JP3309626B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3309626B2
JP3309626B2 JP03397895A JP3397895A JP3309626B2 JP 3309626 B2 JP3309626 B2 JP 3309626B2 JP 03397895 A JP03397895 A JP 03397895A JP 3397895 A JP3397895 A JP 3397895A JP 3309626 B2 JP3309626 B2 JP 3309626B2
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nox
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absorbent
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健治 加藤
哲郎 木原
孝充 浅沼
哲 井口
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
きにNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比がリッ
チになると吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤を機
関排気通路内に配置し、通常はリーン混合気を燃焼せし
めると共にこのとき発生するNOx をNOx 吸収剤に吸
収するようにした内燃機関が公知である。この内燃機関
ではNOx 吸収剤へのNOx 吸収量が一定量を越えると
NOx 吸収剤からNOxを放出すべくNOx 吸収剤に流
入する排気ガスの空燃比が一時的にリッチにされる。N
Ox 吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリッチにされ
るとNOx 吸収剤からのNOx 放出作用が開始される。
【0003】ところで排気ガスの空燃比がリッチにされ
たときにNOx 吸収剤から単位時間当り放出されるNO
x 量はNOx 吸収剤の温度および空燃比のリッチの度合
によって大巾に変動し、従ってNOx 吸収剤から吸収さ
れている全NOx を放出させるのに必要な時間はNOx
吸収剤に吸収されているNOx 量はもとよりNOx 吸収
剤の温度および空燃比のリッチの度合によって大巾に変
化することになる。この場合、空燃比がリッチとされる
時間が短かすぎるとNOx 吸収剤に吸収されているNO
x を十分放出しえないためにNOx 吸収剤の吸収能力が
次第に減少し、ついにはNOx を吸収しえなくなってし
まうことになり、これに対して空燃比がリッチとされる
時間が長すぎるとNOx 吸収剤から全NOx が放出され
た後も空燃比がリッチとなっているために多量の未燃H
CやCOが大気に放出されることになる。
【0004】このようにNOx 吸収剤がNOx を吸収し
えなくなったり、或いは多量の未燃HCやCOが大気に
放出するのを阻止するためにはNOx 吸収剤からのNO
x 放出作用が完了した瞬間に空燃比のリッチ制御を停止
する必要があり、そのためにはNOx 吸収剤からのNO
x 放出作用が完了したことを正確に検出する必要があ
る。
【0005】ところでNOx 吸収剤に流入する排気ガス
の空燃比をリッチにした場合、NOx 吸収剤からのNO
x 放出作用が行われている間はNOx 吸収剤から流出す
る排気ガスの空燃比がわずかばかりリーンとなってお
り、NOx 吸収剤からのNOxの放出作用が完了すると
NOx 吸収剤から流出する排気ガスの空燃比がリッチに
なることが判明している。そこでNOx 吸収剤下流の機
関排気通路内に排気ガスの空燃比がリッチであるかリー
ンであるかを検出しうる空燃比センサを配置し、NOx
吸収剤からNOx を放出すべくNOx 吸収剤に流入する
排気ガスの空燃比をリーンからリッチに切換えた後、空
燃比センサによりNOx 吸収剤から流出する排気ガスの
空燃比がリッチになったことが検出されたときにNOx
吸収剤からのNOx 放出作用が完了したと判断してNO
x 吸収剤に流入する排気ガスの空燃比を再びリーンに戻
すようにした内燃機関が公知である(PCT国際公開W
O94/17291号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらNOx 吸
収剤から流出する排気ガスの空燃比がリッチになるとい
うことはNOx 吸収剤からのNOx 放出作用が既に完了
していることを意味しており、従って上述の内燃機関に
おけるようにNOx 吸収剤から流出する排気ガスの空燃
比がリッチになったときにNOx の放出作用が完了した
と判断するようにしたのではNOx の放出作用が完了し
たことを正確に判断できないことになる。
【0007】また、NOx 吸収剤から流出する排気ガス
の空燃比がリッチになるということは多量の未燃HCや
COが既にNOx 吸収剤から排出されていることを意味
しており、従って上述の内燃機関におけるようにNOx
吸収剤から流出する排気ガスの空燃比がリッチになった
ことを検出したときにNOx 放出作用が完了したと判断
するようにした場合にはNOx 放出作用が完了したと判
断したときには既に多量の未燃HCやCOがNOx 吸収
剤から流出し始めているという問題もある。
【0008】
【課題を解決するための手段】1番目の発明によれば上
記問題点を解決するために、流入する排気ガスの空燃比
がリーンのときにNOx を吸収し、流入する排気ガスの
空燃比がリッチになると吸収したNOx を放出するNO
x 吸収剤を機関排気通路内に配置し、排気ガスの空燃比
に比例したレベルの出力を発生する空燃比センサをNO
x 吸収剤下流の排気通路内に配置し、NOx 吸収剤から
NOx を放出すべくNOx 吸収剤に流入する排気ガスの
空燃比がリーンからリッチに切換えられた後においてN
Ox 吸収剤から流出する排気ガスの空燃比がリーンから
リッチに切換わる直前に空燃比センサの出力レベルがレ
ベル急変点に達したときにNOx 吸収剤からのNOx 放
出作用が完了したと判断する判断手段を具備している。
【0009】2番目の発明によれば、上記問題点を解決
するために、流入する排気ガスの空燃比がリーンのとき
にNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比がリッチ
になると吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤を機関
排気通路内に配置し、排気ガスの空燃比に比例したレベ
