JP2743760B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2743760B2
JP2743760B2 JP5890893A JP5890893A JP2743760B2 JP 2743760 B2 JP2743760 B2 JP 2743760B2 JP 5890893 A JP5890893 A JP 5890893A JP 5890893 A JP5890893 A JP 5890893A JP 2743760 B2 JP2743760 B2 JP 2743760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】リーン混合気を燃焼せしめるようにした
内燃機関において、流入排気ガスの空燃比がリーンのと
きにはNOxを吸収し、流入排気ガスがリッチになると
吸収したNOxを放出するNOx吸収剤を機関排気通路
内に配置し、リーン混合気を燃焼せしめた際に発生する
NOxをNOx吸収剤により吸収し、NOx吸収剤のN
Ox吸収能力が飽和する前にNOx吸収剤への流入排気
ガスの空燃比を一時的にリッチにしてNOx吸収剤から
NOxを放出させると共に放出されたNOxを還元する
ようにした内燃機関が本出願人により既に提案されてい
る(特願平3−284095号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでNOx吸収剤
への流入排気ガスの空燃比をリッチにすると、例えば機
関シリンダ内に供給される混合気をリッチにすると機関
からは多量の未燃HC,CO等が排出され、しかもNO
x吸収剤からは吸収されているNOxが放出される。こ
のとき機関から排出された未燃HC,CO等の一部は機
関から排出されたNOxを還元するために使用され、残
りの未燃HC,CO等はNOx吸収剤から放出されたN
Oxを還元するために使用される。従ってこの場合、N
Oxが大気中に放出されるのを抑制するためには機関か
ら排出されるNOxおよびNOx吸収剤から放出される
NOxを共に還元しうる量の未燃HC,CO等を機関か
ら排出させる必要がある。
【0004】しかしながら上述の内燃機関のようにNO
x吸収剤からNOxを放出すべきときにNOx吸収剤へ
の流入排気ガスの空燃比を単にリッチにしただけでは機
関から排出される未燃HC,CO等は全てのNOxを還
元しうるのに必要な量よりも少なくなるか多くなってし
まう。その結果、未燃HC,CO等の未燃成分の量が少
ないときには全てのNOxをNOx吸収剤から放出する
ことができず、未燃成分の量が多いときには余剰の未燃
成分が酸化されることなくNOx吸収剤から排出される
という問題を生ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、流入する排気ガスがリーンである
ときにNOxを吸収し、流入する排気ガスがリッチにな
ると吸収したNOxを放出するNOx吸収剤を機関排気
通路内に配置すると共に、NOx吸収剤に吸収されたN
Oxの量を推定する手段を具備し、NOx吸収剤からN
Oxを放出すべくNOx吸収剤に流入する排気ガスの空
燃比をリッチにしたときのリッチの度合をNOx吸収剤
に吸収されたと推定されるNOx量が多いほど大きくす
るようにしている。
【0006】
【作用】NOx吸収剤に吸収されているNOx量が多い
ほどNOx放出時にNOx吸収剤から放出されるNOx
量が増大する。従ってNOx吸収剤に吸収されているN
Ox量が多いほどリッチの度合が高められる。
【0007】
【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2はピス
トン、3は燃焼室、4は点火栓、5は吸気弁、6は吸気
ポート、7は排気弁、8は排気ポートを夫々示す。吸気
ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク10に
連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向けて燃
料を噴射する燃料噴射弁11が取付けられる。サージタ
ンク10は吸気ダクト12を介してエアクリーナ13に
連結され、吸気ダクト12内にはスロットル弁14が配
置される。一方、排気ポート8は排気マニホルド15お
よび排気管16を介してNOx吸収剤17を内蔵したケ
ーシング18に接続される。
【0008】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具
備する。サージタンク10内にはサージタンク10内の
絶対圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ19が
取付けられ、この圧力センサ19の出力電圧がAD変換
器37を介して入力ポート35に入力される。スロット
ル弁14にはスロットル弁14が一定角度回動する毎に
出力パルスを発生しかつスロットル弁14がアイドリン
