JP4292636B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相容化されたポリプロピレンとポリアミドに水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加えることにより、光沢が良好で柔軟かつ成形性の優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、ポリプロピレンとポリアミドを組み合わせてアロイは数多く検討されてきた。またポリプロピレンとポリアミドのアロイの衝撃強度を向上するには、エチレン−プロピレンゴムや無水マレイン酸で変性したエチレン−プロピレンゴムを用いることが提案されている。しかし、本願の目的とするような極めて柔軟になるまでこれらのゴムを添加すると、成形性が著しく低下したり、光沢が低下するという問題があった。即ち、たとえばポリプロピレンにエチレンとα−オレフィン共重合体をブレンドしたものでは十分な柔軟性、流動性、光沢のすべてを満足することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、相容化されたポリプロピレンとポリアミドに水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加えることにより、極めて柔軟でかつ光沢、成形性の優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリプロピレンとポリアミドを相容化剤を用いて溶融混練で相容化するとともに、水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加えて溶融混練することにより、極めて柔軟でかつ光沢、成形性の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記の成分(A)〜(E)を含有し、(A)の含有量は10〜80重量%であり、(B)の含有量は5〜60重量%であり、(C)の含有量は5〜80重量%であり、(D)の含有量は5〜50重量%であり(ここで、(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。)、(E)の含有量は(A)と成分(B)を相容化するのに十分な量であり、かつ少なくとも(A)〜(D)を溶融混練によって混合して得られる熱可塑性樹脂組成物に係るものである。
(A):ポリプロピレン
(B):ポリアミド
(C):水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
(D):エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
(E):相容化剤
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる成分(A)ポリプロピレンは公知の重合体であり、公知の重合方法によって重合される。プロピレンを重合する際、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレン等のモノマーを一緒に重合してもよい。立体構造としては、アイソタクチック構造が好ましいが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の混ざったもの、一部アタクチック構造を含むものも用いることができる。
【0007】
本発明においてポリプロピレン系樹脂(A)とは、プロピレンを主体とする重合体であり、(i)第1セグメントであるプロピレンホモポリマー部分、第2セグメントであるプロピレン−エチレンランダムコポリマー部分のプロピレン−エチレンブロックコポリマー、又は(ii)上記(i)のプロピレン−エチレンブロックコポリマーとプロピレンホモポリマーとの混合物である。
【0008】
本発明のポリプロピレン系樹脂(A)は、そのプロピレンホモポリマー部分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量分布を表わす重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比であるQ値が、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜4.5である。Q値が3.0未満の場合には流動性が悪化し、Q値が5.0を超えると剛性と衝撃性のバランスにおいて好ましい結果が得られない場合がある。
【0009】
ここでポリプロピレン系樹脂(A)のプロピレンホモポリマー部分とはプロピレン−エチレンブロックコポリマー(i)の第1セグメント部分又はプロピレンホモポリマーの両方をさす。
【0010】
次に、プロピレン−エチレンブロックコポリマー(i)における第2セグメントであるプロピレン−エチレンランダムコポリマー部分は、好ましくは5〜50重量%であり、更に好ましくは10〜30重量%である。
【0011】
またプロピレン−エチレンランダムコポリマー部分の固有粘度[η]EPは好ましくは2.0〜6.0dl/g、更に好ましくは3.0〜6.0dl/gである。また6.0dl/gをこえるとブツ部が発生し、面品質の点において好ましい結果が得られない場合がある。
【0012】
また、プロピレン−エチレンブロックコポリマー(i)において、プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分の全体のブロックコポリマーに対する重量比率Xは、プロピレンホモポリマー部分と全体のブロックコポリマーの各々の結晶融解熱量を測定することにより、次式から計算で求めることができる。
X=1−(ΔHf)T /(ΔHf)P
(ΔHf)T :ブロックコポリマー全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P :プロピレンホモポリマー部分の融解熱量(cal/g)
プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法によりブロックコポリマー全体のエチレン含量を重量%で測定し、次式から計算で求めることができる。
(C2')EP=(C2')T /X
(C2')T :全体のブロックコポリマーのエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分のエチレン含量(重量%)
【0013】
更に、プロピレン−エチレンブロックコポリマー(i)において、プロピレン−エチレンランダムコポリマー部分の固有粘度[η]EPは、ホモポリマー部分と全体のブロックコポリマーの各々の固有粘度を測定することにより次式から計算で求めることができる。
[η]EP=[η]T /X−(1/X−1)[η]P
[η]P :プロピレンホモポリマー部分の固有粘度(dl/g)
[η]T :ブロックコポリマー全体の固有粘度(dl/g)
