JP2001055404A - アクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法 - Google Patents

アクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法

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JP2001055404A
JP2001055404A JP11232047A JP23204799A JP2001055404A JP 2001055404 A JP2001055404 A JP 2001055404A JP 11232047 A JP11232047 A JP 11232047A JP 23204799 A JP23204799 A JP 23204799A JP 2001055404 A JP2001055404 A JP 2001055404A
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acrylic
copolymer
acrylic monomer
comonomer
monomer
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JP11232047A
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English (en)
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Hiroo Muramoto
博雄 村本
Yukikazu Nobuhara
幸和 信原
Hitoshi Matsumoto
仁志 松本
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非アクリル骨格とアクリル骨格とを主骨格と
する、単峰性で分子量分布が狭く、構造の制御された共
重合体の製造方法や、開始剤効率を高め、狭い分子量分
布でかつ所望の分子量を持つコポリマーを繰り返し再現
性よく調製することができる重合方法を提供すること。 【解決手段】 リビングアニオン重合法により、まずア
ルカリ金属又は有機アルカリ金属からなる重合開始剤
(例えばn−ブチルリチウム)のみで非アクリルコモノ
マーのポリマーを形成した後に、続いて、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属のハロゲン化物(例えば塩化リチ
ウム)よりなる添加剤を添加し、次いでアクリルモノマ
ーを添加することにより、アクリルモノマーと非アクリ
ルコモノマーとの共重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属又は
有機アルカリ金属を重合開始剤とするアクリルモノマー
と非アクリルコモノマーの共重合体の製造方法に係わ
り、さらに詳細には非アクリルコモノマー単位とアクリ
ルモノマー単位とを必須構成単位とする構造の制御され
たアクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合
体の製造方法の改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の重合開始剤、例えばsec
−ブチルリチウムの存在下でアクリルモノマーと非アク
リルコモノマーを共重合することは知られている。また
アクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合反
応が種々の添加剤及び触媒、例えばアジド、ジアニド又
はフッ化物イオン又はルイス酸などの存在下に行いうる
ことも知られている。
【0003】さらに、特公平7−42326号公報に記
載されているように、アルカリ金属又はアルカリ土類金
属の塩、好ましくはそれらの金属のハロゲン化物、例え
ば塩化リチウムよりなる助触媒、あるいは添加剤の存在
下に、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を触媒に使用
し、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーと非アク
リルコモノマーとの共重合を行う方法が知られている。
該方法によると、例えば塩化リチウムは開始剤のイオン
対及びポリマー鎖のイオン対を安定化することから、鉱
酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と重合開始
剤とを同時に使用すると著しい効果を発揮することがで
き、非アクリルコモノマー成長末端アニオンによるア
クリルモノマーのカルボニル基への攻撃とα位水素引き
抜き反応を避けることにより、共重合の開始を制御で
き、ポリマー成長末端アニオンによるポリマー鎖又は
モノマーのカルボニル基への攻撃とα位水素引き抜き反
応を避けることにより重合成長を制御することができ、
連鎖移動反応を抑制することにより、ポリマー及びコ
ポリマーは良好な分子量分布を示し、予め構造及び分子
量を決定したポリマーを調製することができ、同じ反
応物容器中で逐次重合操作によってブロックコポリマー
を調製することができるとされている。
【0004】また、上記重合方法によると、例えば塩化
リチウムを使用すると開始剤の反応性を調節、すなわち
開始剤の反応性を都合よく減少させ、ブロックコポリマ
ーを形成する場合に、カルボニル基又はα位の水素原子
での副反応を抑制することが可能となり、その結果、ポ
リマーの分子量や分子量分布の制御を妨げる連鎖移動反
