JP2001048591A - 表面撥水性ガラス及びその製造方法 - Google Patents

表面撥水性ガラス及びその製造方法

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JP2001048591A
JP2001048591A JP11219760A JP21976099A JP2001048591A JP 2001048591 A JP2001048591 A JP 2001048591A JP 11219760 A JP11219760 A JP 11219760A JP 21976099 A JP21976099 A JP 21976099A JP 2001048591 A JP2001048591 A JP 2001048591A
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glass
fluorocarbon
water
film
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Katsuyoshi Tadenuma
克嘉 蓼沼
Hideo Hashimoto
秀夫 橋本
Motoharu Otsuka
基治 大塚
Tatsushi Sato
達志 佐藤
Yuji Morisawa
祐二 森澤
Masaaki Sakai
将章 酒井
Masayuki Kawamura
正行 川村
Katsuhiro Iso
勝弘 磯
Satoshi Terakado
郷士 寺門
Hitoshi Terunuma
仁 照沼
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KYODO KUMIAI IBARAKI KINOSEI G
KYODO KUMIAI IBARAKI KINOSEI GLASS KENKYUKAI
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KYODO KUMIAI IBARAKI KINOSEI G
KYODO KUMIAI IBARAKI KINOSEI GLASS KENKYUKAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い撥水性を得ることができ、しかもガラス
基材の表面の物理的性質を変えずに、その表面に撥水性
を付与する。 【解決手段】 ガラス基材の表面にフルオロカーボンの
重合膜を形成する。このような撥水性ガラスは、ガラス
基材の表面にフルオロカーボンの希薄ガスを導入すると
共に、ガラス基材の表面をプラズマ状態に保持し、同表
面にフルオロカーボンのプラズマ重合膜を形成すること
により得られる。ガラス基材の表面に形成されたフルオ
ロカーボンのプラズマ重合膜は、基本的に単分子膜であ
り、分子がガラス基材の表面に化学結合すると共に、ガ
ラス基材の表面方向に分子が化学結合し、重合膜を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基材の表面
にフルオロカーボンの重合膜を形成し、ガラス基材の表
面に撥水性を付与することにより、透明で且つ長期間安
定して表面の撥水性を維持できる表面撥水性ガラスとそ
の製造方法に関する。特に、表面のエネルギーの指数で
ある水滴の接触角が100゜以上を示す表面撥水性ガラ
スとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】板ガラスは、透光性が高い、化学的に安
定である、或は硬度が高い等の有用な性質のため広汎に
使用されているが、水に対する濡れ性や親和性というガ
ラス固有の表面性質により、使用条件下によっては、透
視性が悪くなる等の問題がある。さらに、ある種の物
質、例えばフッ酸やアルカリ等に腐食されやすいという
ガラス材料表面固有の問題がある。
【0003】こうしたガラス材料の表面性質の改善のた
め、これまで種々の表面処理技術が知られている。例え
ば、代表的なものとしては、フッ素系重合体あるいは他
の有機化合物との共重合体を表面に塗膜する方法やプラ
ズマ重合によってフッ素系樹脂の被膜を表面に形成する
方法が知られている。さらには、フッ素樹脂(商品名:
テフロン)の被膜をコーティングする場合に、下地との
接着性を良くする目的でプラズマやその他の方法によっ
て下地表面を処理して接着させる方法等が知られてい
る。
【0004】しかし、前記従来の処理方法により、材料
表面に形成されるフッ素系重合体や共重合体は材料表面
と化学的に結合していない。しかも、このような表面処
理方法によるコーティング膜は、材料表面特性を向上さ
せるため、あるいは表面コーティング膜の耐久性を向上
するためには、そのコーティング膜の膜厚を或る程度厚
くする必要があった。
【0005】しかし、このようなコーティング膜により
表面処理された材料は、その材料表面特有の性質を失っ
てしまう。例えば、ガラスの場合、その透光性が失われ
る等、機能の一部の低下をもたらす。そこで本件発明者
は、この課題を解消するため、ガラス基材の表面に、フ
ルオロカーボンガスに電磁波等を照射することにより発
