JP2001053275A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2001053275A
JP2001053275A JP11230534A JP23053499A JP2001053275A JP 2001053275 A JP2001053275 A JP 2001053275A JP 11230534 A JP11230534 A JP 11230534A JP 23053499 A JP23053499 A JP 23053499A JP 2001053275 A JP2001053275 A JP 2001053275A
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gate electrode
gate
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semiconductor device
electrode
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JP11230534A
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Takeshi Miyajima
健 宮嶋
Akira Kuroyanagi
晃 黒柳
Mikimasa Suzuki
幹昌 鈴木
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲートの絶縁不良領域を電気的に分離する上
で必要となる構造物の占有面積を小さくし、製造工程に
おける工程増加を少なくする。 【解決手段】 IGBTのチップ21の素子形成領域
は、セルが配列形成された19個のブロック22に分割
され、各ブロック22には分割ゲート電極30aが形成
される。この分割ゲート電極30aは、CrSi膜から
なる薄膜抵抗体33を介してゲート配線35に接続され
る。ゲートの絶縁不良箇所が存在すると、ゲート絶縁性
評価テストにおいて、その不良箇所があるブロック22
の分割ゲート電極30aに薄膜抵抗体33を介してリー
ク電流が流れるので、そのリーク電流によって薄膜抵抗
体33が溶断し不良ブロック22だけが電気的に切り離
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IGBTやMOS
トランジスタなど絶縁ゲート電極を有する半導体装置お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、例えばIGBTが形成されたチ
ップをその一方の主表面であるエミッタ電極側から見た
模式的平面図を示している。この図6に示すチップ1に
おいて破線で囲まれた領域2内には、IGBTの単位構
造となるセル(図2参照)が縦または縦横に多数規則正
しく繰り返し配列された状態に形成されている。領域2
の表面側には、チャンネル領域の上部に形成されたゲー
ト酸化膜を介してゲート電極(図示せず)が形成されて
いる。このゲート電極は、例えばポリシリコンの膜をス
トライプ状またはメッシュ状にパターニングして形成さ
れており、例えば領域2の角部において当該ゲート電極
の上に形成されたアルミニウム膜からなるゲート電極パ
ッド3と接触がとられている。
【0003】一方、このゲート電極の上には絶縁膜を介
した状態でエミッタ電極が形成され、そのエミッタ電極
の一部がエミッタ電極パッド4とされている。このエミ
ッタ電極は、例えばメッシュ状に形成されたゲート電極
の窓部において各ユニットセルのエミッタ領域と接触が
とられている。また、エミッタ領域が形成される主表面
の外周部分にはコレクタ・エミッタ間の耐圧を確保する
ためにガードリング5が形成されており、チップ1の他
方の主表面にはコレクタ電極が形成されている(図2参
照)。
【0004】上記チップ1は、図示しないリードフレー
ムに半田付けによりマウントされ、ゲート電極パッド3
とエミッタ電極パッド4とはそれぞれボンディングワイ
ヤによってリードフレームの所定リードに接続される。
その後、検査工程、モールド樹脂工程などを経てIGB
Tが製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大電力(高
耐圧、大電流)のIGBTモジュールなどにおいては、
IGBTチップの大型化が難しいので比較的サイズの小
さい複数のIGBTチップを並列接続した構成としてい
