JP2001052687A - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JP2001052687A
JP2001052687A JP11225989A JP22598999A JP2001052687A JP 2001052687 A JP2001052687 A JP 2001052687A JP 11225989 A JP11225989 A JP 11225989A JP 22598999 A JP22598999 A JP 22598999A JP 2001052687 A JP2001052687 A JP 2001052687A
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electrode mixture
air
slit
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coating
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JP11225989A
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Kazuya Sato
一弥 佐藤
Migaku Shibata
磨 柴田
Mitsuo Sakurai
三夫 櫻井
Katsuhisa Kimura
勝寿 木村
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Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵容器のスリットと基材との間に形成され
るくさび型の隙間に吐出供給された電極合剤が、このく
さび型の隙間から出る際に破裂して飛散が起きてしまう
のを防止し、これにより例えば金属リチウム析出による
内部ショート(OCV)の発生率を低減した、塗布装置
の提供が望まれている。 【解決手段】 正極合剤または負極合剤からなる電極合
剤8を貯蔵し、開閉可能に形成されたスリットから電極
合剤を吐出する貯蔵容器2と、基材3をスリットの下方
に搬送する搬送装置4とを備えてなり、搬送装置4によ
って搬送された基材3に貯蔵容器2のスリットから電極
合剤8を間欠的に吐出し、基材3表面に電極合剤8の塗
布部20を断続的に形成する塗布装置1である。スリッ
トと基材3との間の隙間に向かってエアーを吹き付ける
エアーブロー装置5が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極、負極、セパ
レータ、非水系電解質から構成される非水電解質2次電
池の製造方法に係り、詳しくは、リチウムイオン2次電
池の電極合剤を基材上に塗工する際に用いられる、塗布
装置および塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非水電解質2次電池として、充電時に正
極中のリチウムイオンが電解液を介して負極中に吸蔵さ
れるという電気化学的な可逆反応を利用した、リチウム
イオン2次電池が知られている。このリチウムイオン2
次電池からなる非水電解質2次電池は、近年では電子情
報機器や携帯電話の普及に伴い、その携帯用電源として
需要が急速に増大している。また、非水電解質2次電池
は、余剰電力の備蓄用や電気自動車の駆動電源用等の新
しい分野での需要も期待されており、それに伴って高容
量化が一層強く要請されている。このような要請に応え
るべく、従来と比較して小型、軽量でかつ高容量であ
り、価格を抑えた高品質の非水電解質2次電池の開発が
進められている。
【0003】ところで、非水電解質2次電池を製造する
にあたり、特に正極合剤を正極集電体となるアルミニウ
ム箔(基材)の両面に塗布する場合、まず、正極活物質
を含有する懸濁液をプラネタリーミキサーにて4時間混
合し、スラリー状の正極合剤として調製する。そして、
このようにして調製した正極合剤からなる塗料(正極合
剤塗料)を、塗布装置によって前記アルミニウム箔の両
面にそれぞれ未塗布部を設けながら塗布するいわゆる間
欠塗布を行い、正極合剤の塗布部を断続的に形成する。
【0004】正極合剤塗料の塗布パターンについては、
例えばアルミニウム箔の両面共に塗布部の長さが160
mm、未塗布部の長さが30mmとなるようにして正極
合剤塗料を間欠的に塗布し、塗布部と未塗布部とを交互
に繰り返し形成する。このとき、アルミニウム箔の表面
と裏面とでは、それぞれ塗り初めの位置と塗り終わりの
位置とが互いに一致するように制御しておく。
【0005】このような塗布を行う従来の塗布装置は、
基本的には正極合剤または負極合剤からなる電極合剤を
塗布する貯蔵容器と、基材となる長尺のアルミニウム箔
(または後述する銅箔)を搬送する搬送装置とから構成
されたもので、搬送された長尺の基材(アルミニウム箔
または銅箔)に一定間隔をおいて電極合剤を所定の厚さ
に塗布するものである。
【0006】搬送装置は、金属製のガイドローラによっ
て基材(アルミニウム箔または銅箔)を連続的に貯蔵容
器の下方に搬送するものである。貯蔵容器はコータブレ
ードとシャッターとから構成されたもので、シャッター
