JP2001050087A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

Info

Publication number
JP2001050087A
JP2001050087A JP2000214984A JP2000214984A JP2001050087A JP 2001050087 A JP2001050087 A JP 2001050087A JP 2000214984 A JP2000214984 A JP 2000214984A JP 2000214984 A JP2000214984 A JP 2000214984A JP 2001050087 A JP2001050087 A JP 2001050087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel ratio
absorbent
fuel
rich
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000214984A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Shibagaki
信之 柴垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000214984A priority Critical patent/JP2001050087A/ja
Publication of JP2001050087A publication Critical patent/JP2001050087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空燃比を理論空燃比付近に維持しつつNOx
吸収剤から短時間のうちにNOx を放出させる。 【解決手段】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
きにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理
論空燃比又はリッチのときには吸収したNOx を放出す
るNOx 吸収剤18を機関排気通路内に配置する。理論
空燃比をリーンからリッチにすべきときには空燃比の平
均値がわずかばかりリッチとなるようにフィードバック
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の空燃比制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
きにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理
論空燃比又はリッチのときには吸収したNOx を放出す
るNO x 吸収剤を機関排気通路内に配置し、NOx 吸収
剤からNOx を放出すべきときには機関シリンダ内に供
給される混合気の空燃比をリーンから理論空燃比又はリ
ッチに予め定められた一定時間切換え、次いで混合気の
空燃比を再びリーンに戻すようにした内燃機関が本出願
人により既に提案されている(国際公開WO93/07
363号参照)。この内燃機関ではNOx 吸収剤からN
x を放出すべく混合気の空燃比が理論空燃比にされた
ときには機関排気通路内に設けられた空燃比センサの出
力信号に基いて空燃比が理論空燃比となるようにフィー
ドバック制御され、NOx 吸収剤からNOx を放出すべ
く混合気がリッチにされたときには空燃比はオープンル
ープ制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで混合気の空燃
比がリッチにされたときには比較的短時間のうちにNO
x 吸収剤からのNOx 放出作用が完了するが混合気の空
燃比が理論空燃比にされたときにはNOx 吸収剤からの
NOx 放出作用が完了するまでに時間を要する。従って
主に混合気の空燃比が理論空燃比にされたときにNOx
吸収剤からのNO x 放出作用を行うようにした内燃機関
ではNOx 吸収剤からのNOx 放出作用が完了するまで
に時間を要することになる。
【0004】この場合、NOx 吸収剤からのNOx 放出
時間を短かくするためには混合気を大巾にリッチにすれ
ばよいことになる。しかしながら混合気を大巾にリッチ
にすると混合気がリーンからリッチに切換えられるとき
に大きなトルク変化を生じる。従ってNOx 吸収剤から
のNOx 放出時間を短かくしつつトルク変化の発生を抑
制するためには空燃比を理論空燃比よりもわずかばかり
リッチにすることが好ましいことになる。ところが上述
の内燃機関ではこのように空燃比を理論空燃比よりもわ
ずかばかりリッチに制御するには空燃比をオープンルー
プ制御しなければならない。しかしながら実際問題とし
てオープンループ制御により空燃比を理論空燃比よりも
わずかばかりリッチに維持することは困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、流入する排気ガスの空燃比
がリーンのときにはNOx を吸収し、流入する排気ガス
の空燃比が理論空燃比又はリッチのときには吸収したN
x を放出するNOx 吸収剤を機関排気通路内に配置
し、リーン混合気が燃焼せしめられているときには排気
ガス中のNOx がNOx 吸収剤に吸収され、理論空燃比
の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられたときには
NOx 吸収剤からNOx が放出せしめられる内燃機関に
おいて、機関排気通路内に空燃比センサを配置し、空燃
比をリーンからリッチにすべきときには空燃比センサの
出力信号に基いて空燃比の平均値が理論空燃比に対しわ
ずかばかりリッチ側となるように混合気の空燃比をフィ
ードバック制御するようにしている。
【0006】2番目の発明では1番目の発明において、
理論空燃比の混合気を燃焼すべき機関運転状態となった
ときに空燃比センサの出力信号に基いて空燃比の平均値
が理論空燃比に対しわずかばかりリッチ側となるように
混合気の空燃比をフィードバック制御するようにしてい
る。
【0007】
【作用】1番目の発明では、空燃比をリーンからリッチ
にすべきときには空燃比センサの出力信号に基いて空燃
比の平均値が理論空燃比に対しわずかばかりリッチ側と
なるように混合気の空燃比がフィードバック制御され、
この間にNOx 吸収剤からNOx が放出される。
【0008】2番目の発明では、理論空燃比の混合気を
燃焼すべき機関運転状態となったときに空燃比センサの
出力信号に基いて空燃比の平均値が理論空燃比に対しわ
ずかばかりリッチ側となるように混合気の空燃比がフィ
ードバック制御され、この間にNOx 吸収剤からNOx
が放出される。
【0009】
【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2はピス
トン、3は燃焼室、4は点火栓、5は吸気弁、6は吸気
ポート、7は排気弁、8は排気ポートを夫々示す。吸気
ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク10に
連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃
料を噴射する燃料噴射弁11が取付けられる。サージタ
ンク10は吸気ダクト12を介してエアクリーナ13に
連結され、吸気ダクト12内にはスロットル弁14が配
置される。一方、排気ポート8は排気マニホルド15お
よび排気管16を介してNOx 吸収剤18を内蔵したケ
ーシング17に接続される。
【0010】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具
備する。サージタンク10内にはサージタンク10内の
絶対圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ19が
配置され、この圧力センサ19の出力電圧はAD変換器
37を介して入力ポート35に入力される。スロットル
弁14にはスロットル開度がアイドリング開度になった
ときにオンとなるスロットルスイッチ20が取付けら
れ、このスロットルスイッチ20の出力信号は入力ポー
ト35に入力される。排気マニホルド15内には空燃比
センサ21が配置され、この空燃比センサ21の出力電
圧はAD変換器38を介して入力ポート35に入力され
る。また、入力ポート35には機関回転数を表わす出力
パルスを発生する回転数センサ22が接続される。一
方、出力ポート36は対応する駆動回路39を介して夫
々点火栓4および燃料噴射弁11に接続される。
【0011】図1に示す内燃機関では例えば次式に基い
て燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=f・TP・K・FAF ここでfは定数、TPは基本燃料噴射時間、Kは補正係
数、FAFはフィードバック補正係数を夫々示す。基本
燃料噴射時間TPは機関シリンダ内に供給される混合気
の空燃比を理論空燃比とするのに必要な燃料噴射時間を
示している。この基本燃料噴射時間TPは予め実験によ
り求められ、サージタンク10内の絶対圧PMおよび機
関回転数Nの関数として図2に示すようなマップの形で
予めROM32内に記憶されている。補正係数Kは機関
シリンダ内に供給される混合気の空燃比を制御するため
の係数であってK=1.0であれば機関シリンダ内に供
給される混合気は理論空燃比となる。これに対してK<
1.0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空
燃比は理論空燃比よりも大きくなり、即ちリーンとな
り、K>1.0になれば機関シリンダ内に供給される混
合気の空燃比は理論空燃比よりも小さくなる、即ちリッ
チとなる。
【0012】フィードバック補正係数FAFは基本的に
はK=1.0のとき、即ち機関シリンダ内に供給される
混合気の空燃比を理論空燃比とすべきときに空燃比セン
サ21の出力信号に基いて空燃比を理論空燃比に正確に
一致させるための係数である。このフィードバック補正
係数FAFはほぼ1.0を中心として上下動しており、
このFAFは混合気がリッチになると減少し、混合気が
リーンになると増大する。なお、K<1.0又はK>
1.0のときにはFAFは1.0に固定される。
【0013】機関シリンダ内に供給すべき混合気の目標
空燃比、即ち補正係数Kの値は機関の運転状態に応じて
変化せしめられ、本発明による実施例では基本的には図
3に示されるようにサージタンク10内の絶対圧PMお
よび機関回転数Nの関数として予め定められている。即
ち、図3に示されるように実線Rよりも低負荷側の低負
荷運転領域ではK<1.0、即ち混合気がリーンとさ
れ、実線Rと実線Sの間の高負荷運転領域ではK=1.
0、即ち混合気の空燃比が理論空燃比とされ、実線Sよ
りも高負荷側の全負荷運転領域ではK>1.0、即ち混
合気がリッチとされる。更に、アイドリング運転時には
K=1.0、即ち理論空燃比とされる。
【0014】図4は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図4から
わかるように燃焼室3から排出される排気ガス中の未燃
HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空
燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出され
る排気ガス中の酸素O2 の濃度は燃焼室3内に供給され
る混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0015】ケーシング17内に収容されているNOx
吸収剤18は例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。機関
吸気通路およびNOx 吸収剤18上流の排気通路内に供
給された空気および燃料(炭化水素)の比をNO x 吸収
剤18への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx
吸収剤18は流入排気ガスの空燃比がリーンのときには
NOx を吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下する
と吸収したNOx を放出するNOx の吸放出作用を行
う。なお、NOx 吸収剤18上流の排気通路内に燃料
(炭化水素)或いは空気が供給されない場合には流入排
気ガスの空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空燃
比に一致し、従ってこの場合にはNOx 吸収剤18は燃
焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンのときに
はNOx を吸収し、燃焼室3内に供給される混合気中の
酸素濃度が低下すると吸収したNOx を放出することに
なる。
【0016】上述のNOx 吸収剤18を機関排気通路内
に配置すればこのNOx 吸収剤18は実際にNOx の吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図5に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0017】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO
2 - の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気
ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 - 又はO2 -
反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次
いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつ
つ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しな
がら図5(A)に示されるように硝酸イオンNO3 -
形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOx がNO
x 吸収剤18内に吸収される。
【0018】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガ
ス中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下す
るとNOx 吸収剤18からNOx が放出されることにな
る。図4に示されるように流入排気ガスのリーンの度合
が低くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従っ
て流入排気ガスのリーンの度合を低くすればたとえ流入
排気ガスの空燃比がリーンであってもNOx 吸収剤18
からNO x が放出されることになる。
【0019】一方、このとき燃焼室3内に供給される混
合気がリッチにされて流入排気ガスの空燃比がリッチに
なると図4に示されるように機関からは多量の未燃H
C,COが排出され、これは未燃HC,COは白金Pt
上の酸素O2 - 又はO2 - と反応して酸化せしめられ
る。また、流入排気ガスの空燃比がリッチになると流入
排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤か
らNO2 が放出され、このNO2 は図5(B)に示され
るように未燃HC,COと反応して還元せしめられる。
このようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなく
なると吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従
って流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のう
ちにNOx 吸収剤18からNOx が放出されることにな
る。
【0020】即ち、流入排気ガスの空燃比をリッチにす
るとまず始めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 -
はO2 - とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白
金Pt上のO2 - 又はO2 - が消費されてもまだ未燃H
C,COが残っていればこの未燃HC、COによって吸
収剤から放出されたNOx および機関から排出されたN
x が還元せしめられる。従って流入排気ガスの空燃比
をリッチにすれば短時間のうちにNOx 吸収剤18に吸
収されているNOx が放出され、しかもこの放出された
NOx が還元されるために大気中にNOx が排出される
のを阻止することができることになる。また、NOx
収剤18は還元触媒の機能を有しているので流入排気ガ
スの空燃比を理論空燃比にしてもNOx 吸収剤18から
放出されたNOx が還元せしめられる。しかしながら流
入排気ガスの空燃比を理論空燃比にした場合にはNOx
吸収剤18からNOx が徐々にしか放出されないために
NOx 吸収剤18に吸収されている全NOx を放出させ
るには若干長い時間を要する。
【0021】上述したようにリーン混合気が燃焼せしめ
られるとNOx がNOx 吸収剤18に吸収され、理論空
燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられるとN
x吸収剤18からNOx が放出される。しかしながら
上述したように理論空燃比の混合気が燃焼せしめられて
いることきにはNOx 吸収剤18からのNOx の放出作
用が完了するまでに時間を要し、従ってNOx 吸収剤1
8から十分にNOx が放出されないうちに図3に示すリ
ーン混合気を燃焼すべき運転状態(K<1.0)に移行
するとNOx 吸収剤18のNOx 吸収能力が飽和してN
x 吸収剤18がNOx を吸収しえなくなる危険性があ
る。このような危険性を回避するためにはNOx 吸収剤
18からできるだけ速くNOx を放出させる必要があ
り、そのために本発明による実施例では空燃比を理論空
燃比にすべき機関運転状態となったときには混合気の空
燃比を空燃比の平均値が理論空燃比よりもわずかばかり
リッチとなるようにフィードバック制御するようにして
いる。
【0022】そこでまず初めに図6および図7を参照し
つつ空燃比のフィードバック制御について説明する。図
6に示されるように空燃比センサ21は混合気がリッチ
のときには0.9(V)程度の出力電圧Vを発生し、混
合気がリーンのときには0.1(V)程度の出力電圧V
を発生する。図7はこの空燃比センサ21の出力信号に
基いて行われる空燃比のフィードバック制御を示してお
り、図7に示すルーチンは一定時間毎の割込みによって
行われる。
【0023】図7を参照するとまず初めにステップ50
においてフィードバック制御を実行すべきことを示すフ
ラグFがセットされているか否かが判別される。フラグ
Fがセットされていないときには処理サイクルを完了
し、従ってこのときにはフィードバック制御は行われな
い。これに対してフラグFがセットされているときには
ステップ51に進んで空燃比センサ21の出力電圧Vが
0.45(V)程度の基準電圧Vrよりも小さいか否か
が判別される。V≦Vrのとき、即ち空燃比がリーンの
ときにはステップ52に進んでディレイカウント値CD
Lが1だけディクリメントされる。次いでステップ53
ではディレイカウント値CDLが最小値TDRよりも小
さくなったか否かが判別され、CDL<TDRになった
ときにはステップ54に進んでCDLをTDRとした後
ステップ55に進む。従って図6に示されるようにV≦
Vrになるとディレイカウント値CDLが徐々に減少せ
しめられ、次いでCDLは最小値TDRに維持される。
【0024】一方、ステップ51においてV>Vrであ
ると判別されたとき、即ち空燃比がリッチのときにはス
テップ56に進んでディレイカウント値CDLが1だけ
インクリメントされる。次いでステップ57ではディレ
イカウント値CDLが最大値TDLよりも大きくなった
か否かが判別され、CDL>TDLになったときにはス
テップ58に進んでCDLをTDLとした後ステップ5
5に進む。従って図6に示されるようにV>Vrになる
とディレイカウント値CDLが徐々に増大せしめられ、
次いでCDLは最大値TDLに維持される。
【0025】ステップ55では前回の処理サイクルから
今回の処理サイクルの間にディレイカウント値CDLの
符号が正から負へ又は負から正へ反転したか否かが判別
される。ディレイカウント値CDLの符号が反転したと
きにはステップ59に進んで正から負への反転か否か、
即ちリッチからリーンへの反転であるか否かが判別され
る。リッチからリーンへの反転のときにはステップ60
に進んでフィードバック補正係数FAFにリッチスキッ
プ値RSRが加算され、斯くして図6に示されるように
FAFはリッチスキップ値RSRだけ急激に増大せしめ
られる。これに対してリーンからリッチへの反転のとき
にはステップ61に進んでFAFからリーンスキップ値
RSLが減算され、斯くして図6に示されるようにFA
Fはリーンスキップ値RSLだけ急激に減少せしめられ
る。
【0026】一方、ステップ55においてディレイカウ
ント値CDLの符号が反転していないと判別されたとき
にはステップ62に進んでディレイカウント値CDLが
負であるか否かが判別される。CDL≦0のときにはス
テップ63に進んでフィードバック補正係数FAFにリ
ッチ積分値KIR(KIR<RSR)が加算され、斯く
して図6に示されるようにFAFは徐々に増大せしめら
