JP2001046198A - 浴室用流滴性防曇鏡 - Google Patents

浴室用流滴性防曇鏡

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JP2001046198A
JP2001046198A JP11171033A JP17103399A JP2001046198A JP 2001046198 A JP2001046198 A JP 2001046198A JP 11171033 A JP11171033 A JP 11171033A JP 17103399 A JP17103399 A JP 17103399A JP 2001046198 A JP2001046198 A JP 2001046198A
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Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Hisato Haraga
久人 原賀
Shinji Toyofuku
信次 豊福
Kaori Morihara
かおり 森原
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴室という、汚れの汚染付加量が大きく、絶
えず多量な水蒸気や水のかかる環境下にて、好適に使用
できる耐久性に優れ、高度な親水性を有し、流滴防曇
性、防露性、防汚性、自己浄化性の優れた実用に供し得
る浴室用流滴性防曇鏡を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明では、以上の本質的な理由により
充分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった
浴室において、上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を
形成し、曇りの原因たる微小な結露水を水膜に吸収する
ことで防曇機能を発現する鏡において、浴室固有の課題
に対して実用に供し得るように設計制御したことを特徴
とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れの汚染付加量
が大きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主
として、浴室・シャワールーム等において好適に使用で
きる防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた浴室
用流滴性防曇鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室鏡の曇りや汚れを防止する方法とし
て、鏡表面に親水性を付与することが従来行われてい
る。親水性を付与する方法として、鏡表面に界面活性剤
を塗布する方法、親水性モノマー・ポリマー等の親水性
物質を塗布する方法などが知られている。界面活性剤を
塗布する方法によれば、界面活性剤によって表面に付着
した水滴を水膜化することによって、親水性モノマー・
ポリマー等を塗布する方法によれば鏡表面に付着した水
分を吸水することによって、水滴の付着・形成を防ぎ、
部材表面の曇りや汚れを防止することが可能になる。ま
た、特開平7−236553には、横方向に無数のキズ
を入れて表面に平行な凹凸を形成したスリガラスを利用
して作製した鏡表面に、一度水をかけると凹部に入り込
んだ水で表面が平面になることにより透明となり、また
その水膜により曇り防止することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】界面活性剤は水分によ
って流れ落ちやすく、特に浴室のように水が頻繁にかか
る環境においては、効力の持続性に問題がある。また、
親水性モノマー・ポリマーは、吸水すると表面が柔らか
く傷つきやすくなる。特に浴室のように、使用環境下に
おける蒸気圧の高い環境で利用する場合には、吸水量が
増加し、その傾向は非常に顕著になる。さらに、界面活
性剤、親水性モノマー・ポリマーのいずれも空気中の汚
れなどを吸着しやすいという欠点があった。とりわけ、
浴室は、水道水中の金属イオンに起因する汚れ、石鹸か
すや皮脂などの他、洗髪・洗体時に使用する洗浄剤、特
にリンス中の保湿成分でもあるシリコーン油、さらさら
感を得るためのカチオン系界面活性剤等、鏡表面に付着
することによって、鏡表面を水をはじきやすくする性質
に変化させる汚染物が非常に多い。さらに、それらは洗
髪・洗体時に直接飛散したり、シャワーによって間接的
に飛散したり、付着しやすい状況にある。また、浴室内
では水分や有機物が豊富なことから、特に凹凸のある部
位では微生物が繁殖しやすく、凹凸や親水性有機物で鏡
表面に親水性を付与した場合に微生物が繁殖し親水性を
阻害することがある。このように多種多様な汚れが存在
し、かつ付着しやすい、汚染負荷量が大きい環境下にお
いて、上記の鏡が防曇性・防汚性を発揮できるのは、初
期の鏡が清浄な状態を保持できている間だけであり、長
期間防曇性・防汚性を保持することはほとんど不可能で
あった。付着した汚れを都度払拭する方法もあるが、手
間がかかるうえ、せっかく手間をかけても手の油がつけ
ばそれだけでも親水性を阻害することになり、確実に親
水性を回復させることは難しかった。
【0004】本発明では、以上の本質的な理由により充
分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった浴
室において、実用に供し得る浴室用流滴性防曇鏡を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、鏡表面に水膜を形成し、曇りの原因たる微小
な結露水を水膜に吸収することで防曇機能を発現する鏡
において、浴室固有の課題に対して実用に供し得るよう
に設計制御したことを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を
提供する。基材表面に親水性無機酸化物からなる層を形
成し、かつ層表面にこのような細孔径を有する凹凸構造
を形成することによって、透明で基材の質感をそこなう
ことなく、以下の機能が発揮される。 (1)親水面がフラクタル的構造(フラクタル次元が
2.01〜2.99次元の構造)であるために、高度な
親水性を呈するようになる。そのため、付着水滴が一様
に水膜化される。それにより、水蒸気の多い浴室空間に
おける使用においても充分な曇り防止性が発揮される。 (2)高度な親水性を呈するために、使用直前に水を予
めシャワー等によりかけておくと、表面に水膜が形成さ
れる。この水膜が存在すると、汚れ負荷量の多い浴室空
間においても、鏡表面は汚れ成分よりも水に対する親和
性がはるかに優れるために、防汚性が発揮される。浴室
空間では床が水で濡れても支障がないためにこの性質を
利用可能であり、使用直前にその都度長期に水を予めシ
ャワー等によりかけておくだけで、長期に亘り、使用時
において防曇性のみならず、石鹸等の付着による視認性
低下をも防止可能となる。また、不使用時に付着した空
気中の汚れも上述したシャワー等により洗い流される。 (3)凹凸構造が非常に微細なので、浴室に棲息しやす
い菌や黴が凹凸に入り込めない。従って、菌や黴による
汚れも防止される。 (4)無機酸化物からなる硬質な層が形成されるため
に、鏡表面が傷つきにくい。従って、傷の発生による鏡
の視認性の低下を防止できる。基材表面の凹凸の高さ、
幅、表面粗さは原子間力顕微鏡を用いて求めることがで
きる。複雑でかつ微細な凹凸表面を測定する際には、表
面の吸着水、表面に入り込んだ気体がじゃまをして、接
触式の表面粗さ計では正確な値を知ることができないた
め、原子間力顕微鏡を用いて測定することが好ましい。
【0006】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の課題が、鏡表面に形
成した水膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、
良好な流滴性を繰り返し長時間維持するように、鏡の表
面構造と材料特性を制御したことを特徴とする浴室用流
滴性防曇鏡を提供する。これによれば、鏡表面に形成し
た水膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、良好
な流滴性を繰り返し長時間維持可能となる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、水と親和性をもった材料で凹凸
を形成した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、鏡表面に形成した水膜をはじかせる浴室固有の汚れ
の存在下でも、良好な流滴性を繰り返し長時間維持可能
となる。
【0008】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面の細孔径が10〜20
00Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無
機金属酸化物からなる浴室用流滴性防曇鏡を提供する。
これによれば、鏡表面に形成した水膜をはじかせる浴室
固有の汚れの存在下でも、良好な流滴性を繰り返し長時
間維持可能となる。基材表面に親水性無機酸化物からな
る層を形成し、かつ層表面にこのような細孔径による凹
凸構造を形成することによって、透明で基材の質感をそ
こなうことなく、さらに、硬質な層が形成されるため
に、鏡表面が傷つきにくい。従って、傷の発生による鏡
の視認性の低下を防止できる。細孔径が10Å以下だ
と、水が孔の中に入りづらく、流滴性が得られにくい。
また、2000Åを超えると膜が白くなり(ヘイズ)鏡
としては、実用をなさなくなる。1000Å程度だと透
明で流滴性の良好である。
【0009】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面が10〜200Å、よ
り好ましくは10〜100Åの細孔径を有する浴室用流
滴性防曇鏡を提供する。これによれば、水は内部に入っ
ていくが、浴室固有の汚れが細孔中の内部まで入りづら
くなり、鏡表面に形成した水膜をはじかせる浴室固有の
汚れの存在下でも、汚れは内部まで入っておらず、鏡表
面について汚れを、中性洗剤をスポンジにつけてこすれ
ば、良好な流滴性を繰り返し長時間維持可能となり、長
年の間使用に耐える。
【0010】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面が、シリカ、ジルコニ
ア、酸化スズ、チタニア、アルミナ、セリアを主成分と
した1種または数種複合化した材料からなる浴室用流滴
性防曇鏡を提供する。これによれば、透明で高度な親水
性を呈する所望の凹凸を容易に形成することができる。
材質的に結晶質でも、非晶質でもよい。
【0011】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面をスパッタリングなど
のPVDで形成した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。こ
れによれば、均一でかつ強固な膜を形成することができ
る。また、上記で望まれる10〜200Å、より好まし
くは、10〜100Åの細孔径になるように制御形成し
やすく好適である。
【0012】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面をCVDで形成した浴
室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、耐久性の
よりよい膜を形成することができる。図4に示すよう
に、CVD酸化スズの略2次元凹凸中に、スパッタリン
グで、数nm〜数10nmのシリカをコートすれば、耐
摩耗性に優れた酸化スズと水との親和性に優れたシリカ
の両者の長所を兼ね備えた複合構造もできる。これによ
れば、酸化スズの2次元構造で汚れが取れやすく、また
スパッタシリカの汚れを内部まで浸入させにくい性質が
合わさり、両者のもつ洗浄回復性の良さも発揮できる。
浴室実入浴試験の加速負荷試験でも2年以上にわたって
中性洗剤で流滴性の回復性の良さを確認っした。また、
耐久的にも10年以上の長期にわたり使用できる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面をゾルゲル法で形成し
た浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、基材
の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけることが
少ないので、特別の設備を要せず、簡便に基材表面に被
膜形成することができる。けい酸アルカリ塩などの材料
を使う場合や加熱によって酸化物に変化する前駆体、た
とえばオキシ塩化ジルコニウムのような材料を添加して
加熱処理で耐久性にすぐれた膜を形成するなど好適に使
用できる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面をケミカルエッチング
で形成した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、二重像のない鮮明な反射像がえられる。
【0015】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面を陽極酸化法で形成し
た浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、反射
率のよい金属表面への適用が可能となる。
【0016】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面の細孔径が10〜200
0Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無機
金属酸化物からなる層中に親水性物質、より好ましく
は、親水性有機物及び/または界面活性剤及び/または
親水性無機物が内在保持された浴室用流滴性防曇鏡を提
供する。これによれば、表4に示すように、浴室固有の
汚れ成分が付着しても、内在された物質が徐々に徐法さ
れて自己浄化することにより、長期にわたって繰り返し
流滴維持性の良い浴室用流滴性防曇鏡が可能となる。ま
た、中性洗剤のスポンジ洗浄で充分繰り返し流滴性が回