【0014】
耐衝撃性が特に要求される用途に用いられる場合、ポリプロピレン系樹脂は、第1工程で重合された第1セグメントである結晶性プロピレンホモポリマー部分と第2工程で重合された第2セグメントであるプロピレン−エチレンランダムコポリマー部分からなるプロピレン−エチレンブロックコポリマーを用いることが好ましい。
【0015】
該ブロックコポリマーはスラリー重合法及び気相重合法等によって製造が可能である。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する成分の(B)は、ポリアミドである。本発明に用いられるポリアミドとは、ラクタムあるいはアミノカルボン酸の重合及び等モル量の炭素原子4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボン酸と炭素原子2〜12個を含む脂肪族ジアミンとの結合により製造することができるホモポリアミド及びコポリアミド等から選ばれた1種又は2種以上のポリアミド樹脂である。重合の際に所望に応じてジアミンを過剰に用いてポリアミド中のカルボキシル末端基よりアミン末端基を過剰に与えることができる。逆に、過剰の二塩基性酸を用いてポリアミドのカルボキシル基末端基がアミン末端基より過剰になるよう調整することもできる。同様に、これらのポリアミドを該酸及びアミンの酸生成及びアミン生成誘導体、たとえばエステル、酸塩化物、アミン塩などからも良好に製造することができる。このポリアミドを製造するために用いる代表的な脂肪族ジカルボン酸にはアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸が含まれ、一方代表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミンが含まれる。加えて、これらのポリアミドはラクタムの自己縮合により製造することができる。
【0017】
脂肪族ポリアミドの例には、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバサミド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46、ナイロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66)共重合体等が、またこれらのナイロンを2種以上任意の割合で使用してもよい。
【0018】
これらのポリアミドにあって好ましくはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが用いられる。より好ましくは、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナイロン66との任意の比率の混合物が用いられる。またこれらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いもの、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたもの、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用いられる。
【0019】
更に芳香族ポリアミドも含む。たとえばポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)の如き芳香族成分を含有するコポリアミドである。かかる芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミドは芳香族アミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸たとえば、パラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを主要構成成分とする溶融重合が可能なポリアミドを意味する。
【0020】
ポリアミドの他の構成成分となるジアミンはヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを使用することができる。またジアミンの代わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。たとえば4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどである。
【0021】
必要に応じて用いられる共重合成分は特に限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4〜12個のω−アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜12個の脂肪族ジカルボン酸、及び炭素原子2〜12個の脂肪族ジアミンから誘導される化合物、たとえば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのラクタム、又はアミノ酸、前記した各種ジアミンとアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などとのモル塩などが利用できる。
【0022】
またこれらのポリアミドは結晶性であっても非晶性であってもよい。更にこれらのポリアミドを任意の割合で混合してもよい。
【0023】
本発明で用いられる成分(C)とは、水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体である。アルケニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert―ブチルスチレン、ジフェニルスチレン等のうちから1種又は2種以上が選択でき、とくにスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから一種又は2種以上が選ばれ特にブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
【0024】
ブロック共重合体において、アルケニル芳香族化合物ブロックをA、共役ジエン化合物ブロックをBとすると、A−B、A−B−A、B−A−B、A−B−A−B、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B等種々の組み合わせであってよい。また、ブロック共重合体を形成する、複数のアルケニル芳香族化合物ブロックや共役ジエン化合物ブロックの分子量や組成、立体構造は同一であっても、異なっていてもよい。特にA−B−Aの 成分(C)がトリブロック共重合体が好ましい。アルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加率は共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の内、少なくとも50%以上水素添加が好ましく、更に好ましくは80%以上であり、最も好ましくは95%以上である。水素添加率が低すぎると、加工時の熱安定性が悪く、またポリプロピレンとの相容性が悪く好ましくない場合がある。
