JP2021160356A - 衛生設備部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】堆積した水垢等の汚れを少ない力または少ない拭き取り回数で除去でき、耐摺動性が向上された衛生設備部材の提供。
【解決手段】基材と、当該基材上にある表面層とを含んでなる部材であって、前記表面層は、撥水性であり、かつ、XPS深さ方向分析で得られるプロファイルにおいて、ある測定点における炭素原子濃度と、その1点前の測定点における炭素原子濃度との差の絶対値が1.0at%以下となった点を表面層の終点とし、スパッタの開始から前記終点までのスパッタ時間が5分以内であり、前記部材の表面は、SCE方式の分光測色法により測定されるb値が−0.10以上+0.10以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に撥水層を備える衛生設備部材に関する。詳細には、水がかかり得る環境で使用される衛生設備部材に関する。
水道水を含む生活用水は、ケイ素、カルシウムを含む。これらの物質は水垢の要因となっている。生活用水に接する水まわり部材においては、水垢の付着を抑制し、あるいは付着した水垢を容易に除去することが求められる。水まわり部材表面への水垢等の汚れの付着を防止し、あるいは汚れの除去性を高めるために、水まわり部材を保護層で被覆するなどして部材表面を改質する技術が知られている。
しかしながら、水まわり部材に保護層を設けることで着色が見られたり、保護層の傷つき・剥離などにより部材の外観が損なわれたりすることが問題であった。一方、水まわり部材の表面に汚れを付着させないことは困難であるため、清掃によって汚れを除去することが行われている。水垢等の落しにくい汚れを清掃する場合、特殊な洗剤を使って研磨するなどの方法が行われている。この方法は、日常的に行うには負担の大きな作業である。そこで、簡単な清掃で汚れを除去できることが求められている。
保護層として、基材と直接化学結合させる単分子膜を用いた防汚技術が知られている。例えば、特開2004−217950号公報(特許文献1)には、水栓金具表面をフッ素アルキルホスホン酸で被覆することで、水垢易除去性が得られることが記載されている。単分子膜は、視認できない薄い層である。単分子膜を設けることにより、部材の外観が損なわれる可能性は低く、単分子膜の機能を付与することができる。また、単分子膜の結合を、ホスホン酸により結合することにより、単分子膜を緻密に形成することができる。これによって、基材表面の水酸基の大部分をシールドすることができ、基材表面への汚れ固着を防止し、汚れを容易に除去することができる。例えば、特開2000−265526号公報(特許文献2)には、陶器表面の水酸基をシールドする防汚層を設けることで、珪酸スケール汚れの固着を抑制することが記載されている。この防汚層として、陶器表面の水酸基とフッ化アルキル基含有有機珪素化合物、加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物、およびオルガノポリシロキサン化合物を混合したものを塗布・乾燥した防汚層が開示されている。
一方、衛生設備部材の表面性状に関し、特開2018−165394号公報(特許文献3)には、ステンレス表面を平滑(算術平均粗さRaが0.05μm以下、最大谷深さPvが2.0μm以下)にすることで油汚れの拭き取り性を高めることが記載されている。US2015/0239023号公報(特許文献4)には、材料表面に表面粗さSaが1nm以上1mm以下の微細な凹凸構造を有する表面防汚層を設けることで、毛管作用により指紋を拡散させ、視認性を低下させることが記載されている。
特開2004−217950号公報 特開2000−265526号公報 特開2018−165394号公報 US2015/0239023号公報
水垢等の汚れは日常の製品使用により汚れの付着および乾燥を繰り返すことで堆積する。したがって、汚れの除去に必要な拭き取る力が強くなったり、拭き取り回数が多くなったりするという課題があった。特に、目につきやすい部分、例えば、水栓金具の上面、正面および側面などは、美観を保つために拭取り回数が多くなり、表面層(例えば、単分子層)を形成したとしても、摺動によって劣化しやすいという課題があった。
本発明者らは、衛生設備部材の表面をナノメートルオーダーで平滑化することで、汚れの拭き取りにかかる力を低減できること、また汚れの拭き取り回数を低減できること、さらに表面層の摺動による劣化を低減する(つまり、耐摺動性を向上する)ことができることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明による部材は、
基材と、当該基材上にある表面層とを含んでなる部材であって、
前記表面層は、
撥水性であり、かつ
XPS深さ方向分析で得られるプロファイルにおいて、ある測定点における炭素原子濃度と、その1点前の測定点における炭素原子濃度との差の絶対値が1.0at%以下となった点を表面層の終点とし、スパッタの開始から前記終点までのスパッタ時間が5分以内であり、
前記部材の表面は、SCE方式の分光測色法により測定されるb値(以下、「SCE_
b値」という。)が−0.10以上+0.10以下であることを特徴とする。
本発明によれば、堆積した水垢等の汚れを少ない力または少ない拭き取り回数で除去でき、耐摺動性が向上された衛生設備部材が提供される。
本発明による部材の一例を示す模式図である。 本発明による部材が適用される物品の一例である水栓の斜視図であり、本発明による部材の表面が好ましく適用される当該水栓の部位(正面、上面および側面)を示す。
1 本発明による部材
本発明による部材1は、図1に示すように、基材10と、基材10上にある表面層40とを備えてなる。部材1は、基材10と表面層40との間に中間層30および着色層20をさらに含んでいてもよい。
1-1 部材の表面の性状
1-1-1 表面の性状
表面層40の表面、すなわち部材1の表面は、SCE方式の分光測色法により測定されるb値(以下、「SCE_b値」という。)が−0.10以上+0.10以下である。SCE_b値がこの範囲にあることは、本発明の部材の表面が、表面凹凸の影響を受けやすい低波長の可視光の散乱が抑えられた表面であることを表わし、それ故、本発明の部材の表面がナノメートルオーダーで平滑化された表面であることを数値化して示すことを可能とする指標となる。
簡潔に言えば、部材表面のSCE_b値が−0.10以上+0.10以下であることは、部材表面の写像性が高い、すなわち部材表面での可視光線の散乱が小さいという性質を示す。また、部材表面が非常に平滑であり、かつ、均質な組織であることを示す。
本発明の部材の表面は、SCE_b値が上記範囲にあることにより、汚れの拭き取りにかかる力を低減でき、また汚れの拭き取り回数を低減できる。さらに表面層の摺動による劣化を低減する(つまり、耐摺動性を向上する)ことができる。本発明の部材の表面は、SCE_b値が−0.10以上0以下であることが好ましく、−0.08以上0以下であることがさらに好ましい。これにより、部材表面をさらに平滑とし、汚れの拭き取りにかかる力や拭き取り回数をさらに低減できる。さらに表面層の摺動による劣化をさらに低減する(つまり、耐摺動性をさらに向上する)ことができる。