の開閉動作によってこれらコータブレードとシャッター
との間の下部にスリットを開閉可能に形成するものであ
り、電極合剤を収容するとともに、スリットからこの電
極合剤をその自重によって吐出させるものである。
【0007】したがって、この従来の塗布装置によれ
ば、貯蔵容器に形成されるスリットより電極合剤からな
る塗料を間欠的に吐出することにより、搬送された基材
(アルミニウム箔または銅箔)上にこれを塗布すること
ができる。そして、このように電極合剤、例えば正極合
剤からなる塗料を間欠塗布し、さらにこれを乾燥して正
極活物質層を形成し、その後正極活物質層を一般的なプ
レスロール装置によってプレスすることにより、正極材
が得られる。
【0008】また、非水電解質2次電池の製造におい
て、特に負極活物質を負極集電体となる銅箔(基材)の
両面に塗布する場合にも、前記正極材の形成と同様にし
て、前記塗布装置により貯蔵容器に形成されるスリット
から負極合剤塗料を間欠的に吐出し、搬送された銅箔
(基材)上にこれを塗布する。そして、このように負極
合剤からなる塗料を間欠塗布し、さらにこれを乾燥して
負極活物質層を形成し、その後、負極活物質層を一般的
なプレスロール装置によってプレスすることにより、負
極材が得られる。
【0009】なお、負極合剤塗料の塗布パターンについ
ても、前記正極合剤塗料の塗布パターンと同様であり、
例えば銅箔の両面共に塗布部の長さが160mm、未塗
布部の長さが30mmとなるようにして負極合剤塗料を
間欠的に塗布し、塗布部と未塗布部とを交互に繰り返し
形成する。このとき、銅箔の表面と裏面とでは、それぞ
れ塗り初めの位置と塗り終わりの位置とが互いに一致す
るように制御しておく。
【0010】このようにして正極材、負極材をそれぞれ
形成したら、これら正極材および負極材のそれぞれの未
塗布部にリード線を溶着し、さらに互いに活物質層が対
向するようにして貼り合わせ、その後、プレス装置等に
より圧着して発電要素たる電池素子を構成し、この電池
素子を外装ケース内に収納して非水電解質2次電池を得
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
非水電解質2次電池の電極の製造においては、前記塗布
装置を用いて電極合剤を間欠塗布した際、塗布部から未
塗布部に切り替わったときに電極合剤の飛散が起こり、
未塗布部に飛散物が付着してしまうことがある。すなわ
ち、間欠塗布方式による塗布方法では塗布部の品質が電
極合剤の粘弾性挙動に左右されており、貯蔵容器のスリ
ットと基材との間に形成されるくさび型の隙間に吐出供
給された電極合剤が、前記のくさび型の隙間から出る際
に破裂し、前述したように飛散が起きてしまうのであ
る。
【0012】このような電極合剤の飛散は、スリットか
ら吐出された電極合剤がスリットと基材との間の隙間か
ら出た際、隙間内において加圧された状態から基材の上
側に向けて急に開放された状態となることによって起こ
る。したがって、塗布が高速化するに連れて益々電極合
剤の破裂量が増大し、未塗布部への飛散量も増加してし
まって未塗布部であるべきところに活物質層が点在して
しまう。
【0013】なお、基材の両面に電極合剤を塗布するに
あたり、先に塗布する面についての塗布では、前記のく
さび状の隙間が先側(基材の進行方向側)になるほど狭
くなり、また基材の下側がこれを搬送するための金属製
のガイドローラであることから、この隙間内の圧力が隙
間の先側になるほど高くなって吐出された電極合剤に加
わる圧力が上昇し、これにより電極合剤の破裂が起こり
易くなって未塗布部の飛散量が増加する。
【0014】一方、後に塗布する面に関しての塗布で
は、基材の下側(裏面)にはすでに電極合剤が塗布され
ているので、電極合剤の塗り終わりの位置が基材の下側
(裏面)に形成された塗布部の塗り終わりの位置(エッ
ジ)に一致しており、したがって隙間内に吐出された電
極合剤はこの隙間の先端を通過する際圧力が基材の下側
にも開放された状態となり、これにより前記の先に塗布
する面についての塗布の場合に比べて電極合剤の破裂が
起こりにくくなり、未塗布部への飛散量も少なくなる。
【0015】しかして、このように未塗布部に正極また
は負極の活物質層が点在したままの電池素子が外装ケー
ス内に収納され、非水電解質2次電池が形成されると、
点在した活物質層はリチウムイオンのドープ及び脱ドー
プする対極が存在しないため、得られた非水電解質2次
電池ではリチウムイオンが金属リチウムとして析出し正
極材と負極材とを隔てるセパレータを金属リチウムが突
き破って正極材と負極材を導通させてしまい、充放電工
程において内部ショート(Open Circuit Voltage 以
下、OCVと略称する)が発生してしまう。
【0016】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、貯蔵容器のスリットと基
材との間に形成されるくさび型の隙間に吐出供給された
電極合剤が、このくさび型の隙間から出る際に破裂して
飛散が起きてしまうのを防止し、これにより例えば金属
リチウム析出による内部ショート(OCV)の発生率を
