JP2001049492A - アルマイト処理方法 - Google Patents

アルマイト処理方法

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JP2001049492A
JP2001049492A JP11227428A JP22742899A JP2001049492A JP 2001049492 A JP2001049492 A JP 2001049492A JP 11227428 A JP11227428 A JP 11227428A JP 22742899 A JP22742899 A JP 22742899A JP 2001049492 A JP2001049492 A JP 2001049492A
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acid
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ozone
aqueous solution
sulfuric acid
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Seiji Hagino
清二 萩野
Shuji Tanabe
修治 田辺
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Nippon Aluminium Co Ltd
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Nippon Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝酸を使用しないで、また、液量を増やさな
いで、前処理を行うことができる、アルマイト処理方法
を提供すること。 【解決手段】 アルミニウム部材を、酸による脱脂工程
とアルカリによるエッチング工程と酸による中和工程と
をこの順に経ることによって前処理した後、電解処理し
て、その表面に陽極酸化皮膜を形成する、アルマイト処
理方法において、下記、の方法の内、少なくとも一
つを採用したことを特徴としている。 脱脂工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである、 中和工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルマイト処理方
法の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来一般のアルマイト処理方
法は、アルミニウム部材を、酸による脱脂工程とアルカ
リによるエッチング工程と酸による中和工程とをこの順
に経ることによって前処理した後、電解処理して、その
表面に陽極酸化皮膜を形成するものであり、脱脂工程で
は、硫酸と硝酸との混合水溶液を用い、また、電解処理
は、無機酸又は有機酸又はこれらの混酸の水溶液中で直
流、交流、パルス、又は交直重疂の電圧を印加して行っ
ていた。
【0003】ところで、脱脂工程で硝酸を用いるのは、
硫酸だけでは脱脂力が弱いために酸化力を補うためであ
る。また、中和工程は、単にエッチングで用いたアルカ
リを中和するだけでなく、エッチングで発生したスマッ
トを除去するものであり、特にスマットの除去性能を向
上させるために硝酸が添加されている。なお、スマット
とは、材料中に添加されている金属や不純成分をいう。
更に、硝酸の添加は、雪状片腐食の防止も目的としてい
る。
【0004】しかし、近年、環境保全の観点から、硝酸
性窒素及び亜硝酸性窒素の排水規制が厳しくなってきて
おり、アルマイト処理における硝酸の使用を避けること
が望まれている。硝酸を使用しない方法として、硝酸の
代わりに過酸化水素水を添加する方法が提案されている
が、添加によって液量が増してしまうので好ましくなか
った。
【0005】また、得られる陽極酸化皮膜については、
その生成効率や硬度の向上が更に望まれている。また、
アルミニウム部材がJISの2000系、4000系、
又は7000系のものである場合には、不純金属や金属
間化合物が陽極酸化皮膜中に残存してしまい、陽極酸化
皮膜の透明性が悪かった。
【0006】また、アルミニウムダイカスト又はアルミ
ニウム鋳物では、その中に高濃度のシリコンが添加され
ているために金属組織が不均一な構造となっているの
で、アルマイト処理において、電流量が部分的に異なる
こととなり、即ち、各部に流れる電流量が不均一とな