1-1-2 表面性状、写像性(SCE_b値)、および耐摺動性の関係
装飾用のニッケルクロムめっきのように視覚的には鏡面である表面にも、ナノスケールでは微細な表面凹凸が存在する。ナノスケールの表面凹凸をもつ基材の上にナノスケールの膜厚を持つ有機層を形成した場合、耐摺動性には基材の凹凸形状が大きな影響を及ぼす。これは、摺動時に有機層の凸部に摺動の相手材が接触するため凸部に局所的に強いせん断応力が発生して優先的に摩耗されてしまうためである。一方で、ナノスケールで平滑な表面の場合には摺動時のせん断応力は面内に分散され、摩耗の速度は低下し耐摺動性が高まる。また、ナノスケールで表面が平滑な時には表面での光の散乱にも影響があり、特に波長が短く散乱されやすい青色の光の表面での散乱が抑えられる。従って、分光測色計での測定では青色光の影響が大きいb値の絶対値が減少する。
1-2 表面層
本発明における表面層40は、有機分子を含む撥水性の層であり、表面層40より下の基材10や着色層20などの他の層の色味を損なわない程度に透明かつ薄い。表面層40が撥水性の層であることで、ケイ素、カルシウム(水垢の原因物質)を含む水道水に接する衛生設備部材において、水垢の付着が抑制され、また付着した水垢を容易に除去することができる。
1-2-1 表面層の材質
本発明において、表面層40は、高分子層、低分子層または単分子層であってよい。
本発明において、高分子層は、高分子化合物を含有する層である。また低分子層とは、低分子化合物を含有する層である。高分子化合物および低分子化合物は、疎水基Rを有する。疎水基Rを有することにより、表面層40に撥水性を与える。
1-2-1-1 疎水基Rの具体例
本発明において、疎水基Rはアルキル鎖を含むものである。疎水基Rは、アルキル鎖の水素の一部がフッ素により置換されたものを含んでもよいし、アルキル鎖の炭素の一部が他の原子に置換されたものを含んでもよい。例えば、疎水基Rは、炭化水素基、フルオロアルキル基、フルオロ(ポリ)エーテル基、フルオロアルコキシ基、フルオロアシル基、アルコキシ基、アシル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
疎水基Rは、CとHとからなる炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、飽和炭化水素基でもよいし、不飽和炭化水素基でもよい。また、鎖式炭化水素基でもよいし、芳香環などの環式炭化水素基でもよい。疎水基Rは、好ましくは鎖式飽和炭化水素基であり、より好ましくは直鎖式の飽和炭化水素基である。鎖式飽和炭化水素基は、柔軟な分子鎖であるため、下地を隙間なく覆うことができ、耐水性を高めることができる。炭化水素基が鎖式炭化水素基の場合は、好ましくは炭素数が6以上25以下、より好ましくは炭素数が10以上18以下の炭化水素基である。炭素数が多い場合には、分子同士の相互作用が大きく、後述する自己組織化単分子層(SAM)の分子間隔を狭くすることができ、耐水性をさらに高めることができる。
疎水基Rが飽和炭化水素基(すなわち、アルキル基)の場合、アルキル基の水素の一部が他の原子により置換されていてもよい。他の原子は、例えばハロゲン原子である。ハロゲン原子は、例えばフッ素原子である。アルキル基の水素の一部がフッ素原子により置換されたものは、例えばフルオロアルキル基である。疎水基Rがフルオロアルキル基を含むことで、高い撥水性の表面が得られる。ただし、高い水垢除去性を得るためにはハロゲン原子を含まない表面層の方が好ましい。またアルキル基の炭素の一部が他の原子に置換されていてもよい。
高分子化合物および低分子化合物は、金属元素に対し結合性を有する官能基を有することが好ましい。この官能基としては、ホスホン酸基、リン酸基、ホスフィン酸基、カルボキシル基、シラノール基(あるいは、アルコキシシリル基などのシラノールの前駆体)、βジオール基、アミノ基、水酸基、ヒドロキシアミド基、αまたはβ−ヒドロキシカルボン酸基からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。より好ましくは、官能基として、ホスホン酸基またはシラノール基(あるいは、アルコキシシリル基などのシラノールの前駆体)を含む。これらの官能基は、着色層20または中間層30に含まれる金属元素と結合していることが好ましい。言い換えれば、表面層40はこれらの官能基を介して着色層20または中間層30と結合していることが好ましい。
1-2-1-2 単分子層
本発明において、表面層40は、疎水基Rおよび金属元素に対し配位性を有する官能基Xを含む層であり、表面層40が単層で形成された単分子層であることが好ましく、後述する非高分子の有機配位子R−Xからなる自己組織化単分子層(self assembled monolayers、SAM)であることがより好ましい。自己組織化単分子層は、分子が緻密に集合した層となるため、撥水性に優れる。
SAMの厚さは、構成分子1分子の長さと同程度となる。ここで、「厚さ」とは、SAMのZ方向に沿う長さを指す。ここで、図1において、基材10から表面層40に向かう方向をZ方向とする。SAMの厚さは10nm以下、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下である。また、SAMの厚さは、0.5nm以上、好ましくは1nm以上である。SAMの厚さがこのような範囲になるような構成分子を用いることで、基材10を効率的に被覆することができ、水垢等の汚染物質の易除去性に優れた衛生設備部材を得ることができる。
SAMの構成
本発明の好適な態様において、SAMは、有機分子が固体表面に吸着する過程で、当該固体表面上に形成される分子集合体であり、分子同士の相互作用によって集合体構成分子が密に集合する。SAMはアルキル基を含むことが好ましい。これによって、分子同士に疎水性相互作用が働き、分子が密に集合することができるため、汚れの易除去性に優れた衛生設備部材を得ることができる。
SAMを構成する分子の定義
本発明の好ましい態様において、非高分子の有機配位子R−Xは、疎水基Rと、着色層20または中間層30に含まれる金属元素に対し配位性を有する官能基Xとを備える。非高分子の有機配位子R−Xは、官能基Xを介して中間層と結合する。ここで、「非高分子」とは、国際純正応用化学連合(IUPAC)高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集(日本語訳)の定義1.1(すなわち、相対分子質量の大きい分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的または概念的に得られる単位の多数回の繰返しで構成された構造をもつもの。http://main.spsj.or.jp/c19/iupac/Recommendations/glossary36.htmlを参照)に該当しない化合物を意味する。SAMは、このような非高分子の有機配位子R−Xを用いて形成される層である。
