JP4003683B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチのときには吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤を機関排気通路内に配置し、NOx 吸収剤からNOx を放出すべきときには機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比をリーンから理論空燃比又はリッチに予め定められた一定時間切換え、次いで混合気の空燃比を再びリーンに戻すようにした内燃機関が本出願人により既に提案されている(国際公開WO93/07363号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらNOx 吸収剤に吸収されているNOx 量がわからない状態でNOx 吸収剤からNOx を放出すべく混合気の空燃比を予め定められた一定時間例えばリッチに切換えてもNOx 吸収剤に吸収されているNOx 量が多い場合にはNOx 吸収剤から十分な量のNOx を放出させることができないためにNOx 吸収剤のNOx 吸収能力が低下し、これに対しNOx 吸収剤に吸収されているNOx 量が少ない場合にはリッチな混合気がNOx 吸収剤を通り抜けて大気中に排出されるという問題を生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために1番目の発明によれば、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチのときには吸収したNOxを放出するNOx吸収剤を機関排気通路内に配置し、リーン混合気が燃焼せしめられているときには排気ガス中のNOxがNOx吸収剤に吸収され、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられたときにはNOx吸収剤からNOxが放出せしめられる内燃機関において、リーン混合気が燃焼せしめられているときに機関の運転状態に応じて変化する単位時間当りのNO x 吸収剤へのNO x 吸収量を求めると共に理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられているときに機関の運転状態に応じて変化する単位時間当りのNO x 吸収剤からのNO x 放出量を求めてこれら単位時間当りのNO x 吸収量および単位時間当りのNO x 放出量からNOx吸収剤に吸収されている吸収NOx量を算出する算出手段を具備し、算出された吸収NOx量が零になったときにNOx放出のためのリッチ混合気燃焼を停止するようにしている。
【0005】
番目の発明では1番目の発明において、リーン混合気を燃焼すべき運転状態から理論空燃比の混合気を燃焼すべき運転状態になったときにはリッチ混合気の燃焼を行い、算出された吸収NOx量が零になったときにはNOx放出のためのリッチ混合気燃焼から理論空燃比の混合気の燃焼に切換えるようにしている。
【0006】
【実施例】
図1を参照すると、1は機関本体、2はピストン、3は燃焼室、4は点火栓、5は吸気弁、6は吸気ポート、7は排気弁、8は排気ポートを夫々示す。吸気ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク10に連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁11が取付けられる。サージタンク10は吸気ダクト12を介してエアクリーナ13に連結され、吸気ダクト12内にはスロットル弁14が配置される。一方、排気ポート8は排気マニホルド15および排気管16を介してNOx 吸収剤18を内蔵したケーシング17に接続される。
【0007】
電子制御ユニット30はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。サージタンク10内にはサージタンク10内の絶対圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ19が配置され、この圧力センサ19の出力電圧はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。スロットル弁14にはスロットル開度がアイドリング開度になったときにオンとなるスロットルスイッチ20が取付けられ、このスロットルスイッチ20の出力信号は入力ポート35に入力される。排気マニホルド15内には空燃比センサ21が配置され、この空燃比センサ21の出力電圧はAD変換器38を介して入力ポート35に入力される。また、入力ポート35には機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数センサ22が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路39を介して夫々点火栓4および燃料噴射弁11に接続される。
【0008】
図1に示す内燃機関では例えば次式に基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
TAU=f・TP・K・FAF
ここでfは定数、TPは基本燃料噴射時間、Kは補正係数、FAFはフィードバック補正係数を夫々示す。基本燃料噴射時間TPは機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とするのに必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴射時間TPは予め実験により求められ、サージタンク10内の絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として図2に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。補正係数Kは機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比を制御するための係数であってK=1.0であれば機関シリンダ内に供給される混合気は理論空燃比となる。これに対してK<1.0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よりも大きくなり、即ちリーンとなり、K>1.0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よりも小さくなる、即ちリッチとなる。