り、それ故、生成する陽極酸化皮膜が不均一なものとな
っていた。また、特にシリコン偏析部においてはシリコ
ン表面に高抵抗の酸化皮膜が形成されるので、電流がア
ルミニウム部分に集中して、時には「焼け」を生じるこ
とがあった。
【0007】本発明は、硝酸を使用しないで、また、液
量を増やさないで、前処理を行うことができる、アルマ
イト処理方法を提供することを目的とする。
【0008】また、高硬度で透明性の良い陽極酸化皮膜
を効率良く形成できるアルマイト処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】更に、アルミニウムダイカスト又はアルミ
ニウム鋳物の表面に均一な陽極酸化皮膜を形成できるア
ルマイト処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
アルミニウム部材を、酸による脱脂工程とアルカリによ
るエッチング工程と酸による中和工程とをこの順に経る
ことによって前処理した後、電解処理して、その表面に
陽極酸化皮膜を形成する、アルマイト処理方法におい
て、下記、の方法の内、少なくとも一つを採用した
ことを特徴としている。 脱脂工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである、 中和工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである。
【0011】請求項2記載の発明は、アルミニウム部材
を、酸の水溶液中で電解処理して、その表面に陽極酸化
皮膜を形成する、アルマイト処理方法において、酸の水
溶液として、オゾンを溶解した、無機酸又は有機酸又は
これらの混酸の水溶液を用いることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明は、アルミニウム部材
を、酸による脱脂工程とアルカリによるエッチング工程
と酸による中和工程とをこの順に経ることによって前処
理した後、酸の水溶液中で電解処理して、その表面に陽
極酸化皮膜を形成する、アルマイト処理方法において、
アルミニウム部材がアルミニウムダイカスト又はアルミ
ニウム鋳物であり、前処理において、下記、の方法
の内、少なくとも一つを採用し、電解処理における酸の
水溶液として、オゾンを溶解した、無機酸又は有機酸又
はこれらの混酸の水溶液を用いることを特徴としてい
る。 脱脂工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである、 中和工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
ウム部材を浸漬して行うものである。
【0013】硫酸水溶液に溶解するオゾンの濃度は、
0.1〜50ppmが好ましい。0.1ppmより低い
と、オゾンを溶解したことによる効果が発揮されない。
50ppmより高いと、それだけの量のオゾンを溶解さ
せるための設備が別途必要であり、また、長時間の作業
も必要となるので、好ましくない。
【0014】無機酸としては、硫酸、リン酸、クロム酸
などが用いられる。有機酸としては、シュウ酸、マレイ
ン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、スルホサ
リチル酸、スルホフタル酸、フェノールスルホン酸など
のスルホン酸類が用いられる。
【0015】請求項1記載の発明においては、オゾンを
溶解したことにより硫酸水溶液の酸化力が増大する。従
って、硝酸を使用しなくても、脱脂工程において強い脱
脂力が確保され、また、中和工程においてスマットの除
去性能が向上する。また、オゾンを溶解するので、硫酸
水溶液の液量は増えない。
【0016】請求項2記載の発明においては、オゾンを
溶解したことにより酸の水溶液の酸化力が増大する。そ
のため、アルミニウムと結合して陽極酸化皮膜を形成す
る酸素が、オゾンから容易に供給されることとなり、そ
れ故、陽極酸化皮膜とならないで溶液中に溶出してしま
うアルミニウムの量が少なくなり、その結果、陽極酸化
皮膜の生成効率が向上する。また、アルミニウムイオン
がオゾンから供給される酸素と結合するので、得られる
陽極酸化皮膜は、含水率の低い緻密なものとなり、硬度
も高いものとなる。更に、アルミニウム部材がJISの
2000系、4000系、又は7000系のものであっ
ても、不純金属や金属間化合物が、オゾンを溶解したこ
とにより酸化力が増大した酸の水溶液によって、溶解さ
れ又は酸化されるので、得られる陽極酸化皮膜の透明性