生するフルオロカーボンラジカルをガラス基材の表面に
接触させ、ガラス基材の表面にフルオロカーボン基を化
学結合させて、ガラス基材の表面の撥水性を付与する手
段を提案した。(特開平4−48075号公報)
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】前記の手段では、
ガラス基材の表面にフルオロカーボン基を化学結合させ
ることができ、これによりガラス基材の表面の物理的性
質を変えずに、その表面に撥水性を付与することができ
る。しかし、この処理により得られるガラス基材の表面
の撥水性は、その表面のエネルギー指標となる水滴の接
触角θが高くても100゜前後であり、その撥水性は必
ずしも十分ではない。
【0007】そこで本発明は、ガラス基材の表面に、よ
り高いエネルギーが付与され、高い撥水性を得ることが
でき、しかもガラス基材の表面の物理的性質を変えず
に、その表面に撥水性を付与することができる撥水性ガ
ラスとその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、ガラス基材の表面にフルオロカーボン
の重合膜を形成した。このようなフルオロカーボンの重
合膜は、ガラス基材の表面にフルオロカーボンの希薄ガ
スを導入すると共に、ガラス基材の表面をプラズマ状態
に保持することにより、ガラス基材の表面上にフルオロ
カーボンのプラズマ重合膜を生成することにより形成で
きる。
【0009】すなわち、本発明による撥水性ガラスは、
ガラス基材の表面にフルオロカーボンの重合膜を形成し
たものである。このような撥水性ガラスは、ガラス基材
の表面にフルオロカーボンの希薄ガスを導入すると共
に、ガラス基材の表面をプラズマ状態に保持し、同表面
にフルオロカーボンのプラズマ重合膜を形成することに
より得られる。
【0010】このようにしてガラス基材の表面に形成さ
れたフルオロカーボンのプラズマ重合膜は、基本的に単
分子膜であり、分子がガラス基材の表面に化学結合する
と共に、ガラス基材の表面方向に分子が化学結合し、重
合膜を構成する。従って、透明であり、化学的、熱的に
安定しており、熱や電磁波等を加えても容易に分離しな
い。さらに、ガラス基材の表面方向に分子が化学結合
し、重合膜を構成していることにより、緻密で高い撥水
性が得られる。
【0011】前記のように、フルオロカーボンの重合膜
は、単分子層であるが、ガラス基材の表面に異なる種類
のフルオロカーボンの重合膜を順次形成し、フルオロカ
ーボンの複合重合膜を形成してもよい。すなわち、プラ
ズマ状態に保持したガラス基材の表面に異なる種類のフ
ルオロカーボンの希薄ガスを順次導入し、ガラス基材の
表面に異なる種類のフルオロカーボンの複合重合膜を形
成する。これにより、単一のフルオロカーボンの重合膜
を形成したのに比べ、より高い撥水性が得られる。
【0012】また、ガラス基材の表面を、完全に平滑な
状態でなく、表面の平均粗さRaを0.06〜0.6μ
mに粗化することにより、さらに高い撥水機能性を付与
できる。すなわち、フルオロカーボンのプラズマ重合膜
を形成する前に、ガラス基材の表面を平均粗さRaが
0.06〜0.6μmに粗化しておく。ガラス基材の表
面を粗化することにより、その表面積が増大することに
よって、フルオロカーボンの重合膜の定着性が良好とな
り、しかもその表面に水滴が付着した際に水滴とガラス
基板との間に空気層が存在することにより高い撥水状態
が得られることになる。その効果は、ガラス基材の平均
表面粗さRaが0.06μm以上で現れる。しかし、ガ
ラス基材の平均表面粗さRaが0.6μmを越えると、
ガラス基材の透明性が低下し、ガラス基材特有の表面状
態が得られにくい。
【0013】さらに、フルオロカーボンの重合膜は、ガ
ラス基材の表面に形成したシリコン膜上に形成すること
もできる。すなわち、予めガラス基材の表面にシリコン
膜を形成し、その上にフルオロカーボンの重合膜を形成
する。また、フルオロカーボンの重合膜を、シリコン膜
を挟んで2層形成することもできる。すなわち、予めガ
ラス基材の表面に第一のフルオロカーボンの重合膜を形
成し、その上にシリコン膜を形成し、その上にさらに同
一種類または異なる種類のフルオロカーボンの重合膜を
形成する。このようなガラス基材の表面は、フルオロカ
ーボンの重合膜とシリコン膜との併用により、高い撥水
性が付与される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1の(a)は、板状のガラス基材の初期表面状態を示
している。このガラス基材の表面は、水に対する濡れ性
が大きいため、その表面のエネルギー指標となる水滴の
表面張力によって形成されるガラス基材の表面に対する
接触角θは小さい。一般に表面平滑なソーダガラスから
なるガラス基材の表面では、水滴の接触角θは、20〜
30゜程度である。この水滴の接触角θは、市販の接触
角測定器で測定することができる。
【0015】次に、このガラス基材の初期表面にフルオ
ロカーボンの重合膜を形成するが、図1の(b)に示す
ように、その前にガラス基材の表面を削って粗化してい
る。ガラス基材の表面の粗化は、ダイヤモンド研削砥石
