JP2001055015A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
抗、使用寿命などが改善される。 【解決手段】 ブロック1は、踏込む側のブロックエッ
ジ2Aに、ブロック中央の高原部3に対して高さを減じ
た高さ減少部6Aを形成した。
Description
に隔置してなるブロック列を1列以上有するトレッドパ
ターンの空気入りタイヤに関する。
ックのみからなる所謂ブロックパターン、あるいはブロ
ックの比率が比較的高い例えばリブ・ブロックパター
ン、ラグ・ブロックパターンなどのトレッドパターンの
タイヤにおいては、ブロック外面全体が、タイヤ直径や
金型面の半径に基づいた円弧で湾曲している場合、該ブ
ロックが鋸刃状に不規則に摩耗する所謂ヒールアンドト
ゥ摩耗などの偏摩耗が、しばしば生じることが知られて
いる。特にこのヒールアンドトゥ摩耗は、トラックの駆
動輪側に用いられるタイヤに顕著に現れる。
た公知のブロックは、優れたグリップ性能をもたらす反
面、前記偏摩耗の欠点に加えて転動時の大きな騒音を甘
受しなくてはならない。そしてまた、それぞれのブロッ
クに生じた小さな圧縮ゾーンは、踏込み側のブロックエ
ッジにおける高い接地圧とブロック変形を招来せしめ、
このことがより高い屈曲変形、温度上昇、不安定な転
動、および寿命の短命化につながる可能性がある。
より、こうした欠点を減らすために、ブロックエッジを
面取りし、このブロックエッジにおける高さを減じるこ
とが知られている。この方法は、ある程度の改善をもた
らすものの、上に列挙した問題点を要求しうるレベルま
で十分改善することはできない。
ク列を有するトレッドパターンにおいて、ヒールアンド
トゥ摩耗などの偏摩耗を回避しつつ、転動騒音を大巾に
低減でき、かつ転がり抵抗を下げるとともにタイヤ寿命
を延命化し、それに伴って走行性能を向上させる空気入
りタイヤを提供することにある。
れば基本的には、タイヤ赤道面に対して一定の角度での
びかつタイヤ接地面に踏込む側のブロックエッジに、そ
の全長に亘り、ブロック中央の高原部に対して高さを減
じた高さ減少部を形成することによって解決される。
が、前記高原部に連なる始端縁から溝底近傍の終端縁ま
で延在するとともに、この高さ減少部の、タイヤ赤道面
と平行なブロック断面における輪郭線が、縦長のS字状
曲線からなることであり、さらに好ましい態様では、前
記輪郭線が指数関数の曲線からなることである。
り、トレッドパターンをそれぞれの使用目的にできるだ
け合わせてデザインすることができる。その際、本発明
が従来方法とは異なり格別に意義あることは、トレッド
デザインが溝底を基準として最適の指数関数で行われる
ことであり、このときの指数関数のパラメータは、トレ
ッドパターンがタイヤ回転に対して方向性を有するよう
に或いは有さないように選択することができる。
図示例とともに説明する。本発明の空気入りタイヤは、
トレッド部にブロックが周方向に隔置してなるブロック
列を1列以上有するトレッドパターン、すなわち、所謂
ブロックパターン、リブ・ブロックパターン、ラグ・ブ
ロックパターンなどが対象となる。
は、タイヤ赤道面に対して一定の角度でのびかつタイヤ
接地面に踏込む側のブロックエッジ2A、及びタイヤ接
地面から蹴出す側のブロックエッジ2Bを具える。
ち、少なくとも前記踏込む側のブロックエッジ2Aに、
その全長に亘り、ブロック中央の高原部3に対して高さ
を減じた高さ減少部6Aを形成している。なお本例で
は、前記蹴出し側のブロックエッジ2Bにも、同様に、
その全長に亘り、ブロック中央の高原部3に対して高さ
を減じた高さ減少部6Bを形成している。
ヤ赤道面と平行な周方向断面を示す。該ブロック断面に
おいて、前記高さ減少部6Aは、前記高原部3に連なる
始端縁4から溝底5近傍の終端縁14まで延在するとと
もに、この高さ減少部6Aの輪郭線を、前記終端縁14
を通るブロック高さ方向のY軸と、溝底5を通るブロッ
ク長さ方向のt軸とを有するt−Y座標系で表してい
る。なお同図には、本発明に係わるブロック1(実線で
描く)に対比して、標準の従来的ブロック8を溝底5を
起点として破線で示している。
出し側に、夫々鋭いブロックエッジ2を有しており、こ
れが走行時の高い転動騒音を発生する。又この鋭いブロ
ックエッジ2には、小さな圧縮ゾーンが形成され、これ
が踏込み側のブロックエッジ2Aにおける高い接地圧と
ブロック変形を発生させる。その際に生じる高い屈曲変
形のため、およびこれに結びついた温度上昇のために、
使用寿命が減じ、しかも不安定な転動挙動が生じる可能