1-2-1-3 非高分子の有機配位子R−X
本発明の好ましい態様において、表面層40は非高分子の有機配位子R−Xを用いて形成される層である。疎水基Rは、前述に記載されたものを用いることができる。疎水基Rは、CとHとからなる炭化水素基を含むことが好ましい。疎水基Rが有する炭化水素基の骨格内の1ないし2個所で炭素以外の原子が置換されていても良い。置換される原子としては、酸素、窒素、硫黄が挙げられる。好ましくは、疎水基Rの片末端(Xとの結合端ではない側の端部)はメチル基である。これによって、部材1の表面が撥水性となり、汚れの易除去性を高めることができる。
1-2-1-4 Xの具体例
本発明において、官能基Xは、ホスホン酸基、リン酸基、ホスフィン酸基、カルボキシル基、シラノール基(あるいは、アルコキシシリル基などのシラノールの前駆体)、βジオール基、アミノ基、水酸基、ヒドロキシアミド基、αまたはβ−ヒドロキシカルボン酸基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
カルボキシル基、βジオール基、アミノ基、水酸基、ヒドロキシアミド基、αまたはβ−ヒドロキシカルボン酸基は、官能基同士で重合することなく、着色層20または中間層30に含まれる金属元素に配位(吸着)するため、緻密な表面層40が形成される。
本発明の好ましい態様によれば、Xは、リン原子を含む官能基のうち、ホスホン酸基、リン酸基、ホスフィン酸基から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはホスホン酸基である。これにより、耐水性が高く、かつ汚染物質の易除去性に優れた部材を効率的に得ることができる。
1-2-1-5 R−Xの具体例
一般式R−Xで表される有機ホスホン酸化合物は、好ましくはオクタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、デシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ペルフルオロデシルホスホン酸、ペルフルオロヘキシルホスホン酸、ペルフルオロオクチルホスホン酸であり、より好ましくはオクタデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、デシルホスホン酸である。さらに、より好ましくは、オクタデシルホスホン酸である。
R−Xにおいて、ホスホン酸基を有する分子としてホスホン酸、リン酸基を有する分子として(有機)リン酸、ホスフィン酸基を有する分子としてホスフィン酸、カルボキシル基を有する分子としてカルボン酸、βジオール基を有する分子としてプロトカテク酸、没食子酸、ドーパ、カテコール(オルトヒドロキシフェニル)基、アミノ基を有する分子としてアミノ酸、水酸基を有する分子としてアルコール、ヒドロキシアミド基を有する分子としてヒドロキサム酸、αまたはβ−ヒドロキシカルボン酸基を有する分子としてサリチル酸、キナ酸を用いてもよい。
本発明において、表面層は、二種類以上のR−Xから形成されていてもよい。二種類以上のR−Xから形成された表面層とは、上述した化合物が複数種類混合されてなる表面層を意味する。また、本発明において、表面層は、水垢易除去性を損なわない範囲において、R−X以外の有機分子を微量に含んでいてもよい。
1-3 中間層
本発明の好ましい態様によれば、基材10と表面層40との間に中間層30を設けてもよい。中間層30は表面層40および基材10と良好な密着性を得ることができる。中間層30の好ましい例としては、金属原子と酸素原子とを含む層が挙げられる。中間層30において、前記金属原子は酸素原子と結合している。つまり、中間層30には、酸化状態の金属元素が含まれる。本発明においては、金属元素は、Cr、Zr、Siからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、中間層30は、下地の色味を損なわないため、表面層40と同じ程度のまたはそれ未満の厚みが好ましい。
1-4 着色層
本発明の好ましい態様によれば、基材10と表面層40との間に着色層20を設けてもよい。着色層20は、着色層20を有しない部材1の表面を対照として、着色層20を有する部材1の表面のΔL*、Δa*およびΔb*の少なくとも1つの絶対値が0を超える色を呈する層である。本発明において、着色層20は、ZrまたはCを含んでなる層であることが好ましい。本発明において、着色層20は、ZrまたはCを含んでなる無機質の層であることがより好ましい。これにより、部材1の耐久性が優れる。
本発明において、中間層30および着色層20は共に設けられてよい。この場合、部材1の表面から、表面層40、中間層30、着色層20の順に備えられていることが好ましい。例えば、着色層20がCを含んでなる無機質の層である場合、中間層30を設けることによって、表面層40の密着性を優位に高めることが可能となる。
1-5 基材
本発明において、基材10の材質は特に制限されず、例えば衛生設備部材の基材として一般的に使用されているものを使用することができる。
1-5-1 基材10の支持材10a
基材10は、支持材10aを含んでなる。すなわち、基材10は支持材10aからなるものであるか、支持材10aと他の要素とを備えてなるか、または、支持材10aの表面層40の側に、後述する領域10bを含んでなるものか、のいずれかである。支持材10aの材質は、金属でもよいし、樹脂やセラミック、陶器、ガラスであってもよい。
1-5-2 基材10の領域10b
基材10は領域10bを含んでいてもよい。領域10bは支持材10aの表面層側の面に備えられる。領域10bは、金属を含む層または炭素を主として含む無機化合物からなる層であることが好ましい。領域10bは、例えば、金属めっきや物理蒸着法(PVD)により形成されることができる。領域10bは、金属元素のみから構成されていてもよいし、金属窒化物(例えば、TiN、TiAlNなど)、金属炭化物(例えば、CrCなど)、金属炭窒化物(例えば、TiCN、CrCN、ZrCN、ZrGaCNなど)等を含んでいてもよい。領域10bは支持材10aの上に直接形成されていてもよいし、領域10bと支持材10aの間に異なる層を含んでいてもよい。領域10bが設けられる基材10としては、例えば、黄銅や樹脂で形成された支持材10aに金属めっき処理により領域10bを設けた金属めっき製品が挙げられる。一方、領域10bが設けられない基材10としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)のような金属成型品が挙げられる。基材10の形状は、特に限定されるものではなく、単純な平板のような形状であっても立体形状であっても良い。本発明によれば、見る方向、角度よって色の変化が少ない部材とすることができるため、立体形状の基材10に本発明は好ましく適用できる。
表面層40が有機ホスホン酸化合物からなる場合、領域10bは、Ti、Zr、CrおよびAlより選択される一以上の金属原子と酸素原子とを含む層を含んでいることが好ましい。