応を抑制することができるとされている。しかし、この
方法ではコポリマーを良好な分子量分布で調製すること
はできても、繰り返し再現性よく所望の分子量のコポリ
マーを得ることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非ア
クリル骨格とアクリル骨格とを主骨格とする、単峰性で
分子量分布が狭く、構造の制御された共重合体の製造方
法や、開始剤効率を高め、狭い分子量分布でかつ所望の
分子量を持つコポリマーを繰り返し再現性よく調製する
ことができる重合方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、リビングアニオン
重合法により、まず開始剤のみで非アクリルコモノマー
のポリマーを形成した後に、続いて、鉱酸のアルカリ金
属塩又はアルカリ土類金属塩よりなる添加剤を添加し、
次いでアクリルモノマーを添加することにより、分子量
分布が狭く、かつ構造の制御された非アクリル骨格とア
クリル骨格とを主骨格とする共重合体を繰り返し再現性
よく得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、アルカリ金属又は有機
アルカリ金属を重合開始剤として用いたアクリルモノマ
ーと非アクリルコモノマーとのアニオン重合方法による
共重合体の製造方法において、非アクリルコモノマーの
繰り返しユニットを前記重合開始剤を用いて形成した後
に、鉱酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩より
なる添加剤を添加し、次いでアクリルモノマーを添加す
ることを特徴とするアクリルモノマーと非アクリルコモ
ノマーとの共重合体の製造方法(請求項1)や、添加剤
が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物
であることを特徴とする請求項1記載のアクリルモノマ
ーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法(請
求項2)や、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロ
ゲン化物が、ハロゲン化リチウムである請求項2記載の
方法(請求項3)や、ハロゲン化リチウムが、塩化リチ
ウムであることを特徴とする請求項3記載のアクリルモ
ノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法
(請求項4)や、アクリルモノマーが、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、ジアルキルアクリルアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルから選ばれ
る1種又は2種以上のアクリルモノマーであることを特
徴とする請求項1記載のアクリルモノマーと非アクリル
コモノマーとの共重合体の製造方法(請求項5)や、ア
クリルモノマーが、炭素数1〜18のアルキル基を含有
するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート
であることを特徴とする請求項5記載のアクリルモノマ
ーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法(請
求項6)や、アルキル基を含有するアルキルアクリレー
ト又はアルキルメタクリレートが、tert−ブチルア
クリレート又はtert−ブチルメタクリレートである
ことを特徴とする請求項6記載のアクリルモノマーと非
アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法(請求項
7)や、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーのア
ルキル基が、フッ素、tert−アミノ基あるいはカル
ボアルコキシ基で置換されていることを特徴とする請求
項6記載のアクリルモノマーと非アクリルコモノマーと
の共重合体の製造方法(請求項8)や、非アクリルコモ
ノマーが、ブタジエン、イソプレン、置換されていても
よいスチレン、シクロシロキサン、ビニルナフタレン、
ビニルピリジンから選ばれる1種又は2種以上の非アク
リルコモノマーであることを特徴とする請求項1〜8の
いずれか記載のアクリルモノマーと非アクリルコモノマ
ーとの共重合体の製造方法(請求項9)や、有機アルカ
リ金属が、式RM(式中Mはアルカリ金属及びアルカリ
土類金属の群から選ばれる金属を表わし、Rは直鎖ある
いは枝分かれ鎖であってもよい炭素数2〜6のアルキル
基、脂環式基又はアリール基を表わす)で表わされる化
合物よりなる群より選ばれることを特徴とする請求項1
〜9のいずれか記載のアクリルモノマーと非アクリルコ
モノマーとの共重合体の製造方法(請求項10)や、重
合開始剤が、ブチルリチウム及びナフタレンソディウム
型の化合物よりなる群より選ばれることを特徴とする請
求項1〜10のいずれか記載のアクリルモノマーと非ア
クリルコモノマーとの共重合体の製造方法(請求項1
1)や、重合を−78℃〜室温で行うことを特徴とする
請求項1〜11のいずれか記載のアクリルモノマーと非
アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法(請求項1
2)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のアクリルモノマーと非ア
クリルコモノマーとの共重合体の製造方法は、アルカリ
金属又は有機アルカリ金属を重合開始剤として用いたア
