸無水物に変換後、式(2
0)の化合物と塩基存在下反応させることによっても式
(22)の本発明の化合物を得ることができる。塩基と
してはピリジンやトリエチルアミンなどが用いられる。
溶媒としては塩化メチレンなどの反応に不活性な溶媒が
挙げられる。
【0027】式(22)の化合物のアルキル化は強塩基存
在下で行われ、アミドの窒素原子がアルキル化された本
発明化合物(23)を得ることができる。Y′がNHで
ある式(22)の化合物の場合は、R2がアルキル基、
Y′がN−アルキルである本発明化合物が得られる。こ
こでの塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化カルシウムなどが挙げられる。溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミドなどの反応に不活性
な溶媒などが用いられる。R1がアルキル基、R17が水
素原子又はアルコキシカルボニル基を含む基、R1 8が水
素原子又はアルコキシカルボニル基である式(22)及び
式(23)の本発明の化合物は、エステル基を加水分解
する通常の方法で加水分解し、それぞれR 1が水素原
子、R17が水素原子又はカルボキシル基を含む基、R18
が水素原子又はカルボキシル基である本発明の化合物に
導くことができる。上記式(1)におけるAが式(3)
で表される基である本発明の化合物も式(2)で表され
る基におけるYがOである場合の製造法と同様の操作に
より製造することができる。
【0028】式(1)で表される化合物又はその医薬上
許容される塩は、上記VEGF受容体拮抗剤として、特
にVEGFが関与する疾患の治療薬及びその製造におい
て使用される。本発明のVEGF受容体拮抗剤は、VE
GF受容体へのリガンド(VEGF)の結合を阻害する
ことによりVEGF依存性の血管内皮細胞増殖を阻害
し、血管新生を阻害するものであり、またVEGFによ
る血管透過性亢進を阻害するものである。ここで、VE
GFが関与する疾患及び病的症状とは、例えば、糖尿病
性網膜症及びその他の網膜症、慢性関節リウマチ、固形
腫瘍、虚血再灌流傷害関連の脳浮腫及び損傷、乾癬、ア
テローム硬化、後水晶体繊維増殖、血管新生緑内障、加
齢性黄斑変性、甲状腺過形成(グレーブス病を含む)、
慢性炎症、肺炎、ネフローゼ症候群、腫瘍免疫機能低
下、腹水貯留、心内膜液滲出(心膜炎に関係するものな
ど)及び胸水貯留などが挙げられる。以上のうち特に下
記の疾患では、VEGFの阻害による病態の改善が報告
されている。
【0029】糖尿病性網膜症及び他の網膜症 糖尿病性網膜症は、長期間高血糖状態にさらされたこと
により引き起こされた網膜血管の異常により、網膜や硝
子体に多彩な病変を形成する疾患であり、病状の進行に
伴い眼球内の異常血管新生と出血により失明に至ること
が知られている。一方、糖尿病患者において眼球内のV
EGFレベルの上昇と眼球内の異常な血管新生との間に
正の相関関係があることが報告されている(New Engl.
J.Med.、第331巻、第1480頁−第1487頁、1
994年)。また、サルの網膜症モデルにおいて抗VE
GF中和モノクローナル抗体の眼内投与によりVEGF
活性を抑制すると血管新生が抑制されること(Arch.Opt
halmol.、第114巻、第66頁−第71頁、1996
年)、マウスの網膜症モデルにおいてVEGFのシグナ
ル伝達阻害剤の投与により網膜血管新生が抑制されるこ
と(Am.J.Pathol.、第156巻、第697頁−第707
頁、2000年)が報告されている。以上より、VEG
F受容体拮抗剤は、糖尿病性網膜症および他の虚血性網
膜症に有効と考えられる。
【0030】慢性関節リウマチ 慢性関節リウマチ患者の血清VEGF値は健常人に比べ
有意に高値であり、病巣局所においてVEGFの産生が
増大していることが報告されており(J.Immunol.、第1
52巻、第4149頁−第4156頁、1994年)、
病態の形成にVEGFが深く関与していることが示唆さ
れている。また、マウスコラーゲン関節炎モデルでは、
抗VEGF抗血清投与による病態改善作用が報告されて
いる(J.Immunol.、第164巻、第5922頁−第59
27頁、2000年)。
【0031】固形腫瘍 VEGFは、悪性腫瘍血管の新生においても重要な役割
を果たしていると考えられている(Biochem.Biophys.Re
s.Commun.、第161巻、第851頁−第858頁、1
989年)。VEGFは、グリオーマ、悪性リンパ腫、
下垂体腺腫、髄膜腫などの脳腫瘍、メラノーマ、大腸
癌、卵巣癌、膵癌、食道癌、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、
カポジ肉腫および肺腺癌等多くの固形悪性腫瘍でその産
生が亢進していることが知られている(Nature、第36
2巻、第841頁−第844頁、1993年、Biochem.
