JP2001052722A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents
固体酸化物型燃料電池Info
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
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Landscapes
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- Fuel Cell (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気極層における電圧降下を小さくして空気
極過電圧を低くすることにより、燃料電池の出力特性を
向上する。 【解決手段】 燃料極層13と空気極層14とにより電
解質層16を挟持することによりセル12が構成され、
電解質層16が次の一般式(1)で表される酸化物イオ
ン伝導体であり、空気極層14が次の一般式(2)で表
される酸化物イオン混合伝導体であって、電解質層16
の空気極層14側の界面に中間層16aが形成される。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……
(1) Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2)
極過電圧を低くすることにより、燃料電池の出力特性を
向上する。 【解決手段】 燃料極層13と空気極層14とにより電
解質層16を挟持することによりセル12が構成され、
電解質層16が次の一般式(1)で表される酸化物イオ
ン伝導体であり、空気極層14が次の一般式(2)で表
される酸化物イオン混合伝導体であって、電解質層16
の空気極層14側の界面に中間層16aが形成される。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……
(1) Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料極層と空気極
層とにより電解質層を挟持して構成されたセルを有する
固体酸化物型の燃料電池に関するものである。
層とにより電解質層を挟持して構成されたセルを有する
固体酸化物型の燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料電池として、Y2O3
安定化ZrO2(YSZ)からなる固体電解質層と、こ
の固体電解質層上に形成されたTiO2及びCeO2のい
ずれか一方又は双方を含むYSZからなる中間層と、こ
の中間層上に形成された金属Ni及び酸化Niのいずれ
か一方又は双方と上記中間層を構成する物質との混合物
からなる燃料電極層とを含む燃料電池が開示されている
(特開平7−254418号)。この燃料電池では、中
間層中のTiO2やCeO2等の電子導電性材料の働きに
より、固体電解質層と燃料極層との界面の接触抵抗を下
げることができる。即ち、中間層に電子導電性を持たせ
ることにより、電解質層と燃料極層との電流パスを多く
することができる。この結果、発電効率の高い燃料電池
を得ることができるようになっている。
安定化ZrO2(YSZ)からなる固体電解質層と、こ
の固体電解質層上に形成されたTiO2及びCeO2のい
ずれか一方又は双方を含むYSZからなる中間層と、こ
の中間層上に形成された金属Ni及び酸化Niのいずれ
か一方又は双方と上記中間層を構成する物質との混合物
からなる燃料電極層とを含む燃料電池が開示されている
(特開平7−254418号)。この燃料電池では、中
間層中のTiO2やCeO2等の電子導電性材料の働きに
より、固体電解質層と燃料極層との界面の接触抵抗を下
げることができる。即ち、中間層に電子導電性を持たせ
ることにより、電解質層と燃料極層との電流パスを多く
することができる。この結果、発電効率の高い燃料電池
を得ることができるようになっている。
【0003】一方、基板上に設けられた燃料極層,固体
電極層及び空気極層からなる複数の単素子間がインタコ
ネクタで電気的に接続されたセルを有し、このインタコ
ネクタと空気極との間に空気極層よりも緻密構造をなす
緻密空気極層が設けられた燃料電池のセルが開示されて
いる(特開平11−73976号)。この燃料電池のセ
ルでは、インタコネクタの空気極層側との電気的な接触
面積が増大し、インタコネクタの空気極層側との接触部
分での電気抵抗が大幅に低減するようになり、内部抵抗
が大幅に少なくなるので、発電能力を向上できるように
なっている。
電極層及び空気極層からなる複数の単素子間がインタコ
ネクタで電気的に接続されたセルを有し、このインタコ
ネクタと空気極との間に空気極層よりも緻密構造をなす
緻密空気極層が設けられた燃料電池のセルが開示されて
いる(特開平11−73976号)。この燃料電池のセ
ルでは、インタコネクタの空気極層側との電気的な接触
面積が増大し、インタコネクタの空気極層側との接触部
分での電気抵抗が大幅に低減するようになり、内部抵抗
が大幅に少なくなるので、発電能力を向上できるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平7−254418号公報に示された燃料電池では、
固体電解質層と燃料極層との間の中間層により、固体電
解質層と燃料極層との界面の接触抵抗を下げ、また特開
平11−73976号公報に示された燃料電池のセルで
は、インタコネクタと空気極層との間の緻密空気極層に
より、インタコネクタと空気極層との電気的な接触面積
を増大させて電気抵抗を低減しているけれども、空気極
層における電圧降下が依然として大きく、空気極過電圧
が高いため、未だ改善の余地があった。本発明の目的
は、空気極層における電圧降下を小さくして空気極過電
圧を低くすることにより、出力特性を向上することがで
きる固体酸化物型燃料電池を提供することにある。
開平7−254418号公報に示された燃料電池では、
固体電解質層と燃料極層との間の中間層により、固体電
解質層と燃料極層との界面の接触抵抗を下げ、また特開
平11−73976号公報に示された燃料電池のセルで
は、インタコネクタと空気極層との間の緻密空気極層に
より、インタコネクタと空気極層との電気的な接触面積
を増大させて電気抵抗を低減しているけれども、空気極
層における電圧降下が依然として大きく、空気極過電圧
が高いため、未だ改善の余地があった。本発明の目的
は、空気極層における電圧降下を小さくして空気極過電
