JP2001053368A - レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
長のレーザ光を出射させる。 【解決手段】 複数の異なる波長のレーザ光を出射可能
なレーザ装置において、第1固体レーザ媒質を励起して
第1ビームを発振する第1共振光学系と、第2固体レー
ザ媒質を励起して第1ビームとは異なる波長の第2ビー
ムを発振する第2共振光学系と、第1共振光学系の一部
光路を共用する第3共振光学系と第2共振光学系の一部
光路を共用する第4共振光学系とを持ち、第1及び第2
ビームをベクトル位相整合することによって第3ビーム
を発振する位相整合光学系と、第1、第2及び第3ビー
ムの各々に基づく第1、第2及び第3レーザ光をそれぞ
れ対象物に導光可能な導光光学系と、第1、第2及び第
3レーザ光の内の1又は2つを対象物に導光するように
選択する選択手段と、を有する。
Description
のレーザ光を出射可能なレーザ装置に関する。
レーザ装置としては、レーザ光の波長が可変なアルゴン
・ダイレーザやマルチウェイブレングスのクリプトンレ
ーザなどが知られている。これらは、患部や治療目的に
よって適する波長が異なる眼科手術等の医療分野など、
様々な分野で使用されている。例えば、眼科手術におい
ては、可視域を中心に波長(色)の違いによって異なる
疾患(患部)の治療を行っており、疾患(患部)によっ
ては赤と緑などの異なる波長(色)を同時に又は連続し
て使用する場合もあるため、1台の装置で複数の異なる
波長を出射できるのは都合がよい。
は気体又はダイレーザであり、レーザチューブが短寿命
であること、多大な電力を必要とすること、装置が大型
化することなど問題が多いため、固体レーザによる多波
長発振可能なレーザ装置が研究されている。そのような
背景の中、従来は可視域のレーザ光を得られなかった固
体レーザから可視域のレーザ光を得る方法や、複数の異
なる波長の光から和周波光を得る方法が提案されてい
る。
atent No.5,528,612では、1又は複数個のプリズムを使
用し、且つ非線形結晶を使用して、複数の異なる波長の
光を組合わせることによって和周波光を得ることができ
るレーザ装置を開示している。U.S.Patent No.5,345,45
7のレーザ装置では、Nd:YAGロッドによる106
4nmの光と1318nmの光とから、和周波光である
589nmのレーザ光を出射することができる。さら
に、U.S.Patent No.5,528,612のレーザ装置では、複数
の波長のレーザ光をそれぞれ単独でも出射でき、組合わ
せて和周波光としても出射できる。これにより、例え
ば、3つの異なる波長のレーザ光を出射させる場合で
は、2つのレーザロッド及びそれを励起するための励起
光源で行うことができ、従来に比べてそれぞれ1つずつ
少なくすることができる。
ムによって異なる波長を組合わせる場合、特にNd:Y
AG結晶をレーザロッドとし、1064nmと1318
nmといった近赤外域以上の比較的近い波長を組合わせ
る場合は、プリズムへの入射角の差が非常に小さいため
広範囲のスペースが必要となる。また、プリズムを用い
て各波長を同一光軸上へ導光するので、共振器内の損失
が比較的大きくなり、励起光からレーザ光への変換効率
が低くなる。さらにまた、プリズム自体及びその配置位
置等に高い精度が要求される。
リズムの代りにポラライザを用いて和周波光を得る方法
も提案されているが、どちらの場合でも和周波光である
589nmのレーザ光のみしか出射することができな
い。
つの非線形結晶を使用し、温度を変化させることによっ
て様々な波長変換に対応できるようにしている。しかし
ながら、温度を詳細に調整することは容易でなく、また
1つの非線形結晶では対応できる波長変換には限界があ
る。
えつつ、効率良く複数の異なる波長のレーザ光を出射可
能なレーザ装置を提供することを技術課題とする。
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
射可能なレーザ装置において、第1固体レーザ媒質を励
起して第1ビームを発振する第1共振光学系と、第2固
体レーザ媒質を励起して前記第1ビームとは異なる波長
の第2ビームを発振する第2共振光学系と、前記第1共
振光学系の一部光路を共用する第3共振光学系と前記第
2共振光学系の一部光路を共用する第4共振光学系とを
持ち、前記第1及び第2ビームをベクトル位相整合する
ことによって第3ビームを発振する位相整合光学系と、