1-6 部材の特定
本発明における部材1の特定方法は、以下の方法を用いることができる。先ず、部材1の表面が撥水性であることを確認し、部材1が表面層40を有することを確認する。次に、表面層40を構成する元素をXPS測定により特定する。また、表面層40および中間層30の厚みはXPS測定で元素の存在比を測定しながらスパッタリングすることで得られる。次に、着色層20および基材10の特定については、断面をSEM観察することで着色層20と基材10の境界を識別する。上記の測定の前には表面に付着した汚れを除去するために前処理を行う。詳細を下記にて説明する。
1-6-1 前処理
本発明において、測定前に部材1の表面を洗浄し、表面に付着した汚れを十分に除去する。例えば、測定前に部材1の表面をエタノールによる拭取り洗浄、および中性洗剤によるスポンジ摺動洗浄の後、超純水にて十分にすすぎ洗いを行う。また、部材1が、表面にヘアライン加工やショットブラスト加工などが施された、表面粗さが大きな部材の場合は、測定する部位として、できるだけ平滑性の高い平面の部分を選んで測定する。平滑性の高い部分とは、例えば、粗い部分に比べて光を拡散するため、分光測色計等を用いて色差測定した場合に正反射成分を含まないSCE方式によるL*が5未満の点のことを指す。
本発明において、部材1の表面を分析する場合、部材1の表面のうち、曲率半径が比較的大きい部分を選択することが好ましい。また、分析可能なサイズに切断したものを測定試料とすることが好ましい。切断時には、分析や評価をする部分をフィルム等で覆うことで、表面の損傷がないようにすることが好ましい。
1-6-2 表面層の特定
1-6-2-1 表面層の疎水基Rの特定
本発明において、表面層40は以下の手順で詳細に確認することができる。先ず、表面層40の撥水性を評価し、撥水性の表面層40が形成されていることを確認する。撥水性の評価方法としては、後述の水滴接触角の評価等を用いることができる。この撥水性の表面層40に対し、XPS分析にて表面元素分析を行い、表面層40に含まれる元素を確認する。
本発明において、表面層40が疎水基を含む層であることは、以下の手順で、疎水基に含まれるアルキル鎖を確認することにより判断できる。
先ず、XPS分析にて表面元素分析を行い、疎水基に含まれるアルキル鎖のC−C結合に帰属される284−285eVのピークが検出されることを確認する。
次に、赤外分光法もしくは表面増強ラマン分光法(Surface Enhanced Raman Spectroscopy:SERS)を用いて、疎水基に由来するピークシフト(cm−1)を確認する。
赤外分光法を用いる場合は、高感度反射法(Reflection Absorption Spectroscopy)を用いることができる。高感度反射法による測定装置として、赤外線の入射角度を80°以上に可変可能な高感度反射測定が可能なアタッチメント(例えば、Harrick社製Seagull)を備えた赤外分光装置(FT−IR)を用いることができる。赤外分光装置は、例えば、Cary 630IR(アジレント)、Nicolet iS50(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いることができる。
高感度反射法によるFT−IRを用いた測定は、以下の条件で測定する。赤外線入射角度:85°、検出器:MCT検出器、波数分解能;2cm−1、積算回数:256。
まず、測定対象の衛生設備部材に用いられている基材のみ(基材表面に表面層等が形成されていないもの)を参照として測定する。なお、ここで、衛生設備部材に用いられている基材の代用として、測定対象の基材と同一の材料で構成された板材等を用いても良い。その後、切り出した衛生設備部材1を測定することでIRスペクトルを得る。IRスペクトルは、横軸は、波数(cm−1)、縦軸は透過率又は吸光度である。
得られたIRスペクトルにおいて、以下を確認することにより、表面層40が疎水基を含むことを確認できる。メチル基に由来する波数:2960cm−1、2930cm−1付近、アルキル鎖(−(CH2)n−)に由来する波数:2850cm−1付近、2920cm−1付近が検出されることでアルキル鎖の存在を確認できる。疎水基が水素の一部がフッ素により置換されたアルキル鎖を含む場合は、波数:1295cm−1付近、1200cm−1付近、1150cm−1付近が検出されることで水素の一部がフッ素により置換されたアルキル鎖の存在を確認できる。また、他の疎水基の場合は、これらに相当する波数を確認する。測定範囲で最も吸光度が低い範囲の100cm−1の吸光度の平均値の3倍以上あることで検出されているとみなし、存在を確認する。
表面増強ラマン分光法を用いる場合は、透過型表面増強センサ(透過型SERSセンサ)および共焦点顕微ラマン分光装置を備えた表面増強ラマン分光分析装置を用いる。透過型表面増強センサは、例えば、特許第6179905号の実施例1に記載されるものを用いることができる。共焦点顕微ラマン分光装置は、例えば、NanoFinder30(東京インスツルメンツ)を用いることができる。
表面増強ラマン分光法を用いた測定方法を以下に説明する。切り出した衛生設備部材1の表面に透過型表面増強センサを配置し、測定する。測定条件は、以下とする。Nd:YAGレーザー(532nm、1.2mW)スキャン時間(10秒)、グレーチング(800 Grooves/mm)、ピンホールサイズ(100μm)である。測定結果としてラマンスペクトルを得る。ラマンスペクトルは、横軸はラマンシフト(cm−1)、縦軸は信号強度である。
得られたラマンスペクトルにおいて、メチル基に由来するラマンシフト:2930cm−1付近、アルキル鎖−(CH−に由来するラマンシフト:2850cm−1付近、2920cm−1付近が検出されることで疎水基の存在を確認できる。疎水基が水素の一部がフッ素により置換されたアルキル鎖を含む場合は、−(CF−に由来するラマンシフト:735cm−1付近、1295cm−1付近が検出されることで水素の一部がフッ素により置換されたアルキル鎖を確認できる。また、他のアルキル基の場合は、これらに相当するラマンシフトを確認する。ラマンシフトの信号は、測定範囲で最も信号強度が低い範囲の100cm−1の信号強度の平均値の3倍以上あることで検出されているとみなし、存在を確認する。
表面層が単分子層である場合の疎水基(R)およびXの特定
本発明において、表面層40が、疎水基Rおよび金属元素に対し結合性を有する官能基Xを含む層であり、さらに単層で形成された単分子層である場合、表面層40がRおよびXを含む層であることは下記の方法により特定することができる。
先ず、XPS分析にて表面元素分析を行い、表面層40に含まれる元素を確認する。