復するので、長期にわたって使える。耐温水性、耐アル
カリ性試験の結果、外観上も機能上も耐久後も遜色な
く、10年耐久が得られている。
【0017】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面の細孔径10〜200
0Å、より好ましくは、10〜1000Åで3次元網目
構造のような複雑な構造を有さない構造でリンス成分に
含まれるカチオン系界面活性剤やシリコーンなどの鏡表
面の水膜をはじかせる汚れ成分が入りにくい構造を有す
る浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、内部
まで汚れ成分が入って除去が困難になることがない。
【0018】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、洗面行為中の2〜3分以上の長
時間にわたって少なくとも流滴防曇性の維持特性を有す
る10〜2000Å、より好ましくは、10〜1000
Åの範囲に細孔径を有した浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、使用者が洗面行為中に不便なく利用
できる。また、鏡をシャワー近傍や水洗金具近傍に設置
していれば、水膜乾燥や流滴性がなくなっても、すみや
かに水をシャワーやおけでかけることができる。
【0019】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åで接触角50度以下の水
の接触角をもった浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これ
によれば、接触角が50度以下であれば、水膜が鏡全面
にわたって広がり、使用者は不便なく流滴性による防曇
機能を利用できる。
【0020】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åで50度以下の水の接触
角をもった浴室用流滴性防曇鏡において略2〜3分以上
流滴性を維持する浴室用流滴性防曇鏡。これによれば、
水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面行為中に
不便なく流滴性による防曇機能を利用できる。
【0021】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、流滴性の維持時間と水の接触角
の関係がT=0.069*A^2-6.6*A+159の式を満たす浴室用
流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、水膜が鏡全面
にわたって広がり、使用者は洗面行為中に不便なく流滴
性による防曇機能を利用できる。図5は、接触角と流滴
維持時間の関係を表すグラフである。同図において、縦
軸の維持時間は、その時間以上流滴性を維持した時間を
示す。この図からわかるように、接触角が50度以下で
流滴性を示すことが確認できた。図中の実線は、実施例
6記載のコロイダルシリカの場合の推移である。図中の
破線は、実施例1記載のケイフッ化水素酸処理の例であ
る。また、図中の一点鎖線は、実施例20に記載の試料
24である。上記の式を満たす維持時間の下限から急に
維持時間が長くなることがわかった。コロイダルシリカ
に比べて、ケイフッ化水素酸処理では凹凸が大きく、複
雑な層形状をしており、真の表面積が大きく、より高い
接触角でも流滴性があると考えられる。試料24におい
ては、けい酸リチウムが内在されており、凹凸因子だけ
でなく、けい酸リチウムに起因する親和性で、より高い
接触角でも流滴性維持すると考えられる。
【0022】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径略10〜2000Å、よ
り好ましくは、10〜1000Åで20度以下の水の後
退角をもった浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによ
れば、浴室内の壁面に略平行に鏡が取り付けられたよう
な立面でも、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は
洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利用でき
る。立面で鏡表面に付着した水が流滴性を示し、鏡全面
にわたって防汚性、防曇性、水滴形成防止性、水滴付着
防止性を呈しやすくなるからである。流滴性とは、水を
かけたときに水滴とならず、浴室の壁など立面での鏡面
に水膜を形成した状態をいう。また、後退角とはサンプ
ルを一定速度で水槽内に浸し、引き上げた時のサンプル
と水面間にフィレット状にできた水の接触角である。
【0023】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水
の接触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM
(原子間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜20
00Åの表面高さhをもった浴室用流滴性防曇鏡を提供
する。基材表面の凹凸の高さ、幅、表面粗さは原子間力
顕微鏡を用いて求めることができる。複雑でかつ微細な
凹凸表面を測定する際には、表面の吸着水、表面に入り
込んだ気体がじゃまをして、接触式の表面粗さ計では正
確な値を知ることができないため、原子間力顕微鏡を用
いて測定することが好ましい。凹凸の高さ及び幅は可視
光の波長の1/2、すなわち、200nm以下とするこ
とが好ましい。光の干渉による表面層の発色を防止する
ことができ、基材の質感をそこなうことがないからであ
る。また、凹凸の高さ及び幅は0.4nm以上であるこ
とが好ましい。充分な機械的な強度が確保できるからで
ある。表面粗さは、主に凹凸の高さによって決まり、図
1に示す模式的な表面の断面においては、表面粗さ(R
a)=高さ/4となる。ここでは、凹凸の高さは0.4
nm以上200nm以下であることが好ましいので、表
面粗さは0.1nm以上50nm以下が好ましい。これ
によれば、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗
面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利用できる
だけでなく、鏡面が透明で洗浄性の良い鏡となる。
【0024】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水
の接触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM
(原子間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜20
00Å、より好ましくは、10〜1000Åの表面幅L
をもった浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面行為
中に不便なく流滴性による防曇機能を利用できるだけで
なく、鏡面が透明で洗浄性の良い鏡となる。
【0025】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、Wenzelの式において接触
角が50度以下かつAFM(原子間力顕微鏡)で測定し
た表面高さhが200nm以下、より好ましくは、100
nm以下である浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これに
よれば、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面
行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利用できるだ
けでなく、鏡面が透明で洗浄性の良い鏡となる。Wen
zelの式とは、表面に微細な凹凸を形成することで、
親水性表面はさらに親水性が向上することを数式化した
ものである。 真の表面積/見かけの表面積 r=COSθ`/COS
θ θ`:見かけの水接触角、θ:真の水接触角 図1に示したモデルでは、r=COSθ`/COSθ=
2/L*(H^2+1/4*L^2)^1/2 L:凹凸幅、H:凹凸高さ このような式で表され、幅Lが小さいほど、高さHが大
きいほどrは大きな値となる。すなわち、孔の幅、細孔
径が小さく、高さ、深さが大きいほど、真の表面積は大
きくなり、接触角はより低く高度な親水性となる。ただ
し、孔が深すぎると、汚れの洗浄回復性が悪化する場合
があり、rが大きければ良いというわけではない。
【0026】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、Wenzelの式においてAF
M(原子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lより
も浅い浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、
水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面行為中に
不便なく流滴性による防曇機能を利用できるだけでな
く、鏡面が透明で洗浄回復性の良い鏡となる。
【0027】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、Wenzelの式においてAF
M(原子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lより
も浅く、2次元クレータ構造をもった浴室用流滴性防曇
鏡。これによれば、水膜が鏡全面にわたって広がり、使
用者は洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利
用できるだけでなく、鏡面が透明で洗浄性の良い鏡とな
る。
【0028】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面がスパッタリングやイ
オンプレーティングなどのPVDで緻密な結晶構造で構
成された浴室用流滴性防曇鏡。これによれば、均一でか
つ強固な膜を形成することができるだけでなく、浴室固
有の耐久性に優れただけでなく流滴性の洗浄回復性にも
優れた浴室用流滴性防曇鏡となる。
【0029】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面がCVDで緻密な結晶
構造で構成された浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これ
によれば、耐久性のよりよい膜を形成することができる
だけでなく、流滴性の洗浄回復性が良いばかりでなく、
鏡の基材であるフロートガラスの製造時にオンラインで
製膜でき、安価な浴室用流滴性防曇鏡として供給でき
る。
【0030】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、結晶粒界とクレータ2次元構造
の組み合わせで構成された浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、浴室固有の耐久性に優れただけでな
く流滴性の洗浄回復性にも優れた浴室用流滴性防曇鏡と
なる。
【0031】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、Wenzelの式において水の
接触角が50度以下で略2次元構造をした浴室用流滴性
防曇鏡を提供する。これによれば、浴室固有の耐久性に
優れただけでなく流滴性の洗浄回復性にも優れた浴室用
流滴性防曇鏡となる。凹凸の孔の二次元断面構造は表面
部が最も広く、奥に行くほど狭くなっているようにす
る。孔の二次元断面構造が表面部が最も広く、奥に行く
ほど狭くなっているような形状をしていれば、汚れがつ
いても落ちやすく、良好な親水性を維持することが可能
になる。
【0032】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、圧痕による鉛筆硬度評価におい
て鉛筆硬度が2H以下で構成された浴室用流滴性防曇鏡
を提供する。これによれば、水膜が鏡全面にわたって広
がり、使用者は洗面行為中に不便なく流滴性による防曇
機能を利用できる。鉛筆硬度と流滴性の関係を図6に示
す。圧痕による鉛筆硬度とは、凹凸面を各種硬さの鉛筆
にて、けがいた後に消しゴムなどで鉛筆カスを除去して
も、薄く残ったけがき痕がでる鉛筆の硬さを言う。簡単
言うと、凹凸が大きく複雑なほど、低い硬さでも圧痕と
なる。ただし、膜強度が低ければ膜剥離による、本来の
圧痕となる。
【0033】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面がシリカを主成分とした
浴室用流滴性防曇鏡において該鏡表面の開孔の面積比が
略15〜65%である浴室用流滴性防曇鏡を提供する。
開孔の面積比とは、見かけの面積に占める孔部の面積割
合を表し、例えば、0%だと緻密な層が形成されている
ことになり、100%だと層がない状態である。開孔の
面積比が略この範囲にあると、浴室固有の耐久性がよ
く、しかも流滴性のよい浴室用流滴性防曇鏡が可能とな
る。これより、開孔面積比が大きいと、汚れが堆積しや
すくなり、また外観上ヘイズがでる場合がある。一方こ
れよりも小さいと孔の数が限られ流滴性がなくなる。
【0034】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面がシリカを主成分とした
浴室用流滴性防曇鏡において流滴防曇性機能を発揮する
層の体積割合が略30〜50%である浴室用流滴性防曇
鏡を提供する。体積割合とは、見かけの体積に対する空
孔の体積割合で、層の体積割合が略この範囲にあると、
膜強度を保ち浴室固有の耐久性がよく、しかも流滴性の
よい浴室用流滴性防曇鏡が可能となる。
【0035】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面がシリカを主成分とした
浴室用流滴性防曇鏡において鏡表面の開孔の面積比が略
15〜65%で、かつ流滴親水性機能を発揮する層の体
積割合が略30〜50%である浴室用流滴性防曇鏡を提
供する。これによれば、浴室固有の耐久性がよく、しか
も流滴性のよい浴室用流滴性防曇鏡が可能となる。