前記第1、第2及び第3ビームの各々に基づく第1、第
2及び第3レーザ光をそれぞれ対象物に導光可能な導光
光学系と、前記第1、第2及び第3レーザ光の内の1又
は2つを対象物に導光するように選択する選択手段と、
を有することを特徴とする。
記位相整合光学系は前記第1及び第2ビームを所定の角
度で交差させ、交差位置に配置した非線形結晶によって
前記第3ビームを発生させることを特徴とする。
記第1共振光学系は前記第1ビームを第2高調波光であ
る前記第1レーザ光に波長変換する非線形結晶を備え、
前記第2共振光学系は前記第2ビームを第2高調波光で
ある前記第2レーザ光に波長変換する非線形結晶を備え
ることを特徴とする。
は、眼科用のレーザ治療装置であり、前記非線形結晶は
近赤外域の光を可視域の光に波長変換する特性を持つこ
とを特徴とする。
記選択手段は波長又は偏光方向によって光の透過と反射
とを区別して行う特性を持つ複数の光学部材を含み、該
光学部材は前記第1及び第2共振光学系の各光路中にそ
れぞれ挿脱可能に配置されることを特徴とする。
記選択手段は波長又は偏光方向によって光の透過と反射
とを区別して行う特性を持つ複数の光学部材を含み、該
光学部材は前記第1及び第2共振光学系の各光路中にそ
れぞれ配置角度が変更可能に配置されることを特徴とす
る。
おいて、前記選択手段は、所期する波長又は色を選択す
る選択スイッチと、該選択スイッチからの信号によって
前記第1固体レーザ媒質を励起する励起光源と前記第2
固体レーザ媒質を励起する励起光源との少なくとも一方
を駆動制御し、且つ前記光学部材の移動を制御する制御
手段と、を含むことを特徴とする。
に基づいて説明する。図1はスリットランプを使用する
眼科用レーザ光凝固装置の外観図である。図2は装置の
光学系及び制御系概略図である1はレーザ装置本体であ
り、後述するレーザ発振器10、レーザ光を患者眼の患
部に導光して照射するための導光光学系の一部、制御部
20等が収納されている。2は装置のコントロール部で
あり、レーザ光の波長を選択する波長選択スイッチ2a
やレーザ照射条件を設定入力するための各種スイッチが
設けられている。3はレーザ照射のトリガ信号を発信す
るためのフットスイッチである。
するための観察光学系と導光光学系の一部とが備えられ
ている。5は本体1からのレーザ光をスリットランプ4
に導光するためのファイバである。6はスリットランプ
4を上下動するための架台である。
レーザ媒質(レーザロッド)であるNd:YAG結晶
(以下、単にロッドともいう)11a,11b、励起光
源である半導体レーザ(以下、単にLD(Laser Diod
e)ともいう)12a,12b、波長変換器である非線
形結晶(以下、単にNLC(Non Linear Crystal)とも
いう)13a〜13c、全反射ミラー(以下、単にHR
(High Reflector)ともいう)14a〜14g、ダイク
ロイックミラー(以下、単にDM(Dicroic Mirror)と
もいう)15a〜15d、ミラー16a〜16eが備え
られている。なお、非線形結晶としては、KTP結晶、
LBO結晶、BBO結晶、CLBO結晶等が使用可能で
あり、本実施形態ではKTP結晶を使用している。
により、近赤外域の複数の発振線を持つ光を放出する
(図3参照)。そこで、本実施形態の装置では、複数の
発振線の内で出力が高く、それぞれ異なる色へ変換可能
な約1064(1064.1)nmと約1319(1318.8)n
mとを利用し、約532nm(緑)、約589nm
(黄)、及び約659nm(赤)の3色のレーザ光を出
射させる。本実施形態では、ロッド11a側の共振器は
1064nmの光を発振し、ロッド11b側の共振器は
1319nmの光を発振する(詳しくは後述する)。
に対して全反射、HR14c,14fは1319nmに
対して全反射、HR14bは1064nm及び532n
mに対して全反射、HR14dは1319nm及び65
9nmに対して全反射、HR14gは589nmに対し
て全反射の特性をそれぞれ持つ。また、DM15aは1
064nmを反射して532nmを透過し、DM15b
は1319nmを反射して659nmを透過し、DM1
5cは589nmを反射して532nmを透過し、DM
15dは532nm及び589nmを反射して659n
mを透過する特性をそれぞれ持つ。
2bの駆動回路、19a,19bはそれぞれ移動可能に
配置されたDM15a,15bの駆動回路である。20
はコントロール部2やフットスイッチ3からの信号に基
