JP2001049059A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2001049059A
JP2001049059A JP22229499A JP22229499A JP2001049059A JP 2001049059 A JP2001049059 A JP 2001049059A JP 22229499 A JP22229499 A JP 22229499A JP 22229499 A JP22229499 A JP 22229499A JP 2001049059 A JP2001049059 A JP 2001049059A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレンとポリアミドに相容化剤を加
え、更に素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジ
エン化合物ブロック共重合体とエチレンとα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの共重合体を加えることによ
り、光沢が良好で柔軟かつ成形性の優れた熱可塑性樹脂
組成物が得る。 【解決手段】 下記の成分(A)〜(E)を含有し、
(A)の含有量は10〜80重量%であり、(B)の含
有量は5〜60重量%であり、(C)の含有量は5〜8
0重量%であり、(D)の含有量は5〜50重量%であ
り(ここで、(A)〜(D)の合計量を100重量%と
する。)、(E)の含有量は(A)と成分(B)を相容
化するのに十分な量であり、かつ少なくとも(A)〜
(D)を溶融混練によって混合して得られる熱可塑性樹
脂組成物。 (A):ポリプロピレン (B):ポリアミド (C):水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体 (D):エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステル
との共重合体 (E):相容化剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相容化されたポリ
プロピレンとポリアミドに水素添加されたアルケニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチ
レンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
を加えることにより、光沢が良好で柔軟かつ成形性の優
れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ポリプロピレンとポリアミド
を組み合わせてアロイは数多く検討されてきた。またポ
リプロピレンとポリアミドのアロイの衝撃強度を向上す
るには、エチレン−プロピレンゴムや無水マレイン酸で
変性したエチレン−プロピレンゴムを用いることが提案
されている。しかし、本願の目的とするような極めて柔
軟になるまでこれらのゴムを添加すると、成形性が著し
く低下したり、光沢が低下するという問題があった。即
ち、たとえばポリプロピレンにエチレンとα−オレフィ
ン共重合体をブレンドしたものでは十分な柔軟性、流動
性、光沢のすべてを満足することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、相容化されたポリプロピ
レンとポリアミドに水素添加されたアルケニル芳香族化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンと
α,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加え
ることにより、極めて柔軟でかつ光沢、成形性の優れた
熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレンとポリアミドを相容化剤を用いて溶融混練で相容
化するとともに、水素添加されたアルケニル芳香族化合
物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンと
α,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加え
て溶融混練することにより、極めて柔軟でかつ光沢、成
形性の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記の成分(A)〜
(E)を含有し、(A)の含有量は10〜80重量%で
あり、(B)の含有量は5〜60重量%であり、(C)
の含有量は5〜80重量%であり、(D)の含有量は5
〜50重量%であり(ここで、(A)〜(D)の合計量
を100重量%とする。)、(E)の含有量は(A)と
成分(B)を相容化するのに十分な量であり、かつ少な
くとも(A)〜(D)を溶融混練によって混合して得ら
れる熱可塑性樹脂組成物に係るものである。 (A):ポリプロピレン (B):ポリアミド (C):水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体 (D):エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステル
との共重合体 (E):相容化剤
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる成分(A)ポ
リプロピレンは公知の重合体であり、公知の重合方法に
よって重合される。プロピレンを重合する際、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、イソブチレン等のモノマーを一緒に重合してもよ
い。立体構造としては、アイソタクチック構造が好まし
いが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の
混ざったもの、一部アタクチック構造を含むものも用い
ることができる。
【0007】本発明においてポリプロピレン系樹脂
(A)とは、プロピレンを主体とする重合体であり、
(i)第1セグメントであるプロピレンホモポリマー部
分、第2セグメントであるプロピレン−エチレンランダ
ムコポリマー部分のプロピレン−エチレンブロックコポ
リマー、又は(ii)上記(i)のプロピレン−エチレ
ンブロックコポリマーとプロピレンホモポリマーとの混
合物である。
【0008】本発明のポリプロピレン系樹脂(A)は、
そのプロピレンホモポリマー部分のゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法による分子量分布を
表わす重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
比であるQ値が、好ましくは3.0〜5.0、より好ま
しくは3.5〜4.5である。Q値が3.0未満の場合
には流動性が悪化し、Q値が5.0を超えると剛性と衝
撃性のバランスにおいて好ましい結果が得られない場合
がある。
【0009】ここでポリプロピレン系樹脂(A)のプロ
ピレンホモポリマー部分とはプロピレン−エチレンブロ
ックコポリマー(i)の第1セグメント部分又はプロピ
レンホモポリマーの両方をさす。
【0010】次に、プロピレン−エチレンブロックコポ
リマー(i)における第2セグメントであるプロピレン
−エチレンランダムコポリマー部分は、好ましくは5〜
50重量%であり、更に好ましくは10〜30重量%で
ある。
【0011】またプロピレン−エチレンランダムコポリ
マー部分の固有粘度[η]EPは好ましくは2.0〜6.