次に、質量分析にて表面に存在する成分の分子に由来する質量電荷比(m/z)から分子構造を特定する。質量分析は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)または高分解能質量分析法(HR−MS)を用いることができる。ここで高分解能質量分析法とは、質量分解能が0.0001u(u:Unified atomic mass units)又は0.0001Da未満の精度で測定可能で精密質量から元素組成が推定できるものを指す。HR−MSとしては、二重収束型質量分析法、飛行時間型タンデム質量分析法(Q−TOF−MS)、フーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴質量分析法(FT−ICR−MS)、オービトラップ質量分析法などが挙げられ、本発明においては飛行時間型タンデム質量分析法(Q−TOF−MS)を用いる。質量分析は、部材から十分な量のRおよびXを回収できる場合は、HR−MSを用いることが望ましい。一方、部材のサイズが小さいこと等の理由で、部材から十分な量のRおよびXが回収できない場合は、TOF−SIMSを用いることが望ましい。質量分析を用いる場合、イオン化したRおよびXに相当するm/zのイオン強度が検出されることで、RおよびXの存在を確認できる。ここでイオン強度は、測定範囲においてイオン強度が算出されている範囲の中で最も値が低いm/zを中心に前後50Daの平均値の信号の3倍以上を有することで検出されているとみなす。
1-6-2-2 表面層のRおよびX認定時のTOF−SIMS測定条件
飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS)装置には、例えば、TOF−SIMS5(ION−TOF社製)を用いる。測定条件は、照射する1次イオン:209Bi3++、1次イオン加速電圧25kV、パルス幅10.5or7.8ns、バンチングあり、帯電中和なし、後段加速9.5kV、測定範囲(面積):約500×500μm、検出する2次イオン:Positive、Negative、Cycle Time:110μs、スキャン数16とする。測定結果として、RおよびXに由来する2次イオンマススペクトル(m/z)を得る。2次イオンマススペクトルは、横軸は質量電荷比(m/z)、縦軸は検出されたイオンの強度(カウント)として表される。
1-6-2-3 表面層のRおよびX認定時のHR/MS測定条件
高分解能質量分析装置として飛行時間型タンデム質量分析装置(Q−TOF−MS)、例えば、Triple TOF 4600(SCIEX社製)を用いる。測定には、例えば、切り出した基材をエタノールに浸漬させ、表面層40を形成するために用いた成分(RおよびX)を抽出し、不要成分をフィルターろ過後、バイアル瓶(1mL程度)に移した後に測定する。測定条件は、例えば、イオン原:ESI/Duo Spray Ion Source、イオンモード(Positive/Negative)、IS電圧(−4500V)、ソース温度(600℃)、DP(100V)、CE(40V)でのMS/MS測定を行う。測定結果として、MS/MSスペクトルを得る。MS/MSスペクトルは、横軸は質量電荷比(m/z)、縦軸は検出されたイオンの強度(カウント)として表される。
1-6-2-4 各層の原子濃度の測定
表面層40、中間層30および着色層20の組成は、X線光電子分光法(XPS)により求める。測定前に、部材1を中性洗剤でスポンジ摺動後、超純水にて十分にすすぎ洗いを行うことが好ましい。XPS装置には、PHI QanteraII(アルバック・ファイ製)を用いることが好ましい。各元素を後述の「XPS測定条件」および「スパッタ条件1」を用いてXPS深さ方向分析を行うことによりスペクトルを得る。
検出された原子の濃度は、得られたスペクトルから、データ解析ソフトウェアPHI MultiPak(アルバック・ファイ製)を用いて算出する。得られたスペクトルは、測定された各原子の電子軌道に基づくピークに対してShirely法でバックグラウンドを除去した後にピーク面積強度を算出し、データ解析ソフトウェアに予め設定されている装置固有の感度係数で除算することで補正処理を行う。測定した元素種全ての補正後のピーク面積強度の合計に対する、ある元素の補正後のピーク面積の割合を対象の原子濃度と定義し、at.%単位で算出する。
なお、XPSは、軟X線を試料表面に照射し、試料表面のイオン化に伴い放出される光電子を補足してエネルギー分析を行う手法であり、得られるスペクトルは各電子軌道から放出される光電子ピークを示すため、元素は元素記号+電子軌道で表記する。(例:炭素の1s軌道から得られた光電子ピークをC1sと表記する)
1-6-2-5 XPS測定条件
本明細書に記載の全てのXPS測定において、下記の「XPS測定条件」を用いる。
XPS測定条件
X線条件:単色化AlKα線、25W、15kV
分析領域:100μmφ
中和銃条件:1.0V、10μA
光電子取り出し角:45°
Time Per Step:50ms
Sweep:5回
Pass energy:112eV
分析元素(エネルギー範囲):Zr3d(177−187eV)、C1s(281−296eV)、N1s(394−406eV)、O1s(524−540eV)、Cr2p3(572−582eV)、Ti2p(452−463eV)、Si2p(98―108eV)
本発明において、XPS測定とArイオンを使用したスパッタリングの併用による深さ方向分析を行うことにより、各層の深さ方向の元素組成等を特定する。なお、本発明において、XPS測定とArイオンを使用したスパッタリングの併用による深さ方向分析を「XPS深さ方向分析」と表す。XPS深さ方向分析では、Arイオンを使用したスパッタリングとXPS測定を交互に繰り返す。XPS測定の条件は、上述の「XPS測定条件」を用いることができる。スパッタリング時の条件(以下、「スパッタリング条件」とも言う)は、下記の各条件を用いることができる。XPS測定は、各スパッタリング条件の「スパッタサイクル」ごとに行う。XPS深さ方向分析により、スペクトル情報を得る。このスペクトル情報から元素組成について深さ方向プロファイル(プロファイル)を取得する。このプロファイルから深さ方向の元素組成を特定することができる。
1-6-2-6 XPS深さ方向分析時のスパッタリング条件1(以下、「スパッタ条件1」という)
不活性ガス種:Ar
スパッタ電圧:500V
スパッタ範囲:2mm×2mm
スパッタサイクル:10秒
なお、スパッタ電圧とはArイオン銃に印加する電圧、スパッタ範囲とはスパッタリングにより削る表面の範囲を指す。また、スパッタサイクルとは深さ方向の一測定ごとにArガスを連続して照射した時間を指し、スパッタサイクルの総和をスパッタ時間とする。
1-6-2-7 表面層40の厚さ
本発明において、表面層40は、XPS深さ方向分析で得られるプロファイルにおいて、ある測定点における炭素原子濃度と、その1点前の測定点における炭素原子濃度との差の絶対値が1.0at%以下となった点を表面層40の終点とし、スパッタの開始から終点までのスパッタ時間は5分以内であり、好適には3分以内である。またスパッタ時間の下限値は1分以上であることが好ましい。好適な範囲はこれらの上限値と下限値とを適宜組み合わせることが出来る。この時間が表面層の厚さの指標となる。このように表面層は視認できない薄い層であり、基材の色味を維持したまま部材に機能付与することが出来る。ここで、「XPS深さ方向分析で得られるプロファイル」とは、上述の「XPS測定条件」と「スパッタ条件1」を用いて、XPS深さ方向分析を行って得られたプロファイルを指す。また、XPS深さ方向分析は、無作為の3点を選んで測定し、これら3点の平均値を表面層の厚さと認定することが好ましい。