クリルモノマーと非アクリルコモノマーとのアニオン重
合方法において、非アクリルコモノマーの繰り返しユニ
ットを前記重合開始剤を用いて形成した後に、鉱酸のア
ルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩よりなる添加剤を
添加し、次いでアクリルモノマーを添加することを特徴
とする。
【0009】本発明に用いられる重合開始剤としては、
アルカリ金属又は有機アルカリ金属、好ましくは式RM
(式中、Mはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の群か
ら選ばれる金属を表し、Rは直鎖あるいは枝分かれ鎖で
あってもよい炭素数2〜6のアルキル基、又はアリール
基を表す)で示される有機アルカリ金属からなり、アル
カリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、
セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属と
しては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化
物、アリール化物等を挙げることができ、具体的には、
エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウム、エチルナトリウ
ム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウ
ムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α−メチルス
チレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキ
シルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチ
ルリチウム等を挙げることができる。
【0010】本発明に用いられる非アクリルコモノマー
としては、ブタジエン、イソプレン、置換されていても
よいスチレン、シクロシロキサン、ビニルナフタレン、
ビニルピリジン等を例示することができる。置換されて
いてもよいスチレンにおける置換基としてはアルキル基
及び/又はアルコキシ基が好ましく、スチレン型のコモ
ノマーとしては、例えば、スチレン、p−n−ブトキシ
スチレン、p−sec−ブトキシスチレン、p−ter
t−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシ−α−
メチルスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、m
−tert−ブトキシ−α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ブチルス
チレン等を挙げることができる。ビニルピリジンコモノ
マーとしては、そのビニル基が2位又は4位であっても
よい。これらは1種単独又は2種以上の混合物として使
用することができる。即ち、本発明における非アクリル
コモノマーのポリマーは、一種類のモノマーによるホモ
ポリマーだけでなく、二種以上のモノマーによるランダ
ムコポリマー又はブロックコポリマーであってもよい。
【0011】本発明における鉱酸のアルカリ金属塩又は
アルカリ土類金属塩よりなる添加剤としては、アルカリ
金属及びアルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウ
ム、リチウム、バリウム、マグネシウムの硫酸塩、硝酸
塩、ホウ酸塩等の鉱酸塩やハロゲン化物を例示すること
ができ、より具体的にはリチウムやバリウムの塩化物、
臭化物、ヨウ化物や、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を挙げることがで
きるが、これらの中でも、リチウムのハロゲン化物、例
えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム又
はフッ化リチウム、特に塩化リチウムを使用することが
好ましい。
【0012】本発明に用いられるアクリルモノマーとし
ては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ジ
アルキルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル及びそれらの混合物を例示することができ
る。かかるアクリルモノマーとしては、炭素数1〜18
のアルキル基、特にメチル基、tert−ブチル基、n
−ブチル基を含有するアルキルアクリレート又はアルキ
ルメタクリレートや、ベンジルメタクリレートが好まし
い。また、上記アルキル基はフッ素、tert−アミノ
基又はカルボアルコキシ基、例えばアセトキシ基で置換
されていてもよい。より具体的には、アクリル酸エステ
ルとしてメチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、
3−オキソシクロヘキシルアクリレート、1−アダマン
チルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアク
リレート、イソボルニルアクリレートを、メタクリル酸
エステルとしてはメチルメタクリレート、n−プロピル
メタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、テトラヒドロピ
ラニルメタクリレート、3−オキソシクロヘキシルメタ
クリレート、1−アダマンチルメタクリレート、2−メ