グ位置にあることを示す出力信号を発生するスロットル
センサ20が取付けられる。これらの出力パルスおよび
出力信号は入力ポート35に入力され、CPU34内に
おいてこの出力パルスからスロットル弁14の開弁速度
が算出される。
【0009】ケーシング18上流の排気管16内には排
気ガス温に比例した出力電圧を発生する温度センサ21
が取付けられ、この温度センサ21の出力電圧がAD変
換器38を介して入力ポート35に入力される。更に、
機関クランクシャフト22に連結された変速機23には
変速操作時であることを示す出力信号を発生するシフト
チェンジセンサ24が取付けられ、このシフトチェンジ
センサ24の出力信号が入力ポート35に入力される。
また、入力ポート35には機関回転数を表わす出力パル
スを発生する回転数センサ25が接続される。一方、出
力ポート36は対応する駆動回路39を介して夫々点火
栓4および燃料噴射弁11に接続される。
【0010】図1に示す内燃機関では例えば次式に基い
て燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K ここでTPは基本燃料噴射時間を示しており、Kは補正
係数を示している。基本燃料噴射時間TPは機関シリン
ダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とするの
に必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴射
時間TPは予め実験により求められ、サージタンク10
内の絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として図2に
示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されて
いる。補正係数Kは機関シリンダ内に供給される混合気
の空燃比を制御するための係数であってK=1.0であ
れば機関シリンダ内に供給される混合気は理論空燃比と
なる。これに対してK<1.0になれば機関シリンダ内
に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よりも大きく
なり、即ちリーンとなり、K>1.0になれば機関シリ
ンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よりも
小さくなる、即ちリッチとなる。
【0011】この補正係数Kは機関の運転状態に応じて
制御され、図3はこの補正係数Kの制御の一実施例を示
している。図3に示す実施例では暖機運転中は機関冷却
水温が高くなるにつれて補正係数Kが徐々に低下せしめ
られ、暖機が完了すると補正係数Kは1.0よりも小さ
い一定値に、即ち機関シリンダ内に供給される混合気の
空燃比がリーンに維持される。次いでアイドリング運転
が行われれば補正係数Kは例えば1.0とされ、即ち機
関シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比
とされ、加速運転が行われれば補正係数Kは1.0より
も大きくされる、即ち機関シリンダ内に供給される混合
気の空燃比はリッチにされる。図3からわかるように図
3に示される実施例では暖気運転時、アイドリング運転
時および加速運転時を除けば機関シリンダ内に供給され
る混合気の空燃比は一定のリーン空燃比に維持されてお
り、従って大部分の機関運転領域においてリーン混合気
が燃焼せしめられることになる。
【0012】図4は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図4から
わかるように燃焼室3から排出される排気ガス中の未燃
HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気の空
燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出され
る排気ガス中の酸素O2 の濃度は燃焼室3内に供給され
る混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0013】ケーシング18内に収容されているNOx
吸収剤17は例えばアルミナを担体とし、この担体上に
例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi,セ
シウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カル
シウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イッ
トリウムYのような希土類から選ばれた少くとも一つ
と、白金Ptのような貴金属とが担持されている。機関
吸気通路およびNOx吸収剤17上流の排気通路内に供
給された空気および燃料(炭化水素)の比をNOx剤1
7への流入排気ガスの空燃比と称するとこのNOx吸収