圧を低くすることにより、出力特性を向上することがで
きる固体酸化物型燃料電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、燃料極層13と空気極層14とによ
り電解質層16を挟持することによりセル12が構成さ
れた固体酸化物型燃料電池の改良である。その特徴ある
構成は、電解質層16が次の一般式(1)で表される酸
化物イオン伝導体であり、空気極層14が次の一般式
(2)で表される酸化物イオン混合伝導体であって、電
解質層16の空気極層14側の界面に中間層16aが形
成されたところにある。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……(1) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは
Sr,Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、B1はMg,Al及びInからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2
はCo,Fe,Ni及びCuからなる群より選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、xは0.05〜0.3で
あり、yは0.025〜0.29であり、zは0.01
〜0.15であり、(y+z)は0.035〜0.3で
あり、dは0.04〜0.3である。 Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2) 但し、Ln2はLa及びSmのいずれか一方又は双方の
元素であり、DはFe及びCuのいずれか一方又は双方
の元素であり、xは0.05〜0.8であり、yは0〜
0.9であり、dは0.04〜0.3である。
図1に示すように、燃料極層13と空気極層14とによ
り電解質層16を挟持することによりセル12が構成さ
れた固体酸化物型燃料電池の改良である。その特徴ある
構成は、電解質層16が次の一般式(1)で表される酸
化物イオン伝導体であり、空気極層14が次の一般式
(2)で表される酸化物イオン混合伝導体であって、電
解質層16の空気極層14側の界面に中間層16aが形
成されたところにある。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……(1) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは
Sr,Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、B1はMg,Al及びInからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2
はCo,Fe,Ni及びCuからなる群より選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、xは0.05〜0.3で
あり、yは0.025〜0.29であり、zは0.01
〜0.15であり、(y+z)は0.035〜0.3で
あり、dは0.04〜0.3である。 Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2) 但し、Ln2はLa及びSmのいずれか一方又は双方の
元素であり、DはFe及びCuのいずれか一方又は双方
の元素であり、xは0.05〜0.8であり、yは0〜
0.9であり、dは0.04〜0.3である。
【0006】この請求項1に記載された固体酸化物型燃
料電池では、電解質層16−空気極層14間の中間層1
6aの存在により空気極層14側での酸素分子のイオン
化反応抵抗が低下するため、酸素分子のイオン化が促進
され、空気極過電圧が減少すると考えられる。また中間
層16aの存在により電解質層16と空気極層14との
接触性が向上するため、空気極過電圧が減少すると考え
られる。この結果、空気極層14における電圧降下を小
さくすることができるので、燃料電池11の出力特性を
向上することができる。なお、本明細書において、「酸
化物イオン伝導体」とは、電気伝導性の大部分を酸化物
イオン伝導性が占める狭義の酸化物イオン伝導体を意味
する。即ち、電子−イオン混合伝導体又は酸化物イオン
混合伝導体と呼ばれる、電子伝導性及び酸化物イオン伝
導性の両方が大きな割合を占める材料を除く。
料電池では、電解質層16−空気極層14間の中間層1
6aの存在により空気極層14側での酸素分子のイオン
化反応抵抗が低下するため、酸素分子のイオン化が促進
され、空気極過電圧が減少すると考えられる。また中間
層16aの存在により電解質層16と空気極層14との
接触性が向上するため、空気極過電圧が減少すると考え
られる。この結果、空気極層14における電圧降下を小
さくすることができるので、燃料電池11の出力特性を
向上することができる。なお、本明細書において、「酸
化物イオン伝導体」とは、電気伝導性の大部分を酸化物
イオン伝導性が占める狭義の酸化物イオン伝導体を意味
する。即ち、電子−イオン混合伝導体又は酸化物イオン
混合伝導体と呼ばれる、電子伝導性及び酸化物イオン伝
導性の両方が大きな割合を占める材料を除く。
【0007】また上記中間層16aの厚さは0.1〜2
0μmであることが好ましい。更に上記中間層16aは
次の一般式(3)で表される化合物であることが好まし
い。 Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1yB2zCoqO3-d ……(3) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは
Sr,Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、B1はMg,Al及びInからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2
はCo,Fe,Ni及びCuからなる群より選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、xは0.05〜0.3で
あり、pは0〜0.2であり、yは0.025〜0.2
9であり、zは0.01〜0.15であり、qは0〜
0.1であり、(y+z)は0.035〜0.3であ
り、(p+q)は0.01〜0.3であり、dは0.0
4〜0.3である。
0μmであることが好ましい。更に上記中間層16aは
次の一般式(3)で表される化合物であることが好まし