る。しかし、チップを並列接続すると、チップ相互間の
特性の違いによって電流が一部のチップに偏って流れる
不均一動作となる場合があり、より大きな電流容量を確
保する上ではチップサイズの大型化が望ましい。また、
ボンディングパッドおよびガードリングの全チップ面積
に占める割合を低減しチップコストを下げる上において
も、チップサイズの大型化が望まれている。
【0006】IGBTチップの大型化が難しい理由は、
チップ面積の増大にともなって素子の歩留まりが指数関
数的に低下するためである。例えば600A系のIGB
Tモジュールを1つのチップのみで形成した場合、その
チップサイズは20mm角にも達し、歩留まりが著しく
低下してしまう。
【0007】これは、チップ面積が大きいと、製造工程
中におけるゴミの付着、加工のばらつきなどによって、
当該チップ上にゲート酸化膜の絶縁性が保てない絶縁不
良箇所が存在する割合が増加するためである。IGBT
またはMOSトランジスタなど絶縁ゲート型の半導体素
子は、ゲート電極に印加する電圧を可変することでコレ
クタ・エミッタ間に流れる電流またはドレイン・ソース
間に流れる電流を制御するので、チップ上にゲート電極
の絶縁不良箇所が1か所でも存在すると、もはや電流を
制御できなくなり当該IGBTまたはMOSトランジス
タは使用不可能となる。
【0008】そこで、チップを大型化しても歩留まりを
低下させない方法として、チップ内を複数の領域に分割
し、ゲート電極の絶縁不良箇所が存在する領域のみを正
常な領域から電気的に切り離すことが考えられている。
その一手段が、特開平8−191145号公報に開示さ
れている。以下、この開示された手段について、分割さ
れた1つの領域の平面図を示す図7を用いて説明する。
【0009】IGBTのチップは、ゲート電極を複数に
分割して形成することで複数の領域6に分割され、分割
された各領域6のゲート電極(図示せず)にはそれぞれ
ゲートパッド7が形成される。このゲートパッド7、エ
ミッタ電極8などの上面全体はポリイミドで覆われてお
り、このポリイミドには前記ゲートパッド7に達する接
触孔9、エミッタ電極8とゲート電極とを接触させるた
めの接触孔10が開口されている。そして、分割された
領域6ごとにゲート・エミッタ間の耐圧を測定し、絶縁
不良がある領域6についてはポリイミドによって接触孔
9を塞ぎ、絶縁良好な領域についてはポリイミドによっ
て接触孔10を塞ぐ。その後、アルミニウム蒸着を行っ
てパターニングすることで、絶縁不良がある領域6につ
いてはゲート電極とエミッタ電極8とが接触孔10内で
短絡電極11により接続され、絶縁良好な領域6につい
てのみゲート電極とゲート配線12とが接続されるよう
になる。
【0010】しかし、この手段では、分割された各領域
6(4mm角)毎にゲートパッド7(0.3mm角)や
検査用の電極パッド13(0.2mm角)が必要とな
り、チップ内の面積効率を低下させる。また、ポリイミ
ド滴下工程、絶縁不良領域のゲート電極とエミッタ電極
8とを接続するアルミニウム成膜およびパターニング工
程などが必要となる。さらに、ウエハについて絶縁性を
測定した後にウエハ製造工程に戻すことによるウエハ製
造装置の汚染という問題も生じる。
【0011】本発明は上記事情を鑑みてなされたもの
で、その目的は、チップ内で絶縁ゲート電極の絶縁不良
領域を電気的に切り離して歩留まりを向上させる手段に
おいて、そのために必要となる構造物の占有面積が小さ
く、且つ製造工程における工程増加が少ない半導体装置
およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために請求項1に記載した手段を採用できる。この手段
によれば、ゲート電極を所定領域単位に分割された複数
の分割ゲート電極により構成し、これら分割ゲート電極
をそれぞれ溶断可能な接続部を介して共通のゲート電極
パッドに接続したので、ゲート電極の絶縁が確保されて
いない部分を含む領域をその分割ゲート電極の接続部を
溶断することで電気的に分離できる。これにより、絶縁
が確保されている領域の分割ゲート電極だけが共通のゲ
ート電極パッドに接続されることになり、チップ全体と
して主電極とゲート電極との絶縁性が確保され、歩留ま
りを向上させることができる。
【0013】この半導体装置では、例えば主電極とゲー
ト電極との絶縁性を評価する際に、絶縁不良のゲート電
極から主電極へと流れるリーク電流が、その絶縁不良が
存在する領域の分割ゲート電極の接続部を通して流れ
る。これにより、絶縁不良が存在する領域を特定する工
