JP2001060650A - 半導体装置のリード成形装置及び成形方法 - Google Patents

半導体装置のリード成形装置及び成形方法

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JP2001060650A JP23458199A JP23458199A JP2001060650A JP 2001060650 A JP2001060650 A JP 2001060650A JP 23458199 A JP23458199 A JP 23458199A JP 23458199 A JP23458199 A JP 23458199A JP 2001060650 A JP2001060650 A JP 2001060650A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リードフレームの表面の半田メッキをできる
だけはがさないようにして、成形品質及び製品の品質を
向上させるようにした半導体装置のリード成形装置及び
成形方法を提供すること。 【解決手段】 複数種類のダイ30と、複数種類のパン
チ40とにより半導体装置のリードフレームをJ形に曲
げ加工する成形装置であって、第1の曲げ工程に対応し
て、リードフレーム18の基端部18aより先を、J形
曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形するための第
1のダイ31及び第1のパンチ41と、この第1の曲げ
工程に続く第2の曲げ工程において、前記リードフレー
ム18に対して、それぞれ一方と他方より挟むように当
接する第2のダイ32及び第2のパンチ42とを備えて
おり、前記第2のダイ32は、この第2の曲げ工程にお
いて、前記リードフレームの基端部近傍にノッチを形成
するための傾斜面32aを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路等の半導
体パッケージの本体から延びるリードフレームを所謂J
形に曲げ加工する成形装置及び成形方法の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、半導体装置の概略正面図を示
している。
【0003】図において、半導体装置1は、集積回路を
内蔵したパッケージである本体2から、接続端子となる
複数のリードフレーム3,3が水平に延びて製品化され
ている。
【0004】このような半導体装置1は、実装に際し
て、上記リードフレーム3,3を実装形態に対応して処
理する必要があり、このため、例えば、鎖線で示すよう
に、先端側が英文字のJのような形状に加工成形するこ
とが広く行われている。
【0005】このようなJ型の曲げ工程は、リード成形
装置を用いて、例えば図14に示すように行われてい
る。
【0006】図14では、下型に複数種類のダイを、上
型に複数種類のパンチを備えた成形装置により、この相
互に接近する方向に移動する複数種類のダイとパンチを
用いてリードフレーム3を挟むようにして成形加工する
工程の一例を示している。
【0007】図において、リードフレーム3は、図14
(a)の第1の曲げ工程において、互いに接近する方向
に移動する第1のダイ4と第1のパンチ5とによりリー
ドフレーム3を挟む。これにより、この第1のダイ4と
第1のパンチ5の当接面の形状にしたがって、リードフ
レーム3は、J形の成形形状に対応した曲線状に成形さ
れる。
【0008】次に、図14(b)の第2の曲げ工程にお
いて、リードフレーム3の基端側,すなわち本体2に近
い側が高くなった傾斜面6aを有する第2のダイ6と、
この傾斜面に対応した傾斜面7aを有する第2のパンチ
7とでリードフレーム3を挟み込み、その先端側を下方
に所定角度折り曲げる。次いで、図14(c)の第3の
曲げ工程において、上方から加工する第3のパンチ8を
リードフレーム3の先端に当接させつつ押し当てること
によって、さらに下方に折り曲げる。
【0009】最後に、第3のダイ9により、折り曲げら
れたリードフレーム3を第3のダイ9の成形面9aに押
し当てて、適切なJ形状に整える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
成形工程によると、特に第2及び第3の曲げ工程におい
ては、次のような問題がある。
【0011】すなわち、リードフレーム3は、その表面
に予め錫と鉛(Sn−Pb)による半田メッキが施され
ており、第2のパンチ7や、第3のパンチ8がリードフ
レーム3の表面を擦ることによって、この半田メッキが
部分的に剥がれてしまうことがある。