れる。一方、CDL>0のときにはステップ64に進ん
でFAFからリーン積分値KILが減算され、斯くして
図6に示されるようにFAFは徐々に減少せしめられ
る。
【0027】このようなフィードバック制御方法を採用
すると図6からわかるように例えば空燃比が一時的にリ
ーンになったとしてもこれによってFAFが影響を受け
ないようにすることができる。図8(A)は空燃比が理
論空燃比に維持されている場合を示している。このとき
実際の空燃比は理論空燃比14.6を中心して上下動
し、斯くしてこのときには実際の空燃比の平均値は理論
空燃比14.6となる。これに対して図8(B)はリッ
チ積分値KIRをリーン積分値KILよりも大きくした
場合を示している。この場合には実際の空燃比は全体と
してリッチ側に片寄りつつ変動し、リッチである時間お
よびこの間のリッチの度合がリーンである時間およびこ
の間のリーンの度合よりも大きくなる。従ってこのとき
には空燃比の平均値は理論空燃比に対してすこしばかり
リッチ側となる。
【0028】なお、空燃比の平均値を理論空燃比よりも
すこしばかりリッチ側にするには図6に示されるリッチ
スキップ値RSRをリーンスキップ値RSLより大きく
してもよく、また図6に示される最小値TDRの絶対値
を最大値TDLより大きくしてもよい。図9から図11
はリッチ積分値KIRをリーン積分値KILよりも大き
くすることによって空燃比の平均値を理論空燃比に対し
てわずかばかりリッチ側にずらすようにした第1実施例
を示している。この実施例では図9に示すようにK=
1.0になったときには、即ち空燃比を理論空燃比とす
べき運転状態(アイドリング運転時および図3のK=
1.0の運転領域)になったときには空燃比の平均値が
理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側となるように
空燃比がフィードバック制御される。
【0029】また、この第1実施例ではK=1.0にな
るとカウント値Cのカウントアップ作用が開始され、カ
ウント値Cが設定値C0 に達すると空燃比の平均値が理
論空燃比となるように空燃比がフィードバック制御され
る。図10および図11は図9に示される空燃比制御を
実行するためのルーチンを示しており、このルーチンは
一定時間毎の割込みによって実行される。
【0030】図10および図11を参照するとまず初め
にステップ100において図2に示すマップから基本燃
料噴射時間TPが算出される。次いでステップ101で
は減速運転時であって燃料の供給が停止されているか否
かが判別される。燃料の供給が停止されていないときに
はステップ102に進んでアイドルスイッチ20がオン
であるか否か、即ちスロットル弁14がアイドリング開
度であるか否かが判別される。アイドルスイッチ20が
オンでないときにはステップ103に進んで図3に示す
関係に基いて機関の運転状態から補正係数Kが算出され
る。次いでステップ104ではK=1.0であるか否か
が判別される。K=1.0でないとき、即ちリーン混合
気又はリッチ混合気を燃焼すべき運転状態のときにはス
テップ105に進んでカウント値Cが零とされ、次いで
ステップ110に進む。
【0031】一方、ステップ102においてアイドルス
イッチ20がオンになったときにはステップ106に進
んでK=1.0とされる。次いでステップ107におい
てカウント値Cが1だけインクリメントされ、ステップ
110に進む。また、ステップ104においてK=1.
0であると判別されたときにはステップ107に進んで
カウント値Cが1だけインクリメントされ、次いでステ
ップ110に進む。従ってカウント値Cのカウントアッ
プ作用が開始されるのはK=1のとき、即ちアイドリン
グ運転時と図3に示すK=1の領域のときである。
【0032】一方、ステップ101において燃料の供給
が停止されていると判別されたときにはステップ108
に進んでK=0とされる。次いでステップ109におい
てカウント値Cが零とされ、ステップ110に進む。ス
テップ110ではK=1.0であるか否かが判別され
る。K=1.0でないとき、即ちリーン混合気又はリッ
チ混合気を燃焼すべきときにはステップ111に進んで
フィードバック補正係数FAFが1.0とされる。次い
でステップ112ではフラグFがリセットされ、次いで
ステップ119では次式に基いて燃料噴射時間TAUが
算出される。
【0033】TAU=f・TP・K・FAF 従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃
比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。一
方、ステップ110においてK=1.0であると判別さ
れたとき、即ち空燃比を理論空燃比とすべきときにはス
テップ113に進んでカウント値Cが設定値C0 (図
9)よりも大きくなったか否かが判別される。C≦C0
のときにはステップ114に進んで基準リッチ積分値K
IR0 と一定値k1 との和がリッチ積分値KIRとさ
れ、次いでステップ115では基準リーン積分値KIL
0 から一定値k2 を減算した減算結果がリーン積分値K
ILとされる。次いでステップ118においてフラグF
がセットされ、ステップ119に進む。フラグFがセッ
トされると図7に示すフィードバック制御ルーチンにお
いてフィードバック補正係数FAFが算出され、空燃比
フィードバック制御が開始される。
【0034】C>C0 になるとステップ116に進んで
リッチ積分値KIRが基準リッチ積分値KIR0 とさ
れ、次いでステップ117に進んでリーン積分値KIL
が基準リーン積分値KIL0 とされる。次いでステップ
118を経てステップ119に進む。従ってK=1.0
となった後C>C0 となるまでの間はリッチ積分値KI
Rが増大され、リーン積分値KILが減少せしめられる
ので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわず
かばかりリッチになるようにフィードバック制御され、
C>C0 になるとリッチ積分値KIRおよびリーン積分
値KILは夫々基準値KIR0 ,KIL0 に戻されるの
で空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比となるようにフ
ィードバック制御される。
【0035】図12から図16はリッチスキップ値RS
Rをリーンスキップ値RSLよりも大きくすることによ
って空燃比の平均値を理論空燃比に対してわずかばかり
リッチ側にずらすようにした第2実施例を示している。
この実施例では図12に示すようにK=1.0になった
ときには、即ち空燃比を理論空燃比とすべき運転状態
(アイドリング運転時および図3のK=1.0の運転領
域)になったときには空燃比の平均値が理論空燃比に対
してわずかばかりリッチ側となるように空燃比がフィー
ドバック制御される。
【0036】また、この第2実施例ではNOx 吸収剤1
8に吸収されていると推定されるNOx 量ΣNOXが算
出され、このNOx 量ΣNOXが零になると空燃比の平
均値が理論空燃比となるように空燃比がフィードバック
制御される。従ってこの第2実施例ではNOx 吸収剤1
8から全NOx が放出されたと推定されたときに空燃比
の平均値がわずかばかりリッチ側から理論空燃比に切換