は高くなる。
【0017】請求項3記載の発明においては、オゾンを
溶解したことにより酸の水溶液の酸化力が増大するの
で、シリコン表面に生成する高抵抗の酸化皮膜が溶解・
除去される。それ故、金属組織の不均一さに起因した電
流量(電流密度)の差が小さくなり、即ち、各部に流れ
る電流量が略均一となり、その結果、均一な陽極酸化皮
膜が得られ、また、「焼け」も防止される。
【0018】なお、請求項1〜3の発明においては、水
溶液の酸化力を更に増大させるための促進酸化処理方法
を採用してもよい。具体的には、オゾンの溶解に加え
て、過酸化水素水添加又は紫外線照射又は触媒添加を行
う。これによれば、オゾンの溶解のみによる場合に比し
て、オゾンより高い酸化還元電位を有するヒドロキシラ
ジカルが多量に生成したり、オゾンと他の物質との反応
による二次的な酸化剤が多量に生成したりするので、そ
れらによって水溶液の酸化力が更に増大することとな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】実施例1は、前処理の脱脂工程で
請求項1記載の方法を採用したものである。比較例1,
2は実施例1に対応したものである。
【0020】(実施例1)アルミニウム部材(A606
3S−T5)からなる板(大きさ50×100mm、厚
さ1mm)を、10ppmのオゾンを溶解した15wt
%硫酸水溶液中に10分間浸漬することにより、脱脂処
理を行った。なお、硫酸水溶液の温度は20℃とした。
処理後、水洗したところ、アルミニウム部材表面は、水
はじきもなく、全面一様に濡れていた。
【0021】(比較例1)実施例1と同じアルミニウム
部材を、15wt%硫酸と1%硝酸との混合水溶液中に
10分間浸漬することにより、脱脂処理を行った。な
お、混合水溶液の温度は20℃とした。処理後、水洗し
たところ、アルミニウム部材表面は、大部分が濡れてい
たが、一部に水はじきが認められた。
【0022】(比較例2)実施例1と同じアルミニウム
部材を、15wt%硫酸水溶液中に10分間浸漬するこ
とにより、脱脂処理を行った。なお、硫酸水溶液の温度
は20℃とした。処理後、水洗したところ、アルミニウ
ム部材表面は、全面に水はじきが認められた。
【0023】以上から、実施例1では、脱脂効果が充分
に得られていることがわかる。従って、実施例1では、
硝酸を使用しないで脱脂工程を行うことができる。
【0024】実施例2は、前処理の中和工程で請求項1
記載の方法を採用したものである。比較例3,4は実施
例2に対応したものである。
【0025】(実施例2)アルミニウム部材(A110
0P−H24)からなる板(大きさ50×100mm、
厚さ1mm)に、脱脂処理及びエッチング処理を常法に
より施した。水洗後のアルミニウム部材の表面には黒灰
色のスマットが生成していた。次に、このアルミニウム
部材を、2ppmのオゾンを溶解した10wt%硫酸水
溶液中に5分間浸漬することにより、中和処理を行っ
た。なお、硫酸水溶液の温度は20℃とした。処理後、
水洗したところ、アルミニウム部材表面のスマットは完
全に除去されていた。
【0026】(比較例3)実施例2と同じアルミニウム
部材に、実施例2と同様に脱脂処理及びエッチング処理
を施した。次に、実施例2と同様にスマットが生成して
いるアルミニウム部材を、10wt%硫酸と1%硝酸と
の混合水溶液中に5分間浸漬することにより、中和処理
を行った。なお、混合水溶液の温度は20℃とした。処
理後、水洗したところ、アルミニウム部材表面のスマッ
トは完全に除去されていた。
【0027】(比較例4)実施例2と同じアルミニウム
部材に、実施例2と同様に脱脂処理及びエッチング処理
を施した。次に、実施例2と同様にスマットが生成して
いるアルミニウム部材を、10wt%硫酸水溶液中に5
分間浸漬することにより、中和処理を行った。なお、硫
酸水溶液の温度は20℃とした。処理後、水洗したとこ
ろ、アルミニウム部材表面にはスマットが若干残存して
いた。
【0028】以上から、実施例2では、中和工程におけ
るスマット除去効果が充分に得られていることがわか
る。従って、実施例2では、硝酸を使用しないで中和工
程を行うことができる。
【0029】実施例3〜6は、請求項2記載の方法を採
用したものである。比較例5〜8は、実施例3〜6に対
応したものである。
【0030】(実施例3)常法により前処理したアルミ
ニウム部材(A1100P−H24)からなる板(大き
さ50×100mm、厚さ1mm)に、5ppmのオゾ