程を経ることなく、当該不良領域のみが選択的に切り離
される。また、溶断可能な接続部は微細に形成可能であ
るため、接続部を設けたことによるチップ面積の増加は
ほとんどない。
【0014】請求項2に記載した手段によれば、接続部
を薄膜抵抗体から構成したので、ウエハ製造工程終了後
の絶縁評価工程などにおいてこの接続部に電流を流すこ
とにより発熱させて溶断することができる。
【0015】請求項3に記載した手段によれば、薄膜抵
抗体をクロムシリコンから構成したので、薄膜抵抗体
(接続部)を溶断するのに必要な溶断エネルギーを格段
に低減でき、当該接続部の周囲構造におけるクラックの
発生や特性劣化を抑えることができる。
【0016】請求項4に記載した手段によれば、接続部
の並列合成抵抗値を外付けのゲート抵抗に対して同程度
もしくは小さい値となる10Ω以下としたので、接続部
を設けてもゲート電圧の変化遅延を防止でき、ターンオ
ン時間やターンオフ時間の増加を抑えることができる。
また、ゲート抵抗を小さくすることで、スイッチング損
失を増加させることはない。
【0017】請求項5に記載した手段によれば、絶縁評
価電圧を印加して主電極とゲート電極との間の絶縁性を
評価する工程において、ゲート酸化膜に絶縁不良箇所が
存在する分割ゲート電極にのみその接続部を通してリー
ク電流が流れるので、当該接続部はそのリーク電流によ
る発熱によって選択的に溶断する。これにより、ゲート
電極の絶縁性が確保されていない領域の検出とその領域
に対応した接続部の溶断とを、実質的な工数増加なしに
行うことができる。
【0018】請求項6に記載した手段によれば、素子形
成工程において形成された半導体装置の出力特性を測定
する検査工程において、その測定された出力特性に基づ
いて溶断分離された所定領域の数を判定するので、実質
的な工数の増加なく溶断分離された数が所定数以上のも
の(分離面積が所定面積以上のもの)を不良品として除
くことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をnチャネル型のI
GBTに適用した一実施形態について図1ないし図5を
参照しながら説明する。図1は、IGBTのチップをそ
の半導体基板の一方の主表面であるエミッタ電極側から
見た模式的な平面図で、特には、エミッタ電極を除いた
状態に相当するゲート電極形成面を示したものである。
【0020】この図1において、半導体装置としてのチ
ップ21の素子形成領域は、破線で示されるように例え
ば互いに同じ面積を有する矩形状の19個の所定領域2
2(以下、ブロック22と称す)に分割されている。そ
して、半導体基板において、これら各ブロック22に対
応する領域には多数のセル(図2参照)がストライプ状
に規則正しい配列をなして形成されている。また、チッ
プ21の周辺部にはコレクタ・エミッタ間の耐圧を確保
するためにガードリング23が形成されている。
【0021】図2は、上記セルの縦断面構造を模式的に
示したもので、コレクタとなる低抵抗p型シリコン基板
24の上に高抵抗n型エピタキシャル成長層25を形成
することによりシリコン基板26が形成され、この高抵
抗n型エピタキシャル成長層25の表面の所定領域に
は、p型ウェル領域27および低抵抗n型エミッタ領域
28が形成されている。そのp型ウェル領域27のチャ
ンネルを形成する領域の表面は、ゲート酸化膜29およ
びポリシリコンからなるゲート電極30が順次積層形成
されている。そして、低抵抗n型エミッタ領域28およ
びp型ウェル領域27の一部とオーミックコンタクトを
とるようにエミッタ電極31(本発明でいう主電極に相
当)が形成され、低抵抗p型シリコン基板24の下面に
はコレクタ電極32(本発明でいう主電極に相当)が形
成されている。
【0022】これら多数のセルのゲート電極30は、図
1に示す二点鎖線で囲まれた領域内において互いにスト
ライプ状に繋がった分割ゲート電極30a(具体的構造
については図示せず)を形成しており、その分割ゲート
電極30aの窓部において、エミッタ電極31と低抵抗
n型エミッタ領域28との接触がとられている。
【0023】また、これら19個の各分割ゲート電極3
0aの一辺部に近接して、例えばクロムシリコン(Cr
Si)からなる薄膜抵抗体33(本発明でいう溶断可能
な接続部に相当)が形成されている。さらに、チップ2
1内には、各ブロック22の間を通りチップ21の角部
に形成されたゲート電極パッド34に接続されるアルミ
ニウムのゲート配線35が形成されており、前記各薄膜