チル−2−アダマンチルメタクリレート、イソボルニル
メタクリレート等をあげることができる。これらは1種
単独又は2種以上の混合物として使用することができ
る。即ち、アクリルモノマーのポリマーは一種のモノマ
ーによるホモポリマーだけでなく、二種以上のモノマー
によるランダムコポリマー又はブロックコポリマーであ
ってもよい。
【0013】本発明による重合方法では、まず、アルカ
リ金属又は有機アルカリ金属を重合開始剤として非アク
リルモノマーのアニオン重合を行い、非アクリルコモノ
マーのリビングポリマーを作る。次いで、反応系に塩化
リチウムなどの添加剤を加えた後、さらにアクリルモノ
マーを逐次添加して共重合反応を行う。これらの一連の
反応は通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気
下、有機溶媒中において−100〜50℃、好ましくは
−78℃〜室温の温度下で行われる。
【0014】上記共重合反応に用いられる有機溶媒とし
ては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素
類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水
素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、その他アニソール、ヘキサメチルホスホルア
ミド等通常アニオン重合において使用される有機溶媒の
1種単独又は2種以上の混合溶媒が用いられる。特にヘ
キサン、シクロヘキサンなどの脂肪族あるいは脂環族炭
化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素とテ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどとの混合溶媒が反応
には好適である。
【0015】共重合反応の停止にはメタノール等のプロ
トン供与性物質を用いることができる。
【0016】本発明における重合方法においては、開始
剤及び添加剤のアクリルモノマーや非アクリルコモノマ
ーに対する使用量は特に制限されることはない。
【0017】本発明のアクリルモノマーと非アクリルコ
モノマーとの共重合体の製造方法によると、数平均分子
量が1,000〜50,000の範囲で任意の分子量を
もち、且つ、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量
(Mw)との比Mw/Mnが1.00〜1.40、より
好ましくは1.00〜1.30である単峰性で分子量分
布が狭く、且つ、構造の制御された共重合体を繰り返し
再現よく得ることができる。
【0018】また、非アクリルコモノマーにフェノール
残基を飽和脂肪族系保護基などで保護されたスチレン誘
導体を使用した場合に得られた共重合体に対し、前記重
合反応で例示した溶媒のほか、メタノール、エタノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の多
価アルコール誘導体類、水などの1種単独又は2種以上
の混合溶媒の存在下、塩酸、硫酸、塩化水素ガス、臭化
水素酸、p−トルエンスルホン酸、1,1,1−トリフ
ロロ酢酸、重硫酸塩などの酸性試剤を触媒として室温か
ら150℃で反応させることにより、共重合体から飽和
脂肪族系などの保護基を脱離させることができ、この反
応によってアルケニルフェノール系共重合体を製造する
ことができる。こうして得られた共重合体はエキシマレ
ーザーレジスト材料などのポリマーとして利用が期待で
きる。
【0019】アルカリ金属又は有機アルカリ金属を重合
開始剤とするアクリルモノマーと非アクリルコモノマー
のアニオン重合において、反応系に塩化リチウムを添加
しない場合、アクリルモノマーの添加時に副反応を抑制
できず、単峰性で狭い分子量を持つ共重合体を得ること
ができない。一方、塩化リチウム共存下で共重合を行う
場合、単峰性で狭い分子量分布を持つポリマーは得られ
るが、非アクリルコモノマー重合時に塩化リチウムが存
在すると重合開始剤と非アクリルコモノマーとの間での
開始反応において、開始剤効率が低下すると共に繰り返
し再現性が悪くなるため、共重合反応で所望の分子量を
再現よく得ることはできない。
【0020】これに対して、非アクリルコモノマーを重
合した後に塩化リチウムを添加する本発明の重合方法に
よると、開始剤効率の低下を防止できるので、単峰性で
狭い分子量分布をもつ共重合体を所望の分子量で再現性
よく調製することができる。例えば、開始剤としてブチ
ルリチウムを用い、添加剤として塩化リチウムを用いる
場合、ブチルリチウムにより、塩化リチウムの非存在下
に非アクリルコモノマーを重合させてポリマーを形成さ
せると、ブチルリチウムの開始剤効率が、塩化リチウム
の存在下の場合に比べて2倍以上に高くなり、かつ安定
する。その結果該ポリマーは所望の分子量に設定するこ
とができ、その後、塩化リチウムを添加し、塩化リチウ
ムの存在下にアクリルモノマーを添加してブロック共重
合体を形成することから、単峰性で狭い分子量分布を持
つブロック共重合体を所望の分子量で再現性よく調製す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1(本発明によるコポリマーの調製) 窒素導入管、滴下ロート、攪拌機、温度計の付いた2L
の四つ口フラスコに対し、窒素雰囲気下、THF377
g、ヘキサン251gを加え、攪拌下、−40℃まで冷
却した。この四つ口フラスコに、シリンジによりn−ブ
チルリチウム/ヘキサン溶液(15.1wt%)3.8
gを添加し、溶剤に分散させた後、p−tert−ブト