Biophys.Res.Commun.、第183巻、第1167頁−第
1174頁、1992年)。腫瘍細胞から分泌されたV
EGFは、血管内皮細胞に特異的に存在するチロシンキ
ナーゼ型受容体と結合することにより血管内皮細胞を増
殖させ、腫瘍血管新生の誘導による腫瘍の増殖又は転移
に関与していると考えられている(Oncogene、第5巻、
第519頁−第524頁、1990年; Science、第2
55巻、第989頁−第991頁、1992年)。グリ
オブラストーマ、横紋筋肉腫及び平滑筋肉腫のヌードマ
ウス移植モデルにおいて、抗VEGFモノクローナル抗
体の投与によって腫瘍増殖が抑制されることが報告され
ており(Nature、第362巻、第841頁−第844
頁、1993年)、VEGF受容体拮抗剤は、種々の固
形腫瘍に対して抗腫瘍効果を示すことが示唆されてい
る。
【0032】虚血再灌流障害関連の脳浮腫及び損傷 VEGFは、その血管透過性亢進作用による浮腫の発生
に関与すると考えられており、マウス脳虚血モデルにお
いて、マウスVEGF受容体タンパク[mFlt(1−
3)]とIgGの融合タンパクの投与による脳浮腫及び
損傷の抑制が報告されている(J.Clin.Invest.、第10
4巻、第1613頁−第1620頁、1999年)。
【0033】本発明の化合物は、VEGF受容体拮抗
剤、VEGFが関与する疾患の治療薬などの用途に用い
られるときには、経口又は非経口的に投与することがで
きる。その投与剤型は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、粉剤、トローチ剤、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、懸
濁剤、坐剤、注射剤などであり、いずれも慣用の製剤技
術(例えば、第12改正日本薬局方に規定する方法)に
よって製造することができる。これらの投与剤型は、患
者の症状、年齢及び治療の目的に応じて適宜選択するこ
とができる。各種剤型の製剤の製造においては、常用の
賦形剤(例えば、結晶セルロース、デンプン、乳糖、マ
ンニトールなど)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤
(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、
崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ムなど)などを用いることができる。本発明に係る化合
物の投与量は、成人を治療する場合で1日1〜2000
mgであり、これを1日1回又は数回に分けて投与す
る。この投与量は、患者の年齢、体重及び症状によって
適宜増減することができる。
【0034】
【実施例】[実施例1]4−ヒドロキシ安息香酸メチル
エステル 35.5 g 及び2−クロロ−5−ニトロ安息香酸
メチルエステル 50.2 g をN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF) 500 ml に溶解した溶液に無水炭酸カリウ
ム 48.4 g を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応液
に水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩
水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶
媒を減圧下留去して得た粗生成物をメタノールにて再結
晶し、2−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−5
−ニトロ安息香酸メチルエステル(融点:103〜10
5℃)67.7 gを得た(下記反応式(24))。
【0035】
【化19】
【0036】上記反応式(24)で得た化合物 11.6 g
をメタノール 300 ml に懸濁させた混合物に、10%
パラジウム−炭素 1.00 g を加えて水素雰囲気下、室温
にて2時間撹拌した。反応液をろ過して触媒を除去し、
ろ液を減圧下留去して粗生成物を得た。これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
2:3にて溶出)にて精製後、メタノールにて再結晶し
て2−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−5−ア
ミノ安息香酸メチルエステル(融点:144〜146
℃)8.53 gを得た(下記反応式(25))。
【0037】
【化20】
【0038】上記反応式(25)で得た化合物 3.88 g
、3−(4−オクタデシルオキシフェニル)プロピオ
ン酸 5.40 g 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物(HOBt・H2O)2.37 g 及び1−[3−(ジメチ
ルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸
塩 4.95 g の混合物にN,N−ジメチルホルムアミド 1
50 ml を加え、80℃にて7時間撹拌した。反応液に水
を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水に
て洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を
減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶
出)にて精製後、メタノールにて再結晶して化合物1
(融点:93〜95℃) 5.02 gを得た(下記反応式
(26))。
【0039】
【化21】
【0040】[実施例2]3−ヒドロキシ安息香酸メチ
ルエステル 35.3 g 及び2−クロロ−5−ニトロ安息香
酸メチルエステル 50.0 g をN,N−ジメチルホルムア
ミド 400 ml に溶解した溶液に無水炭酸カリウム 48.1
g を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応液に水を加
えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗
浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧
下留去して得た粗生成物をメタノールにて再結晶し、2
−(3−メトキシカルボニルフェノキシ)−5−ニトロ
安息香酸メチルエステル(融点:97〜99℃)75.4 g
を得た(下記反応式(27))。
【0041】
【化22】
【0042】上記反応式(27)で得た化合物 75.1 g
をメタノール 1500 ml に懸濁させた混合物に、10%
パラジウム−炭素 6.53 g を加えて水素雰囲気下、室温
にて6時間撹拌した。反応液をろ過して触媒を除去し、
ろ液を減圧下留去して粗生成物を得た。これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチ
ル=20:1にて溶出)にて精製し、5−アミノ−2−
(3−メトキシカルボニルフェノキシ)安息香酸メチル
エステル(黄色粘性物質) 68.1 gを得た(下記反応式
(28))。
【0043】
【化23】
【0044】上記反応式(28)で得た化合物 2.09 g
、3−(4−オクタデシルオキシフェニル)プロピオ
ン酸 2.90 g 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物 1.06 g 及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 2.01 g の混合
物にN,N−ジメチルホルムアミド 25 ml を加え、8