ルの出力を発生する空燃比センサをNOx 吸収剤下流の
排気通路内に配置し、NOx 吸収剤からNOx を放出す
べくNOx 吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリーン
からリッチに切換えられた後においてNOx 吸収剤から
流出する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換わ
るときの空燃比センサの出力レベルの変化率の変化率が
予め定められた変化率の変化率を越えたときにNOx 吸
収剤からのNOx 放出作用が完了したと判断する判断手
段を具備している。
【0010】3番目の発明では、1番目又は2番目の発
明において、判断手段によりNOx吸収剤からのNOx
放出作用が完了したと判断されたときにNOx 吸収剤に
流入する排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換え
られる。
【0011】
【作用】NOx 吸収剤からNOx を放出すべくNOx 吸
収剤に流入する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに
切換えられた後においてNOx 吸収剤から流出する排気
ガスの空燃比がリーンからリッチに切換わる直前に空燃
比センサの出力レベルが急する。従って1番目の発明
ではこの出力レベルの急を捉えて出力レべルが急
た瞬間にNOx 吸収剤からのNOx 放出作用が完了した
と判断する。
【0012】2番目の発明では出力レベルの急を出力
レベルの変化率の変化率の変化から捉えて出力レベルが
した瞬間にNOx 吸収剤からの放出作用が完了した
と判断する。NOx 吸収剤からのNOx 放出作用が完了
したと判断されたときにNOx 吸収剤に流入する排気ガ
スの空燃比をリッチからリーンに切換える。
【0013】
【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2はピス
トン、3は燃焼室、4は点火栓、5は吸気弁、6は吸気
ポート、7は排気弁、8は排気ポートを夫々示す。吸気
ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク10に
連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃
料を噴射する燃料噴射弁11が取付けられる。サージタ
ンク10は吸気ダクト12を介してエアクリーナ13に
連結され、吸気ダクト12内にはスロットル弁14が配
置される。一方、排気ポート8は排気マニホルド15お
よび排気管16を介してNOx 吸収剤18を内蔵したケ
ーシング17に接続される。
【0014】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、常時電源に接続されたバックアップRAM
35、入力ポート36および出力ポート37を具備す
る。サージタンク10内にはサージタンク10内の絶対
圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ19が配置
され、この圧力センサ19の出力電圧は対応するAD変
換器38を介して入力ポート3に入力される。排気マ
ニホルド15内には混合気の空燃比を理論空燃比に維持
すべきときに使用される空燃比センサ20が配置され、
この空燃比センサ20は対応するAD変換器38を介し
て入力ポート36に入力される。NOx 吸収剤18下流
の排気管21内には別の空燃比センサ(以下、O2 セン
サと称する)22が配置され、このO2 センサ22は対
応するAD変化器38を介して入力ポート36に接続さ
れる。また、入力ポート36には機関回転数を表わす出
力パルスを発生する回転数センサ23が接続される。一
方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して夫
々点火栓4および燃料噴射弁11に接続される。
【0015】図1に示す内燃機関では例えば次式に基い
て燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K・FAF ここでTPは基本燃料噴射時間、Kは補正係数、FAF
はフィードバック補正係数を夫々示す。基本燃料噴射時
間TPは機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比を
理論空燃比とするのに必要な燃料噴射時間を示してい
る。この基本燃料噴射時間TPは予め実験により求めら
れ、サージタンク10内の絶対圧PMおよび機関回転数
Nの関数として図2に示すようなマップの形で予めRO
M32内に記憶されている。補正係数Kは機関シリンダ
内に供給される混合気の空燃比を制御するための係数で
あってK=1.0であれば機関シリンダ内に供給される
混合気は理論空燃比となる。これに対してK<1.0に
なれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理
論空燃比よりも大きくなり、即ちリーンとなり、K>
1.0になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空
燃比は理論空燃比よりも小さくなる、即ちリッチとな
る。
【0016】フィードバック補正係数FAFはK=1.
0のとき、即ち機関シリンダ内に供給される混合気の空
燃比を理論空燃比とすべきときに空燃比センサ20の出
力信号に基いて空燃比を理論空燃比に正確に一致させる
ための係数である。即ち、空燃比センサ20は燃焼室3
内で燃焼せしめられる混合気の空燃比がリーンのときに
は0.1(V)程度の出力電圧を発生し、燃焼室3内で
燃焼せしめられる混合気の空燃比がリッチのときには
0.9(V)程度の出力電圧を発生する。この空燃比セ
ンサ20の出力電圧(V)は0.45(V)程度の基準
電圧Vrと比較され、フィードバック補正係数FAFは
V>Vrのときに減少せしめられ、V≦Vrのときに増
大せしめられる。このときこのFAFはほぼ1.0を基
準として上下動する。なお、K<1.0又はK>1.0
のときにはFAFは1.0に固定される。
【0017】機関シリンダ内に供給すべき混合気の目標
空燃比、即ち補正係数Kの値は機関の運転状態に応じて
変化せしめられ、本発明による実施例では基本的には図
3に示されるようにサージタンク10内の絶対圧PMお
よび機関回転数Nの関数としし予め定められている。即
ち、図3に示されるように実線Rよりも低負荷側の低負
荷運転領域ではK<1.0、即ち混合気がリーンとさ
れ、実線Rと実線Sの間の高負荷運転領域ではK=1.