【0012】また、剪断力の弱い半田メッキは、剪断力
の強いパンチの方に付着してしまうことがあり、複数の
成形作業を経ると、図15に示すように、リードフレー
ム3やパンチ8の表面に半田クズ3bが付着してしま
う。
【0013】この状態で、上述の各曲げ工程を行うと、
このクズ3bが様々なショート(短絡)を起こす可能性
があり、実装品質を損なう。
【0014】また、パンチ8の表面に半田クズ3bが付
着したまま作業を続けると、パンチ8の表面形状が変化
してしまうことになり、リードフレーム3を適正な形状
に成形できないばかりでなく、パンチやダイを破損する
原因となる。
【0015】さらに、図15に示すように、パンチ8と
リードフレーム3の双方に半田クズ3bがあると、成形
の際の衝撃でリードフレーム3が破損したり、また、リ
ードフレーム3の表面の半田メッキが剥がれた箇所は、
時間の経過により錆が発生して部品品質を損なうことが
ある。
【0016】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたもので、リードフレームの表面の半田メッキをで
きるだけはがさないようにして、成形品質及び製品の品
質を向上させるようにした半導体装置のリード成形装置
及び成形方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、一方に支持された複数種類のダイと、こ
の複数種類のダイに対して相対的に近接移動される他方
に支持された複数種類のパンチとにより半導体装置のリ
ードフレームをJ形に曲げ加工する成形装置であって、
第1の曲げ工程に対応して、リードフレームの基端部よ
り先を、J形曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形
するための第1のダイ及び第1のパンチと、この第1の
曲げ工程に続く第2の曲げ工程において、前記リードフ
レームに対して、それぞれ一方と他方より挟むように当
接する第2のダイ及び第2のパンチとを備えており、前
記第2のダイは、この第2の曲げ工程において、前記リ
ードフレームの基端部近傍にノッチを形成するための傾
斜面を備えている、半導体装置のリード成形装置によ
り、達成される。
【0018】請求項1の構成によれば、第1の曲げ工程
にて所定の曲線状とされたリードフレームに対して、第
2のダイと第2のパンチとがこのリードフレームを挟む
ように当接することによって、リードフレームの基端部
近傍に、第2のダイの傾斜面の頂部付近が食い込むこと
で、ノッチを形成することができる。
【0019】これにより、このリードフレームの基端部
近傍のノッチを利用して曲げ加工することにより、その
際のリードフレームのスプリングバックを抑制すること
ができ、これにより、ダイやパンチ等の治具と不必要な
摩擦を生じないようにすることができ、これにより、半
田メッキが剥がれることを有効に防止できる。
【0020】また、上記目的は、請求項2の発明によれ
ば、一方に支持された複数種類のダイと、この複数種類
のダイに対して相対的に近接移動される他方に支持され
た複数種類のパンチとにより半導体装置のリードフレー
ムをJ形に曲げ加工する成形装置であって、第1の曲げ
工程に対応して、リードフレームの基端部より先を、J
形曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形するための
第1のダイ及び第1のパンチと、この第1の曲げ工程に
続く第2の曲げ工程において、前記リードフレームに対
して、それぞれ一方と他方より挟むように当接する第2
のダイ及び第2のパンチと、前記第2の曲げ工程に続く
第3の曲げ工程において、前記他方より押し当てられる
第3のパンチとを備えており、前記第3のパンチが、前
記リードフレームに対して段階的に押し当てられる複数
の当接部を有する、半導体装置のリード成形装置によ
り、達成される。
【0021】請求項2の構成によれば、第1の曲げ工程
にて所定の曲線状とされ、第2の曲げ工程により所定の
角度折り曲げられたリードフレームに対して、第3のパ
ンチの複数の当接面が段階的に押し当てられる。
【0022】これにより、このリードフレームに対し
て、第3のパンチが当接しつつ一回で大きな角度を曲げ
る場合と比べると、第3のパンチがリードフレームを擦
る距離が短くなり、互いに接触する面積も減少するの
で、リードフレームの半田メッキ面とパンチとが、必要
以上に摩擦を生じないようにすることができ、これによ
り、半田メッキが剥がれることを有効に防止できる。そ
して、複数の当接面のうち、最初にリードフレームに当
接するよりも後に当接する当接面の方がパッケージの本