0℃にて1時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチ
ルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫
酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:酢酸エチル=20:1にて溶出)にて精製
後、メタノールにて再結晶して化合物2(融点:90〜
92℃) 3.45 gを得た(下記反応式(29))。
【0045】
【化24】
【0046】[実施例3]実施例1及び実施例2と同様
の操作により、一般式(30)で表され、R31〜R33
n及びXが表1又は表2に示す構造の化合物3〜化合物
14を得た。これらの化合物の融点も併せて表1又は表
2に示す。
【0047】
【化25】
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】[実施例4]実施例1の反応式(24)と
同様の操作により得られた2−(4−メトキシカルボニ
ルフェニルチオ)−5−ニトロ安息香酸メチルエステル
1.09 g 及び鉄粉1.75 g の混合物にイソプロピルアル
コール 3 ml 及び塩化アンモニウム水溶液(塩化アンモ
ニウム 0.05 g 、水 0.95 ml )を加え、85℃にて1
0分間撹拌した。反応混合物にクロロホルムを加えてセ
ライトにてろ過、引き続きクロロホルムにて洗浄した。
ろ液及び洗液を合わせて飽和食塩水にて洗浄後、無水硫
酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して、
5−アミノ−2−(4−メトキシカルボニルフェニルチ
オ)安息香酸メチルエステル(黄色粘性物質) 0.996g
を得た(下記反応式(31))。
【0051】
【化26】
【0052】実施例1の反応式(26)と同様の操作に
より、上記反応式(31)で得た化合物から化合物15
(融点:115〜117℃)を得た(下記反応式(3
2))。
【0053】
【化27】
【0054】[実施例5]実施例4と同様の操作によ
り、一般式(33)で表され、R34及びR35が表3に示
す構造の化合物16〜化合物18を得た。これらの化合
物の融点も併せて表3に示す。
【0055】
【化28】
【0056】
【表3】
【0057】[実施例6]4−アミノ安息香酸 11.4 g
及び2−フルオロ−5−ニトロ安息香酸 15.4 gをN,
N−ジメチルホルムアミド 500 ml に溶解した溶液に無
水炭酸カリウム 22.9 g 及び銅粉末 0.462 g を加え、
100℃にて1時間、120℃にて3時間、140℃に
て8時間撹拌した。反応液に水及び塩酸を加えて酸性と
し、析出した固体をろ取して粗生成物 20.6 g を得た。
上記粗生成物 20.6 g をN,N−ジメチルホルムアミド
500 ml に溶解した溶液に無水炭酸カリウム 14.1 g 及
びヨウ化メチル 19.3 g を加え、室温にて2時間撹拌し
た。反応液に水を加えて酢酸エチルにて抽出し,有機層
を飽和食塩水にて洗浄して無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した。溶媒を減圧下留去して得られた粗生成物を酢酸
エチルに懸濁後、ろ過して5−ニトロ−2,4′−イミ
ノ二安息香酸ジメチルエステル(融点:205〜206
℃) 13.5 g を得た(下記反応式(34))。
【0058】
【化29】
【0059】実施例1の反応式(25)及び反応式(2
6)と同様の操作により、上記反応式(34)で得た化
合物から化合物19(融点:128〜130℃)を得た
(下記反応式(35))。
【0060】
【化30】
【0061】[実施例7]実施例6と同様の操作によ
り、一般式(36)で表され、R36が表4に示す構造の
化合物20及び化合物21を得た。これらの化合物の融
点も併せて表4に示す。
【0062】
【化31】
【0063】
【表4】
【0064】[実施例8]524 mgの化合物1をN,N−
ジメチルホルムアミド 20 ml に溶解した溶液に油性水
素化ナトリウム(60%) 45 mg 、引き続きヨウ化メ
チル 211 mg を加え、室温にて90分間撹拌した。反応
液に水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食
塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。
溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2に
て溶出)にて精製後、メタノールにて再結晶して化合物
22(融点:60〜62℃)330 mgを得た(下記反応式
(37))。
【0065】
【化32】
【0066】[実施例9]化合物3、化合物10、化合
物14及び化合物19を用いて実施例8と同様の操作を
行い、一般式(38)で表され、R37〜R39、n及びX
が表5に示す構造の化合物23〜化合物26を得た。こ
れらの化合物の融点も併せて表5に示す。
【0067】
【化33】
【0068】
【表5】
【0069】[実施例10]4.17 gの化合物1をエタノ
ール 40 mlに懸濁させた混合物に、水酸化ナトリウム水
溶液(水酸化ナトリウム 2.38 g 、水 40 ml)を加えて
80℃にて3.5時間撹拌した。反応液に5%塩酸を加
えて酸性とし、析出した固体をろ過後、水にて洗浄し
た。得られた固体を50〜70℃にて減圧乾燥し、化合
物27(融点:213〜215℃) 3.64 g を得た(下
記反応式(39))。
【0070】
【化34】
【0071】ここで得られた化合物27の示差熱分析の
結果、95℃にて融解を伴わない吸熱ピークが観察さ
れ、170℃にて融解を伴わない吸熱ピークが観察さ
れ、210℃にて融解に伴う吸熱ピークが観察された。
上記実施例で得られた化合物27の25℃、120℃及
び185℃における粉末X線回折パターンが異なること
から、化合物27には3つの結晶多形が存在することが
確認された。
【0072】[実施例11]6.40 gの化合物2をテトラ
ヒドロフラン(THF) 60 ml 及びエタノール 60mlに
懸濁させた混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化
ナトリウム 3.69 g、水 60 ml)を加えて60℃にて
1.5時間撹拌した。反応液に10%塩酸を加えて酸性
とし、析出した固体をろ過後、水にて洗浄した。得られ
た固体を減圧乾燥し、化合物28(融点:201〜20
5℃) 6.00 g を得た(下記反応式(40))。
【0073】
【化35】
【0074】[実施例12]化合物3〜化合物26を用
いて実施例10及び実施例11と同様の操作を行い、一
般式(41)で表され、R40〜R43、n及びXが表6な
いし表8に示す構造の化合物29〜化合物52を得た。
これらの化合物の融点も併せて表6ないし表8に示す。
【0075】
【化36】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】[実施例13]2−クロロ−5−ニトロ安
息香酸メチルエステル 10.02 g をN,N−ジメチルホ
ルムアミド 100 ml に溶解した溶液に氷冷下、15%メ
チルメルカプタンナトリウム塩水溶液 23.92 g を滴下
し、30分撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルに
て抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗
生成物を酢酸エチル−ヘキサンにて再結晶し、2−メチ
ルチオ−5−ニトロ安息香酸メチルエステル(融点:1
26.5〜127.5℃) 8.76 g を得た(下記反応式
(42))。
【0080】
【化37】
【0081】上記反応式(42)で得た化合物 8.71 g