【0009】
フィードバック補正係数FAFは基本的にはK=1.0のとき、即ち機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とすべきときに空燃比センサ21の出力信号に基いて空燃比を理論空燃比に正確に一致させるための係数である。このフィードバック補正係数FAFはほぼ1.0を中心として上下動しており、このFAFは混合気がリッチになると減少し、混合気がリーンになると増大する。なお、K<1.0又はK>1.0のときにはFAFは1.0に固定される。
【0010】
機関シリンダ内に供給すべき混合気の目標空燃比、即ち補正係数Kの値は機関の運転状態に応じて変化せしめられ、本発明による実施例では基本的には図3に示されるようにサージタンク10内の絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として予め定められている。即ち、図3に示されるように実線Rよりも低負荷側の低負荷運転領域ではK<1.0、即ち混合気がリーンとされ、実線Rと実線Sの間の高負荷運転領域ではK=1.0、即ち混合気の空燃比が理論空燃比とされ、実線Sよりも高負荷側の全負荷運転領域ではK>1.0、即ち混合気がリッチとされる。更に、アイドリング運転時にはK=1.0、即ち理論空燃比とされる。
【0011】
図4は燃焼室3から排出される排気ガス中の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図4からわかるように燃焼室3から排出される排気ガス中の未燃HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出される排気ガス中の酸素O2 の濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0012】
ケーシング17内に収容されているNOx 吸収剤18は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されている。機関吸気通路およびNOx 吸収剤18上流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx 吸収剤18への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx 吸収剤18は流入排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOx を吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOx を放出するNOx の吸放出作用を行う。なお、NOx 吸収剤18上流の排気通路内に燃料(炭化水素)或いは空気が供給されない場合には流入排気ガスの空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比に一致し、従ってこの場合にはNOx 吸収剤18は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンのときにはNOx を吸収し、燃焼室3内に供給される混合気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOx を放出することになる。
【0013】
上述のNOx 吸収剤18を機関排気通路内に配置すればこのNOx 吸収剤18は実際にNOx の吸放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムについては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸放出作用は図5に示すようなメカニズムで行われているものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0014】
即ち、流入排気ガスがかなりリーンになると流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO2 - の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 - 又はO2 - と反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら図5(A)に示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOx がNOx 吸収剤18内に吸収される。
【0015】
流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸収能力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガス中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下するとNOx 吸収剤18からNOx が放出されることになる。図4に示されるように流入排気ガスのリーンの度合が低くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従って流入排気ガスのリーンの度合を低くすればたとえ流入排気ガスの空燃比がリーンであってもNOx 吸収剤18からNOx が放出されることになる。
