JP2001064308A - 高分子ラジカル重合開始剤、その製造方法およびそれを用いて得られるグラフトポリマー - Google Patents

高分子ラジカル重合開始剤、その製造方法およびそれを用いて得られるグラフトポリマー

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JP2001064308A
JP2001064308A JP24205299A JP24205299A JP2001064308A JP 2001064308 A JP2001064308 A JP 2001064308A JP 24205299 A JP24205299 A JP 24205299A JP 24205299 A JP24205299 A JP 24205299A JP 2001064308 A JP2001064308 A JP 2001064308A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なラジカル重合開始剤を提供し、安定な
グラフトポリマーを高純度で生成する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 ……(1) (式中、Rは未置換または環に置換基を有するフェニ
レン基、Rは水素、炭素数4〜8の第三級アルキル
基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、またはR
C(O)−基であり、ここでRは炭素数1〜10の直
鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル
基、あるいは未置換または環に置換基を有するシクロア
ルキル基を表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択さ
れる炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
はRとRが連結した炭素数が4〜10の環式構造で
ある。ただし、環式構造の場合には、未置換または、ア
ルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイル
オキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基により置換され
たものである)のアルコキシアミンペンダント基含有高
分子ラジカル重合開始剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラジカル重合性単量
体を重合してなる高分子量体であって、その高分子の分
子主鎖中に特定構造のアルコキシアミン基が懸垂(ペン
ダント)している高分子ラジカル重合開始剤およびその
製造方法、さらにはその高分子ラジカル重合開始剤を用
いて得られるグラフトポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】アルコキシアミン基を分子内に有する高
分子ラジカル重合開始剤を用い、かつ安定フリーラジカ
ルが関与するラジカル重合によりグラフトポリマーを得
る方法については既に知られており、例えば特開昭60
−89452号公報、特開平10−60064号公報、
特開平11−171946号公報、Angew. Chem. Int.E
d. Engl., 34, 1456 (1995)、Angew. Chem. Int. Ed. E
ngl., 36, 270 (1997)およびMacromolecules, 31, 4396
(1998)にその技術の開示がある。
【0003】これら従来技術において、アルコキシアミ
ン基を分子内に有する高分子ラジカル重合開始剤を得る
方法は、2種類に大別できる。このうちの1種の方法
は、予め高分子量化合物を合成した後、ラジカル反応あ
るいはイオン反応によってこの分子内にアルコキシアミ
ン基を導入し、高分子ラジカル重合開始剤を得る方法
(以下、「手法I」とする)である。そして、もう1種
の方法は、同一分子内にラジカル重合性ビニル基および
アルコキシアミン基の両基を有する化合物(以下、「ビ
ニル基を有するアルコキシアミン」とする)を合成によ
って得た後、該単量体を他の単量体と共重合させること
により高分子化して、アルコキシアミン基を分子内に有
する高分子ラジカル重合開始剤を得る方法(以下、「手
法II」とする)である。従来技術においては、上記2
法のいずれかの方法により該高分子ラジカル重合開始剤
を得た後、これを用いてグラフトポリマーを合成してい
る。
【0004】上記の特開昭60−89452号公報、特
開平10−60064号公報、特開平11−17194
6号公報およびAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 36, 270
(1997)では、高分子ラジカル重合開始剤を前記の「手
法I」によって得ている。
【0005】即ち、特開昭60−89452号公報に記
載の方法では、予め一般構造を有する高分子量体(ポリ
ブタジエンまたはポリイソブチルメタクリレート)を合
成し、ニトロキシド存在下における水素原子の引き抜き
により前記高分子量体中に発生させたラジカルと、系中
に存在するニトロキシドとを反応させることによって、
分子内にアルコキシアミンのペンダント基を有する高分
子ラジカル重合開始剤を得ている。
【0006】また、特開平10−60064号公報に記
載の方法では、光照射により高分子量体分子中に発生さ
せたラジカルと、系中に存在するニトロキシドとを反応
させることにより、分子内にアルコキシアミン基を有す
る高分子ラジカル重合開始剤を得ている。
【0007】また、特開平11−171946号公報に
記載の方法では、ポリエチレンをオゾン処理することに
より、または分子内にペルオキシド基を有する単量体と
他の単量体を共重合することにより、高分子量体中にペ
ルオキシド基を導入した後に該ペルオキシド基を熱的に
開裂させ、発生したラジカルと系中に存在する単量体と
ニトロキシドとを反応させることによって、分子内にア
ルコキシアミンのペンダント基を有する高分子ラジカル
重合開始剤を得ている。
【0008】また、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36,
270 (1997)では、スチレンとクロルメチルスチレンと
を共重合することによって得た高分子量体中に存在する
ベンジルクロリド基と、分子内に水酸基を有するアルコ
キシアミンとを反応させることにより、高分子量体分子
内にアルコキシアミンのペンダント基を有する高分子ラ
ジカル重合開始剤を得ている。
【0009】一方、上記の特開昭60−89452号公
報、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.,34, 1456 (1995)、