及び鉄粉 21.41 g の混合物にイソプロピルアルコール
20 ml 及び塩化アンモニウム水溶液(塩化アンモニウム
0.62 g 、水 11.5 ml )を加え、85℃にて10分間
撹拌した。反応混合物にクロロホルムを加えてセライト
にてろ過、引き続きクロロホルムにて洗浄した。ろ液及
び洗液を合わせて飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生
成物を酢酸エチル−ヘキサンにて再結晶し、5−アミノ
−2−メチルチオ安息香酸メチルエステル(融点:96
〜98℃) 7.38 g を得た(下記反応式(43))。
【0082】
【化38】
【0083】上記反応式(43)で得た化合物 2.00 g
、3−(4−オクタデシルオキシフェニル)プロピオ
ン酸 4.24 g 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物 2.06 g 及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 3.89 g の混合
物にN,N−ジメチルホルムアミド 200 ml を加え、8
0℃にて7時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチ
ルにて抽出し、有機層を水及び飽和食塩水にて順次洗浄
して無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下
留去して得た粗生成物をメタノールにて再結晶し、化合
物53(融点:115〜120℃) 3.87 g を得た(下
記反応式(44))。
【0084】
【化39】
【0085】[実施例14]上記反応式(43)で得た
化合物 1.50 g 及び4−オクタデシルオキシフェニル酢
酸 3.08 g をN,N−ジメチルホルムアミド 70 ml に
溶解した溶液に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和
物 1.23 g 及び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 2.92 g を加
え、80℃にて2.5時間撹拌した。反応液を氷水に注
いで析出した固体をろ取して得た粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチ
ル:ヘキサン=8:1:1にて溶出)にて精製後、クロ
ロホルム−メタノールにて再結晶し、化合物54(融
点:121〜123℃)2.59 g を得た(下記反応式
(45))。
【0086】
【化40】
【0087】[実施例15]実施例13と同様の操作に
より、一般式(46)で表され、R44〜R48、n及びX
が、表9ないし表11に示す構造の化合物55〜化合物
89を得た。それらの融点も表9ないし表11に併せて
示す。
【0088】
【化41】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】[実施例16]1.20 g の化合物53を
N,N−ジメチルホルムアミド 50 ml に溶解した溶液
に氷冷下、ヨウ化メチル 250 μl 及び油性水素化ナト
リウム(60%) 120 mgを加えて室温にて2時間撹拌
した。さらにヨウ化メチル 500 μl 及び油性水素化ナ
トリウム(60%) 120 mg を加えて室温にて3.5時
間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルにて抽出
し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル:クロロホルム=1:1:1にて溶出)にて精
製し、化合物90(融点:65.5〜66.5℃) 867
mg を得た(下記反応式(47))。
【0093】
【化42】
【0094】[実施例17]6.60 g の化合物54を
N,N−ジメチルホルムアミド 150 ml に溶解した溶液
にヨウ化メチル 1.5 ml 及び油性水素化ナトリウム(6
0%) 678 mg を加えて室温にて2.5時間撹拌した。
反応液に水を加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽
和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:
1にて溶出)にて精製し、化合物91(融点:60〜6
9℃)5.29 g を得た(下記反応式(48))。
【0095】
【化43】
【0096】[実施例18]それぞれ対応する試薬を用
いて実施例16又は実施例17と同様の操作を行い、化
合物53を原料として、一般式(49)で表され、R49
〜R51、n及びXが表12に示す構造の化合物92〜9
5を得た。また、化合物73、化合物81〜化合物85
を原料として用いて実施例16又は実施例17と同様の
操作を行い、一般式(49)で表され、R49〜R51、n
及びXが表12に示す構造の化合物96〜化合物101
を得た。これらの化合物の融点も表12に併せて示す。
【0097】
【化44】
【0098】
【表12】
【0099】[実施例19]777 mg の化合物95を塩
化メチレン 5 ml に溶解した溶液にトリフルオロ酢酸 5
ml を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を減圧下
留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:酢酸エチル=3:2にて溶出)
にて精製し、化合物102(融点:102〜106℃)
750 mg を得た(下記反応式(50))。
【0100】
【化45】
【0101】[実施例20]200 mg の化合物102を
N,N−ジメチルホルムアミド 1.0 ml に溶解した溶液
に、メチルアミン塩酸塩 60 mg 及びトリエチルアミン
50 mg をN,N−ジメチルホルムアミド 0.5 ml に溶解
した溶液を加え、引き続き1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール水和物 82 mg 及び1−[3−(ジメチルアミ
ノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩 117
mg を加えて室温にて1時間撹拌した。反応液に水を加
えてクロロホルムにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:酢酸エチル=4:1にて溶出)にて精製し、化合物
103(融点:119〜121℃) 135 mg を得た(下
記反応式(51))。
【0102】
【化46】
【0103】[実施例21]900 mg の化合物102を
N,N−ジメチルホルムアミド 25 ml に溶解した溶液
に1,1−ジ(p−アニシル)メチルアミン 351 mg 、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物 278 mg 及
び1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチ
ルカルボジイミド塩酸塩 526 mg を加えて80℃にて5
時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水及び飽和
食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル
=3:1にて溶出)にて精製し、1,1−ジ(p−アニ
シル)メチルアミド化合物(融点:127〜129℃)
808 mg を得た(下記反応式(52))。
【0104】
【化47】
【0105】式(52)で得た化合物 498 mg を塩化メ
チレン 10 ml に溶解した溶液にジメチルスルフィド 1.