0dl/g、更に好ましくは3.0〜6.0dl/gで
ある。また6.0dl/gをこえるとブツ部が発生し、
面品質の点において好ましい結果が得られない場合があ
る。
【0012】また、プロピレン−エチレンブロックコポ
リマー(i)において、プロピレン−エチレンランダム
コポリマー部分の全体のブロックコポリマーに対する重
量比率Xは、プロピレンホモポリマー部分と全体のブロ
ックコポリマーの各々の結晶融解熱量を測定することに
より、次式から計算で求めることができる。 X=1−(ΔHf)T /(ΔHf)P (ΔHf)T :ブロックコポリマー全体の融解熱量
(cal/g) (ΔHf)P :プロピレンホモポリマー部分の融解熱
量(cal/g) プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分のエチレ
ン含量は、赤外線吸収スペクトル法によりブロックコポ
リマー全体のエチレン含量を重量%で測定し、次式から
計算で求めることができる。 (C2')EP=(C2')T /X (C2')T :全体のブロックコポリマーのエチレン含
量(重量%) (C2')EP:プロピレン−エチレンランダムコポリマー
部分のエチレン含量(重量%)
【0013】更に、プロピレン−エチレンブロックコポ
リマー(i)において、プロピレン−エチレンランダム
コポリマー部分の固有粘度[η]EPは、ホモポリマー部
分と全体のブロックコポリマーの各々の固有粘度を測定
することにより次式から計算で求めることができる。 [η]EP=[η]T /X−(1/X−1)[η]P [η]P :プロピレンホモポリマー部分の固有粘度
(dl/g) [η]T :ブロックコポリマー全体の固有粘度(dl
/g)
【0014】耐衝撃性が特に要求される用途に用いられ
る場合、ポリプロピレン系樹脂は、第1工程で重合され
た第1セグメントである結晶性プロピレンホモポリマー
部分と第2工程で重合された第2セグメントであるプロ
ピレン−エチレンランダムコポリマー部分からなるプロ
ピレン−エチレンブロックコポリマーを用いることが好
ましい。
【0015】該ブロックコポリマーはスラリー重合法及
び気相重合法等によって製造が可能である。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する成
分の(B)は、ポリアミドである。本発明に用いられる
ポリアミドとは、ラクタムあるいはアミノカルボン酸の
重合及び等モル量の炭素原子4〜12個を含む飽和脂肪
族ジカルボン酸と炭素原子2〜12個を含む脂肪族ジア
ミンとの結合により製造することができるホモポリアミ
ド及びコポリアミド等から選ばれた1種又は2種以上の
ポリアミド樹脂である。重合の際に所望に応じてジアミ
ンを過剰に用いてポリアミド中のカルボキシル末端基よ
りアミン末端基を過剰に与えることができる。逆に、過
剰の二塩基性酸を用いてポリアミドのカルボキシル基末
端基がアミン末端基より過剰になるよう調整することも
できる。同様に、これらのポリアミドを該酸及びアミン
の酸生成及びアミン生成誘導体、たとえばエステル、酸
塩化物、アミン塩などからも良好に製造することができ
る。このポリアミドを製造するために用いる代表的な脂
肪族ジカルボン酸にはアジピン酸、ピメリン酸、アゼラ
イン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸
が含まれ、一方代表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチ
レンジアミン及びオクタメチレンジアミンが含まれる。
加えて、これらのポリアミドはラクタムの自己縮合によ
り製造することができる。
【0017】脂肪族ポリアミドの例には、ポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレ
ンアゼラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセ
バサミド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレン
ドデカノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p
−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46、ナイロン
6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン6/66)共重合体等が、またこれらのナイロンを
2種以上任意の割合で使用してもよい。
【0018】これらのポリアミドにあって好ましくはナ
イロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
1、ナイロン12などが用いられる。より好ましくは、
ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナイロ
ン66との任意の比率の混合物が用いられる。またこれ
らポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いもの、カ
ルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたもの、あ
るいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用いられ
る。
【0019】更に芳香族ポリアミドも含む。たとえばポ
リヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)の
如き芳香族成分を含有するコポリアミドである。かかる
芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミドは芳香族ア
ミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸たとえば、パラア
ミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などを主要構成成分とする溶融
重合が可能なポリアミドを意味する。
