JP2001051108A - 浴室用防曇鏡及び浴室設備並びに浴室 - Google Patents

浴室用防曇鏡及び浴室設備並びに浴室

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JP2001051108A
JP2001051108A JP11225654A JP22565499A JP2001051108A JP 2001051108 A JP2001051108 A JP 2001051108A JP 11225654 A JP11225654 A JP 11225654A JP 22565499 A JP22565499 A JP 22565499A JP 2001051108 A JP2001051108 A JP 2001051108A
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mirror
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antifogging
water
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Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Makoto Hayakawa
信 早川
Shinji Toyofuku
信次 豊福
Kaori Morihara
かおり 森原
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴室という、汚れの汚染付加量が大きく、絶
えず多量な水蒸気や水のかかる環境下にて、好適に使用
できる耐久性に優れ、高度な親水性を有し、流滴防曇
性、防露性、防汚性、自己浄化性の優れた実用に供し得
る浴室用流滴性防曇鏡を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明では、以上の本質的な理由により
充分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった
浴室において、上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を
形成し、曇りの原因たる微小な結露水を水膜に吸収する
ことで防曇機能を発現する鏡において、浴室固有の課題
に対して実用に供し得るように設計制御したことを特徴
とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室用防曇鏡及び
浴室用防曇鏡を備えた浴室設備、浴室に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室鏡の曇りや汚れを防止する方法とし
ては、鏡表面に界面活性剤を塗布する方法、親水性モノ
マー・ポリマー等の有機物からなる吸水性物質を塗布す
る方法などが知られている。界面活性剤を塗布する方法
によれば、界面活性剤によって表面に付着した水滴を水
膜化することによって、親水性モノマー・ポリマー等を
塗布する方法によれば鏡表面に付着した水分を吸水する
ことによって、水滴の付着・形成を防ぎ、部材表面の曇
りや汚れを防止することが可能になる。また、特開平7
−236553には、横方向に無数のキズを入れて表面
に平行な凹凸を形成したスリガラスを利用して作製した
鏡表面に、一度水をかけると凹部に入り込んだ水で表面
が平面になることにより透明となり、またその水膜によ
り曇り防止することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの方法においても、防曇機能の持続性に問題があっ
た。界面活性剤は水分によって流れ落ちやすく、特に浴
室のように水が頻繁にかかる環境においては、効力の持
続性に問題がある。また、親水性モノマー・ポリマー
は、吸水すると表面が柔らかく傷つきやすくなる。特に
浴室のように、使用環境下における蒸気圧の高い環境で
利用する場合には、吸水量が増加し、その傾向は非常に
顕著になる。さらに、界面活性剤、親水性モノマー・ポ
リマーのいずれも空気中の汚れなどを吸着しやすいとい
う欠点があった。また、特開平7−236553の方法
も、浴室固有の汚れである石鹸かすや皮脂、洗髪・洗体
時に使用する洗浄剤、リンス中の保湿成分でもあるシリ
コーン油、さらさら感を得るためのカチオン系界面活性
剤等が付着し、防曇機能の持続性を得ることはできなか
った。
【0004】本発明では、以上の本質的な理由により充
分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった浴
室において、実用に供し得る浴室用防曇鏡を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、Ca含有ガラス基材と、前記基材の裏面に設
けられた反射コート層と、前記基材の表面に設けられた
親水性被膜を備え、かつ前記親水性被膜の少なくとも最
表面にはCaが含有されていないことを特徴とする浴室
用防曇鏡を提供する。浴室固有の汚れである石鹸かすや
皮脂、洗髪・洗体時に使用する洗浄剤、リンス中の保湿
成分でもあるシリコーン油、さらさら感を得るためのカ
チオン系界面活性剤等が鏡に付着しやすい1つの原因
は、通常の鏡表面を構成するソーダライムガラス中には
Ca成分が含有されており、そのCaを会合中心として
これらの汚れが付着するためである。本発明では、基材
の表面に親水性被膜を設けることにより、基材表面に水
蒸気が付着しても水滴状に残らず、速やかに水膜状に広
がるようになるので、防曇効果が発揮される。さらに、
最表面にCaを含有しない構成とすることにより、浴室
固有の汚れ成分を付着しにくくなり、長期に亘り防曇性
が維持される。
【0006】本発明の好ましい態様においては、被膜は
無機酸化物からなるようにする。そうすることにより、
耐摩耗性及び耐温水性の良好な被膜となる。また、硬質
な層が形成されるために、鏡表面が傷つきにくい。従っ
て、傷の発生による鏡の視認性の低下を防止できる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、被膜表
面における、AFM(原子間力顕微鏡)で測定した表面
高さhが、1〜100nmであるようにする。そうする
ことにより、透明で基材の質感をそこなうことなく、親
水性が向上し、以下の記述に基づき、より優れた防曇性
が発揮される。 (1)親水面がフラクタル的構造(フラクタル次元が
2.01〜2.99次元の構造)になるために、高度な
親水性を呈するようになる。そのため、付着水滴が一様
に水膜化される。それにより、水蒸気の多い浴室空間に
おける使用においても充分な曇り防止性が発揮される。 (2)(1)に基づき、高度な親水性を呈するために、
使用直前に水を予めシャワー等によりかけたときに、表
面により安定かつ多量の水膜が形成される。この水膜の
存在により、汚れ負荷量の多い浴室空間においても、被
膜表面は汚れ成分よりも水に対する親和性がはるかに優
れるために、防汚性が発揮される。浴室空間では床が水
で濡れても支障がないためにこの性質を利用可能であ
り、使用直前にその都度水を予めシャワー等によりかけ
ておくだけで、長期に亘り、使用時において防曇性のみ
ならず、石鹸等の付着による視認性低下をも防止可能と
なる。また、不使用時に付着した空気中の汚れも上述し
たシャワー等により洗い流される。 (3)凹凸構造が非常に微細なので、浴室に棲息しやす