3 ml 及びトリフルオロ酢酸 8 ml を加え、室温にて4
時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加えて飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水にて順次洗浄後、無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去し
て得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:酢酸エチル=1:9にて溶出)にて精
製し、化合物104(融点:113〜116℃) 367 m
g を得た(下記反応式(53))。
【0106】
【化48】
【0107】[実施例22]383 mg の化合物65を塩
化メチレン 5 ml に溶解した溶液にトリフルオロ酢酸 5
ml を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液を減圧下
留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=5:1にて溶出)
にて精製後、メタノールにて再結晶して化合物105
(融点:165〜167℃) 302 mg を得た(下記反応
式(54))。
【0108】
【化49】
【0109】[実施例23]800 mg の化合物53を塩
化メチレン 50 ml に懸濁させた混合物にメタクロロ過
安息香酸(mCPBA) 290 mg を加えて室温にて1時
間撹拌した。さらにメタクロロ過安息香酸 33 mg を加
え、室温にて30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加えてクロロホルムにて抽出し、有機
層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下
留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:酢酸エチル=1:1にて溶出)
にて精製し、化合物106(融点:65〜67℃) 697
mg を得た(下記反応式(55))。
【0110】
【化50】
【0111】[実施例24]2−クロロ−5−ニトロ安
息香酸t−ブチルエステルを用いて、実施例13の反応
式(42)で述べた方法と同様の操作を行い、2−メチ
ルチオ−5−ニトロ安息香酸t−ブチルエステル(融
点:112〜113℃)を得た(下記反応式(5
6))。
【0112】
【化51】
【0113】上記反応式(56)で得た化合物を用い
て、実施例13の反応式(43)で述べた方法と同様の
操作を行い、5−アミノ−2−メチルチオ安息香酸t−
ブチルエステル(融点:76〜78℃)を得た(下記反
応式(57))。
【0114】
【化52】
【0115】4−アミノフェノール 15.0 g をN,N−
ジメチルホルムアミド 300 ml に溶解した溶液に無水炭
酸カリウム 28.5 g を加えた後、80℃にて1−ブロモ
オクタデカン 46.0 g を加え、80℃にて3.5時間撹
拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出後、有
機層を飽和食塩水にて洗浄して無水硫酸マグネシウムに
て乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル:クロロホルム=5:1:1〜1:1:1にて溶出)
にて精製後、クロロホルム−メタノールにて再結晶し、
4−オクタデシルオキシアニリン(融点:95〜97
℃) 20.28 g を得た(下記反応式(58))。
【0116】
【化53】
【0117】上記反応式(58)で得た化合物 15.0 g
を塩化メチレン 500 ml に溶解した溶液にトリエチルア
ミン 8.4 g 及び二炭酸ジ−t−ブチル 11.8 g を加
え、室温にて15.5時間撹拌した。反応液を飽和食塩
水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶
媒を減圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:クロロホル
ム=3:1:1にて溶出)にて精製し、N−t−ブトキ
シカルボニル−4−オクタデシルオキシアニリン(融
点:66〜67℃) 12.53 g を得た(下記反応式(5
9))。
【0118】
【化54】
【0119】上記反応式(59)で得た化合物 500 mg
をN,N−ジメチルホルムアミド 3ml に溶解した溶液
に油性水素化ナトリウム(60%) 70 mg を加えて室
温にて10分間撹拌後、ブロモ酢酸エチルエステル 370
mg を加え、室温にて30分間撹拌した。反応液に水を
加えて酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減
圧下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム=
4:1:1にて溶出)にて精製し、N−t−ブトキシカ
ルボニル−N−(4−オクタデシルオキシフェニル)グ
リシンエチルエステル(淡褐色粘性物質)471 mg を得
た(下記反応式(60))。
【0120】
【化55】
【0121】上記反応式(60)で得た化合物 200 mg
をテトラヒドロフラン 2 ml 及びエタノール 2 ml に溶
解した溶液に水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウ
ム 92 mg、水 2 ml)を加え、室温にて30分間撹拌し
た。氷水浴にて冷却しながら、反応液に希塩酸を加えて
酸性とした後、クロロホルムにて抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を減圧下留去して
N−t−ブトキシカルボニル−N−(4−オクタデシル
オキシフェニル)グリシン(融点:89〜92.5℃)
170 mg を得た(下記反応式(61))。
【0122】
【化56】
【0123】上記反応式(57)で得た化合物及び上記
反応式(61)で得た化合物を用いて、実施例13の反
応式(44)又は実施例14と同様の操作を行い、化合
物107(淡黄色粘性物質)を得た(下記反応式(6
2))。
【0124】
【化57】
【0125】[実施例25]3−(4−アミノフェニ
ル)プロピオン酸メチルエステルを用いて、実施例24
の反応式(59)で述べた方法と同様の操作を行い、3
−[4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]
プロピオン酸メチルエステル(融点:72〜73.5
℃)を得た(下記反応式(63))。
【0126】
【化58】
【0127】上記反応式(63)で得た化合物 2.03 g
をN,N−ジメチルホルムアミド 20 ml に溶解した溶
液に油性水素化ナトリウム(60%) 436 mg 及び1−
ブロモオクタデカン 2.67 g を室温にて加え、40℃に
て3.5時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチル
にて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して得た
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル:クロロホルム=4:1:1にて溶
出)にて精製し、3−[4−(N−オクタデシル−t−
ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]プロピオン酸メ
チルエステル(無色粘性物質) 1.59 g を得た(下記反
応式(64))。
【0128】
【化59】
【0129】上記反応式(64)で得た化合物を用い
て、実施例24の反応式(61)で述べた方法と同様の
操作を行い、3−[4−(N−オクタデシル−t−ブト
キシカルボニルアミノ)フェニル]プロピオン酸(融
点:46〜48℃)を得た(下記反応式(65))。
【0130】
【化60】
【0131】実施例24の反応式(57)で得た化合物
及び上記反応式(65)で得た化合物を用いて、実施例
13の反応式(44)又は実施例14と同様の操作を行
い、化合物108(淡黄色粘性物質)を得た(下記反応
式(66))。
【0132】
【化61】
【0133】[実施例26]1.69 g の化合物100を
テトラヒドロフラン 15 ml 及びメタノール 5 ml に溶
解した溶液に4M塩酸 2 ml を加え、50℃にて22.