【0036】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、異方性凹凸によって親水維持時
間が異なるように設計、構成された浴室用流滴性防曇鏡
を提供する。これによれば、流滴性維持時間と水膜の拡
散のしやすさを制御できるようになる。鏡全面に広がっ
た水膜は、鏡面が汚れるに従って、鏡面との水のなじみ
が悪くなり、水本来の持つ表面張力で横方向に見て中央
によろうとする。これによって、鏡の横端面付近から水
膜がはじき始め、水膜がはじいた箇所は曇ることにな
る。略縦方向に略連続した溝や凹凸があると、この水膜
が中央によろうとするのを、その形状因子で抑制するこ
とができ、より長時間流滴性を維持しやすくなる。ま
た、逆に略横方向に略連続した溝や凹凸があると、少な
い水量で鏡全面に水膜を形成できる。このように、異方
性凹凸によって流滴性維持時間と水膜の拡散のしやすさ
を任意に制御可能となる。孔、凹凸は透明である範囲で
よい。
【0037】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡と顔の距離が、少なくとも5
0cm以内の範囲で、鏡に映し出された像が、2重像で
ぼやけて見えにくくなるのを防ぐように構成された浴室
用流滴性防曇鏡を提供する。鏡表面の凹凸の幅、高さが
0.4〜200nmあるいは、細孔径10〜2000
Å、あるいは、開孔面積比が15〜65%、あるいは、
体積割合が30〜50%の少なくともどれかであればよ
い。材質的には、屈折率の低いシリカや酸化スズが好適
に利用できる。これによれば、たとえばひげ剃り時など
鏡に顔を近づける場合、鏡に映った像がぼやけて見えづ
らいことがなくなり快適に使用できる。
【0038】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面の細孔径が10〜200
0Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無機
金属酸化物で構成された浴室用流滴性防曇鏡において立
面での接触角が20度以下である浴室用流滴性防曇鏡を
提供する。これによれば、浴室の壁面に略平行に鏡が取
り付けられた場合、鏡全面にわたって水膜が形成され流
滴防曇性機能を利用できる。
【0039】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れが付きにくい、
及び/またはとれやすい表面構造と材料特性をした浴室
用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、浴室のよう
に鏡表面を撥水性の性質に変える汚れが多量に存在する
環境でも、長時間にわたって流滴性による防曇機能を維
持可能となる。また、汚れて流滴性機能が失われても、
簡便な洗浄方法で流滴性を回復させることができ、浴室
用流滴性防曇鏡として実用に供しうるものとなる。以下
に詳細を記述する。
【0040】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、AFMにて測定した凹凸の幅、
高さをもとに、Wenzel式により求めた真の表面積
と見かけの表面積の比が略1〜2の範囲に表面構造を設
計した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、
水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面行為中に
不便なく流滴性による防曇機能を利用できるだけでな
く、鏡面が透明で浴室固有の汚れに対して、繰り返し洗
浄性の良い鏡となる。
【0041】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、良好な流滴性を得るように鏡の
表面構造と表面電位を制御した浴室用流滴性防曇鏡を提
供する。これによれば、水膜が鏡全面にわたって広が
り、使用者は洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機
能を利用できるだけでなく、鏡面が透明で洗浄性の良い
鏡となる。
【0042】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面の表面電位が0よりも負
である浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、
浴室で常時使用される石鹸となじみがよく、石鹸汚れが
付着しても、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は
洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利用でき
【0043】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、3次元網目構造のような複雑な
構造を有さないで、しかも表面電位が負である浴室用流
滴性防曇鏡を提供する。これによれば、浴室で常時使用
される石鹸となじみがよく、石鹸汚れが付着しても、水
膜が鏡全面にわたって広がり、使用者は洗面行為中に不
便なく流滴性による防曇機能を利用できるばかりでな
く、人体由来の皮脂汚れやリンス汚れが付着しても固着
しづらく、また流滴性の洗浄回復性も良好となる。さら
に、表面電位を負にすることによって、鏡表面に水が接
触した場合に除菌及び/又は防汚効果を持たせることが
できるようになる。水周りの汚れ・菌類などは、一般的
にpH7付近の水中において負に帯電していることが知
られている。従って、複合材表面の表面電位を負にする
ことで、水を接触させた状態では鏡表面と汚れ・菌類と
が電気的に反発し、汚れ・菌類の付着を防止することが
できる。表面には抗菌性を有する物質が担持されている
ようにしてもよい。抗菌性を有する物質を担持すること
により、親水性を阻害する一要因である菌や微生物を死
滅させる、あるいは繁殖を抑制することができるため、
良好な親水性が維持可能となる。
【0044】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面の表面電位が略0〜−1
00mVである浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによ
れば、浴室で常時使用される石鹸となじみがよく、石鹸
汚れが付着しても、水膜が鏡全面にわたって広がり、使
用者は洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利
用できる。材質的には、略シリカ:―100mV、酸化
スズ:―65mV、ジルコニア:―30mVである。つ
まりは、シリカが最も表面電位が高く、水との水和性が
良い。石鹸は親水性基がマイナスのチャージを持ち、シ
リカ上では石鹸の親水基が外を向き、石鹸で親水しやす
いと考えられる。逆に、リンス中に含まれる、カチオン
では、親水基がプラスにチャージしており、シリカの強
力なマイナス電位と強固に結合してしまう。この場合、
撥水部が外を向き、リンス汚れがつくと鏡面がはじくよ
うになると思われる。このため、シリカでは細孔径を小
さくして、孔の中でカチオンが強固に結合し撥水するの
を防ぐことが必要である。この結合を解除するには、シ
リカ表面をわずかに溶かすか削るしかなく細孔径制御が
重要である。あるいは、毎回カチオンが来る前に、アニ
オンでシリカ上を覆い、直接カチオンが結合するのを防
ぐことも考えられる。酸化スズにおいては、シリカほど
は電位が高くなく、カチオン、アニオンとの相互作用が
うまれていると考えられる。
【0045】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、該鏡表面が、シリカ、ジルコニ
ア、酸化スズ、チタニアを主成分とした1種または数種
複合化した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、浴室で常時使用される石鹸となじみがよく、石鹸汚
れが付着しても、水膜が鏡全面にわたって広がり、使用
者は洗面行為中に不便なく流滴性による防曇機能を利用
できるばかりでなく、人体由来の皮脂汚れやリンス汚れ
が付着しても固着しづらく、また流滴性の洗浄回復性も
良好となる。また、これらのうち、ジルコニア、酸化ス
ズ、チタニアの光触媒性を有するものを使用すれば、室
内の照明や窓からの紫外線によって、より一層高度の流
滴性を得ることができる。また、ジルコニア、酸化ス
ズ、チタニアは、耐久的に強い材料であり、耐久試験も
クリアし、浴室という厳しい環境では好適に使用でき
る。
【0046】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷時に表面を保護するための
保護シートにおいて、鏡表面とシートを付着させる接着
剤がタックフリーである浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、工場から出荷され浴室に鏡を設置後
に保護シートをはがした際に、撥水性の接着剤が鏡面に
残ると流滴機能が発現せず、鏡全面にわたったクリアな
防曇性が期待できなくなるからである。また、凹凸部に
強固に接着剤が残ったらなおさらのことである。
【0047】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷時に表面を保護するための
保護シートにおいて、鏡表面とシートを付着させる接着
剤が親水性材料で構成された浴室用流滴性防曇鏡を提供
する。これによれば、万が一、鏡面に接着剤が残っても
流滴性を阻害することはなく、良好な流滴防曇機能が期
待できる。
【0048】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷時に表面を保護するための
保護シートにおいて、鏡表面とシートを付着させる接着
剤が親水性材料でかつ抗菌性能を有する材料を含んでい
る浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、長期
の間、湿気の多い環境の悪い倉庫などでストックされた
場合でも、微生物の繁殖などで鏡面が変質することを防
げる。
【0049】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成することで
防曇機能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡において鏡表
面に形成された水膜が乾燥して水膜切れを起こすことを
防ぐことで流滴防曇性を維持させる浴室用流滴性防曇鏡
に付随した装置並びに方法を提供する。水が膜状に拡散
していると、その場の雰囲気湿度が低いと水膜は乾燥し
やすくなり、流滴性が失われることになる。このため、
浴室内の湿度を上昇させるべく、加湿装置を併用しても
よい。加湿装置としては、低温スチームサウナなどが好
適に使用できる。また、鏡面を冷却して空気中の水分を
積極的に結露補給しても良い。このために、鏡裏面に水
を蓄水できる層を設け、シャワーなどで水を補給し、鏡
面の温度を下げてもよい。これを、蓄冷材で実施しても
よい。また、壁面に水の給水管をはわせ壁面ごと冷却し
てもよい。ペルチェ素子やヒートポンプも利用できる
が、コストが高くなることが考えられる。また、夏場な
どで壁面が暖かくなっているときは、壁と鏡の距離を離
して、取り付けても良い。少なくとも、略5mm以上離
すことによって、水をかけた時に水が鏡表面だけでな
く、裏面にもまわり鏡の表裏から冷やせる。
【0050】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成することで
防曇機能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡において鏡表
面に形成された水膜の表面張力並びに界面張力を低下さ
せ流滴性を維持させた浴室用流滴性防曇鏡装置並びに制
御方法を提供する。これによれば、鏡面に汚れが付着し
て次第に水とのなじみが悪化して、流滴性が失われる場
合においても、水そのものの張力を低下させるので、長
時間流滴性を維持可能となる。請求項152の自動洗浄
装置の説明文に記載したような、センサー、吐水方法な
どが利用できる。また、徐放性のものを鏡の上部周辺や
側面周辺に置いて、シャワーをかけるだけでそれらが、
徐々に溶け出すようにしてもよい。徐々に溶けるため長
寿命である。
【0051】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面よりもわずかに高くなる
端面を設けた浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによ
れば、立面での鏡の少なくとも横端面を鏡表面より、若
干高くすることによって鏡面内の周辺部の流滴性維持性
が向上し、より長時間流滴性防曇機能を利用できるよう
になる。高くする方法としては、親水性の材質のものを
鏡面の長手方向の両端にそれぞれ貼ってもよい。また、
コーティングなどで厚付けしても良い。さらに、プラス
チックケースや枠などに入れて、鏡面と接する箇所を親
水性にすることで可能となる。また、鏡面と接さずに若
干スリット状に離れていれば、毛管力で鏡面の端部とス
リット状の間に水が浸入し、鏡端部の親水性がよくな
り、流滴性の維持性が向上する。また、ケースに入れた
りすれば、割れて床に飛散しケガする危険性を回避でき
る。また、前記徐放性物質及び手段と併用しても良い。
【0052】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、圧痕及びキズによる鉛筆硬度評
価において鉛筆硬度がH以上で構成され、鏡表面にシリ
カを主成分とした浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これ
によれば、材料の耐久性面では浴室という劣悪な環境下
でも、長期間にわたって外観上、機能上劣化のない耐久
性にすぐれた実用に供しうる浴室用流滴性防曇鏡を提供
できる。図6に鉛筆硬度と耐久性の関係を示す。
【0053】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面がシリカを主成分とした
浴室用流滴性防曇鏡において圧痕による鉛筆硬度評価に
おいて鉛筆硬度が2H以下で、圧痕及びキズによる鉛筆
硬度評価において鉛筆硬度がH以上を兼ね備えた浴室用
流滴性防曇鏡。これによれば、図6に示すように材料の