等を使用して行うことができる。粒度#150メッシュ
の研削砥石を使うと、ソーダガラスで平均表面粗さが概
ね2.9μmとなる。これにエッチングを併用すると、
平均表面粗さは概ね1.9μmとなる。この程度の比較
的大きな平均表面粗さでは、ガラス基材の表面の透明性
は失われてしまう。
【0016】粒度#800メッシュの研削砥石を使う
と、ソーダガラスの平均表面粗さが概ね0.59μm、
パイレックスガラスの平均表面粗さが概ね0.57μm
となる。この程度の平均表面粗さでは、ガラス基材の表
面の透明性は概ね維持される。
【0017】粒度#3000メッシュの研削砥石を使う
と、ソーダガラスの平均表面粗さが概ね0.19μm、
パイレックスガラスの平均表面粗さが概ね0.21μm
となる。これにエッチングを併用すると、ソーダガラス
の平均表面粗さは概ね0.26μmとなる。また、ハー
フミラー加工を併用すると、ソーダガラスの平均表面粗
さが概ね0.07μm、パイレックスガラスの平均表面
粗さが概ね0.09μmとなる。
【0018】このガラス基材の表面へのフルオロカーボ
ンの重合膜の形成は、プラズマCVD法を使用して形成
することができる。例えば図3は、プラズマCVD法に
より、板状のガラス基材3上にフルオロカーボンの重合
膜を形成する高周波プラズマCVD装置の例である。
【0019】真空チャンバ1は、予め真空ポンプ9によ
り0.5Torr程度に減圧しておく。ガラス基材3を
ロードロックポート6側から真空チャンバ1内に導入
し、真空チャンバ1内に設けたテーブル2の上に載せ
る。高周波電源11により真空チャンバ1の周囲に設け
た高周波コイル12に100W程度の高周波電流を流
し、真空チャンバ1内をプラズマ放電空間に保持してお
く。他方、マスフローコントローラ7で流量を調整しな
がら、原料ガスタンク8から真空チャンバ1内に25m
l/min程度の流量で原料ガスであるフルオロカーボ
ンガスを導入し、真空チャンバ1内をフルオロカーボン
ガスの希薄ガス雰囲気とする。
【0020】また、ケーブル13、14を通して供給さ
れる電流により、テーブル2内に設けたヒータ(図示せ
ず)を加熱する。この工程により、真空チャンバ1内を
フルオロカーボンの希薄ガスがプラズマ放電空間におい
て励起され、電離し、ガラス基材の表面で加熱されるこ
とにより、重合しながらガラス基材3の表面に化学的に
結合し、ガラス基材3の表面にフルオロカーボンの重合
膜を形成する。
【0021】このようなガラス基材3の表面に成膜され
るフルオロカーボンの重合膜は、RHEED(反射高速
電子回折:Reflection High Energy Electron Diffract
ion)の回折像により分析しながら成膜を行う。高速電
子は、RHEED用電子銃から所定の角度でガラス基材
3の成膜面に照射し、観察窓5で観察されるその回折像
を画像処理し、フルオロカーボンの重合膜の分子構造を
分析する。
【0022】真空ポンプ9を介して真空チャンバ1から
排出されるフルオロカーボンガスは、成層圏のオゾン層
等に影響を与えないように、排ガス処理装置10で分解
し、吸着処理し、フルオロカーボンガスを含まない排ガ
スのみを排出する。フルオロカーボンガスは、異なるも
のを2種類前後して供給し、ガラス基材の表面に複合膜
として形成してもよい。例えば、トリフルオロメタン
(CHF3 )とテトラフルオロエチレン(CF2=C
2)を前後して真空チャンバ1に供給し、CHF3
CF2=CF2の複合重合膜を形成する。
【0023】このような目的で使用できるフルオロカー
ボンガスとしては、ヨードペンタフルオロエタン(CF
3CF2I)、ブロモペンタフルオロエタン(CF3CF2
Br)、テトラフルオロメタン(CF4 )、ヘキサフル
オロエタン(C26 )、パーフルオロプロパン(C3
8 )、ジクロロジフロロメタン(CCl22 )、クロ
ロジフルオロメタン(CHCl22 )、トリフルオロ
メタン(CHF3 )、テトラフルオロエチレン(CF2
=CF2)、サルファヘキサフルオライド(SF 6 )、
ニトロゲントリフルオライド(NF3 )、ClF3 等の
ガスあるいはこれらのガスを数%程度含むアルゴンガス
などを使用することができる。
【0024】また予め、ガラス基材の表面上にシリコン
膜を形成し、その上にフルオロカーボンの重合膜を形成
してもよい。このようなシリコン膜は、例えば有機シリ
コン化合物をガラス基材の表面にディップ塗装し、15
0〜250℃の温度で1〜3時間焼き付けることにより
形成できる。
【0025】このような目的で使用できる有機シリコン
化合物としては、メトキシトリメチルシラン(CH3
Si(CH33 )、ジメトキシジメチルシラン((C
3O)2Si(CH32)、トリメトキシメチルシラン
((CH3O)3SiCH3)、ジメチルジクロロシラン
((CH32SiCl2)、トリメチルクロロシラン
((CH33SiCl)、テトラエトキシシラン((C
3CH2O)4Si )、テトラメトキシシラン((CH
3O)4Si )、トリエチルシラン((CH3CH 23
iH)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