5時間撹拌した。反応液に水を加えてクロロホルムにて
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗
浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧
下留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム=1:
2:2、1:3:1及びヘキサン:酢酸エチル=1:4
にて順次溶出)にて精製し、化合物109(融点:9
2.5〜94℃) 1.27 g を得た(下記反応式(6
7))。
【0134】
【化62】
【0135】[実施例27]化合物101、化合物84
及び化合物85を用いて、実施例26と同様の操作を行
い、一般式(68)で表され、R52及びmが表13に示
す構造の化合物110〜化合物112を得た。これらの
化合物の融点も併せて表13に示す。
【0136】
【化63】
【0137】
【表13】
【0138】[実施例28]850 mg の化合物90をテ
トラヒドロフラン 10 ml 及びエタノール 10 ml に溶解
した溶液に水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム
577 mg 、水 10 ml)を加え、50℃にて45分撹拌し
た。反応液に希塩酸を加えて酸性とし、析出した固体を
ろ過、引き続き水及びエタノールにて順次洗浄した。得
られた固体を減圧乾燥し、化合物113(融点:106
〜108℃) 770 mg を得た(下記反応式(69))。
【0139】
【化64】
【0140】[実施例29] 1)5.27 g の化合物91をテトラヒドロフラン 50 ml
及びエタノール 50 mlに溶解した溶液に水酸化ナトリウ
ム水溶液(水酸化ナトリウム 3.52 g 、水 50ml )を加
え、50℃にて1.5時間撹拌した。反応液に10%塩
酸を加えて酸性とし、析出した固体をろ過して水にて洗
浄した。得られた固体を減圧乾燥し、化合物114(融
点:104〜106℃) 4.93 g を得た。 2)254 mg の化合物91をテトラヒドロフラン 3 ml
及びエタノール 3 ml に溶解した溶液に水酸化ナトリウ
ム水溶液(水酸化ナトリウム 190 mg 、水 3 ml)を加
え、50℃にて5時間撹拌した。反応液に希塩酸を加え
て酸性とした後、クロロホルムにて抽出し、有機層を無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去し
て得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=20:1にて溶出)にて
精製し、化合物114(融点:49〜51℃) 185 mg
を得た(下記反応式(70))。
【0141】
【化65】
【0142】[実施例30]化合物53〜化合物64、
化合物66〜化合物83、化合物86〜化合物89、化
合物92〜化合物94、化合物96〜化合物99、化合
物102〜化合物106及び化合物109〜化合物11
0を用いて実施例28及び実施例29と同様の操作を行
い、一般式(71)で表され、R53〜R58、n及びXが
表14ないし表17に示す構造の化合物115〜化合物
162を得た。これらの化合物の融点も併せて表14な
いし表17に示す。
【0143】
【化66】
【0144】
【表14】
【0145】
【表15】
【0146】
【表16】
【0147】
【表17】
【0148】[実施例31]600 mg の化合物107を
塩化メチレン 4 ml に溶解した溶液にトリフルオロ酢酸
2 ml を加え、室温にて3.5時間撹拌した。溶媒を減
圧下留去した後、減圧乾燥して化合物163(融点:1
63.5〜169.5℃) 548 mg を得た。(下記反応
式(72))。
【0149】
【化67】
【0150】[実施例32]化合物108を用いて、実
施例31と同様の操作を行い、化合物164(融点:1
51〜158℃)を得た。(下記反応式(73))。
【0151】
【化68】
【0152】[実施例33]実施例24、実施例25、
実施例16及び実施例17と同様の操作により得た化合
物を用いて、実施例31と同様の操作を行い、一般式
(74)で表され、R 59及びqが表18に示す構造の化
合物165〜化合物168を得た。これらの化合物のエ
レクトロスプレイイオン化質量スペクトル(ESIM
S)のm/z値及びシリカゲル薄層クロマトグラフィー
(メルク社製;TLCプレートシリカゲル60F
254(0.25mm)、展開溶媒;クロロホルム:メタ
ノール=10:1)におけるRf値も併せて表18に示
す。
【0153】
【化69】
【0154】
【表18】
【0155】[試験例1]文献(Cell Growth & Differ
entiation、第7巻、第213頁-第221頁、1996年)記載の
方法に準拠し、以下の試験を行った。Flt-1を強制発現
させたNIH3T3細胞(7×104個/well)を24ウェルコラ
ーゲンコートプレートに播種し、10%子牛血清及び2
00μg/ml Geneticin G418を含むDulbecco's modified
Eagle's medium (DMEM)中、5%炭酸ガス雰囲気下、
37℃にて24時間培養した。その細胞を緩衝液A[DM
EM中に10mM HEPES( N-2-hydroxyethylpiperazine-N′-2
-ethanesulfonic acid)と0.1% BSA(bovine serum album
in)を含む]中、4℃にて30分間プレインキュベート
した。その後、培地を緩衝液B(DMEM中に10mM HEPESと
0.5 % BSAを含む)に交換し、表19に示す各々の試験
化合物をジメチルスルホキシドに溶解後緩衝液Bで所定
の濃度に希釈して調製した試験液と[125I]-VEGF
(最終濃度を25pMにする)を添加し、4℃にて90分間
結合反応を行わせた。反応終了後、細胞を氷冷した緩衝
液Aにて3回洗浄した。引き続き、各ウェルに 0.5M Na
OH 0.5mlを加え、室温にて30分かけて細胞を融解し
た。各ウェルの細胞融解物の放射活性をガンマカウンタ
ーにて測定して[125I]-VEGFの総結合量を算出し
た。[125I]-VEGFの非特異的結合を、10nMの非標識
VEGF共存下での競合アッセイ(competition assa
y)により測定し、[125I]-VEGFの総結合量との差