低減した、塗布装置および塗布方法を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布装置では、
正極合剤または負極合剤からなる電極合剤を貯蔵し、開
閉可能に形成されたスリットから該電極合剤を吐出する
貯蔵容器と、基材を前記スリットの下方に搬送する搬送
装置とを備えてなり、搬送装置によって搬送された基材
に前記貯蔵容器のスリットから前記電極合剤を間欠的に
吐出し、基材表面に電極合剤の塗布部を断続的に形成す
る塗布装置において、前記スリットと基材との間の隙間
に向かってエアーを吹き付けるエアーブロー装置を備え
たことを前記課題の解決手段とした。
【0018】この塗布装置によれば、スリットと基材と
の間の隙間に向かってエアーを吹き付けるエアーブロー
装置を備えたので、スリットと基板との間に形成される
くさび状の隙間にエアーが吹き付けられることにより、
電極合剤の破裂が抑えられて未塗布部への電極合剤の飛
散が防止される。
【0019】また、前記エアーブロー装置を、細い管を
基材の幅方向に配列した多列式ノズルを有した構成とす
れば、吹き付けるエアーの風速を基材の幅方向で均一に
することが可能になり、これにより塗布部と未塗布部と
の境界となる塗布部のエッジの直線性が確保されるとと
もに、寸法精度の安定化が図られる。また、貯蔵容器
に、前記スリットが閉じた際ここに付着する電極合剤の
ビードに前記エアーブロー装置からのエアーが直接あた
るのを防ぐ遮蔽板を設ければ、電極合剤にビードがある
場合に、このビードがスリットから吐出された際吹き付
けられたエアーによって破壊され、飛散するのが防止さ
れる。
【0020】また、保護長を必要とする間欠塗布では、
ロール状の基材の巻き取りから新たな基材の巻き出しま
での間も連続してエアーを吹き付け続けると、閉じたス
リットから垂れた状態で残るビードが破壊され、飛散し
てしまう。このため、前記エアーブロー装置のエアー吹
き付け動作を前記スリットの開閉に連動させ、基材の巻
き取りから新たな基材の巻き出しまでの間にはスリット
と基材との間の隙間にエアーを吹き付けないように構成
することにより、前記のビードの破壊を防止するのが好
ましい。
【0021】本発明の塗布方法では、正極合剤または負
極合剤からなる電極合剤を、これを貯蔵する貯蔵容器の
開閉可能に形成されたスリットから基材に対して間欠的
に吐出し、基材表面に該電極合剤の塗布部を断続的に形
成する電極合剤の塗布方法において、前記スリットと基
材との間の隙間に向かってエアーを吹き付けつつ、電極
合剤の塗布を行うことを前記課題の解決手段とした。
【0022】この塗布方法によれば、スリットと基材と
の隙間に向かってエアーを吹き付けつつ、電極合剤の塗
布を行うので、スリットと基板との間に形成されるくさ
び状の隙間にエアーが吹き付けられることにより、電極
合剤の破裂が抑えられて未塗布部への電極合剤の飛散が
防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1(a)、(b)は本発明の塗布装置の一実施形態例
の概略構成を示す図であり、図1中符号1は塗布装置で
ある。この塗布装置1は、従来と同様に基材表面に電極
合剤の塗布部を断続的に形成するもので、正極合剤また
は負極合剤からなる電極合剤を貯蔵し、開閉可能に形成
されたスリットから該電極合剤を吐出する貯蔵容器2
と、基材3を前記スリットの下方に搬送する搬送装置4
と、前記スリットと基材3との間の隙間に向かってエア
ーを吹き付けるエアーブロー装置5とを備えて構成され
たものである。
【0024】貯蔵容器2は、コータブレード6とシャッ
ター7とから構成されたもので、これらコータブレード
6とシャッター7とによって形成される収容部に正極合
剤または負極合剤からなる電極合剤8を収容するもので
ある。シャッター7は、図1(a)中矢印で示すように
コータブレード6に対して回動可能に構成されたもの
で、矢印のA方向に回動した際、シャッター7の下端が
コータブレード6から開くことによってスリット(図示
略)を形成し、またこの状態から矢印B方向に回動した
際、シャッター7の下端がコータブレード6に当接して
前記のスリットを閉じるようになっている。
【0025】したがって、シャッター7の回動動作、す
なわちその開閉動作によってスリットが開閉することに
より、この貯蔵容器2に収容された電極合剤8は、シャ
ッター7が回動してスリットが形成された際、すなわち
スリットが開いた際その自重によって該スリットから吐
出し、シャッター7が回動してスリットが閉じられた際
その吐出が停止するようになっている。
【0026】ここで、シャッター7には、図1(b)に
示すようにその一方の側から下端部にかけて遮蔽板9が
設けられている。この遮蔽板9は、前記スリットが閉じ
た際ここに付着する電極合剤のビード8aに前記エアー
ブロー装置5からのエアーが直接あたるのを防ぐための
ものであり、その下端がコーダブレードの下端より下方
に位置するよう形成され、かつ、シャッター7が閉じた
際にその下端より1mm程度下方に位置するよう形成さ
れたものである。
【0027】搬送装置4は、従来と同様に金属製のガイ
ドローラ10を備えてなるもので、このガイドローラ1
0によって基材3を貯蔵容器2に形成される前記スリッ