体側に位置するので、複数の当接面による段階的な当接
によりリードフレームを確実に曲げることができる。
【0023】請求項3の発明は、請求項2の構成におい
て、前記第3の曲げ工程における曲げ角度に対応した狭
い開き角度をもつ第3のダイを備えることを特徴とす
る。
【0024】請求項3の構成によれば、リードフレーム
の成形状態の仕上げの段階で、リードフレームを第3の
ダイの狭い開き角度を持った当接面に押しつけることに
より、リードフレームをより半導体装置本体側に密接さ
せた成形状態とすることができる。
【0025】請求項4の発明は、請求項1ないし3の構
成において、前記複数種類のパンチ及び/または複数種
類のダイは、超硬合金で形成し、ダイヤモンドライクカ
ーボンによりコートしたことを特徴とする。
【0026】請求項4の構成によれば、ダイやパンチの
破損を有効に防止することができ、しかも、第2のパン
チによるリードフレーム基端部近傍に設けるノッチの形
成をより確実に行うことができる。
【0027】また、上記目的は、請求項5の発明にあっ
ては、半導体装置のリードフレームをJ形に曲げ加工す
る半導体装置のリード成形方法であって、装置本体から
延びるリードフレームの基端部より先を、一方から当接
する第1のダイと、他方から当接する第1のパンチとの
間で、J形曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形す
る第1の曲げ工程と、次いで、前記リードフレームに対
して、第2のダイを当接させるとともに、他方より第2
のパンチを押し当てつつリードフレームの基端部より先
を装置本体側に所定角度折り曲げる第2の曲げ工程とを
含んでおり、前記第2の曲げ工程において、前記リード
フレームの基端部近傍にノッチを形成する、半導体装置
のリード成形方法により、達成される。
【0028】請求項5の構成によれば、第2の曲げ工程
において、リードフレームの基端部近傍にノッチを形成
することにより、リードフレームに曲げ加工する際に、
そのスプリングバックを防止することができ、成形工程
において、ダイやパンチとリードフレームとの不要な摩
擦を低減できる。
【0029】さらに、また、上記目的は、請求項6の発
明にあっては、半導体装置のリードフレームをJ形に曲
げ加工する半導体装置のリード成形方法であって、装置
本体から延びるリードフレームの基端部より先を、一方
から当接する第1のダイと、他方から当接する第1のパ
ンチとの間で、J形曲げ加工に対応した所定の曲線形状
に成形する第1の曲げ工程と、次いで、前記リードフレ
ームに対して、第2のダイを当接させるとともに、他方
より第2のパンチを押し当てつつリードフレームの基端
部より先を装置本体側に所定角度折り曲げる第2の曲げ
工程と、この第2の曲げ工程に続いて、リードフレーム
の基端部より先を装置本体側にさらに折り曲げる第3の
工程とを含んでおり、前記第3の曲げ工程においては、
第3のパンチの複数の押し当て部を段階的に押し当て
る、半導体装置のリード成形方法により、達成される。
【0030】請求項6の構成によれば、第3の曲げ工程
において、第3のパンチを段階的に押し当てて必要な曲
げ量を得るようにしている。これにより、第3のパンチ
がリードフレームに対して、当接しつつ一回で大きな角
度を曲げる場合と比べると、第3のパンチがリードフレ
ームを擦る距離が短くなり、互いに接触する面積も減少
するので、リードフレームの半田メッキ面とパンチと
が、必要以上に摩擦を生じないようにすることができ
る。そして、複数の当接面のうち、最初にリードフレー
ムに当接するよりも後に当接する当接面の方がパッケー
ジの本体側に位置するので、複数の当接面による段階的
な当接によりリードフレームを確実に曲げることができ
る。
【0031】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、前記第3の曲げ工程における曲げ角度に対応した狭
い開き角度をもつ第3のダイにより、前記リードフレー
ムを前記本体に対して押しつけるように曲げる第4の曲
げ工程を含んでいることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照して説明する。
【0033】図1及び図2は、本発明の実施形態にかか
る半導体装置のリード成形装置(以下、「成形装置」と
いう)を示しており、図1はその概略側面図、図2は、
図1のA−A線概略断面図である。
【0034】図1において、成形装置10は、フレーム
11内の空間にフォーミング型14を備えており、この
フォーミング型14は、上型12と下型13とを備えて
いる。
【0035】図2に示すように、上記フレーム11は、