耐久性面では浴室という劣悪な環境下でも、長期間にわ
たって外観上、機能上劣化のない耐久性にすぐれ、かつ
流滴維持性並びに流滴回復性に優れた実用に供しうる浴
室用流滴性防曇鏡を提供できる。
【0054】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面にシリカ成分を含んだ層
が形成された浴室用流滴性防曇鏡において少なくとも市
販の洗剤でおかされないことを特徴とする浴室用流滴性
防曇鏡を提供する。これによれば、浴室固有の汚れによ
り流滴性が失われた鏡面を、入手容易な市販洗浄剤によ
る流滴性回復作業が長期にわたって繰り返し実施でき、
しかも流滴性能の劣化もなく実用に供しうる浴室用流滴
性防曇鏡を提供できる。
【0055】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面の細孔径が10〜200
0Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無機
金属酸化物よりなる浴室用流滴性防曇鏡において、表面
に浴室固有の鏡の耐久性を有する凹凸皮膜で形成された
浴室用流滴性防曇鏡を提供する。表4にその実施例を示
す。耐温水、耐アルカリ、耐摺動摩耗試験後も外観的に
変化なく、流滴性もあった。これにより、約10年近く
の長期にわたって流滴性能の劣化もなく実用に供しうる
浴室用流滴性防曇鏡を提供できる。
【0056】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の耐久性条件、耐温
水:60度10日、耐アルカリ性:炭酸ソーダ20wt%
48時間、スポンジ摺動2万回を満足する浴室用流滴性
防曇鏡を提供する。最も、トータルにみて耐久性よいの
は酸化スズであった。これは、高温CVDで結晶性の製
膜のためと考えている。スパッタチタニア、ゾルジルコ
ニアにおいても、同様に耐久性よかった。ただし、ゾル
ゲルでのジルコニアは耐摩耗性でキズがでた。スパッタ
などで製膜すれば良い結果になると考えられる。シリカ
スパッタやケミカルエッチングでは、外観上は問題なか
った。しかし、SEMで観察してみると微構造に変化が
見られた。ただし、流滴性はまだ残っており、これによ
れば、長期にわたって流滴性能の劣化もなく実用に供し
うる浴室用流滴性防曇鏡を提供できることがわかった。
【0057】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、膜厚500nm以下で構成された
無機金属酸化物からなる浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、表5に示すように鏡面が透明でクリ
アな映像で、浴室固有の汚れに対して長時間流滴性を維
持でき、長期にわたって流滴性能の劣化もなく、実用に
供しうる浴室用流滴性防曇鏡を提供できる。これを超え
ると、ヘイズがでるばかりでなく、膜としての強度が低
下し実用的でない。
【0058】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、より好ましくは膜厚200nm以
下で構成されている無機金属酸化物からなる浴室用流滴
性防曇鏡を提供する。これによれば、万が一、鏡面より
堅い物質でキズをつけた場合でも、目視的にはキズとし
て目立ちにくくできる。
【0059】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、流滴防曇性機能を有する鏡表面
の硬さが鉛筆硬度のキズ評価でH以上である材料で構成
された浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、
鏡面の洗浄にスポンジを使った場合でも、長期にわたっ
てキズや流滴性機能層の消失などの影響をなくせる。ス
ポンジによる2万回往復こすり試験の結果、これ以上の
硬さであれば、問題なく使えることが確認できた。
【0060】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室使用環境での化学的、機械
的な耐久性に優れた酸化スズを流滴性機能層とした浴室
用流滴性防曇鏡を提供する。酸化スズは、基材であるフ
ロート式板ガラスの製造中にオンラインで熱CVD処理
で安価に大量に形成でき、しかも高温処理となるため結
晶構造が緻密で、化学的、機械的な耐久性に優れてお
り、耐久的に浴室のような劣悪な環境下で好適に使用で
きる。
【0061】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室での化学的、機械的な耐久
性に優れた酸化スズを流滴性機能層とし、かつ、その表
面構造が2次元構造である浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、耐久的に浴室のような劣悪な環境下
で好適に使用できるばかりでなく、浴室固有の汚れの洗
浄性が良好になる。これは、3次元網目構造のように、
複雑な層構造だと一度内部まで汚れが固着すると、なか
なか汚れが表面側からとりづらいためである。
【0062】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡基材と流滴防曇性層の間に密
着性及び/または耐久性を良くする層を介在させた浴室
用流滴性防曇鏡を提供する。特に、鏡の基材を加工して
機能層を形成する以外のたとえば鏡面へのコーティング
で流滴機能層を形成した場合など、鏡基材とコーティン
グ層間には境界が存在し、基材であるフロートガラス中
の不純物分(ソーダなど)が境界面に拡散溶出してき
て、境界面のpHをアルカリ性とし、境界面でコーティ
ングが剥離するおそれがある。これによれば、ガラス基
材から溶出してきた不純物分を中間層でブロックし流滴
性機能層の剥離を防止でき、耐久的に浴室のような劣悪
な環境下で好適に使用できるようになる。
【0063】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の一般洗剤について耐
久性をもった材料で無機質シリカ表面に1層以上コート
した浴室用流滴性防曇鏡を提供する。表4に結果を示
す。これによれば、一般的な洗剤でも長期にわたり繰り
返し洗浄回復性のある流滴性防曇機能が期待できる。
【0064】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åにおいて化学的要因及び
/または機械的な要因で鏡表面をわずかに削り取り流滴
性を回復させる浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これに
よれば、浴室固有の汚れが強固に固着した場合でも、容
易に流滴性を回復でき長期にわたって繰り返し流滴性防
曇機能を使用できる。
【0065】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åにおいてアルカリ洗剤
(カビキラーなど)のように鏡表面を若干溶かす機能を
もったもので流滴性を回復させることを特徴とした浴室
用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、市販の容易
に入手できる洗剤を利用でき、しかも、浴室固有の汚れ
が強固に固着した場合でも、容易に流滴性を回復でき長
期にわたって繰り返し流滴性防曇機能を使用できる。
【0066】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åにおいて研磨剤入りの洗
剤で鏡表面を若干削る機能をもったもので流滴性を回復
させることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、市販の容易に入手できる洗剤を利用
でき、しかも、浴室固有の汚れが強固に固着した場合で
も、容易に安全に流滴性を回復でき長期にわたって繰り
返し流滴性防曇機能を使用できる。
【0067】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜200Åにおいて
家庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復
させることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、細孔径10〜200Åのため、浴室
固有の汚れが細孔の内部まで入りづらく、表面近傍の洗
浄だけで流滴性が回復し、しかも、市販の容易に入手で
きる洗剤を利用でき、容易に安全に流滴性を回復でき長
期にわたって繰り返し流滴性防曇機能を使用できる。
【0068】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜200Åにおいて
家庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復
させることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において家
庭用一般洗剤のpHが中性である浴室用流滴性防曇鏡の
流滴性洗浄回復手段を提供する。これによれば、細孔径
10〜200Åのため、浴室固有の汚れが細孔の内部ま
で入りづらく、表面近傍の洗浄だけで流滴性が回復し、
しかも、市販の容易に入手できる洗剤を利用でき、容易
に安全に流滴性を回復でき長期にわたって繰り返し流滴
性防曇機能を使用できる。さらに、中性洗剤中にキレー
ト剤、金属封鎖剤、金属捕捉剤などが入っていれば、よ
り好適に使用できる。
【0069】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜200Åにおいて
家庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復
させることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において家
庭用一般洗剤のpHがアルカリ性であり、より好ましく
は弱アルカリ性であることを特徴とする浴室用流滴性防
曇鏡の流滴性洗浄回復手段を提供する。これによれば、
細孔径10〜200Åのため、浴室固有の汚れが細孔の
内部まで入りづらく、表面近傍の洗浄だけで流滴性が回
復し、しかも、市販の容易に入手できる洗剤を利用で
き、浴室固有の汚れが強固に固着した場合でも、容易に
安全に流滴性を回復でき長期にわたって繰り返し流滴性
防曇機能を使用できる。
【0070】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜200Åにおいて
家庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復
させることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において家
庭用一般洗剤のpHが酸性であり、より好ましくは弱酸
性であることを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡の流滴性
洗浄回復手段を提供する。これによれば、細孔径10〜
200Åのため、浴室固有の汚れが細孔の内部まで入り
づらく、表面近傍の洗浄だけで流滴性が回復し、しか
も、市販の容易に入手できる洗剤を利用でき、浴室固有
の汚れが強固に固着した場合でも、容易に安全に流滴性
を回復でき長期にわたって繰り返し流滴性防曇機能を使
用できる。
【0071】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜200Åに設計す
ることにより鏡表面よりやわらかい対象物ツメ、プラス
チックのこすれ傷がつきにくいことを特徴とした浴室用
流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、鏡面自体が削
れてキズになるのではなく、対象物が削れて鏡面の凹凸
に入り込み、外観上キズに見えることを防ぐことができ
る。
【0072】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åにおいて浴室汚れ付着物
を洗剤によって落とすことを義務づけたことを特徴とす
る浴室用流滴性防曇鏡の使用方法を提供する。これによ
れば、浴室固有の汚れにより流滴性機能が消失した場合
に、ユーザーが自ら洗剤洗浄で流滴性機能の回復操作が
簡便にでき、長期の繰り返し使用が可能となる。
【0073】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、より好ましくは、アルカリ及び
/または界面活性剤及び/または次亜塩の入った洗剤で
付着物を落とすことを義務づけた浴室用流滴性防曇鏡の
使用方法を提供する。これによれば、浴室固有の汚れが
強固に固着したことにより流滴性機能が消失した場合
に、ユーザーが自ら洗剤洗浄で流滴性機能の回復操作が
簡便にでき、長期の繰り返し使用が可能となる。
【0074】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、より好ましくは、アルカリ及び
/または界面活性剤及び/または次亜塩の入った洗剤を
スプレーすることで付着物を落とすことを義務づけた浴
室用流滴性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれ
ば、スポンジなどでこする手間がかからず、ユーザー自
ら簡便に流滴性の洗浄回復操作が実施できる。この場
合、万が一の安全のため、手袋、保護めがね、換気、マ
スクなど安全に留意することをユーザーに告知すること
が求められる。
【0075】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、アルカリ及び/または界面活性
剤及び/または次亜塩の入った洗剤でスポンジこすり洗
いすることで付着物を落とすことを義務づけた浴室用流
滴性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれば、浴室
固有の汚れが強固に固着したことにより流滴性機能が消
失した場合に、ユーザーが自ら洗剤洗浄で流滴性機能の
回復操作が簡便にでき、長期の繰り返し使用が可能とな
る。この場合、万が一の安全のため、手袋、保護めが
ね、換気、マスクなど安全に留意することをユーザーに
告知することが求められる。さらに、酸性洗剤との混合
を禁止することを告知することも求められる。次亜塩が