トの下方に搬送してここで電極合剤からなる塗料を塗布
させ、その後、巻装工程に送るよう構成されたものであ
る。
【0028】エアーブロー装置5は、図2に示すように
図示しないドライエアーの供給源からドライエアーを吸
引しさらにこれを送出するブロアー11と、ブロアー1
1から送られてきたエアー中の塵埃等を除去するための
HEPAフィルター12と、HEPAフィルター12を
通過したエアーを溜めるエアーダム13と、エアーダム
13に溜められたエアーを吹き出す多列式ノズル14と
を備えて構成されたもので、ブロアー11の前には風量
調節用の2方バルブ15が設けられ、HEPAフィルタ
ー12とエアーダム13との間にはエアーダム13への
エアーの流れを図示しない別の経路に切り替えるための
3方バルブ16が設けられている。
【0029】多列式ノズル14は、図3に示すように細
い管17を基材3の幅方向に配列すべく横方向(水平方
向)に配列してなるもので、本例ではその幅、すなわち
一方の最側部に位置する管17から他方の最側部に位置
する管17までの距離が640mmとなっている。な
お、本例においては、この多列式ノズル14の先端(管
17の先端)から貯蔵容器2のスリットまでの距離が3
0mmとなるようにエアーブロー装置5が配置されてい
る。
【0030】また、この多列式ノズル14には、前記管
17…の上流側に多数の孔18を形成した整流板19が
配設されている。このような構成により整流板19を通
りさらに管17…を通ってここから吹き出されたドライ
エアーは、一方の最側部に位置する管17から他方の最
側部に位置する管17までの間で風速のバランス(ばら
つき)が1m/sの範囲内となる。したがって、このエ
アーブロー装置5は、多列式ノズル14の幅方向におい
てほぼ均一な風速でエアーを吹き出すことができるもの
となっている。
【0031】このような塗布装置1を用いてアルミニウ
ム箔からなる基材3に電極合剤8として正極合剤を塗布
するには、まず、スラリー状の正極合剤塗料を調製す
る。この正極合剤塗料は、一般式Lix MO2 (式中M
は一種類以上の遷移金属であり、xは0.05≦x≦
1.10を満足させる数である)で表される化合物を正
極活物質として用い、この活物質をフッ素系バインダ、
例えばポリフルオロビニリデン樹脂等と共に均一に混合
し、さらに溶剤であるN−メチルピロリデン(以下、N
MPと略称する)に均一に分散させてスラリー状に調製
することにより、作製される。
【0032】正極活物質としては、上記一般式中の遷移
金属MにCo、Ni及びMnのうちの少なくとも一種類
を用いたものが好ましく、特にCoを用いたものが好ま
しい。このようなリチウム複合酸化物は、リチウム及び
遷移金属Mのそれぞれの塩、例えば炭酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、酸化物、ハロゲン化物等を原料として製造され
る。例えば、所望の組成に応じてリチウム塩原料及び遷
移金属Mの原料をそれぞれ計量し、十分に混合した後こ
れらを酸素存在雰囲気下にて600℃〜1000℃の温
度範囲で加熱焼成することにより、製造される。なお、
このような正極活物質においては、各成分の混合方法に
ついては特に限定されることなく、粉末状の塩類を水に
溶解して水溶液の状態で混合するといった方法を採用し
てもよい。
【0033】正極合剤塗料には、上述した正極活物質、
フッ素系バインダ及び溶剤の他に、導電性を向上させる
ため、リチウムイオンをドープかつ脱ドープし得る炭素
材料を導電剤として添加する。炭素材料としては、20
00℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶
性炭素材料等が用いられる。具体的には、熱分解炭素
類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、
石油コークス等)、人造黒鉛類、天然黒鉛類、ガラス状
炭素類、有機高分子化合物焼成体(フラン樹脂等を適当
な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭素
等が用いられるが、特に、面の面間隔が3.70Å以
上、真密度が1.70g/cc未満、かつ空気気流中に
おける示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを持たな
い低結晶性炭素材料や、負極合剤を充填する際の高い真
比重が2.10g/cc以上の高結晶性炭素材料を用い
るのが好ましい。
【0034】このような正極合剤塗料の調製方法として
は、上述した正極合剤塗料のうち溶剤を除いた組成材
料、すなわち正極活物質、バインダおよび導電剤をプラ
ネタリーミキサー等の混合機に投入し、この混合機で混
合するといった方法が採られる。ここで、前記組成材料
中、正極活物質および導電剤については粉末化して投入
し、また、バインダについては溶剤、例えばNMPに溶
解した状態で投入する。
【0035】また、塗布装置1を用いて銅箔からなる基
材3に電極合剤8として負極合剤を塗布するには、ま
ず、スラリー状の負極合剤塗料を調製する。この負極合
剤塗料は、負極活物質をフッ素バインダ(例えばポリフ
ルオロビニリデン樹脂)とともに均一に混合し、さらに