およびMacromolecules, 31, 4396 (1998)では、高分子
ラジカル重合開始剤を前記の「手法II」によって得て
いる。
【0010】即ち、特開昭60−89452号公報に記
載の方法では、分子内に水酸基を有するアゾ系化合物を
熱分解して発生する炭素中心ラジカルと、ニトロキシド
とを反応させることにより、一旦、水酸基を有するアル
コキシアミンを得る。しかる後に、該水酸基を(メタ)ア
クリル酸クロライドとエステル化してビニル基を有する
アルコキシアミンを得、これを他の単量体と共重合させ
ることによって、オリゴマーの(分子量5000以下の
低分子量体である)ラジカル重合開始剤を得ている。
【0011】また、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 34,
1456 (1995)では、予めクロロメチルスチレンと水酸基
を有するアルコキシアミンとを反応させてビニル基を有
するアルコキシアミンを得た後、スチレンと共重合させ
ることにより、ポリスチレンを主鎖とする高分子ラジカ
ル重合開始剤を得ている。
【0012】さらに、Macromolecules, 31, 4396 (199
8)では、非共役ビニル基を有する化合物と、水酸基を有
するアルコキシアミンとを反応させて非共役ビニル基を
有するアルコキシアミンを得た後に、プロピレンもしく
は2−メチルペンテンとをメタロセン触媒を用いて共重
合させることにより、ポリスチレンを主鎖とする高分子
ラジカル重合開始剤を得ている。
【0013】尚、上記Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 3
4, 1456 (1995)およびMacromolecules, 31, 4396 (199
8)に記載の水酸基を有するアルコキシアミンは、ニトロ
キシド化合物およびスチレン単量体の存在下、過酸化ベ
ンゾイルを熱分解し、得られた生成物を加水分解するこ
とにより得ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来技術に開示されている高分子ラジカル重合開始剤
と、これらを用いて合成されたグラフトポリマーには次
のような問題があった。
【0015】即ち、特開昭60−89452号公報に記
載される高分子量体からの水素引き抜き反応、特開平1
0−60064号公報に記載される高分子量体への光反
応、特開平11−171946号公報に記載される高分
子量体中のペルオキシド基の開裂、およびAngew. Chem.
Int. Ed. Engl., 36, 270 (1997)に記載される高分子
量体中の活性部位との反応など、「手法I」に分類され
る高分子量体を出発原料とした反応によって高分子ラジ
カル重合開始剤を得る方法では、反応に用いられる高分
子量体が、それぞれ、選択的にかつ容易に引き抜かれる
水素原子を有する高分子量体でなければならない、光照
射あるいは熱処理によって開裂してラジカルを生成し得
る高分子量体でなければならない、水酸基と反応する活
性部位を有する高分子量体でなければならない、などと
いった特定の条件を満足する必要があり実用的でなかっ
た。
【0016】加えて、上記の方法において効率良くニト
ロキシドを高分子量体中に導入するためには、高分子量
体分子上に発生するラジカルに対し過剰のニトロキシド
を系中に存在させる必要があり、経済的に不利であると
同時に、反応に関与しなかった余分なニトロキシドを高
分子ラジカル重合開始剤から取り除く工程が必要とな
る。さらに、高分子量体を出発原料として反応に供する
ために反応の制御が容易でない、光照射装置などの特別
な設備を必要とする、溶媒を用いる必要がある、などと
いった工業的に不利となる問題点が多く、この点からも
実用的な方法ではなかった。
【0017】一方、「手法II」は、高分子ラジカル重
合開始剤を得る方法としては比較的優れている。しかし
ながら、従来の技術には次のような問題点があった。
【0018】即ち、特開昭60−89452号公報に記
載される方法では、前述のとおり、エステル化反応によ
り合成されたビニル基を有するアルコキシアミンを用い
てオリゴマー状ラジカル重合開始剤、さらにはグラフト
オリゴマーを得ている。そのため、グラフトポリマーの
幹ポリマーと枝ポリマーがエステル結合によって結合し
た構造となっている。当然のことながら、この結合はイ
オン反応に対して弱いため、オリゴマー状ラジカル重合
開始剤からアルコキシアミン基が脱離しやすく、また一
旦グラフトポリマーが得られたとしても、容易に枝ポリ
マーが脱離してしまうため、グラフトポリマーとしての
物性を発現できないという問題があった。また、この構
造的欠陥ゆえに、該グラフトポリマーから得られる塗膜
は耐水性、耐酸性雨性、耐侯性などが乏しいことが予想
される。
【0019】さらに、特開昭60−89452号公報に
記載の発明は、特にオリゴマーを得ることを目的として
おり、分子量、特に枝ポリマーの分子量が極めて小さい
グラフトポリマーしか得られておらず、枝ポリマー部分
の特性が十分に発現されないものであった。即ち、得ら
れたグラフトポリマーを2種以上の高分子量体からなる
混合物の相溶化剤、乳化剤、分離安定剤などとして添加
して用いた際に十分な効果を有していないという問題が
あった。
【0020】同様に、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 3
4, 1456 (1995) に記載の方法では、得られるグラフト
ポリマーは、幹ポリマーと枝ポリマーに結合している部
分にラジカル反応に対して非常に活性な酸素原子に結合
したベンジル位水素を有するので、例えば、空気中の酸
素ラジカルによって徐々にそのベンジル位水素が引き抜
かれることにより分解劣化し、幹ポリマーから枝ポリマ
ーが脱離してしまう可能性が高いという潜在的な構造的
欠陥を有している。また、該高分子ラジカル重合開始剤
を用いて得られたグラフト重合体については、分岐した
スチレンホモポリマーを得る反応に関する記載はある
が、2種以上の単量体からなるグラフトコポリマーの合
成に関してはなんら具体的な記述がない。分岐状のホモ
ポリスチレンは、前記の相溶化剤、乳化剤、分離安定剤
などとしての効果を奏さない。
【0021】また、Macromolecules, 31, 4396 (1998)
に記載されるビニル基を有するアルコキシアミンは、脂
肪族末端オレフィン化合物から誘導された非共役ビニル
基を有する化合物であるため、工業的に実施が容易なラ
ジカル共重合によって高分子ラジカル重合開始剤を得よ
うとした場合、共重合可能な単量体の種類に制約があっ
た。即ち、(メタ)アクリル酸誘導体単量体およびスチ
レンなどの共役系ビニル基を有する単量体からなる高分
子主鎖を有する高分子ラジカル重合開始剤を得ることが
困難であるという問題があった。
【0022】加えて、上記のAngew. Chem. Int. Ed. En