入った洗剤で、塩素ガスの発生を未然に防ぐ目的で、塩
素捕捉剤を入れても良い。
【0076】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、を提供する。これによれば、細
孔径10〜2000Å、より好ましくは、10〜100
0Åで3次元網目構造のような複雑な構造を有さないこ
とを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これに
よれば、流滴維持性が良いばかりでなく、簡便な洗浄で
流滴性が洗浄回復する。これは、3次元網目構造のよう
に複雑な層内部構造をしていると、汚れが内部深くまで
入りこみ固着すると、表面からは容易に簡便な方法では
汚れが取りきれないためである。
【0077】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、細孔径10〜2000Å、より
好ましくは、10〜1000Åにおいて、より好ましく
は、略2次元構造を有した浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、さらに好適に利用できる。
【0078】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、入浴行為のあと鏡表面が乾燥す
る前にシャワーで鏡面に湯水を、より好ましくは湯をか
けて洗浄することを義務づけたことを特徴とする浴室用
流滴性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれば、体
の洗浄時などに鏡に飛んだ汚れが乾燥によって固着する
前に洗い落とせるので、流滴性を長期間維持させるのに
好適である。さらに、より好ましくは、お湯の方が、汚
れが落ちやすい。機能水として酸性水、アルカリ水、軟
水などをかけるとより洗浄が効果的である。これら、機
能水は、電気分解法、イオン交換樹脂による方法、薬剤
混入方法など何でもよい。さらに、鏡への吐水方法は、
浴室に付設された通常のシャワー設備を利用してもよい
し、専用の洗浄水吐水栓、洗浄専用吐水栓、水洗金具に
洗浄吐水切り替えモードを設けても良い。シャワーヘッ
ドとは、個別でもよい。
【0079】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、入浴行為の前に鏡表面にシャワ
ーなどで水をかけて、より好ましくは冷水を鏡面にかけ
て水膜を形成させることを義務づけた浴室用流滴性防曇
鏡の使用方法を提供する。これによれば、鏡面に水膜が
ない時に汚れが付くと鏡面に直接固着してしまうが、水
膜があると汚れが鏡面に飛んでも、水膜によって鏡面に
直接汚れが固着することが防げ、より長期間流滴性を維
持できる。さらに、流滴性機能層内部は水で充満してい
るため、内部まで汚れが入りにくくなる。さらに、水膜
を形成する水は、冷えている方が、より好ましい、これ
によって鏡面が冷やされ、水膜が乾燥する速度を遅くで
きるだけでなく、空気中の水分を結露水として補給で
き、水膜の乾燥を防ぐのに好適だからである。
【0080】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
に石鹸手洗いを義務づけたことを特徴とした浴室用流滴
性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれば、人体洗
浄時やひげ剃り時に、手についた石鹸で鏡面をこするこ
とで、間便に流滴性を回復させることができる。ただ
し、石鹸においては、水道水中のCaイオンなどと結合
し金属石鹸を作る。この金属石鹸は撥水性であり、この
方法は長期には使用しづらく、簡易的な場合に適用でき
る。この場合、通常は石鹸洗浄を実施し、定期的に他の
洗剤類で洗浄することが好適である。ただし、流滴性機
能層を酸化スズで2次元構造で構成した場合は、この限
りでなく、長期間石鹸手洗いで十分流滴性が回復する優
れた浴室用流滴性防曇鏡を提供できる。
【0081】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
に中性洗剤で定期的にスポンジ洗いを義務づけたことを
特徴とした浴室用流滴性防曇鏡の使用方法を提供する。
これによれば、人体洗浄時やひげ剃り時に、手についた
石鹸で鏡面をこすることで、簡便に流滴性を回復させる
ことができる。ただし、石鹸においては、水道水中のC
aイオンなどと結合し金属石鹸を作る。この金属石鹸は
撥水性であり、この方法は長期には使用しづらく、簡易
的な場合に適用できる。この場合、通常は石鹸洗浄を実
施し、定期的に中性洗剤類で洗浄することが好適であ
る。
【0082】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
に中性洗剤で、より好ましくは、キレート剤、金属封鎖
剤などが配合された中性洗剤で定期的にスポンジ洗いを
義務づけたことを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡の使用
方法を提供する。これによれば、キレート剤、金属封鎖
剤などの効果により、金属石鹸や無機質汚れが洗浄除去
容易になる。
【0083】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
にアルカリ洗剤(カビキラーなど)を噴霧して定期的に
洗浄することを義務づけたことを特徴とした浴室用流滴
性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれば、浴室固
有の汚れが固着して取りきれない場合でも、容易に流滴
性が回復できる。使用にあたっては、この場合、万が一
の安全のため、手袋、保護めがね、換気、マスクなど安
全に留意することをユーザーに告知することが求められ
る。さらに、酸性洗剤との混合を禁止することを告知す
ることも求められる。
【0084】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
にアルカリ洗剤(カビキラーなど)を噴霧して定期的に
洗浄する際にスポンジなどで洗浄することを義務づけた
ことを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡の使用方法を提供
する。これによれば、より好適に、流滴性が回復でき
る。
【0085】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
にアルカリ洗剤(カビキラーなど)を噴霧して定期的に
洗浄する際に安全のために手袋、メガネをかけること及
び換気を積極的に行うことを義務づけたことを特徴とし
た浴室用流滴性防曇鏡の使用方法を提供する。使用にあ
たっては、この場合、万が一の安全のため、手袋、保護
めがね、換気、マスクなど安全に留意することをユーザ
ーに告知することが求められる。さらに、酸性洗剤との
混合を禁止することを告知することも求められる。万一
のため、塩素捕捉剤を入れた物を使うと好適である。
【0086】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
にセリアなどの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬
さ及び/または大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的
に洗浄することを義務づけたことを特徴とした浴室用流
滴性防曇鏡の使用方法を提供する。これによれば、安全
に鏡表面に固着した汚れを、強制的に機械的に除去でき
る。
【0087】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室固有の汚れを除去するため
にセリアなどの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬
さ及び/または大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的
に洗浄する際にスポンジこすり洗いすることを義務づけ
たことを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡を提供する。こ
れによれば、安全に鏡表面に固着した汚れを、強制的に
機械的に除去できる。
【0088】浴室固有の汚れを除去するためにセリアな
どの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬さ及び/ま
たは大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的に洗浄する
際に該研磨材料がスポンジ面にあるかじめ備わっている
ことを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡の流滴性洗浄回復
方法を提供する。これによれば、研磨剤など別途用意す
る必要がなく、簡便に利用できる。
【0089】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、石鹸手洗いのような簡便な洗浄
で流滴防曇性が繰り返し回復するための鏡表面の表面構
造と材料特性を有したことを特徴とする浴室用流滴性防
曇鏡を提供する。これによれば、人体洗浄時やひげ剃り
時に、手についた石鹸で鏡面をこすることで、間便に流
滴性を回復させることができる。ただし、石鹸において
は、水道水中のCaイオンなどと結合し金属石鹸を作
る。この金属石鹸は撥水性であり、この方法は長期には
使用しづらく、簡易的な場合に適用できる。この場合、
通常は石鹸洗浄を実施し、定期的に他の洗剤類で洗浄す
ることが好適である。ただし、流滴性機能層を酸化スズ
で2次元構造で構成した場合は、この限りでなく、長期
間石鹸手洗いで十分流滴性が回復する優れた浴室用流滴
性防曇鏡を提供できる。
【0090】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、洗髪用リンスに含まれる成分で
鏡面をコートし、石鹸の親水部が表面に配向しやすくし
たことを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。こ
れによれば、リンス成分に含まれる成分があらかじめ、
流滴性機能層を酸化スズで2次元構造で構成した層上に
コートされると、その上を石鹸洗浄すると長期間繰り返
して流滴性が容易に回復することを見いだした。酸化ス
ズの表面電位や2次元構造とリンス成分に含まれるカチ
オン系界面活性剤やシリコーン油や親水性高分子の相互
作用でなし得たものと考えている。
【0091】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、洗髪用リンスに含まれる成分で
鏡面をあらかじめコートすることを義務づけたことを特
徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、石鹸洗浄でも長期間繰り返して流滴性が容易に回復
することが可能となる。
【0092】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷前に洗髪用リンスに含まれ
る成分で鏡面をあらかじめコートすることを特徴とする
浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、鏡設置
当初より石鹸洗浄でも長期間繰り返して流滴性が容易に
回復することが可能となる。
【0093】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、より好ましくは、出荷時に表面
を保護するための養生シートにおいて、鏡表面とシート
を付着させる接着剤が洗髪時のリンスに含まれる成分を
含んでいることを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供
する。これによれば、余分な工程が必要なく、安価に提
供できる。
【0094】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、シャワーヘッドで簡単に水がか
けられる位置に鏡を配置したことを特徴とする浴室用流
滴性防曇鏡を提供する。シャワーヘッドで簡単に水がか
けられる位置とは、シャワーの近傍、シャワーホースが
届く範囲内などで簡単にかけられる。また、シャワーや
水洗金具や鏡が同一壁面にあれば、シャワーを浴びなが
ら流滴防曇鏡を体の向きをかえずに利用できる。また、
水洗金具の近傍にあれば、手や洗面器で鏡に水を容易に
かけることができる。これによれば、手間いらずで簡便
に水膜の形成、並びに入浴後のシャワー洗浄が容易に行
える。また、浴槽付近に設置すれば、浴槽からの蒸気が
鏡表面に供給され、鏡面の水膜の乾燥が防げる。また、
シャワーと鏡を別々のとなりあった壁に取り付けても良
い。略直交した壁それぞれにシャワーと鏡をつけると、
手にシャワーヘッドをもたなくとも、シャワーを出すだ
けで鏡面に水がかかるようにしてもよい。
【0095】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、風呂いすや床にすわって、ある
いは立ってシャワーを浴びて頭を洗う時の鏡との距離が
20cm以上、より好ましくは、30cm以上になるように
シャワーヘッドと鏡の位置を配設したことを特徴とする
浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、実施例
28、表7に示すように、体洗浄時の汚れ、特にリンス
成分に含まれる鏡面を撥水の性質に変化させる成分を付
着させにくくし、流滴性の維持期間を長くするために
は、洗髪時の頭の位置と鏡との距離が重要という知見を
得た。すなわち、この距離が遠いほど鏡面へのリンス汚
れは飛びにくくなり、長期間流滴性を維持しやすくなる
ことがわかった。また、リンス成分の入った容器を収納
する位置も同様である。このためには、収納棚やカウン
タなどと鏡の間隔が重要となる。
【0096】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、浴室の壁面に略平行に取り付け
たことを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。こ
れによれば、浴室内を空間効率良く使用できる。さら
に、平板な壁面に隣接して取り付けられるので、大判の
鏡においては、割れ防止など安全面でも好適に使用でき