い菌や黴が凹凸に入り込めない。従って、菌や黴による
汚れも防止される。
【0008】本発明の好ましい態様においては、前記被
膜表面には細孔が穿たれており、かつその径が10〜2
000Å、より好ましくは、10〜1000Åであるよ
うにする。細孔径が10Å以上だと、水分子が細孔の中
に入りやすく、充分な流滴性が得られるようになる。ま
た、2000Å以下だと膜が実質透明となり、1000
Åでは充分に透明になる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、細孔の
深さが1〜100nmであるようにする。そうすること
により、汚れが細孔中の内部まで入りづらくなるので、
好ましい。
【0010】本発明の好ましい態様においては、被膜の
細孔の面積比が略15〜65%になるようにする。開孔
の面積比とは、見かけの面積に占める孔部の面積割合を
表し、例えば、0%だと緻密な層が形成されていること
になり、100%だと層がない状態である。開孔の面積
比が略この範囲にあると、浴室固有の耐久性がよく、し
かも流滴性のよい浴室用流滴性防曇鏡が可能となる。開
孔面積比が65%以下だと、汚れが堆積しにくくなり、
また外観上白濁が生じない。開孔面積比が10%以上だ
と、細孔中に充分に水分子が保持されるようになるの
で、良好な水膜保持性を呈するようになる
【0011】本発明の好ましい態様においては、被膜は
無機非晶質物質からなるようにする。無機非晶質物質の
網目構造は水分子は通すが、浴室固有の汚れである石鹸
かすや皮脂、洗髪・洗体時に使用する洗浄剤、リンス中
の保湿成分でもあるシリコーン油、さらさら感を得るた
めのカチオン系界面活性剤等の大きな分子は通さないの
で好ましい。
【0012】本発明の好ましい態様においては、被膜は
平均粒径1〜100nmの無機酸化物粒子からなるよう
にする。そうすることにより、AFM(原子間力顕微
鏡)で測定した表面高さhを、1〜100nmにしやす
くなる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、被膜表
面を垂直面としたときの水の後退角が20度以下である
ようにする。そうすることにより、浴室内の壁面に略平
行に鏡が取り付けられたような立面でも、水膜が鏡全面
にわたって広がり、使用者は洗面行為中に不便なく流滴
性による防曇機能を利用できる。ここで、後退角とはサ
ンプルを一定速度で水槽内に浸し、引き上げた時のサン
プルと水面間にフィレット状にできた水の接触角であ
る。
【0014】本発明の好ましい態様においては、被膜表
面の凹凸の高さ及び幅は0.4nm以上200nm以下
であるようにする。200nm以下とすることで、光の
干渉による表面層の発色を防止することができ、基材の
質感をそこなうことがない。0.4nm以上とすること
で、充分な機械的な強度が確保できる。表面粗さは、主
に凹凸の高さによって決まり、図1に示す模式的な表面
の断面においては、表面粗さ(Ra)=高さ/4とな
る。ここでは、凹凸の高さは0.4nm以上200nm
以下であることが好ましいので、表面粗さは0.1nm
以上50nm以下が好ましい。
【0015】本発明の好ましい態様においては、前記被
膜表面がpH7の液体に接触させたときの表面電位が負
であるように、好ましくは0〜−100mVであるように
する。そうすることにより、浴室で常時使用される石鹸
となじみがよく、石鹸によるナトリウムイオン又はカリ
ウムイオンの齎すビルダー作用により、石鹸糟汚れ(脂
肪酸カルシウム等)が固着しなくなるので、長期に亘り
防曇機能が発揮される。さらに、表面電位を負にするこ
とによって、鏡表面に水が接触した場合に除菌及び/又
は防汚効果を持たせることができるようになる。水周り
の汚れ・菌類などは、一般的にpH7付近の水中におい
て負に帯電していることが知られている。従って、複合
材表面の表面電位を負にすることで、水を接触させた状
態では鏡表面と汚れ・菌類とが電気的に反発し、汚れ・
菌類の付着を防止することができる。
【0016】本発明の好ましい態様においては、被膜の
膜厚は500nm以下、より好ましくは200nm以下
であるようにする。膜厚500nm以下にすることによ
り、鏡面が透明でクリアな映像で、浴室固有の汚れに対
して長時間流滴性を維持でき、長期にわたって流滴性能
の劣化もなく、実用に供しうる浴室用流滴性防曇鏡を提
供できる。また、膜厚200nm以下にすることにより、
上記効果の他に、万が一、鏡面より堅い物質でキズをつ
けた場合でも、目視的にはキズとして目立ちにくくでき
る。
【0017】本発明の好ましい態様においては、被膜最
表面よりもわずかに張り出した端面が設けられているよ
うにする。そうすることにより、鏡面内の周辺部の流滴
性維持性が向上し、より長時間流滴性防曇機能を利用で
きるようになる。高くする方法としては、親水性の材質
のものを鏡面の長手方向の両端にそれぞれ貼ってもよ
い。また、コーティングなどで厚付けしても良い。さら
に、プラスチックケースや枠などに入れて、鏡面と接す
る箇所を親水性にすることで可能となる。また、鏡面と
接さずに若干スリット状に離れていれば、毛管力で鏡面
の端部とスリット状の間に水が浸入し、鏡端部の親水性
がよくなり、流滴性の維持性が向上する。また、ケース
に入れたりすれば、割れて床に飛散しケガする危険性を
回避できる。また、前記徐放性物質及び手段と併用して
も良い。
【0018】本発明の好ましい態様においては、シャワ
ー装置と、前記シャワー装置のシャワーヘッドが届く位
置に配置された請求項1〜17に記載の浴室用防曇鏡と
を備えていることを特徴とする浴室設備を提供する。そ
うすることにより、手間いらずで簡便に水膜の形成、並
びに入浴後のシャワー洗浄が容易に行える。また、シャ
ワーや水洗金具や鏡が同一壁面にあれば、シャワーを浴
びながら流滴防曇鏡を体の向きをかえずに利用できる。
また、水洗金具の近傍にあれば、手や洗面器で鏡に水を
容易にかけることができる。また、浴槽付近に設置すれ
ば、浴槽からの蒸気が鏡表面に供給され、鏡面の水膜の
乾燥が防げる。また、シャワーと鏡を別々のとなりあっ
た壁に取り付けても良い。略直交した壁それぞれににシ
ャワーと鏡をつけると、手にシャワーヘッドをもたなく
とも、シャワーを出すだけで鏡面に水がかかるようにし
てもよい。
【0019】本発明の好ましい態様においては、浴室の
壁面に対して上方が張り出すように1〜30°傾斜させ
て取り付けた請求項1〜17に記載の浴室用防曇鏡を備
えていることを特徴とする浴室を提供する。そうするこ
とにより、浴室天井の照明が鏡に反射しにくくなり、使
用者が利用しやすくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の流滴性防曇鏡は、水周り
の、特に汚れの汚染付加量が大きく、絶えず多量な水蒸
気や水のかかる環境下、主として、浴室・シャワールー
ム等において防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優
れた浴室用流滴性防曇鏡として好適に使用できる。
【0021】本発明において、基材表面に細孔、凹凸を
形成する方法としては、限定されるものではなく、公知
の方法より選択すれば良いが、ゾル塗布法、めっき法、
CVD法、スパッタリング、真空蒸着法、陽極酸化法な
どよって、図2のように基材表面上に微細な凹凸を有す
る膜を形成する方法などが利用できる。陽極酸化法によ
れば、反射率のよい金属表面への適用が可能となる。ガ
ラス基材にかぎらず、金属材料でも適用できる。透明な