剤17は流入排気ガスの空燃比がリーンのときにはNO
xを吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸
収したNOxを放出するNOx吸放出作用を行う。な
お、NOx吸収剤17上流の排気通路内に燃料(炭化水
素)或いは空気が供給されない場合には流入排気ガスの
空燃比は燃焼室3内に供給される混合気の空燃比に一致
し、従ってこの場合にはNOx吸収剤17は燃焼室3内
に供給される混合気の空燃比がリーンのときにはNOx
を吸収し、燃焼室3内に供給される混合気中の酸素濃度
が低下すると吸収したNOxを放出することになる。
【0014】上述のNOx吸収剤17を機関排気通路内
に配置すればこのNOx吸収剤17は実際にNOxの吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図5に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0015】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - 又はO
2 - の形では白金Ptの表面に付着する。一方、流入排
気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 - 又はO2 -
と反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
次いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上で酸化され
つつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合し
ながら図5(A)に示されるように硝酸イオンNO 3 -
の形で吸収剤内に拡散する。このようにしてNOxがN
Ox吸収剤17内に吸収される。
【0016】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOx吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガ
ス中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下す
るとNOx吸収剤17からNOxが放出されることにな
る。図4に示されるように流入排気ガスのリーンの度合
が低くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従っ
て流入排気ガスのリーンの度合を低くすればたとえ流入
排気ガスの空燃比がリーンであってもNOx吸収剤17
からNOxが放出されることになる。
【0017】一方、このとき燃焼室3内に供給される混
合気がリッチにされて流入排気ガスの空燃比がリッチに
なると図4に示されるように機関からは多量の未燃H
C,COが排出され、これら未燃HC,COは白金Pt
上の酸素O2 - 又はO2 - と反応して酸化せしめられ
る。また、流入排気ガスの空燃比がリッチになると流入
排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤か
らNO2 が放出され、このNO2 は図5(B)に示され
るように未燃HC,COと反応して還元せしめられる。
このようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなく
なると吸収剤から次から次へとNO2 が放出される。従
って流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のう
ちにNOx吸収剤17からNOxが放出されることにな
る。
【0018】即ち、流入排気ガスの空燃比をリッチにす
るとまず初めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 -
はO2 - とただちに反応して酸化せしめられ、次いで白
金Pt上のO2 - 又はO2 - が消費されてもまだ未燃H
C,COが残っていればこの未燃HC,COによって吸
収剤から放出されたNOxおよび機関から排出されたN
Oxが還元せしめられる。従って流入排気ガスの空燃比
をリッチにすれば短時間のうちにNOx吸収剤17に吸
収されているNOxが放出され、しかもこの放出された
NOxが還元されるために大気中にNOxが排出される
のを阻止することができることになる。また、NOx吸
収剤17は還元触媒の機能を有しているので流入排気ガ
スの空燃比を理論空燃比にしてもNOx吸収剤17から
放出されたNOxが還元せしめられる。しかしながら流
入排気ガスの空燃比を理論空燃比にした場合にはNOx
吸収剤17からNOxが徐々にしか放出されないために
NOx吸収剤17に吸収されている全NOxを放出させ
るには若干長い時間を要する。
【0019】このように流入排気ガスの空燃比をリッチ