えられる。このようにこの第2実施例ではNOx 吸収剤
18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣNOXに
基いて空燃比の切換えが行われ、従ってまず初めにこの
NOx 量ΣNOXの算出方法について説明する。
【0037】リーン混合気が燃焼せしめられているとき
には機関負荷が高くなるほど単位時間当り機関から排出
されるNOx 量が増大するために単位時間当りNOx
収剤18に吸収されるNOx 量が増大し、また機関回転
数が高くなるほど単位時間当り機関から排出されるNO
x 量が増大するために単位時間当りNOx 吸収剤18に
吸収されるNOx が増大する。従って単位時間当りNO
x 吸収剤18に吸収されるNOx 量は機関負荷と機関回
転数の関数となる。この場合、機関負荷はサージタンク
10内の絶対圧でもって代表することができるので単位
時間当りNOx吸収剤18に吸収されるNOx 量はサー
ジタンク10内の絶対圧PMと機関回転数Nの関数とな
る。従って本発明による実施例では単位時間当りNOx
吸収剤18に吸収されるNOx 量NOXAを絶対圧PM
および機関回転数Nの関数として予め実験により求め、
このNOx 量NOXAがPMおよびNの関数として図1
3(A)に示すマップの形で予めROM32内に記憶さ
れている。
【0038】一方、機関シリンダ内に供給される混合気
の空燃比が理論空燃比又はリッチになるとNOx 吸収剤
18からNOx が放出されるがこのときのNOx 放出量
は主に排気ガス量と空燃比の影響を受ける。即ち、排気
ガス量が増大するほど単位時間当りNOx 吸収剤18か
ら放出されるNOx 量が増大し、空燃比がリッチとなる
ほど単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNO
x 量が増大する。この場合、排気ガス量、即ち吸入空気
量は機関回転数Nとサージタンク10内の絶対圧PMと
の積でもって代表することができ、従って図13(B)
に示されるように単位時間当りNOx 吸収剤18から放
出されるNOx 量NOXDはN・PMが大きくなるほど
増大する。また、空燃比は補正係数Kの値に対応してい
るので図13(C)に示されるように単位時間当りNO
x 吸収剤18から放出されるNO x 量NOXDはKの値
が大きくなるほど増大する。この単位時間当りNOx
収剤18から放出されるNOx 量NOXDはN・PMと
Kの関数として図14(A)に示すマップの形で予めR
OM32内に記憶されている。
【0039】また、NOx 吸収剤18の温度が高くなる
と吸収剤内の硝酸イオンNO3 - が分解しやすくなるの
でNOx 吸収剤18からのNOx 放出率が増大する。こ
の場合、NOx 吸収剤18の温度はほぼ排気ガス温に比
例するので図14(B)に示されるようにNOx 放出率
Kfは排気ガス温Tが高くなるほど大きくなる。従って
NOx 放出率Kfを考慮に入れた場合には単位時間当り
NOx 吸収剤18から放出されるNOx 量は図14
(A)に示されるNOXDとNOx 放出率Kfとの積で
表わされることになる。なお、本発明による実施例では
排気ガス温Tはサージタンク10内の絶対圧PMおよび
機関回転数Nの関数として図14(C)に示すマップの
形で予めROM32内に記憶されている。
【0040】上述したようにリーン混合気が燃焼せしめ
られたときには単位時間当りのNO x 吸収量がNOXA
で表わされ、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃
焼せしめられたときには単位時間当りのNOx 放出量は
Kf・NOXDで表わされるのでNOx 吸収剤18に吸
収されていると推定されるNOx 量ΣNOXは次式で表
わされることになる。
【0041】 ΣNOX=ΣNOX+NOXA−Kf・NOXD 図15および図16は図12に示される空燃比制御を実
行するためのルーチンを示しており、このルーチンは一
定時間の割込みによって実行される。図15および図1
6を参照するとまず初めにステップ200において図2
に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。
次いでステップ201では減速運転時であって燃料の供
給が停止されているか否かが判別される。燃料の供給が
停止されていないときにはステップ202に進んでアイ
ドルスイッチ20がオンであるか否か、即ちスロットル
弁14がアイドリング開度であるか否かが判別される。
アイドルスイッチ20がオンでないときにはステップ2
03に進んで図3に示す関係に基いて機関の運転状態か
ら補正係数Kが算出され、次いでステップ205に進
む。
【0042】一方、ステップ202においてアイドルス
イッチ20がオンになったときにはステップ204に進
んでK=1.0とされ、次いでステップ205に進む。
従ってK=1.0となるのはアイドリング運転時又は図
3に示すK=1.0の領域である。ステップ205では
K<1.0であるか否か、即ちリーン混合気を燃焼すべ
き運転状態であるか否かが判別される。K<1.0のと
き、即ちリーン混合気の燃焼すべき運転状態のときには
ステップ206に進んで図13(A)に示すマップから
単位時間当りのNOx 吸収量NOXAが算出される。次
いでステップ207ではNOx 放出量NOXDが零とさ
れ、次いでステップ211においてフィードバック補正
係数FAFが1.0に固定される。次いでステップ21
2においてフラグFがリセットされ、次いでステップ2
22に進む。
【0043】一方、ステップ205においてK<1.0
でないと判別されたときにはステップ208に進んでK
>1.0であるか否か、即ちリッチ混合気を燃焼すべき
運転状態であるか否かが判別される。K>1.0のと
き、即ちリッチ混合気を燃焼すべき運転状態のときには
ステップ209に進んで図14(A)に示すマップから
単位時間当りの放出NOx 量NOXDが算出され、図1
4(B)に示す関係と図14(C)に示すマップからN
x 放出率Kfが算出される。次いでステップ210で
は単位時間当りのNOx 吸収量NOXAが零とされる。
次いでステップ211では補正係数Kが1.0に固定さ
れ、次いでステップ212においてフラグFがリセット
された後ステップ222に進む。ステップ222では次
式に基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0044】TAU=f・TP・K・FAF 従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃
比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。次い
でステップ223では次式に基いてNOx 吸収剤18に
吸収されているNOx 量ΣNOXが算出される。 ΣNOX=ΣNOX+NOXA−Kf・NOXD 次いでステップ224ではNOx 量ΣNOXが負になっ
たか否かが判別され、ΣNOX<0になったときにはス
テップ225に進んでΣNOXが零とされる。一方、ス
テップ208においてK>1.0でないとき、即ちK=
1.0であって空燃比を理論空燃比とすべきときにはス
テップ213に進んでNOx 量ΣNOXが零であるか否
かが判別される。ΣNOX=0でないときにはステップ