基材表面に凹凸を形成した後に、裏面に反射コートを施
して鏡化してもよいし、先に裏面に反射コートを施して
鏡化してから凹凸を形成してもよい。また、基材の一方
の面に反射膜とその上に流滴性機能層を形成することも
できる。これによれば、2重像の少ないクリアな映像が
可能となる。
【0022】本発明において、金属酸化物の1種以上を
含有する層を基材表面に被覆形成することが好ましい。
これによれば、高度な親水性を呈する所望の凹凸を容易
に形成することができる。前記酸化物を被覆形成する方
法としては、ゾル塗布法、真空蒸着、スパッタリング、
CVD法、めっき法など公知の方法から選択してもよ
く、また、それ以外でも良い。ゾル塗布法によれば、基
材の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけること
がないので、特別の設備を要せず、簡便に実施すること
ができる。CVD法、スパッタリング、真空蒸着によれ
ば、大きな基材への適用は設備上制約を受けるが、均一
で安定した薄膜を形成することが可能となる。これらの
方法において処理温度を高くすることにより、耐アルカ
リ性、耐温水性などの耐久性をより向上させることが可
能である。
【0023】金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、
ジルコニア、セリア、イットリア、ボロニア、マグネシ
ア、カルシア、フェライト、ハフニア、酸化チタン、酸
化亜鉛、三酸化タングステン、酸化第二鉄、酸化第一
銅、酸化第二銅、三酸化二ビスマス、酸化スズ、酸化ニ
ッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチ
ウム、酸化バナジウム等の単一酸化物や、チタン酸バリ
ウム、ケイ酸カルシウム、水ガラス、アルミノケイ酸
塩、リン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウ
ム、アルミノシリケート、アルカリシリケート等の複合
酸化物が好適に利用できる。中でも、シリカ、アルミ
ナ、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛のいず
れかを使用することが好ましい。小さく細かい凹凸を形
成するにはシリカ、アルミナがよく、大きな凹凸を形成
するにはジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛が
好ましい。ゾル塗布法においては、粒子径、後述するゾ
ルの性状に関して様々なものが入手可能なシリカが好ま
しい。シリカは最も安価であり、実用性が非常に高い。
また、pH7付近の水中においてゼータ電位が負である
シリカ、ジルコニア、チタニア、酸化スズを使用するこ
とにより、高度な親水性を得ることができる。好ましく
は表面電位が最も低いシリカを使用することであり、シ
リカの使用により、さらに高度な親水性を得ることがで
きる。
【0024】本発明において、金属酸化物粒子は水また
は親水性溶媒にコロイド状に分散させたゾルの形態とさ
れるのが好ましい。親水性溶媒としては前記金属酸化物
を安定に分散させ、基材上に均一かつ平滑な被膜を形成
させうるものである限り、特に限定されないが、好まし
いものとしては、沸点が200℃以下の有機溶媒を挙げ
ることができる。好ましい有機溶媒の例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、t−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、n−ブタノ−
ル、2−メチルプロパノ−ル、ペンタノ−ル、エチレン
グリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジアセトンアル
コ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピレン
グリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1−ブ
トキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−プロ
パノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレング
リコ−ルモノメチルエ−テル、2−ブトキシエタノール
等のアルコール系溶剤や、n−ヘキサン、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤を
挙げることができる。
【0025】本発明において、ゾル塗布法によって基材
表面に被膜形成する場合においては、金属酸化物0.0
5〜20重量部、溶媒99.95〜80重量部とするコ
ーティング組成物を使用することが好ましい。前記塗布
液を基材表面に塗布することにより、優れた防曇性を有
し、光干渉や白濁のない透明な膜を形成することができ
る。
【0026】また、ゾル塗布法による場合、平均粒子径
1〜100nmの粒状金属酸化物、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物、平
均径1〜50nm、平均長さ10〜500nmの羽毛状
または棒状金属酸化物のいずれかを使用することが好ま
しい。平均粒子径1〜100nmの粒状金属酸化物とし
ては、シリカ、ジルコニアなどが、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物とし
ては、シリカ、アルミナなどが、平均径1〜50nm、
平均長さ10〜500nmの羽毛状または棒状金属酸化
物としては、アルミナ、チタニアなどが挙げられる。鎖
状、羽毛状、棒状金属酸化物を使用すれば、基材表面に
形成した膜の耐久性を向上させることができる。また、
粒状無機酸化物を使用すれば、所望の凹凸を有した上で
より平滑性の高い膜を形成することができる。
【0027】本発明において、基材表面層には前記金属
酸化物を前記基材表面に固定するためのバインダーを含
有させることが好ましい。バインダーにより基材表面と
の密着性は向上し、さらに高度な耐久性、耐摩耗性がえ
られるからである。バインダーとしては、釉薬、水ガラ
ス、シリコーン等の無機質のバインダー、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機質のバインダ
ー等が利用できる。
【0028】本発明において、前記塗布液を基材表面に
塗布する方法は、公知の方法から適宜選択すればよく、
エアーガン、エアレスガン、エアゾールスプレー等を用
いたスプレーコーティング法、スピンコーティング法、
ディップコーティング法、フローコーティング法、ロー
ルコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り等があげ
られるが、これらに限定されるものではない。また、前
記塗布液を基材表面に塗布する前の処理として、各種シ
ャンプーやプライマー類、洗浄剤、コンパウンド類、帯
電防止剤等を用いることもできる。
【0029】塗布液を基材表面に塗布した後の熱処理
は、塗布液、基材の種類・性質に応じて適宜行えばよ
く、自然乾燥、加熱、赤外線・紫外線照射等いずれの方
法でも良い。単に溶媒を揮散させ乾燥したのみでもよい
場合もある。 熱処理を行う場合の方法としては、物品
の表面に表面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布