((CH32SiHOHSi(CH32)、1,1,
3,3−テトラメチルジシラジン((CH32SiHN
HSi(CH32)、メトキシトリプロピルシラン(C
3OSi(CH2CH2CH33 )、シリコンオイル
(ジメチルシリコンオイル)、シリコン混合物、シリコ
ンガム、市販のガラス器具処理試薬(商品名Prosil-2
8) 等を使用することができる。
【0026】シリコン膜は、ガラス基材の表面にフルオ
ロカーボンの重合膜を形成した後、その上に形成し、こ
のシリコン膜の上にさらにフルオロカーボンの重合膜を
形成してもよい。いわば、フルオロカーボンの重合膜で
シリコン膜を挟むような構造である。
【0027】図1(c)は、ガラス基材の表面にフルオ
ロカーボンの重合膜を形成した状態を示す。この状態の
ガラス基材の表面は、高い撥水性を示し、その表面に付
着した水滴は、その表面張力により、大きな接触角を有
する。具体的には、ガラス基材の表面のエネルギー指標
となる水滴の接触角は105゜以上となり、高いもので
150℃にも及ぶ。
【0028】図2は、ガラス基材の表面に形成されたフ
ルオロカーボンのプラズマ重合膜の分子構造を模式的に
示す。フルオロカーボンのプラズマ重合膜は、基本的に
単分子膜であり、炭素原子を介してフルオロカーボンの
分子がガラス基材の表面でSi原子と化学結合すると共
に、ガラス基材の表面方向に分子同士が化学的に結合
し、重合膜を構成している。このようなフルオロカーボ
ンのプラズマ重合膜は、透明であり、化学的、熱的に安
定しており、熱や電磁波等を加えても容易に分離しな
い。さらに、ガラス基材の表面方向に分子が化学結合
し、重合膜を構成していることにより、分子が緻密で高
い撥水性が得られる。
【0029】
【実施例】次に、本発明の具体例としての実施例につい
て説明する。 (実施例1)表1は、表面平滑な2つのガラス基材とし
て、ソーダ板ガラスP−Soda1とP−Soda2に
ついて、それらの表面にトリフルオロメタン(CH
3 )とテトラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプ
ラズマ重合膜を順次形成した例である。それぞれの時点
におけるガラス基材の表面のエネルギー指標となる水滴
の接触角θを接触角測定器で測定し、表示した。
【0030】表1に示すように、ガラス基材P−Sod
a1の処理前(Initial)の表面の水滴の接触角
θは29.5゜、ガラス基材P−Soda2の処理前
(Initial)の表面の水滴の接触角θは25.5
゜であった。これらのガラス基材を、0.5Torrの
真空度に維持された真空チャンバに導入し、25ml/
minの流量でトリフルオロメタンガス(CHF3 )を
真空チャンバに流すと共に、高周波出力100Wでプラ
ズマ状態とし、2分間処理してガラス基材の表面にトリ
フルオロメタン(CHF3 )のプラズマ重合膜を形成し
た。
【0031】表1に示すように、この処理後のガラス基
材P−Soda1の表面の水滴の接触角θは105.6
゜、ガラス基材P−Soda2の表面の水滴の接触角θ
は105.2゜であった。何れも処理前に比べて、表面
の水滴の接触角θが75゜以上高くなっている。
【0032】さらに、これらのガラス基材を、0.5T
orrの真空度に維持された真空チャンバに再度導入
し、25ml/minの流量でテトラフルオロエチレン
ガス(CF2=CF2)を真空チャンバに流すと共に、高
周波出力100Wでプラズマ状態とし、2分間処理して
ガラス基材の表面にテトラフルオロエチレン(CF2
CF2)のプラズマ重合膜を形成した。
【0033】表1に示すように、この処理後のガラス基
材P−Soda1の表面の水滴の接触角θは115.0
゜、ガラス基材P−Soda2の表面の水滴の接触角θ
は115.1゜であった。何れも、トリフルオロメタン
(CHF3)のプラズマ重合膜を形成した時点に比べ
て、表面の水滴の接触角θが10゜弱高くなっている。
【0034】
【表1】
【0035】このようにしてガラス基材の表面に形成し
たフルオロカーボンのプラズマ複合重合膜は、無色透明
である。このガラス基材に300℃の温度を2時間加え
た後、再度表面の水滴の接触角θを測定したが、測定誤
差以上の変化は見られなかった。さらに、このガラス基
材にγ線を照射した後も、表面の水滴の接触角θに変化
が無いことが確認されている。
【0036】(実施例2)表2は、ガラス基材として、
表面平滑なソーダ板ガラスSoda Blankと、そ
のソーダ板ガラスの表面を削って粗化したソーダ板ガラ
スについて、前記と同様にしてそれらの表面にトリフル
オロメタン(CHF3 )とテトラフルオロエチレン(C
2=CF2)のプラズマ重合膜を順次形成した例であ
る。それぞれの時点におけるガラス基材の表面のエネル
ギー指標となる水滴の接触角θを接触角測定器で測定
し、表示した。
【0037】表2に示すように、P−Soda Bla
nkの処理前(Initial)の表面の水滴の接触角
θは21.2゜、粒度#800メッシュの砥粒を有する
研削砥石で表面を平均粗さRa=0.59μmに粗化し
たソーダガラスの処理前の表面の水滴の接触角θは7.