ベース22と、このベース22の両端にて上下方向(y
方向)に沿って立設された複数の、この場合2本のガイ
ド23,23を有している。上記上型12は、このガイ
ド23,23に支持され、油圧シリンダ等の駆動手段1
5によりy方向に沿って移動するようになっている。そ
して、この上型12は、この上型12とともに移動可能
な対称型のパンチ40,40を支持している。この態様
では、パンチ40,40は、図2の左右に一対設けられ
ている。また、このパンチ40は、後述する曲げ工程に
対応して、複数の種類のものが、図2の奥行き方向,す
なわちx方向に沿って順次配置されている。
【0036】また、この実施形態では、好ましくは、各
パンチ40,40やダイ30は、超硬合金にダイヤモン
ドライクコーティング(DLC)がなされている。これ
により、繰り返し成形作業を行っても、容易に破損しな
いようになっている。
【0037】一方、下型13は、図2の中心付近にダイ
30を支持している。この下型13は移動しない。ダイ
30は、上記各複数種類のパンチ40に対応して、各曲
げ工程に応じて複数の形状を備えており、これらはベー
ス部が一体のものであっても、別々のものであってもよ
い。そして、この複数の形状のダイ30は、パンチ40
と同様に、各曲げ工程に対応して、図2の奥行き方向,
すなわちx方向に沿って順次配置されている。
【0038】また、下型13は、ダイ30を挟むように
して、弾性支持手段17a,17aにより支持された一
対の搬送レール17,17を備えている。各搬送レール
17,17は、例えば、互いに内向きに開いたV字状の
溝を備えており、この各V字状の溝内に、半導体装置で
ある半導体パッケージ16の本体から、それぞれ側方に
水平に延びるリードフレーム18,18の各先端部を受
容して支持している。そして、搬送レール17,17
は、後述する複数の曲げ工程に対応して、半導体パッケ
ージ16を送り方向であるx方向に送るようになってい
る。
【0039】この搬送レール17,17による搬送の過
程で、後述する曲げ工程毎に、上型の支持部24は下降
される。これにより、半導体パッケージ16の各リード
フレーム18,18は、各パンチ40,40とダイ30
に挟まれて、適切な曲げ応力を付与されることにより成
形されるようになっている。
【0040】そして、後述するように曲げ工程におい
て、パンチ40を使用しない工程においては、パンチ4
0を設けず、上型12が直接半導体パッケージ16の本
体を下方に押しつけることによって、ダイ30だけを作
用させることができるようになっている。
【0041】次に、この成形装置10による成形工程を
説明しながら、各ダイとパンチの構成について説明す
る。
【0042】図3は、成形装置10による4つの曲げ工
程の要部を拡大して示す説明図である。この各工程は、
図14にて説明した従来の各曲げ工程に対応しており、
図3(a)は第1の曲げ工程、図3(b)は第2の曲げ
工程、図3(c)は第3の曲げ工程、図3(d)は第4
の曲げ工程である。
【0043】これらの図において、第1の曲げ工程と第
2の曲げ工程では、ダイとパンチが用いられており、第
3の曲げ工程ではパンチのみを、第4の曲げ工程ではダ
イだけを用いている。そして、これらの工程において、
より精密な加工が要求される場合には、ダイとパンチの
両方を用いればよい。
【0044】また、各工程において、使用される複数の
種類のパンチは、図2に示すパンチ40の位置に、紙面
の奥行き方向(x方向)に沿って、各工程毎に順次配置
されているものである。一方、各工程において使用され
る複数種類のダイは、対応する工程毎に順次上記と同じ
方向に配置されているものである。
【0045】また、図示されているのは、半導体装置の
一本のリードフレーム18に対する成形工程であるが、
この一本のリードフレーム18の成形と同時に同じ方法
によって、他のリードフレームも同時に成形される。
【0046】図3(a)の第1の曲げ工程では、リード
フレーム18の基端部18aよりも先の部分18bが、
第1のダイ31と第1のパンチ41に挟まれるこによっ
て、図示するように上に凸となった曲線状に先ず成形さ
れる。この第1の曲げ工程は、従来の工程と同じであ
る。
【0047】次いで、図3(b)の第2の曲げ工程で
は、第2のダイ32と第2のパンチ42とでリードフレ
ーム18が挟まれることにより、リードフレーム18の
先端側18bを下側に向けて、パッケージ16に接近す
る方向へ所定角度折り曲げられる。
【0048】具体的には、第2のパンチ42は、板状
で、リードフレーム18の先端側18bに当接する当接
部が緩い曲線状の凸部42aとなっており、従来の第2