【0016】
一方、このとき燃焼室3内に供給される混合気がリッチにされて流入排気ガスの空燃比がリッチになると図4に示されるように機関からは多量の未燃HC,COが排出され、これは未燃HC,COは白金Pt上の酸素O2 - 又はO2 - と反応して酸化せしめられる。また、流入排気ガスの空燃比がリッチになると流入排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤からNO2 が放出され、このNO2 は図5(B)に示されるように未燃HC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従って流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のうちにNOx 吸収剤18からNOx が放出されることになる。
【0017】
即ち、流入排気ガスの空燃比をリッチにするとまず始めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 - 又はO2 - とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白金Pt上のO2 - 又はO2 - が消費されてもまだ未燃HC,COが残っていればこの未燃HC、COによって吸収剤から放出されたNOx および機関から排出されたNOx が還元せしめられる。従って流入排気ガスの空燃比をリッチにすれば短時間のうちにNOx 吸収剤18に吸収されているNOx が放出され、しかもこの放出されたNOx が還元されるために大気中にNOx が排出されるのを阻止することができることになる。また、NOx 吸収剤18は還元触媒の機能を有しているので流入排気ガスの空燃比を理論空燃比にしてもNOx 吸収剤18から放出されたNOx が還元せしめられる。しかしながら流入排気ガスの空燃比を理論空燃比にした場合にはNOx 吸収剤18からNOx が徐々にしか放出されないためにNOx 吸収剤18に吸収されている全NOx を放出させるには若干長い時間を要する。
【0018】
上述したようにリーン混合気が燃焼せしめられるとNOx がNOx 吸収剤18に吸収され、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられるとNOx 吸収剤18からNOx が放出される。しかしながら上述したように理論空燃比の混合気が燃焼せしめられているときにはNOx 吸収剤18からのNOx の放出作用が完了するまでに時間を要し、従ってNOx 吸収剤18から十分にNOx が放出されないうちに図3に示すリーン混合気を燃焼すべき運転状態(K<1.0)に移行するとNOx 吸収剤18のNOx 吸収能力が飽和してNOx 吸収剤18がNOx を吸収しえなくなる危険性がある。このような危険性を回避するためにはNOx 吸収剤18からできるだけ速くNOx を放出させる必要があり、そのために本発明による実施例では空燃比を理論空燃比にすべき機関運転状態となったときには混合気の空燃比を空燃比の平均値が理論空燃比よりもわずかばかりリッチとなるようにフィードバック制御するようにしている。
【0019】
そこでまず初めに図6および図7を参照しつつ空燃比のフィードバック制御について説明する。
図6に示されるように空燃比センサ21は混合気がリッチのときには0.9(V)程度の出力電圧Vを発生し、混合気がリーンのときには0.1(V)程度の出力電圧Vを発生する。図7はこの空燃比センサ21の出力信号に基いて行われる空燃比のフィードバック制御を示しており、図7に示すルーチンは一定時間毎の割込みによって行われる。
【0020】
図7を参照するとまず初めにステップ50においてフィードバック制御を実行すべきことを示すフラグFがセットされているか否かが判別される。フラグFがセットされていないときには処理サイクルを完了し、従ってこのときにはフィードバック制御は行われない。
これに対してフラグFがセットされているときにはステップ51に進んで空燃比センサ21の出力電圧Vが0.45(V)程度の基準電圧Vrよりも小さいか否かが判別される。V≦Vrのとき、即ち空燃比がリーンのときにはステップ52に進んでディレイカウント値CDLが1だけディクリメントされる。次いでステップ53ではディレイカウント値CDLが最小値TDRよりも小さくなったか否かが判別され、CDL<TDRになったときにはステップ54に進んでCDLをTDRとした後ステップ55に進む。従って図6に示されるようにV≦Vrになるとディレイカウント値CDLが徐々に減少せしめられ、次いでCDLは最小値TDRに維持される。
【0021】
一方、ステップ51においてV>Vrであると判別されたとき、即ち空燃比がリッチのときにはステップ56に進んでディレイカウント値CDLが1だけインクリメントされる。次いでステップ57ではディレイカウント値CDLが最大値TDLよりも大きくなったか否かが判別され、CDL>TDLになったときにはステップ58に進んでCDLをTDLとした後ステップ55に進む。従って図6に示されるようにV>Vrになるとディレイカウント値CDLが徐々に増大せしめられ、次いでCDLは最大値TDLに維持される。
【0022】
ステップ55では前回の処理サイクルから今回の処理サイクルの間にディレイカウント値CDLの符号が正から負へ又は負から正へ反転したか否かが判別される。ディレイカウント値CDLの符号が反転したときにはステップ59に進んで正から負への反転か否か、即ちリッチからリーンへの反転であるか否かが判別される。リッチからリーンへの反転のときにはステップ60に進んでフィードバック補正係数FAFにリッチスキップ値RSRが加算され、斯くして図6に示されるようにFAFはリッチスキップ値RSRだけ急激に増大せしめられる。これに対してリーンからリッチへの反転のときにはステップ61に進んでFAFからリーンスキップ値RSLが減算され、斯くして図6に示されるようにFAFはリーンスキップ値RSLだけ急激に減少せしめられる。