5゜、粒度#3000メッシュの砥粒を有する研削砥石
で表面を平均粗さRa=0.19μmに粗化したソーダ
ガラスの処理前の表面の水滴の接触角θは1.6゜、粒
度#3000メッシュの砥粒を有する研削砥石で表面を
削り、さらにハーフミラー加工し、平均粗さRa=0.
07μmに粗化したソーダガラスの処理前の表面の水滴
の接触角θは12.4゜、であった。
【0038】表2に示すように、前記実施例1と同様に
して、前記のガラス基材の表面にトリフルオロメタン
(CHF3 )のプラズマ重合膜を形成した後のガラス基
材の表面の水滴の接触角θは114.9゜〜125.2
゜であった。ガラス基材の表面を粗化していない平滑な
Soda Blankでは、処理前に比べて、表面の水
滴の接触角θが約93゜高くなっているが、粗化したも
のでは、処理前に比べて、表面の水滴の接触角θが10
7.2゜〜123.6゜も高くなっている。特に、表面
を平均粗さRa=0.19μm、Ra=0.59μmに
粗化したガラス基材の表面の水滴の接触角θの増大が際
だっている。
【0039】さらに表2に示すように、前記実施例1と
同様にして、これらのガラス基材の表面に、テトラフル
オロエチレン(CF2=CF2)のプラズマ重合膜を形成
した後のガラス基材の表面の水滴の接触角θは116.
8゜〜135.1゜であった。ガラス基材の表面を粗化
していない平滑なSoda Blankでは、表面の水
滴の接触角θは116.8゜であるが、粗化したもので
は、表面の水滴の接触角θが119.6゜〜135.1
゜と高い値を示している。特に、表面を平均粗さRa=
0.19μm、Ra=0.59μmに粗化したガラス基
材の表面の水滴の接触角θは、135.1゜と、際だっ
た値を示している。従って、ガラス基材を粗化する場合
は、この範囲が最も望ましいと言える。但し、ガラス基
材の表面の平均粗さRaが0.6μmを越えると、ガラ
ス基材の表面の透明性が低下してくる。
【0040】
【表2】
【0041】(実施例3)表3は、ガラス基材として、
表面平滑な透明ソーダ板ガラスSoda Smooth
と曇り板ガラスSoda Groundとについて、そ
れらの表面にテトラフルオロエチレン(CF2=CF2
のプラズマ重合膜を形成した後、テトラエトキシシラン
(TEOS)を使用してシリコン膜を形成し、さらにそ
の上にテトラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプラ
ズマ重合膜を形成した例である。それぞれの時点におけ
るガラス基材の表面のエネルギー指標となる水滴の接触
角θを接触角測定器で測定し、表示した。
【0042】表3に示すように、ガラス基材Soda
Smoothの処理前(Initial)の表面の水滴
の接触角θは18゜、ガラス基材Soda Groun
dの処理前(Initial)の表面の水滴の接触角θ
は24゜であった。これらのガラス基材を、0.5To
rrの真空度に維持された真空チャンバに導入し、25
ml/minの流量でテトラフルオロエチレンガス(C
2=CF2)を真空チャンバに流すと共に、高周波出力
50Wでプラズマ状態とし、2分間処理してガラス基材
の表面にテトラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプ
ラズマ重合膜を形成した。
【0043】表3に示すように、この処理後のガラス基
材Soda Smoothの表面の水滴の接触角θは4
4.5゜、ガラス基材Soda Groundの表面の
水滴の接触角θは60.9゜であった。何れも処理前に
比べて、表面の水滴の接触角θの改善が見られるが、十
分な撥水性は得られていない。
【0044】次に、これらのガラス基材を、TEOSに
ディップ塗装し、100℃の温度で2時間加熱し、前記
テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプラズマ重
合膜の上にシリコン膜を形成した。このシリコン膜を形
成した後のガラス基材Soda Smoothの表面の
水滴の接触角θは91.9゜、ガラス基材SodaGr
oundの表面の水滴の接触角θは64.7゜であっ
た。何れもシリコン膜の形成前に比べて、表面の水滴の
接触角θの改善が見られるが、やはり十分な撥水性は得
られていない。
【0045】さらに、これらのガラス基材を、0.5T
orrの真空度に維持された真空チャンバに再度導入
し、25ml/minの流量でテトラフルオロエチレン
ガス(CF2=CF2)を真空チャンバに流すと共に、高
周波出力100Wでプラズマ状態とし、2分間処理して
ガラス基材の表面にテトラフルオロエチレン(CF2
CF2)のプラズマ重合膜を形成した。
【0046】表3に示すように、この処理後のガラス基
材Soda Smoothの表面の水滴の接触角θは1
15.4゜、ガラス基材Soda Groundの表面
の水滴の接触角θは136.1゜であった。何れも、シ
リコン膜を形成した時点に比べて、表面の水滴の接触角
θが高くなっており、十分な撥水性が得られた。
【0047】