214に進んで基準リッチスキップ値RSR0 と一定値
3 との和がリッチスキップ値RSRとされ、次いでス
テップ215では基準リーンスキップ値RSL0 から一
定値k4 を減算した減算結果がリーンスキップ値RSL
とされる。次いでステップ216において図14(A)
に示すマップからNOx 放出量NOXDが算出され、図
14(B)に示す関係と図14(C)に示すマップから
NOx 放出率Kfが算出される。次いでステップ220
ではNOx 吸収量NOXAが零とされる。次いでステッ
プ221においてフラグFがセットされ、ステップ22
2に進む。フラグFがセットされると図7に示すフィー
ドバック制御ルーチンにおいてフィードバック補正係数
FAFが算出され、空燃比フィードバック制御が開始さ
れる。
【0045】ΣNOX=0になるとステップ217に進
んでリッチスキップ値RSRが基準リップスキップ値R
SR0 とされ、次いでステップ218に進んでリーンス
キップ値RSLが基準リーンスキップ値RSL0 とされ
る。次いでステップ219ではNOx 放出量NOXDが
零とされる。次いでステップ220,221を経てステ
ップ222に進む。従ってK=1.0となった後ΣNO
X=0となるまでの間はリッチスキップ値RSRが増大
され、リーンスキップ値RSLが減少せしめられるので
空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかば
かりリッチになるようにフィードバック制御され、ΣN
OX=0になるとリッチスキップ値RSRおよびリーン
スキップ値RSLは夫々基準値RSR0 ,RSL0 に戻
されるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比となる
ようにフィードバック制御される。
【0046】このようにΣNOX=0となるまでの間は
空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッ
チ側に維持されており、従ってこのときには空燃比の平
均値が理論空燃比であるときに比べてNOx 吸収剤18
からのNOx 放出量NOXDは増大する。従ってステッ
プ216に進んだときにはK=1.0となっているがス
テップ216ではリッチ側となっている空燃比の平均値
に対応したKの値(K>1.0)に基いて図14(A)
に示すマップからNOx 放出量NOXDが算出される。
【0047】一方、ステップ201において燃料の供給
が停止されていると判別されたときにはステップ226
に進んでNOx 吸収量NOXAが零とされ、次いでステ
ップ227に進んでNOx 放出量NOXDが零とされ
る。次いでステップ228においてK=0とされ、次い
でステップ229においてフラグFがリセットされた後
ステップ222に進む。
【0048】図17から図20に第3実施例を示す。図
17に示されるようにこの第3実施例ではNOx 吸収剤
18下流の機関排気通路内に第2の空燃比センサ40が
設けられている。この第2の空燃比センサ40は空燃比
に対して空燃比センサ21と同様な出力特性を有し、こ
の第2の空燃比センサ40の出力信号はAD変換器41
を介して入力ポート35に入力される。
【0049】この第3実施例においても図18に示すよ
うにK=1.0になったときには、即ち空燃比を理論空
燃比とすべき運転状態(アイドリング運転時および図3
のK=1.0の運転領域)になったときには空燃比の平
均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側となる
ように空燃比がフィードバック制御される。このときこ
の第3実施例では最小値TDR(図6)の絶対値を増大
させ、最大値TDL(図6)を減少させることによって
空燃比の平均値を理論空燃比に対してわずかばかりリッ
チ側にずらすようにしている。
【0050】また、この第3実施例では第2の空燃比セ
ンサ40の出力信号からNOx 吸収剤18からのNOx
放出作用が完了したか否かを判断しており、図18に示
されるように第2の空燃比センサ40の出力電圧Vが一
定値V0 よりも高くなったときに空燃比の平均値が理論
空燃比となるように空燃比がフィードバック制御され
る。このようにこの第3実施例ではNOx 吸収剤18か
らのNOx 放出作用が完了したことを第2の空燃比セン
サ40の出力電圧の変化から検出するようにしており、
従って以下このことについて説明する。
【0051】即ち、燃焼室3内に供給される混合気がリ
ッチになると図4に示されるように燃焼室3からは酸素
2 および未燃HC,COを含んだ排気ガスが排出され
るがこの酸素O2 と未燃HC,COとはほとんど反応せ
ず、斯くしてこの酸素O2 はNOx 吸収剤18を通り過
ぎてNOx 吸収剤18から排出されることになる。一
方、燃焼室3内に供給される混合気がリッチになるとN
x 吸収剤18からNO x が放出される。このとき排気
ガス中に含まれる未燃HC,COは放出されたNOx
還元するために使用されるのでNOx 吸収剤18からN
x が放出されている間はNOx 吸収剤18から全く未
燃HC,COが排出されないことになる。従ってNOx
吸収剤18からNOx が放出され続けている間はNOx
吸収剤18から排出される排気ガス中には酸素O2 が含
まれているが未燃HC,COが全く含まれておらず、従
ってこの間はNOx 吸収剤18から排出される排気ガス
の空燃比はわずかばかりリーンとなっている。
【0052】次いでNOx 吸収剤18からのNOx の放
出作用が完了すると排気ガスに含まれている未燃HC,
COはNOx 吸収剤18内でNOx の還元のために作用
されることなくそのままNOx 吸収剤18から排出され
る。従ってこのとき燃焼室3内に供給されている混合気
がリッチの場合にはNOx 吸収剤18から排出される排
気ガスの空燃比もリッチとなる。即ち、NOx 吸収剤1
8からのNOx の放出作用が完了すればNOx 吸収剤1
8から排出される排気ガスがリーンからリッチに変化す
ることになる。従ってNOx 吸収剤18からのNOx
出作用が完了すれば図18に示されるように第2の空燃
比センサ40の出力電圧Vが立上がることになる。
【0053】図19および図20は図18に示される空
燃比制御を実行するためのルーチンを示しており、この
ルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。図
19および図20を参照するとまず初めにステップ30
0において図2に示すマップから基本燃料噴射時間TP
が算出される。次いでステップ301では減速運転時で
あって燃料の供給が停止されているか否かが判別され
る。燃料の供給が停止されていないときにはステップ3
02に進んでアイドルスイッチ20がオンであるか否
か、即ちスロットル弁14がアイドリング開度であるか
否かが判別される。アイドルスイッチ20がオンでない
ときにはステップ303に進んで図3に示す関係に基い
て機関の運転状態から補正係数Kが算出される。次いで
ステップ306に進む。
【0054】一方、ステップ302においてアイドルス
イッチ20がオンになったときにはステップ304に進
んでK=1.0とされ、次いでステップ306に進む。
また、ステップ301において燃料の供給が停止されて