gl., 34, 1456 (1995)およびMacromolecules, 31, 4396
(1998)に記載の方法においては、何れも高分子ラジカ
ル重合開始剤を合成するためのビニル基を有するアルコ
キシアミンを得るために少なくとも3段階以上の反応を
必要としている点で非常に煩雑であり、コスト面で極め
て不利であり実用的とはいえなかった。
【0023】以上のような状況に鑑み、本発明は、グラ
フトポリマー合成用として有用で、かつ分子主鎖とアル
コキシアミン基とが炭素−炭素結合によって結合した高
分子ラジカル重合開始剤を簡便な反応により得る方法お
よびその高分子ラジカル重合開始剤を提供すること、ま
た該高分子ラジカル重合開始剤を用い、イオン反応およ
びラジカル反応に対して安定であって、実質的に枝ポリ
マーを構成する単量体のホモポリマーの生成を伴わない
高純度なグラフトポリマーを提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
法の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、工業的に入
手可能でかつ安価な原料を用い、かつ1段の簡便な方法
により得られた特定のビニル基を有するアルコキシアミ
ンを用いて高分子ラジカル重合開始剤を得ることができ
ることを見出し、さらに該高分子ラジカル重合開始剤の
分子主鎖とアルコキシアミン基の間の結合および該高分
子ラジカル重合開始剤を用いた重合により、幹ポリマー
と枝ポリマーが安定な炭素−炭素結合により結合し、そ
の枝ポリマーの分子量が均一で狭い多分散性を有し、か
つホモポリマー含有量の極めて低い高純度なグラフトポ
リマーが得られるとの知見を得て本発明を完成した。
【0025】即ち、本出願における第1の発明は、ラジ
カル重合性単量体を重合してなる高分子量体であって、
その主鎖から下記一般式(1)
【化3】 ……(1) (式中、Rは未置換または環に置換基を有するフェニ
レン基、Rは水素、炭素数4〜8の第三級アルキル
基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、またはR
C(O)−基であり、ここでRは炭素数1〜10の直
鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル
基、あるいは未置換または環に置換基を有するシクロア
ルキル基を表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択さ
れる炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
はRとRが連結した炭素数が4〜10の環式構造で
ある。ただし、環式構造の場合には、未置換または、ア
ルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイル
オキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基により置換され
たものである。)で表されるアルコキシアミン基が懸垂
している高分子ラジカル重合開始剤である。
【0026】本出願における第2の発明は、同一分子内
にラジカル重合性ビニル基およびアルコキシアミン基の
両基を有する下記一般式(2)
【化4】 ……(2) (式中、Rは未置換または環に置換基を有するフェニ
レン基、Rは水素、炭素数4〜8の第三級アルキル
基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、またはR
C(O)−基であり、ここでRは炭素数1〜10の直
鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル
基、あるいは未置換または環に置換基を有するシクロア
ルキル基を表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択さ
れる炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
はRとRが連結した炭素数が4〜10の環式構造で
ある。ただし、環式構造の場合には、未置換または、ア
ルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイル
オキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基により置換され
たものである。また、R10は水素またはメチル基を示
す。)で表される化合物(A)と、ラジカル重合性単量
体(B1)と、ラジカル重合開始剤(C)とを含む混合
物を、前記ラジカル重合開始剤(C)が分解し、かつ前
記化合物(A)が分解しない温度領域で加熱することを
特徴とする、請求項1に記載の高分子ラジカル重合開始
剤の製造方法である。
【0027】本出願における第3の発明は、第1の発明
に記載の高分子ラジカル重合開始剤およびラジカル重合
性単量体(B2)を100〜180℃の範囲において加
熱することにより得られるグラフトポリマーである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態に
ついて詳細に説明する。
【0029】本発明の高分子ラジカル重合開始剤は、一
般式(1)で示されるアルコキシアミン基が分子主鎖に
懸垂した高分子化合物である。一般式(1)において、
は未置換または環に置換基を有するフェニレン基、
は水素、炭素数4〜8の第三級アルキル基、ベンゾ
イル基、メチルベンゾイル基、またはROC(O)−
基であり、ここでRは炭素数1〜10の直鎖もしくは
分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル基、あるい
は未置換または環に置換基を有するシクロアルキル基を
表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択される炭素数
1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはRとR
が連結した炭素数が4〜10の環式構造である。ただ
し、環式構造の場合には、未置換または、アルキル基、
ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイルオキシ基、
メトキシ基もしくはオキソ基により置換されたものであ
る。
【0030】本発明において、高分子ラジカル重合開始
剤の分子量は、グラフトポリマーに対する要求特性に応
じて適宜決定することができるが、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィ(以下GPCという)により測定さ
れるスチレン換算分子量において、数平均分子量が30
00〜50万の範囲であることが好ましく、さらに50
00から40万の範囲であることがより好ましい。高分