この混合物をN−メチルピロリデンに均一に分散させて
スラリー状に調製することにより、作製される。
【0036】炭素材料としては、正極合剤塗料において
導電剤として使用したものと同様の炭素材料、すなわち
2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低
結晶性炭素材料や、結晶化し易い原料を3000℃近く
の温度で処理した高結晶性炭素材料等が用いられる。具
体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコーク
ス、ニードルコークス、石油コークス等)、人造黒鉛
類、天然黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼
成体(フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したも
の)、炭素繊維、活性炭素等が用いられるが、特に、面
の面間隔が3.70Å以上、真密度が1.70g/cc
未満、かつ空気気流中における示差熱分析で700℃以
上に発熱ピークを持たない低結晶性炭素材料や、負極合
剤を充填する際の高い真比重が2.10g/cc以上の
高結晶性炭素材料を用いるのが好ましい。
【0037】このような負極合剤塗料の調製方法として
は、上述した正極合剤塗料のうち溶剤を除いた組成材
料、すなわち負極活物質、バインダおよび導電剤をプラ
ネタリーミキサー等の混合機に投入し、この混合機で混
合するといった方法が採られる。ここで、前記組成材料
中、負極活物質および導電剤については粉末化して投入
し、また、バインダについては溶剤、例えばNMPに溶
解した状態で投入する。
【0038】このようにして調製した正極合剤塗料、負
極合剤塗料をそれぞれアルミニウム箔あるいは銅箔から
なる基材3に塗布して正極活物質層あるいは負極活物質
層を形成するには、前記塗布装置1の貯蔵容器2に正極
合剤塗料あるいは負極合剤塗料を収容し、また搬送装置
4のガイドローラ10に両面共に塗料を塗布していない
基材3をセットする。
【0039】次いで、ガイドローラ10を回転させて基
材3を貯蔵容器2の下方に搬送するとともに、貯蔵容器
2のシャッター7を開く方向に回動してスリットを形成
し、貯蔵容器2内に収容した電極合剤塗料(正極合剤塗
料あるいは負極合剤塗料)をその自重により落下させて
これを吐出させ、これによりガイドローラ10によって
走行させられている基材3の表面に電極合剤塗料を塗布
する。このとき、エアーブロー装置5を作動させ、その
多列式ノズル14から前記スリットと基材3との間の隙
間に向かってエアーを連続的に吹き付ける。
【0040】そして、所定時間を経過し、これにより所
定量の電極合剤塗料を塗布して図1(a)に示すように
所定長さの塗布部20を形成したら、シャッター7を閉
じる方向に回動してスリットを閉じ、電極合剤塗料の吐
出を停止する。このようにして所定時間塗料の吐出を停
止し、塗布部20の後に未塗布部21を形成したら、再
度シャッター7を開いてスリットを形成し、電極合剤塗
料を塗布して塗布部20を形成する。以下、この操作を
順次繰り返し、塗布部20と未塗布部21とを交互に形
成する。この間、前述したように電極合剤塗料の塗布時
はもちろん、塗布を停止している間にも、エアーブロー
装置5を作動させて貯蔵容器2と基材3との間の隙間に
向かってエアーを連続的に吹き付ける。
【0041】このようにしてスリット(貯蔵容器2)と
基材3との間のくさび状の隙間に向かってエアーを吹き
付けると、塗布された電極合剤塗料が隙間を通過した時
点においても吹き付けたエアーによって該電極合剤塗料
を加圧し続けた状態にすることができ、これによりこの
電極合剤塗料の破裂を抑えて未塗布部21への電極合剤
塗料の飛散を防止することができる。
【0042】また、前記エアーブロー装置5が細い管を
基材3の幅方向に配列した多列式ノズル14を有して構
成されているので、この多列式ノズル14によって吹き
付けるエアーの風速を基材3の幅方向で均一にすること
ができ、これにより塗布部20と未塗布部21との境界
となる塗布部20のエッジの直線性を確保することがで
きるとともに、寸法精度の安定化を図ることができる。
【0043】また、貯蔵容器2に、前記スリットが閉じ
た際ここに付着する電極合剤塗料のビード8aにエアー
ブロー装置5からのエアーが直接あたるのを防ぐ遮蔽板
9を設けたので、電極合剤塗料にビードがある場合に、
このビードがスリットから吐出された際吹き付けられた
エアーによって破壊され、未塗布部21に飛散してしま
うのを防止することができる。
【0044】なお、保護長を必要とする間欠塗布では、
ロール状の基材3の巻き取りから新たな基材3の巻き出
しまでの間も連続してエアーを吹き付け続けると、閉じ
たスリットから垂れた状態で残るビードが破壊され、飛
散してしまう。したがって、本発明においては、前記エ
アーブロー装置5のエアー吹き付け動作を前記スリット
の開閉に連動させ、基材3の巻き取りから新たな基材の
巻き出しまでの間には貯蔵容器2(スリット)とガイド
ローラ10(基材3)との間の隙間にエアーを吹き付け
ないようにし、前記のビードの破壊を防止するように構