1-6-3 表面層40の好ましい炭素原子濃度
本発明において、表面層40が炭化水素基を含む場合、表面層40の炭素原子濃度は、好ましくは35at%以上であり、より好ましくは40at%以上であり、さらに好ましくは43at%以上であり、最も好ましくは45at%以上である。また、炭素原子濃度は、好ましくは70at%未満であり、より好ましくは65at%以下であり、さらに好ましくは60at%以下である。炭素原子濃度の好適な範囲はこれらの上限値と下限値とを適宜組み合わせることができる。炭素原子濃度をこのような範囲とすることにより、水垢易除去性を高めることができる。
1-6-4 表面層40の好ましい金属原子濃度
本発明において、表面層40の金属原子濃度は、好ましくは1.0at%以上10at%未満である。金属原子濃度をこの範囲とすることで、表面層40は緻密であることを示している。これによって、十分な耐水性を有し、水垢易除去性に優れた衛生設備部材を得ることができる。より好ましくは、金属原子濃度は1.5at%以上10at%未満である。これによって、さらに耐水性、および水垢易除去性を高めることができる。
1-6-5 表面性状の測定
1-6-5-1 写像性の測定
部材の写像性(色味)の測定は、例えば以下のように行われる。
部材の色味の測定には分光測色計(CM−2600D、コニカミノルタ)を用いる。測定前に校正板を用いて白色校正を行う。その後、部材に対し目視でも明らかな傷や汚れを避けて3箇所ずつ色味の測定を行い、測定パラメータの平均値を算出する。
写像性の測定に使用可能な分光測色計の構成は例えば以下のとおりである。
装置:分光測色計CM−2600D(コニカミノルタ製)
バージョン:1.42
測定パラメータ:SCI/SCE
表色系:L*a*b*、ΔE*
UV設定:UV0%
光源:D65
観察視野角:10°
測定径:φ3mm
測定波長間隔:10nm
測定回数:3回
測定前待ち時間:0秒
校正:ゼロ校正後、白色校正(ゼロ校正:遠方の空間で校正、白色校正:校正用の白色板で校正)
1-6-5-2 表面粗さの測定
部材の表面粗さの測定には原子間力顕微鏡(AFM)(SFT−4500、島津製作所)を用いることができる。測定前に、カンチレバーに照射するレーザーの位置を調整し、十分な反射光強度が得られるようにする。装置および測定条件は以下を利用することができる。
装置:原子間力顕微鏡(SFT4500、島津製作所製)
カンチレバー:OMCL−AC240TS−C3(オリンパス製)
測定モード:ダイナミック
走査範囲:5μm×5μm
走査速度:1Hz
画素数:512×512:走査角度0°
オペレーティングポイント:0.115V
Pゲイン:0,001
Iゲイン:1200
オフセット:0
zレンジ:1倍
走査モード:力一定
レバーチューン条件:
範囲:AC240 1−100kHz
振幅:Standard 0.3V
で装置上で自動チューンを行った。
表面形状パラメータの算出
原子間力顕微鏡を用いた測定により得られた画像は、傾き補正した後にフィルタ処理を行う。傾き補正には、装置付属の解析ソフトウェアのラインフィットを用いる。フィルタ処理は、表面からうねりの成分を除去するL−フィルタを使用する。L−フィルタのカットオフ値は800nmを用いる。面粗さのパラメータはJIS B 0681−2で定められる算術平均高さSaを用いる。
本発明において、部材の表面は、JIS B 0681−2(2018)で定められる表面粗さ(Sa)が3nm以下であることが好ましく、2.1nm以下であることがさらに好ましい。部材表面のSCE_b値(写像性)が−0.10以上+0.10以下であることに加えて、表面粗さ(Sa)が3nm以下であることにより、耐摺動性がさらに高まる。
1-6-6 中間層の認定
本発明において、部材1が中間層30を含むか否かは、XPS深さ方向分析により認定できる。先ず、「XPS測定条件」と「スパッタ条件1」を用いて、で10分間XPS深さ方向分析を行い、炭素原子の検出が1点前の測定点との差が1.0at%以下となった点において、10at%以上検出される金属元素を確認する。当該元素の濃度が10分間分析した時に3.0at%以下になった場合、当該元素の存在範囲を中間層と認定できる。当該元素の濃度が10分間分析した時に3.0at%以下に下がらなかった場合、部材は中間層を含まないとする。
1-6-7 着色層および基材の認定
本発明において、着色層20は、以下の方法により特定できる。まず、部材1を層の積層方向と垂直方向(図1のZ方向)に切断し、イオンミリング装置を用いて断面ミリングを行い、平滑な断面を得る。この断面に対して、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM/EDX)を用いて観察を行うことで、着色層および基材の識別ができる。観察領域は、着色層20と基材10の界面が収まるようにSEM画像を取得する。そのSEM画像に対して、EDXによるマッピング分析を行うことで、着色層および基材の元素分布を視覚的に確認することができる。この元素分布の異なる境界面を、着色層20および基材10の境界面と識別する。これにより、着色層20を特定することができる。
1-6-8 表面層40の好ましい撥水性
本発明の衛生設備部材1、言い換えると、表面層40の水滴接触角は、好ましくは90°以上であり、より好ましくは100°以上である。水滴接触角は、静的接触角を意味する。静的接触角は、表面層40に2μlの水滴を滴下し、1秒後の水滴を基材側面から撮影することによって求められる。測定装置としては、例えば接触角計(型番:SDMs−401、協和界面科学株式会社製)を用いることができる。
2.部材の製造方法
本発明の部材は以下の工程:
(a)表面のSCE_b値が−0.10以上+0.10以下である基材を用意する工程と、
(b)前記基材の表面に表面層を形成する工程と
を含んでなる方法により製造されることが好ましい。
基材の表面をナノオーダーで平滑化したあとに、表面層を形成することで、汚れの拭き取りにかかる力を低減でき、汚れの拭き取り回数を低減でき、耐摺動性を向上させることができる。
3.部材の用途
本発明において、「衛生設備」とは、建物の給排水設備または室内用の備品である。好ましくは、室内用の備品である。また、好ましくは、水、例えば生活用水(工業用水でも良い)がかかり得る環境で用いられるものである。
本発明において、水がかかり得る環境としては、水を用いる場所であれば良い。例えば、住宅や、公園、商業施設、オフィスなどの公共施設などの水を用いる場所が挙げられる。水を用いる場所としては、好ましくは、バスルーム、トイレ空間、化粧室、洗面所、台所などが挙げられる。
