JP2001063769A - 高水分早炊き米の保存方法 - Google Patents

高水分早炊き米の保存方法

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Ryoji Otaki
良二 大滝
Takashi Kashiba
隆史 加柴
Yoshiki Ito
芳樹 伊東
Soudairo Hiramatsu
宗大郎 平松
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水分値が37〜55%に設定された高水分の早
炊き米を発酵させることなく、長期間保存することので
きる早炊き米の保存方法の提供。 【解決手段】融点が120℃以上である酸素透過性の熱
可塑性樹脂からなる酸素透過層(1)、熱可塑性樹脂に
脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素
吸収層(2)及びガスバリア性材料からなるガスバリア
層(3)の少なくとも3層がこの順に積層されてなる酸
素吸収性多層体を、酸素透過層(1)を容器の内側にし
てなる包装容器内に、高水分早炊き米を収納、密封後、
105℃以上で加熱殺菌処理することにより保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高水分早炊き米の保存
方法に関し、発酵や酸素による劣化を防止して風味を良
好に保持したまま、長期間に亘り保存する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品等の被包装物を収納した包
装容器内の酸素を除去し、被保存物の酸化劣化、変色、
カビ、好気性菌繁殖等の変質を防止する包装技術の一つ
にガスバリア性袋内に被保存物と共に脱酸素剤を収納す
る方法が広く行われている。この方法には、通常、粒状
又は粉末の脱酸素剤組成物を通気性を備えた小袋に収納
した小袋入り脱酸素剤が用いられる。
【0003】一方、簡便性及び合理性の面から、海外旅
行用や市町村の非常食用として、また、外食産業におい
て早炊き米が広く利用されている。早炊き米とは、精白
米を洗米、浸水、水切りし、マイクロ波や蒸気等で加熱
した後に冷却、製品によっては乾燥工程を経て生産され
る、水分値が25〜36%の範囲内に調節された半調理
加工米のことであり、容器を開封後、20分前後の短時
間の炊飯で食することができる。上述の水分値範囲内の
場合、早炊き米を保存中に発酵が起こることはほとんど
無いため、ガスバリア性包装容器中に小袋入り脱酸素剤
と共に早炊き米を収納し、早炊き米の酸化劣化を防止す
ることで、長期間に渡り早炊き米を保存することが可能
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、特に外食産業か
ら従来以上に炊飯時間を短縮できる早炊き米の要望があ
る。早炊き米の炊飯時間を短縮する方法としては、水分
値を通常よりも高い、37%以上に調節することが挙げ
られるが、水分値を高くすると米の発酵が進みやすくな
るため、従来行われていたガスバリア性包装容器中に小
袋入り脱酸素剤と共に収納するだけでは米の変敗を完全
に防ぐことは困難であり、容器内に米を収納後、加熱殺
菌処理することが必要となる。しかし、従来の小袋入り
脱酸素剤を加熱殺菌処理すると、小袋が破袋して袋内の
脱酸素剤がこぼれたり、脱酸素剤に起因する錆のシミが
食品を汚染する等の種々の問題が発生するおそれがある
ため、これまで水分値の高い早炊き米を実用化すること
は困難であった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決課題とす
るものであり、水分値が37〜55%に設定された高水
分の早炊き米を発酵させることなく、長期間保存するこ
とのできる早炊き米の保存方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、炊飯時間を短縮するために水分値
を高く調節した早炊き米を保存する方法について鋭意検
討を重ねた結果、酸素吸収層を有する酸素吸収性多層体
を利用してなる包装容器に水分値を高く調節した早炊き
米を充填、密封することにより、加熱殺菌処理が可能と
なるため、発酵を抑制でき、かつ包装容器壁面より容器
内の酸素が除去されるため、早炊き米の劣化を抑制で
き、その結果長期間に渡り早炊き米を保存をすることが
できることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、容器の少なくとも一