る。また、鏡の上部より下部を手前に出して取り付ける
と、水膜の維持性が向上する。鏡と壁の間隔がほぼ同じ
ため、鏡のそりによる割れ防止に同じ厚みのスペーサー
を入れやすくなる。
【0097】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成することで
防曇機能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡の壁面への取
り付け構造を提供する。流滴性防曇鏡の取り付け構造
は、鏡の裏面と壁にフックをそれぞれ取り付け、フック
同士で鏡を壁に固定することができる。これによれば、
鏡下端部に固定具が前方にはみ出して取り付けられた場
合に起こる水の滞留による水アカ汚れの堆積の問題が解
消できる。また、枠やケースのようなものを介して壁に
固定しても良い。枠やケースのようなものに鏡をはめ込
み裏面全体で固定してもよい。この場合、裏面と枠、ケ
ースの間に水が浸入しないように接着やシーリングする
ことが好適である。また、鏡の4隅で固定しても良い。
これによれば、固定具付近に水アカが析出しても4隅で
あるため鏡としての使用に差し支えなく使用できる。ま
た固定具は、取り外しが容易にできるように防蝕性(さ
びにくい)をもった金属材料や樹脂材料で構成されるこ
とが好適である。さらには、不意に固定がはずれて鏡が
割れてけがをしないように、枠やケースに入れたり、壁
面にネジ止めできるようにするなど好適に使用できる。
さらに、固定材料が流滴性をもったものを使用すること
で、鏡面からの余剰水が鏡面下部に滞ることなく、固定
具を介して壁面を伝わって流れ落ちるようにできる。こ
れによって、水アカ汚れ(水道水中のCaイオンによる炭
酸カルシウムなどが白く析出する)の付着防止となる。
さらに、これは鏡面へ結露水が随時供給されるほど、結
露水にはCaイオンなどの含有量は少ないため、水アカ
汚れが減ることになる。
【0098】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、流滴性による防曇機能を有した
浴室用流滴性防曇鏡において自動的に鏡面を自動洗浄す
ることを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡装置を提供す
る。これによれば、使用者は特別に意識せずに自由に利
用でき、わずらわしさから解放される。たとえば、人体
検知センサーで浴室内に入浴者が入ってきたことを検知
し鏡面に水膜形成したり、入浴者が浴室から出ていった
ことを検知して、洗浄吐水を鏡面に行うことができる。
吐水方法は、鏡の上部付近に専用吐水栓を設けることが
好適である。天井付近に吐水栓を設け、スプリンクラー
のように浴室内全体に水を吐水して浴室内全体を洗浄し
ても良い。吐水する水は、水道水、お湯でも良いが、さ
らに好適には、機能水として電解酸性水、電解アルカリ
水、イオン交換による酸性水、酸性軟水、軟水、洗剤
(界面活性剤、薬剤による酸、アルカリ)など適宜使用
できる。これら、機能水を製造する装置を付設した鏡装
置としてもよい。また、センシング方法としては、浴室
照明スイッチと連動したり、赤外線発光素子と受光素子
の組合せや赤外線のパッシブセンサーや焦電センサーや
重量センサーやドアロックとドアクローズを連動して検
知してもよい。また、マニュアルモードとして、使用者
が任意に洗浄操作できるようなスイッチを設けてもよ
い。浴室照明スイッチ近辺にあるのが好適である。ま
た、定期的に洗浄するモードをもっていてもよい。タイ
マーなどで人があまり入浴しない時間などの定刻になる
と洗浄操作するように制御してもよい。吐水する水の量
もタイマーや流量センサーで一定量出るようにできる。
鏡の一部に汚れ検知センサーを設けても良い。これによ
れば、汚れが鏡面に付着したことを検知して、速やかに
鏡面を洗浄できる。また、流滴性機能層が水とのなじみ
が良いことを利用して、鏡表面の水膜の有無による電気
抵抗変化などを検知すれば、水膜検知センサーとして利
用できる。これによれば、鏡面が乾いた場合には、電気
抵抗が上昇し、水膜がなくなったことを検知できる。ま
た、汚れて水膜がはじくようになった場合にも、たとえ
ばセンシングを鏡の上下部、左右側面でそれぞれ数カ所
ずつ個別に電気抵抗変化を測定すれば、水膜の乾燥によ
る変化とは違った変化をとらえられ、この場合には、水
ではなく洗浄水を流すといった使い方もできる。これら
の組合せは、この限りではない。
【0099】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡の中に通常鏡と親水機能を併
せもたせたことを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供
する。これによれば、それぞれの特徴を補完し合え、よ
り好適な浴室用流滴性防曇鏡となりうる。その具体例を
以下示す。
【0100】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡の略上半面を親水にし、汚れ
がつきやすく、また、汚れがたまりやすい下部を通常鏡
としたことを特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供す
る。これによれば、汚れが付きやすく、溜まりやすい下
部を通常鏡とし、汚れたら研磨剤入りスポンジなどで洗
浄することができる。この場合、汚れの比較的に少ない
上部は流滴性を維持する。また、下部が曇り、上部は流
滴性防曇機能があり、対照的に流滴防曇機能を認識でき
る。通常鏡と流滴性鏡の範囲は、50/50に限らず、
適宜設定できる。
【0101】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、略中央部を親水機能、周囲を通
常鏡としてカビキラーなどの洗剤に対する耐久性を向上
させた浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、
上記汚れの問題だけでなく、鏡の端部でのガラス基材と
流滴性機能層の界面からの浸食を防止でき、膜が剥離す
るといった耐久面の向上がはかれる。
【0102】本発明の好ましい態様においては、簡便に
取り外しができる浴室用流滴性防曇鏡を提供する。従
来、浴室用防曇鏡として、鏡の裏面に防水加工したヒー
タを貼り付け、これを加熱することで鏡面に水蒸気が結
露することを防ぐことで防曇する鏡が一般的に使用され
てきた。これの問題点として、ヒータ加熱のための電源
配線工事をともない、特にリモデル工事などでは施工が
たいへんであった。浴室のような水蒸気の多い場所で高
電圧を使うために感電の危険性があった。さらには、曇
りはしないが水滴が付着して見えづらい。鏡面が加温さ
れているため汚れが乾燥固着しやすい。鏡が意匠性、視
認性、浴室空間を広く見せるなどの理由のために最近大
判化され、ヒータサイズはコストの問題で大型化されず
大判鏡の一部しか防曇機能がない。さらに、このため大
判鏡の部位によって温度差ができ割れやすい。鏡表面は
汚れの洗浄は実施できるが、浴室用鏡では、鏡の裏面や
その部位の壁面に微生物汚れが繁殖して悪臭を発して困
るが、従来ヒータ防曇鏡では裏面に配線があり簡便には
取り外しができず、裏面の洗浄ができないといった問題
点があった。本発明によれば、鏡面を流滴性がよくなる
ようにし、水膜によって防曇機能を発現するため、ヒー
タ加熱のように電源配線がいらず、簡便に取り外しがで
き、鏡の裏面やその部位の壁など清掃ができるようにな
る。また、より好ましくは、鏡の裏面やその部位の壁を
抗菌処理して、清掃頻度を減らしても良い。また、鏡の
取り扱いを容易にするために取り外し用にとっ手を設け
たり、ケース状に鏡を入れても良い。たとえば、とっ手
の付いたケースに光触媒性のあるコーティングを施した
鏡を固定し、浴室で流滴防曇鏡として使用する。汚れ
て、流滴性がなくなったら、洗剤洗浄操作を行う。孔の
奥深くまで汚れが浸入した場合に、浴室からこの鏡を取
り出し、太陽光で日干し、太陽光に含まれるUV光で鏡
の孔内の汚れを分解することができる。
【0103】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷前に洗髪用リンスに含まれ
る成分で鏡面をあらかじめコートすることを特徴とする
浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれば、鏡設置
当初より石鹸洗浄でも長期間繰り返して流滴性が容易に
回復することが可能となる。
【0104】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、出荷時に表面を保護するための
養生シートにおいて、鏡表面とシートを付着させる接着
剤が洗髪時のリンスに含まれる成分を含んでいることを
特徴とする浴室用流滴性防曇鏡を提供する。これによれ
ば、余分な工程が必要なく、安価に提供でき、鏡設置当
初より石鹸洗浄でも長期間繰り返して流滴性が容易に回
復することが可能となる。鏡表面にCVD酸化スズを略
2次元的な表面からみた微構造をもたせて形成した場合
に好適に使用できる。汚れの加速負荷試験の結果、1〜
2年以上簡便な石鹸洗浄でも流滴性を繰り返し回復でき
ることが確認できている。
【0105】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成し、曇りの
原因となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機
能を発現する鏡において、透明な基材の一方の面に流滴
性防曇機能層を形成し、他方の面に反射コートを施した
ことを特徴とする浴室用鏡を提供する。これによれば、
裏面の反射膜を付ける前に、熱処理を伴う流滴性機能層
を付けられ、耐久性のある鏡が可能となる。
【0106】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成し、曇りの
原因となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機
能を発現する鏡において、基材の一方の面に反射コート
を施し、その上に流滴性防曇機能層を形成したことを特
徴とする浴室用鏡を提供する。これによれば、基材は透
明でなくとも良く、金属材料など不透明な材料への適用
が可能となった。
【0107】本発明の好ましい態様においては、さらに
上記課題を解決すべく、鏡表面に水膜を形成し、曇りの
原因となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機
能を発現する鏡において、浴室固有の課題に対して実用
に供し得るように設計制御した浴室用鏡を備えた浴室を
提供する。ここで浴室とは、家庭用、戸建て、集合住宅
用、ユニットバスや在来工法の浴室、シャワールーム、
公衆浴場などのことをいう。これによれば、浴室という
汚れ負荷の大きく、かつ水蒸気量も多く、こういった厳
しい環境下で鏡の取り付け方法、位置など設計を行い、
実用的な流滴性防曇鏡を備えた浴室を提供できるように
なった。
【0108】なお各請求項は、単独でもよいし、組み合
わされて使用されても良い。この限りではない。
【0109】
【発明の実施の形態】本発明の流滴性防曇鏡は、水周り
の、特に汚れの汚染付加量が大きく、絶えず多量な水蒸
気や水のかかる環境下、主として、浴室・シャワールー
ム等において防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優
れた浴室用流滴性防曇鏡として好適に使用できる。
【0110】本発明において、基材表面に孔、凹凸を形
成する方法としては、限定されるものではなく、公知の
方法より選択すれば良いが、ゾル塗布法、めっき法、C
VD法、スパッタリング、真空蒸着法などよって、図2
のように基材表面上に微細な凹凸を有する膜を形成する
方法、サンドブラスト、エッチングなどによって、図3
のように、基材に直接凹凸を形成する方法、成形型上に
微細な凹凸を形成して基材に凹凸を転写する方法などが
ある。陽極酸化法によれば、反射率のよい金属表面への
適用が可能となる。ガラス基材にかぎらず、金属材料で
も適用できる。透明な基材表面に凹凸を形成した後に、
裏面に反射コートを施して鏡化してもよいし、先に裏面
に反射コートを施して鏡化してから凹凸を形成してもよ
い。また、基材の一方の面に反射膜とその上に流滴性機
能層を形成することもできる。これによれば、2重像の
少ないクリアな映像が可能となる。
【0111】本発明において、ケミカルエッチングによ
り基材表面に凹凸を形成することが好ましい。ケミカル
エッチングとは、基材を例えば酸、アルカリ、過酸化物
の溶液に浸漬あるいはその溶液を加温した際に発生する
蒸気に接触させ、その化学反応によって表面処理を行う
方法である。使用する溶液としては、塩酸、硫酸、硫化
アンモニウム、フッ酸、フッ化ホウ素、ケイフッ化水素
酸等の水溶液が挙げられる。
【0112】本発明において、温水浸漬により基材表面
に凹凸を形成することが好ましい。温水浸漬によれば、
薬液等を使用しないため、安全でなおかつ簡便に凹凸を
形成することができる。水は純水でも水道水でも何でも
構わない。水温は40℃以上であれば良く、処理時間を
考慮すると60℃以上が好ましい。
【0113】本発明において、金属酸化物の1種以上を
含有する層を基材表面に被覆形成することが好ましい。
これによれば、高度な親水性を呈する所望の凹凸を容易
に形成することができる。前記酸化物を被覆形成する方
法としては、ゾル塗布法、真空蒸着、スパッタリング、
CVD法、めっき法など公知の方法から選択してもよ
く、また、それ以外でも良い。ゾル塗布法によれば、基
材の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけること
がないので、特別の設備を要せず、簡便に実施すること
ができる。CVD法、スパッタリング、真空蒸着によれ
ば、大きな基材への適用は設備上制約を受けるが、均一
で安定した薄膜を形成することが可能となる。これらの
方法において処理温度を高くすることにより、耐アルカ
リ性、耐温水性などの耐久性をより向上させることが可
能である。
【0114】本発明において、前記酸化物の被膜の厚み
は400nm以下となるようにする。特に1種類の酸化
物で400nmを超える被膜を形成した場合には、光の
干渉による干渉縞、白濁などが発生し、外観上の不具合
が生じやすい。また、膜厚が厚くなれば耐摩耗性が低下