0、即ち混合気の空燃比が理論空燃比とされ、実線Sよ
りも高負荷側の全負荷運転領域ではK>1.0、即ち混
合気がリッチとされる。
【0018】図4は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図4から
わかるように燃焼室3から排出される排気ガス中の未燃
HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空
燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出され
る排気ガス中の酸素O2 の濃度は燃焼室3内に供給され
る混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0019】ケーシング17内に収容されているNOx
吸収剤18は例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。機関
吸気通路およびNOx 吸収剤18上流の排気通路内に供
給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx 吸収
剤18への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx
吸収剤18は流入排気ガスの空燃比がリーンのときには
NOx を吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下する
と吸収したNOx を放出するNOx の吸放出作用を行
う。なお、NOx 吸収剤18上流の排気通路内に燃料
(炭化水素)或いは空気が供給されない場合には流入排
気ガスの空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空燃
比に一致し、従ってこの場合にはNOx 吸収剤18は燃
焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンのときに
はNOx を吸収し、燃焼室3内に供給される混合気中の
酸素濃度が低下すると吸収したNOx を放出することに
なる。
【0020】上述のNOx 吸収剤18を機関排気通路内
に配置すればこのNOx 吸収剤18は実際にNOx の吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図5に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0021】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO
2 - の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気
ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 - 又はO2 -
反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次
いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつ
つ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しな
がら図5(A)に示されるように硝酸イオンNO3 -
形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOx がNO
x 吸収剤18内に吸収される。
【0022】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガ
ス中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下す
るとNOx 吸収剤18からNOx が放出されることにな
る。図4に示されるように流入排気ガスのリーンの度合
が低くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従っ
て流入排気ガスのリーンの度合を低くすればたとえ流入
排気ガスの空燃比がリーンであってもNOx 吸収剤18
からNOx が放出されることになる。
【0023】一方、このとき燃焼室3内に供給される混
合気がリッチにされて流入排気ガスの空燃比がリッチに
なると図4に示されるように機関からは多量の未燃H
C,COが排出され、これら未燃HC,COは白金Pt
の酸素O2 - 又はO2 - と反応して酸化せしめられる。
また、流入排気ガスの空燃比がリッチになると流入排気
ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤からN
2 が放出され、このNO2 は図5(B)に示されるよ
うに未燃HC,COと反応して還元せしめられる。この
ようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくなる
と吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従って
流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のうちに
NOx 吸収剤18からNOx が放出されることになる。
【0024】即ち、流入排気ガスの空燃比をリッチにす
るとまず始めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 -
はO2 - とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白
金Pt上のO2 - 又はO2 - が消費されてもまだ未燃料
HC,COが残っていればこの未燃HC,COによって
吸収剤から放出されたNOx および機関から排出された
NOx が還元せしめられる。従って流入排気ガスの空燃
比をリッチにすれば短時間のうちにNOx 吸収剤18に
吸収されているNOx が放出され、しかもこの放出され
たNOx が還元されるために大気中にNOx が排出され
るのを阻止することができることになる。