づいて装置各部を制御する制御部である。
波長のレーザ光を出射させる方法について説明する。
は波長選択スイッチ2aにより、手術に使用するレーザ
光の色(波長)を緑(532nm)とする。制御部20
は駆動回路18aを介してLD12aのみに電流を印可
し、LD12aによってロッド11aを励起する。な
お、ロッド11aであるNd:YAG結晶の両端面に
は、1064nmに対して透過性を高めるようにAR
(Anti Reflective)コーティングが施されている。ま
た、HR14a、DM15a、及びHR14bによって
共振器25aが構成されており、HR14bの直前には
両端面に1064nm及び532nmに対するARコー
ティングが施されたNLC13aが配置されている。こ
れにより、共振器25aでは1064nmの光が発振さ
れ、さらに共振器25aの内部で1064nmの第2高
調波である532nmの光に波長変換される。得られた
532nmのレーザ光は、DM15aを透過し、ミラー
16a,16b、DM15c,15dを介してファイバ
5へ導光される。そして、スリットランプ4の照射口か
ら患者眼に向けて照射される。
は波長選択スイッチ2aにより、手術に使用するレーザ
光の色(波長)を赤(659nm)とする。制御部20
は駆動回路18bを介してLD12bのみに電流を印可
し、LD12bによってロッド11bを励起する。な
お、ロッド11bであるNd:YAG結晶の両端面に
は、1319nmに対して透過性を高めるようにARコ
ーティングが施されている。また、HR14c、DM1
5b、及びHR14dによって共振器25bが構成され
ており、HR14dの直前には両端面に1319nm及
び659nmに対するARコーティングが施されたNL
C13bが配置されている。これにより、共振器25b
では1319nmの光が発振され、さらに共振器25b
の内部で1319nmの第2高調波である659nmの
光に波長変換される。得られた659nmのレーザ光
は、DM15bを透過し、ミラー16c、DM15dを
介してファイバ5へ導光される。そして、スリットラン
プ4の照射口から患者眼に向けて照射される。
は波長選択スイッチ2aにより、手術に使用するレーザ
光の色(波長)を黄(589nm)とする。制御部20
は駆動回路19a,19bを介してDM15a,15b
を矢印方向(図2参照)にそれぞれ移動させ、HR14
a、ミラー16d、及びHR14eによる共振器25c
と、HR14c、ミラー16e、及びHR14fによる
共振器25dとをそれぞれ構成する。また、制御部20
は駆動回路18a,18bを介してLD12a,12b
にそれぞれ電流を印可し、ロッド11a,11bを励起
する。共振器25cで発振された1064nmの光と共
振器25dで発振された1319nmの光とは、それぞ
れミラー16d,16eによって所定の角度で交差され
る。両光が交差する位置には、両端面に1064nm、
1319nm及び589nmに対するARコーティング
が施されたNLC13cを配置する。これにより、10
64nmの光と1319nmの光とは、それぞれ所定の
角度でNLC13cに入射してベクトル位相整合され、
和周波光である589nmの光に波長変換されて、直接
又はHR14gによって共振器外部へ取り出される。得
られた589nmのレーザ光は、DM15c,15dに
よって反射され、ファイバ5へ導光される。そして、ス
リットランプ4の照射口から患者眼に向けて照射され
る。
の式1が知られており(λ1,λ2は基本波長、λ3は和
周波を示す)、
光を得たが、差周波光を得るようにすることもできる。
この場合の計算式は、以下の式3となる(λ4は差周波
を示す)。
て、2つの光が非線形結晶に入射する角度があり、この
角度は2つの光の各波長と非線形結晶の特性とによって
求めることができる。
光の入射角度の求め方について説明する。2つの基本光
とその和周波光とを図4のように考えると、以下の式4
が得られ、
と、o+e→o(常光線+非常光線→常光線)及びθ=
90°からn1=ny1,n2=nz2,n3=ny3が得られ、
これを式7に代入して以下の式8を得る(KTP結晶の
特性等については、Springer社(ドイツ連邦共和国)出
版の『Handbook of Nonlinear Optical Crystals− Sec
ond, Revised and Updated Edition』を参照された
い)。
すると、α−βの値が求まり、このα−βの値と式5と