し、傷がつきやすくなることも避けられない。
【0115】ここで、金属酸化物としては、シリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、ボロニア、
マグネシア、カルシア、フェライト、ハフニア、酸化チ
タン、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化第二鉄、酸
化第一銅、酸化第二銅、三酸化二ビスマス、酸化スズ、
酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バナジウム等の単一酸化物や、チタン
酸バリウム、ケイ酸カルシウム、水ガラス、アルミノケ
イ酸塩、リン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、
チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシ
ウム、アルミノシリケート等の複合酸化物が好適に利用
できる。中でも、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタ
ニア、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかを使用することが
好ましい。小さく細かい凹凸を形成するにはシリカ、ア
ルミナがよく、大きな凹凸を形成するにはジルコニア、
チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛が好ましい。ゾル塗布法
においては、粒子径、後述するゾルの性状に関して様々
なものが入手可能なシリカが好ましい。シリカは最も安
価であり、実用性が非常に高い。また、pH7付近の水
中においてゼータ電位が負であるシリカ、ジルコニア、
チタニア、酸化スズを使用することにより、高度な親水
性を得ることができる。好ましくは表面電位が最も低い
シリカを使用することであり、シリカの使用により、さ
らに高度な親水性を得ることができる。
【0116】本発明において、金属酸化物粒子は水また
は親水性溶媒にコロイド状に分散させたゾルの形態とさ
れるのが好ましい。親水性溶媒としては前記金属酸化物
を安定に分散させ、基材上に均一かつ平滑な被膜を形成
させうるものである限り、特に限定されないが、好まし
いものとしては、沸点が200℃以下の有機溶媒を挙げ
ることができる。好ましい有機溶媒の例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、t−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、n−ブタノ−
ル、2−メチルプロパノ−ル、ペンタノ−ル、エチレン
グリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジアセトンアル
コ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピレン
グリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1−ブ
トキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−プロ
パノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレング
リコ−ルモノメチルエ−テル、2−ブトキシエタノール
等のアルコール系溶剤や、n−ヘキサン、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤を
挙げることができる。
【0117】本発明において、ゾル塗布法によって基材
表面に被膜形成する場合においては、金属酸化物0.0
5〜20重量部、溶媒99.95〜80重量部とするコ
ーティング組成物を使用することが好ましい。前記塗布
液を基材表面に塗布することにより、優れた防曇性を有
し、光干渉や白濁のない透明な膜を形成することができ
る。
【0118】また、ゾル塗布法による場合、平均粒子径
1〜100nmの粒状金属酸化物、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物、平
均径1〜50nm、平均長さ10〜500nmの羽毛状
または棒状金属酸化物のいずれかを使用することが好ま
しい。平均粒子径1〜100nmの粒状金属酸化物とし
ては、シリカ、ジルコニアなどが、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物とし
ては、シリカ、アルミナなどが、平均径1〜50nm、
平均長さ10〜500nmの羽毛状または棒状金属酸化
物としては、アルミナ、チタニアなどが挙げられる。鎖
状、羽毛状、棒状金属酸化物を使用すれば、基材表面に
形成した膜の耐久性を向上させることができる。また、
粒状無機酸化物を使用すれば、所望の凹凸を有した上で
より平滑性の高い膜を形成することができる。これによ
れば、鏡表面の親水層が、万が一、外観上、機能上損傷
した場合に、浴室内でゾル塗布を施し、流滴性機能の回
復補修を簡便に実施できる。
【0119】本発明において、基材表面層には前記金属
酸化物を前記基材表面に固定するためのバインダーを含
有させることが好ましい。バインダーにより基材表面と
の密着性は向上し、さらに高度な耐久性、耐摩耗性がえ
られるからである。バインダーとしては、釉薬、水ガラ
ス、シリコーン等の無機質のバインダー、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機質のバインダ
ー等が利用できる。
【0120】本発明において、凹凸に内在させる親水性
無機物として、けい酸リチウムの他、けい酸アルカリ金
属塩として、けい酸ナトリウム、けい酸カリウム、、け
い酸アンモウムが好適に利用できる。
【0121】本発明において、前記塗布液や凹凸に内在
させる親水性物質として、界面活性剤を含むことができ
る。添加が可能な界面活性剤の例としては、スルホン酸
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テルアンモニ
ウム塩、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエ−テルナトリウム塩、脂肪酸カリセッケン、脂肪酸
ナトリウムセッケン、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、アルキルサルフェ−ト、アルキルエ−テルサルフ
ェ−ト、アルキルサルフェ−トソ−ダ塩、アルキルエ−
テルサルフェ−トソ−ダ塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエ−テルサルフェ−ト、ポリオキシエチレンアルキル
エ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、アルキルサルフェ−ト
TEA塩、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルサルフ
ェ−トTEA塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エス
テルナトリウム塩、アシルメチルタウリン酸ナトリウ
ム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリ
ル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラ
ウリル2ナトリウム、ポリカルボン酸、オレオイルザル
コシン、アミドエ−テルサルフェ−ト、ラウロイルザル
コシネ−ト、スルホFAエステルナトリウム塩等のアニ
オン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレントリデシルエ−テル、ポリオキ
シエチレンアセチルエ−テル、ポリオキシエチレンステ
アリルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノ−ルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエ−テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
−テル、ポリオキシエチレンラウラ−ト、ポリオキシエ
チレンステアレ−ト、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエ−テル、ポリオキシエチレンオレエ−ト、ソルビ
タンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン
アルキルエステル、ポリエ−テル変性シリコ−ン、ポリ
エステル変性シリコ−ン、ソルビタンラウラ−ト、ソル
ビタンステアレ−ト、ソルビタンパルミテ−ト、ソルビ
タンセスキオレエ−ト、ソルビタンオレエ−ト、ポリオ
キシエチレンソルビタンラウラ−ト、ポリオキシエチレ
ンソルビタンステアレ−ト、ポリオキシエチレンソルビ
タンパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンオレ
エ−ト、グリセロ−ルステアレ−ト、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、アルキルアルキロ−ルアミド、ラウリン
酸ジエタノ−ルアミド、オレイン酸ジエタノ−ルアミ
ド、オキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレ
ンドデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルプロピレンジアミン、ポリオキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマ−、ポリオキシ
エチレンステアレ−ト等のノニオン性界面活性剤;ジメ
チルアルキルベタイン、アルキルグリシン、アミドベタ
イン、イミダゾリン等の両性界面活性剤;オクタデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイル
ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシ−2
−アルキルイミダゾリン4級塩、アルキルイソキノリニ
ウムブロマイド、高分子アミン、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ア
ルキルイミダゾリン4級塩、ジアルキルジメチルアンモ
ニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラ
デシルアミン酢酸塩、アルキルプロピレンジアミン酢酸
塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のカチ
オン性界面活性剤等が挙げられる。
【0122】本発明において、前記塗布液を基材表面に
塗布する方法は、公知の方法から適宜選択すればよく、
エアーガン、エアレスガン、エアゾールスプレー等を用
いたスプレーコーティング法、スピンコーティング法、
ディップコーティング法、フローコーティング法、ロー
ルコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り等があげ
られるが、これらに限定されるものではない。また、前
記塗布液を基材表面に塗布する前の処理として、各種シ
ャンプーやプライマー類、洗浄剤、コンパウンド類、帯
電防止剤等を用いることもできる。
【0123】塗布液を基材表面に塗布した後の熱処理
は、塗布液、基材の種類・性質に応じて適宜行えばよ
く、自然乾燥、加熱、赤外線・紫外線照射等いずれの方
法でも良い。単に溶媒を揮散させ乾燥したのみでもよい
場合もある。 熱処理を行う場合の方法としては、物品
の表面に表面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布
および熱処理の回数は2回以上であってもよい。塗布の
みを複数回繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と
熱処理の一連の操作を複数回行うことなど、様々な方法
が挙げられる。
【0124】本発明において、図4のように、あらかじ
め凹凸を形成した基材表面上に、さらに金属酸化物から
なる凹凸層を形成することも可能である。あらかじめ形
成する凹凸は、公知の方法より選択すれば良いが、前記
のようにゾル塗布法、真空蒸着法、スパッタリング、C
VDによって形成することが好ましく、その凹凸構造は
前述の凹凸高さ・幅・表面粗さの範囲に入っていること
が好ましい。凹凸層を形成する金属酸化物としては、前
述の金属酸化物の中から選べば良いが、特にシリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛を
使用することが好ましい。これらの金属酸化物のうち、
ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛等の光触媒
活性を有しているものを使用することが好ましい。光触
媒の親水化機能により、室内の照明や窓からの入射光な
どから得られる紫外線の存在下で、より一層親水性を高
めることが可能となる。特に、孔、凹凸などの内部奥深
くに浴室固有の汚れが固着して、鏡表面から除去困難な
場合など、光触媒性で汚れ分解でき、繰り返し流滴防曇
性を維持可能となる。さらに、光触媒の分解機能によ
り、防汚・防臭などの効果も期待できる。これらの酸化
物のゾルを使用してゾル塗布法により形成することが好
ましい。ゾルは様々な粒子径・性状のものが入手可能で
あり、表面に形成した凹部に入り込ませるために最適な
ものを選ぶことができる。酸化物ゾルは前述の各種金属
酸化物が挙げられるが、中でも粒子径が50nm以下の
ものが好ましい。あらかじめ形成した凹凸に入り込むた
め、基材表面の表面積は大きくなり、一層親水性が高ま
るからである。また、スパッタあるいはCVDによって
前記酸化物の被膜を形成する方法も好ましい。スパッタ
あるいはCVDによれば、被膜形成する前の親水性複合
材の凹凸を生かした被膜を形成することが可能となる。
CVDやスパッタにおいて処理温度を高くすることによ
り、耐アルカリ性、耐温水性などの耐久性をより向上さ
せることが可能である。無機酸化物以外にも浴室の環境