【0025】上述したようにリーン混合気が燃焼せしめ
られるとNOx がNOx 吸収剤18に吸収される。しか
しながらNOx 吸収剤18のNOx 吸収能力には限度が
あり、NOx 吸収剤18のNOx 吸収能力が飽和すれば
NOx 吸収剤18はもはやNOx を吸収しえなくなる。
従ってNOx 吸収剤18のNOx 吸収能力が飽和する前
にNOx 吸収剤18からNOx を放出させる必要があ
り、そのためにはNOx吸収剤18にどの程度のNOx
が吸収されているかを推定する必要がある。次にこのN
Ox 吸収量の推定方法について説明する。
【0026】リーン混合気が燃焼せしめられているとき
には機関負荷が高くなるほど単位時間当り機関から排出
されるNOx 量が増大するために単位時間当りNOx 吸
収剤18に吸収されるNOx 量が増大し、また機関回転
数が高くなるほど単位時間当り機関から排出されるNO
x 量が増大するために単位時間当りNOx 吸収剤18に
吸収されるNOx が増大する。従って単位時間当りNO
x 吸収剤18に吸収されるNOx 量は機関負荷と機関回
転数の関数となる。この場合、機関負荷はサージタンク
10内の絶対圧でもって代表することができるので単位
時間当りNOx吸収剤18に吸収されるNOx 量はサー
ジタンク10内の絶対圧PMと機関回転数Nの関数とな
る。従って本発明による実施例では単位時間当りNOx
吸収剤18に吸収されるNOx 量NOXAを絶対圧PM
および機関回転数Nの関数として予め実験により求め、
このNOx 吸収量NOXAがPMおよびNの関数として
図6(A)に示すマップの形で予めROM32内に記載
されている。
【0027】一方、機関シリンダ内に供給される混合気
の空燃比が理論空燃比又はリッチになるとNOx 吸収剤
18からNOx が放出されるがこのときのNOx 放出量
は主に排気ガス量と空燃比の影響を受ける。即ち、排気
ガス量が増大するほど単位時間当りNOx 吸収剤18か
ら放出されるNOx 量が増大し、空燃比がリッチとなる
ほど単位時間当りNOx 吸収剤18から放出されるNO
x 量が増大する。この場合、排気ガス量、即ち吸入空気
機関回転数Nとサージタンク10内の絶対圧PMと
の積でもって代表することができ、従って図7(A)に
示されるように単位時間当りNOx 吸収剤18から放出
されるNOx 量NOXDはN・PMが大きくなるほど増
大する。ま、空燃比は補正係数Kの値に対応している
ので図7(B)に示されるように単位時間当りNOx 吸
収剤18から放出されるNOx 量NOXDはKの値が大
きくなるほど増大する。この単位時間当りNOx 吸収剤
18から放出されるNOx 量NOXDはN・PMとKの
関数として図6(B)に示すマップの形で予めROM3
2内に記憶されている。
【0028】上述したようにリーン混合気が燃焼せしめ
られたときには単位時間当りのNOx 吸収量がNOXA
で表わされ、理論空燃比の混合気又はリッチ混合気が燃
焼せしめられたときには単位時間当りのNOx 放出量は
NOXDで表わされるのでNOx 吸収剤18に吸収され
ていると推定されるNOx 量ΣNOXは次式で表わされ
ることになる。
【0029】ΣNOX=ΣNOX+NOXA−NOXD そこで本発明による実施例では図8に示されるようにN
Ox 吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量
ΣNOXが許容最大値MAXに達したときにはNOx 吸
収剤18への流入排気ガスの空燃比、図1に示す実施例
では混合気の空燃比を一次的にリッチにしてNOx 吸収
剤18からNOx を放出させるようにしている。
【0030】ところでこの場合、流入排気ガスの空燃比
をリッチにする時間が短かすぎるとNOx 吸収剤18に
吸収されている全NOx が放出される前に流入排気ガス
の空燃比が再びリーンに戻されてしまう。その結果、N
Ox 吸収剤18に吸収保持され続けるNOx の量が次第
に増大するためについにはNOx 吸収剤18がNOxを
吸収しえなくなり、斯くしてNOx が大気に放出される
という問題が生ずる。これに対して流入排気ガスの空燃
比をリッチにする時間が長すぎるとNOx 吸収剤18か
ら全NOx が放出された後でも多量の未燃HC,COを
含んだ排気ガスがNOx 吸収剤18に流入することにな
る。しかしながらこの場合、これら未燃HC,COは還
元すべきNOx が存在しないためにそのままNOx 吸収
剤18から排出され、斯くして多量の未燃HC,COが
大気に放出されるという問題を生ずる。
【0031】これらの問題を解決するためには、即ちN
Ox および未燃HC,COが大気に放出されるのを阻止
するためにはNOx 吸収剤18からのNOx の放出作用
が完了したときに流入排気ガスの空燃比をリーンに戻さ
なければならず、そのためにはNOx 放出剤18からの
NOx 放出作用が完了したことを検出しなければならな
いことになる。本発明ではNOx 吸収剤18からのNO
x 放出作用が完了したことを空燃比センサ22により検
出された空燃比から検出するようにしており、以下この
ことについて説明する。
【0032】即ち、燃焼室3内に供給される混合気がリ
ッチになると図5に示されるように燃焼室3からは酸素
2 および未燃HC,COを含んだ排気ガスが排出され
るがこの酸素O2 と未燃HC,COとはほとんど反応せ
ず、斯くしてこの酸素O2 はNOx 吸収剤18を通り過
ぎてNOx 吸収剤18から排出されることになる。一
方、燃焼室3内に供給される混合気がリッチになるとN
Ox 吸収剤18からNOx が放出される。このとき排気
ガス中に含まれる未燃HC,COは放出されたNOx を
還元するために使用されるのでNOx 吸収剤18からN
Ox が放出されている間はNOx 吸収剤18から全く未
燃HC,COが排出されないことになる。従ってNOx
吸収剤18からNOx が放出され続けている間はNOx
吸収剤18から排出される排気ガス中には酸素O2 が含
まれているが未燃HC,COが全く含まれておらず、従
ってこの間はNOx 吸収剤18から排出される排気ガス
の空燃比はわずかばかりリーンとなっている。
【0033】次いでNOx 吸収剤18からのNOx の放