部に、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層
(1)、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性
樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)及びガスバリア性
材料からなるガスバリア層(3)の少なくとも3層がこ
の順に積層されてなる酸素吸収性多層体を利用し、かつ
酸素透過層(1)を容器の内側にしてなる包装容器内
に、水分値が37〜55%である早炊き米を収納、密封
後、105℃以上で加熱殺菌処理することを特徴とする
早炊き米の保存方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の保存容器に用いる酸素吸収性多層体は、
酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透過層(1)、
熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸収性樹脂組成
物からなる酸素吸収層(2)及びガスバリア性材料から
なるガスバリア層(3)の少なくとも3層がこの順に積
層されてなる酸素吸収性多層体である。
【0009】酸素透過層(1)は、酸素吸収性多層体を
容器とした際に容器の内側となる層であり、酸素吸収層
(2)が効率良く酸素を吸収するために積極的に酸素を
透過する役割を有すると共に、シーラント層としての役
割、及び、酸素吸収層(2)と内容物を隔離する隔離層
としての役割を有する。また、本発明の酸素透過層
(1)は単層であっても良く、また2層以上が積層され
た多層であっても良い。
【0010】酸素透過層(1)に用いられる熱可塑性樹
脂としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン等のポリエチレン類、プロピレンホ
モポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマ
ー、プロピレン−エチレンランダムコポリマー等のポリ
プロピレン類、ポリメチルペンテン等に代表されるポリ
オレフィン類及びこれらの変性物、EVA、EMMA、
EAA、EPA等の各種エチレン共重合体、ポリスチレ
ン、熱可塑性エラストマー、アイオノマー等を使用する
ことができるが、中でも、汎用性や衛生性に優れるポリ
オレフィン類が好ましく用いられる。また、酸素透過層
(1)を構成する層のうち、酸素吸収性多層体を容器と
した際に最も内側となり、内容物と直接接触する層に
は、105℃以上の加熱殺菌処理に耐えうる耐熱性を有
することが好ましいため、上述した熱可塑性樹脂のう
ち、融点が120℃以上の熱可塑性樹脂が特に好ましく
用いられ、その中でも衛生性や汎用性、酸素透過性の面
から、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン類が好ましく
用いられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は単独または
2種類以上をブレンドして使用することができ、酸化チ
タンやカーボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム等の
充填剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、分散剤、熱安定剤等の各種添加剤、活性炭やゼオラ
イト、アモルファスシリカ等の吸着剤を添加することも
できる。
【0011】酸素透過層(1)の厚みは、酸素吸収層
(2)中の脱酸素剤が容器表面に露出することを防止す
る目的や、十分なヒートシール強度を付与する目的か
ら、その層数に関わらず20〜200μmの範囲で設定
されることが好ましく、また、該層の酸素透過度は、酸
素吸収層(2)において効率的な酸素吸収を行わせるた
め、100cc/m2・atm・day以上が好まし
く、200cc/m2・atm・day以上がより好ま
しい。
【0012】酸素吸収層(2)に用いられる脱酸素剤
は、酸素吸収機能を発現することのできる物質であれ
ば、無機物、有機物、重合物に関わらず、何れも用いる
ことができるが、異臭が少なくかつ酸素吸収能力の大き
い鉄粉を主剤とし、酸化促進剤としてハロゲン化金属を
配合した鉄系脱酸素剤組成物が好ましく用いられる。鉄
粉としては、例えば、噴霧鉄粉、海綿鉄粉、電解鉄粉、
研削鉄粉、粉砕鉄等が用いられるが、酸素吸収能力の面
から金属鉄含有量95重量%以上の鉄粉が好ましく用い