成するのが好ましい。
【0045】このようにして基材3の一方の面に電極合
剤を間欠的に塗布し、塗布部20と未塗布部21とを交
互に形成したら、この基材3の他方の面、すなわち後に
塗布する面に対し、前記の工程と同様にして電極合剤を
間欠的に塗布し、塗布部20と未塗布部21とを交互に
形成する。このとき、エアーブロー装置5によるエアー
吹き付けについては、1〜100m/sの範囲の風速と
するのが好ましく、また、先に塗布する面(前記の一方
の面)についてのエアー吹き付けの風速に対して、後に
塗布する面についてのエアー吹き付けの風速を例えば1
/3程度と低くすることが好ましい。
【0046】これは、後に塗布する面に関しての塗布で
は、基材3の下側(裏面)にはすでに電極合剤塗料が塗
布されているので、電極合剤塗料の塗り終わりの位置が
基材3の下側(裏面)に形成された塗布部の塗り終わり
の位置(エッジ)に一致しており、したがってスリット
と基材3との間の隙間内に吐出された電極合剤塗料はこ
の隙間の先端を通過する際圧力が基材3の下側にも開放
された状態となり、これにより前記の先に塗布する面に
ついての塗布の場合に比べて電極合剤塗料の破裂が起こ
りにくくなり、未塗布部21への飛散量も少なくなるか
らである。
【0047】このようにして正極合剤塗料をアルミニウ
ム箔からなる基材3の両面に、また負極合剤塗料を銅箔
からなる基材3の両面に塗布したら、これらを乾燥させ
ることにより、正極活物質層、負極活物質層をそれぞれ
形成し、正極材、負極材を得る。そして、このようにし
て作製した正極材、負極材をそれぞれ所定の大きさに切
断し、切断した正極材と負極材とをそれぞれ活物質層が
対向するようにしてセパレータを介して積層しかつ巻回
し、電池素子を得る。その後、この電池素子を収納ケー
ス内に封入することにより、非水電解質2次電池を作製
する。
【0048】なお、このようにして作製する非水電解質
2次電池において、非水系電解質の非水系溶媒として
は、従来より用いられている種々のものが使用可能であ
り、具体的には、高誘電率溶媒である炭酸プロピレン、
炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン等や
炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル等が用
いられる。
【0049】前記の非水系溶媒に溶解させて非水系電解
液を調製するのに用いる電解質としては、伝導イオン種
がリチウムイオンである場合、LiClO4 、LiAs
6、LiPF4 、LiBF4 、LiCl、LiBr、
CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li等が好適に用いら
れる。これらは、単独で用いても2種以上を混合して用
いてもよい。なお、使用する電解質については、非水系
2次電池における伝導イオン種により異なるのは勿論で
ある。
【0050】また、作製する非水系電解質2次電池にお
いては、セパレータ、電池缶、PTC素子等についても
特に限定されるものではなく、従来の非水電解質2次電
池と同様のものが使用可能である。さらに、非水電解質
2次電池の形状についても特に限定されることなく、そ
の用途等に応じて円筒型形状、角型形状、コイン型形
状、ボタン型形状等の種々の形状のものが採用される。
【0051】(実施例1)図1に示した塗布装置1によ
り、以下のようにして非水電解質2次電池を製造した。
まず、以下に示す正極合剤塗料の組成材料および負極合
剤塗料の組成材料を用意した。 ・正極合剤塗料の組成 正極活物質:LiCoO2 100重量部 導電剤 :グラファイト 26重量部 バインダ :ポリフルオロビニリデン樹脂(N.V=5%) 30重量部 溶剤 :NMP(N−メチルピロリドン) 52重量部 ・負極合剤塗料の組成 負極活物質:グラファイト 100重量部 添加剤 :しゅう酸 4重量部 バインダ :ポリフルオロビニリデン樹脂(N.V=5%) 80重量部 溶剤 :NMP(N−メチルピロリドン) 20重量部
【0052】次に、これら組成材料をそれぞれ混合機で
混合分散し、正極合剤塗料、負極合剤塗料をそれぞれ得
た。次いで、図1に示した塗布装置1により、エアーを
吹き付けつつ、厚さ20μmのアルミニウム箔に正極合
剤塗料を全厚(基材の厚さと塗布厚との合計の厚さ)が
180μmになるようにしてその両面に順次間欠塗布
し、正極材を作製した。ここで、エアーブロー装置5に
よるエアー吹き付けの風速については、先に塗布する基
材の面のとき5m/sとし、後に塗布する基材の面のと
きも5m/sとした。
【0053】また、同様にして、塗布装置1によりエア
ーを吹き付けつつ、厚さ10μmの銅箔に負極合剤塗料
を全厚(基材の厚さと塗布厚との合計の厚さ)が150
μmになるようにしてその両面に順次間欠塗布し、負極
材を作製した。ここで、エアーブロー装置5によるエア
ー吹き付けの風速については、先に塗布する基材の面の
とき5m/sとし、後に塗布する基材の面のときも5m
/sとした。このようにして正極材、負極材をそれぞれ
作製したら、これらから電池素子を構成し、電解液と共
に電池缶内に封入して2次電池を作製した。
