JP2914067B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2914067B2
JP2914067B2 JP1086593A JP1086593A JP2914067B2 JP 2914067 B2 JP2914067 B2 JP 2914067B2 JP 1086593 A JP1086593 A JP 1086593A JP 1086593 A JP1086593 A JP 1086593A JP 2914067 B2 JP2914067 B2 JP 2914067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】リーン混合気を燃焼せしめるようにした
内燃機関において、流入する排気ガスの空燃比がリーン
のときにはNOx を吸収し、流入する排気ガスがリッチ
又は理論空燃比になると吸収したNOx を放出するNO
x 吸収剤を機関排気通路内に配置し、リーン混合気を燃
焼せしめた際に発生するNOx をNOx 吸収剤により吸
収し、NOx 吸収剤のNOx 吸収能力が飽和する前に燃
焼室に供給される混合気の空燃比を一時的にリッチ又は
理論空燃比にしてNOx 吸収剤からNOx を放出させる
と共に放出されたNOx を排気ガス中に含まれる未燃H
C,COにより還元するようにした内燃機関が本出願人
により既に提案されている(特願平3−284095号
参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで燃焼室に供給
される混合気の空燃比をリッチ又は理論空燃比にしたと
きに未燃HC,COによるNOx の還元反応が良好に行
われれば行われるほどNOx 吸収剤から還元されること
なく流出するNOx 量が低下する。しかしながら上述の
内燃機関では未燃HC,COによるNOx の還元反応が
十分に行われないためにNOx 吸収剤から還元されるこ
となく流出するNOx 量を十分に低減することができな
いという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、流入する排気ガスの空燃比がリー
ンのときにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃
比がリッチ又は理論空燃比になると吸収したNOx を放
出するNOx 吸収剤を機関排気通路内に配置すると共に
NOx 吸収剤上流の機関排気通路内にHCを部分酸化し
てCOを発生するCO発生触媒を設け、NOx 吸収剤に
吸収されているNOx 吸収量推定するNOx 吸収量推
定手段を具備し、NOx 吸収量推定手段により推定され
たNOx吸収量が予め定められた量を越えたときにはN
Ox 吸収剤からNOx を放出すべくCO発生触媒上流の
排気ガスの空燃比をリーンからリッチ又は理論空燃比に
切換えるようにしている。
【0005】
【作用】NOx 吸収剤に吸収されていると推定されるN
Ox 吸収量が予め定められた量を越えたときにNOx 吸
収剤からNOx を放出すべくCO発生触媒上流の排気ガ
スの空燃比がリーンからリッチ又は理論空燃比に切換え
られ、このとき未燃HC,COによってNOx が還元さ
れる。この場合、NOx を還元する力はHCよりもCO
の方が強い。従って上述のようにCO発生触媒によって
HCを部分酸化することによりCOを発生させて排気ガ
スのCOの量を増大させるとNOx 吸収剤から放出され
たNOx はNOx 吸収剤内において良好に還元され、斯
くしてNOx 吸収剤から還元されることなく流出するN
Ox 量が低減する。
【0006】
【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2はピス
トン、3は燃焼室、4は点火栓、5は吸気弁、6は吸気
ポート、7は排気弁、8は排気ポートを夫々示す。吸気
ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク10に
連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃
料を噴射する燃料噴射弁11が取付けられる。サージタ
ンク10は吸気ダクト12およびエアフローメータ13
を介してエアクリーナ14に連結され、吸気ダクト12
内にはスロットル弁15が配置される。一方、排気ポー
ト8は排気マニホルド16および排気管17を介してN
Ox 吸収剤18を内蔵したケーシング19に接続され
る。
【0007】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具
備する。エアフローメータ13は吸入空気量に比例した
出力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器37を介
して入力ポート35に入力される。また、入力ポート3
5には機関回転数を表わす出力パルスを発生する回転数
センサ20が接続される。一方、出力ポート36は対応
する駆動回路38を介して夫々点火栓4および燃料噴射
弁11に接続される。
【0008】図1に示す内燃機関では例えば次式に基づ
いて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K ここでTPは基本燃料噴射時間を示しており、Kは補正