い。 Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1yB2zCoqO3-d ……(3) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは
Sr,Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、B1はMg,Al及びInからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2
はCo,Fe,Ni及びCuからなる群より選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、xは0.05〜0.3で
あり、pは0〜0.2であり、yは0.025〜0.2
9であり、zは0.01〜0.15であり、qは0〜
0.1であり、(y+z)は0.035〜0.3であ
り、(p+q)は0.01〜0.3であり、dは0.0
4〜0.3である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1及び図2に示すように、固体酸
化物型燃料電池11は水素ガス等の燃料に接する燃料極
層13と、空気に接する多孔質の空気極層14と、燃料
極層13と空気極層14との間に介装された電解質層1
6を備える。この燃料電池11は燃料極層13と空気極
層14とにより電解質層16を挟持することによりセル
12が構成される。また電解質層16の空気極層14側
の界面には中間層16aが形成される。
基づいて説明する。図1及び図2に示すように、固体酸
化物型燃料電池11は水素ガス等の燃料に接する燃料極
層13と、空気に接する多孔質の空気極層14と、燃料
極層13と空気極層14との間に介装された電解質層1
6を備える。この燃料電池11は燃料極層13と空気極
層14とにより電解質層16を挟持することによりセル
12が構成される。また電解質層16の空気極層14側
の界面には中間層16aが形成される。
【0009】上記電解質層16は次の一般式(1)で表
される酸化物イオン伝導体である。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……(1) 上記一般式(1)において、Ln1はランタノイド系希
土類金属元素であり、La,Ce,Pr,Nd及びSm
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。Aはアルカリ土類金属であり、Sr,Ca及びBa
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。B1は非遷移金属であり、Mg,Al及びInから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。B
2は遷移金属であり、Co,Fe,Ni及びCuからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。即
ち、本発明の電解質層はランタノイド・ガレート(Ln
GaO3-d)を基本構造とし、これにアルカリ土類金属
(A),非遷移金属(B1)及び遷移金属(B2)の3
種類の元素をドープした5元系(Ln+A+Ga+B1
+B2)の複合酸化物である。
される酸化物イオン伝導体である。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……(1) 上記一般式(1)において、Ln1はランタノイド系希
土類金属元素であり、La,Ce,Pr,Nd及びSm
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。Aはアルカリ土類金属であり、Sr,Ca及びBa
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。B1は非遷移金属であり、Mg,Al及びInから
なる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。B
2は遷移金属であり、Co,Fe,Ni及びCuからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素である。即
ち、本発明の電解質層はランタノイド・ガレート(Ln
GaO3-d)を基本構造とし、これにアルカリ土類金属
(A),非遷移金属(B1)及び遷移金属(B2)の3
種類の元素をドープした5元系(Ln+A+Ga+B1
+B2)の複合酸化物である。
【0010】また一般式(1)で表される電解質層16
はペロブスカイト型結晶構造を有し、ABO3-dで示さ
れるペロブスカイト型結晶構造のAサイトを上記一般式
(1)のLn元素及びA元素が占め、BサイトをGa元
素,B1元素及びB2元素が占める。本来は3価金属が
占めるAサイト及びBサイトの一部を2価金属(例え
ば、Aサイトを占める上記A元素,Bサイトを占める上
記B1元素)及び遷移金属(Bサイトを占める上記B2
元素)が占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空
孔により酸化物イオン伝導性が現れる。従って、酸素原
子数はこの酸素空孔の分だけ減少することになる。
はペロブスカイト型結晶構造を有し、ABO3-dで示さ
れるペロブスカイト型結晶構造のAサイトを上記一般式
(1)のLn元素及びA元素が占め、BサイトをGa元
素,B1元素及びB2元素が占める。本来は3価金属が
占めるAサイト及びBサイトの一部を2価金属(例え
ば、Aサイトを占める上記A元素,Bサイトを占める上
記B1元素)及び遷移金属(Bサイトを占める上記B2
元素)が占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空
孔により酸化物イオン伝導性が現れる。従って、酸素原
子数はこの酸素空孔の分だけ減少することになる。
【0011】一般式(1)のxはA元素の原子比であ
り、0.05〜0.3、好ましくは0.10〜0.25
の範囲に設定される。yはB1元素の原子比であり、
0.025〜0.29、好ましくは0.05〜0.2の
範囲に設定される。zはB2元素の原子比であり、0.
01〜0.15、好ましくは0.03〜0.1の範囲に
設定される。(y+z)は0.035〜0.3、好まし
くは0.10〜0.25の範囲に設定される。xを0.
05〜0.3の範囲に限定したのは上記範囲を外れると
電気伝導性が低下するためである。zを0.01〜0.