【表3】
【0048】(実施例4)表4は、前記実施例3と同様
に、ガラス基材として、表面平滑な透明ソーダ板ガラス
Soda Smoothと曇り板ガラスSoda Gr
oundとについて、それらの表面にテトラフルオロエ
チレン(CF2=CF2)のプラズマ重合膜を形成した
後、テトラエトキシシラン(TEOS)を使用してシリ
コン膜を形成し、さらにその上にテトラフルオロエチレ
ン(CF2=CF2)のプラズマ重合膜を形成した例であ
る。それぞれの時点におけるガラス基材の表面のエネル
ギー指標となる水滴の接触角θを接触角測定器で測定
し、表示した。前記実施例3と異なるのは、最初にテト
ラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプラズマ重合膜
を形成する時の高周波出力を50Wから100Wに変更
した点である。
【0049】表4に示すように、ガラス基材に最初にテ
トラフルオロエチレン(CF2=CF2)のプラズマ重合
膜を形成した後のガラス基材Soda Smoothの
表面の水滴の接触角θは111.8゜、ガラス基材So
da Groundの表面の水滴の接触角θは127.
0゜であった。何れもこの時点で既に十分な撥水性が得
られてる。
【0050】なお、表には示していないが、テトラフル
オロエチレン(CF2=CF2)のプラズマ重合膜を形成
する時の高周波出力を100Wとし、処理時間を2分か
ら5分に延長したとき、テトラフルオロエチレン(CF
2=CF2)のプラズマ重合膜を形成した後のガラス基材
Soda Smoothの表面の水滴の接触角θは11
3.7゜、ガラス基材Soda Groundの表面の
水滴の接触角θは130.2゜であり、処理時間延長の
効果はないことが確認されている。これは、テトラフル
オロエチレン(CF2=CF2)のごく薄い単分子のプラ
ズマ重合膜でも十分な撥水性が得られることを裏付けて
いる。
【0051】次に、前記のガラス基材の表面に、前記実
施例3と同様にして、TEOSでシリコン膜を形成した
後のガラス基材Soda Smoothの表面の水滴の
接触角θは108.8゜、ガラス基材Soda Gro
undの表面の水滴の接触角θは124.8゜であっ
た。何れもシリコン膜を形成する前に比べて、表面の水
滴の接触角θが若干低下している。これは、ガラス基材
の表面にフルオロカーボンのプラズマ重合膜を形成する
ことによって、十分な撥水性が得られるときは、シリコ
ン膜の形成は、必ずしも撥水性の改善に寄与するもので
はないことを示している。
【0052】さらに、前記実施例3と同様にして、これ
らのガラス基材の表面にテトラフルオロエチレン(CF
2=CF2)のプラズマ重合膜を形成した後のガラス基材
Soda Smoothの表面の水滴の接触角θは11
5.9゜、ガラス基材Soda Groundの表面の
水滴の接触角θは134.1゜であった。何れも、シリ
コン膜を形成した時点に比べて、表面の水滴の接触角θ
が高くなっており、十分な撥水性が得られた。これは、
シリコン膜に比べて、フルオロカーボンのプラズマ重合
膜の撥水性の改善効果が大きいことを示している。
【0053】
【表4】
【0054】(実施例5)表5は、前記実施例1と同様
に、ガラス基材である表面平滑な透明ソーダ板につい
て、それらの表面にトリフルオロメタン(CHF3)の
プラズマ重合膜を形成した後、各種のシリコン化合物を
使用してシリコン膜を形成し、さらにその上にテトラフ
ルオロメタン(CF4 )のプラズマ重合膜を形成した例
である。それぞれの時点におけるガラス基材の表面のエ
ネルギー指標となる水滴の接触角θを接触角測定器で測
定し、表示した。
【0055】表5に示すように、ガラス基材にトリフル
オロメタン(CHF3)のプラズマ重合膜を形成した後
のガラス基材Soda Smoothの表面の水滴の接
触角θは105゜であった。この時点で既に十分な撥水
性が得られてる。
【0056】次に、前記のガラス基材の表面に、各種の
シリコン化合物を使用し、トリフルオロメタン(CHF
3)のプラズマ重合膜の上にシリコン膜を形成した。使
用したシリコン化合物は、ジメチルシリコンオイル(K
F−96)、シリコングリース、市販のガラス器具処理
試薬(商品名Prosil-28)、メトキシトリメチルシラン
及びTEOSである。
【0057】シリコン膜を形成した後のガラス基材の表
面の水滴の接触角θは105.6゜〜108.5゜であ
った。何れもシリコン膜を形成する前に比べて、表面の
水滴の接触角θが若干高くなっているが、シリコン膜を
形成しないnoneと比べて撥水性の顕著な改善は見ら
れない。
【0058】さらに、これらのガラス基材を、0.5T
orrの真空度に維持された真空チャンバに再度導入
し、25ml/minの流量でテトラフルオロメタンガ
ス(CF4 )を真空チャンバに流すと共に、高周波出力
50Wでプラズマ状態とし、2分間処理してガラス基材
の表面にさらにテトラフルオロメタン(CF4 )のプラ
ズマ重合膜を形成した。
【0059】テトラフルオロメタン(CF4 )のプラズ