【0020】ポリアミドの他の構成成分となるジアミン
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。たとえば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネートなどである。
【0021】必要に応じて用いられる共重合成分は特に
限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4〜12個のω−
アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪族ジカ
ルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミンか
ら誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラクタム、
ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミノ酸、前
記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などとのモル塩などが利用できる。
【0022】またこれらのポリアミドは結晶性であって
も非晶性であってもよい。更にこれらのポリアミドを任
意の割合で混合してもよい。
【0023】本発明で用いられる成分(C)とは、水素
添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物
ブロック共重合体である。アルケニル芳香族化合物とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−tert―ブチルスチレン、ジフェニルスチレ
ン等のうちから1種又は2種以上が選択でき、とくにス
チレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、
たとえば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうち
から一種又は2種以上が選ばれ特にブタジエン、イソプ
レン及びこれらの組み合わせが好ましい。
【0024】ブロック共重合体において、アルケニル芳
香族化合物ブロックをA、共役ジエン化合物ブロックを
Bとすると、A−B、A−B−A、B−A−B、A−B
−A−B、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B等
種々の組み合わせであってよい。また、ブロック共重合
体を形成する、複数のアルケニル芳香族化合物ブロック
や共役ジエン化合物ブロックの分子量や組成、立体構造
は同一であっても、異なっていてもよい。特にA−B−
Aの 成分(C)がトリブロック共重合体が好ましい。
アルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共
重合体の水素添加率は共役ジエン化合物に由来する不飽
和結合の内、少なくとも50%以上水素添加が好まし
く、更に好ましくは80%以上であり、最も好ましくは
95%以上である。水素添加率が低すぎると、加工時の
熱安定性が悪く、またポリプロピレンとの相容性が悪く
好ましくない場合がある。
【0025】また、水素添加された後の共役ジエン化合
物ブロックのTgが高いほどポリプロピレンとの相容性
がよい。好ましくは−50℃以上である。また用途によ
っては−30〜−10℃が好ましい範囲である場合もあ
る。各ブロックの数平均分子量は1000以上が好まし
い。更に好ましくは5000以上である。5000以上
であると該ブロック共重合体は明確なミクロ相分離構造
を取り易くなり好ましい。
【0026】アルケニル芳香族化合物ブロックの含有率
はブロック共重合体全体の5〜40重量%が好ましく、
より好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは10
〜22重量%である。
【0027】本発明で用いられる成分(D)に係るα、
β−不飽和カルボン酸エステルとして、エチルアクリレ
ート、メチルアクリレート、2−エチルアクリレート、
ステアリルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチ
ルメタクリレート、エチルメタアクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタアクリレー
ト等のメタクリル酸エステルを例示し得る。
【0028】本発明で用いられる好ましい成分(D)と
して、エチレンとエチルアクリレートとの共重合体、エ
チレンとメチルアクリレートとの共重合体、エチレンと
メチルメタクリレートとの共重合体を例示し得る。
【0029】成分(D)はエチレンとα、β−不飽和カ
ルボン酸エステルとから公知の重合法によって製造し得
るし、また、成分(A)として公知の共重合体を使用す
ることもできる。
【0030】本発明で用いられる成分(D)中のα、β
−不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の
含有率は3〜60重量%であることが好ましく、更に好
ましくは5〜40重量%であ利、最も好ましくは10〜
30重量%である。α、β−不飽和カルボン酸エステル
に由来する繰り返し単位の含有率が3重量%未満の場合
は、本発明の組成物の柔軟性や低ヒケ性が不十分であ
り、また含有率が60重量%より大の場合は、本発明の
組成物の耐熱性が不十分である場合がある。
【0031】本発明で用いられる成分(D)のメルトイ
ンデックスは0.2〜400g/10分(測定法はAS
TM I−1238、190℃)が好ましい。このほか
に耐衝撃性の改良や柔軟性の向上のため下記のようなエ
チレン共重合体を加えてもよい、
【0032】ここでエチレンと炭素原子3個以上からな
るα−オレフィンの共重合体ゴム(a)である。炭素原
子3個以上からなるα−オレフィンとは、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等があ