15の範囲に限定したのは、zが増大するほど電気伝導
性は高くなるが、イオン輸率(酸化物イオン伝導性の割
合)が低下するため、上記範囲が最適な範囲となる。
(y+z)を0.035〜0.3の範囲に限定したの
は、(y+z)が大きくなるにつれて電気伝導性が高く
なるが、イオン輸率が低下するため、上記範囲が最適な
範囲となる。
り、0.05〜0.3、好ましくは0.10〜0.25
の範囲に設定される。yはB1元素の原子比であり、
0.025〜0.29、好ましくは0.05〜0.2の
範囲に設定される。zはB2元素の原子比であり、0.
01〜0.15、好ましくは0.03〜0.1の範囲に
設定される。(y+z)は0.035〜0.3、好まし
くは0.10〜0.25の範囲に設定される。xを0.
05〜0.3の範囲に限定したのは上記範囲を外れると
電気伝導性が低下するためである。zを0.01〜0.
15の範囲に限定したのは、zが増大するほど電気伝導
性は高くなるが、イオン輸率(酸化物イオン伝導性の割
合)が低下するため、上記範囲が最適な範囲となる。
(y+z)を0.035〜0.3の範囲に限定したの
は、(y+z)が大きくなるにつれて電気伝導性が高く
なるが、イオン輸率が低下するため、上記範囲が最適な
範囲となる。
【0012】なお、dは0.04〜0.3の範囲に設定
される。一般式(1)において酸素の原子比を(3−
d)で表示した(実際の酸素の原子比は3以下であ
る。)が、これは酸素空孔の数が添加元素(A,B1及
びB2)の種類のみならず、温度,酸素分圧,B2元素
の種類及び量によっても変動し、酸素の原子比を正確に
表示することが困難なためである。またB2元素とし
て、Co,Fe,Ni又はCuを用いると、低温側(約
650℃)でも高い電気伝導性を示す。
される。一般式(1)において酸素の原子比を(3−
d)で表示した(実際の酸素の原子比は3以下であ
る。)が、これは酸素空孔の数が添加元素(A,B1及
びB2)の種類のみならず、温度,酸素分圧,B2元素
の種類及び量によっても変動し、酸素の原子比を正確に
表示することが困難なためである。またB2元素とし
て、Co,Fe,Ni又はCuを用いると、低温側(約
650℃)でも高い電気伝導性を示す。
【0013】また空気極層14は次の一般式(2)で表
される酸化物イオン混合伝導体である。 Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2) 上記一般式(2)において、Ln2はランタノイド系希
土類金属元素であり、La及びSmのいずれか一方又は
双方の元素である。Dは遷移金属であり、Cu及びFe
のいずれか一方又は双方の元素である。一般式(2)の
xはSr元素の原子比であり、0.05〜0.8、好ま
しくは0.25〜0.55の範囲に設定される。yはD
元素の原子比であり、0〜0.9、好ましくは0.20
〜0.80の範囲に設定される。xを0.05〜0.5
の範囲に限定したのは上記範囲を外れると電気伝導性が
低下するためである。yを0〜0.8の範囲に限定した
のは、0.8を越えるとやはり電気伝導性が低下するた
めである。なお、dは一般式(1)のdと同様に0.0
4〜0.3の範囲に設定される。
される酸化物イオン混合伝導体である。 Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2) 上記一般式(2)において、Ln2はランタノイド系希
土類金属元素であり、La及びSmのいずれか一方又は
双方の元素である。Dは遷移金属であり、Cu及びFe
のいずれか一方又は双方の元素である。一般式(2)の
xはSr元素の原子比であり、0.05〜0.8、好ま
しくは0.25〜0.55の範囲に設定される。yはD
元素の原子比であり、0〜0.9、好ましくは0.20
〜0.80の範囲に設定される。xを0.05〜0.5
の範囲に限定したのは上記範囲を外れると電気伝導性が
低下するためである。yを0〜0.8の範囲に限定した
のは、0.8を越えるとやはり電気伝導性が低下するた
めである。なお、dは一般式(1)のdと同様に0.0
4〜0.3の範囲に設定される。
【0014】また中間層16aは次の一般式(3)で表
される化合物である。 Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1yB2zCoqO3-d ……(3) 上記一般式(3)において、Ln1は一般式(1)のL
n1と同様にLa,Ce,Pr,Nd及びSmからなる
群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは一
般式(1)のAと同様にSr,Ca及びBaからなる群
より選ばれた1種又は2種以上の元素である。B1は一
般式(1)のB1と同様にMg,Al及びInからなる
群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2は
一般式(1)のB2と同様にCo,Fe,Ni及びCu
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。
される化合物である。 Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1yB2zCoqO3-d ……(3) 上記一般式(3)において、Ln1は一般式(1)のL
n1と同様にLa,Ce,Pr,Nd及びSmからなる
群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、Aは一
般式(1)のAと同様にSr,Ca及びBaからなる群
より選ばれた1種又は2種以上の元素である。B1は一
般式(1)のB1と同様にMg,Al及びInからなる
群より選ばれた1種又は2種以上の元素であり、B2は
一般式(1)のB2と同様にCo,Fe,Ni及びCu
からなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
る。
【0015】一般式(3)のxは一般式(1)のxと同
様にA元素の原子比であり、0.05〜0.3、好まし
くは0.10〜0.25の範囲に設定される。yは一般