マ重合膜を形成した後のガラス基材の表面の水滴の接触
角θは、101.2゜〜112.8゜であった。何れ
も、シリコン膜を形成した時点に比べて、表面の水滴の
接触角θが高くなっている。しかし、シリコン膜を形成
しないnoneと比べて、撥水性の改善が見られたの
は、ジメチルシリコンオイル(KF−96)とTEOS
を使用してシリコン膜を形成したもので、それ以外はシ
リコン膜を形成したことによる撥水性の顕著な改善は見
られない。
【0060】
【表5】
【0061】(実施例6)図4は、ガラス基材として表
面平滑なソーダ板ガラスについて、それらの表面にメト
キシトリメチルシラン(CH3OSi(CH33 )を使
用してシリコン膜を形成し、さらにその上にヘキサフル
オロエタン(C26)のプラズマ重合膜を形成したとき
の、光の透過率を示すグラフである。初期状態(S/B
L)、シリコン膜を形成した後(S/Me* )、ヘキサ
フルオロエタンのプラズマ重合膜を形成した後(S/
F)におけるそれぞれ時点のガラス基材の光の透過率を
波長との関係で表示している。
【0062】まず、ガラス基材を、メトキシトリメチル
シラン(CH3OSi(CH33 )に浸漬し塗膜した
後、160℃の温度で1時間加熱し、シリコン膜を形成
した。次に、ガラス基材を、0.5Torrの真空度に
維持された真空チャンバに導入し、25ml/minの
流量でヘキサフルオロエタンガス(C26)を真空チャ
ンバに流すと共に、高周波出力100Wでプラズマ状態
とし、2分間処理してガラス基材の表面にヘキサフルオ
ロエタン(C26)のプラズマ重合膜を形成した。
【0063】このソーダガラスの場合、表面にヘキサフ
ルオロエタン(C26)のプラズマ重合膜を形成したガ
ラス基材では、シリコン膜を形成した段階のガラス基材
及び初期のガラス基材に比べて光の透過率が高いことが
分かる。
【0064】さらに、図5は、ガラス基材として表面平
滑なパイレックス板ガラスについて、それらの表面に同
様にしてシリコン膜とヘキサフルオロエタン(C26
のプラズマ重合膜を形成したときの、光の透過率を示す
グラフである。初期状態(P/BL)、シリコン膜を形
成した後(P/Me* )、ヘキサフルオロエタンのプラ
ズマ重合膜を形成した後(P/F)におけるそれぞれの
時点のガラス基材の光の透過率を波長との関係で表示し
ている。このパイレックスガラスの場合は、処理の前後
において、ガラス基材の光の透光率に変化は見られな
い。
【0065】(比較例)ガラス基材としてソーダガラ
ス、パイレックスガラス、石英ガラスの板状試料を使用
し、表6に示すような処理条件で電磁波照射によりフル
オロカーボン処理し、ガラス基材上にフルオロカーボン
ラジカル膜を形成した。
【0066】
【表6】
【0067】このようにしてフルオロカーボン処理を行
ったガラス基材について、それらの表面のエネルギー指
標となる水滴の接触角を接触角測定器で測定した。この
結果得られた値を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ガ
ラス基材の表面に、ごく薄く、且つ緻密なフルオロカー
ボンの重合膜を形成することにより、ガラス基材の表面
により大きなエネルギーが付与され、高い撥水性を得る
ことができる。しかもガラス基材の表面の物理的性質を
変えずに、その表面に撥水性を付与することができる。
このフルオロカーボンの重合膜は化学的に安定してお
り、加熱や電磁波の照射によっても、劣化しない撥水性
を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撥水性ガラスを製造する工程の例
を概念的に示す断面図である。
【図2】本発明による撥水性ガラスにおいて、ガラス基
材の表面に形成されたフルオロカーボンの重合膜の状態
を模式的に示す概念図である。
【図3】本発明による撥水性ガラスを製造する工程にい
て、ガラス基材の表面にフルオロカーボンの重合膜を形
成するプラズマCVD装置例を概念的に示す断面図であ
る。
【図4】本発明による撥水性ガラスにおいて、ソーダガ
ラスを用いた場合のガラス基材の光波長とその透過率の
関係を示すグラフである。
【図5】本発明による撥水性ガラスにおいて、パイレッ
クスガラスを用いた場合のガラス基材の光波長とその透
過率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 3 ガラス基材 4 RHEED用電子銃 5 観察窓 7 マスフローコントローラ 8 原料ガス 9 真空ポンプ 10 排ガス処理装置 11 高周波電源