抵抗体33の一先端部はこのゲート配線35に終端して
いる。
【0024】図3および図4は、それぞれ薄膜抵抗体3
3の形成領域の縦断面構造および平面構造を模式的に示
したものである(各部の寸法比は実際と異なる)。図3
において、シリコン基板26の上には絶縁膜例えばシリ
コン酸化膜36が形成され、その上にはPVD(Physic
al Vapor Deposition )法例えばスパッタリングによっ
て堆積されたクロムシリコン(CrSi)膜からなる薄
膜抵抗体33が形成されている。そして、図4に示すよ
うに、この薄膜抵抗体33の中央部に溶断部分となる幅
狭部33aが形成されており、その幅狭部33aは厚さ
10〜20nm、幅25μm、長さ4μm、抵抗値80
Ω程度となるように設定されている。
【0025】この薄膜抵抗体33の寸法および抵抗値
は、ブロック数が増えた場合(例えば40個の場合)で
あってもそのまま適用できる。ただし、薄膜抵抗体33
の抵抗値をあまり大きく設定すると、動作時においてス
イッチング速度が低下するので、全ての薄膜抵抗体33
の並列合成抵抗値(本実施形態では4.2Ω)は、IG
BTの外付けゲート抵抗の抵抗値(一例として5Ω)と
ほぼ同程度以下(高々10Ω以下)とすることが望まし
い。
【0026】薄膜抵抗体33の両端部分には、スパッタ
リングによってバリアメタル層となるチタンタングステ
ン(TiW)膜37が形成されており、さらにその上に
配線パターンとしてのアルミニウム膜38および保護膜
としてのシリコン酸化膜39が形成されている。この薄
膜抵抗体33の一端部側に形成された配線パターンは、
図1に示すようにゲート配線35に接続されており、他
端部側に形成された配線パターンは、ポリシリコンから
なる分割ゲート電極30aとの接触がとられている。
【0027】なお、この場合のチタンタングステン膜
は、アルミニウムのドライエッチング処理におけるエッ
チングストッパとして作用する他、バリアメタルとして
クロムシリコンとアルミニウムとの相互作用を防止する
機能を有している。
【0028】以上述べた構造を有するIGBTのチップ
21は、等価的に図5に示すような電気的接続形態とな
っている。すなわち、各ブロック22は、IGBTのシ
ンボルで表されたセル(図2参照)が複数(図5では2
個のみ表示)並列接続された状態とされている。そし
て、各ブロック22を構成する全てのセルのエミッタお
よびコレクタは、それぞれ共通に設けられたエミッタ電
極31およびコレクタ電極32において接続されてお
り、これらエミッタ電極31およびコレクタ電極32の
一部はそれぞれエミッタ電極パッド31aおよびコレク
タ電極パッド32aとされている。
【0029】一方、1つのブロック22内における全て
のセルのゲートは、分割ゲート電極30aにおいて接続
されており、その分割ゲート電極30aは薄膜抵抗体3
3を介してゲート電極パッド34に接続されている。
【0030】次に、上記構成を有するIGBTの製造方
法について説明する。なお、ここでは本発明の要旨と関
わる部分を主として説明する。まず、素子形成工程にお
いてシリコン基板26上に上記分割ゲート構造を有する
IGBTを一般的な製造プロセスを経て形成し、続い
て、形成したIGBTをウエハの状態で多項目にわたっ
てテストするウエハテストを実施する。このウエハテス
トのうちゲート・エミッタ間のリーク電流を測定するゲ
ート絶縁性評価テスト(本発明でいう評価・溶断工程に
相当)では、図5に示すようにゲート電極パッド34と
エミッタ電極パッド31aとの間にウエハテスタの電源
40とモニタ用の電流計41とを接続し、所定の試験電
圧を印加する。
【0031】この場合、ゲート酸化膜29の不良などに
よってゲート・エミッタ間に絶縁不良箇所が存在する
と、その絶縁不良箇所を含むブロック22(以下、不良
ブロック22と称す)を介してリーク電流が流れる。こ
のリーク電流は、電源40の正側端子からゲート電極パ
ッド34、不良ブロック22の薄膜抵抗体33、不良ブ
ロック22の分割ゲート電極30a、絶縁不良箇所、エ
ミッタ電極パッド31aを介して電源40の負側端子に
至る経路で流れる。このリーク電流によって薄膜抵抗体
33が発熱し溶断する。この場合、薄膜抵抗体33を溶
断するためには30〜50mAの電流(溶断電流)を必
要とする。この溶断電流は、正常なIGBTが動作する
時に流れるゲート電流に対し十分に大きい値となってい
るため、通常動作時に薄膜抵抗体33が溶断することは
ない。
【0032】このように、ウエハテストの一つであるゲ