式(1)のyと同様にB1元素の原子比であり、0.0
25〜0.29、好ましくは0.05〜0.2の範囲に
設定される。zは一般式(1)のzと同様にB2元素の
原子比であり、0.01〜0.15、好ましくは0.0
3〜0.1の範囲に設定される。(y+z)は一般式
(1)の(y+z)と同様に0.035〜0.3、好ま
しくは0.10〜0.25の範囲に設定される。x,
y,z及び(y+z)を上記範囲に限定したのは、一般
式(1)の場合と同様である。
様にA元素の原子比であり、0.05〜0.3、好まし
くは0.10〜0.25の範囲に設定される。yは一般
式(1)のyと同様にB1元素の原子比であり、0.0
25〜0.29、好ましくは0.05〜0.2の範囲に
設定される。zは一般式(1)のzと同様にB2元素の
原子比であり、0.01〜0.15、好ましくは0.0
3〜0.1の範囲に設定される。(y+z)は一般式
(1)の(y+z)と同様に0.035〜0.3、好ま
しくは0.10〜0.25の範囲に設定される。x,
y,z及び(y+z)を上記範囲に限定したのは、一般
式(1)の場合と同様である。
【0016】一般式(3)のpはSm元素の原子比であ
り、0〜0.2、好ましくは0.05〜0.15の範囲
に設定され、qはCo元素の原子比であり、0〜0.
1、好ましくは0.01〜0.07の範囲に設定され
る。(p+q)は0.01〜0.3、好ましくは0.0
6〜0.22の範囲に設定される。pを0〜0.2の範
囲に限定したのは、0.2を越えると電気伝導性が低下
するためであり、qを0〜0.1の範囲に限定したの
は、0.1を越えるとイオン伝導性が低下するためであ
る。(p+q)を0.01〜0.3の範囲に限定したの
は、0.01未満では空気極過電圧の減少が観られず、
0.3を越えるとイオン伝導性が低下するためである。
また中間層16aの厚さは0.1〜20μmの範囲に設
定されることが好ましく、1〜10μmの範囲に設定さ
れることが更に好ましい。中間層16aの厚さを0.1
〜20μmの範囲に限定したのは、0.1μm未満では
薄すぎて中間層としての役割を果さず、20μmを越え
ると厚すぎて抵抗損が増大するからである。
り、0〜0.2、好ましくは0.05〜0.15の範囲
に設定され、qはCo元素の原子比であり、0〜0.
1、好ましくは0.01〜0.07の範囲に設定され
る。(p+q)は0.01〜0.3、好ましくは0.0
6〜0.22の範囲に設定される。pを0〜0.2の範
囲に限定したのは、0.2を越えると電気伝導性が低下
するためであり、qを0〜0.1の範囲に限定したの
は、0.1を越えるとイオン伝導性が低下するためであ
る。(p+q)を0.01〜0.3の範囲に限定したの
は、0.01未満では空気極過電圧の減少が観られず、
0.3を越えるとイオン伝導性が低下するためである。
また中間層16aの厚さは0.1〜20μmの範囲に設
定されることが好ましく、1〜10μmの範囲に設定さ
れることが更に好ましい。中間層16aの厚さを0.1
〜20μmの範囲に限定したのは、0.1μm未満では
薄すぎて中間層としての役割を果さず、20μmを越え
ると厚すぎて抵抗損が増大するからである。
【0017】更に燃料極層13はNi等の金属により構
成されたり、又はNi−YSZ等のサーメットにより構
成されたり、或いはNiと一般式(4)で表される化合
物との混合体により構成される。 Ce1-mCmO2 ……(4) 上記一般式(4)において、CはSm,Gd,Y及びC
aからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、mはC元素の原子比であり、0.05〜0.4、好
ましくは0.1〜0.3の範囲に設定される。Niと一
般式(4)で表される化合物との体積比は(95:5)
〜(20:80)、好ましくは(90:10)〜(4
0:60)の範囲に設定される。なお、図2の符号18
は導電性を有する白金からなる集電体であり、多孔質の
空気極層14上面に接するように設けられる。
成されたり、又はNi−YSZ等のサーメットにより構
成されたり、或いはNiと一般式(4)で表される化合
物との混合体により構成される。 Ce1-mCmO2 ……(4) 上記一般式(4)において、CはSm,Gd,Y及びC
aからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、mはC元素の原子比であり、0.05〜0.4、好
ましくは0.1〜0.3の範囲に設定される。Niと一
般式(4)で表される化合物との体積比は(95:5)
〜(20:80)、好ましくは(90:10)〜(4
0:60)の範囲に設定される。なお、図2の符号18
は導電性を有する白金からなる集電体であり、多孔質の
空気極層14上面に接するように設けられる。
【0018】このように構成された固体酸化物型燃料電
池の動作を説明する。燃料極層13に接するように水素
を流通させ、空気極層14に接するように空気を流通さ
せ、この状態で燃料極層13−空気極層14間に負荷を
電気的に接続すると、水素が燃料となりかつ空気が酸化
剤となって、即ち燃料極層13が負極となりかつ空気極
層14が正極となって、負荷に電流が流れる。このとき
空気極層14側では酸素分子がイオン化されてO2-とな
り、この酸化物イオンが酸化物イオン伝導体である電解
質層16中を移動することが重要である。本発明では中
間層16aが電解質層16−空気極層14間に存在する
ことにより、空気極層14側での酸素分子のイオン化反
応抵抗が低下させられるので、酸素分子のイオン化が促
進され、空気極過電圧が減少すると考えられる。また上
記中間層16aの存在により、電解質層16と空気極層
14との接触性が向上するので、空気極過電圧が減少す
ると考えられる。この結果、空気極層14における電圧
降下を小さくすることができるので、燃料電池11の出
力特性を向上することができる。
池の動作を説明する。燃料極層13に接するように水素
を流通させ、空気極層14に接するように空気を流通さ
せ、この状態で燃料極層13−空気極層14間に負荷を
電気的に接続すると、水素が燃料となりかつ空気が酸化