【0023】
一方、ステップ55においてディレイカウント値CDLの符号が反転していないと判別されたときにはステップ62に進んでディレイカウント値CDLが負であるか否かが判別される。CDL≦0のときにはステップ63に進んでフィードバック補正係数FAFにリッチ積分値KIR(KIR<RSR)が加算され、斯くして図6に示されるようにFAFは徐々に増大せしめられる。一方、CDL>0のときにはステップ64に進んでFAFからリーン積分値KILが減算され、斯くして図6に示されるようにFAFは徐々に減少せしめられる。
【0024】
このようなフィードバック制御方法を採用すると図6からわかるように例えば空燃比が一時的にリーンになったとしてもこれによってFAFが影響を受けないようにすることができる。
図8(A)は空燃比が理論空燃比に維持されている場合を示している。このとき実際の空燃比は理論空燃比14.6を中心して上下動し、斯くしてこのときには実際の空燃比の平均値は理論空燃比14.6となる。これに対して図8(B)はリッチ積分値KIRをリーン積分値KILよりも大きくした場合を示している。この場合には実際の空燃比は全体としてリッチ側に片寄りつつ変動し、リッチである時間およびこの間のリッチの度合がリーンである時間およびこの間のリーンの度合よりも大きくなる。従ってこのときには空燃比の平均値は理論空燃比に対してすこしばかりリッチ側となる。
【0025】
なお、空燃比の平均値を理論空燃比よりもすこしばかりリッチ側にするには図6に示されるリッチスキップ値RSRをリーンスキップ値RSLより大きくしてもよく、また図6に示される最小値TDRの絶対値を最大値TDLより大きくしてもよい。
図9から図11はリッチ積分値KIRをリーン積分値KILよりも大きくすることによって空燃比の平均値を理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側にずらすようにした第1実施例を示している。この実施例では図9に示すようにK=1.0になったときには、即ち空燃比を理論空燃比とすべき運転状態(アイドリング運転時および図3のK=1.0の運転領域)になったときには空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側となるように空燃比がフィードバック制御される。
【0026】
また、この第1実施例ではK=1.0になるとカウント値Cのカウントアップ作用が開始され、カウント値Cが設定値C0 に達すると空燃比の平均値が理論空燃比となるように空燃比がフィードバック制御される。
図10および図11は図9に示される空燃比制御を実行するためのルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
【0027】
図10および図11を参照するとまず初めにステップ100において図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次いでステップ101では減速運転時であって燃料の供給が停止されているか否かが判別される。燃料の供給が停止されていないときにはステップ102に進んでアイドルスイッチ20がオンであるか否か、即ちスロットル弁14がアイドリング開度であるか否かが判別される。アイドルスイッチ20がオンでないときにはステップ103に進んで図3に示す関係に基いて機関の運転状態から補正係数Kが算出される。次いでステップ104ではK=1.0であるか否かが判別される。K=1.0でないとき、即ちリーン混合気又はリッチ混合気を燃焼すべき運転状態のときにはステップ105に進んでカウント値Cが零とされ、次いでステップ110に進む。
【0028】
一方、ステップ102においてアイドルスイッチ20がオンになったときにはステップ106に進んでK=1.0とされる。次いでステップ107においてカウント値Cが1だけインクリメントされ、ステップ110に進む。また、ステップ104においてK=1.0であると判別されたときにはステップ107に進んでカウント値Cが1だけインクリメントされ、次いでステップ110に進む。従ってカウント値Cのカウントアップ作用が開始されるのはK=1のとき、即ちアイドリング運転時と図3に示すK=1の領域のときである。
【0029】
一方、ステップ101において燃料の供給が停止されていると判別されたときにはステップ108に進んでK=0とされる。次いでステップ109においてカウント値Cが零とされ、ステップ110に進む。ステップ110ではK=1.0であるか否かが判別される。K=1.0でないとき、即ちリーン混合気又はリッチ混合気を燃焼すべきときにはステップ111に進んでフィードバック補正係数FAFが1.0とされる。次いでステップ112ではフラグFがリセットされ、次いでステップ119では次式に基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0030】
TAU=f・TP・K・FAF
従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。
一方、ステップ110においてK=1.0であると判別されたとき、即ち空燃比を理論空燃比とすべきときにはステップ113に進んでカウント値Cが設定値C0 (図9)よりも大きくなったか否かが判別される。C≦C0 のときにはステップ114に進んで基準リッチ積分値KIR0 と一定値k1 との和がリッチ積分値KIRとされ、次いでステップ115では基準リーン積分値KIL0 から一定値k2 を減算した減算結果がリーン積分値KILとされる。次いでステップ118においてフラグFがセットされ、ステップ119に進む。フラグFがセットされると図7に示すフィードバック制御ルーチンにおいてフィードバック補正係数FAFが算出され、空燃比フィードバック制御が開始される。