性がある。又この種のブロックデザインでは、優れたグ
リップ性能の代償として、いわゆるヒールアンドトゥ摩
耗を甘受しなければならないことはすでに述べたとおり
である。
に係わるブロック1が、前記従来的ブロック8と特に異
なっている点は、少なくとも踏込み側のブロックエッジ
2Aに、その全長に亘り、ブロック中央の高原部3に対
して高さを減じた高さ減少部6Aが形成されている。こ
の高さ減少部6Aは、本例では、前記高原部3に連なる
始端縁4から溝底5近傍の終端縁14まで延在するとと
もに、タイヤ赤道面と平行なブロック断面において、前
記高さ減少部6Aの輪郭線は、縦長のS字状曲線から形
成されている。特に本例では、前記輪郭線が指数関数の
曲線で形成され、トレッドパターンが溝底5から最適化
されてデザインされた場合が例示されている。なおS字
状曲線では、図3に示すようにその変曲点Pが、ブロッ
ク高さの1/3の距離を溝底5から隔てた高さ領域であ
る下側1/3領域内に位置していることが好ましい。
的な事例を示すものであり、これによれば、指数関数に
従ってのびる前記輪郭線の始端縁4は、パラメータbと
して描かれている如き終端縁14に応じて変化させるこ
とが可能である。
とができる:
高さ、パラメータbは前記溝底5からの終端縁14の高
さ、パラメータτは、前記終端縁14(t=0)を通る
前記高さ減少部6Aの接線KとY軸との間のY=a+b
における距離で与えられる。
状に一致しているが、式(1)において、b=0 とし
た特殊な場合を例示している。すなわち、本例では、前
記高さ減少部6Aの終端縁14が溝底5に位置する場合
を示している。
出し側の高さ減少部6Bとは、同一の指数関数すなわち
同一曲線、或いは異なる指数関数すなわち異なる曲線で
形成することができる。しかし好ましくは、異なる曲線
で形成し、踏込む側の高さ減少部6Aの法線に対する傾
斜角度θAを、蹴出し側の高さ減少部6Bの法線に対す
る傾斜角度θBより大とするのが良い。なお踏込む側の
傾斜角度θAは、15〜25゜の範囲が好ましく、又蹴
出し側の傾斜角度θBは0〜13゜の範囲が好ましい。
ここで前記輪郭線が指数関数の場合には、前記接線Kの
法線に対する角度を、傾斜角度θA、θBと定義する。
ることにより、特に要求されるヒールアンドトゥ摩耗の
大巾な回避に加えて、転動騒音の削減と転がり抵抗の低
減とが大きく達成される。又前記高さ減少部6Aにこう
した形状を与えることで、比較的広い圧縮ゾーンが得ら
れ、ひいては前記踏込む側のブロックエッジ2Aにおけ
るブロック変形および接地圧の低減につながる。このこ
とは、屈曲変形及びこれに結びつく温度上昇とを抑える
ため、優れた摩耗状況のもとで使用寿命ないし走行性能
を向上する。さらに別の利点にも触れておくと、前記形
状を設けることで、溝割れの減少や接地時のブロックの
衝撃の低減も達成することができる。
ック1を最適化するための指数関数の曲線を詳細に示し
ている。このとき、従来的ブロック8の壁面は、長方形
のマークで示し、本発明に係わる高さ減少部6Aの輪郭
線は、三角形のマークで表示している。すでに指摘した
ように、それぞれのパラメータa、b、τを選択するこ
とによって、特に優先したい上述の利点を有した種々の
プロファイルを最適に得ることができる。このような高
さ減少部の形成は、周方向のブロックエッジだけでな
く、タイヤ軸方向のブロックエッジに対して行うことも
可能である。
部6A、6Bの始端縁4、4間に配される高原部3の周
方向長さは、終端縁14、14の周方向長さで定義する
ブロック長さの20〜80%、さらには30〜50%が
好ましい。又平面図で見たとき、前記高原部3は、長方
形状または台形状を有している。
ッドデザインが溝底5を基準として最適の指数関数で行
われることであり、溝深さが異なる複数種類の横溝7を
予め設定された繰返し順序で配列させる場合、特に深底
の横溝7とその半分程度の深さの浅底の横溝7とを交互
に配列する場合などに格別に有効である。このようなト
レッドデザインは、特に建築現場、採石場、およびゴミ
収集車に用いられるタイヤなど、類似のトレッドパター
ンを有するタイヤに対して効果がある。
ブロック列の第1の実施態様を示している。
さ減少部6A、6Bの各輪郭線が、前記S字状曲線とは
異なり、始端縁4からのびかつ接地面11に臨む円弧状
の湾曲面部15と、横溝に臨みかつ溝底5近傍の終端縁
14で途切れる平坦な傾斜面部16とで構成されてい
る。なお、前記踏込む側の高さ減少部6Aでは、湾曲面
部15と傾斜面部16とが曲率半径r1の円弧部を介し