剤となって、即ち燃料極層13が負極となりかつ空気極
層14が正極となって、負荷に電流が流れる。このとき
空気極層14側では酸素分子がイオン化されてO2-とな
り、この酸化物イオンが酸化物イオン伝導体である電解
質層16中を移動することが重要である。本発明では中
間層16aが電解質層16−空気極層14間に存在する
ことにより、空気極層14側での酸素分子のイオン化反
応抵抗が低下させられるので、酸素分子のイオン化が促
進され、空気極過電圧が減少すると考えられる。また上
記中間層16aの存在により、電解質層16と空気極層
14との接触性が向上するので、空気極過電圧が減少す
ると考えられる。この結果、空気極層14における電圧
降下を小さくすることができるので、燃料電池11の出
力特性を向上することができる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1に示すように、直径が20mm、厚さ
が30μmの燃料極層13と、直径が40mm、厚さが
250μmの電解質層16と、直径が20mm、厚さが
35μmの空気極層14とを積層して円板状のセル12
を形成した。このセル12の電解質層16の空気極層1
4側の界面には厚さ0.2μmの中間層16aを形成し
た。なお、電解質層16はLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg
0.15Co0.05O3-dという組成を有する酸化物イオン伝
導体であり、空気極層14はSm0.5Sr0.5CoO3-d
という組成を有する酸化物イオン混合伝導体であった。
また中間層16aはLa0.75Sr0.15Sm0.1Ga0.775
Mg0.125Co0.1O3-dという組成を有する化合物であ
り、燃料極層13はNiとCe0.8Sm0.2O2という組
成を有する化合物との混合体であった。上記燃料電池1
1のセル12を実施例1とした。
説明する。 <実施例1>図1に示すように、直径が20mm、厚さ
が30μmの燃料極層13と、直径が40mm、厚さが
250μmの電解質層16と、直径が20mm、厚さが
35μmの空気極層14とを積層して円板状のセル12
を形成した。このセル12の電解質層16の空気極層1
4側の界面には厚さ0.2μmの中間層16aを形成し
た。なお、電解質層16はLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg
0.15Co0.05O3-dという組成を有する酸化物イオン伝
導体であり、空気極層14はSm0.5Sr0.5CoO3-d
という組成を有する酸化物イオン混合伝導体であった。
また中間層16aはLa0.75Sr0.15Sm0.1Ga0.775
Mg0.125Co0.1O3-dという組成を有する化合物であ
り、燃料極層13はNiとCe0.8Sm0.2O2という組
成を有する化合物との混合体であった。上記燃料電池1
1のセル12を実施例1とした。
【0020】<実施例2>中間層の厚さが1μmであっ
たことを除いて、実施例1と同様にセルを形成した。こ
のセルを実施例2とした。 <実施例3>中間層の厚さが4μmであったことを除い
て、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実施
例3とした。 <実施例4>中間層の厚さが10μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実
施例4とした。 <実施例5>中間層の厚さが20μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実
施例2とした。
たことを除いて、実施例1と同様にセルを形成した。こ
のセルを実施例2とした。 <実施例3>中間層の厚さが4μmであったことを除い
て、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実施
例3とした。 <実施例4>中間層の厚さが10μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実
施例4とした。 <実施例5>中間層の厚さが20μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを実
施例2とした。
【0021】<比較例1>中間層が形成されなかったこ
とを除いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセ
ルを比較例1とした。 <比較例2>中間層の厚さが50μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを比
較例2とした。 <比較例3>中間層の厚さが100μmであったことを
除いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを
比較例3とした。
とを除いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセ
ルを比較例1とした。 <比較例2>中間層の厚さが50μmであったことを除
いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを比
較例2とした。 <比較例3>中間層の厚さが100μmであったことを
除いて、実施例1と同様にセルを形成した。このセルを
比較例3とした。
【0022】<比較試験及び評価>図3に示すように、
実施例1〜5及び比較例1〜3の各セル12の燃料極層
13と空気極層14との間に第1回路21を接続し、こ
の回路21に0.01Ωの抵抗体24,5Vの直流電源
25,電流計26及び開閉スイッチ27を直列に接続し
た。また電解質層16の側面に参照極28を取付け、こ
の参照極28と空気極層14との間に第2回路22を接
続し、この第2回路22に第1電圧計31を接続した。
更に燃料極層13と空気極層14との間に第3回路23
を接続し、この第3回路23に第2電圧計32を接続し
た。上記第1回路21に電流密度が0.5A/cm2の
電流を流し、この電流を約40n秒の間隔で通電及び遮