【0025】
また、水素添加された後の共役ジエン化合物ブロックのTgが高いほどポリプロピレンとの相容性がよい。好ましくは−50℃以上である。また用途によっては−30〜−10℃が好ましい範囲である場合もある。各ブロックの数平均分子量は1000以上が好ましい。更に好ましくは5000以上である。5000以上であると該ブロック共重合体は明確なミクロ相分離構造を取り易くなり好ましい。
【0026】
アルケニル芳香族化合物ブロックの含有率はブロック共重合体全体の5〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは10〜22重量%である。
【0027】
本発明で用いられる成分(D)に係るα、β−不飽和カルボン酸エステルとして、エチルアクリレート、メチルアクリレート、2−エチルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタアクリレート等のメタクリル酸エステルを例示し得る。
【0028】
本発明で用いられる好ましい成分(D)として、エチレンとエチルアクリレートとの共重合体、エチレンとメチルアクリレートとの共重合体、エチレンとメチルメタクリレートとの共重合体を例示し得る。
【0029】
成分(D)はエチレンとα、β−不飽和カルボン酸エステルとから公知の重合法によって製造し得るし、また、成分(A)として公知の共重合体を使用することもできる。
【0030】
本発明で用いられる成分(D)中のα、β−不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有率は3〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜40重量%であ利、最も好ましくは10〜30重量%である。α、β−不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有率が3重量%未満の場合は、本発明の組成物の柔軟性や低ヒケ性が不十分であり、また含有率が60重量%より大の場合は、本発明の組成物の耐熱性が不十分である場合がある。
【0031】
本発明で用いられる成分(D)のメルトインデックスは0.2〜400g/10分(測定法はASTM I−1238、190℃)が好ましい。
このほかに耐衝撃性の改良や柔軟性の向上のため下記のようなエチレン共重合体を加えてもよい、
【0032】
ここでエチレンと炭素原子3個以上からなるα−オレフィンの共重合体ゴム(a)である。炭素原子3個以上からなるα−オレフィンとは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等があげられる。また、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等を共重合しても構わない。また、第3成分の非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等があげられる。エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも1つである。
【0033】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a)におけるα−オレフィン成分としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等があげられ、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち特に1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
【0034】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a)は190℃でのMFRが0.5〜10であることが好ましい。190℃でのMFRが10以上では衝撃強度に関して好ましい結果が得られず、190℃でのMFRが0.5未満では、ポリプロピレン(A)との分散が悪く衝撃強度に関して好ましい結果が得られない場合がある。
【0035】
このようなエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a)は特公昭43−13052号公報、特開平2−77410号公報で開示されている方法、すなわちバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物、ハロゲン化エステル化合物からなるチーグラーナッタ触媒系を用いて炭化水素のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィン、必要により更に第3成分として非共役ジエンを共重合させることによって得ることができる。またチタン、ジルコニウム又はハフニウムに配位した公知のメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、いわゆるメタロセン触媒を使用してエチレンとα−オレフィンを共重合させて得ることもできる。
【0036】
本発明の成分の一である(E)は相容化剤でありその具体例としては、下記(E1)〜(E3)をあげることができる。
(E1):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物
(E2):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合若しくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から選ばれる官能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシラン化合物
(E3):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオキシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれた少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物
【0037】
(E)は、(A)成分であるポリプロピレンと(B)成分であるポリアミドは元来親和性が弱いため、同時に溶融混練してもポリプロピレンの粒子が約10ミクロン以上の粒子径でしか分散せず、十分な機械的物性を示さないという欠点を改良するために予めグラフト重合するものである。
【0038】