【0054】(実施例2)実施例1と同様にして2次電
池を作製した。ただし、正極剤作製時のエアーブロー装
置5によるエアー吹き付けの風速については、先に塗布
する基材の面のとき10m/sとし、後に塗布する基材
の面のときも10m/sとした。また、負極剤作製時の
エアーブロー装置5によるエアー吹き付けの風速につい
ても、先に塗布する基材の面のとき10m/sとし、後
に塗布する基材の面のときも10m/sとした。
【0055】(実施例3)実施例1と同様にして2次電
池を作製した。ただし、正極剤作製時のエアーブロー装
置5によるエアー吹き付けの風速については、先に塗布
する基材の面のとき15m/sとし、後に塗布する基材
の面のときも15m/sとした。また、負極剤作製時の
エアーブロー装置5によるエアー吹き付けの風速につい
ても、先に塗布する基材の面のとき15m/sとし、後
に塗布する基材の面のときも15m/sとした。
【0056】(実施例4)実施例1と同様にして2次電
池を作製した。ただし、正極剤作製時のエアーブロー装
置5によるエアー吹き付けの風速については、先に塗布
する基材の面のとき20m/sとし、後に塗布する基材
の面のときも20m/sとした。また、負極剤作製時の
エアーブロー装置5によるエアー吹き付けの風速につい
ても、先に塗布する基材の面のとき20m/sとし、後
に塗布する基材の面のときも20m/sとした。
【0057】(実施例5)実施例1と同様にして2次電
池を作製した。ただし、正極剤作製時のエアーブロー装
置5によるエアー吹き付けの風速については、先に塗布
する基材の面のとき30m/sとし、後に塗布する基材
の面のときは20m/sとした。また、負極剤作製時の
エアーブロー装置5によるエアー吹き付けの風速につい
ても、先に塗布する基材の面のとき30m/sとし、後
に塗布する基材の面のときは20m/sとした。
【0058】(実施例6)実施例1と同様にして2次電
池を作製した。ただし、正極剤作製時のエアーブロー装
置5によるエアー吹き付けの風速については、先に塗布
する基材の面のとき30m/sとし、後に塗布する基材
の面のときは10m/sとした。また、負極剤作製時の
エアーブロー装置5によるエアー吹き付けの風速につい
ても、先に塗布する基材の面のとき30m/sとし、後
に塗布する基材の面のときは10m/sとした。
【0059】(比較例1)実施例1と同様にして前記組
成材料をそれぞれ混合機で混合分散し、正極合剤塗料、
負極合剤塗料をそれぞれ得た。次いで、エアーを吹き付
けることなく、厚さ20μmのアルミニウム箔に正極合
剤塗料を全厚(基材の厚さと塗布厚との合計の厚さ)が
180μmになるようにしてその両面に順次間欠塗布
し、正極材を作製した。また、同様にして、エアーを吹
き付けることなく、厚さ10μmの銅箔に負極合剤塗料
を全厚(基材の厚さと塗布厚との合計の厚さ)が150
μmになるようにしてその両面に順次間欠塗布し、負極
材を作製した。このようにして正極材、負極材をそれぞ
れ作製したら、これらから電池素子を構成し、電解液と
共に電池缶内に封入して2次電池を作製した。
【0060】このようにして作製した各2次電池につい
て、未塗工部(未塗布部)に飛散した飛散数と塗布部の
寸法精度とを測定した。なお、未塗布部に飛散した飛散
数については、目視で確認することによってその個数を
数えた。また、寸法精度については、金属箔(基材)に
電極合剤塗料を塗布した後乾燥させて形成された活物質
層からなる塗布部の塗布長と、未塗布部の未塗布長とを
それぞれ測定し、標本数に対する寸法のバラツキ(標準
偏差;σ)を算出した。
【0061】さらに、OCV(内部ショート)率につい
ての評価も行った。この評価は、まず、作製した各例の
電池を一般環境下(25℃、60RH%)で12時間の
エージングを経過させ、次に、500mAの定電流条件
で4.25Vまで充電する。その後、充電4時間後、さ
らに充電30日後の電圧を測定し、充電4時間後に対す
る充電30日後の電圧の下降分を自然放電率とし、この
値が10%を超えたものを不良としてその割合を算出す
ることによって行った。得られた結果を以下の表に示
す。ただし、表中において「片面」は先に塗布する基材
の面を示し、「両面」は後に塗布する基材の面を示して
いる。
【0062】
【表1】 表に示した結果より、未塗工部(未塗布部)への電極合
剤の飛散数量については、エアーブロー装置5からの風
速を上げることによって減少させることができることが
分かった。また、塗工部(塗布部)の品質を確保するこ
とができ、かつ飛散数量を減少させる風速の条件として
は、先に塗布する基材の面のとき(片面塗布)30m/
sとし、後に塗布する基材の面のとき(両面塗布)10
m/sとする、実施例6の組み合わせが最良であること
が分かった。なお、この実施例6では、そのOCV率は
0.52%となり、これについても優れていることが分
かった。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の塗布装置
は、スリットと基材との間の隙間に向かってエアーを吹
き付けるエアーブロー装置を備えたものであるから、ス
リットと基板との間に形成されるくさび状の隙間にエア
ーを吹き付けることにより、電極合剤の破裂を抑えて未