いると判別されたときにはステップ305に進んでK=
0とされ、次いでステップ306に進む。ステップ30
6ではK=1.0であるか否かが判別される。K=1.
0でないとき、即ちリーン混合気又はリッチ混合気を燃
焼すべきときにはステップ307に進んで空燃比の平均
値をわずかばかりリッチにする処理が完了したことを示
すフラグXがリセットされる。次いでステップ308に
進んでフィードバック補正係数FAFが1.0とされ
る。次いでステップ309ではフラグFがリセットさ
れ、次いでステップ318では次式に基いて燃料噴射時
間TAUが算出される。
【0055】TAU=f・TP・K・FAF 従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃
比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。一
方、ステップ306においてK=1.0であると判別さ
れたとき、即ち空燃比を理論空燃比とすべきときにはス
テップ310に進んでフラグXがセットされているか否
かが判別される。K=1.0となったときにはフラグX
はリセットされているのでステップ311に進み、第2
の空燃比センサ40の出力電圧Vが一定値V0 (図1
8)よりも大きくなったか否かが判別される。リーン混
合気の燃焼が行われている状態からK=1.0となった
ときにはV≦V0 であるのでステップ312に進む。
【0056】ステップ312では基準最小値TDR0
ら一定値k5 を減算した減算結果が最小値TDRとされ
る。即ち、最小値TDRの絶対値が基準最小値TDR0
の絶対値に対して一定値k5 だけ増大せしめられる。次
いでステップ313では基準最大値TDL0 から一定値
6 を減算した減算結果が最大値TDLとされる。次い
でステップ317においてフラグFがセットされ、ステ
ップ318に進む。フラグFがセットされると図7に示
すフィードバック制御ルーチンにおいてフィードバック
補正係数FAFが算出され、空燃比フィードバック制御
が開始される。
【0057】ステップ311においてV>V0 になった
と判断されるとステップ314においてフラグXがセッ
トされ、次いでステップ315に進む。フラグXがセッ
トされると次の処理サイクルからはステップ310から
ステップ315にジャンプする。ステップ315では最
小値TDRが基準最小値TDR0 とされ、次いでステッ
プ316では最大値TDLが基準最大値TDL0 とされ
る。次いでステップ317を経てステップ318に進
む。
【0058】従ってK=1.0となった後はV>V0
なるまでの間は最小値TDRの絶対値が増大され、最大
値TDLが減少せしめられるので空燃比は空燃比の平均
値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチになるよう
にフィードバック制御され、V>V0 になると最小値T
DRおよび最大値TDLは夫々基準値TDR0 ,DTL
0 に戻されるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比
となるようにフィードバック制御される。
【0059】
【発明の効果】NOx を放出するために空燃比がリーン
からリッチに変化したときのトルク変化を抑制しつつN
x 吸収剤から短時間のうちにNOx の放出を完了する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】補正係数Kを示す図である。
【図4】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,C
Oおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】NOx の吸放出作用を説明するための図であ
る。
【図6】フィードバック補正係数FAFの変化を示すタ
イムチャートである。
【図7】フィードバック制御を行うためのフローチャー
トである。
【図8】空燃比の変化を示す図である。
【図9】空燃比制御の第1実施例を示すタイムチャート
である。
【図10】空燃比制御の第1実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【図11】空燃比制御の第1実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【図12】空燃比制御の第2実施例を示すタイムチャー
トである。
【図13】NOx 吸収量NOXA等を示す図である。
【図14】NOx 放出量NOXD等を示す図である。
【図15】空燃比制御の第2実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【図16】空燃比制御の第2実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【図17】内燃機関の別の実施例を示す全体図である。
【図18】空燃比制御の第3実施例を示すタイムチャー
トである。
【図19】空燃比制御の第3実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【図20】空燃比制御の第3実施例を実行するためのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
16…排気管 18…NOx 吸収剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 324 F02D 45/00 324

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理
    論空燃比又はリッチのときには吸収したNO x を放出す
    るNOx 吸収剤を機関排気通路内に配置し、リーン混合
    気が燃焼せしめられているときには排気ガス中のNOx
    がNOx 吸収剤に吸収され、理論空燃比の混合気又はリ
    ッチ混合気が燃焼せしめられたときにはNOx 吸収剤か
    らNO x が放出せしめられる内燃機関において、機関排
    気通路内に空燃比センサを配置し、空燃比をリーンから
    リッチにすべきときには空燃比センサの出力信号に基い
    て空燃比の平均値が理論空燃比に対しわずかばかりリッ
    チ側となるように混合気の空燃比をフィードバック制御
    する内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 理論空燃比の混合気を燃焼すべき機関運
    転状態となったときに空燃比センサの出力信号に基いて
    空燃比の平均値が理論空燃比に対しわずかばかりリッチ
    側となるように混合気の空燃比をフィードバック制御す
    る請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