げられる。また、イソブテン、1−ペンテン、2−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル
−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン等を共重合しても構わない。また、第
3成分の非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサ
ジエン等があげられる。エチレン−α−オレフィン共重
合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共
重合体ゴムから選ばれる少なくとも1つである。
【0033】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(a)におけるα−オレフィン成分としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセ
ン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等
があげられ、これらは2種以上併用してもかまわない。
これらのうち特に1−ヘキセン、1−オクテンが好まし
い。
【0034】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(a)は190℃でのMFRが0.5〜10であること
が好ましい。190℃でのMFRが10以上では衝撃強
度に関して好ましい結果が得られず、190℃でのMF
Rが0.5未満では、ポリプロピレン(A)との分散が
悪く衝撃強度に関して好ましい結果が得られない場合が
ある。
【0035】このようなエチレン−α−オレフィン系共
重合体ゴム(a)は特公昭43−13052号公報、特
開平2−77410号公報で開示されている方法、すな
わちバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物、ハロ
ゲン化エステル化合物からなるチーグラーナッタ触媒系
を用いて炭化水素のような不活性有機溶媒中でエチレン
とα−オレフィン、必要により更に第3成分として非共
役ジエンを共重合させることによって得ることができ
る。またチタン、ジルコニウム又はハフニウムに配位し
た公知のメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わ
せた触媒、いわゆるメタロセン触媒を使用してエチレン
とα−オレフィンを共重合させて得ることもできる。
【0036】本発明の成分の一である(E)は相容化剤
でありその具体例としては、下記(E1)〜(E3)を
あげることができる。 (E1):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和
基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物 (E2):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭
素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素
二重結合若しくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ
基及びメルカプト基から選ばれる官能基の両方を有し、
前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシラン
化合物 (E3):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水
素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオ
キシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライ
ド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミ
ド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれ
た少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ
化合物
【0037】(E)は、(A)成分であるポリプロピレ
ンと(B)成分であるポリアミドは元来親和性が弱いた
め、同時に溶融混練してもポリプロピレンの粒子が約1
0ミクロン以上の粒子径でしか分散せず、十分な機械的
物性を示さないという欠点を改良するために予めグラフ
ト重合するものである。
【0038】(E1)グループの相容化剤は、不飽和基
すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
と、極性基すなはちポリアミド樹脂中に含まれるアミド
結合、連鎖末端に存在するカルボキシル基、アミノ基と
親和性や、化学反応性を示す官能基を同一分子内に併せ
持つ化合物である。かかる官能基としては、カルボン酸
基、カルボン酸より誘導される基すなわちカルボキシル
基の水素原子あるいは水酸基が置換した各種の塩やエス
テル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロ
ゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニトリルなどの官能
基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、又は、イソシアン
酸エステル基などがあげられ、不飽和基と極性基を併せ
持つ化合物すなわち、不飽和カルボン酸、不飽和カルボ
ン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコー
ル、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステルが用い
られる。具体的には、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水マ
レイン酸とジアミンの反応物たとえば、式 (ただしRは脂肪族、芳香族基を示す。)などで示され