係数を示している。基本燃料噴射時間TPは機関シリン
ダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とするの
に必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴射
時間TPは予め実験により求められ、機関負荷Q/N
(吸入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nの
関数として図2に示すようなマップの形で予めROM3
2内に記憶されている。補正係数Kは機関シリンダ内に
供給される混合気の空燃比を制御するための係数であっ
てK=1.0であれば機関シリンダ内に供給される混合
気は理論空燃比となる。これに対してK<1.0になれ
ば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空
燃比よりも大きくなり、即ちリーンとなり、K>1.0
になれば機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は
理論空燃比よりも小さくなる、即ちリッチとなる。
【0009】この補正係数Kは機関の運転状態に応じて
制御され、図3はこの補正係数Kの制御の一実施例を示
している。図3に示す実施例では暖機運転中は機関冷却
水温が高くなるにつれて補正係数Kが徐々に低下せしめ
られ、暖機が完了すると補正係数Kは1.0よりも小さ
い一定値に、即ち機関シリンダ内に供給される混合気の
空燃比がリーンに維持される。次いで加速運転が行われ
れば補正係数Kは例えば1.0とされ、即ち機関シリン
ダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比とされ、
全負荷運転が行われれば補正係数Kは1.0よりも大き
くされる。即ち機関シリンダ内に供給される混合気の空
燃比はリッチにされる。図3からわかるように図3に示
される実施例では暖機運転時、加速運転時および全負荷
運転時を除けば機関シリンダ内に供給される混合気の空
燃比は一定のリーン空燃比に維持されており、従って大
部分の機関運転領域においてリーン混合気が燃焼せしめ
られることになる。
【0010】図4は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図4から
わかるように燃焼室3から排出される排気ガス中の未燃
HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空
燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出され
る排気ガス中の酸素O2 の濃度は燃焼室3内に供給され
る混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0011】ケーシング19内に収容されているNOx
吸収剤18は例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。機関
吸気通路およびNOx吸収剤18上流の排気通路内に供
給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx 吸収
剤18への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx
吸収剤18は流入排気ガスの空燃比がリーンのときには
NOx を吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下する
と吸収したNOx を放出するNOx の吸放出作用を行
う。なお、NOx 吸収剤18上流の排気通路内に燃料
(炭化水素)或いは空気が供給されない場合には流入排
気ガスの空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空燃
比に一致し、従ってこの場合にはNOx 吸収剤18は燃
焼室3内に供給される混合気の空燃比がリーンのときに
はNOx を吸収し、燃焼室3内に供給される混合気中の
酸素濃度が低下すると吸収したNOx を放出することに
なる。
【0012】上述のNOx 吸収剤18を機関排気通路内
に配置すればこのNOx 吸収剤18は実際にNOx の吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図5に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0013】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO
2 - の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気
ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 - 又はO2-と反
応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次い
で生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化されつつ
吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しなが