【0031】
C>C0 になるとステップ116に進んでリッチ積分値KIRが基準リッチ積分値KIR0 とされ、次いでステップ117に進んでリーン積分値KILが基準リーン積分値KIL0 とされる。次いでステップ118を経てステップ119に進む。従ってK=1.0となった後C>C0 となるまでの間はリッチ積分値KIRが増大され、リーン積分値KILが減少せしめられるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチになるようにフィードバック制御され、C>C0 になるとリッチ積分値KIRおよびリーン積分値KILは夫々基準値KIR0 ,KIL0 に戻されるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比となるようにフィードバック制御される。
【0032】
図12から図16はリッチスキップ値RSRをリーンスキップ値RSLよりも大きくすることによって空燃比の平均値を理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側にずらすようにした第2実施例を示している。この実施例では図12に示すようにK=1.0になったときには、即ち空燃比を理論空燃比とすべき運転状態(アイドリング運転時および図3のK=1.0の運転領域)になったときには空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側となるように空燃比がフィードバック制御される。
【0033】
また、この第2実施例ではNOx 吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣNOXが算出され、このNOx 量ΣNOXが零になると空燃比の平均値が理論空燃比となるように空燃比がフィードバック制御される。従ってこの第2実施例ではNOx 吸収剤18から全NOx が放出されたと推定されたときに空燃比の平均値がわずかばかりリッチ側から理論空燃比に切換えられる。このようにこの第2実施例ではNOx 吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣNOXに基いて空燃比の切換えが行われ、従ってまず初めにこのNOx 量ΣNOXの算出方法について説明する。
【0034】
リーン混合気が燃焼せしめられているときには機関負荷が高くなるほど単位時間当り機関から排出されるNOx 量が増大するために単位時間当りNOx 吸収剤18に吸収されるNOx 量が増大し、また機関回転数が高くなるほど単位時間当り機関から排出されるNOx 量が増大するために単位時間当りNOx 吸収剤18に吸収されるNOx が増大する。従って単位時間当りNOx 吸収剤18に吸収されるNOx 量は機関負荷と機関回転数の関数となる。この場合、機関負荷はサージタンク10内の絶対圧でもって代表することができるので単位時間当りNOx 吸収剤18に吸収されるNOx 量はサージタンク10内の絶対圧PMと機関回転数Nの関数となる。従って本発明による実施例では単位時間当りNOx 吸収剤18に吸収されるNOx 量NOXAを絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として予め実験により求め、このNOx 量NOXAがPMおよびNの関数として図13(A)に示すマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0035】
一方、機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比が理論空燃比又はリッチになるとNOx 吸収剤18からNOx が放出されるがこのときのNOx 放出量は主に排気ガス量と空燃比の影響を受ける。即ち、排気ガス量が増大するほど単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量が増大し、空燃比がリッチとなるほど単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量が増大する。この場合、排気ガス量、即ち吸入空気量は機関回転数Nとサージタンク10内の絶対圧PMとの積でもって代表することができ、従って図13(B)に示されるように単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量NOXDはN・PMが大きくなるほど増大する。また、空燃比は補正係数Kの値に対応しているので図13(C)に示されるように単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量NOXDはKの値が大きくなるほど増大する。この単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量NOXDはN・PMとKの関数として図14(A)に示すマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0036】
また、NOx 吸収剤18の温度が高くなると吸収剤内の硝酸イオンNO3 - が分解しやすくなるのでNOx 吸収剤18からのNOx 放出率が増大する。この場合、NOx 吸収剤18の温度はほぼ排気ガス温に比例するので図14(B)に示されるようにNOx 放出率Kfは排気ガス温Tが高くなるほど大きくなる。従ってNOx 放出率Kfを考慮に入れた場合には単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNOx 量は図14(A)に示されるNOXDとNOx 放出率Kfとの積で表わされることになる。なお、本発明による実施例では排気ガス温Tはサージタンク10内の絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として図14(C)に示すマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0037】