のパンチ7の当接部のような傾斜面7aとは異なってい
る(図14参照)これにより、リードフレーム18の上
側では、第2のパンチ42は、リードフレーム18に対
して、線接触している。
【0049】一方、図4及び図5に示すように、第2の
ダイ32の上面には、上下に長い形状であり、その上端
は、外向きに上昇する緩い傾斜面である第1の傾斜面3
2aと、この第1の傾斜面32aの頂点32bを経て、
これに続き、外向きに下降する急な傾斜面である第2の
傾斜面32cを備えている。
【0050】そして、この第2のダイ32は、リードフ
レーム18の下方から当接し、リードフレームの上方か
らは第2のパンチ42が、第2のダイ32の頂点32b
の位置よりも外側の位置で、リードフレーム18の上方
から当接される。
【0051】これにより、図5に示されているように、
上記第2のダイ32の頂点32bに対応した位置よりも
先端側であるリードフレーム18の先端側18bに対し
て、矢印A方向へ曲げる力が作用する。
【0052】これと同時に、リードフレーム18の基端
部18a付近では、下から第2のダイ32が当接してお
り、第1の傾斜面32aと頂点32bが食い込んで、図
6に示すようにノッチ18cを形成する。
【0053】このように、第2の曲げ工程では、リード
フレーム18の基端部18a付近の下側にノッチ18c
が形成されることから、ここに曲げ応力が集中して、容
易に曲げることができ、スプリングバックが発生しな
い。
【0054】また、第2のパンチ42は、リードフレー
ム18の上から当接部42aにて、ほぼ線接触して、こ
れを下方に押すので、従来の第2の曲げ工程と比較する
と、第2のパンチ42とリードフレーム18とが、互い
に擦れる量が格段に小さくなり、上記ノッチ18cによ
り曲折に力を要しなくなった点とあいまって、摩擦力が
生じることが殆どなく、リードフレーム18の表面の半
田メッキを剥がしてしまうことが有効に防止される。
【0055】ここで、第2の曲げ工程においては、図6
に示されているように、その曲げ角θがほぼ32度に設
定されている。
【0056】次に、図3(c)の第3の曲げ工程では、
ダイは使用せず、第3のパンチ43のみが使用される。
ここで、第3のパンチ43は、図7に詳しく示されてい
るように、ほぼ上下方向に長い板状であり、先端のリー
ドフレーム18側の角部は、曲面でなる丸い角部43a
とされており、この丸い角部43aから上方へ連続する
ように垂直面43bが連設されている。この丸い角部4
3aは、第1の当接部を構成している。また、第3のパ
ンチ43は、上記垂直面43bの上方には、角を丸く曲
面とした段部43dを介して、より内側に接近した垂直
面43cを有しており、この段部43dは、第2の当接
部を構成している。
【0057】これにより、第3のパンチ43は、第3の
曲げ工程において、リードフレーム18に上方から相対
的に接近し、図8に示すように先ず第1の当接部である
丸い角部43aがリードフレーム18に上方から当接し
て、さらに下方に曲げる。このとき丸い角部43aは、
リードフレーム18に対して曲面で線接触しているの
で、殆ど擦れを伴うことがなく、接触箇所も短い位置を
移動するだけである。
【0058】次いで、さらに第3のパンチ43を下降さ
せると、図9に示すように、リードフレーム18との接
触箇所を曲面に沿って線接触しながら徐々に上方に移動
させてゆく。さらに第3のパンチ43を下降させると、
図10に示されているように、第2の当接部である段部
43dがリードフレーム18と当接する。ここで、段部
43dもリードフレーム18に対して曲面で線接触して
おり、しかも、第1の当接部は、リードフレーム18と
は離れているから、このリードフレーム18に対して
は、段部43dが線接触しているだけである。ことのた
め、第3のパンチ43とリードフレーム18との擦れは
最小とされている。
【0059】このように、第3の曲げ工程においては、
リードフレーム18に対して、複数の当接部で段階的に
当接させ、しかも常に曲面で接触させることにより、第
3のパンチ43とリードフレーム18との擦れ量は格段
に小さくなり、リードフレーム18の表面の半田メッキ
を剥がしてしまうことが有効に防止される。
【0060】図11は、図3(d)に示した第4の曲げ
工程を拡大して示している。この曲げ工程では、第3の
ダイ33のみが用いられる。
【0061】ここで、第3のダイ33は、図12で拡大
して示す従来のこの工程に対応したダイ9と比較すると
(図14参照)、そのリードフレーム18の受容面33
aの開き角度αが小さく形成されている。すなわち、従
来のダイ9では、受容面9aの開き角度βは、約18.