(E1)グループの相容化剤は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合と、極性基すなはちポリアミド樹脂中に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を同一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基としては、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すなわちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換した各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニトリルなどの官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、又は、イソシアン酸エステル基などがあげられ、不飽和基と極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステルが用いられる。具体的には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンの反応物たとえば、式
(ただしRは脂肪族、芳香族基を示す。)などで示される構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類、エポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、ミコリペン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらの不飽和カルボン酸のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、一般式CnH2n-5OH、CnH2n-7OH、CnH2n-9OH(ただし、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコール、あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、−NH2基に置き換わった不飽和アミン、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。また、ブタジエン、イソプレンなどの低重合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらいのもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸アリルなどがあげられる。
【0039】
本発明における同一分子内に不飽和基と極性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も含まれる個とは、いうまでもなく、また、2種以上の特定化合物を使うことも可能である。これらの内で、好ましくは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレートが、より好ましくは無水マレイン酸、フマール酸が用いられる。
【0040】
(E2)グループの相容化剤は、分子構造中に、ア)酸素の架橋を介して炭素原子に結合された少なくとも1つのケイ素原子、及びイ)少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合若しくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から選ばれる官能基、の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に結合されていない、シラン化合物であり、ガンマアミノプロピトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキシル)エチルトリメキシシランなどが使用できる。
【0041】
(E3)グループの相容化剤は、アリファティックポリカルボン酸、酸エステル又は酸アミドであり、一般式(R1O)mR(COOR2)n(CONR3R4)l(ここで、Rは:線状又は分岐状飽和アリファティック炭化水素であって2〜20個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するものであり、 R1は水素、アルキル基、アリール基、アシル基、又はカルボニルジオキシ基で特に好ましくは水素であり、R2は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜20、好ましくは1〜10であり、R3及びR4は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1〜10、好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4であり、m=1であり、n+lは2以上の整数、好ましくは2又は3であり、nは0以上の整数であり、lは0以上の整数であり、(R1O)はカルボニル基のα位又はβ位に位置し、少なくとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個の炭素が存在するものである。)によって表される飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体化合物。(具体的には、飽和脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合物、アミド化合物、無水物、水加物及び塩などを示す。飽和脂肪族ポリカルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸などである。これらの化合物の詳細は、公表特許公報昭61−502195号公報に開示されている。)
【0042】
しかし、本発明における相容性改良剤は、ここに例示した化合物に限定されず、ポリプロピレンとポリアミドの相容性を改良する目的で使用される化合物であればどれでもよく、単独又は複数の相容化剤を同時に使用してもよい。なお、(D)しては、ポリプロピレンとの反応性や経済性の観点から、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。また、相容化剤をグラフトする際はラジカル開始剤を併用する方が好ましい。ラジカル開始剤を使用することによりグラフト効率を向上させることができる。ここで使用されるラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル及びアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用することができる。ラジカル開始剤を使用する場合に、この使用量は未変性のポリプロピレン100重量部に対して、通常は0.01〜20重量部である。
【0043】