ら図5(A)に示されるように硝酸イオンNO3 -の形
で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOx がNOx
吸収剤18内に吸収される。
【0014】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収され硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガ
ス中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下す
るとNOx 吸収剤18からNOx が放出されることにな
る。図4に示されるように流入排気ガスのリーンの度合
いが低くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従
って流入排気ガスのリーンの度合いを低くすればたとえ
流入排気ガスの空燃比がリーンであってもNOx 吸収剤
18からNOx が放出されることになる。
【0015】一方、このとき燃焼室3内に供給される混
合気がリッチにされて流入排気ガスの空燃比がリッチに
なると図4に示されるように機関からは多量の未燃H
C,COが排出され、これら未燃HC,COは白金Pt
上の酸素O2 - 又はO2-と反応して酸化せしめられる。
また、流入排気ガスの空燃比がリッチになると流入排気
ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤からN
2 が放出され、このNO2 は図5(B)に示されるよ
うに未燃HC,COと反応して還元せしめられる。この
ようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくなる
と吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従って
流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のうちに
NOx 吸収剤18からNOx が放出されることになる。
【0016】即ち、流入排気ガスの空燃比をリッチにす
るとまず初めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 -
はO2-とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白金
Pt上のO2 - 又はO2-が消費されてもまだ未燃HC,
COが残っていればこの未燃HC,COによって吸収剤
から放出されたNOx および機関から排出されたNOx
が還元せしめられる。従って流入排気ガスの空燃比をリ
ッチにすれば短時間のうちにNOx 吸収剤18に吸収さ
れているNOx が放出され、しかもこの放出されたNO
x が還元されることになる。このように流入排気ガスの
空燃比をリッチにするとNOx 吸収剤18からNOx が
放出され、放出されたNOx が未燃HC,COによって
還元されるがこの場合NOx に対する還元力はHC,C
Oでかなり異なる。次にこのことについて図6を参照し
つつ説明する。
【0017】図6はHCとしてC3 6 を用いた場合の
HC濃度と、NOx 吸収剤18から還元されることなく
流出する流出NOx 量との関係およびCO濃度と流出N
Ox量との関係を示している、図6からわかるようにH
Cの濃度或いはCOの濃度が高くなると流出NOx 量が
かなり小さくなり、従って大部分のNOx はNOx 吸収
剤18内において還元されることになる。これに対して
HCの濃度或いはCOの濃度が低くなると流出NOx 量
が増大し、特にHCによりNOx を還元させるようにし
た場合にはHCの濃度が低くなると流出NOx 量がかな
り大きくなる。このようにHCをCOとで流出NOx 量
が異なるのはHCとCOとでNOx に対する還元力が異
なるからであり、図6からわかるようにNOx に対して
COの方がHCよりもはるかに強い還元力を有してい
る。
【0018】ところで燃焼室3内に供給される混合気の
リッチの度合いが定まればそれに伴って排気ガス中のC
Oの濃度およびHCの濃度が定まるから混合気のリッチ
の度合いが定まればそれに伴ってNOx 吸収剤18から
還元されることなく流出する流出NOx 量が定まること
になる。この場合、COの方がHCに比べてNOx に対
する還元力が強いのでHCをCOに変換できれば、即ち
COの量増大できれば混合気のリッチの度合いが同一
であっても流出NOx 量を大巾に減少できることにな
る。
【0019】ところで従来より用いられている三元触媒
はHCを部分酸化してCOを発生する機能を有してい
る。従って三元触媒をNOx 吸収剤18上流に配置する
と三元触媒においてCOが発生するためにNOx 吸収剤
18に流入する排気ガス中のCOの量が増大し、斯くし
てNOx 吸収剤18から還元されることなく流出する
Ox 量を低減することができる。しかしながら三元触媒
により増加せしめられるCO量はさほど大きくない。
【0020】ところが三元触媒の担体である例えばアル
ミナにケイ素Si、チタンTi、錫Snおよびジルコニ
ウムZrから選ばれた少なくとも一つを混入して三元触
媒よりも酸質の強い触媒にするとHCの部分酸化作用
が強まり、その結果三元触媒よりも多量のCOが発生す