ート絶縁性評価テストでは、ゲート・エミッタ間のリー
ク電流を測定すると同時に、不良ブロック22の分割ゲ
ート電極30aとゲート電極パッド34との間の薄膜抵
抗体33を溶断し当該不良ブロック22を電気的に分離
する。その結果、ゲート絶縁性評価テストを終了したI
GBTは、電気的に、ゲートに絶縁不良がない正常なブ
ロック22のみから構成されるようになる。
【0033】ところで、本実施形態の場合、チップ21
を19個のブロック22に分割しているので、上記不良
ブロック22の切り離しは、素子形成領域の1/19の
領域を単位として行われる。従って、不良ブロック数が
多くなると、所定の電流能力を確保することができない
場合が生じる。また、不良ブロック数が多いとオン電圧
が上昇するので、当該IGBT素子を並列接続して用い
る場合などに、素子間のオン電圧にばらつきが発生し、
一部素子への電流集中が発生して素子の破壊耐量が低下
してしまう。
【0034】そこで、チップカットされた後に行われる
検査工程において測定されるオン電圧(本発明でいう出
力特性に相当)に基づいて、そのオン電圧が所定電圧値
よりも高い素子を不良品として排除するようになってい
る。つまり、オン電圧を測定することで電気的に分離さ
れた不良ブロック数を容易に判定することが可能とな
る。
【0035】以上説明したように、本実施形態のIGB
Tに用いられるチップ21は、ゲート電極30が互いに
絶縁された複数の分割ゲート電極30aに分割して形成
されており、各分割ゲート電極30aとゲート電極パッ
ド34との間には溶断可能な薄膜抵抗体33が形成され
ているので、ゲートの絶縁不良箇所が存在する不良ブロ
ック22についてその薄膜抵抗体33を溶断すること
で、当該不良ブロック22を正常なブロック群から電気
的に切り離すことができる。これにより、一部にゲート
の絶縁不良が存在するチップ21であっても良品チップ
とすることができるので、歩留まりが大幅に向上する。
【0036】また、上記薄膜抵抗体33の溶断は、ゲー
ト絶縁性評価テストにおいて不良ブロック22に流れる
リーク電流により選択的に行われるので、ブロック22
毎にその分割ゲート電極30aとエミッタ電極31との
間の絶縁性を検査して不良ブロック22を特定する必要
がなく、従来用いられていたウエハテストをそのまま用
いることにより実質的に不良ブロック22の特定および
切り離しを行うことができる。
【0037】この場合、絶縁不良として切り離された不
良ブロック22の数は、チップカットされた後の検査工
程で測定されるオン電圧に基づいて判定することができ
るので、新たな検査工程を追加することなく、不良ブロ
ック22が所定数以上存在したチップ21を不良チップ
として排除することができる。
【0038】また、上記薄膜抵抗体33は、クロムシリ
コン層から構成されているので、素子形成工程において
比較的簡単に高い抵抗値のものを作り込むことができ
る。そのため、薄膜抵抗体33を溶断するのに必要な溶
断エネルギーを格段に低減でき、その周囲構造における
クラックの発生や特性劣化を抑えることができる。その
一方で、全ての薄膜抵抗体33の並列合成抵抗値を外付
けの一般に用いられるゲート抵抗の抵抗値に対して同程
度以下となるように設定したので、薄膜抵抗体33を設
けたことによるターンオン時間やターンオフ時間の増加
を抑えることができる。また、ゲート抵抗を小さくする
ことで、スイッチング損失を増加させることはない。
【0039】さらに、この薄膜抵抗体33は、上述した
ように極めて小さい面積で形成できる(模式的な図1で
は薄膜抵抗体33が相対的に大きく描かれている)の
で、分割ゲート構造において不良ブロック22を分離す
る構造としたことによるチップ面積の増大がほとんどな
い。
【0040】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、次のように変形または拡張が可能であ
る。分割ゲート構造を有し接続部を形成した上記構成の
半導体装置としては、IGBTに限らず、MOSFE
T、MOS型の電界効果素子にも適用可能である。ま
た、チップの縦方向に電流を流す縦型素子に限らず、ド
レインあるいはコレクタを上面すなわちソースあるいは
エミッタと同一面側に設けたものや、LDMOS、横型
IGBTなどにも適用できる。
【0041】さらに、nチャネル型のみならずpチャネ
ル型であっても良い。また、シリコン半導体素子に限定
されず、炭化珪素などの化合物半導体を用いた素子であ