JP2000214984A 2000-01-01 2000-07-14 内燃機関の空燃比制御装置 Pending JP2001050087A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214984A JP2001050087A (ja) 2000-01-01 2000-07-14 内燃機関の空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214984A JP2001050087A (ja) 2000-01-01 2000-07-14 内燃機関の空燃比制御装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28502193A Division JP3287083B2 (ja) 1993-11-15 1993-11-15 内燃機関の排気浄化装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003101890A Division JP4003683B2 (ja) 2003-04-04 2003-04-04 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001050087A true JP2001050087A (ja) 2001-02-23

Family

ID=18710477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000214984A Pending JP2001050087A (ja) 2000-01-01 2000-07-14 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001050087A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62294740A (ja) * 1986-06-16 1987-12-22 Honda Motor Co Ltd 多種燃料内燃エンジンの空燃比制御方法
JPH02125941A (ja) * 1988-11-05 1990-05-14 Nippon Denso Co Ltd エンジンの空燃比制御装置
JPH0526073A (ja) * 1991-07-22 1993-02-02 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御方法
JPH0526080A (ja) * 1991-07-18 1993-02-02 Mitsubishi Motors Corp リーンバーンエンジンシステムの空燃比制御方法
WO1993007363A1 (fr) * 1991-10-03 1993-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif pour purifier les gaz d'echappement d'un moteur a combustion interne

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62294740A (ja) * 1986-06-16 1987-12-22 Honda Motor Co Ltd 多種燃料内燃エンジンの空燃比制御方法
JPH02125941A (ja) * 1988-11-05 1990-05-14 Nippon Denso Co Ltd エンジンの空燃比制御装置
JPH0526080A (ja) * 1991-07-18 1993-02-02 Mitsubishi Motors Corp リーンバーンエンジンシステムの空燃比制御方法
JPH0526073A (ja) * 1991-07-22 1993-02-02 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御方法
WO1993007363A1 (fr) * 1991-10-03 1993-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif pour purifier les gaz d'echappement d'un moteur a combustion interne

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3724040B2 (ja) 筒内噴射式圧縮着火内燃機関
US5433074A (en) Exhaust gas purification device for an engine
US5423181A (en) Exhaust gas purification device of an engine
JP2000345830A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH08260949A (ja) NOx 吸収剤の劣化検出装置
US5388403A (en) Exhaust gas purification device for an engine
JP3203931B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH0988691A (ja) 圧縮着火内燃機関
JP3287083B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3624747B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2998481B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH09317447A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3309626B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2001050087A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3186394B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4003683B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2689829B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3144183B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH10176522A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2743760B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3186393B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3070376B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3508192B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3123513B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH07166913A (ja) 内燃機関の排気浄化装置