ることが判明したのである。表1に三元触媒よりも多量
のCOを発生するCO発生触媒と三元触媒とのCO増加
率の差異を示す。なお、このCO発生触媒はモノリス型
触媒からなり、モノリス体積1l当り1.5gの白金t
と、0.3gのロジウムRhと、0.1モルのケイ素S
iとを含んでいる。
【0021】
【表1】
【0022】表1からわかるように特にリッチの度合い
が低いときにはCO発生触媒は三元触媒に比べて多量の
COを発生する。図1に示されるように本発明による実
施例では排気マニホルド16と排気管17との間にこの
CO発生触媒21を内蔵した触媒コンバータ22が配置
される。従って、図1に示される実施例では燃焼室3内
に供給される混合気がリッチになるとCO発生触媒21
において多量のCOが発生せしめられるためにNOx 吸
収剤18から放出されたNOx はNOx 吸収剤18内に
おいて良好に還元せしめられ、斯くしてNOx 吸収剤1
8から放出されたNOx が大気中に放出されるのを抑制
できることになる。
【0023】なお、NOx 吸収剤18は還元触媒の機能
を有しているので混合気の空燃比を理論空燃比にしても
NOx 吸収剤18から放出されたNOx が還元せしめら
れる。しかしながら混合気の空燃比を理論空燃比にした
場合にはNOx 吸収剤18からNOx が徐々にしか放出
されないためにNOx 吸収剤18に吸収されている全N
Ox を放出させるには若干長い時間を要する。
【0024】ところで本発明による実施例では上述した
ように全負荷運転時には燃焼室3内に供給される混合気
がリッチとされ、また加速運転時には混合気が理論空燃
比とされるので全負荷運転時および加速運転時にNOx
吸収剤18からNOx が放出されることになる。したし
ながらこのような全負荷運転或いは加速運転が行われる
頻度が少なければ全負荷運転時および加速運転時にのみ
NOx 吸収剤18からNOx が放出されたとしてもリー
ン混合気が燃焼せしめられている間にNOx 吸収剤18
によるNOx の吸収能力が飽和してしまい、斯くしてN
Ox 吸収剤18によりNOx を吸収できなくなってしま
う。従って本発明による実施例ではリーン混合気が継続
して燃焼せしめられているときには図7(A)に示され
るように燃焼室3に供給される混合気の空燃比を周期的
にリッチにするか、或いは図7(B)に示されるように
混合気の空燃比が周期的に理論空燃比にされる。
【0025】ところでNOx 吸収剤18からのNOx の
放出作用は一定量のNOx がNOx吸収剤18に吸収さ
れたとき、例えばNOx 吸収剤18の吸収能力の50%
NOx を吸収したときに行われる。NOx 吸収剤18に
吸収されるNOx の量は機関から排出される排気ガスの
量と排気ガス中のNOx 濃度に比例しており、この場合
排気ガス量は吸入空気量に比例し、排気ガス中のNOx
濃度は機関負荷に比例するのでNOx 吸収剤18に吸収
されるNOx 量は正確には吸入空気量と機関負荷に比例
することになる。従ってNOx 吸収剤18に吸収されて
いるNOx の量は吸入空気量と機関負荷の積の累積値か
ら推定することができるが本発明による実施例では単純
化して機関回転数の累積値からNOx 吸収剤18に吸収
されているNOx 量を推定するようにしている。
【0026】次に図8および図9を参照して本発明によ
るNOx 吸収剤18の吸放出制御の一実施例について説
明する。図8は一定時間毎に実行される割込みルーチン
を示している。図8を参照するとまず初めにステップ1
00において基本燃料噴射時間TPに対する補正係数K
が1.0よりも小さいか否か、即ちリーン混合気が燃焼
せしめられているか否かが判別される。K<1.0のと
き、即ちリーン混合気が燃焼せしめられているときには
ステップ101に進んで現在の機関回転数NEにΣNE
を加算した結果がΣNEとされる。従ってこのΣNEは
機関回転数NEの累積値を示している。次いでステップ
102では累積回転数ΣNEが一定値SNEよりも大き
いか否かが判別される。この一定値SNEはNOx 吸収
剤18にそのNOx 吸収能力の例えば50%のNOx 量
が吸収されていると推定される累積回転数を示してい
る。ΣNE≦SNEのときには処理サイクルを完了し、
ΣNE>SNEのとき、即ちNOx 吸収剤18にそのN
Ox 吸収能力の50%のNOx 量が吸収されていると推
定されたときにはステップ103に進んでNOx 放出フ
ラグがセットされる。NOx 放出フラグがセットされる
と後述するように機関シリンダ内に供給される混合気が
リッチにせしめられる。
【0027】次いでステップ104ではカウント値Cが
1だけインクリメントされる。次いでステップ105で
はカウント値Cが一定値C0 よりも大きくなったか否
か、即ち例えば5秒間経過したか否かが判別される。C
≦C0 のときには処理ルーチンを完了し、C>C0 にな
るとステップ106に進んでNOx 放出フラグがリセッ
トされる。NOx 放出フラグがリセットされると後述す
るように機関シリンダ内に供給される混合気がリッチか
らリーンに切換えられ、斯くして機関シリンダ内に供給
される混合気は5秒間リッチにされることになる。次い
でステップ107において累積回転数ΣNEおよびカウ
ント値Cが零とされる。
【0028】一方、ステップ100においてK≧1.0
と判断されたとき、即ち機関シリンダ内に供給されてい