からα,βを求めることができる。
z2=1.8215,ny3=1.7794及びλ1=1064,λ2=1319,
λ3=589を代入することにより、1064nmの光の入
射角度Aは約3.6 度であり、1319nmの光の入射角
度Bは約4.5 度であることを求めることができる。この
角度はミラー16d,16eの配置角度によって設定さ
れる。なお、ny1,nz2,ny3の値はセルマイヤー方程
式によって求めることができる。
eを省略し、DM15a,15bの配置角度を駆動回路
19a,19bによって変更することにより、共振器2
5c'(HR14a、DM15a及びHR14e)によ
る1064nmの光と共振器25d' (HR14c、D
M15b及びHR14f)による1319nmの光とを
所定の角度で交差させるようにしてもよい。
透過と反射とを区別して行う特性を持つダイクロイック
ミラー(DM15a〜15d)を使用したが、その代わ
りに光の偏光方向によって透過と反射とを区別して行う
特性を持つ偏光ビームスプリッタを使用してもよい。こ
の場合は、光の偏光方向を変える偏光板を適宜光路中に
配置する。
してNd:YAG結晶を使用したが、これに限定される
ものではなく、周知の固体レーザ媒質(結晶)を使用す
ることができる。もちろん、別々の種類の固体レーザ媒
質(結晶)をそれぞれ使用してもよい。
治療装置に限るものではなく、医療(形成外科を含む)
用や産業(測定等)用など様々な用途のレーザ装置に適
用することができる。
コストを抑えつつ、効率良く複数の異なる波長のレーザ
光を出射させることができる。
ある。
ある。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の異なる波長のレーザ光を出射可能
なレーザ装置において、第1固体レーザ媒質を励起して
第1ビームを発振する第1共振光学系と、第2固体レー
ザ媒質を励起して前記第1ビームとは異なる波長の第2
ビームを発振する第2共振光学系と、前記第1共振光学
系の一部光路を共用する第3共振光学系と前記第2共振
光学系の一部光路を共用する第4共振光学系とを持ち、
前記第1及び第2ビームをベクトル位相整合することに
よって第3ビームを発振する位相整合光学系と、前記第
1、第2及び第3ビームの各々に基づく第1、第2及び
第3レーザ光をそれぞれ対象物に導光可能な導光光学系
と、前記第1、第2及び第3レーザ光の内の1又は2つ
を対象物に導光するように選択する選択手段と、を有す
ることを特徴とするレーザ装置。 - 【請求項2】 請求項1のレーザ装置において、前記位
相整合光学系は前記第1及び第2ビームを所定の角度で
交差させ、交差位置に配置した非線形結晶によって前記
第3ビームを発生させることを特徴とするレーザ装置。 - 【請求項3】 請求項1のレーザ装置において、前記第
1共振光学系は前記第1ビームを第2高調波光である前
記第1レーザ光に波長変換する非線形結晶を備え、前記
第2共振光学系は前記第2ビームを第2高調波光である
前記第2レーザ光に波長変換する非線形結晶を備えるこ
とを特徴とするレーザ装置。 - 【請求項4】 請求項2又は3のレーザ装置は、眼科用
のレーザ治療装置であり、前記非線形結晶は近赤外域の
光を可視域の光に波長変換する特性を持つことを特徴と
するレーザ装置。 - 【請求項5】 請求項1のレーザ装置において、前記選
択手段は波長又は偏光方向によって光の透過と反射とを
区別して行う特性を持つ複数の光学部材を含み、該光学
部材は前記第1及び第2共振光学系の各光路中にそれぞ
れ挿脱可能に配置されることを特徴とするレーザ装置。 - 【請求項6】 請求項1のレーザ装置において、前記選
択手段は波長又は偏光方向によって光の透過と反射とを
区別して行う特性を持つ複数の光学部材を含み、該光学
部材は前記第1及び第2共振光学系の各光路中にそれぞ
れ配置角度が変更可能に配置されることを特徴とするレ
ーザ装置。 - 【請求項7】 請求項5又は6のレーザ装置において、
前記選択手段は、所期する波長又は色を選択する選択ス
イッチと、該選択スイッチからの信号によって前記第1
固体レーザ媒質を励起する励起光源と前記第2固体レー
ザ媒質を励起する励起光源との少なくとも一方を駆動制
御し、且つ前記光学部材の移動を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とするレーザ装置。
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