上述したようにリーン混合気が燃焼せしめられたときには単位時間当りのNOx 吸収量がNOXAで表わされ、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられたときには単位時間当りのNOx 放出量はKf・NOXDで表わされるのでNOx 吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣNOXは次式で表わされることになる。
【0038】
ΣNOX=ΣNOX+NOXA−Kf・NOXD
図15および図16は図12に示される空燃比制御を実行するためのルーチンを示しており、このルーチンは一定時間の割込みによって実行される。
図15および図16を参照するとまず初めにステップ200において図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次いでステップ201では減速運転時であって燃料の供給が停止されているか否かが判別される。燃料の供給が停止されていないときにはステップ202に進んでアイドルスイッチ20がオンであるか否か、即ちスロットル弁14がアイドリング開度であるか否かが判別される。アイドルスイッチ20がオンでないときにはステップ203に進んで図3に示す関係に基いて機関の運転状態から補正係数Kが算出され、次いでステップ205に進む。
【0039】
一方、ステップ202においてアイドルスイッチ20がオンになったときにはステップ204に進んでK=1.0とされ、次いでステップ205に進む。従ってK=1.0となるのはアイドリング運転時又は図3に示すK=1.0の領域である。ステップ205ではK<1.0であるか否か、即ちリーン混合気を燃焼すべき運転状態であるか否かが判別される。K<1.0のとき、即ちリーン混合気の燃焼すべき運転状態のときにはステップ206に進んで図13(A)に示すマップから単位時間当りのNOx 吸収量NOXAが算出される。次いでステップ207ではNOx 放出量NOXDが零とされ、次いでステップ211においてフィードバック補正係数FAFが1.0に固定される。次いでステップ212においてフラグFがリセットされ、次いでステップ222に進む。
【0040】
一方、ステップ205においてK<1.0でないと判別されたときにはステップ208に進んでK>1.0であるか否か、即ちリッチ混合気を燃焼すべき運転状態であるか否かが判別される。K>1.0のとき、即ちリッチ混合気を燃焼すべき運転状態のときにはステップ209に進んで図14(A)に示すマップから単位時間当りの放出NOx 量NOXDが算出され、図14(B)に示す関係と図14(C)に示すマップからNOx 放出率Kfが算出される。次いでステップ210では単位時間当りのNOx 吸収量NOXAが零とされる。次いでステップ211では補正係数Kが1.0に固定され、次いでステップ212においてフラグFがリセットされた後ステップ222に進む。ステップ222では次式に基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0041】
TAU=f・TP・K・FAF
従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。次いでステップ223では次式に基いてNOx 吸収剤18に吸収されているNOx 量ΣNOXが算出される。
ΣNOX=ΣNOX+NOXA−Kf・NOXD
次いでステップ224ではNOx 量ΣNOXが負になったか否かが判別され、ΣNOX<0になったときにはステップ225に進んでΣNOXが零とされる。一方、ステップ208においてK>1.0でないとき、即ちK=1.0であって空燃比を理論空燃比とすべきときにはステップ213に進んでNOx 量ΣNOXが零であるか否かが判別される。ΣNOX=0でないときにはステップ214に進んで基準リッチスキップ値RSR0 と一定値k3 との和がリッチスキップ値RSRとされ、次いでステップ215では基準リーンスキップ値RSL0 から一定値k4 を減算した減算結果がリーンスキップ値RSLとされる。次いでステップ216において図14(A)に示すマップからNOx 放出量NOXDが算出され、図14(B)に示す関係と図14(C)に示すマップからNOx 放出率Kfが算出される。次いでステップ220ではNOx 吸収量NOXAが零とされる。次いでステップ221においてフラグFがセットされ、ステップ222に進む。フラグFがセットされると図7に示すフィードバック制御ルーチンにおいてフィードバック補正係数FAFが算出され、空燃比フィードバック制御が開始される。
【0042】
ΣNOX=0になるとステップ217に進んでリッチスキップ値RSRが基準リップスキップ値RSR0 とされ、次いでステップ218に進んでリーンスキップ値RSLが基準リーンスキップ値RSL0 とされる。次いでステップ219ではNOx 放出量NOXDが零とされる。次いでステップ220,221を経てステップ222に進む。従ってK=1.0となった後ΣNOX=0となるまでの間はリッチスキップ値RSRが増大され、リーンスキップ値RSLが減少せしめられるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチになるようにフィードバック制御され、ΣNOX=0になるとリッチスキップ値RSRおよびリーンスキップ値RSLは夫々基準値RSR0 ,RSL0 に戻されるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比となるようにフィードバック制御される。
【0043】