にすれば短時間のうちにNOx吸収剤17からNOxが
放出されるがこのときリッチの度合を高くしすぎると、
即ち未燃HC,COの量が過度に多くなりすぎると余剰
の未燃HC,COが大気中に放出されることになり、こ
のときリッチの度合を低くしすぎると、即ち未燃HC,
COの量が少なすぎると短時間のうちにNOx吸収剤1
7から全NOxを放出することができないことになる。
従って流入排気ガスの空燃比をリッチにしたときに吸収
剤から放出された全NOxおよび機関から排出された全
NOxを還元せしめるには白金Pt上のO2 - 又はO
2 - を消費するのに必要な量の未燃HC,COと、全N
Oxを還元させるのに必要な量の未燃HC,COがNO
x吸収剤17に流入するように流入ガスの空燃比のリッ
チの度合を制御する必要がある。
【0020】ところでNOx吸収剤17からNOxが放
出されているときには大部分の未燃HC,COはNOx
吸収剤17から放出されたNOxを還元するために使用
されるので流入排気ガスの空燃比をリッチにしたときの
リッチの度合をNOx吸収剤17に吸収されているNO
x量が多いほど高くすれば余剰な未燃HC,COが大気
中に放出されるのを阻止しつつNOx吸収剤17から全
NOxを良好に放出させることができることになる。
【0021】そこで本発明による実施例では実際にNO
x吸収剤17に吸収されているNOx量とNOx吸収剤
17が吸収しうる最大NOx吸収量との比、即ちNOx
飽和度Sを推定し、NOx吸収剤17からNOxを放出
すべきときの流入排気ガスのリッチの度合をNOx飽和
度Sが大きくなるほど高くするようにしている。即ち、
図6からわかるように通常機関シリンダ内に供給される
混合気の空燃比はリーンとされており、このときにはN
OxがNOx吸収剤17に吸収され続けるためにNOx
飽和度Sが上昇し続ける。
【0022】一方、本発明による実施例では減速開始時
において燃料の供給を停止する前に機関シリンダ内に供
給される混合気の空燃比が一時的にリッチにされ、この
ときのリッチの度合はNOx飽和度Sが大きくなるほど
高められる。従ってこのときNOx飽和度Sは零まで下
降する。また、加速運転時又はシフトチェンジ時にも混
合気がリッチにされ、このときのリッチの度合もNOx
飽和度Sが大きくなるほど高められる。従ってこのとき
にもNOx飽和度Sは零まで下降する。また、アイドリ
ング運転中は混合気が理論空燃比とされ、このときNO
x吸収剤17からは徐々にしかNOxが放出されないた
めにNOx飽和度Sは徐々に低下する。また、リーン混
合気の燃焼が継続してNOx飽和度Sが許容最大飽和度
Soを越えたときには混合気が強制的にリッチにされ、
このときのリッチの度合は許容最大飽和度Soに応じた
度合とされる。従ってこのときにもNOx飽和度Sは零
まで下降する。
【0023】次に図7から図10を参照してNOx吸収
剤17へのNOx吸収量の算出方法について説明する。
図7はNOx吸収量の算出ルーチンを示しており、この
ルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。図
7を参照するとまず初めにステップ100において基本
燃料噴射時間TPに対する補正係数Kが零であるか否か
が判別される。K=0のとき、即ち燃料噴射が停止され
ているときには処理サイクルを完了する。これに対して
K=0でないとき、即ち燃料噴射が行われているときに
はステップ101に進んで補正係数Kが1.0よりも小
さいか否かが判別される。
【0024】K<1.0のとき、即ちリーン混合気が燃
焼せしめられているときにはステップ102に進んで時
間割込み間隔の間にNOx吸収剤17に吸収されると推
定されるNOx吸収量Aが算出される。機関から排出さ
れるNOx量は図8(A)に示されるようにサージタン
ク10内の絶対圧PMが高くなるほど多くなり、図8
(B)に示されるように機関回転数Nが高くなるほど多
くなる。このNOx吸収量Aはサージタンク10内の絶
対圧PMおよび機関回転数Nの関数として図8(C)に
示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されて
いる。従ってステップ102では圧力センサ19および
回転数センサ25の出力信号に基いて図8(C)に示す
マップからNOx吸収量Aが算出される。次いでステッ
プ103では全NOx吸収量CにNOx吸収量Aが加算
され、次いでステップ106に進む。従ってリーン混合
気が燃焼せしめられているときにはNOx吸収剤17に
吸収されている全NOx吸収量Cが徐々に増大せしめら
れる。
【0025】一方、ステップ101においてK≧1.0
であると判断されたとき、即ち機関シリンダ内に供給さ
れる混合気の空燃比が理論空燃比又はリッチのときには
ステップ104に進んで時間割込み間隔の間にNOx吸
収剤17から放出されると推定されるNOx放出量Bが
算出される。NOx吸収剤17から放出されるNOx量
は図9(A)に示されるようにNOx吸収剤17の温