から[125I]-VEGFの特異的結合量を算出した。試験
化合物の結合阻害率を次の式により計算した。
【0156】
【化70】
【0157】
【表19】
【0158】[試験例2]KDRを強制発現させたNIH3T3
細胞を用いて、表20および表21に示す各試験化合物
について、上記試験例1と同様の方法にて試験を実施し
た。その結果を表20および表21に示す。
【0159】
【表20】
【0160】
【表21】
【0161】
【発明の効果】本発明の化合物は、VEGF依存性の血
管内皮細胞増殖を阻害することによって血管新生を阻害
したり、VEGFによる血管透過性亢進を抑制すると考
えられる。したがって、本発明の化合物は、糖尿病性網
膜症、慢性関節リウマチ、固形腫瘍などのVEGFによ
って誘導される血管新生が関与する疾患の治療剤として
期待される。また、本発明の化合物には、虚血再灌流障
害時の脳浮腫などのVEGFによって誘導される血管透
過性亢進が関与する病的症状の抑制効果が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 5/14 A61P 5/14 9/00 9/00 9/10 9/10 11/00 11/00 13/12 13/12 17/00 17/00 17/06 17/06 19/02 19/02 25/28 25/28 27/02 27/02 27/06 27/06 29/00 29/00 101 101 35/00 35/00 37/04 37/04 43/00 111 43/00 111 C07C 317/50 C07C 317/50 323/63 323/63 C07D 213/80 C07D 213/80 (72)発明者 高山 哲男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 佐藤 正和 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 山岸 武弘 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 渋谷 正史 埼玉県川口市芝5374−18−601

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 {式(1)中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基であ
    り、 R2は水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキ
    ルC1-3アルキル基、フェニルC1-3アルキル基、CH2
    CO25(ここで、R5は水素原子又はC1-6アルキル基
    である。)又はCH2CON(R6)R7(ここで、R6
    びR7はそれぞれ水素原子又はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 R3はC8-25アルキル基、(CH2pCO211(ここ
    で、pは1〜20の整数、R11は水素原子又はC1-6
    ルキル基である。)又は(CH23CONHCH
    (R12)CONHR13[ここで、R12は水素原子又はC
    2CO214(ここで、R14は水素原子又はC1-6アル
    キル基である。)で表される基であり、R13はC1 -20
    ルキル基である。]で表される基であり、 R4は水素原子、OR9又はCO210(ここで、R9及び
    10はそれぞれ水素原子又はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 AはS(O)q15[ここで、qは0、1又は2であ
    り、R15はC1-6アルキル基、フェニルC1-3アルキル基
    又は(CH2mOR16(ここで、mは2又は3であり、
    16は水素原子又はメトキシメチル基である。)で表さ
    れる基である。]で表される基、下記式(2) 【化2】 [式中、R17は水素原子、CO219、CH2CO
    220、CH2CH2CO221又はCH=CHCO222
    (ここで、R19、R20、R21及びR22はそれぞれ水素原
    子又はC1-6アルキル基である。)で表される基であ
    り、R18は水素原子又はCO223(ここで、R23は水
    素原子又はC1-6アルキル基である。)で表される基で
    あり、Y´はO、S又はNR24(ここで、R24は水素原
    子又はC1-6アルキル基である。)であり、ZはCH又
    はNである。]で表される基、又は下記式(3) 【化3】 [式中、R25は水素原子又はCO226(ここで、R26
    は水素原子又はC1-6アルキル基である。)で表される
    基である。]で表される基であり、 XはO、単結合、CH=CH又はNR27(ここで、R27
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 YはO、CONH、NHCO又はNR28(ここで、R28
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 nは0〜15の整数である(但し、XがCH=CHでな
    いとき、nは0でない。)。}で表されるアミノ安息香
    酸誘導体又はその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 式(1)において、Aが、式(2)(式
    中、R17、R18、Y´及びZは前記と同意義である。)
    又は式(3)(式中、R25は前記と同意義である。)で
    表される基であり、YがO、CONH又はNR28(R28
    は前記と同意義である。)で表される基である請求項1
    記載のアミノ安息香酸誘導体又はその医薬上許容される
    塩。
  3. 【請求項3】 上記式(1)が下記式(4)で示され、 【化4】 式(4)において、R1が水素原子又はC1-6アルキル基
    であり、R2が水素原子又はC1-6アルキル基であり、R
    3がC8-25アルキル基であり、R4が水素原子であり、A
    が式(2)(式中、R17、R18、Y´及びZは前記と同
    意義である。)又は式(3)(式中、R25は前記と同意
    義である。)で表される基であり、 XがO又は単結合であり、YがOであり、nが1〜11