成分(A)記載のポリプロピレンにこのような相容化剤をグラフト重合させる方法の例としては、ポリプロピレンを溶媒に懸濁もしくは溶解させて、この懸濁液もしくは溶液にグラフト変性剤を添加してグラフト反応させる方法(溶液法)、及び、ポリプロピレンとグラフト変性剤との混合物を溶融させながらグラフト反応させる方法(溶融法)等を挙げることができる。またこれらのグラフト重合を予め行っておいて、残りの成分(B)、(C)、(D)を溶融混練プロセスで混ぜ合わせてもよい。溶融混練法でグラフト重合を行なう場合は、ひとつの混練機を用いて連続した工程で残りの成分(B)、(C)、(D)を混ぜ合わせ方法が経済的には有利である。また成分(B)以外の成分は成分(A)に相容化剤(E)を溶融混練でグラフトする際に一緒に混練してもよい。
【0044】
本発明の樹脂組成物は、上記の成分(A)〜(E)を含有し、(A)の含有量は10〜80重量%であり、(B)の含有量は5〜60重量%であり、(C)の含有量は5〜80重量%であり、(D)の含有量は5〜50重量%であり、(E)の含有量は(A)成分と(B)成分を相容化させるのに十分な量である。好ましくは、(A)の含有量は10〜70重量%であり、(B)の含有量は10〜50重量%であり、(C)の含有量は10〜70重量%であり、(D)の含有量は7〜40重量%であり、更に好ましくは(A)の含有量は10〜50重量%であり、(B)の含有量は15〜45重量%であり、(C)の含有量は15〜55重量%であり、(D)の含有量は10〜35重量%である。なお、(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。(A)が過少であると吸水剛性が低くなり、一方(A)が過多であると柔軟性が悪くなる。(B)が過少であると流動性が悪くなり、一方(B)が過多であると吸水剛性が低くなる。(C)が過少であると柔軟性が悪くなる。一方(C)が過多であると光沢が低下する。(D)が過多であると耐熱性が低下し、過少であると流動性、光沢、耐候性が低下する。(E)の含有量は(A)成分と(B)成分を相容化させるのに十分な量であるが、0.01〜5重量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜3重量部である。(E)の含有量が5重量%を越えると耐熱安定性の低下や分解などによる著しい強度低下などが起こる場合がある。
【0045】
本発明の組成物は、特に製造時、溶融混練した後、ダイスより押し出したストランドを水浴にて冷却した後カッテイングしてペレット得るといった方法で製造する場合がある。この時本発明の組成物は柔軟性を有するため、水冷だけではペレットの互着を生じ易い。この解決のためにはシリコンオイルの添加が効果的である。好ましいシリコンオイルは各種グレードのジメチルポリシロキサン、及びその変性物(信越シリコーン社製、東レシリコーン社製)及び、ポリメチルフェニルシロキサン、カルボキシル変性シリコーン、オレフィン変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールで変成したポリエーテル変性シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、α−メチルスチレン変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含有したシリコーン系オイルである。
【0046】
本発明の組成物は、剛性や硬度等を必要に応じて改良するために、種々の充填剤を含むことができる。充填剤としてたとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、鉱物繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウム・ウイスカ、マグネシウムオキシサルフェート、ガラスバルン、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維、ステンレス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、カーボンブラックが挙げられ、本発明の組成物はこれら充填剤の一種以上を含むことができる。
【0047】
本発明の組成物はまた、種々の添加剤たとえば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候剤を含むこともできる。特に、成分(A)、成分(B)、成分(C)又は成分(D)の添加剤として知られている添加剤を使用した場合、得られる組成物の物性が更に改良されることがある。
【0048】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、使用されるべき樹脂成分を公知の方法で溶融混練することによて製造され得る。溶融混練するに際しての成分の配合順序や溶融混練順序は任意であり、たとえば、全成分を一括して配合した後、該配合物を溶融混練する方法、全成分のうちの幾つかの成分とその残りの成分とをそれぞれ別々に配合し溶融混練した後、得られた該複数の混練物を一括して更に溶融混練する方法、押出機の上流側から下流側に沿ってフィード口を複数個有する一台の押出機において、各フィード口から各成分を順次にフィードして該押出機中で溶融混練する方法、を例示し得る。好ましい溶融混練方法として、2個のフィード口を有する押出機の上流側のフィード口から相容化剤(E)を予めグラフトした成分(A)、成分(B)及び成分(C)をフィードし、下流側のフィード口から成分(D)をフィードする、という溶融混練方法を例示し得る。このような方法で成分(A)〜(E)を溶融混練によって混合するのが経済的に有利な方法である。
【0049】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性の樹脂や樹脂組成物に一般に適用される成形法すなわち射出成形法、押出成形法、中空成形法等の成形法よって容易に成形することができる。本発明の組成物は、耐衝撃性、柔軟性、耐熱性、塗膜密着性等が良好であるから、その射出成形体たとえば窓枠のガラスと接触する部分やサイドモール、マッドガード等の自動車部品として好適に用い得る。
【0050】
本発明の組成物は成分(A)と成分(D)を連続相とし成分(B)を分散相とするモルホロジーを有し、本発明の目的を達成すめためには、成分(B)なる分散相粒子の径は1μm以下であることが好ましい。
【0051】
【作用】
本発明において、成分(D)は柔軟性、光沢、流動性を改良するために用いられ、成分(C)は成分(A)と成分(D)を安定に存在させるために効果があると思われる。
【0052】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。使用された成分は以下のとおりである。
成分(A)
PP: KS640(住友化学工業社m製 ブロックポリプロピレン)
成分(B)