出作用が完了すると排気ガスに含まれている未燃HC,
COはNOx 吸収剤18内でNOx の還元のために使用
されることなくそのままNOx 吸収剤18から排出され
る。従ってこのときNOx 吸収剤18から排出される排
気ガスの空燃比がリッチとなる。即ち、NOx 吸収剤1
8からNOx の放出作用が完了すればNOx 吸収剤18
から排出される排気ガスがリーンからリッチに変化する
ことになり、この瞬間に燃焼室3内に供給される混合気
の空燃比をリーンにすればNOx および未燃HC,CO
が大気に放出されないことになる。そこで本発明ではN
Ox 吸収剤18から排出される排気ガスの空燃比のリー
ンからリッチへの変化を空燃比センサ22により検出
し、空燃比センサ22により検出された空燃比がリーン
からリッチに変化する瞬間に燃焼室3内に供給される混
合気の空燃比をリーンに戻すようにしている。
【0034】このように本発明では空燃比センサ22に
より検出された空燃比に基いてNOx 吸収剤18からの
NOx の放出作用が完了したか否かについて判断してい
るがこのことについてもう少し詳しく説明する。図1に
示す空燃比センサ22は排気通路内に配置されたジルコ
ニアからなるカップ状の筒状体からなり、この筒状体の
内側面上には白金薄膜からなる陽極が、この筒状体の外
側面上には白金薄膜からなる陰極が夫々形成されてい
る。陰極は多孔質層により覆われており、陰極と陽極間
には一定電圧が印加される。この空燃比センサ22では
図9に示されるように空燃比A/Fに比例した電流I
(mA)が陰極と陽極間に流れる。なお、図9において
0 は空燃比A/Fが理論空燃比(=14.6)のとき
の電流値を示している。図9からわかるように空燃比A
/Fがリーンのときには電流値IはI>I0 の範囲で空
燃比A/Fが大きくなるほど増大し、空燃比A/Fがほ
ぼ13.0以下のリッチになれば電流値Iは零となる。
【0035】図10はNOx 吸収剤18に流入する排気
ガスの空燃比(A/F)inの変化と、空燃比センサ22
の陰極と陽極間を流れる電流Iの変化と、NOx 吸収剤
18から流出した排気ガスの空燃比(A/F)out の変
化とを示している。図10に示されるようにNOx 吸収
剤18に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inがリー
ンからリッチに切換えられてNOx 吸収剤18からのN
Ox 放出作用が開始されるとNOx 吸収剤18から流出
した排気ガスの空燃比(A/F)out は理論空燃比近く
まで急速に小さくなり、従って電流値IはI0 近くまで
急激に減少する。次いでNOx 吸収剤18からのNOx
放出作用が行われている間、NOx 吸収剤18から流出
した排気ガスの空燃比(A/F)out はわずかばかりリ
ーンの状態に保持され、従って電流値IはI0 よりもわ
ずかばかり大きな値に保持される。
【0036】次いでNOx 吸収剤18からのNOx 放出
作用が完了するとNOx 吸収剤18から流出した排気ガ
スの空燃比(A/F)out は急速に小さくなってリッチ
となり、従って電流値Iは急速に零まで下降する。この
ようにNOx 吸収剤18からのNOx 放出作用が完了す
ると空燃比(A/F)out がリーンからリッチに変化す
る直前に電流値Iには電流値Iが急変する電流値急変点
Pが表われる。図10に示されるようにこの電流値急変
点Pにおいては空燃比(A/F)out はまだリッチとな
っておらず、従って電流値Iが電流値急変点Pに達した
ときにNOx 吸収剤18に流入する排気ガスの空燃比
(A/F)inをリッチからリーンに切換えればNOx 吸
収剤18から流出する排気ガスの空燃比(A/F)out
を全くリッチにさせることなくNOx 吸収剤18に吸収
されている全NOx を放出できることになる。即ち、電
流値Iが電流値急変点Pに達したときにNOx 吸収剤1
8に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inをリッチか
らリーンに切換えればNOx吸収剤18からの全吸収N
Ox の放出作用を完了させることができ、しかもNOx
吸収剤18から流出する排気ガスの空燃比(A/F)ou
t がリッチとなることがないので多量の未燃HCやCO
が大気中に放出するのを阻止できることになる。
【0037】ところでNOx 吸収剤18が劣化するとN
Ox 吸収剤18が吸収しうるNOx量が次第に少なくな
る。図11はNOx 吸収剤18が劣化した場合の電流値
Iの変化を示しており、各数値はNOx 吸収剤18が吸
収しうるNOx 量を表わしている。図11からわかるよ
うにNOx 吸収剤18に流入する排気ガスの空燃比(A
/F)inがリーンからリッチに切換えられた後、電流値
Iが電流値急変点Pに達するまでの時間はNOx 吸収剤
18が劣化するほど短かくなるがNOx 吸収剤18の劣
化の度合にかかわらずに電流値IがI0 よりもわずかば
かり大きなところで電流値急変点Pとなる。従って電流
値Iが電流値急変点Pに達したときにNOx 吸収剤18
に流入する排気ガスの空燃比(A/F)inをリッチから
リーンに切換えればNOx 吸収剤18の劣化の度合にか
かわらずにNOx 吸収剤18から流出する排気ガスの空
燃比(A/F)out を全くリッチにさせることなくNO
x吸収剤18に吸収されている全NOx を放出できるこ
とになる。
【0038】電流値Iが電流値急変点Pに達したか否か
は電流値Iの単位時間当りの変化率△Iが大きくなった
ことから検出でき、従って本発明による第1実施例では
電流値Iの単位時間当りの変化率△Iが予め定められた
変化率を越えたときに電流値Iが電流値急変点Pに達し
たとき判断するようにしている。なお、空燃比(A/
F)inがリーンからリッチに切換えられて電流値Iが急
激に下降する区間Zでも電流値Iの単位時間当りの変化
率△Iが大きくなるのでこの区間Zが電流値急変点Pで
あると誤判断しないように第1実施例では図11の時間
1 の間は電流値急変点Pであるか否かの判断を行わな
いようにしている。
【0039】また、図11に示されるように電流値Iが
急激に下降する区間Zは予め定められた設定電流値Is
よりも電流値Iの大きな領域である。従って本発明によ