子ラジカル重合開始剤の分子量が3000未満である
と、グラフトポリマーにした場合に幹ポリマーの物性が
十分発現できなくなる傾向にあり、一方、分子量が50
万を越えると溶融状態あるいは溶液状態での高分子ラジ
カル重合開始剤の粘度が高くなり、この開始剤製造時お
よびグラフトポリマー製造時の作業性が悪くなる傾向に
あるので好ましくない。
【0031】さらに、本発明の高分子ラジカル重合開始
剤一分子当たりに懸垂したアルコキシアミンペンダント
基の平均個数は、3〜200個の範囲内であることが好
ましく、さらに5〜100個の範囲にあることが好まし
い。アルコキシアミン基の個数が1個または2個の場合で
あっても、枝ポリマーの分子量を十分に大きくすること
によって、グラフトポリマーとしての効果発現は可能で
あるが、アルコキシアミン基の平均個数が3より少ない
場合には、アルコキシアミン基を分子内に有さない高分
子量体が生成しやすくなるうえ、グラフトポリマーにし
た場合に枝ポリマーの物性が十分発現できなくなる傾向
にあるので好ましくない。一方、平均個数が200個よ
りも多いと、幹ポリマーの物性が十分発現できなくなる
傾向にあるので好ましくない。
【0032】上記のような高分子ラジカル重合開始剤
は、次のようにして得ることができる。即ち、同一分子
内にラジカル重合性ビニル基とアルコキシアミン基の両
基を有する一般式(2)で示される化合物(A)(以
下、化合物Aと記す)とラジカル重合性単量体(B1)
とラジカル重合開始剤(C)からなる混合物を、ラジカ
ル重合開始剤(C)が分解し前記化合物(A)が分解し
ない温度領域で加熱する(以下、第一段目重合と記
す)。一般式(2)においては、Rは未置換または環
に置換基を有するフェニレン基、Rは水素、炭素数4
〜8の第三級アルキル基、ベンゾイル基、メチルベンゾ
イル基、またはROC(O)−基であり、ここでR
は炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
はアルコキシアルキル基、あるいは未置換または環に置
換基を有するシクロアルキル基を表わす。R〜R
それぞれ独立に選択される炭素数1〜4の直鎖もしくは
分岐のアルキル基またはRとRが連結した炭素数が
4〜10の環式構造である。ただし、環式構造の場合に
は、未置換または、アルキル基、ヒドロキシ基、アセト
キシル基、ベンゾイルオキシ基、メトキシ基もしくはオ
キソ基により置換されたものである。また、R10は水
素またはメチル基である。
【0033】一般式(2)で示される化合物(A)の具
体的な例としては、2−(2’,2’,6’,6’−テ
トラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−2−(4’
−ビニルフェニル)エタノール、2−(4’−ヒドロキ
シ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−2−(3’−ビニルフェニル)エ
タノール、2−t−ブトキシ−1−(2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−t−
ブトキシ−1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタン、2−t−
ブトキシ−1−(4’−アセトキシ−2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(3’−ビニルフェニル)エタン、2−t−
ブトキシ−1−(1’,1’,3’,3’−テトラメチ
ル−2’,3’−ジヒドロ−1’H−2−イソインドリ
ルオキシ)−1−(4’−イソプロペニルフェニル)エ
タン、2−ベンゾイルオキシ−1−(2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−
(4’−メチルベンゾイルオキシ)−1−(2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−
イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−(2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−
イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−(4’−ヒ
ドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−
1’−ピペリジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェ
ニル)エタン、2−(2’−エトキシエチルオキシカル
ボニルオキシ)−1−(4’−メトキシ−2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−シク
ロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−(4’−メチ
ル−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピ
ペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)エ
タン、2−(2’−エチルヘキシルオキシカルボニルオ
キシ)−1−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル
−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフ
ェニル)エタン、2−(4’−t−ブチルシクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシ)−1−(2’,2’,
6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキ
シ)−1−(4’−ビニルフェニル)エタン、2−イソ
プロピルオキシカルボニルオキシ−1−(4’−ベンゾ
イルオキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−
1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェ
ニル)エタン、2−イソプロピルオキシカルボニルオキ
シ−1−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−
1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’−イソプロペ
ニルフェニル)エタン、2−イソプロピルオキシカルボ
ニルオキシ−1−(2’,2’,5’,5’−テトラメ
チル−1’−ピロリジニルオキシ)−1−(4’−ビニ
ルフェニル)エタン、2−イソプロピルオキシカルボニ