られる。また、鉄粉の粒子径は、酸素吸収層(2)から
露出した鉄粉が隣接する層中に大きく食い込むことは好
ましくないため、平均粒径1〜50μmの範囲に選択す
ることが好ましい。また、ハロゲン化金属としてはアル
カリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物、臭化物又はヨ
ウ化物が好ましい。本発明では鉄粉にハロゲン化金属水
溶液を混合した後、乾燥して水分を除去して調整され
る、表面にハロゲン化アルキル金属又はハロゲン化アル
キル土類金属を被覆した鉄粉が好適に用いられる。
【0013】酸素吸収層(2)に用いられる熱可塑性樹
脂は、前記酸素透過層(1)に用いられる各種熱可塑性
樹脂が利用でき、中でもポリオレフィン類が好ましく使
用され、さらに耐熱性の面から直鎖状低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン類が特に好ましく用いられる。酸素吸収層
(2)には、上記鉄系脱酸素剤組成物以外に、酸化チタ
ンやカーボンブラック等の顔料、酸化カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム等の充填剤、酸化防止剤、滑
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、熱安定剤等の
各種添加剤、活性炭やゼオライト、アモルファスシリカ
等の吸着剤を添加することもできる。
【0014】ガスバリア層(3)としては、酸素バリア
性を有する材料が好ましく使用され、例えば、アルミ箔
等の金属箔、アルミや酸化アルミ、酸化珪素等の金属又
は金属酸化物を蒸着した樹脂フィルム、MXD6等のポ
リアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポ
リ塩化ビニリデン等の樹脂又は樹脂フィルム、ポリ塩化
ビニリデン被服樹脂フィルム等が挙げられ、その延伸フ
ィルムであっても良い。ガスバリア層(3)の酸素透過
度は100cc/m2・atm・day以下が好まし
く、50cc/m2・atm・day以下であればより
好ましい。
【0015】また、ガスバリア層(3)の外側には強度
保持等の目的で別途熱可塑性樹脂からなる保護層(4)
を設けても良い。保護層に用いる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン
類、ナイロン6等のポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステルを使用することができる。ま
た、保護層は上記熱可塑性樹脂の単層又は2種類以上を
組み合わせた多層構造であっても良く、延伸フィルムを
使用しても良い。
【0016】本発明における酸素吸収性多層体における
各層の積層方法は、層構成や材料の性状に応じて、共押
し出し、押し出しラミネート、ドライラミネート等の公
知の技術を用いることができる。また、各層を接着する
ために接着剤を使用したり、もしくは隣接する層を構成
する熱可塑性樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂からなる
樹脂層をその層間に積層して接着することもできる。
【0017】本発明の酸素吸収性多層体は、密封容器の
一部又は全部に、層(1)を容器内面になるように配す
ることにより、容器内の酸素を吸収、除去して、容器内
に収納した早炊き米の劣化を防止することができる。容
器の形状がトレイ形状の場合は、トレイまたはトップフ
ィルムのどちらか一方、または両方に酸素吸収性多層体
を配し、容器の形状が袋形状の場合は、袋を構成する面
の一部又は全部に酸素吸収性多層体を配する。このよう
にすることで、包装容器に酸素吸収機能が付与される。
【0018】本発明で保存される早炊き米とは、水分値
が37〜55%の範囲内に調整された半調理加工米であ
る。水分値は、米に含まれる水分の重量%で表される。
前述の範囲内に水分値が調整された早炊き米は、水分値
が25〜36%の範囲内に調節された従来の早炊き米と
比較して、食するにあたっての炊飯時間が短縮されるた
め、簡便性及び合理性の面において優れるが、水分が多
いために発酵しやすいという問題がある。この問題は、
小袋状の脱酸素剤を容器内に収納することでは解決する
ことはできないため、これまで高水分の早炊き米を実用
化することは困難であった。
【0019】しかし、本発明の酸素吸収性多層体を配し
た包装容器を利用した場合、発酵を抑えるのに効果的な
加熱殺菌処理を施すことが可能になり、さらに、容器内
の酸素は容器を構成する酸素吸収性多層体に吸収される