る構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジク
ロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水
イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻
実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油、椿油、オリ
ーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類、エポキシ
化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビ
ニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、
チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エ
チルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン
酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−
メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,
2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オ
クテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウ
ンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テ
トラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン
酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコ
セン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、ミコ
リペン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲ
ラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジ
エン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オ
クタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイコサジ
エン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、
リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイ
コサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコ
サトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン
酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン
酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カ
ルボン酸、あるいはこれらの不飽和カルボン酸のエステ
ル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコール、ク
ロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリル
カルビノール、メチルプロピペニルカルビノール、4−
ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オー
ル、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−
3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,
5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン
−1−オール、一般式Cn2n-5OH、Cn2n-7OH、
n2n-9OH(ただし、nは正の整数)で示されるア
ルコール、3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジ
メチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘ
キサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン
−4,5−ジオールなどの不飽和アルコール、あるいは
このような不飽和アルコールのOH基が、−NH2基に
置き換わった不飽和アミン、あるいはグリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあ
げられる。また、ブタジエン、イソプレンなどの低重合
(たとえば平均分子量が500から10000ぐらいの
もの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が10
000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類を
付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水酸
基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸アリ
ルなどがあげられる。
【0039】本発明における同一分子内に不飽和基と極
性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれる個とは、いうまでもなく、また、2種以上の特
定化合物を使うことも可能である。これらの内で、好ま