る第2実施例では電流値Iが設定電流値Isよりも大き
いときには電流値急変点Pであるか否かの判断を行わな
いようにしている。一方、電流値Iが電流値急変点Pに
達すると、電流値Iの単位時間当りの変化率△Iの変化
率△(△I)が大きくなり、従って本発明による第3実
施例では電流値Iの単位時間当りの変化率△Iの変化率
△(△I)が予め定められた変化率の変化率を越えたと
きに電流値Iが電流値急変点Pに達したと判断するよう
にしている。なお、変化率△Iの変化率△(△I)が大
きくなるのは電流値急変点Pを除けば図11におけるQ
1 点とQ2 点だけである。この場合、Q2 点における変
化率△Iの変化率△(△I)の符号は電流値急変点Pに
おける変化率△Iの変化率△(△I)の符号と正負が逆
になるのでQ2 点であるか電流値急変点Pであるかは判
別することができる。
【0040】しかしながらQ1 点における変化率△Iの
変化率△(△I)の符号と電流値急変点Pにおける変化
率△Iの変化率△(△I)の符号とは正負が同じである
のでQ1 点であるか電流値急変点Pであるかは判別する
ことができない。そこで第3実施例では図11の時間t
2 の間は電流値急変点Pであるか否かの判断を行わない
ようにしている。
【0041】空燃比センサ22の陰極と陽極間を流れる
電流Iは電圧に変換されて入力ポート36内に入力さ
れ、電子制御ユニット30内ではこの電圧を再び対応す
る電流値Iに変換してこの電流値Iに基づき空燃比の制
御が行われる。図12および図13は第1実施例を実行
するための噴射制御ルーチンを示しており、このルーチ
ンは一定時間毎の割込みによって実行される。
【0042】図12および図13を参照すると、まず初
めにステップ100において図2に示す関係から基本燃
料噴射時間TPが算出される。次いでステップ101で
はNOx 吸収剤18からNOx を放出すべきときにセッ
トされるNOx 放出フラグがセットされているか否かが
判別される。NOx 放出フラグがセットされていないと
きにはステップ107にジャンプして図3に基づき補正
係数Kが算出される。次いでステップ108では補正係
数Kが1.0であるか否かが判別される。K=1.0の
とき、即ち混合気の空燃比を理論空燃比とすべきときに
はステップ109に進んで空燃比センサ20の出力信号
に基きフィードバック補正係数FAFが算出される。次
いでステップ113に進む。一方、補正係数Kが1.0
でないときにはステップ110に進んでFAFが1.0
に固定され、次いでステップ113に進む。ステップ1
13では次式に基づいて燃料噴射時間TAUが算出され
る。
【0043】TAU=TP・K・FAF 次いでステップ114では補正係数Kが1.0よりも小
さいか否かが判別される。K<1.0のとき、即ちリー
ン混合気を燃焼すべきときにはステップ115に進んで
図6(A)からNOx 吸収量NOXAが算出される。次
いでステップ116ではNOx 放出量NOXDが零とさ
れ、次いでステップ119に進む。これに対してステッ
プ114においてK≧1.0であると判別されたとき、
即ち理論空燃比の混合気又はリッチ混合気を燃焼すべき
ときにはステップ117に進んで図6(B)からNOx
放出量NOXDが算出される。次いでステップ118で
はNOx 吸収量NOXAが零とされ、次いでステップ1
19に進む。ステップ119では次式に基づいてNOx
吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣN
OXが算出される。
【0044】ΣNOX=ΣNOX+NOXA−NOXD 次いでステップ120ではΣNOXが負になったか否か
が判別され、ΣNOX<0になったときにはステップ1
21に進んでΣNOXが零とされる。次いでステップ1
22ではΣNOXが許容最大値MAX(図8)を越えた
か否かが判別される。ΣNOX>MAXになったときに
はステップ123に進んでNOx 放出フラグがセットさ
れる。
【0045】NOx 放出フラグがセットされると次の処
理サイクルではステップ101からステップ102に進
んで図11に示される一定時間t1 が経過したか否かが
判別される。一定時間t1 を経過していないときにはス
テップ111に進んで補正係数Kが1.1から1.2程
度の一定値KKとされる。次いでステップ112におい
てFAFが1.0に固定され、次いでステップ113に
進む。このとき混合気の空燃比はリーンからリッチに切
換えられ、NOx 吸収剤18からのNOx の放出作用が
開始される。一定時間t1 を経過したときにはステップ
102からステップ103に進んで前回の割込み時にお
ける空燃比センサ22の電流値I1 から現在の空燃比セ
ンサ22の電流値Iを減算することによって電流値Iの
変化率△I(=I1 −I)が算出される。次いでステッ
プ104では電流値Iの変化率△Iが予め定められた変
化率Xよりも大きくなったか否か、即ち電流値Iが電流
値急変点P(図10および図11)に達したか否かが判
別される。△I≦Xのとき、即ち電流値Iが電流値急変
点Pに達していないときにはステップ111に進み、混
合気の空燃比はリッチに維持される。
【0046】△I>Xになると、即ち電流値Iが電流値
急変点Pに達するとステップ104からステップ105
に進んでNOx 放出フラグがリセットされる。次いでス
テップ106ではΣNOXが零とされ、次いでステップ
107に進む。従ってこのとき混合気の空燃比は補正係
数Kにより定まる空燃比、通常はリーン空燃比に切換え
られる。
【0047】図14および図15は第2実施例を実行す
るための噴射制御ルーチンを示しており、このルーチン
は一定時間毎の割込みによって実行される。このルーチ
ンと図12および図13に示すルーチンとの異なるとこ
ろはステップ202だけであり、その他のステップにつ
いては全く同一である。即ち、図14および図15を参
照すると、先ず初めにステップ200において図2に示
す関係から基本燃料噴射時間TPが算出される。次いで
ステップ201ではNOx 放出フラグがセットされてい
るか否かが判別される。NOx 放出フラグがセットされ
ていないときにはステップ207にジャップして図3に
基づき補正係数Kが算出される。次いでステップ208