ため、保存中に早炊き米が変質することもない。なお、
早炊き米を酸素吸収性多層体からなる容器に収納した際
に行われる加熱殺菌処理工程は、105℃以上、好まし
くは115℃〜140℃の温度で行なわれ、その際の処
理時間は加熱殺菌処理を実施する温度によって適宜決め
られる。なお、水分値が25〜35%の範囲内に調整さ
れた従来の早炊き米についても、本発明の方法を適用す
ることで、加熱殺菌処理を行うことができ、従来以上に
長期間保存することを可能にする。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 単軸押し出し機、Tダイからなる押し出し装置を配した
押し出しラミネーターを用い、繰り出されるポリプロピ
レンフィルム(東セロ(株)製、商品名:RXC−1
1、融点:167℃、厚さ:50μm、以下CPPと略
す)上に、押し出し機から塩化カルシウムを3重量%被
覆した、平均粒径30μmの鉄粉からなる鉄系酸素吸収
剤をポリプロピレン樹脂(チッソ(株)製、商品名:チ
ッソポリプロF8090、融点:153℃)中に40重
量%含有してなる酸素吸収性樹脂を前記CPP上に押し
出しラミネートして、CPP(50μm)/酸素吸収層
(30μm)からなる積層体を製造した。
【0021】次いで、ウレタン系接着剤を使用して、上
記積層体の酸素吸収層面と、アルミ箔/ナイロン/PE
Tからなるガスバリア性フィルムのアルミ箔面をドライ
ラミネートにて接着し、CPP(50μm)/酸素吸収
層(30μm)/アルミ箔(7μm)/ナイロン(15
μm)/PET(12μm)からなる酸素吸収性多層フ
ィルム1を製造した。
【0022】次いで、酸素吸収性多層フィルム1から外
寸17cm×13cmの酸素吸収性四方シール袋を作製
し、水分値を42%に調節した早炊き米100gを入
れ、容器内の空気量が5cc程度になるようにして、ヒ
ートシールにより密封した。この包装体を20分間、1
20℃の条件にて加熱処理した後、室温下で1ヶ月、3
ヶ月及び6ヶ月保存した後、袋内の早炊き米の発酵の有
無及び風味を調査した。結果を表1に示す。
【0023】実施例2 実施例1で得られた酸素吸収性多層フィルム1を片面と
し、もう一方の面にCPP(50μm)/アルミ箔(7
μm)/ナイロン(15μm)/PET(12μm)か
らなるガスバリア性フィルムを使用して、外寸17cm
×13cmの酸素吸収性四方シール袋を作製した。次い
で、実施例1と同様にして、水分値を42%に調節した
早炊き米100gを充填、密封後、加熱処理し、室温下
で1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月保存した後、袋内の早炊き
米の発酵の有無及び風味を調査した。結果を表1に示
す。
【0024】比較例1 CPP(50μm)/アルミ箔(7μm)/ナイロン
(15μm)/PET(12μm)からなるガスバリア
性フィルムから外寸17cm×13cmのガスバリア性
四方シール袋を作製した。次いで、実施例1と同様にし
て、水分値を42%に調節した早炊き米100gを充
填、密封後、加熱処理し、室温下で1ヶ月、3ヶ月及び
6ヶ月保存した後、袋内の早炊き米の発酵の有無及び風
味を調査した。結果を表1に示す。
【0025】比較例2 比較例1で得られたガスバリア性四方シール袋に、水分
値を42%に調節した早炊き米100gと脱酸素剤入り
小袋(三菱ガス化学(株)製、商品名:エージレスF
X)を充填、密封後、室温下で1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ
月保存した後、袋内の早炊き米の発酵の有無及び風味を
調査した。結果を表1に示す。
【0026】比較例3 比較例1で得られたガスバリア性四方シール袋に、水分
値を42%に調節した早炊き米100gと脱酸素剤入り
小袋(三菱ガス化学(株)製、商品名:エージレスF
X)を充填、密封後、加熱処理したが、小袋が破袋し、
脱酸素剤がこぼれ出て、早炊き米に付着していた。
【0027】実施例3 水分値を48%に調節した早炊き米を充填したこと以外
は、実施例1と同様にして、酸素吸収性四方シール袋に
早炊き米100gを充填、密封後、加熱処理し、室温下
で1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月保存した後、袋内の早炊き
米の状態を観察した。結果を表1に示す。
【0028】実施例4 実施例1で得られたCPP/酸素吸収層からなる積層体
の酸素吸収層面と、2軸延伸ナイロンフィルム(三菱化
学興人パックス製、商品名:ナイロンスーパーニール、