このようにΣNOX=0となるまでの間は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側に維持されており、従ってこのときには空燃比の平均値が理論空燃比であるときに比べてNOx 吸収剤18からのNOx 放出量NOXDは増大する。従ってステップ216に進んだときにはK=1.0となっているがステップ216ではリッチ側となっている空燃比の平均値に対応したKの値(K>1.0)に基いて図14(A)に示すマップからNOx 放出量NOXDが算出される。
【0044】
一方、ステップ201において燃料の供給が停止されていると判別されたときにはステップ226に進んでNOx 吸収量NOXAが零とされ、次いでステップ227に進んでNOx 放出量NOXDが零とされる。次いでステップ228においてK=0とされ、次いでステップ229においてフラグFがリセットされた後ステップ222に進む。
【0045】
図17から図20に第3実施例を示す。図17に示されるようにこの第3実施例ではNOx 吸収剤18下流の機関排気通路内に第2の空燃比センサ40が設けられている。この第2の空燃比センサ40は空燃比に対して空燃比センサ21と同様な出力特性を有し、この第2の空燃比センサ40の出力信号はAD変換器41を介して入力ポート35に入力される。
【0046】
この第3実施例においても図18に示すようにK=1.0になったときには、即ち空燃比を理論空燃比とすべき運転状態(アイドリング運転時および図3のK=1.0の運転領域)になったときには空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側となるように空燃比がフィードバック制御される。このときこの第3実施例では最小値TDR(図6)の絶対値を増大させ、最大値TDL(図6)を減少させることによって空燃比の平均値を理論空燃比に対してわずかばかりリッチ側にずらすようにしている。
【0047】
また、この第3実施例では第2の空燃比センサ40の出力信号からNOx 吸収剤18からのNOx 放出作用が完了したか否かを判断しており、図18に示されるように第2の空燃比センサ40の出力電圧Vが一定値V0 よりも高くなったときに空燃比の平均値が理論空燃比となるように空燃比がフィードバック制御される。このようにこの第3実施例ではNOx 吸収剤18からのNOx 放出作用が完了したことを第2の空燃比センサ40の出力電圧の変化から検出するようにしており、従って以下このことについて説明する。
【0048】
即ち、燃焼室3内に供給される混合気がリッチになると図4に示されるように燃焼室3からは酸素O2 および未燃HC,COを含んだ排気ガスが排出されるがこの酸素O2 と未燃HC,COとはほとんど反応せず、斯くしてこの酸素O2 はNOx 吸収剤18を通り過ぎてNOx 吸収剤18から排出されることになる。一方、燃焼室3内に供給される混合気がリッチになるとNOx 吸収剤18からNOx が放出される。このとき排気ガス中に含まれる未燃HC,COは放出されたNOx を還元するために使用されるのでNOx 吸収剤18からNOx が放出されている間はNOx 吸収剤18から全く未燃HC,COが排出されないことになる。従ってNOx 吸収剤18からNOx が放出され続けている間はNOx 吸収剤18から排出される排気ガス中には酸素O2 が含まれているが未燃HC,COが全く含まれておらず、従ってこの間はNOx 吸収剤18から排出される排気ガスの空燃比はわずかばかりリーンとなっている。
【0049】
次いでNOx 吸収剤18からのNOx の放出作用が完了すると排気ガスに含まれている未燃HC,COはNOx 吸収剤18内でNOx の還元のために作用されることなくそのままNOx 吸収剤18から排出される。従ってこのとき燃焼室3内に供給されている混合気がリッチの場合にはNOx 吸収剤18から排出される排気ガスの空燃比もリッチとなる。即ち、NOx 吸収剤18からのNOx の放出作用が完了すればNOx 吸収剤18から排出される排気ガスがリーンからリッチに変化することになる。従ってNOx 吸収剤18からのNOx 放出作用が完了すれば図18に示されるように第2の空燃比センサ40の出力電圧Vが立上がることになる。
【0050】
図19および図20は図18に示される空燃比制御を実行するためのルーチンを示しており、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
図19および図20を参照するとまず初めにステップ300において図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次いでステップ301では減速運転時であって燃料の供給が停止されているか否かが判別される。燃料の供給が停止されていないときにはステップ302に進んでアイドルスイッチ20がオンであるか否か、即ちスロットル弁14がアイドリング開度であるか否かが判別される。アイドルスイッチ20がオンでないときにはステップ303に進んで図3に示す関係に基いて機関の運転状態から補正係数Kが算出される。次いでステップ306に進む。
【0051】
一方、ステップ302においてアイドルスイッチ20がオンになったときにはステップ304に進んでK=1.0とされ、次いでステップ306に進む。また、ステップ301において燃料の供給が停止されていると判別されたときにはステップ305に進んでK=0とされ、次いでステップ306に進む。
ステップ306ではK=1.0であるか否かが判別される。K=1.0でないとき、即ちリーン混合気又はリッチ混合気を燃焼すべきときにはステップ307に進んで空燃比の平均値をわずかばかりリッチにする処理が完了したことを示すフラグXがリセットされる。次いでステップ308に進んでフィードバック補正係数FAFが1.0とされる。次いでステップ309ではフラグFがリセットされ、次いでステップ318では次式に基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0052】