度、即ち排気ガス温Tが高くなるほど多くなり、図9
(B)に示されるように補正係数Kが大きくなるほど、
即ち機関シリンダ内に供給される混合気のリッチの度合
が高くなるほど多くなる。このNOx放出量Bは排気ガ
ス温Tと補正係数Kの関数として図9(C)に示すよう
なマップの形で予めROM32内に記憶されている。従
ってステップ104では温度センサ21の出力信号およ
び補正係数Kに基いて図9(C)に示すマップからNO
x放出量Bが算出される。次いでステップ104では全
NOx吸収量CからNOx放出量Bが減算され、次いで
ステップ106に進む。従って機関シリンダ内に供給さ
れる混合気の空燃比が理論空燃比又はリッチになるとN
Ox吸収剤17に吸収されている全NOx吸収量Cが減
少せしめられる。
【0026】ステップ106では全NOx吸収量Cが負
になったか否かが判別される。C≧0のときにはステッ
プ108にジャンプし、C<0のときにはステップ10
7においてC=0とした後、ステップ108に進む。ス
テップ108ではNOx吸収剤17に吸収されている全
NOx吸収量CとNOx吸収剤17が吸収しうる最大N
Ox吸収量Coとの比であるNOx飽和度Sが算出され
る。次いでステップ109ではNOx飽和度Sが許容最
大飽和度So(図6)よりも大きくなるか否かが判別さ
れる。S≦Soのときには処理サイクルを完了する。こ
れに対してS>Soになるとステップ110に進んでリ
ッチフラグ1がセットされ、次いでステップ111にお
いて補正係数K、即ちリッチ度合が算出される。この補
正係数Kは図10に示されるようにNOx飽和度Sが大
きくなるにつれて大きくなる。リッチフラグ1がセット
されると後述するように補正係数Kに対応したリッチ度
合でもって機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比
がリッチにされる。
【0027】図11から図13は燃料噴射時間TAUを
算出するためのルーチンを示している。図11から図1
3を参照するとまず初めにステップ200において図2
に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。
次いでステップ201では目標補正係数Koが算出され
る。この目標補正係数Koはリーン混合気を燃焼すべき
運転状態のときにはKo<1.0、例えばKo=0.6
とされ、アイドリング運転時にはK=1.0とされる。
次いでステップ202に進む。
【0028】ステップ202からステップ204ではN
Ox飽和度Sが許容最大飽和度Soを越えたときにセッ
トされるリッチフラグ1を一定時間セットし続けるため
の処理が行われる。即ち、ステップ202ではリッチフ
ラグ1がセットされているか否かが判別され、リッチフ
ラグ1がリセットされているときにはステップ205に
ジャンプする。これに対してリッチフラグ1がセットさ
れているときにはステップ203に進んでリッチフラグ
1がセットされてから一定時間経過したか否かが判別さ
れる。一定時間経過したときにはステップ204に進ん
でリッチフラグ1がリセットされ、斯くしてリッチフラ
グ1は一定時間セットされ続けることになる。
【0029】ステップ205からステップ216では減
速運転時にはまず初めに機関シリンダ内に供給される混
合気の空燃比を一定時間リッチにし、次いで燃料の供給
を停止する処理が行われる。即ち、ステップ205では
燃料噴射を停止すべきことを示すカットフラグがセット
されているか否かが判別される。カットフラグがリセッ
トされているときにはステップ206に進んでスロット
ルセンサ20の出力信号に基いてスロットル弁14がア
イドリング開度であるか否かが判別される。スロットル
弁14がアイドリング開度であるときにはステップ20
7に進んで機関回転数Nが燃料カット回転数、例えば1
100r.p.m よりも高いか否かが判別される。スロット
ル弁14がアイドリング開度でないか、或いはN≦11
00r.p.m のときにはステップ217にジャンプする。
これに対してスロットル弁14がアイドリング開度であ
りかつN>1100r.p.m のときには燃料噴射を停止す
べき減速運転時であると判断してステップ208に進
む。
【0030】ステップ208では燃料噴射を停止すべき
ことを示すカットフラグがセットされ、次いでステップ
209では混合気をリッチにすべきことを示すリッチフ
ラグ2がセットされ、次いでステップ210ではNOx
飽和度S(図10)から補正係数Kが算出される。後述
するようにカットフラグおよびリッチフラグ2が共にセ
ットされている間は混合気はリッチにされ、次いでリッ
チフラグ2がリセットされると燃料噴射が停止される。
【0031】カットフラグがセットされるとステップ2
05からステップ211に進んでスロットル弁14がア
イドリング開度であるか否かが判別される。スロットル
弁14がアイドリング開度であるときにはステップ21
2に進んで機関回転数Nが復帰回転数、例えば800r.