および熱処理の回数は2回以上であってもよい。塗布の
みを複数回繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と
熱処理の一連の操作を複数回行うことなど、様々な方法
が挙げられる。
【0030】本発明において、図4のように、あらかじ
め凹凸を形成した基材表面上に、さらに金属酸化物から
なる凹凸層を形成することも可能である。あらかじめ形
成する凹凸は、公知の方法より選択すれば良いが、前記
のようにゾル塗布法、真空蒸着法、スパッタリング、C
VDによって形成することが好ましく、その凹凸構造は
前述の凹凸高さ・幅・表面粗さの範囲に入っていること
が好ましい。凹凸層を形成する金属酸化物としては、前
述の金属酸化物の中から選べば良いが、特にシリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛を
使用することが好ましい。これらの金属酸化物のうち、
ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛等の光触媒
活性を有しているものを使用することが好ましい。光触
媒の親水化機能により、室内の照明や窓からの入射光な
どから得られる紫外線の存在下で、より一層親水性を高
めることが可能となる。特に、孔、凹凸などの内部奥深
くに浴室固有の汚れが固着して、鏡表面から除去困難な
場合など、光触媒性で汚れ分解でき、繰り返し流滴防曇
性を維持可能となる。さらに、光触媒の分解機能によ
り、防汚・防臭などの効果も期待できる。これらの酸化
物のゾルを使用してゾル塗布法により形成することが好
ましい。ゾルは様々な粒子径・性状のものが入手可能で
あり、表面に形成した凹部に入り込ませるために最適な
ものを選ぶことができる。酸化物ゾルは前述の各種金属
酸化物が挙げられるが、中でも粒子径が50nm以下の
ものが好ましい。あらかじめ形成した凹凸に入り込むた
め、基材表面の表面積は大きくなり、一層親水性が高ま
るからである。また、スパッタあるいはCVDによって
前記酸化物の被膜を形成する方法も好ましい。スパッタ
あるいはCVDによれば、被膜形成する前の親水性複合
材の凹凸を生かした被膜を形成することが可能となる。
CVDやスパッタにおいて処理温度を高くすることによ
り、耐アルカリ性、耐温水性などの耐久性をより向上さ
せることが可能である。無機酸化物以外にも浴室の環境
に耐えられる有機物との組み合わせなどで構成されても
よい。
【0031】また、基材の最表面には、金属粒子を光還
元法により、固定することも可能である。この場合、電
子捕捉効果を有する金属を添加することにより、親水機
能を高めることができる。電子捕捉効果を有する金属と
は、Pt、Pd、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、C
o、Zn等のイオン化傾向の小さく、自身が還元されや
すい金属をいう。これらの金属は、複数併用しても構わ
ない。これらの金属の平均粒子径は200nm以下であ
ることが好ましい。光の干渉、乱反射による発色、白濁
を防止するためである。
【0032】また、基材表面に形成した金属酸化物層粒
子の間隙にその間隙よりも小さな粒径の粒子を充填させ
ることも可能である。間隙に粒子を充填することで、基
材表面の表面積を大きくすることができ、親水性の向上
につながる。また、間隙に充填した粒子によって、金属
酸化物層粒子を結合させることができ、基材への密着性
が向上する。前記間隙より小さい粒径の粒子としては、
Sn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、Pt、Co、P
d、Ni等が挙げられる。前記電子捕捉効果を有する金
属を充填すれば、さらなる親水性の向上が期待できる。
【0033】表面には抗菌性を有する物質が担持されて
いるようにしてもよい。抗菌性を有する物質を担持する
ことにより、親水性を阻害する一要因である菌や微生物
を死滅させる、あるいは繁殖を抑制することができるた
め、良好な親水性が維持可能となる。
【0034】複合材の最表面には抗菌性を有する物質を
担持することも可能である。ここで抗菌性を有する物質
とは、有機系の物質でも無機系の物質でもよい。耐摩耗
性、耐温水、耐薬品性などの耐久性を考慮すると、P
t、Au、Ag,Cuなどの金属、あるいはそれらの化
合物の使用が好ましい。これらの抗菌性を有する物質を
担持することにより、親水性を阻害する一要因である菌
や微生物を死滅させる、あるいは繁殖を抑制することが
できるため、親水性を維持する上で非常に効果的であ
る。
【0035】乗り物用ガラス、建造物用窓ガラス、車両
用ミラー、道路鏡、計器盤カバー、眼鏡レンズ、ヘルメ
ットシールド、ゴーグル、保温ショーケース、浴槽、浴
室用壁材、浴室用床材、浴室用グレ−チング、浴室用天
井、シャワ−フック、浴槽ハンドグリップ、浴槽エプロ
ン部、浴槽排水栓、浴室用窓、浴室用窓枠、浴室窓の床
板、浴室照明器具、排水目皿、排水ピット、浴室扉、浴
室扉枠、浴室窓の桟、浴室扉の桟、すのこ、マット、石
鹸置き、手桶、浴室用鏡、風呂椅子、トランスファ−ボ
−ド、給湯機、浴室用収納棚、浴室用手すり、風呂蓋、
浴室用タオル掛け、シャワ−チェア、洗面器置き台等の
浴室用部材、ごとく、台所用キッチンバック、台所用床
材、シンク、キッチンカウンタ、排水籠、食器乾燥機、
食器洗浄器、コンロ、レンジフ−ド、換気扇、コンロ着
火部、コンロのつまみ等の台所用部材、小便器、大便
器、便器用トラップ、便器用配管、トイレ用床材、トイ
レ用壁材、トイレ用天井、ボ−ルタップ、止水栓、紙巻
き器、便座、昇降便座、トイレ用扉、トイレブ−ス用
鍵、トイレ用タオル掛け、便蓋、トイレ用手すり、トイ
レ用カウンタ、フラッシュバルブ、タンク、洗浄機能付
き便座の吐水ノズル等のトイレ用部材、洗面ボウル、洗
面トラップ、洗面所用鏡、洗面用収納棚、排水栓、歯ブ
ラシ立て、洗面鏡用照明器具、洗面カウンタ、水石鹸供
給器、洗面器、口腔洗浄器、手指乾燥機、回転タイル等
の洗面用部材、洗濯槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水
槽、空調機フィルタ、タッチパネル、水栓金具、人体検
知センサ−のカバ−、シャワ−ホ−ス、シャワ−ヘッ
ド、シャワ−吐水部、シ−ラント、目地などへの応用も
考えられる。
【0036】
【実施例】実施例1:スパッタリング(シリカ) RFスパッタリング装置により、鏡表面にシリカを膜厚
50nm形成し、試料2を得た。この試料を用いて下記
評価を実施した。その評価結果を表1に示す。
【0037】表1からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に良好な流滴防曇性を示した。また、汚れも付着
しておらず、初期の清浄性を維持していた。また、繰り
返し、洗浄回復性を評価すると、中性洗剤レベルでも、
流滴性が回復していた。これは、細孔径が小さく、浴室
固有の汚れが膜内部までは浸入しなかったため、表面の
洗浄だけできれいになったと推察できる。
【0038】比較例1:通常鏡 前記実施例との比較のため、何の処理も施していない1
0cm角の鏡を準備し、下記5項目の評価を行った。ま
た、後退角は22度で初期流滴性はなかった。その結果
を表1に示す。
【0039】評価項目 1.細孔径の測定:表面SEM写真より測定。 2.流滴防曇性:各試料を垂直な面に設置して水道水を
かけ、2分後の水濡れ状況を目視にて確認。これを、初