る混合気の空燃比が理論空燃比又はリッチのときにはス
テップ108に進んでK≧1.0の状態が一定時間、例
えば10秒間継続したか否かが判別される。K≧1.0
の状態が一定時間継続しなかったときには処理サイクル
を完了し、K≧1.0の状態が一定時間継続したときに
はステップ109に進んで累積回転数ΣNEが零とされ
る。即ち、機関シリンダ内に供給される混合気が理論空
燃比又はリッチとされている時間が10秒程度継続すれ
ばNOx 吸収剤18に吸収されている大部分のNOx は
放出したものと考えられ、従ってこの場合にはステップ
109において累積回転数ΣNEが零とされる。
【0029】図9は燃料噴射時間TAUの算出ルーチン
を示しており、このルーチンは繰返し実行される。図9
を参照するとまず初めにステップ200において図2に
示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次
いでステップ201ではリーン混合気の燃焼を行うべき
運転状態であるか否かが判別される。リーン混合気の燃
焼を行うべき運転状態でないとき、即ち暖機運転時、又
は加速運転時又は全負荷運転時のときにはステップ20
2に進んで補正係数Kが算出される。機関暖機運転時に
はこの補正係数Kは機関冷却水温の関数であり、K≧
1.0の範囲で機関冷却水温が高くなるほど小さくな
る。また、加速運転時には補正係数Kは1.0とされ、
全負荷運転時には補正係数Kは1.0よりも大きな値と
される。次いでステップ203では補正係数KがKtと
され、次いでステップ204において燃料噴射時間TA
U(=TP・Kt)が算出される。このときには機関シ
リンダ内に供給される混合気が理論空燃比又はリッチと
される。
【0030】一方、ステップ201においてリーン混合
気の燃焼を行うべき運転状態であると判別されたときに
はステップ205に進んでNOx 放出フラグがセットさ
れているか否かが判別される。NOx 放出フラグがセッ
トされていないときにはステップ206に進んで補正係
数Kが例えば0.6とされ、次いでステップ207にお
いて補正係数KがKtとされた後にステップ204に進
む。従ってこのときには機関シリンダ内にリーン混合気
が供給される。一方、ステップ205においてNOx 放
出フラグがセットされたと判断されたときにはステップ
208に進んで予め定められた値KKがKtとされ、次
いでステップ204に進む。この値KKは機関シリンダ
内に供給される混合気の空燃比が12.0から13.5
程度となる1.1から1.2程度の値である。従ってこ
のときには機関シリンダ内にリッチ混合気が供給され、
それによってNOx 吸収剤18に吸収されているNOx
が放出されることになる。なお、NOx 放出時に混合気
を理論空燃比にする場合にはKKの値は1.0とされ
る。
【0031】
【発明の効果】NOx 吸収剤に吸収されるNOx 吸収量
を推定しているのでNOx 吸収能力が飽和する前に確実
にNOx 吸収剤からNOx を放出させることができる。
また、NOx をNOx 吸収剤から放出する際に還元され
ることなくNOx 吸収剤から流出するNOx 量を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】補正係数Kの変化を示す図である。
【図4】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,C
Oおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】NOx の吸放出作用を説明するための図であ
る。
【図6】NOx 吸収剤から流出する流出NOx 量を示す
線図である。
【図7】NOx 放出タイミングを示す図である。
【図8】時間割込みルーチンのフローチャートである。
【図9】燃料噴射時間TAUを算出するためのフローチ
ャートである。
【符号の説明】
19…排気マニホルド 18…NOx 吸収剤 21…CO生成触媒 22…触媒コンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−106826(JP,A) 特開 昭48−61813(JP,A) 特開 平3−233121(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/08 F01N 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにはNOx を吸収し、流入する排気ガスの空燃比がリ
    ッチ又は理論空燃比になると吸収したNOxを放出する
    NOx 吸収剤を機関排気通路内に配置すると共に該NO
    x 吸収剤上流の機関排気通路内にHCを部分酸化してC
    Oを発生するCO発生触媒を設け、NOx 吸収剤に吸収
    されているNOx 吸収量推定するNOx 吸収量推定手
    段を具備し、NOx 吸収量推定手段により推定されたN
    Ox 吸収量が予め定められた量を越えたときにはNOx
    吸収剤からNOx を放出すべくCO発生触媒上流の排気
    ガスの空燃比をリーンからリッチ又は理論空燃比に切換
    えるようにした内燃機関の排気浄化装置。
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