本発明において、室内用の備品は、住宅や商業施設などの公共施設で用いられ、かつ人が触れるものである。室内用の備品は、好ましくは、バスルーム、トイレ空間、化粧室、洗面所、または台所などで用いられる備品である。本発明において、室内用の備品として使用される衛生設備部材としては、めっきやPVDコートしたものを含む製品が挙げられる。具体的には、水栓、排水金具、止水金具、洗面器、扉、シャワーヘッド、シャワーバー、シャワーフック、シャワーホース、手すり、タオルハンガー、キッチンカウンター、キッチンシンク、排水カゴ、キッチンフード、換気扇、排水口、大便器、小便器、温水洗浄便座、温水洗浄便座の便蓋、温水洗浄便座のノズル、操作盤、操作スイッチ、操作レバー、取っ手、ドアノブなどが挙げられる。本発明の衛生設備部材は、水栓、水栓金具、排水金具、止水金具、洗面器、シャワーヘッド、シャワーバー、シャワーフック、シャワーホース、手すり、タオルハンガー、キッチンカウンター、キッチンシンク、排水カゴであることが好ましい。特に、本発明の衛生設備部材は、水栓、バスルームまたはトイレ空間で用いられる部材として好適に使用できる。これら水栓等の物品は、生活用水が部材表面に接触する用途に適用されるため、表面に水垢が形成されやすい。本発明の部材がこれら物品として使用されることで、本発明の効果が特に生かされ、堆積した水垢等の汚れを少ない力または少ない拭き取り回数で除去できる。
また、本発明の衛生設備部材は、水栓、トイレを構成する部材、または浴室を構成する部材の正面、上面または側面として、その表面が適用される。つまり、水栓、トイレを構成する部材、または浴室を構成する部材の正面、上面または側面は、本発明の衛生設備部材の表面層を有することが好ましい。上記水栓等の正面、上面または側面は、最も使用者の身に触れるところであり、そのため清掃時に最も摺動される部位である。したがって、本発明の部材の表面が水栓等の正面、上面または側面に適用されることで、本発明の効果が最も生かされ、部材表面の耐摺動性が向上する。
本発明の効果が大きい部分として、例えば、水栓であれば図2の矢印部に示すような台付シングル混合水栓(品番:TLP02302JA、TOTO製)の正面、上面または側面の部位が当てはまる。具体的には、スパウトやレバーハンドルの上面、水栓本体の正面が含まれる。
このような部位は水栓の背面または下面に比べて清掃時に手が届きやすく、また力もかけやすいことから清掃時の材料への負荷が大きく、表面が摩耗しやすい。このような部位に本発明で示す平滑な表面を設けることで、水垢がより小さい力で除去できるようになり、また耐摺動性が向上することで部材の外観を長期間保つことができる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
部材の作製
(実施例1)
ニッケルクロムメッキした黄銅板を弱アルカリ性研磨剤(製品名:きらりあ、TOTO製)で擦り洗いし、基材を作製した。
次いで、炭化水素基を備えてなる表面層を以下の手順により形成した。
先ず、基材の表面に存在する汚れを除去するために、アルカリ性洗剤入りの水溶液で超音波洗浄した。その後、基材表面を流水に当てて洗剤を除去した。さらに、基材をイオン交換水に浸漬し、超音波洗浄によるすすぎ洗いをした後、エアーダスターで水分を除去した。
次に、基材を2.5M水酸化ナトリウム水溶液に60℃・5分間浸漬したのち、イオン交換水にて十分にすすぎ洗いを行った。
表面層を形成するための処理剤として、オクタデシルホスホン酸(ODPA)(製品コード:O0371、東京化成工業製)をエタノール(富士フイルム和光純薬製、和光一級)に溶解させた溶液を用いた。基材を処理剤の中に1分以上浸漬し、エタノールにて掛け洗い洗浄した。その後、乾燥機にて120℃で10分間乾燥させ、基材表面に表面層を形成させた。こうして、実施例1の部材を作製した。
(実施例2)
ニッケルクロムメッキを施した黄銅板を自動研磨機(ビューラー製)によりバフ研摩し、基材を作製した。研摩粒子には、平均粒径が0.05μmのアルミナ粒を用いた。
次いで、この基材の表面に実施例1と同様の手順で表面層を形成し、実施例2の部材を作製した。
(実施例3)
ニッケルクロムメッキを施した黄銅板を弱アルカリ性研磨剤(製品名:きらりあ、TOTO製)で擦り洗いし、基材を作製した。
次いで、フッ化炭素基を備えてなる表面層を以下の手順により形成した。
先ず、基材の表面に存在する汚れを除去するために、アルカリ性洗剤入りの水溶液で超音波洗浄した。その後、基材表面を流水に当てて洗剤を除去した。さらに、基材をイオン交換水に浸漬し、超音波洗浄によるすすぎ洗いをした後、エアーダスターで水分を除去した。
次に、基材へ紫外光(波長:254nm、照射強度:15mW/cm程度)を10分間照射した。
その後、シリコーン系プライマー(製品名:KBM403、信越化学製)をイソプロピルアルコール(富士フイルム和光純薬製)に溶解させた溶液を、不織布(製品名:ベンコットM3−II、旭化成製)に浸み込ませ、基材全体に塗り広げたのち、10分間自然乾燥させて中間層を形成した。
表面層を形成するための処理剤として、フッ化アルキル基を含有するコーティング剤(製品名:SURECO2101S、AGC製)を用いた。この処理剤を不織布(製品名:ベンコットM3−II、旭化成製)に浸み込ませ、基材全体に塗り広げたのち、乾燥機にて120℃で30分間乾燥させ、中間層の表面に表面層を形成した。
こうして、実施例3の部材を作製した。
(実施例4)
ニッケルクロムメッキを施した黄銅板を自動研磨機(ビューラー製)によりバフ研摩し、基材を作製した。研摩粒子には、平均粒径が0.05μmのアルミナ粒を用いた。
次いで、この基材の表面に実施例3と同様の手順で表面層を形成し、実施例4の部材を作製した。
(比較例1)
ニッケルクロムメッキを施した黄銅板を基材とし、この基材の表面に実施例1と同様の手順で表面層を形成し、比較例1の部材を作製した。
(比較例2)
ニッケルクロムメッキを施した黄銅板を基材とし、この基材の表面に実施例3と同様の手順で表面層を形成し、比較例2の部材を作製した。
性能試験
上記のとおり作製した各部材に対し、以下の試験を行った。
水滴接触角測定
測定前に、アルカリ性洗剤を用いて各部材をウレタンスポンジで擦り洗いし、超純水で十分にすすぎを行った。各部材の水滴接触角測定には、接触角計(型番:SDMs−401、協和界面科学株式会社製)を用いた。測定用のプローブ液体は超純水を用い、滴下する水滴サイズは2μlとした。接触角は、いわゆる静的接触角であり、水を滴下してから1秒後の値とし、異なる5か所を測定した平均値を求めた。ただし、5カ所の中に異常値が現れた場合は、異常値を除いて平均値を算出した。ただし、5か所中4か所の平均値±20°以上乖離する値を異常値とみなし、5か所の中に異常値を示す測定点が現れた場合は、異常値を除いて平均値を算出した。結果を、接触角(初期)として表1に示す。
水垢除去性試験
乾燥炉中で50℃に加熱した各部材の表面に、水道水を200μl滴下し、液体が乾燥するまで放置した。この操作を1サイクルとした。同一の操作を再び行い、すなわち1サイクル後に形成された水垢の上にさらに水道水を滴下し、乾燥させ、2サイクル分の水垢を形成した。さらに同一の操作を繰り返し行い3サイクル、5サイクル分の水垢を作製した。水垢が形成された部材を以下の手順で評価した。