しくは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水
イタコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレ
ートが、より好ましくは無水マレイン酸、フマール酸が
用いられる。
【0040】(E2)グループの相容化剤は、分子構造
中に、ア)酸素の架橋を介して炭素原子に結合された少
なくとも1つのケイ素原子、及びイ)少なくともエチレ
ン性炭素−炭素二重結合若しくは炭素−炭素三重結合及
び/又はアミノ基及びメルカプト基から選ばれる官能
基、の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に結合され
ていない、シラン化合物であり、ガンマアミノプロピト
リエトキシシラン、2−(3−シクロヘキシル)エチル
トリメキシシランなどが使用できる。
【0041】(E3)グループの相容化剤は、アリファ
ティックポリカルボン酸、酸エステル又は酸アミドであ
り、一般式(R1O)mR(COOR2)n(CONR
34)l(ここで、Rは:線状又は分岐状飽和アリファ
ティック炭化水素であって2〜20個、好ましくは2〜
10個の炭素原子を有するものであり、 R1は水素、ア
ルキル基、アリール基、アシル基、又はカルボニルジオ
キシ基で特に好ましくは水素であり、R2は水素、アル
キル基、又はアリール基で炭素数1〜20、好ましくは
1〜10であり、R3及びR4は水素、アルキル基、又は
アリール基で炭素数1〜10、好ましくは1〜6、更に
好ましくは1〜4であり、m=1であり、n+lは2以
上の整数、好ましくは2又は3であり、nは0以上の整
数であり、lは0以上の整数であり、(R1O)はカル
ボニル基のα位又はβ位に位置し、少なくとも2つのカ
ルボニル基の間には、2〜6個の炭素が存在するもので
ある。)によって表される飽和脂肪族ポリカルボン酸及
びその誘導体化合物。(具体的には、飽和脂肪族ポリカ
ルボン酸のエステル化合物、アミド化合物、無水物、水
加物及び塩などを示す。飽和脂肪族ポリカルボン酸とし
て、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸などである。こ
れらの化合物の詳細は、公表特許公報昭61−5021
95号公報に開示されている。)
【0042】しかし、本発明における相容性改良剤は、
ここに例示した化合物に限定されず、ポリプロピレンと
ポリアミドの相容性を改良する目的で使用される化合物
であればどれでもよく、単独又は複数の相容化剤を同時
に使用してもよい。なお、(D)しては、ポリプロピレ
ンとの反応性や経済性の観点から、無水マレイン酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ
酸からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
また、相容化剤をグラフトする際はラジカル開始剤を併
用する方が好ましい。ラジカル開始剤を使用することに
よりグラフト効率を向上させることができる。ここで使
用されるラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、
有機ペルエステル及びアゾ化合物など公知のラジカル開
始剤を使用することができる。ラジカル開始剤を使用す
る場合に、この使用量は未変性のポリプロピレン100
重量部に対して、通常は0.01〜20重量部である。
【0043】成分(A)記載のポリプロピレンにこのよ
うな相容化剤をグラフト重合させる方法の例としては、
ポリプロピレンを溶媒に懸濁もしくは溶解させて、この
懸濁液もしくは溶液にグラフト変性剤を添加してグラフ
ト反応させる方法(溶液法)、及び、ポリプロピレンと
グラフト変性剤との混合物を溶融させながらグラフト反
応させる方法(溶融法)等を挙げることができる。また
これらのグラフト重合を予め行っておいて、残りの成分
(B)、(C)、(D)を溶融混練プロセスで混ぜ合わ
せてもよい。溶融混練法でグラフト重合を行なう場合
は、ひとつの混練機を用いて連続した工程で残りの成分
(B)、(C)、(D)を混ぜ合わせ方法が経済的には
有利である。また成分(B)以外の成分は成分(A)に
相容化剤(E)を溶融混練でグラフトする際に一緒に混
練してもよい。
【0044】本発明の樹脂組成物は、上記の成分(A)
〜(E)を含有し、(A)の含有量は10〜80重量%
であり、(B)の含有量は5〜60重量%であり、
(C)の含有量は5〜80重量%であり、(D)の含有
量は5〜50重量%であり、(E)の含有量は(A)成
分と(B)成分を相容化させるのに十分な量である。好
ましくは、(A)の含有量は10〜70重量%であり、
(B)の含有量は10〜50重量%であり、(C)の含
有量は10〜70重量%であり、(D)の含有量は7〜
40重量%であり、更に好ましくは(A)の含有量は1
0〜50重量%であり、(B)の含有量は15〜45重
量%であり、(C)の含有量は15〜55重量%であ
り、(D)の含有量は10〜35重量%である。なお、
(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。(A)
が過少であると吸水剛性が低くなり、一方(A)が過多
であると柔軟性が悪くなる。(B)が過少であると流動
性が悪くなり、一方(B)が過多であると吸水剛性が低
くなる。(C)が過少であると柔軟性が悪くなる。一方
(C)が過多であると光沢が低下する。(D)が過多で
あると耐熱性が低下し、過少であると流動性、光沢、耐
候性が低下する。(E)の含有量は(A)成分と(B)
成分を相容化させるのに十分な量であるが、0.01〜
5重量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜3重量
部である。(E)の含有量が5重量%を越えると耐熱安
定性の低下や分解などによる著しい強度低下などが起こ
る場合がある。
【0045】本発明の組成物は、特に製造時、溶融混練
した後、ダイスより押し出したストランドを水浴にて冷
却した後カッテイングしてペレット得るといった方法で
製造する場合がある。この時本発明の組成物は柔軟性を
有するため、水冷だけではペレットの互着を生じ易い。