ルオキシ−1−(ジ−t−ブチルニトロキシル)−1−
(4’−ビニルフェニル)エタンなどが挙げられる。
【0034】本発明において、第一段目重合に用いられ
るラジカル重合性単量体(B1)は、化合物(A)と共
重合体可能なビニル単量体であって、目的とするグラフ
トポリマーの幹ポリマーを構成するのに適したものの中
から適宜選択することができる。化合物(A)と共重合
可能なラジカル重合性単量体(B1)の具体的な例とし
ては、スチレン、p−メチルスチレン、クロルメチルス
チレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有ビニル
単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水
基含有ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フマル酸
ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどの
エステル基含有ビニル単量体、(メタ)アクリル酸2−
イソシアネートエチル、m−イソプロペニル−α,α−
ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート
基含有ビニル単量体、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどの窒素含有アルキル(メタ)
アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミドなどのアミド基含有ビニル単量体、2−ビニル
ピリジン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素ビニ
ル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のニトリル基含有ビニル単量体などが挙げられる。
【0035】これらラジカル重合性単量体のうち特に好
ましいものとしては、分子内に酸素原子または窒素原子
を含むラジカル重合性単量体であり、具体的にはカルボ
キシル基含有ビニル単量体、酸無水基含有ビニル単量
体、エステル基含有ビニル単量体、イソシアネート基含
有ビニル単量体、窒素含有アルキル(メタ)アクリレー
ト、アミド基含有ビニル単量体、芳香族含窒素ビニル単
量体、ニトリル基含有ビニル単量体などが挙げられる。
【0036】これらラジカル重合性単量体はそれぞれ単
独で、または2種以上を混合して用いることができる。
グラフトポリマーとした場合に枝ポリマーとは異なる物
性を幹ポリマーに導入することが望ましい場合には、第
一段目重合にスチレン系以外のラジカル重合性単量体の
みを用いても良いが、少なくとも1種以上のスチレン系
以外のラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を用い
ることが、より好ましい。なぜならば、本発明の高分子
ラジカル重合開始剤を用いたグラフトポリマーの製造に
際し、より高度に分子量が制御された枝ポリマーを得る
には、スチレン系単量体を含む単量体を用いることがよ
り好ましいからである。
【0037】本発明において、第一段目重合において用
いられる上記の化合物(A)とラジカル重合性単量体
(B1)の使用量は、得られる高分子ラジカル重合開始
剤中に所望されるアルコキシアミン基の個数に依存して
適宜選択することができるが、通常、(A)に対する
(B1)のモル比が10〜500倍の範囲であることが
好ましい。ラジカル重合性単量体(B1)の使用モル比
が10倍より少ないと、グラフトポリマーにした場合、
枝ポリマーと枝ポリマーの間の幹ポリマーの鎖長が短く
なりすぎて幹ポリマーの物性が十分発現できなくなる傾
向にあり、一方、500倍を超えて大きくなると、枝ポ
リマー間の幹ポリマーの鎖長が長くなりすぎて枝ポリマ
ーの物性が十分発現できなくなる傾向にあるので好まし
くない。
【0038】本発明において、第一段目重合は、上記の
化合物(A)とラジカル重合性単量体(B1)とラジカ
ル重合開始剤(C)からなる混合物を、ラジカル重合開
始剤(C)が分解し化合物(A)が分解しない温度領域
で行われる。具体的な重合温度としては、0〜120℃
が好ましく、20〜100℃がより好ましい。重合温度
が0℃以下では、重合速度が遅いため重合完結までに長
時間を要するので経済的に不利である。一方、重合温度
が120℃以上では、上記化合物(A)の分解が顕著に
なり、結果として最終的に得られるグラフトポリマーの
構造の制御が困難になりゲルが発生したり、グラフトポ
リマーの純度が低下するので好ましくない。
【0039】本発明において、第一段目重合に用いられ
るラジカル重合開始剤(C)は、通常の有機過酸化物あ
るいはアゾ化合物を用いることができるが、上記の重合
温度条件下で有効にラジカルを発生しうるものが好まし
く、したがって、重合温度に依存して適宜選択すると良
い。通常、用いられるラジカル重合開始剤(C)の具体
的な例としては、t−ブチルペルオキシネオデカノエー
ト、t−オクチルペルオキシネオデカノエート、t−ブ
チルペルオキシピバレート、t−ヘキシルペルオキシピ
バレート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ
ート、t−オクチルペルオキシイソブチレート、t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシベンゾエ
ートなどのペルオキシエステル類、イソブチリルペルオ
キシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキ
シド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ドなどのジアシルペルオキシド類、ジプロピルペルオキ
シジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボ
ネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボ
ネートなどのペルオキシジカーボネート類、1,1−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペ
ルオキシシクロヘキシル)などのペルオキシケタール
類、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(シクロヘキサンニトリル)、2,
2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレ
ロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられる。また、t
−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ドなどを硫酸第一鉄、硫酸第一銅、アスコルビン酸ナト