塗布部への電極合剤の飛散を防止することができ、これ
により例えば金属リチウム析出による内部ショート(O
CV)の発生率を低減することができる。
【0064】また、エアーの風速を強くすれば、電極合
剤塗料の破裂をさらに抑えることができ、これにより遮
蔽板を設けた場合に、その電極合剤塗料のビードを保護
する効果により、塗布面の寸法精度とエッジの直線性と
を確保することができ、これにより電極合剤塗料の未塗
布部への飛散をより確実に防止して得られる2次電池の
OCV率をより一層低減することができる。
【0065】また、本発明の塗布方法は、スリットと基
材との隙間に向かってエアーを吹き付けつつ、電極合剤
の塗布を行う方法であるから、スリットと基板との間に
形成されるくさび状の隙間にエアーを吹き付けることに
より、電極合剤の破裂を抑えて未塗布部への電極合剤の
飛散を防止することができ、これにより例えば金属リチ
ウム析出による内部ショート(OCV)の発生率を低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の塗布装置の一実施形態例の概
略構成を示す図、(b)は貯蔵容器の概略構成を示す図
である。
【図2】エアーブロー装置の概略構成図である。
【図3】図2に示したエアーブロー装置の、多列式ノズ
ルの概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…塗布装置、2…貯蔵容器、3…基材、4…搬送装
置、5…エアーブロー装置、6…コーダブレード、7…
シャッター、8…電極合剤、9…遮蔽板、14…多列式
ノズル、20…塗布部、21…未塗布部
フロントページの続き (72)発明者 櫻井 三夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 木村 勝寿 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H014 AA04 BB08 BB17 HH00 HH01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極合剤または負極合剤からなる電極合
    剤を貯蔵し、開閉可能に形成されたスリットから該電極
    合剤を吐出する貯蔵容器と、基材を前記スリットの下方
    に搬送する搬送装置とを備えてなり、搬送装置によって
    搬送された基材に前記貯蔵容器のスリットから前記電極
    合剤を間欠的に吐出し、基材表面に電極合剤の塗布部を
    断続的に形成する塗布装置であって、 前記スリットと基材との間の隙間に向かってエアーを吹
    き付けるエアーブロー装置を備えたことを特徴とする塗
    布装置。
  2. 【請求項2】 前記エアーブロー装置は、細い管を前記
    基材の幅方向に配列した多列式ノズルを有してなり、こ
    の幅方向の風速バランスが1m/sの範囲内に形成され
    たものであることを特徴とする請求項1記載の塗布装
    置。
  3. 【請求項3】 前記貯蔵容器はコータブレードとシャッ
    ターとから構成され、前記スリットはシャッターの開閉
    動作によってその開閉をなすよう構成され、前記エアー
    ブロー装置はそのエアー吹き付け動作が前記スリットの
    開閉に連動するよう構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記エアーブロー装置から吹き出される
    エアーが、湿度20%以内のドライエアーであることを
    特徴とする請求項1記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記貯蔵容器には、前記スリットが閉じ
    た際ここに付着する電極合剤のビードに前記エアーブロ
    ー装置からのエアーが直接あたるのを防ぐ、遮蔽板が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の塗布装
    置。
  6. 【請求項6】 正極合剤または負極合剤からなる電極合
    剤を、これを貯蔵する貯蔵容器の開閉可能に形成された
    スリットから基材に対して間欠的に吐出し、基材表面に
    該電極合剤の塗布部を断続的に形成する電極合剤の塗布
    方法であって、 前記スリットと基材との間の隙間に向かってエアーを吹
    き付けつつ、電極合剤の塗布を行うことを特徴とする塗
    布方法。
  7. 【請求項7】 基材の両面に電極合剤を塗布する場合
    に、後に塗布する面についてのエアー吹き付けを、1〜
    100m/sの範囲の風速で行うことを特徴とする請求
    項6記載の塗布方法。
  8. 【請求項8】 基材の両面に電極合剤を塗布する場合
    に、先に塗布する面についてのエアー吹き付けの風速に
    対して、後に塗布する面についてのエアー吹き付けの風
    速を低くすることを特徴とする請求項6記載の塗布方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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