フロントページの続き (72)発明者 大塚 基治 茨城県下妻市大字長塚30番地 大塚セラミ ックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 達志 茨城県東茨城郡常北町上青山298−1 株 式会社ビームトロン内 (72)発明者 森澤 祐二 茨城県水海道市内守谷町4382番地4 日本 エクシード株式会社内 (72)発明者 酒井 将章 茨城県下妻市大字長塚30番地 大塚セラミ ックス株式会社内 (72)発明者 川村 正行 茨城県下妻市大字長塚30番地 大塚セラミ ックス株式会社内 (72)発明者 磯 勝弘 茨城県東茨城郡常北町上青山298−1 株 式会社ビームトロン内 (72)発明者 寺門 郷士 茨城県水戸市堀町字新田1044番地 株式会 社化研内 (72)発明者 照沼 仁 茨城県水戸市堀町字新田1044番地 株式会 社化研内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB03 AC22 FA05 FA11 FB01 FB04 GA01 GA02 GA04 GA11 4H020 BA12 BA32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が撥水性を有するガラスであって、
    ガラス基材の表面にフルオロカーボンの重合膜を形成し
    たことを特徴とする表面撥水性ガラス。
  2. 【請求項2】 フルオロカーボンの重合膜が、ガラス基
    材の表面に順次形成された異なる種類のフルオロカーボ
    ンの複合重合膜であることを特徴とする請求項1に記載
    の表面撥水性ガラス。
  3. 【請求項3】 ガラス基材の表面を予め粗化し、撥水機
    能を高めたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    表面撥水性ガラス。
  4. 【請求項4】 フルオロカーボンの重合膜が、ガラス基
    材の表面に形成されたシリコン膜上に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表面撥水
    性ガラス。
  5. 【請求項5】 フルオロカーボンの重合膜が、シリコン
    膜を挟んで2層形成されていることを特徴とする請求項
    4に記載の表面撥水性ガラス。
  6. 【請求項6】 ガラス基材の表面を処理し、撥水性を有
    するガラスを製造する方法であって、ガラス基材の表面
    にフルオロカーボンの希薄ガスを導入すると共に、ガラ
    ス基材の表面をプラズマ状態に保持し、同表面にフルオ
    ロカーボンのプラズマ重合膜を形成することを特徴とす
    る表面撥水性ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】 プラズマ状態に保持したガラス基材の表
    面に異なる種類のフルオロカーボンガスを順次導入し、
    ガラス基材の表面に異なる種類のフルオロカーボンの複
    合重合膜を形成することを特徴とする請求項2及び5に
    記載の表面撥水性ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 フルオロカーボンのプラズマ重合膜を形
    成する前に、ガラス基材の表面を平均粗さRaが0.0
    6〜0.6μmに粗化しておくことを特徴とする請求項
    6または7に記載の表面撥水性ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも最上層のフルオロカーボンの
    プラズマ重合膜を形成する前に、ガラス基材の表面また
    はその表面上に形成した膜上にシリコン膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項6〜8の何れか記載の表面撥水性
    ガラスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006185901A (ja) * 2004-12-02 2006-07-13 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用撥水性セパレータ
JP2006185900A (ja) * 2004-12-02 2006-07-13 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用セパレータ
JP2020037513A (ja) * 2014-01-27 2020-03-12 コーニング インコーポレイテッド 高分子表面の担体との制御された結合のための物品および方法
JP2021160356A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 Toto株式会社 衛生設備部材

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JP2021160356A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 Toto株式会社 衛生設備部材
JP7124908B2 (ja) 2020-03-31 2022-08-24 Toto株式会社 衛生設備部材

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