では補正係数Kが1.0であるか否かが判別される。K
=1.0のとき、即ち混合気の空燃比を理論空燃比とす
べきときにはステップ209に進んで空燃比センサ20
の出力信号に基きフィードバック補正係数FAFが算出
される。次いでステップ213に進む。一方、補正係数
Kが1.0でないときにはステップ210に進んでFA
Fが1.0に固定され、次いでステップ213に進む。
ステップ213では次式に基づいて燃料噴射時間TAU
が算出される。
【0048】TAU=TP・K・FAF 次いでステップ214では補正係数Kが1.0よりも小
さいか否かが判別される。K<1.0のとき、即ちリー
ン混合気を燃焼すべきときにはステップ215に進んで
図6(A)からNOx 吸収量NOXAが算出される。次
いでステップ216ではNOx 放出量NOXDが零とさ
れ、次いでステップ219に進む。これに対してステッ
プ214においてK≧1.0であると判別されたとき、
即ち理論空燃比の混合気又はリッチ混合気を燃焼すべき
ときにはステップ217に進んで図6(B)からNOx
放出量NOXDが算出される。次いでステップ218で
はNOx 吸収量NOXAが零とされ、次いでステップ2
19に進む。ステップ219では次式に基づいてNOx
吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣN
OXが算出される。
【0049】ΣNOX=ΣNOX+NOXA−NOXD 次いでステップ220ではΣNOXが負になったか否か
が判別され、ΣNOX<0になったときにはステップ2
21に進んでΣNOXが零とされる。次いでステップ2
22ではΣNOXが許容最大値MAX(図8)を越えた
か否かが判別される。ΣNOX>MAXになったときに
はステップ223に進んでNOx 放出フラグがセットさ
れる。
【0050】NOx 放出フラグがセットされると次の処
理サイクルではステップ201からステップ202に進
んで空燃比センサ22の電流値Iが予め定められた電流
値Is(図11)よりも小さくなったか否かが判別され
る。I≧Isのときにはステップ21に進んで補正係
数Kが1.1から1.2程度の一定値KKとされる。次
いでステップ212においてFAFが1.0に固定さ
れ、次いでステップ213に進む。このとき混合気の空
燃比はリーンからリッチに切換えられ、NOx 吸収剤1
8からのNOx の放出作用が開始される。
【0051】次いでI<Isになるとステップ202か
らステップ203に進んで前回の割込み時における空燃
比センサ22の電流値I1 から現在の空燃比センサ22
の電流値Iを減算することによって電流値Iの変化率△
I(=I1 −I)が算出される。次いでステップ204
では電流値Iの変化率△Iが予め定められた変化率Xよ
りも大きくなったか否か、即ち電流値Iが電流値急変点
P(図10および図11)に達したか否かが判別され
る。△I≦Xのとき、即ち電流値Iが電流値急変点Pに
達していないときにはステップ211に進み、混合気の
空燃比はリッチに維持される。
【0052】△I>Xになると、即ち電流値Iが電流値
急変点Pに達するとステップ204からステップ205
に進んでNOx 放出フラグがリセットされる。次いでス
テップ206ではΣNOXが零とされ、次いでステップ
207に進む。従ってこのとき混合気の空燃比は補正係
数Kにより定まる空燃比、通常はリーン空燃比に切換え
られる。
【0053】図16および図17は第3実施例を実行す
るための噴射制御ルーチンを示しており、このルーチン
は一定時間毎の割込みによって実行される。図16およ
び図17を参照すると、まず初めにステップ300にお
いて図2に示す関係から基本燃料噴射時間TPが算出さ
れる。次いでステップ301ではNOx 放出フラグがセ
ットされているか否かが判別される。NOx 放出フラグ
がセットされていないときにはステップ308にジャン
プして図3に基づき補正係数Kが算出される。次いでス
テップ309では補正係数Kが1.0であるか否かが判
別される。K=1.0のとき、即ち混合気の空燃比を理
論空燃比とすべきときにはステップ310に進んで空燃
比センサ20の出力信号に基きフィードバック補正係数
FAFが算出される。次いでステップ314に進む。一
方、補正係数Kが1.0でないときにはステップ311
に進いでFAFが1.0に固定され、次いでステップ3
14に進む。ステップ314では次式に基づいて燃料噴
射時間TAUが算出される。
【0054】TAU=TP・K・FAF 次いでステップ315では補正係数Kが1.0よりも小
さいか否かが判別される。K<1.0のとき、即ちリー
ン混合気を燃焼すべきときにはステップ316に進んで
図6(A)からNOx 吸収量NOXAが算出される。次
いでステップ317ではNOx 放出量NOXDが零とさ
れ、次いでステップ320に進む。これに対してステッ
プ315においてK≧1.0であると判別されたとき、
即ち理論空燃比の混合気又はリッチ混合気を燃焼すべき
ときにはステップ318に進んで図6(B)からNOx
放出量NOXDが算出される。次いでステップ319で
はNOx 吸収量NOXAが零とされ、次いでステップ3
20に進む。ステップ320では次式に基づいてNOx
吸収剤18に吸収されていると推定されるNOx 量ΣN
OXが算出される。
【0055】ΣNOX=ΣNOX+NOXA−NOXD 次いでステップ321ではΣNOXが負になったか否か
が判別され、ΣNOX<0になったときにはステップ3
22に進んでΣNOXが零とされる。次いでステップ3
23ではΣNOXが許容最大値MAX(図8)を越えた
か否かが判別される。ΣNOX>MAXになったときに
はステップ324に進んでNOx 放出フラグがセットさ
れる。
【0056】NOx 放出フラグがセットされると次の処
理サイクルではステップ301からステップ302に進
んで図11に示される一定時間t2 が経過したか否かが
判別される。一定時間t2 を経過していないときにはス
テップ312に進んで補正係数Kが1.1から1.2程
度の一定値KKとされる。次いでステップ313におい
てFAFが1.0に固定され、次いでステップ314に
進む。このとき混合気の空燃比はリーンからリッチに切