ンを溶解した15wt%硫酸水溶液の電解浴にて直流
1.2Aで60分間陽極酸化処理を施した。なお、硫酸
水溶液の温度は20℃とした。得られた陽極酸化皮膜
を、水洗後、放置乾燥した。そして、陽極酸化皮膜の厚
さ及びビッカース硬度を測定した。その結果を表1に示
す。
【0031】(比較例5)電解浴を15wt%硫酸水溶
液とし、その他は実施例3と同様に処理した。得られた
陽極酸化皮膜の厚さ及びビッカース硬度を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0032】(実施例4)常法により前処理したアルミ
ニウム部材(A1100P−H24)からなる板(大き
さ50×100mm、厚さ1mm)に、3ppmのオゾ
ンを溶解した3wt%シュウ酸水溶液の電解浴にて直流
2A及び交流2Aで30分間陽極酸化処理を施した。な
お、シュウ酸水溶液の温度は25℃とした。得られた陽
極酸化皮膜を、水洗後、放置乾燥した。そして、陽極酸
化皮膜の厚さ及びビッカース硬度を測定した。その結果
を表1に示す。
【0033】(比較例6)電解浴を3wt%シュウ酸水
溶液とし、その他は実施例4と同様に処理した。得られ
た陽極酸化皮膜の厚さ及びビッカース硬度を測定した。
その結果を表1に示す。
【0034】(実施例5)常法により前処理したアルミ
ニウム部材(A1100P−H24)からなる板(大き
さ50×100mm、厚さ1mm)に、7ppmのオゾ
ンを溶解した、20wt%フェノールスルホン酸と0.
3wt%硫酸との混合水溶液の電解浴にて、直流1.5
Aで30分間陽極酸化処理を施した。なお、混合水溶液
の温度は25℃とした。得られた陽極酸化皮膜を、水洗
後、放置乾燥した。そして、陽極酸化皮膜の厚さ及びビ
ッカース硬度を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】(比較例7)電解浴を20wt%フェノー
ルスルホン酸と0.3wt%硫酸との混合水溶液とし、
その他は実施例5と同様に処理した。得られた陽極酸化
皮膜の厚さ及びビッカース硬度を測定した。その結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、実施例3〜5で
は、それぞれ、対応する比較例5〜7に比して、得られ
た陽極酸化皮膜の厚さが大きく、即ち、生成効率が良
く、また、ビッカース硬度も大きい。
【0038】(実施例6)常法により前処理したアルミ
ニウム部材(A2024S−T4)からなる板(大きさ
50×100mm、厚さ1mm)に、1ppmのオゾン
を溶解した15wt%硫酸水溶液の電解浴にて直流1.
5Aで40分間陽極酸化処理を施した。なお、混合水溶
液の温度は20℃とした。得られた陽極酸化皮膜を、水
洗後、放置乾燥した。そして、陽極酸化皮膜の厚さを測
定するとともに色調を目視で観察した。その結果を表2
に示す。
【0039】(比較例8)電解浴を15wt%硫酸水溶
液とし、また、電解時間を44分間とし、その他は実施
例6と同様に処理した。得られた陽極酸化皮膜の厚さを
測定するとともに色調を目視で観察した。その結果を表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示すように、比較例8で得られた陽
極酸化皮膜は、合金成分が残存するために灰白色を呈し
たが、実施例6で得られた陽極酸化皮膜は無色であっ
た。即ち、実施例6では、合金成分の含有量が少ない陽
極酸化皮膜が得られた。
【0042】実施例7,8は請求項3記載の方法を採用
したものである。比較例9,10は実施例7,8に対応
したものである。
【0043】(実施例7)アルミニウムダイカスト(A
DC12)からなる板(大きさ50×100mm、厚さ
2mm)に、20ppmのオゾンを溶解した18wt%
硫酸水溶液の電解浴にて直流1Aで30分間陽極酸化処
理を施した。なお、硫酸水溶液の温度は20℃とした。
得られた陽極酸化皮膜を、水洗後、放置乾燥した。そし
て、陽極酸化皮膜の厚さを測定した。その結果を表3に
示す。
【0044】(比較例9)電解浴を18wt%硫酸水溶
液とし、その他は実施例7と同様に処理した。得られた
陽極酸化皮膜の厚さを測定した。その結果を表3に示
す。
【0045】(実施例8)アルミニウム鋳物(AC8
A)からなる板(大きさ50×100mm、厚さ2m
m)に、15ppmのオゾンを溶解した15wt%硫酸
と3wt%シュウ酸との混合水溶液の電解浴にて直流2
Aで60分間陽極酸化処理を施した。なお、混合水溶液
の温度は4℃とした。得られた陽極酸化皮膜を、水洗