断を繰返し、上記電流を遮断した直後に、時間に依存し
て減衰する空気極層14−参照極28間の電圧を第1電
圧計31により測定した。即ちカレントインターラプシ
ョン法によって第1電圧計31により空気極過電圧V1
を測定した。また電流密度が0.5A/cm2の電流を
第1回路21に流したときの空気極層14−燃料極層1
3間の電圧を第2電圧計32により測定して、セル12
の発電電力密度を測定した。上記測定結果を中間層16
aの厚さ及び電流密度とともに表1に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜3の各セル12の燃料極層
13と空気極層14との間に第1回路21を接続し、こ
の回路21に0.01Ωの抵抗体24,5Vの直流電源
25,電流計26及び開閉スイッチ27を直列に接続し
た。また電解質層16の側面に参照極28を取付け、こ
の参照極28と空気極層14との間に第2回路22を接
続し、この第2回路22に第1電圧計31を接続した。
更に燃料極層13と空気極層14との間に第3回路23
を接続し、この第3回路23に第2電圧計32を接続し
た。上記第1回路21に電流密度が0.5A/cm2の
電流を流し、この電流を約40n秒の間隔で通電及び遮
断を繰返し、上記電流を遮断した直後に、時間に依存し
て減衰する空気極層14−参照極28間の電圧を第1電
圧計31により測定した。即ちカレントインターラプシ
ョン法によって第1電圧計31により空気極過電圧V1
を測定した。また電流密度が0.5A/cm2の電流を
第1回路21に流したときの空気極層14−燃料極層1
3間の電圧を第2電圧計32により測定して、セル12
の発電電力密度を測定した。上記測定結果を中間層16
aの厚さ及び電流密度とともに表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、中間層のない比
較例1のセルや、中間層の比較的厚い比較例2及び3で
は、空気極過電圧が高く、かつ空気極層−燃料極層間の
電圧及び発電電力密度が低かった。これらに対し実施例
1〜5では、空気極過電圧が低くなり、かつ空気極層−
燃料極層間の電圧及び発電電力密度が高くなった。これ
により実施例1〜5の方が比較例1〜3より空気極層に
おける電圧降下が低くなり、燃料電池の出力特性が向上
することが判った。
較例1のセルや、中間層の比較的厚い比較例2及び3で
は、空気極過電圧が高く、かつ空気極層−燃料極層間の
電圧及び発電電力密度が低かった。これらに対し実施例
1〜5では、空気極過電圧が低くなり、かつ空気極層−
燃料極層間の電圧及び発電電力密度が高くなった。これ
により実施例1〜5の方が比較例1〜3より空気極層に
おける電圧降下が低くなり、燃料電池の出力特性が向上
することが判った。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、燃
料極層と空気極層とにより電解質層を挟持することによ
りセルを構成し、電解質層が酸化物イオン伝導体であ
り、空気極層が酸化物イオン混合伝導体であって、電解
質層の空気極層側の界面に中間層を形成したので、中間
層の存在により空気極層側での酸素分子のイオン化反応
抵抗が低下し、酸素分子のイオン化が促進され、空気極
過電圧が減少すると考えられる。また中間層の存在によ
り電解質層と空気極層との接触性が向上するため、空気
極過電圧が減少すると考えられる。この結果、空気極層
における電圧降下を小さくすることができるので、燃料
電池の出力特性を向上することができる。また中間層の
厚さを0.1〜20μmの範囲に設定したり、或いは中
間層を一般式(Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1y
B2zCoqO3-d)で表される組成とすれば、上記効果
をより顕著に奏することができる。
料極層と空気極層とにより電解質層を挟持することによ
りセルを構成し、電解質層が酸化物イオン伝導体であ
り、空気極層が酸化物イオン混合伝導体であって、電解
質層の空気極層側の界面に中間層を形成したので、中間
層の存在により空気極層側での酸素分子のイオン化反応
抵抗が低下し、酸素分子のイオン化が促進され、空気極
過電圧が減少すると考えられる。また中間層の存在によ
り電解質層と空気極層との接触性が向上するため、空気
極過電圧が減少すると考えられる。この結果、空気極層
における電圧降下を小さくすることができるので、燃料
電池の出力特性を向上することができる。また中間層の
厚さを0.1〜20μmの範囲に設定したり、或いは中
間層を一般式(Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1y
B2zCoqO3-d)で表される組成とすれば、上記効果
をより顕著に奏することができる。
【図1】本発明実施形態の固体酸化物型燃料電池を示す
要部断面構成図。
要部断面構成図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】その燃料電池の空気極過電圧等を評価するため
のカレントインターラプション法の回路模式図。
のカレントインターラプション法の回路模式図。
11 固体酸化物型燃料電池 12 セル 13 燃料極層 14 空気極層 16 電解質層 16a 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒田 紀一 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G048 AA05 AC06 AD04 5H018 AA06 AS03 EE13 HH03 HH05 5H026 AA06 EE13 HH03 HH05
Claims (3)
- 【請求項1】 燃料極層(13)と空気極層(14)とにより電
解質層(16)を挟持することによりセル(12)が構成された
固体酸化物型燃料電池において、 前記電解質層(16)が次の一般式(1)で表される酸化物
イオン伝導体であり、 前記空気極層(14)が次の一般式(2)で表される酸化物