リウムなどの還元剤を用いて還元してラジカルを発生さ
せる方法、または光重合開始剤に光照射してラジカルを
発生させる方法によって、重合を開始することもでき
る。
【0040】本発明において、第一段目重合は、塊状重
合、懸濁重合、溶液重合および乳化重合など公知の重合
方法によって行うことができ、単量体の種類、重合温
度、所望される高分子ラジカル重合開始剤の分子量など
によって適宜選択することができる。
【0041】本発明において、第一段目重合に懸濁重合
を採用した場合、分散剤として水溶性高分子の保護コロ
イド剤、難溶性無機物を重合系に添加することができ
る。水溶性高分子保護コロイド剤としては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース
等があり、これらのうちポリビニルアルコールが好まし
い。また、難溶性無機物としては、第三燐酸カルシウ
ム、燐酸マグネシウム、ピロ燐酸カルシウム、ベントナ
イト等が挙げられる。難溶性無機物を分散剤とした場合
には、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフ
ィンスルフォン酸ソーダなどのアニオン界面活性剤を少
量使用することが好ましい。
【0042】本発明において、第一段目重合に溶液重合
を採用した場合、溶媒の具体的な例としては、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系
溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチルなどのエステル系溶媒、メタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール
系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールジア
セテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテルアセテートなどのエチレングリコール
系溶媒、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルなどのジエチレングリコール系溶媒、プロピレン
グリコール、プロピレングリコールメチルエーテルアセ
テートなどのプロピレングリコール系溶媒が挙げられ、
これらを単独で、あるいは混合物として用いることがで
きる。
【0043】本発明においては、必要に応じてα−メチ
ルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン)、ターピノーレン、n−オクチルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプト
エタノール、チオフェノールなどの公知の連鎖移動剤を
使用できる。
【0044】本発明においては、第一段目重合が完結し
た後、高分子ラジカル重合開始剤は、そのままで、ある
いは溶媒留去または再沈殿などの精製工程を経た後に、
グラフトポリマーを得るための重合(以下、第二段目重
合と記す)に供される。
【0045】本発明において第二段目重合は、前記一般
式(1)で示される高分子ラジカル重合開始剤およびラ
ジカル重合性単量体(B2)を含む混合物を加熱するこ
とにより実施される。
【0046】即ち、一般式(1)で示される高分子ラジ
カル重合開始剤が熱的作用によって、幹ポリマー側に結
合した炭素ラジカルと、安定なニトロキシドラジカルに
開裂する。炭素ラジカルは系中に存在するラジカル重合
性単量体(B2)との付加重合を開始する。一方、ニト
ロキシドラジカルは重合を開始することなく、炭素ラジ
カルからの生長ポリマーラジカルとの間で、再結合と再
開裂を繰り返しながら重合反応が進行する、いわゆるリ
ビング的なラジカル重合により第二段目重合が行われ
る。
【0047】本発明において、第二段目重合は、上記第
一段目重合と同様に塊状重合、懸濁重合、溶液重合およ
び乳化重合など公知の重合方法によって行うことがで
き、単量体の種類、重合温度、所望される高分子ラジカ
ル重合開始剤の分子量などによって適宜選択することが
できる。
【0048】本発明において、第二段目重合に用いられ
るラジカル重合性単量体(B2)としては、前記第一段
目重合に用いることが可能なラジカル重合性単量体(B
1)の中から、得られるグラフトポリマーの要求される
物性に応じて選択したものを適宜用いることができる
が、第二段目重合で得られるグラフトポリマーの枝ポリ
マーの分子量を効果的に大きくする目的あるいはより高
度に制御する目的で、スチレン系単量体単独物あるいは
少なくとも一種以上のスチレン系単量体を含むラジカル
重合性単量体混合物を用いることが好ましい。
【0049】本発明において、第二段目重合で得られる
グラフトポリマーの枝ポリマーの分子量は、幹ポリマー
の分子量との関係および目的とするグラフトポリマーの
分子量によって適宜決定することができる。高分子ラジ
カル重合開始剤(A)中に懸垂したアルコキシアミンペ
ンダント基の個数(即ち、最終的に得られる枝ポリマー
の個数)に依存するが、通常、枝ポリマーは、GPCに
よるスチレン換算分子量が1000〜15万の範囲であ
ることが好ましく、2000〜10万の範囲であること
がより好ましい。分子量が1000より小さいと、グラ
フトポリマーにした場合、枝ポリマーの物性が十分発現
できなくなる傾向にあり、一方、15万を超えると、幹
ポリマーの物性が十分発現できなくなる傾向にあるので
好ましくない。
【0050】本発明において、第二段目重合の重合温度
は100〜180℃の範囲が好ましく、110〜160
℃の範囲がより好ましい。重合の温度が100℃以下で
は、高分子ラジカル重合開始剤の分解速度が遅くなり、
結果として重合時間が長くなる傾向にあるので好ましく
ない。一方、重合温度が180℃よりも高くなると重合
速度の制御が困難になる上、熱重合により第二段目重合
時に添加されたラジカル重合性(B2)のホモポリマー
が生成しやすくなり、結果としてグラフトポリマーの純
度が低下するので好ましくない。
【0051】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明するため、実
施例を用いて説明を行うが、本発明の要旨を越えない限
り、実施例によって本発明が限定されるものではない。
なお、本発明の実施においては、予め特願平10−20
6146号公報に記載の方法に準じて、以下のように本
発明の高分子ラジカル重合開始剤を得るための化合物
(A)を合成した。
【0052】 <化合物(A)の合成>攪拌機、コンデ
ンサーおよび窒素ガス導入管を備えた100mlの4つ
口フラスコに、ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製「D
VB−960」、m−およびp−ジビニルベンゼンの異