期と1週間浴室暴露後に評価した。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 3.暴露後防汚性:試料を浴室に1週間暴露後、外観上
の汚れ具合いを見た。 ◎:防汚面積100%、○:防汚面積80%以上100
%未満、△:防汚面積60%以上80%未満、×:防汚
面積60%未満、の4段階で評価。 4.洗浄回復性:試料を浴室に1週間暴露後、中性洗剤
(ライオン製ルックお風呂の洗剤でスポンジ洗浄し、ま
た暴露した。これを3か月繰り返し、流滴性の回復度合
いを見た。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 5.耐摩耗性:スポンジによる摺動を2万回往復行い、
外観の異常有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。 6.後退角の測定:試料を垂直に水槽に漬け、約1mm
/秒の速度で引き上げ、その時に水面と試料間にできる
フィレット状の水の持ち上がり角度を光学的に測定し
た。 尚、試料の暴露は、TOTO製1620UBの鏡の下部
にあたる位置に設置し、1日当り4人の入浴を繰り返し
ておこなった。その評価結果を表1、2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例2:鎖状コロイダルシリカ1% 鎖状コロイダルシリカ(固形分濃度15〜16%、pH
2〜4、粒子径40〜100nm)をエタノールで希釈
し、1重量%の塗布液を調整した。上記塗布液を布に含
ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと1
50度15分乾燥を行い試料3を得た。上記試料3を用
いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0042】実施例3:鎖状コロイダルシリカ20% 鎖状コロイダルシリカ(固形分濃度15〜16%、pH
2〜4、粒子径40〜100nm)を原液のまま、布に
含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと
150度15分乾燥を行い試料4を得た。上記試料4を
用いて、下記6項目の評価を行った。
【0043】実施例4:球状コロイダルシリカ1% 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm);5gに対して、界面活性剤;0.2
gを添加し、水で希釈して1重量%の塗布液を調整し
た。上記塗布液を布に含ませて10cm角の鏡に塗布
し、自然乾燥させた後150度15分乾燥を行い試料3
試料を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評価を行
った。その結果を表2に示す。
【0044】実施例5:球状コロイダルシリカ1% 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm)を水で希釈して1重量%の塗布液を調
整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角の鏡に塗
布し、自然乾燥させた後150度15分乾燥を行い試料
6を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0045】実施例6:アルミナゾル1% 棒状アルミナゾル(固形分濃度20〜22%、粒子径1
0〜20nm)をエタノールで希釈し、1重量%の塗布
液を調整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角の
鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150度15分乾燥を
行い試料7を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0046】実施例7:ジルコニアゾル1% 球状ジルコニアゾル(固形分濃度30〜31%、粒子径
60〜70nm)をエタノールで希釈し、1重量%の塗
布液を調整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角
の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150度15分乾燥
を行い試料8を得た。上記試料を用いて、下記6項目の
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0047】実施例8:チタニアゾル1% アナターゼ型チタニアゾル(固形分濃度10%)を水
で、10倍に希釈して塗布液を調整した。上記塗布液を
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させた
後150度15分乾燥を行い試料9を得た。上記試料を
用いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に
示す。
【0048】実施例9:リチウムシリケート リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)を原液のまま、
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させた
あと150度15分乾燥を行い試料10を得た。上記試
料を用いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表
2に示す。
【0049】実施例10:バインダー添加 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm);10g、ポリビニルアルコール5%
水溶液(日本合成化学(株)製、NH26);2g、シ
ランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A110
0);0.02g、界面活性剤;0.4g、水;90g
を混合して塗布液を調整した。上記塗布液を布に含ませ
て10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150
度15分乾燥を行い試料11を得た。上記試料を用い
て、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0050】評価項目 1.表面粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均
幅(L):走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツル
メンツ社製 D3000)のAFM(原子間力顕微
鏡)モードにて測定。 2.流滴防曇性:各試料を垂直な面に設置して水道水を
かけ、2分後の水濡れ状況を目視にて確認。これを、初
期と1週間浴室暴露後に評価した。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 3.暴露後防汚性:試料を浴室に1週間暴露後、外観上
の汚れ具合いを見た。◎:防汚面積100%、○:防汚
面積80%以上100%未満、△:防汚面積60%以上
80%未満、×:防汚面積60%未満、の4段階で評
価。 4.洗浄回復性:試料を浴室に1週間暴露後、中性洗剤
(ライオン製ルックお風呂の洗剤でスポンジ洗浄し、ま
た暴露した。これを約3年相当繰り返し、流滴性の回復