p.m よりも低くなったか否かが判別される。N≧800
r.p.m のときにはステップ213に進んで、リッチフラ
グ2がセットされてから一定時間経過したか否かが判別
される。一定時間経過していないときにはステップ21
7に進み、一定時間経過したときにはステップ214に
進んでリッチフラグ2がリセットされる。従ってリッチ
フラグ2は一定時間セットされ続け、この間混合気がリ
ッチにされる。
【0032】一方、減速運転中にスロットル弁14が開
弁せしめられたときにはステップ211からステップ2
15にジャンプし、機関回転数Nが800r.p.m 以下と
なったときにはステップ212からステップ215に進
む。ステップ215ではカットフラグがリセットされ、
ステップ216ではリッチフラグ2がリセットされる。
【0033】ステップ217からステップ219では加
速時に混合気の空燃比をリッチにする処理が行われる。
即ち、ステップ217ではスロットルセンサ20の出力
パルスに基いて算出されたスロットル弁14の開弁速度
から加速時であるか否かが判別される。加速時であると
きにはステップ218に進んで混合気をリッチにすべき
ことを示すリッチフラグ3がセットされ、次いでステッ
プ219ではNOx飽和度S(図10)から補正係数K
が算出される。次いでステップ221に進む。一方、加
速時でないときにはステップ220に進んでリッチフラ
グ3がリセットされ、従って加速運転が行われていると
きにリッチフラグ3がセットされることがわかる。
【0034】ステップ221からステップ222では変
速機23のシフトチェンジ時に混合気の空燃比をリッチ
にする処理が行われる。即ち、ステップ221ではシフ
トチェンジセンサ24の出力信号に基いて変速機23の
シフトチェンジ作用が行われているか否かが判別され
る。シフトチェンジ作用が行われているときにはステッ
プ222に進んで混合気をリッチにすべきことを示すリ
ッチフラグ4がセットされ、次いでステップ223では
NOx飽和度S(図10)から補正係数Kが算出され
る。次いでステップ225に進む。一方シフトチェンジ
が行われていないときにはステップ224に進んでリッ
チフラグ4がリセットされ、従ってシフトチェンジが行
われているときにリッチフラグ4がセットされることが
わかる。
【0035】ステップ225ではリッチフラグ1、リッ
チフラグ2、リッチフラグ3およびリッチフラグ4のい
ずれかのリッチフラグがセットされているか否かが判別
される。いずれかのリッチフラグがセットされていると
きにはステップ227にジャンプする。これに対してい
ずれのリッチフラグもセットされていないときにはステ
ップ226に進んで目標係数Koが補正係数Kとされ、
次いでステップ227に進む。
【0036】ステップ227ではカットフラグがセット
されているか否かが判別される。カットフラグがセット
されていないときにはステップ230にジャンプにして
燃料噴射時間TAU(=K・TP)が算出される。これ
に対してカットフラグがセットされているときにはステ
ップ228に進んで減速運転時のリッチフラグ2がセッ
トされているか否かが判別される。リッチフラグ2がセ
ットされているときにはステップ230に進んで混合気
の空燃比がリッチにされる。次いでリッチフラグ2がリ
セットされるとステップ229に進んで補正係数Kが零
とされ、斯くして燃料噴射が停止せしめられる。
【0037】
【発明の効果】未燃HC,COが大気中に放出されるの
を阻止しつつ短時間でNOx吸収剤からNOxを放出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】補正係数Kの変化を示す図である。
【図4】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,C
Oおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】NOxの吸放出作用を説明するための図であ
る。
【図6】空燃比とNOx飽和度Sの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図7】NOx吸収量を算出するためのフローチャート
である。
【図8】NOx吸収量を示す図である。
【図9】NOx放出量を示す図である。
【図10】NOx飽和度Sと補正係数Kとの関係を示す
線図である。
【図11】燃料噴射時間TAUを算出するためのフロー
チャートである。
【図12】燃料噴射時間TAUを算出するためのフロー
チャートである。
【図13】燃料噴射時間TAUを算出するためのフロー
チャートである。
【符号の説明】
15…排気マニホルド 17…NOx吸収剤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気ガスがリーンであるときに
    NOxを吸収し、流入する排気ガスがリッチになると吸
    収したNOxを放出するNOx吸収剤を機関排気通路内
    に配置すると共に、NOx吸収剤に吸収されたNOxの
    量を推定する手段を具備し、NOx吸収剤からNOxを
    放出すべくNOx吸収剤に流入する排気ガスの空燃比を
    リッチにしたときのリッチの度合をNOx吸収剤に吸収
    されたと推定されるNOx量が多いほど大きくするよう
    にした内燃機関の排気浄化装置。
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