性体混合物、純度96%)50gと4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ
ル(HO−TEMPO)8.61g(50mmol)の
混合物を投入し内容物を窒素置換した。ついで内容物を
50℃に加熱し、ジーイソプロピルペルオキシジカーボ
ネート(IPP)11.6g(55.6mmol)を2
0分かけて分割添加した。その後、50℃で5時間反応
をした後、ジビニルベンゼンの大部分を減圧下に留去し
た。得られた組成物をシリカゲルクロマトグラフィで精
製し、淡黄色油状物12.8gを得た。これを高速液体
クロマトグラフィ(HPLC)、質量分析、H−NM
Rおよび13C−NMRにより構造確認を行った結果、
2−イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−(4’
−ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル
−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフ
ェニル)エタンと2−イソプロピルオキシカルボニルオ
キシ−1−(4’−ヒドロキシ−2’,2’,6’,
6’−テトラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1
−(4’−ビニルフェニル)エタンの混合物(以下、A
−1)であることを確認した。HPLCおよびGPC分
析から求めた純度は98%であった。
【0053】同様にして、以下の本発明の化合物(A2
〜A4)を合成した。2−t−ブトキシ−1−(4’−
ヒドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−
1’−ピペリジニルオキシ)−1−(3’−ビニルフェ
ニル)エタンと2−t−ブトキシ−1−(4’−ヒドロ
キシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−1’−
ピペリジニルオキシ)−1−(4’−ビニルフェニル)
エタンの混合物(純度98%、A−2)2−(4’−ヒ
ドロキシ−2’,2’,6’,6’−テトラメチル−
1’−ピペリジニルオキシ)−2−(3’−ビニルフェ
ニル)エタノールと2−(4’−ヒドロキシ−2’,
2’,6’,6’−テトラメチル−1’−ピペリジニル
オキシ)−2−(4’−ビニルフェニル)エタノールの
混合物(純度99%、A−3)2−イソプロピルオキシ
カルボニルオキシ−1−(2’,2’,6’,6’−テ
トラメチル−1’−ピペリジニルオキシ)−1−(4’
−ビニルフェニル)エタン(純度98%、A−4)
【0054】 <実施例1>参考例で得た化合物A−1
を0.62g(1.5mmol)、メチルメタクリレー
ト(MMA)4.41g(44.0mmol)、重合開
始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(HP
V)0.010g(0.049mmol)、分子量調節
剤としてn−オクチルメルカプタン0.05gの混合物
に窒素を吹込み、酸素を除去した上で、内容量10ml
のガラスアンプル中に注入したのち封管し、反応温度6
0℃にて6時間重合を行った。その後、内容物を50m
lのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、その溶
液をメタノール300mlに滴下して高分子量体の再沈
殿を行った。この精製操作を再度繰り返して行い、未反
応の化合物A−1、MMAおよびHPVを完全に取り除
いた後、生成物を30℃で24時間減圧下に放置し乾燥
させた。
【0055】上記の操作により得られた高分子量体の重
量は2.91gであり、収率は58.2%であった。G
PCで分子量を測定したところ、スチレン換算で数平均
分子量2.0万、重量平均分子量3.4万のポリMMA
であることを確認した。この化合物のH−NMRスペ
クトル(テトラメチルシラン(TMS)/重クロロホル
ム(CDCl))を、図1に示す。それぞれのプロト
ンの帰属は次のとおりである。(δ(ppm)) 0.65〜1.55;メチルおよびメチレンプロトン 1.65〜2.15;メチルプロトン 3.60 ;エステルメチルプロトン 6.8〜7.3 ;ベンゼン環プロトン H−NMR分析結果より、化合物A−1に由来するベ
ンゼン環プロトンと、ポリMMAのエステルメチル基に
由来するプロトンとの比から、高分子量体1分子あたり
に平均して6.8個のアルコキシアミン基が導入されて
いることがわかった。以上のことから、この化合物が次
式(化5)で示される本発明の高分子ラジカル重合開始
剤(以下、LRPI−1とする)であることを確認し
た。
【0056】
【化5】
【0057】 <実施例2〜4>実施例1において、化
合物Aおよび単量体の種類と使用量、並びに重合温度と
時間をかえた以外は、実施例1に準じて高分子ラジカル
重合開始剤の合成を行った。合成における諸条件と併せ
て、合成物の分析結果を表1に示す。
【0058】
【表1】 尚、上記表1および下記において、各記号はそれぞれ以
下のものを表す。単量体 CMS:クロロメチルスチレン(m体およびp体の混合
物)重合開始剤 HPV:t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂
株式会社製「パーヘキシルPV」) BPV:t−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂株
式会社製「パーブチルPV」)添加剤 MSD:α−メチルスチレンダイマー(日本油脂株式会
社製「ノフマーMSD」) OM:n−オクチルメルカプタン
【0059】
【化6】
【0060】
【化7】
【0061】
【化8】
【0062】 <実施例5>攪拌機、コンデンサー、温
度計、窒素ガス導入管を備えた300mlの4つ口フラ
スコに溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテ
ル30gを入れ、溶媒および容器内の空間部を窒素ガス
で十分に置換した。溶媒を65℃に加熱し、窒素気流下
攪拌しながら1.57g(3.8mmol)の化合物A
−1、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)1
5.0g(0.152mol)、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル9.09gおよび重合開始剤としてB
PV0.167gの混合物を15分毎に8回に分けて添
加した。添加終了後さらに65℃で3時間、さらに85
℃で1時間重合を行った。
【0063】ガスクロマトグラフィおよびGPC分析の
結果、DMAAの転化率は100%であり、得られた溶
液は30%(16.7g)の高分子量体を含んでいるこ
とがわかった。また、高分子量体の数平均分子量は6.