度合いを見た。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 5.耐摩耗性:スポンジによる摺動を2万回往復行い、
外観の異常有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。
【0051】
【表2】
【0052】実施例11:スパッタリング(シリカ) RFスパッタリング装置により、鏡表面にシリカを膜厚
50nm形成し、試料12を得た。この試料を用いて上
記評価を実施した。その評価結果を表2に示す。
【0053】表2からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に良好な流滴防曇性を示した。また、汚れも付着
しておらず、初期の清浄性を維持していた。また、繰り
返し、洗浄回復性を評価すると、中性洗剤レベルでも、
流滴性が回復していた。これは、細孔径だけでなく、凹
凸測定からも凹凸が小さく、浴室固有の汚れが膜内部ま
では浸入しなかったため、表面の洗浄だけできれいにな
ったと推察できる。
【0054】実施例13:EB EB蒸着によってシリカ、アルミナの無機酸化物を基材
に被覆して凹凸を形成し、試料13、14を得た。この
試料を用いて上記評価を実施した。その評価結果を表2
に示す。シリカにおいては、スパッタと同様な結果とな
った。アルミナに関しては、初期は良いが曝露によって
流滴性が、かなり失われた。
【0055】実施例14:CVD法(酸化スズ) CVD法により、20cm角の鏡表面に酸化スズをコー
ティングし、試料を得た。この試料を3等分し、1枚を
用いて同様の評価を行った。残りの2枚を用いて、耐温
水性・耐アルカリ性を評価した。耐温水性の評価は、9
5℃の温水に12時間浸漬した後、外観の異常の有無を
目視にて確認する方法で、耐アルカリ性の評価は、5%
NaOHに12時間浸漬した後、外観の異常の有無を目
視にて確認する方法で行った。耐温水性、耐アルカリ性
を評価した試料18,19を用いて同様の評価を行っ
た。その評価結果を表2に示す。
【0056】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。温水・アルカリによる異常は認められず、防曇性・
防汚性にも影響のないことが確認できた。このことか
ら、CVD法により酸化スズを被膜し凹凸を形成するこ
とで、温水・アルカリにも強い、ほぼ半永久的な耐久性
能を有した防曇性・防汚性がえられることが確認でき
た。
【0057】実施例15:凹凸表面の無機酸化物ゾルに
よる処理 ケイフッ化水素酸溶液で処理することにより、微細な凹
凸を形成した鏡表面に球状コロイダルシリカ(固形分濃
度30〜31%、粒子径8〜11nm)ゾルをそれぞれ
コーティングし、試料20を得た。鏡表面に凹凸を形成
した時点では、わずかながら白濁が認められたが、前記
ゾルをコーティングすることにより、表面は光をあてて
も干渉縞、白濁は全く認められなかった。この試料を用
いて同様の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0058】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから、あらかじめ凹凸を形成した基材表面
にさらに金属酸化物で被膜形成して凹凸をすることで、
良好な防曇性・防汚性がえられることが確認できた。
【0059】実施例16:凹凸表面の酸化チタンゾルに
よる処理 アナターゼ型チタニアゾル(固形分濃度15%)をエタ
ノールで、15倍に希釈して塗布液を調整した。上記塗
布液をフローコーティング法により、ケイフッ化水素酸
溶液処理で微細な凹凸を形成した鏡表面に塗布し、自然
乾燥後150度15分乾燥させて試料21を得た。この
試料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を表2
に示す。
【0060】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。試料9のチタニアゾルコーティングに比べて、基材
の影響で凹凸が増し、流滴性が良好になったと考えられ
る。このことから、あらかじめ凹凸を形成した基材表面
にさらに金属酸化物ゾルを塗布して凹凸を形成すること
で、良好な防曇性・防汚性がえられることが確認でき
た。
【0061】実施例17:凹凸表面のアルコキシドによ
る処理 チタンアルコキシド溶液(日本曹達製、NDH510
C、固形分濃度5%)をエタノールで、2倍に希釈して
塗布液を調整した。上記塗布液をフローコーティング法
により、ケイフッ化水素酸溶液処理で微細な凹凸を形成
した鏡表面に塗布し、500℃で30分焼成して試料2
2を得た。この試料を用いて、同様の評価および耐摩耗
性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0062】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。耐摩耗評価では、まったく傷がつかなかった。この
ことからあらかじめ凹凸を形成した基材表面にさらに金
属酸化物を被膜焼成することにより耐摩耗性の良好な凹
凸を形成することができることが確認できた。また、良
好な防曇性・防汚性がえられることも確認できた。ただ
し、凹凸が粗いため、中性洗剤による洗浄回復性は若干
劣る。
【0063】実施例19:凹凸表面のスパッタ処理 真空蒸着法によりシリカをコーティングし、あらかじめ
凹凸を形成した20cm角の鏡表面にさらにスパッタに
よってチタニアをコーティングして試料を得た。この試
料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を表2に
示す。
【0064】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから真空蒸着で凹凸形成した基材表面にさ
らに凹凸をつけることで、さらに良好な防曇性・防汚性
がえられることが確認できた。また、チタニアには光触
媒活性があり、UV照射によって流滴性の回復が認めら
れた。
【0065】実施例20:凹凸表面のスパッタ処理 スパッタによりチタニアをコーティングし、所定の凹凸
を形成した20cm角の鏡表面にさらにスパッタによっ
て酸化スズをコーティングして試料27、28を得た。
この試料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を
表2に示す。
【0066】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことからスパッタで凹凸形成した基材表面にさ
らに凹凸をつけることで、さらに良好な防曇性・防汚性
がえられることが確認できた。SEMにより、表面と断
面からスパッタチタニアの微構造を観察してみると、柱
状の結晶が基材面から垂直に集積した構造であった。こ
の表面は、略2次元構造であり、柱状結晶同士の間に
は、微小なすきまがあることがわかった。結晶になって
いるため、耐久的に強く、しかも結晶同士の微小なすき
まが流滴性に好適と考えられる。この結晶構造は、チャ
ンバー内の酸素濃度が高い方が、柱状になり、酸素濃度
が低い方が、アナターゼ型結晶構造が有意となることが
わかった。アナターゼが有意になるにしたがって、表面
から見た微構造は、正方からアスペクト比をもった直方
に変化し、光活性面だけでなく流滴性面でも、より好適
に使用できるようになる。さらに、このうえに、より親