以下スーパーニールと略す)/印刷/PETからなるガ
スバリア性フィルムのスーパーニール面をウレタン系接
着剤を介してドライラミネートし、CPP(50μm)
/酸素吸収層(30μm)/スーパーニール(15μ
m)/印刷/PET(12μm)からなる酸素吸収性多
層フィルム2を作製した。次いで、酸素吸収性多層フィ
ルム2からなる酸素吸収性四方シール袋(外寸17cm
×13cm)を作製した。次いで、実施例1と同様にし
て、水分値を42%に調節した早炊き米100gを充
填、密封後、加熱処理し、室温下で1ヶ月、3ヶ月及び
6ヶ月保存した後、袋内の早炊き米の発酵の有無及び風
味を調査した。結果を表1に示す。
【0029】 表1 早炊き米の状態 1ヶ月後 3ヶ月後 6ヶ月後 実施例1 ○ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ 比較例1 ○ 風味低下 大きく風味低下 比較例2 発酵 発酵 発酵 比較例3 (加熱殺菌処理時に小袋状脱酸素剤が破袋) 実施例3 ○ ○ ○実施例4 ○ ○ ○ ○:発酵はなく、風味も保持されていた。
【0030】表1の結果から明らかなように、酸素吸収
性多層体を利用した酸素吸収性四方シール袋に早炊き米
を収納し、加熱殺菌処理を施した実施例1〜4では、加
熱殺菌処理により発酵が抑制され、さらに酸素吸収性多
層体により袋内の酸素が除去されたため、早炊き米の水
分値によらず、6ヶ月間に渡り、早炊き米が変質するこ
とはなかった。一方、ガスバリア性袋に早炊き米を収納
し、加熱殺菌処理を施した比較例1では、加熱殺菌処理
により発酵は抑えられたものの、袋内の酸素が除去され
ていないため、3ヶ月目から早炊き米の風味が低下し、
6ヶ月目では大きく風味が低下していた。また、小袋状
の脱酸素剤を早炊き米と共に収納した比較例2では、脱
酸素剤により袋内の酸素は除去されているものの、早炊
き米の水分値が42%と高いために、発酵を防ぐことは
できなかった。また、小袋状の脱酸素剤を早炊き米と共
に収納し、加熱殺菌処理を施した比較例3では、加熱殺
菌処理時に小袋が破袋して脱酸素剤がこぼれたため、早
炊き米を汚染した。
【0031】
【発明の効果】従来の早炊き米よりも短い炊飯時間で食
することができる、簡便性及び合理性に優れた高水分の
早炊き米を本発明の包装容器に充填、密封後、加熱殺菌
処理すると、発酵が防止されると共に、容器内の酸素が
除去されるため、風味が低下することもなく、長期間に
渡って保存することが可能となる。本発明は、高水分の
早炊き米を産業上、実用化する上で、極めて有用なもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 宗大郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA10A BA12A BB11A BB12A BB14A BB15A BB16A BB22A BB25A CA03 CA04 CA24 EA06 EA09 EE25 EE32 GB13 GC01 GD01 GD02 4B021 LA05 LA07 LA15 LA16 LA17 LA24 LA32 LP09 LW09 MK10 4B023 LC08 LE11 LP18 4F100 AB02H AB10 AK01A AK01B AK07 AK42 AK48 AR00C BA03 BA05 BA07 BA10A BA10C BA14 CA30B DE01H GB15 JA04A JB16A JB16B JD02C JD03A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分値が37〜55%の米である高水分
    早炊き米を、酸素透過性の熱可塑性樹脂からなる酸素透
    過層(1)、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した酸素吸
    収性樹脂組成物からなる酸素吸収層(2)及びガスバリ
    ア性材料からなるガスバリア層(3)の少なくとも3層
    がこの順に積層されてなる酸素吸収性多層体を少なくと
    も一部に用いてなる包装容器内に収納、密封後、105
    ℃以上で加熱殺菌処理することを特徴とする高水分早炊
    き米の保存方法。
  2. 【請求項2】 酸素透過層を構成する熱可塑性樹脂が、
    融点が120℃以上の熱可塑性樹脂であることを特徴と
    する請求項1記載の高水分早炊き米の保存方法。
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