0万、重量平均分子量は13.4万であった。溶液の一
部から再沈により取り出した高分子量体のH−NMR
(TMS/CDCl)分析結果は次のとおりである。
(δ(ppm)) 0.6〜1.6;メチルおよびメチレンプロトン 1.7〜2.2;メチルプロトン 3.0 ;−N(CH 6.8〜7.3;ベンゼン環プロトン H−NMR分析結果より、化合物A−1に由来するベ
ンゼン環プロトンと、窒素原子に結合したメチルに由来
するプロトンとの比から、高分子量体1分子あたりに平
均して15.5個のアルコキシアミン基が導入されてい
ることがわかった。以上のことから、この化合物が式
(化9)で示される本発明の高分子ラジカル重合開始剤
(以下、LRPI−5とする)であることを確認した。
【0064】
【化9】
【0065】 <実施例6>内容量20mlのガラスア
ンプルに、実施例1で得られたLRPI−1を2g、ス
チレン10gを注入し窒素置換したうえで封管し、12
5℃で5時間重合を行った。内容物を50mlのTHF
に溶解し、その溶液をメタノール500mlに滴下して
高分子量体の再沈殿を行った。この精製操作を再度繰り
返して行い未反応のスチレン単量体を完全に取り除いた
後、高分子量体を30℃で24時間減圧下に放置し乾燥
させた。
【0066】得られた高分子量体の重量は7.0gであ
り、スチレンの転化率は50.0%であった。得られた
高分子量体の分子量は、GPC測定によればスチレン換
算で数平均分子量が6.6万、重量平均分子量が9.7
万であった。さらにソックスレー管を用いた分別抽出に
より、得られた高分子量体の組成は、スチレンとMMA
のグラフト共重合体が97%、ポリスチレンホモポリマ
ーが3%であり、ポリMMAホモポリマーおよびゲル分
をほとんど含まないことが確認された。さらに、グラフ
ト体の組成比をH−NMRにより分析した結果、枝ポ
リマー部分は平均で68.5個のスチレン単量体から構
成されていることがわかった。
【0067】 <実施例7〜10>実施例2〜5で合成
された本発明の高分子ラジカル重合開始剤を用いて、以
下の表2に示す重合条件に従い実施例6と同様にして本
発明のグラフトポリマーの合成を行った。これらの分析
結果を、表2に併せて示す。尚、表2において、BAは
アクリル酸ブチルを示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な方法によって、
安定な炭素−炭素に結合により分子主鎖に特定構造のア
ルコキシアミンのペンダント基が懸垂した高分子重合開
始剤を得ることができる。また、得られた高分子ラジカ
ル重合開始剤を用いて、幹ポリマーと枝ポリマーが安定
な炭素−炭素に結合により結合し、イオン反応およびラ
ジカル反応に対して安定なグラフトポリマーを高純度で
得ることができる。本発明によって得られるグラフトポ
リマーは、例えば、少なくとも2種以上の互いに相溶性
のない高分子量体同士を均一に混合するための相溶化
剤、界面活性剤、顔料分散剤、接着性改良剤などとして
の用途に対し優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1の化合物のH−NMR
スペクトル
フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 EA04 4J026 AA00 AA19 AC26 BA05 BA27 BB01 BB02 4J100 AB02Q AB03Q AB07P AB08Q AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK31Q AK32Q AL03Q AL04Q AL08Q AL09Q AL34Q AM02Q AM15Q AM17Q AM19Q AQ12Q BA02P BA03P BA04P BA05P BA15P BA29Q BA42Q BC04P BC43P BC54Q BC69P CA04 FA03 FA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性単量体を重合してなる高
    分子量体であって、その主鎖から下記一般式(1) 【化1】 ……(1) (式中、Rは未置換または環に置換基を有するフェニ
    レン基、Rは水素、炭素数4〜8の第三級アルキル
    基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、またはR
    C(O)−基であり、ここでRは炭素数1〜10の直
    鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル
    基、あるいは未置換または環に置換基を有するシクロア
    ルキル基を表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択さ
    れる炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
    はRとRが連結した炭素数が4〜10の環式構造で
    ある。ただし、環式構造の場合には、未置換または、ア
    ルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイル
    オキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基により置換され
    たものである。)で表されるアルコキシアミン基が懸垂
    している高分子ラジカル重合開始剤。
  2. 【請求項2】 同一分子内にラジカル重合性ビニル基お
    よびアルコキシアミン基の両基を有する下記一般式
    (2) 【化2】 ……(2) (式中、Rは未置換または環に置換基を有するフェニ
    レン基、Rは水素、炭素数4〜8の第三級アルキル
    基、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、またはR
    C(O)−基であり、ここでRは炭素数1〜10の直
    鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシアルキル
    基、あるいは未置換または環に置換基を有するシクロア
    ルキル基を表わす。R〜Rはそれぞれ独立に選択さ
    れる炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基また
    はRとRが連結した炭素数が4〜10の環式構造で
    ある。ただし、環式構造の場合には、未置換または、ア
    ルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシル基、ベンゾイル
    オキシ基、メトキシ基もしくはオキソ基により置換され
    たものである。また、R10は水素またはメチル基を示
    す。)で表される化合物(A)と、ラジカル重合性単量
    体(B1)と、ラジカル重合開始剤(C)とを含む混合
    物を、前記ラジカル重合開始剤(C)が分解し、かつ前
    記化合物(A)が分解しない温度領域で加熱することを
    特徴とする、請求項1に記載の高分子ラジカル重合開始
    剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の高分子ラジカル重合開
    始剤およびラジカル重合性単量体(B2)を、100〜
    180℃の範囲において加熱することによって得られる
    グラフトポリマー。
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