46度程度であるが、この第3のダイ33の受容面33
aの開き角度αは、約12.50度程度である。
【0062】これにより、第4の曲げ工程では、曲折し
たリードフレーム18をよりパッケージ16に近づける
ように押しつけることができ、その分仕上がりがきれい
で、コンパクトにまとめることが可能となる。
【0063】このように、上述の成形装置10を用いる
成形方法によれば、各曲げ工程において、しかもダイや
パンチとリードフレーム18との擦れ量をごく僅かにし
たので、リードフレーム18の半田メッキが剥がされる
ことが有効に防止され、また、メッキが移ることが有効
に防止される。これにより、リードフレーム18の表面
の半田メッキをできるだけはがさないようにして、成形
品質及び製品の品質を向上させることができる。
【0064】本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0065】上述の各曲げ工程における構成は、これを
ひとつだけ利用しても、従来よりリードフレームの半田
メッキを剥がす危険を減らすことができ、製品の品質を
向上させることができる。例えば、第3のパンチ43
は、2つではなく、より多数の当接部を備えるように構
成してもよい。
【0066】さらに、本発明の成形方法は、4つの曲げ
工程に限らず、より少ない曲げ工程または、より多くの
曲げ工程により構成してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1及び請求項
2の発明によれば、リードフレームの表面の半田メッキ
をできるだけはがさないようにして、成形品質及び製品
の品質を向上させるようにした半導体装置のリード成形
装置を提供することができる。また、請求項5及び請求
項6の発明によれば、リードフレームの表面の半田メッ
キをできるだけはがさないようにして、成形品質及び製
品の品質を向上させるようにした半導体装置のリード成
形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置のリード成
形装置の概略側面図。
【図2】図1のA−A線概略断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る成形方法の4つの曲げ
工程を示す概略説明図。
【図4】図3の成形方法に使用する第2のダイの構成を
示す拡大図。
【図5】図4のダイによる成形の様子を示す拡大図。
【図6】図3の第2の曲げ工程における成形の様子を示
す拡大図。
【図7】図3の第3の曲げ工程の動作開始の状態を拡大
して示す図。
【図8】第3の曲げ工程において図7に続く動作を拡大
して示す図。
【図9】第3の曲げ工程において図8に続く動作を拡大
して示す図。
【図10】第3の曲げ工程において図9に続く動作を拡
大して示す図。
【図11】図3の第4の曲げ工程における成形の様子を
示す拡大図。
【図12】図11と対比して従来の成形の様子を示す参
考図。
【図13】半導体装置を示す概略正面図。
【図14】従来の成形方法の4つの曲げ工程を示す概略
説明図。
【図15】従来の曲げ工程における問題点を示す説明
図。
【符号の説明】
10 半導体装置のリード成形装置 11 フレーム 12 上型 13 下型 16 半導体装置(パッケージ) 18 リードフレーム 30 ダイ 31 第1のダイ 32 第2のダイ 33 第3のダイ 40 パンチ 41 第1のパンチ 42 第2のパンチ 43 第3のパンチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方に支持された複数種類のダイと、こ
    の複数種類のダイに対して相対的に近接移動される他方
    に支持された複数種類のパンチとにより半導体装置のリ
    ードフレームをJ形に曲げ加工する成形装置であって、 第1の曲げ工程に対応して、リードフレームの基端部よ
    り先を、J形曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形
    するための第1のダイ及び第1のパンチと、 この第1の曲げ工程に続く第2の曲げ工程において、前
    記リードフレームに対して、それぞれ一方と他方より挟
    むように当接する第2のダイ及び第2のパンチとを備え
    ており、 前記第2のダイは、この第2の曲げ工程において、前記
    リードフレームの基端部近傍にノッチを形成するための