この解決のためにはシリコンオイルの添加が効果的であ
る。好ましいシリコンオイルは各種グレードのジメチル
ポリシロキサン、及びその変性物(信越シリコーン社
製、東レシリコーン社製)及び、ポリメチルフェニルシ
ロキサン、カルボキシル変性シリコーン、オレフィン変
性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリプロピレ
ングリコールで変成したポリエーテル変性シリコーン、
オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性
シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性シリ
コーン、カルボキシル変性シリコーン、α−メチルスチ
レン変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ
変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等変性され
たシロキサン結合を含有したシリコーン系オイルであ
る。
【0046】本発明の組成物は、剛性や硬度等を必要に
応じて改良するために、種々の充填剤を含むことができ
る。充填剤としてたとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アル
ミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウ
ム、マイカ、鉱物繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウ
ム・ウイスカ、マグネシウムオキシサルフェート、ガラ
スバルン、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維、
ステンレス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、カーボン
ブラックが挙げられ、本発明の組成物はこれら充填剤の
一種以上を含むことができる。
【0047】本発明の組成物はまた、種々の添加剤たと
えば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候剤を含むことも
できる。特に、成分(A)、成分(B)、成分(C)又
は成分(D)の添加剤として知られている添加剤を使用
した場合、得られる組成物の物性が更に改良されること
がある。
【0048】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、使用され
るべき樹脂成分を公知の方法で溶融混練することによて
製造され得る。溶融混練するに際しての成分の配合順序
や溶融混練順序は任意であり、たとえば、全成分を一括
して配合した後、該配合物を溶融混練する方法、全成分
のうちの幾つかの成分とその残りの成分とをそれぞれ別
々に配合し溶融混練した後、得られた該複数の混練物を
一括して更に溶融混練する方法、押出機の上流側から下
流側に沿ってフィード口を複数個有する一台の押出機に
おいて、各フィード口から各成分を順次にフィードして
該押出機中で溶融混練する方法、を例示し得る。好まし
い溶融混練方法として、2個のフィード口を有する押出
機の上流側のフィード口から相容化剤(E)を予めグラ
フトした成分(A)、成分(B)及び成分(C)をフィ
ードし、下流側のフィード口から成分(D)をフィード
する、という溶融混練方法を例示し得る。このような方
法で成分(A)〜(E)を溶融混練によって混合するの
が経済的に有利な方法である。
【0049】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性
の樹脂や樹脂組成物に一般に適用される成形法すなわち
射出成形法、押出成形法、中空成形法等の成形法よって
容易に成形することができる。本発明の組成物は、耐衝
撃性、柔軟性、耐熱性、塗膜密着性等が良好であるか
ら、その射出成形体たとえば窓枠のガラスと接触する部
分やサイドモール、マッドガード等の自動車部品として
好適に用い得る。
【0050】本発明の組成物は成分(A)と成分(D)
を連続相とし成分(B)を分散相とするモルホロジーを
有し、本発明の目的を達成すめためには、成分(B)な
る分散相粒子の径は1μm以下であることが好ましい。
【0051】
【作用】本発明において、成分(D)は柔軟性、光沢、
流動性を改良するために用いられ、成分(C)は成分
(A)と成分(D)を安定に存在させるために効果があ
ると思われる。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。使用された成分は以下の
とおりである。成分(A) PP: KS640(住友化学工業社m製 ブロックポ
リプロピレン)成分(B) PA:A1025 (ユニチカ社製 PA6)成分(C) SEBS:クレイトンG1657(シェル化学社製 ス
チレン部13重量%)成分(D) EMMA:エチレンとメチルメタクリレートとの共重合
体であって、メチルメタクリレート含量が20重量%、
メルトインデックスが20(190℃、2.16kg荷
重)のもの成分(E ) MAH:無水マレイン酸その他の成 分 PO:パーオキサイド 1,3−ビス(t−ブチルペル
オキシ−イソプロピル)−ベンゼン ADD−1:スミライザーBP101 EPR:エスプレンV0111(住友化学工業社製 E
PR) シリコンオイル:SH200 10000C/S (東レ
・ダウコーニグ社製)
【0053】参考例1相容化剤グラフトポリプロピレンの製造 PP(KS640) 100kgに対し、無水マレイン
酸を0.45kg、PO(1,3−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ−イソプロピル)−ベンゼン)を0.05k
g、スミライザーBP101を0.1kg均一に混合し
た後、二軸混練機(Werner製 ZSK−90)を
用いてシリンダー温度200℃、スクリュー回転数13
0rpmで混練し、ダイスより押出した溶融樹脂を水槽
にて冷却した後、ストランドカッターによりペレット化