PA:A1025 (ユニチカ社製 PA6)
成分(C)
SEBS:クレイトンG1657(シェル化学社製 スチレン部13重量%)
成分(D)
EMMA:エチレンとメチルメタクリレートとの共重合体であって、メチルメタクリレート含量が20重量%、メルトインデックスが20(190℃、2.16kg荷重)のもの
成分(E)
MAH:無水マレイン酸
その他の成分
PO:パーオキサイド 1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
ADD−1:スミライザーBP101
EPR:エスプレンV0111(住友化学工業社製 EPR)
シリコンオイル:SH200 10000C/S (東レ・ダウコーニグ社製)
【0053】
参考例1
相容化剤グラフトポリプロピレンの製造
PP(KS640) 100kgに対し、無水マレイン酸を0.45kg、PO(1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)−ベンゼン)を0.05kg、スミライザーBP101を0.1kg均一に混合した後、二軸混練機(Werner製 ZSK−90)を用いてシリンダー温度200℃、スクリュー回転数130rpmで混練し、ダイスより押出した溶融樹脂を水槽にて冷却した後、ストランドカッターによりペレット化して、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン(MAH−PP)を得た。
【0054】
実施例1
各成分の配合割合は、表1に示した通りである。成分(A)に成分(E)をグラフトしたMAH−PP、成分(B)と成分(C)を、二軸混練押出機(東芝機械社製 TEM50)の上流側の第一フィード口から投入して、200℃のシリンダー温度で溶融混練した後、第一フィード口とダイスとの間に設けた下流側の第二フィード口から成分(D)を投入し、上流側から送られてきた溶融混練物と成分(D)とを溶融混練した。第二フィダー口より下流側のシリンダー温度は200℃に設定した。ダイスより押出した溶融樹脂を水槽にて冷却した後、ストランドカッターによりペレット化した。
【0055】
実施例2
実施例1に加えて、下流側からフィードする際、成分(D)とともにシリコンオイルを加えた以外は、実施例1と同様に行った例である。
【0056】
比較例1及び比較例2
比較例1は、成分(D)を用いないこと以外は実施例1と同様に行った例である。比較例2は、成分(C)にかえてエチレン−プロピレンゴム(EPR)を用いた以外は実施例1と同様に行った例である。
【0057】
試験片の作成方法及び試験法は以下のとおりである。すなわち、得られたペレットを60℃の温度で3時間真空乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製 IS220EN)により、シリンダー温度200℃、射出圧力118MPa 、金型温度30℃の条件で、ペレットから厚さ3.0mmの平板を成形した。
メルトインデックス(以下、「MI」ともいう。単位はdg/min)
上記ペレットを60℃の温度で3時間真空乾燥した後、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定して求めた。
アイゾット衝撃強度(単位はkJ/m2)
上記厚さ3.0mmの平板を切削してアイゾット衝撃試験用試験片(ノッチ付)を作成し、ASTM D256に準拠して−30℃雰囲気下で試験した。
曲げ弾性率(単位はMPa)上記厚さ3.0mmの平板を切削して曲げ試験用試験片を作成し、23℃雰囲気下で試験した。
光沢(単位は%)
上記厚さ3.0mmの平板に入射角60°で光をあて、正反射の強度を測定した。(単位は%)
外観については、3.0mmの平板を観察した。
実施例1〜2、比較例1〜2について表1にまとめた。
【0058】
【表1】
*1:フローマーク顕著
*2:ピーリング顕著
【0059】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、ポリプロピレンとポリアミドに相容化剤を加え、更に素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とエチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を加えることにより、光沢が良好で柔軟かつ成形性の優れた熱可塑性樹脂組成物が得られた。
Claims (8)
- 下記の成分(A)〜(E)を含有し、(A)の含有量は10〜80重量%であり、(B)の含有量は5〜60重量%であり、(C)の含有量は5〜80重量%であり、(D)の含有量は5〜50重量%であり(ここで、(A)〜(D)の合計量を100重量%とする。)、(E)の含有量は(A)と成分(B)を相容化するのに十分な量であり、かつ少なくとも(A)〜(D)を溶融混練によって混合して得られる熱可塑性樹脂組成物。
(A):ポリプロピレン
(B):ポリアミド
(C):水素添加されたアルケニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
(D):エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体
(E):相容化剤 - 請求項1において、成分(A)〜(E)を溶融混練によって混合して得られる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(B)のポリアミドがポリアミド6である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(C)のアルケニル芳香族化合物ブロックの含有率がブロック共重合体全体の10〜22重量%である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(C)がトリブロック共重合体である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(D)中のα、β−不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位の含有率が10〜30重量%である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(D)のメルトインデックスが15〜100g/10分である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 成分(E)の相容化剤が、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クエン酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
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