    傾斜面を備えていることを特徴とする、半導体装置のリ
    ード成形装置。
  2. 【請求項2】 一方に支持された複数種類のダイと、こ
    の複数種類のダイに対して相対的に近接移動される他方
    に支持された複数種類のパンチとにより半導体装置のリ
    ードフレームをJ形に曲げ加工する成形装置であって、 第1の曲げ工程に対応して、リードフレームの基端部よ
    り先を、J形曲げ加工に対応した所定の曲線形状に成形
    するための第1のダイ及び第1のパンチと、 この第1の曲げ工程に続く第2の曲げ工程において、前
    記リードフレームに対して、それぞれ一方と他方より挟
    むように当接する第2のダイ及び第2のパンチと、 前記第2の曲げ工程に続く第3の曲げ工程において、前
    記他方より押し当てられる第3のパンチとを備えてお
    り、 前記第3のパンチが、前記リードフレームに対して段階
    的に押し当てられる複数の当接部を有することを特徴と
    する、半導体装置のリード成形装置。
  3. 【請求項3】 前記第3の曲げ工程における曲げ角度に
    対応した狭い開き角度をもつ第3のダイを備える請求項
    2に記載の半導体装置のリード成形装置。
  4. 【請求項4】 前記複数種類のパンチ及び/または複数
    種類のダイは、超硬合金で形成し、ダイヤモンドライク
    カーボンによりコートした請求項1ないし3のいずれか
    に記載の半導体装置のリード成形装置。
  5. 【請求項5】 半導体装置のリードフレームをJ形に曲
    げ加工する半導体装置のリード成形方法であって、 装置本体から延びるリードフレームの基端部より先を、
    一方から当接する第1のダイと、他方から当接する第1
    のパンチとの間で、J形曲げ加工に対応した所定の曲線
    形状に成形する第1の曲げ工程と、 次いで、前記リードフレームに対して、第2のダイを当
    接させるとともに、他方より第2のパンチを押し当てつ
    つリードフレームの基端部より先を装置本体側に所定角
    度折り曲げる第2の曲げ工程とを含んでおり、 前記第2の曲げ工程において、前記リードフレームの基
    端部近傍にノッチを形成することを特徴とする、半導体
    装置のリード成形方法。
  6. 【請求項6】 半導体装置のリードフレームをJ形に曲
    げ加工する半導体装置のリード成形方法であって、 装置本体から延びるリードフレームの基端部より先を、
    一方から当接する第1のダイと、他方から当接する第1
    のパンチとの間で、J形曲げ加工に対応した所定の曲線
    形状に成形する第1の曲げ工程と、 次いで、前記リードフレームに対して、第2のダイを当
    接させるとともに、他方より第2のパンチを押し当てつ
    つリードフレームの基端部より先を装置本体側に所定角
    度折り曲げる第2の曲げ工程と、 この第2の曲げ工程に続いて、リードフレームの基端部
    より先を装置本体側にさらに折り曲げる第3の工程とを
    含んでおり、 前記第3の曲げ工程においては、第3のパンチの複数の
    押し当て部を段階的に押し当てることを特徴とする、半
    導体装置のリード成形方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の曲げ工程における曲げ角度に
    対応した狭い開き角度をもつ第3のダイにより、前記リ
    ードフレームを前記本体に対して押しつけるように曲げ
    る第4の曲げ工程を含んでいる請求項6に記載の半導体
    装置のリード成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016067407A1 (ja) * 2014-10-30 2016-05-06 富士機械製造株式会社 屈曲装置
WO2024072215A1 (en) * 2022-09-30 2024-04-04 Besi Netherlands B.V. Lead forming device for forming an electronic component lead and a method for forming an electronic component lead

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