水性のよいシリカ、酸化スズを形成すれば、汚れの付き
にくい、流滴維持性の良い表面層が形成できる。
【0067】実施例21: 凹凸と表面電位 アルミナゾル、シリカゾル、酸化スズゾル、チタニアゾ
ル、ジルコニアゾルの5種類の金属酸化物ゾルをそれぞ
れ鏡表面にコーティングし、試料を得た。各試料の表面
粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均幅(L)
及び零電荷点を計測した後、浴室内に設置し、2週間暴
露した。暴露期間中は、入浴は1日4人とし、鏡面への
意図的な水かけ、洗浄等は一切行わないこととした。比
較のためノーマルな鏡も同様に設置し、暴露を行った。
尚、零電荷点とはゼータ電位が0になる時の水溶液のp
Hであり、零電荷点の値より高いpHの水溶液中に入れた
時にはゼータ電位が負に、それより低いpHの水溶液中
に入れた時には正になる。鏡表面の零電荷点測定は、レ
ーザーゼータ電位計(大塚電子製、ELS−6000)
を用い、ポリスチレンラテックスを光散乱のモニター粒
子として電気浸透流を測定し、電気浸透流が0になった
時の電解質水溶液のpHを滴定法により求めた。表面粗
さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均幅(L)
は、走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ
社製D3000)のAFM(原子間力顕微鏡)モードに
て測定した。試料は2週間暴露後に浴室から取り出し、
流滴性評価方法に従って、目視による4段階評価を実施
した。その結果を下表4に示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3からわかるように、ノーマル鏡は零電
荷点がシリカゾル鏡と同等であるが水濡れ面積は60%
に満たなかった。一方、各種ゾルを塗布した鏡では、ア
ルミナ鏡が60%以上、酸化スズ・ジルコニア鏡が80
%以上、シリカ鏡が100%の水濡れ面積を示した。以
上より、零電荷点の値が小さい(表面電位が負である)
だけ、あるいは、微細な凹凸だけでは、親水性を維持し
にくいことが確認できた。つまり、微細な凹凸と零電荷
点が7未満(pH7付近の水中において表面電位が負)
であることとが組合わさることによって、さらには零電
荷点が低いほど、良好な親水性を維持することができ、
水膜形成によって、防曇性・防汚性・水滴形成防止性・
水滴付着防止性が得られることが確認できた。
【0070】実施例22:凹凸上に1層コート リチウムシリケート+無機酸化物ゾルリチウムシリケー
ト(SiO2固形分濃度20〜21%、Li2O固形分濃
度2〜3.5%)と球状コロイダルシリカ(固形分濃度
30〜31%、粒子径8〜11nm)を固形分比1:1
で固形分濃度1%になるように混合調整してコーティン
グ処理した。試料29。
【0071】リチウムシリケートと球状コロイダルシリ
カ(固形分濃度30〜31%、粒子径8〜11nm)の
混合物でコーティング処理することにより、微細な凹凸
を形成した鏡表面にリチウムシリケート、前記球状コロ
イダルシリカと前記リチウムシリケートを固形分比1:
10混合したものをそれぞれコーティングし、2種類の
試料30、31を得た。これらの試料を用いて、前記評
価を行った。その評価結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】初期及び暴露後、さらには、約3年相当の
繰り返し後でも、良好な結果が得られた。
【0074】実施例23:膜厚と防曇・防汚性の関連 シリカゾルによって、20cm角の鏡表面に各種膜厚で
コーティングして試料を得た。この試料を用いて同様方
法で防曇・防汚性の評価を行った。あわせて外観評価も
行った。評価結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】表5からわかるように、本実験の範囲内で
は膜厚の違いによる防曇・防汚性に差はないが、膜厚が
500nmでは干渉縞がみられ、外観上は問題があっ
た。このことより、膜厚は400nm以下が好ましいこ
とが確認できた。また、膜の硬さも厚いと低下すること
がわかった。
【0077】実施例24:洗剤の種類と流滴性の洗浄回
復性 前記、実施例と同じ処方の試料1、2、17、比較例1
を準備し、同様に入浴暴露試験を実施し、洗剤の種類に
よってどれぐらい洗浄回復性に差が出るか調査した。洗
浄回復性の繰り返し期間は、約6ケ月相当で評価した。
石鹸のみ手洗いを、中性洗剤(ライオン製ルック)とセリ
ア磨きはスポンジ洗浄を、カビキラーについてはスプレ
ーのみで5分放置後、シャワー洗浄した。
【0078】
【表6】
【0079】酸化スズは、石鹸手洗いでも、繰り返し流
滴性が回復することがわかった。この試料のみ、引き続
いて評価を継続した結果、約3年相当の間、石鹸手洗い
という簡便な方法で、流滴性が回復することがわかっ
た。浴室用としては、耐久性、流滴性に優れた材料と微
構造の組み合わせであることが確認できた。
【0080】実施例25 鏡を80℃の温水に24時間浸漬し、その後自然に乾燥
させて試料を得た。この試料を実施例19と同様に評価
を行った。その結果、表面粗さ(Ra)は、0.675
nm、凹凸平均高さ(H)は、3.094nm、凹凸平
均幅(L)は、24.899nmであった。初期防曇
性、暴露後防曇性・防汚性の評価はいずれも◎であり、
暴露後も良好な防曇性と清浄性を維持可能なことが確認
できた。このことから、温水浸漬によって基材表面に凹
凸を形成することでも、良好な防曇性・防汚性がえられ
ることが確認できた。
【0081】実施例28:鏡とシャワー位置 試料として、コロイダルシリカをコーティングし、熱処
理することにより、表面に微細な凹凸構造を形成した親
水性鏡(サイズ:200mm×300mm)を準備し
た。初期の接触角が20°以下であることをあらかじめ
確認してから浴室に設置し、防汚評価を行った。試料
は、通常の鏡の設置高さと同じ床面から500mmの位
置に、シャワーとの間隔は横方向(鏡の左右方向)10
0〜300mm、奥行き方向0〜100mmの各位置に
取付けた。入浴は1日4人とし、シャワーを使用してシ
ャンプー・リンス、石鹸、ボディーシャンプー等を使っ
て洗髪洗体モニターを実施した。鏡の汚れ具合をはかる
指標としては接触角を用い、接触角が30°を維持する
日数で示した。その結果を表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】表7から、鏡とシャワーの位置は、本実験
の範囲では離れているほうが汚れにくく、親水性を維持
できることがわかった。横方向では250mm以上が良
く、さらに好ましくは300mm以上が良いことが確認
できた。奥行き方向では、50mm以上、好ましくは1
00mm以上が良いことが確認できた。
【0084】実施例29:抗菌性 200mm×300mmの鏡を用意した。シリカゾルと
チタニアゾルを混合塗布して凹凸を形成した試料を得
た。シリカとチタニアゾルで凹凸形成後、その上に硝酸
銀水溶液を塗布し、BLBランプを用いて銀を光還元固
定した試料を得た。比較のため、鏡表面に直接銀を固定
した試料も準備した。これらの試料の表面粗さ(R
a)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)を測定
後、表面にカビの胞子を付着させ、浴室内に設置して、
2週間暴露を行った。暴露期間中の入浴は1日4人とし
た。2週間後、その汚れ付着やカビの発生状況を確認す