イオン混合伝導体であって、 前記電解質層(16)の前記空気極層(14)側の界面に中間層
(16a)が形成されたことを特徴とする固体酸化物型燃料
電池。 Ln11-xAxGa1-y-zB1yB2zO3-d ……(1) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素;AはSr,
Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2種以上
の元素;B1はMg,Al及びInからなる群より選ば
れた1種又は2種以上の元素;B2はCo,Fe,Ni
及びCuからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元
素;xは0.05〜0.3;yは0.025〜0.2
9;zは0.01〜0.15;(y+z)は0.035
〜0.3;dは0.04〜0.3である。 Ln21-xSrxCo1-yDyO3-d ……(2) 但し、Ln2はLa及びSmのいずれか一方又は双方の
元素;DはFe及びCuのいずれか一方又は双方の元
素;xは0.05〜0.8;yは0〜0.9;dは0.
04〜0.3である。 - 【請求項2】 中間層(16a)の厚さが0.1〜20μm
である請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。 - 【請求項3】 中間層(16a)が次の一般式(3)で表さ
れる請求項1又は2記載の固体酸化物型燃料電池。 Ln11-x-pAxSmpGa1-y-z-qB1yB2zCoqO3-d ……(3) 但し、Ln1はLa,Ce,Pr,Nd及びSmからな
る群より選ばれた1種又は2種以上の元素;AはSr,
Ca及びBaからなる群より選ばれた1種又は2種以上
の元素;B1はMg,Al及びInからなる群より選ば
れた1種又は2種以上の元素;B2はCo,Fe,Ni
及びCuからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元
素;xは0.05〜0.3;pは0〜0.2;yは0.
025〜0.29;zは0.01〜0.15;qは0〜
0.1;(y+z)は0.035〜0.3;(p+q)
は0.01〜0.3;dは0.04〜0.3である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228446A JP2001052722A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 固体酸化物型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228446A JP2001052722A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 固体酸化物型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001052722A true JP2001052722A (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=16876629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11228446A Pending JP2001052722A (ja) | 1999-08-12 | 1999-08-12 | 固体酸化物型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001052722A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004200155A (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-15 | Celaya Emparanza Y Galdos Sa (Cegasa) | 電気化学的素子又は電池、及びその陰極 |
JP2005216761A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Kyocera Corp | 燃料電池セル及び燃料電池 |
JP2007073272A (ja) * | 2005-09-05 | 2007-03-22 | Noritake Co Ltd | 非電子伝導性組成傾斜型固体電解質膜 |
JP2009259568A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固体酸化物形燃料電池 |
US7754359B2 (en) | 2002-03-11 | 2010-07-13 | Mitsubishi Materials Corp. | Solid oxide fuel cell |
JP2013101965A (ja) * | 2013-01-24 | 2013-05-23 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 固体酸化物形燃料電池 |
RU2791726C1 (ru) * | 2022-09-27 | 2023-03-13 | Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт высокотемпературной электрохимии Уральского отделения Российской академии наук (ИВТЭ УрО РАН) | Твердооксидный электролитный материал с протонной проводимостью на основе индата бария- неодима |
-
1999
- 1999-08-12 JP JP11228446A patent/JP2001052722A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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