キシスチレン77gを滴下ロートから約10分で滴下
し、更に反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィー
により反応完結を確認した。この後、塩化リチウム/T
HF溶液(2.15wt%)304gを滴下ロートから
添加した後、n−ブチルメタクリレート23gとTHF
34gの混合液を滴下ロートから約5分で滴下し、更に
反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィーにより反
応完結を確認した後、最後に、反応系にメタノール17
gを加えて反応を停止し、コポリマー99.5を得た
(収率99.5)。ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーによりポリマーを分析したところ、分子量は11
900、分子量分布(Mw/Mn)は1.11と狭分散
単峰性であった。同様の操作で繰り返し再現性をみた。
2回目、分子量は11800、分子量分布(Mw/M
n)は1.12、3回目、分子量は11700、分子量
分布(Mw/Mn)は1.11といずれも狭分散単峰性
であった。
【0022】比較例1(従来法によるコポリマーの調
製) 窒素導入管、滴下ロート、攪拌機、温度計の付いた2L
の四つ口フラスコに対し、窒素雰囲気下、塩化リチウム
/THF溶液(3.10wt%)547g、THF66
g、ヘキサン397gを加え、攪拌下、−40℃まで冷
却した。この四つ口フラスコに、シリンジによりn−ブ
チルリチウム/ヘキサン溶液(15.1wt%)6.6
5gを添加し、溶剤に分散させた後、p−tert−ブ
トキシスチレン148gとスチレン27gの混合液を滴
下ロートから約5分で滴下し、更に反応を1時間継続
し、ガスクロマトグラフィーにより反応完結を確認し
た。この後、−60℃まで冷却してからtert−ブチ
ルメタクリレート27gを滴下ロートから約5分で滴下
し、更に反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィー
により反応完結を確認した後、最後に反応系にメタノー
ル17gを加えて反応を停止し、コポリマー174gを
得た(収率99.3%)。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによりポリマーを分析したところ、分子量
は28000、分子量分布(Mw/Mn)は1.17で
あった。同様の操作で繰り返し再現性をみた。2回目、
分子量は11500,分子量分布(Mw/Mn)は1.
22、3回目、分子量は14300、分子量分布(Mw
/Mn)は1.17であった。いずれも狭分散単峰性で
はあるが、繰り返し再現性が悪く、設計した分子量の共
重合体を再現性よく得ることはできなかった。
【0023】比較例2(対照;塩化リチウムの不使用に
おけるコポリマーの調整) 窒素導入管、滴下ロート、攪拌機、温度計の付いた2L
の四つ口フラスコに対し、窒素雰囲気下、THF499
g、ヘキサン55gを加え、攪拌下、−40℃まで冷却
した。この四つ口フラスコに、シリンジよりn−ブチル
リチウム/ヘキサン溶液(15.1wt%)5.5gを
添加し、溶剤に分散させた後、p−tert−ブトキシ
スチレン130gを滴下ロートから約15分で滴下し、
更に反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィーによ
り反応完結を確認した。この後、tert−ブチルメタ
クリレート16gを滴下ロートから約5分で滴下し、更
に反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィーにより
反応完結を確認した後、最後に、反応系にメタノール2
9gを加えて反応を停止し、コポリマー145gを得た
(収率99.5%)。ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーによりポリマーを分析したところ、分子量は1
2300、分子量分布(Mw/Mn)は1.76であ
り、狭分散単峰性のものは得られなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明の重合方法によると、非アクリル
骨格とアクリル骨格とを主骨格とする、単峰性で分子量
分布が狭く、構造の制御された共重合体であり、さら
に、開始剤効率が高くかつ安定であり、所望の分子量を
持つ共重合体を繰り返し再現性よく調製することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 仁志 千葉県市原市五井南海岸12−24 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 Fターム(参考) 4J011 BA02 BA04 BA06 BB01 BB07 BB09 4J015 DA02 4J100 AB00P AB02P AB04P AB07P AL03Q AL08Q AM02Q AM19Q AQ12P AS02P AS03P BA04P BC09Q BC27Q BC53Q CA04 DA04 FA03 FA28 FA35 FA39

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属又は有機アルカリ金属を重
    合開始剤として用いたアクリルモノマーと非アクリルコ
    モノマーとのアニオン重合方法による共重合体の製造方
    法において、非アクリルコモノマーの繰り返しユニット
    を前記重合開始剤を用いて形成した後に、鉱酸のアルカ