して、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン(MAH
−PP)を得た。
【0054】実施例1 各成分の配合割合は、表1に示した通りである。成分
(A)に成分(E)をグラフトしたMAH−PP、成分
(B)と成分(C)を、二軸混練押出機(東芝機械社製
TEM50)の上流側の第一フィード口から投入し
て、200℃のシリンダー温度で溶融混練した後、第一
フィード口とダイスとの間に設けた下流側の第二フィー
ド口から成分(D)を投入し、上流側から送られてきた
溶融混練物と成分(D)とを溶融混練した。第二フィダ
ー口より下流側のシリンダー温度は200℃に設定し
た。ダイスより押出した溶融樹脂を水槽にて冷却した
後、ストランドカッターによりペレット化した。
【0055】実施例2 実施例1に加えて、下流側からフィードする際、成分
(D)とともにシリコンオイルを加えた以外は、実施例
1と同様に行った例である。
【0056】比較例1及び比較例2 比較例1は、成分(D)を用いないこと以外は実施例1
と同様に行った例である。比較例2は、成分(C)にか
えてエチレン−プロピレンゴム(EPR)を用いた以外
は実施例1と同様に行った例である。
【0057】試験片の作成方法及び試験法は以下のとお
りである。すなわち、得られたペレットを60℃の温度
で3時間真空乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製
IS220EN)により、シリンダー温度200℃、射
出圧力118MPa 、金型温度30℃の条件で、ペレ
ットから厚さ3.0mmの平板を成形した。メルトインデックス (以下、「MI」ともいう。単位は
dg/min) 上記ペレットを60℃の温度で3時間真空乾燥した後、
230℃、2.16kg荷重の条件下で測定して求め
た。アイゾット衝撃強度 (単位はkJ/m2) 上記厚さ3.0mmの平板を切削してアイゾット衝撃試
験用試験片(ノッチ付)を作成し、ASTM D256
に準拠して−30℃雰囲気下で試験した。曲げ弾性率 (単位はMPa)上記厚さ3.0mmの平板
を切削して曲げ試験用試験片を作成し、23℃雰囲気下
で試験した。光沢 (単位は%) 上記厚さ3.0mmの平板に入射角60°で光をあて、
正反射の強度を測定した。(単位は%) 外観については、3.0mmの平板を観察した。実施例
1〜2、比較例1〜2について表1にまとめた。
【0058】
【表1】 *1:フローマーク顕著 *2:ピーリング顕著
【0059】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、ポ
リプロピレンとポリアミドに相容化剤を加え、更に素添
加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸
エステルとの共重合体を加えることにより、光沢が良好
で柔軟かつ成形性の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 眞田 隆 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AE055 BB074 BP01Y BP02W CL01X CL03X CL05X EF036 EF046 EF076 EL036 EL146 EP016 EQ026 EU026 EX036 EX076 FD025 FD026

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)〜(E)を含有し、
    (A)の含有量は10〜80重量%であり、(B)の含
    有量は5〜60重量%であり、(C)の含有量は5〜8
    0重量%であり、(D)の含有量は5〜50重量%であ
    り(ここで、(A)〜(D)の合計量を100重量%と
    する。)、(E)の含有量は(A)と成分(B)を相容
    化するのに十分な量であり、かつ少なくとも(A)〜
    (D)を溶融混練によって混合して得られる熱可塑性樹
    脂組成物。 (A):ポリプロピレン (B):ポリアミド (C):水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役
    ジエン化合物ブロック共重合体 (D):エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステル
    との共重合体 (E):相容化剤
  2. 【請求項2】 請求項1において、成分(A)〜(E)
    を溶融混練によって混合して得られる請求項1記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(B)のポリアミドがポリアミド6
    である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(C)のアルケニル芳香族化合物ブ
    ロックの含有率がブロック共重合体全体の10〜22重
    量%である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(C)がトリブロック共重合体であ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(D)中のα、β−不飽和カルボン
    酸エステルに由来する繰り返し単位の含有率が10〜3
    0重量%である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(D)のメルトインデックスが15
    〜100g/10分である請求項1記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】 成分(E)の相容化剤が、無水マレイン
    酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸及
    びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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