て滑らかに連なるのに対して、前記蹴出し側の高さ減少
部6Bでは、湾曲面部15と傾斜面部16とがエッジ状
に連なる。
ける傾斜面部16の法線に対する傾斜角度θAは、前述
の如く15〜25゜の範囲が好ましく、本例では、従来
的ブロック8の傾斜角度θaが11゜であるのに比較し
て傾斜角度θAを17°と大にした場合を例示してい
る。これに対し、蹴出し側の高さ減少部6Bにおける傾
斜面部16の法線に対する傾斜角度θBは、前述の如く
0〜13゜の範囲が好ましく、本例では、従来的ブロッ
ク8の傾斜角度θbと同様11゜とした場合を例示して
いる。なお符号R10は、金型面の半径すなわち高原部
3における曲率半径を意味する。又符号R3、R2は、
夫々踏込み側及び蹴出し側の湾曲面部15の曲率半径で
ある。
ブロック列の第2の実施態様を示しす。本実施態様で
は、前記図4に示す第1の実施形態と同様、高さ減少部
6A、6Bの各輪郭線が、湾曲面部15と傾斜面部16
とで構成されている。前記第1の実施形態と基本的に異
なっているのは、踏込む側の傾斜角度θAと蹴出し側の
傾斜角度θBとが、夫々従来的ブロック8の傾斜角度θ
a、θbと相違している点であり、特に23゜の大きい
傾斜角度θAと0゜の傾斜角度θBとの組み合わせに特
殊性を見ることができる。
ブロック列の第3の実施態様を示しす。本実施態様で
は、踏込む側にのみ高さ減少部が形成されている。又こ
の高さ減少部6Aの輪郭線は、始端縁4からのびかつ接
地面11に臨む面取り状の面取り面部17と、横溝に臨
みかつ溝底5近傍の終端縁14で途切れる傾斜面部16
とで構成されており、該面取り面部17は、高原部3と
エッジ状に交差する。
は、前記傾斜面部16と、湾曲面部15又は面取り面部
17との交点を、ブロック高さの1/4の距離を高原部
外面から隔てた高さ領域である上側1/4領域内に位置
させるのが好ましい。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
ヒールアンドトゥ摩耗の大巾な回避に加えて、転動騒音
の削減と転がり抵抗の低減とが大きく達成される。前記
踏込む側のブロックエッジにおけるブロック変形と接地
圧とを低減できるなど、屈曲変形及びこれに結びつく温
度上昇とを抑えることができ、優れた摩耗状況のもとで
使用寿命ないし走行性能を向上しうる。
状を、標準のブロックに対比して説明する模式図であ
る。
である。
数を示す詳細図である。
郭形状の一例を示す模式図である。
郭形状の他の例を示す模式図である。
郭形状のさらに他の例を示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】トレッド部にブロックが周方向に隔置して
なるブロック列を1列以上有する空気入りタイヤであっ
て、 前記ブロックは、タイヤ赤道面に対して一定の角度での
びかつタイヤ接地面に踏込む側のブロックエッジを具え
るとともに、該踏込む側のブロックエッジに、その全長
に亘り、ブロック中央の高原部に対して高さを減じた高
さ減少部を形成したことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記高さ減少部は、前記高原部に連なる始
端縁から溝底近傍の終端縁まで延在するとともに、この
高さ減少部の、タイヤ赤道面と平行なブロック断面にお
ける輪郭線は、縦長のS字状曲線からなることを特徴と
する請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】前記S字状曲線は、その変曲点が、ブロッ
ク高さの1/3の距離を溝底から隔てた1/3高さ領域
内に位置していることを特徴とする請求項2記載の空気
入りタイヤ。 - 【請求項4】前記高さ減少部は、前記高原部に連なる始
端縁から溝底近傍の終端縁まで延在するとともに、この
高さ減少部の、前記タイヤ赤道面と平行なブロック断面
における輪郭線は、指数関数の曲線からなることを特徴
とする請求項1〜3記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】前記ブロックは、タイヤ接地面から蹴出す
側のブロックエッジに、前記高原部に連なる始端縁から
溝底近傍の終端縁まで延在する高さ減少部を具えるとと
もに、この蹴出す側の高さ減少部の輪郭線は、前記踏込
む側の高さ減少部の輪郭線とは異なる指数関数の曲線か
らなることを特徴とする請求項4記載の空気入りタイ
ヤ。
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