後、放置乾燥した。そして、陽極酸化皮膜の厚さを測定
した。その結果を表3に示す。
【0046】(比較例10)電解浴を15wt%硫酸と
3wt%シュウ酸との混合水溶液とし、その他は実施例
8と同様に処理した。得られた陽極酸化皮膜の厚さを測
定した。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3から明らかなように、実施例7,8で
は、対応する比較例9,10に比して、得られた陽極酸
化皮膜の厚さが大きく、即ち、生成効率が良く、しか
も、厚さのばらつきが小さい。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、硝酸を使
用しなくても、脱脂工程において強い脱脂力を確保で
き、また、中和工程においてスマットの除去性能を向上
できる。従って、窒素に関して厳しくなった排水規制に
対応することができる。
【0050】しかも、オゾンを溶解するので、硫酸水溶
液の液量は増えない。従って、液量が増えることによっ
て処理が面倒になるのを防止できる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、酸の水溶液
の酸化力を増大できるので、陽極酸化皮膜の生成効率を
向上でき、また、陽極酸化皮膜の硬度を向上でき、更に
は、アルミニウム部材がJISの2000系、4000
系、又は7000系のものであっても、得られる陽極酸
化皮膜の透明性を向上できる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、酸の水溶液
の酸化力を増大できるので、アルミニウムダイカスト中
又はアルミニウム鋳物中のシリコン表面に生成する高抵
抗の酸化皮膜の生成を抑制できる。従って、陽極酸化処
理時において各部に流れる電流量を略均一なものにで
き、得られる陽極酸化皮膜の厚さを均一なものにでき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K026 AA09 BA08 BB03 BB10 CA13 CA22 CA26 CA33 CA35 CA38 CA40 DA01 EA08 EA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム部材を、酸による脱脂工程
    とアルカリによるエッチング工程と酸による中和工程と
    をこの順に経ることによって前処理した後、電解処理し
    て、その表面に陽極酸化皮膜を形成する、アルマイト処
    理方法において、 下記、の方法の内、少なくとも一つを採用したこと
    を特徴とするアルマイト処理方法。 脱脂工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
    ウム部材を浸漬して行うものである、 中和工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
    ウム部材を浸漬して行うものである。
  2. 【請求項2】 アルミニウム部材を、酸の水溶液中で電
    解処理して、その表面に陽極酸化皮膜を形成する、アル
    マイト処理方法において、 酸の水溶液として、オゾンを溶解した、無機酸又は有機
    酸又はこれらの混酸の水溶液を用いることを特徴とする
    アルマイト処理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム部材を、酸による脱脂工程
    とアルカリによるエッチング工程と酸による中和工程と
    をこの順に経ることによって前処理した後、酸の水溶液
    中で電解処理して、その表面に陽極酸化皮膜を形成す
    る、アルマイト処理方法において、 アルミニウム部材がアルミニウムダイカスト又はアルミ
    ニウム鋳物であり、前処理において、下記、の方法
    の内、少なくとも一つを採用し、電解処理における酸の
    水溶液として、オゾンを溶解した、無機酸又は有機酸又
    はこれらの混酸の水溶液を用いることを特徴とするアル
    マイト処理方法。 脱脂工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
    ウム部材を浸漬して行うものである、 中和工程が、オゾンを溶解した硫酸水溶液にアルミニ
    ウム部材を浸漬して行うものである。
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