    の整数である請求項2記載のアミノ安息香酸誘導体又は
    その医薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】 式(4)において、Aが下記式(5) 【化5】 (式中、R17、R18及びY´は前記と同意義である)で
    表される基である請求項3記載のアミノ安息香酸誘導体
    又はその医薬上許容される塩。
  5. 【請求項5】 式(5)において、R17がCO2
    19(ここで、R19は水素原子又はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、R18が水素原子である請求
    項4記載のアミノ安息香酸誘導体又はその医薬上許容さ
    れる塩。
  6. 【請求項6】 式(4)において、R3がC14-22アルキ
    ル基である請求項5記載のアミノ安息香酸誘導体又はそ
    の医薬上許容される塩。
  7. 【請求項7】 式(4)が下記式(6)で示され、 【化6】 式(6)において、R1が水素原子又はC1-6アルキル基
    であり、R2が水素原子又はC1-6アルキル基であり、R
    3がC18アルキル基であり、R4が水素原子であり、Aが
    下記式(5) 【化7】 [式中、R17はCO219(ここで、R19は水素原子又
    はC1-6アルキル基である。)で表される基であり、R
    18は水素原子であり、Y´はO、S又はNR24(ここ
    で、R24は水素原子又はC1-6アルキル基である。)で
    表される基である。]で表される基であり、XがO又は
    単結合であり、YがOであり、nが1〜11の整数であ
    る請求項3記載のアミノ安息香酸誘導体又はその医薬上
    許容される塩。
  8. 【請求項8】 式(6)において、Xが単結合であり、
    nが2である請求項7記載のアミノ安息香酸誘導体又は
    その医薬上許容される塩。
  9. 【請求項9】 式(1)において、AがS(O)q15
    (ここで、q及びR1 5は前記と同意義である。)で表さ
    れる基である請求項1記載のアミノ安息香酸誘導体又は
    その医薬上許容される塩。
  10. 【請求項10】 式(1)が下記式(4)で示され、 【化8】 式(4)において、R1が水素原子又はC1-6アルキル基
    であり、R2が水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シク
    ロアルキルC1-3アルキル基、フェニルC1-3アルキル
    基、CH2CO25(ここで、R5は水素原子又はC1-6
    アルキル基である。)で表される基又はCH2CON
    (R6)R7(ここで、R6及びR7はそれぞれ水素原子又
    はC1-6アルキル基である。)で表される基であり、 R3がC8-25アルキル基、(CH2pCO211(ここ
    で、pは1〜20の整数、R11は水素原子又はC1-6
    ルキル基である。)で表される基又は(CH23CON
    HCH(R12)CONHR13[ここで、R12は水素原子
    又はCH2CO2 14(ここで、R14は水素原子又はC
    1-6アルキル基である。)で表される基であり、R13
    1-20アルキル基である。]で表される基であり、 R4が水素原子、OR9又はCO210(ここで、R9及び
    10はそれぞれ水素原子又はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 AがSR15(ここで、R15はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 XがO、単結合、CH=CH又はNR27(ここで、R27
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 YがO、CONH、NHCO又はNR28(ここで、R28
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 nが0〜15の整数(但し、XがCH=CHでないと
    き、nは0でない。)である請求項9記載のアミノ安息
    香酸誘導体又はその医薬上許容される塩。
  11. 【請求項11】 式(4)において、R3がC14-22アル
    キル基である請求項10記載のアミノ安息香酸誘導体又
    はその医薬上許容される塩。
  12. 【請求項12】 式(4)が下記式(6)で示され、 【化9】 式(6)において、R1が水素原子又はC1-6アルキル基
    であり、R2が水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シク
    ロアルキルC1-3アルキル基、フェニルC1-3アルキル
    基、CH2CO25(ここで、R5は水素原子又はC1-6
    アルキル基である。)で表される基又はCH2CON
    (R6)R7(ここで、R6及びR7はそれぞれ水素原子又
    はC1-6アルキル基である。)で表される基であり、 R3がC18アルキル基であり、 R4が水素原子、OR9又はCO210(ここで、R9及び
    10はそれぞれ水素原子又はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 AがSR15(ここで、R15はC1-6アルキル基であ
    る。)で表される基であり、 XがO、単結合、CH=CH又はNR27(ここで、R27
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 YがO、CONH、NHCO又はNR28(ここで、R28
    は水素原子又はt−ブトキシカルボニル基である。)で
    表される基であり、 nが0〜15の整数(但し、XがCH=CHでないと
    き、nは0でない。)である請求項9記載のアミノ安息
    香酸誘導体又はその医薬上許容される塩。
  13. 【請求項13】 式(6)において、R2が水素原子又
    はC1-6アルキル基であり、R4が水素原子であり、Xが
    単結合であり、YがOであり、nが1又は2である請求
    項12記載のアミノ安息香酸誘導体又はその医薬上許容
    される塩。
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