TAU=f・TP・K・FAF
従ってこのときには空燃比が予め定められたリーン空燃比又はリッチ空燃比にオープンループ制御される。
一方、ステップ306においてK=1.0であると判別されたとき、即ち空燃比を理論空燃比とすべきときにはステップ310に進んでフラグXがセットされているか否かが判別される。K=1.0となったときにはフラグXはリセットされているのでステップ311に進み、第2の空燃比センサ40の出力電圧Vが一定値V0 (図18)よりも大きくなったか否かが判別される。リーン混合気の燃焼が行われている状態からK=1.0となったときにはV≦V0 であるのでステップ312に進む。
【0053】
ステップ312では基準最小値TDR0 から一定値k5 を減算した減算結果が最小値TDRとされる。即ち、最小値TDRの絶対値が基準最小値TDR0 の絶対値に対して一定値k5 だけ増大せしめられる。次いでステップ313では基準最大値TDL0 から一定値k6 を減算した減算結果が最大値TDLとされる。次いでステップ317においてフラグFがセットされ、ステップ318に進む。フラグFがセットされると図7に示すフィードバック制御ルーチンにおいてフィードバック補正係数FAFが算出され、空燃比フィードバック制御が開始される。
【0054】
ステップ311においてV>V0 になったと判断されるとステップ314においてフラグXがセットされ、次いでステップ315に進む。フラグXがセットされると次の処理サイクルからはステップ310からステップ315にジャンプする。ステップ315では最小値TDRが基準最小値TDR0 とされ、次いでステップ316では最大値TDLが基準最大値TDL0 とされる。次いでステップ317を経てステップ318に進む。
【0055】
従ってK=1.0となった後はV>V0 となるまでの間は最小値TDRの絶対値が増大され、最大値TDLが減少せしめられるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比に対してわずかばかりリッチになるようにフィードバック制御され、V>V0 になると最小値TDRおよび最大値TDLは夫々基準値TDR0 ,DTL0 に戻されるので空燃比は空燃比の平均値が理論空燃比となるようにフィードバック制御される。
【0056】
【発明の効果】
NOx 吸収剤に吸収されているNOx を確実にNOx 吸収剤から放出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】補正係数Kを示す図である。
【図4】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,COおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】NOx の吸放出作用を説明するための図である。
【図6】フィードバック補正係数FAFの変化を示すタイムチャートである。
【図7】フィードバック制御を行うためのフローチャートである。
【図8】空燃比の変化を示す図である。
【図9】空燃比制御の第1実施例を示すタイムチャートである。
【図10】空燃比制御の第1実施例を実行するためのフローチャートである。
【図11】空燃比制御の第1実施例を実行するためのフローチャートである。
【図12】空燃比制御の第2実施例を示すタイムチャートである。
【図13】NOx 吸収量NOXA等を示す図である。
【図14】NOx 放出量NOXD等を示す図である。
【図15】空燃比制御の第2実施例を実行するためのフローチャートである。
【図16】空燃比制御の第2実施例を実行するためのフローチャートである。
【図17】内燃機関の別の実施例を示す全体図である。
【図18】空燃比制御の第3実施例を示すタイムチャートである。
【図19】空燃比制御の第3実施例を実行するためのフローチャートである。
【図20】空燃比制御の第3実施例を実行するためのフローチャートである。
【符号の説明】
16…排気管
18…NOx 吸収剤

Claims (2)

  1. 流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチのときには吸収したNOxを放出するNOx吸収剤を機関排気通路内に配置し、リーン混合気が燃焼せしめられているときには排気ガス中のNOxがNOx吸収剤に吸収され、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられたときにはNOx吸収剤からNOxが放出せしめられる内燃機関において、リーン混合気が燃焼せしめられているときに機関の運転状態に応じて変化する単位時間当りのNO x 吸収剤へのNO x 吸収量を求めると共に理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃焼せしめられているときに機関の運転状態に応じて変化する単位時間当りのNO x 吸収剤からのNO x 放出量を求めてこれら単位時間当りのNO x 吸収量および単位時間当りのNO x 放出量からNOx吸収剤に吸収されている吸収NOx量を算出する算出手段を具備し、算出された吸収NOx量が零になったときにNOx放出のためのリッチ混合気燃焼を停止するようにした内燃機関の制御装置。
  2. リーン混合気を燃焼すべき運転状態から理論空燃比の混合気を燃焼すべき運転状態になったときにはリッチ混合気の燃焼を行い、算出された吸収NO x 量が零になったときにはNO x 放出のためのリッチ混合気燃焼から理論空燃比の混合気の燃焼に切換えるようにした請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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