    リ金属塩又はアルカリ土類金属塩よりなる添加剤を添加
    し、次いでアクリルモノマーを添加することを特徴とす
    るアクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 添加剤が、アルカリ金属又はアルカリ土
    類金属のハロゲン化物であることを特徴とする請求項1
    記載のアクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハ
    ロゲン化物が、ハロゲン化リチウムである請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化リチウムが、塩化リチウムで
    あることを特徴とする請求項3記載のアクリルモノマー
    と非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 アクリルモノマーが、アクリル酸エステ
    ル、メタクリル酸エステル、ジアルキルアクリルアミ
    ド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルから選ばれ
    る1種又は2種以上のアクリルモノマーであることを特
    徴とする請求項1記載のアクリルモノマーと非アクリル
    コモノマーとの共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アクリルモノマーが、炭素数1〜18の
    アルキル基を含有するアルキルアクリレート又はアルキ
    ルメタクリレートであることを特徴とする請求項5記載
    のアクリルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルキル基を含有するアルキルアクリレ
    ート又はアルキルメタクリレートが、tert−ブチル
    アクリレート又はtert−ブチルメタクリレートであ
    ることを特徴とする請求項6記載のアクリルモノマーと
    非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 アクリルモノマー又はメタクリルモノマ
    ーのアルキル基が、フッ素、tert−アミノ基あるい
    はカルボアルコキシ基で置換されていることを特徴とす
    る請求項6記載のアクリルモノマーと非アクリルコモノ
    マーとの共重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 非アクリルコモノマーが、ブタジエン、
    イソプレン、置換されていてもよいスチレン、シクロシ
    ロキサン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンから選ば
    れる1種又は2種以上の非アクリルコモノマーであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のアクリル
    モノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 有機アルカリ金属が、式RM(式中M
    はアルカリ金属及びアルカリ土類金属の群から選ばれる
    金属を表わし、Rは直鎖あるいは枝分かれ鎖であっても
    よい炭素数2〜6のアルキル基、脂環式基又はアリール
    基を表わす)で表わされる化合物よりなる群より選ばれ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載のアク
    リルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 重合開始剤が、ブチルリチウム及びナ
    フタレンソディウム型の化合物よりなる群より選ばれる
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載のアク
    リルモノマーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 重合を−78℃〜室温で行うことを特
    徴とする請求項1〜11のいずれか記載のアクリルモノ
    マーと非アクリルコモノマーとの共重合体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008045095A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Jsr Corp パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸系(共)重合体の製造方法及び該方法により得られた(共)重合体を用いた感放射線性樹脂組成物
JPWO2007097292A1 (ja) * 2006-02-24 2009-07-16 三井化学株式会社 (メタ)アクリルアミドの製造方法
JP2013185005A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Dic Corp 重合体の製造方法
EP3404066A1 (en) * 2012-03-30 2018-11-21 Lucite International Speciality Polymers and Resins Limited Liquid composition based on emulsion polymerised acrylic polymer particles

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