っても適用できる。MOSFETの場合、電気的に分離
された不良ブロック数の判定は、オン抵抗を測定するこ
とで行うことができる。
【0042】上記実施形態では、各ブロック22を互い
に同じ面積の矩形状の領域として形成したが、必ずしも
同じ面積とする必要はない。また、形状についても矩形
状のマトリクス配置に限られず、他に適宜変更しても良
い。
【0043】薄膜抵抗体33の溶断は、チップカットの
後で行っても良い。薄膜抵抗体33としては、CrSi
膜以外にNiCr膜やポリシリコン膜などを用いること
ができる。また、バリアメタルとしては、TiW膜以外
に、TiN膜、W膜、Ti膜などを用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すIGBTチップの模
式的平面図
【図2】IGBTのセル構造を示す模式的縦断面図
【図3】薄膜抵抗体の形成領域の模式的縦断面図
【図4】薄膜抵抗体の平面図
【図5】IGBTチップ内部の電気的接続形態を等価的
に示した図
【図6】従来構成を示すIGBTチップの模式的平面図
【図7】他の従来構成を示す分割ゲート領域の模式的平
面図
【符号の説明】
21はチップ(半導体装置)、22はブロック(所定領
域)、30はゲート電極、30aは分割ゲート電極、3
1はエミッタ電極(主電極)、32はコレクタ電極(主
電極)、33は薄膜抵抗体(接続部)、34はゲート電
極パッドである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 幹昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4M106 AA01 AA02 AA13 AB02 AB03 AD13 BA14 CA04 CA14 DH04 5F048 AA01 AA09 AC00 AC10 BB02 BB05 BE03 BF00 BF02 BF07 BF11 BF15 BH05 CA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主電極とこの主電極から絶縁されたゲー
    ト電極とを有する半導体装置において、 前記ゲート電極は所定領域単位に分割された複数の分割
    ゲート電極により構成され、 これら分割ゲート電極はそれぞれ溶断可能な接続部を介
    して共通のゲート電極パッドに接続されていることを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記接続部は、薄膜抵抗体から構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記薄膜抵抗体は、クロムシリコンから
    構成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体
    装置。
  4. 【請求項4】 前記全ての分割ゲート電極の接続部につ
    いて、それら接続部の並列合成抵抗値が10Ω以下であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の
    半導体装置。
  5. 【請求項5】 主電極とこの主電極から絶縁されたゲー
    ト電極とを有する半導体装置の製造方法において、 前記ゲート電極を所定領域単位に分割された複数の分割
    ゲート電極により形成するとともに、これら分割ゲート
    電極と共通のゲート電極パッドとの間にそれぞれ溶断可
    能な接続部を形成する素子形成工程と、 絶縁評価電圧を印加して前記主電極と前記ゲート電極と
    の間の絶縁性を評価するとともに、前記絶縁評価電圧に
    より絶縁不良が存在する分割ゲート電極にその接続部を
    介して選択的に溶断電流を流して当該接続部を溶断する
    評価・溶断工程とを備えたことを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 出力特性を測定する検査工程を備え、 その検査工程において測定された出力特性に基づいて前
    記評価・溶断工程において溶断分離された前記所定領域
    の数を判定することを特徴とする請求項5記載の半導体
    装置の製造方法。
JP11230534A 1999-08-17 1999-08-17 半導体装置およびその製造方法 Pending JP2001053275A (ja)

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