(i)乾いた布を用いて、部材の表面に対して軽い荷重(80gf/cm)を掛けながら、5回往復摺動させた。
(ii)水垢の除去を確認出来れば試験を終了する。水垢の残りが存在する場合は(i)を繰り返した。
水垢除去の可否は、部材の表面を流水で洗い流し、エアーダスターで水分を除去した後、部材の表面に水垢が残存しているかを目視で判断した。
(i)、(ii)の手順により水垢の除去に要した摺動回数に基づき、水垢除去性能を以下のとおり評価した。
5回で除去できたとき 3点
10回で除去できたとき 2点
15回で除去できたとき 1点
15回で除去できなかったとき 0点
結果を、水垢除去性(初期)として表1に示す。
耐摩耗試験
各部材の表面を、マイクロファイバー布巾(激落ちクロス、レック製)を用いて、布巾に水を含ませた状態で、部材面に対して荷重(25gf/cm)をかけながら、2200往復摺動させた。摺動後、部材表面を流水で洗い流し、エアーダスターで水分を除去した。摩耗試験後の各部材について、上記と同様に、水滴接触角測定および水垢除去性試験を行った。結果を、接触角(摺動後)および水垢除去性(摺動後)として表1に示す。
特性の測定
上記のとおり作製した各部材に対し、以下の測定を行った。
色味の測定
各部材の色味の測定には分光測色計(CM−2600D、コニカミノルタ)を用いた。測定前に校正板を用いて白色校正を行った。その後、各部材に対し目視でも明らかな傷や汚れを避けて3箇所ずつ色味の測定を行い、測定パラメータの平均値を算出した。
なお、使用した分光測色計の構成は以下のとおりである。
装置:分光測色計CM−2600D(コニカミノルタ製)
バージョン:1.42
測定パラメータ:SCI/SCE
表色系:L*a*b*、ΔE*
UV設定:UV0%
光源:D65
観察視野角:10°
測定径:φ3mm
測定波長間隔:10nm
測定回数:3回
測定前待ち時間:0秒
校正:ゼロ校正後、白色校正(ゼロ校正:遠方の空間で校正、白色校正:校正用の白色板で校正)
各部材のSCE_b値を表1に示す。
表面粗さの測定
表面粗さの測定には原子間力顕微鏡(AFM)(SFT−4500、島津製作所)を用いた。測定前に、カンチレバーに照射するレーザーの位置を調整し、十分な反射光強度が得られるようにした。
装置:原子間力顕微鏡(SFT4500、島津製作所製)
カンチレバー:OMCL−AC240TS−C3(オリンパス製)
測定モード:ダイナミック
走査範囲:5μm×5μm
走査速度:1Hz
画素数:512×512
走査角度:0°
オペレーティングポイント:0.115V
Pゲイン:0,001
Iゲイン:1200
オフセット:0
zレンジ:1倍
走査モード:力一定
レバーチューン条件:
範囲:AC240 1−100kHz
振幅:Standard 0.3V
で装置上で自動チューンを行った。
表面形状パラメータの算出
原子間力顕微鏡を用いた測定により得られた画像は、傾き補正した後にフィルタ処理を行った。傾き補正には、装置付属の解析ソフトウェアのラインフィットを用いた。フィルタ処理は、表面からうねりの成分を除去するL−フィルタを使用した。L−フィルタのカットオフ値は800nmを用いた。面粗さのパラメータはJIS B 0681−2で定められる算術平均高さSaを用いた。各部材の算術平均高さSaを表1に示す。
XPSによる表面層の各原子濃度の測定
前述の「XPS測定条件」と「スパッタ条件1」を用いて、XPS深さ方向分析を行い、プロファイルを得た。このプロファイルにおいて、ある測定点における炭素原子濃度と、その1点前の測定点における炭素原子濃度との差の絶対値が1.0at%以下となった点を表面層の終点とし、スパッタの開始から終点までのスパッタ時間(分)を表1に示す。
表面層に含まれる疎水基の確認
表面層が疎水基を含むことを下記の方法により確認した。表面増強ラマン分光法を用いて確認した。表面増強ラマン分光分析装置としては、以下を用いた。表面増強ラマンセンサとして、特許第6179905号の実施例1に記載される透過型表面増強センサを用いた。共焦点顕微ラマン分光装置としてNanoFinder30(東京インスツルメンツ)を用いた。測定には、切り出した部材の表面に透過型表面増強ラマンセンサを配置し、測定した。測定条件は、Nd:YAGレーザー(532nm、1.2mW)スキャン時間(10秒)、グレーチング(800 Grooves/mm)、ピンホールサイズ(100μm)を用いた。
実施例1、2においては、アルキル鎖に含まれる−(CH−に由来するラマンシフト2850cm−1、2920cm−1に信号ピークが検出された。実施例3、4においては、水素の一部がフッ素により置換されたアルキル鎖に含まれる−(CF−に由来するラマンシフト735cm−1、1295cm−1に信号ピークが検出された。
Figure 2021160356
1 部材、10 基材、10a 基材10の支持材、10b 基材10の一領域、20 着色層、30 中間層、40 表面層

Claims (7)

  1. 基材と、当該基材上にある表面層とを含んでなる部材であって、
    前記表面層は、
    撥水性であり、かつ
    XPS深さ方向分析で得られるプロファイルにおいて、ある測定点における炭素原子濃度と、その1点前の測定点における炭素原子濃度との差の絶対値が1.0at%以下となった点を表面層の終点とし、スパッタの開始から前記終点までのスパッタ時間が5分以内であり、
    前記部材の表面は、SCE方式の分光測色法により測定されるb値(以下、「SCE_b値」という。)が−0.10以上+0.10以下である、部材。
  2. 水栓、トイレを構成する部材、または浴室を構成する部材として用いられる、請求項1に記載の部材。
  3. 水栓、トイレを構成する部材、または浴室を構成する部材の正面、上面または側面として、その表面が適用される、請求項2に記載の部材。
  4. 前記部材の表面は、JIS B 0681−2(2018)で定められる表面粗さ(Sa)が3nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の部材の製造方法であって、
    (a)表面のSCE_b値が−0.10以上+0.10以下である基材を用意する工程と、
    (b)前記基材の表面に表面層を形成する工程と
    を含んでなる、方法。
  6. 前記工程(a)は、
    (a1)支持材を用意する工程と、
    (a2)前記支持材の表面を研磨し、前記基材を作製する工程と
    を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記工程(a1)と前記工程(a2)の間に、前記支持材の表面にめっきを施し、めっき層を表面に備えた支持材を作製する工程をさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。

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