換えられ、NOx 吸収剤18からのNOx 放出作用が開
始される。
【0057】一定時間t2 を経過したときにはステップ
302からステップ303に進んで前回の割込み時にお
ける空燃比センサ22の電流値I1 から現在の空燃比セ
ンサ22の電流値Iを減算することによって電流値Iの
変化率△I(=I1 −I)が算出される。次いでステッ
プ304では現在の電流値Iの変化率△Iから前回の割
込み時における電流値Iの変化率△I1 を減算すること
によって電流値Iの変化率の変化率△(△I)が算出さ
れる。次いでステップ305では電流値Iの変化率の変
化率△(△I)が予め定められた変化率の変化率Yより
も大きくなったか否か、即ち電流値Iが電流値急変点P
(図10および図11)に達したか否かが判別される。
△(△I)≦Yのとき、即ち電流値Iが電流値急変点P
に達していないときにはステップ312に進み、混合気
の空燃比はリッチに維持される。
【0058】△(△I)>Yになると、即ち電流値Iが
電流値急変点Pに達するとステップ305からステップ
306に進んでNOx 放出フラグがリセットされる。次
いでステップ307ではΣNOXが零とされ、次いでス
テップ308に進む。従ってこのとき混合気の空燃比は
補正係数Kにより定まる空燃比、通常はリーン空燃比に
切換えられる。
【0059】
【発明の効果】NOx 吸収剤からのNOx 放出作用が完
了したことを正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】補正係数Kを示す図である。
【図4】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,C
Oおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】NOx 吸放出作用を説明するための図である。
【図6】NOx 吸収量NOXAおよびNOx 放出量NO
XDを示す図である。
【図7】NOx 放出量NOXDを示す図である。
【図8】空燃比制御のタイムチャートである。
【図9】O2 センサの陽極と陰極間を流れる電流値を示
す図である。
【図10】O2 センサの陽極と陰極間を流れる電流値の
変化を示す図である。
【図11】O2 センサの陽極と陰極間を流れる電流値の
変化を示す図である。
【図12】燃料噴射を制御するための第1実施例を示す
フローチャートである。
【図13】燃料噴射を制御するための第1実施例を示す
フローチャートである。
【図14】燃料噴射を制御するための第2実施例を示す
フローチャートである。
【図15】燃料噴射を制御するための第2実施例を示す
フローチャートである。
【図16】燃料噴射を制御するための第3実施例を示す
フローチャートである。
【図17】燃料噴射を制御するための第3実施例を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
11…燃料噴射弁 15…排気マニホルド 18…NOx 吸収剤 20,22…空燃比センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/04 305 F02D 41/04 305Z (72)発明者 井口 哲 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−134241(JP,A) 国際公開94/17291(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/36 F02D 41/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比がリッ
    チになると吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤を機
    関排気通路内に配置し、排気ガスの空燃比に比例したレ
    ベルの出力を発生する空燃比センサをNOx 吸収剤下流
    の排気通路内に配置し、NOx 吸収剤からNOx を放出
    すべくNOx 吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリー
    ンからリッチに切換えられた後においてNOx 吸収剤か
    ら流出する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換
    わる直前に空燃比センサの出力レベルがレベル急変点に
    達したときにNOx 吸収剤からのNOx 放出作用が完了
    したと判断する判断手段を具備した内燃機関の排気浄化
    装置。
  2. 【請求項2】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比がリッ
    チになると吸収したNOx を放出するNOx吸収剤を機
    関排気通路内に配置し、排気ガスの空燃比に比例したレ
    ベルの出力を発生する空燃比センサをNOx 吸収剤下流
    の排気通路内に配置し、NOx 吸収剤からNOx を放出
    すべくNOx 吸収剤に流入する排気ガスの空燃比がリー
    ンからリッチに切換えられた後においてNOx 吸収剤か
    ら流出する排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換
    わるときの空燃比センサの出力レベルの変化率の変化率
    が予め定められた変化率の変化率を越えたときにNOx
    吸収剤からのNOx 放出作用が完了したと判断する判断
    手段を具備した内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記判断手段によりNOx 吸収剤からの
    NOx 放出作用が完了したと判断されたときにNOx 吸
    収剤に流入する排気ガスの空燃比がリッチからリーンに
    切換えられる請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄
    化装置。
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