ると共に、実施例1〜9と同様の方法で流滴性の評価を
行った。結果を表 に示す。尚、表面粗さ(Ra)、凹
凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)は、走査型プロー
ブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製 D300
0)のAFM(原子間力顕微鏡)モードにて測定した。
【0085】
【表8】
【0086】表からわかるように、比較試料は表面にカ
ビは発生しなかったものの、汚れが付着しており、水濡
れ面積60%未満と流滴による防曇効果は得られないよ
うな状況であった。シリカで凹凸を形成した試料は、汚
れはほとんど付着しておらず、水濡れ面積60%以上と
かろうじて流滴性を保持した。しかし、表面にはまだら
にカビが発生し、その部分が親水性を失っており、使用
する上では好ましくない状態であった。一方、シリカの
凹凸上に銀を固定したものは、表面粗さ、凹凸平均高さ
・幅はシリカで凹凸を形成した先の試料と大差ないにも
かかわらず、カビも付着しておらず、水濡れ面積は80
%以上と良好な流滴性を維持した。このことから、凹凸
上に銀を固定することにより、部材表面のカビの発生を
防ぐことができ、それによって親水性を良好に維持でき
ることが確認できた。以上より、凹凸と抗菌金属を組み
合わせることにより、親水性が長期間良好な状態で維持
可能なことが示唆された。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、汚れの汚染付加量が大
きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主とし
て、浴室・シャワールーム等において好適に使用できる
防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた実用に供
し得る浴室用流滴性防曇鏡を提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凹凸表面の模式的な断面図を示す。
【図2】 基材に金属酸化物層を被覆し凹凸を形成した
場合の模式的な断面図を示す。
【図3】 基材に直接凹凸を形成した場合の模式的な断
面図を示す。
【図4】 凹凸表面上にさらに凹凸を形成した場合の模
式的な断面図を示す。
【図5】 水の接触角と流滴性維持時間の関係の例を示
す。
【図6】 鉛筆硬度と耐久性、流滴性の関係を表した表
を示す。
【図7】 ケイフッ化処理表面のSEM写真を示す。
【図8】 スパッタシリカの表面のSEM写真を示す。
【図9】 スパッタチタニアの表面のSEM写真を示
す。
【図10】 CVD酸化スズの表面のSEM写真を示
す。
【図11】 ケイフッ化処理表面の汚れ蓄積時のSEM
写真を示す。
【図12】 ケイフッ化処理表面のAFM像を示す。
【図13】 スパッタシリカ表面のAFM像を示す。
【図14】 スパッタチタニア表面のAFM像を示す。
【図15】 CVD酸化スズの表面のAFM像を示す。
【図16】 本発明の実施の一形態による浴室の模式的
な斜視図である。
【図17】 本発明の実施の一形態による浴室の模式的
な斜視図である。
【符号の説明】
H:凹凸高さ L:凹凸幅 1:基材 2:金属酸化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森原 かおり 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2H042 DB11 DE01 DE02 DE08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ca含有ガラス基材と、前記基材の裏面
    に設けられた反射コート層と、前記基材の表面に設けら
    れた親水性被膜を備え、かつ前記親水性被膜の少なくと
    も最表面にはCaが含有されていないことを特徴とする
    浴室用防曇鏡。
  2. 【請求項2】 前記被膜は無機酸化物からなることを特
    徴とする請求項1に記載の浴室用防曇鏡。
  3. 【請求項3】 前記被膜表面における、AFM(原子間
    力顕微鏡)で測定した表面高さhが、1〜100nmで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の浴室用
    防曇鏡。
  4. 【請求項4】 前記被膜表面には細孔が穿たれており、
    かつその径が10〜2000Åであることを特徴とする
    請求項1〜3に記載の浴室用防曇鏡。
  5. 【請求項5】 前記細孔の深さが1〜100nmである
    ことを特徴とする請求項4に記載の浴室用防曇鏡。
  6. 【請求項6】 前記被膜の細孔の面積比が略15〜65
    %になるようにしたことを特徴とした請求項4または5
    に記載の浴室用防曇鏡。
  7. 【請求項7】 前記被膜は無機非晶質物質からなること
    を特徴とする請求項1〜6に記載の浴室用防曇鏡。
  8. 【請求項8】 前記被膜は平均粒径1〜100nmの無
    機酸化物粒子からなることを特徴とする請求項1〜6に
    記載の浴室用防曇鏡。
  9. 【請求項9】 前記被膜は無機非晶質物質及び平均粒径
    1〜100nmの無機酸化物粒子からなることを特徴と
    する請求項1〜6に記載の浴室用防曇鏡。
  10. 【請求項10】 前記被膜表面を垂直面としたときの水
    の後退角が20度以下であることを特徴とする請求項1
    〜9に記載の浴室用防曇鏡。
  11. 【請求項11】 前記被膜表面の凹凸の高さ及び幅は
    0.4nm以上200nm以下であることを特徴とする
    請求項1〜10に記載の浴室用防曇鏡。
  12. 【請求項12】 前記被膜表面がpH7の液体に接触さ
    せたときの表面電位が負であることを特徴とする請求項
    1〜11に記載の浴室用防曇鏡。
  13. 【請求項13】 前記被膜表面がpH7の液体に接触さ
    せたときの表面電位が0〜−100mVであることを特徴
    とする請求項1〜12に記載の浴室用防曇鏡。
  14. 【請求項14】 前記被膜の膜厚は500nm以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜13に記載の浴室用防曇
    鏡。
  15. 【請求項15】 前記被膜の膜厚は200nm以下であ
    ることを特徴とする請求項14に記載の浴室用防曇鏡。
  16. 【請求項16】 前記被膜の水をかけることにより、水
    膜が形成され、以って防曇性を呈するようになることを
    特徴とする請求項1〜15に記載の浴室用防曇鏡。
  17. 【請求項17】 前記被膜最表面よりもわずかに張り出
    した端面が設けられていることを特徴とする請求項1〜
    16に記載の浴室用防曇鏡。
  18. 【請求項18】 シャワー装置と、前記シャワー装置の
    シャワーヘッドが届く位置に配置された請求項1〜17
    に記載の浴室用防曇鏡とを備えていることを特徴とする
    浴室設備。
  19. 【請求項19】 浴室の壁面に対して上方が張り出すよ
    うに1〜30°傾斜させて取り付けた請求項1〜17に
    記載の浴室用防曇鏡を備えていることを特徴とする浴
    室。
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