に耐えられる有機物との組み合わせなどで構成されても
よい。
【0125】また、基材の最表面には、金属粒子を光還
元法により、固定することも可能である。この場合、電
子捕捉効果を有する金属を添加することにより、親水機
能を高めることができる。電子捕捉効果を有する金属と
は、Pt、Pd、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、C
o、Zn等のイオン化傾向の小さく、自身が還元されや
すい金属をいう。これらの金属は、複数併用しても構わ
ない。これらの金属の平均粒子径は200nm以下であ
ることが好ましい。光の干渉、乱反射による発色、白濁
を防止するためである。
【0126】また、基材表面に形成した金属酸化物層粒
子の間隙にその間隙よりも小さな粒径の粒子を充填させ
ることも可能である。間隙に粒子を充填することで、基
材表面の表面積を大きくすることができ、親水性の向上
につながる。また、間隙に充填した粒子によって、金属
酸化物層粒子を結合させることができ、基材への密着性
が向上する。前記間隙より小さい粒径の粒子としては、
Sn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、Pt、Co、P
d、Ni等が挙げられる。前記電子捕捉効果を有する金
属を充填すれば、さらなる親水性の向上が期待できる。
【0127】複合材の最表面には抗菌性を有する物質を
担持することも可能である。ここで抗菌性を有する物質
とは、有機系の物質でも無機系の物質でもよい。耐摩耗
性、耐温水、耐薬品性などの耐久性を考慮すると、P
t、Au、Ag,Cuなどの金属、あるいはそれらの化
合物の使用が好ましい。これらの抗菌性を有する物質を
担持することにより、親水性を阻害する一要因である菌
や微生物を死滅させる、あるいは繁殖を抑制することが
できるため、親水性を維持する上で非常に効果的であ
る。
【0128】透明な基材としては、ガラスが好適に使用
できる。また、光学的に透明な基材であれば、他でも良
く、たとえば、アクリル、ポリカーボネート、PET,
不飽和ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、AS、
ポリスチレン、ナイロン、PEN (ポリエチレンナフタ
レート)、ポリイミド、塩ビ、ノルボルネン樹脂、オレ
フィンマレイミド共重合体、PPE(ノリル透明ク゛レート
゛)、PPC(ポリフタレートカーボネート)、ポリメチ
ルペンテンなどが使用できる。
【0129】基材は、板状に限らずフィルムのような薄
い形状やフレキシブルなものでもよい。これによれば、
たとえば、すでに設置済みの通常の鏡の表面に該フィル
ムの表面に親水層加工を施した物を貼って使用すること
が可能となる。万が一、親水面の損傷により、外観上や
機能上に支障が出た場合に、簡便に容易に貼り替え交換
が可能となる。これを定期的あるいは不定期に貼り替え
ることで、浴室での使用が可能となる。該フィルム状の
裏面に反射コーティングと接着層を設け、他方の面に親
水層を施せば、貼る場所を選ばなくできる。壁などの略
鏡化が可能となる。これによれば、該フィルムの貼り付
け時の空気の巻き込みによる外観上に不具合が解消でき
る。
【0130】また、基材と親水層の間に、吸湿性の層を
設けても良い。これによれば、流滴性防曇のみならず、
水蒸気負荷の軽い場合には、水を鏡面にかけなくても防
曇機能が発揮可能となる。
【0131】基材の一方の面に、光学的な反射機能と親
水機能とを持たせる場合には、不透明な基材が使用でき
る。金属材料が好適に使用できる。基材自身が、光学的
な反射機能を有していても良いし、基材表面に光学的に
反射特性の良い材料をコーティングしても良い。さら
に、浴室での腐食性など耐久性に強い材料が好適であ
る。ステンレス、アルミ、チタン、ニッケル、複合化さ
れたものなどが好適に使用できる。形態は、略板状で
も、該フィルム状でもよい。上記同様の効果が期待でき
る。
【0132】乗り物用ガラス、建造物用窓ガラス、車両
用ミラー、道路鏡、計器盤カバー、眼鏡レンズ、ヘルメ
ットシールド、ゴーグル、保温ショーケース、浴槽、浴
室用壁材、浴室用床材、浴室用グレ−チング、浴室用天
井、シャワ−フック、浴槽ハンドグリップ、浴槽エプロ
ン部、浴槽排水栓、浴室用窓、浴室用窓枠、浴室窓の床
板、浴室照明器具、排水目皿、排水ピット、浴室扉、浴
室扉枠、浴室窓の桟、浴室扉の桟、すのこ、マット、石
鹸置き、手桶、浴室用鏡、風呂椅子、トランスファ−ボ
−ド、給湯機、浴室用収納棚、浴室用手すり、風呂蓋、
浴室用タオル掛け、シャワ−チェア、洗面器置き台等の
浴室用部材、ごとく、台所用キッチンバック、台所用床
材、シンク、キッチンカウンタ、排水籠、食器乾燥機、
食器洗浄器、コンロ、レンジフ−ド、換気扇、コンロ着
火部、コンロのつまみ等の台所用部材、小便器、大便
器、便器用トラップ、便器用配管、トイレ用床材、トイ
レ用壁材、トイレ用天井、ボ−ルタップ、止水栓、紙巻
き器、便座、昇降便座、トイレ用扉、トイレブ−ス用
鍵、トイレ用タオル掛け、便蓋、トイレ用手すり、トイ
レ用カウンタ、フラッシュバルブ、タンク、洗浄機能付
き便座の吐水ノズル等のトイレ用部材、洗面ボウル、洗
面トラップ、洗面所用鏡、洗面用収納棚、排水栓、歯ブ
ラシ立て、洗面鏡用照明器具、洗面カウンタ、水石鹸供
給器、洗面器、口腔洗浄器、手指乾燥機、回転タイル等
の洗面用部材、洗濯槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水
槽、空調機フィルタ、タッチパネル、水栓金具、人体検
知センサ−のカバ−、シャワ−ホ−ス、シャワ−ヘッ
ド、シャワ−吐水部、シ−ラント、目地などへの応用も
考えられる。
【0133】
【実施例】実施例1:ケイフッ化水素酸溶液による処理
(ケミカルエッチング) 20cm角の鏡をケイフッ化水素酸溶液にて処理するこ
とにより、微細な細孔径の凹凸を形成し、試料1を得
た。この試料を用いて下記評価を実施した。その評価結
果を表1に示す。
【0134】表1からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な流滴防曇性を示し
た。また、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持
していた。また、繰り返し、洗浄回復性を評価すると、
中性洗剤レベルでは、若干流滴性がはじいている箇所が
あった。この試料においては、カビキラーなど、さらに
強力な洗浄をときどきすれば、流滴性が100%回復す
ることがわかった。このことからケイフッ化水素酸溶液
による処理で表面に凹凸を形成することで、良好な防曇
性・防汚性がえられることが確認できた。
【0135】実施例2:スパッタリング(シリカ) RFスパッタリング装置により、鏡表面にシリカを膜厚
50nm形成し、試料2を得た。この試料を用いて下記
評価を実施した。その評価結果を表1に示す。
【0136】表1からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に良好な流滴防曇性を示した。また、汚れも付着
しておらず、初期の清浄性を維持していた。また、繰り
返し、洗浄回復性を評価すると、中性洗剤レベルでも、
流滴性が回復していた。これは、細孔径が試料1よりも
小さく、浴室固有の汚れが膜内部までは浸入しなかった
ため、表面の洗浄だけできれいになったと推察できる。
【0137】比較例1:通常鏡 前記実施例との比較のため、何の処理も施していない1
0cm角の鏡を準備し、下記5項目の評価を行った。ま
た、後退角は22度で初期流滴性はなかった。その結果
を表1に示す。
【0138】評価項目 1.細孔径の測定:表面SEM写真より測定。 2.流滴防曇性:各試料を垂直な面に設置して水道水を
かけ、2分後の水濡れ状況を目視にて確認。これを、初
期と1週間浴室暴露後に評価した。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 3.暴露後防汚性:試料を浴室に1週間暴露後、外観上
の汚れ具合いを見た。◎:防汚面積100%、○:防汚
面積80%以上100%未満、△:防汚面積60%以上
80%未満、×:防汚面積60%未満、の4段階で評
価。 4.洗浄回復性:試料を浴室に1週間暴露後、中性洗剤
(ライオン製ルックお風呂の洗剤でスポンジ洗浄し、ま
た暴露した。これを3か月繰り返し、流滴性の回復度合
いを見た。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 5.耐摩耗性:スポンジによる摺動を2万回往復行い、
外観の異常有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。 6.後退角の測定:試料を垂直に水槽に漬け、約1mm
/秒の速度で引き上げ、その時に水面と試料間にできる
フィレット状の水の持ち上がり角度を光学的に測定し
た。尚、試料の暴露は、TOTO製1620UBの鏡の
下部にあたる位置に設置し、1日当り4人の入浴を繰り
返しておこなった。その評価結果を表1、2に示す。
【0139】
【表1】
【0140】実施例3:鎖状コロイダルシリカ1% 鎖状コロイダルシリカ(固形分濃度15〜16%、pH
2〜4、粒子径40〜100nm)をエタノールで希釈
し、1重量%の塗布液を調整した。上記塗布液を布に含
ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと1
50度15分乾燥を行い試料3を得た。上記試料3を用
いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0141】実施例4:鎖状コロイダルシリカ20% 鎖状コロイダルシリカ(固形分濃度15〜16%、pH
2〜4、粒子径40〜100nm)を原液のまま、布に
含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと
150度15分乾燥を行い試料4を得た。上記試料4を
用いて、下記6項目の評価を行った。
【0142】実施例5:球状コロイダルシリカ1% 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm);5gに対して、界面活性剤;0.2
gを添加し、水で希釈して1重量%の塗布液を調整し
た。上記塗布液を布に含ませて10cm角の鏡に塗布
し、自然乾燥させた後150度15分乾燥を行い試料3
試料を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評価を行
った。その結果を表2に示す。
【0143】実施例6:球状コロイダルシリカ1% 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm)を水で希釈して1重量%の塗布液を調
整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角の鏡に塗
布し、自然乾燥させた後150度15分乾燥を行い試料
6を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0144】実施例7:アルミナゾル1% 棒状アルミナゾル(固形分濃度20〜22%、粒子径1
0〜20nm)をエタノールで希釈し、1重量%の塗布
液を調整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角の
鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150度15分乾燥を
行い試料7を得た。上記試料を用いて、下記6項目の評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0145】実施例8:ジルコニアゾル1% 球状ジルコニアゾル(固形分濃度30〜31%、粒子径
60〜70nm)をエタノールで希釈し、1重量%の塗
布液を調整した。上記塗布液を布に含ませて10cm角
の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150度15分乾燥
を行い試料8を得た。上記試料を用いて、下記6項目の
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0146】実施例9:チタニアゾル1% アナターゼ型チタニアゾル(固形分濃度10%)を水
で、10倍に希釈して塗布液を調整した。上記塗布液を
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させた
後150度15分乾燥を行い試料9を得た。上記試料を
用いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に
示す。
【0147】実施例10:リチウムシリケート リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)を原液のまま、
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させた
あと150度15分乾燥を行い試料10を得た。上記試
料を用いて、下記6項目の評価を行った。その結果を表
2に示す。
【0148】実施例11:バインダー添加 球状コロイダルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子
径8〜11nm);10g、ポリビニルアルコール5%
水溶液(日本合成化学(株)製、NH26);2g、シ
ランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A110
0);0.02g、界面活性剤;0.4g、水;90g
を混合して塗布液を調整した。上記塗布液を布に含ませ
て10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させたあと150
度15分乾燥を行い試料11を得た。上記試料を用い
て、下記6項目の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0149】評価項目 1.表面粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均
幅(L):走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツル
メンツ社製 D3000)のAFM(原子間力顕微
鏡)モードにて測定。 2.流滴防曇性:各試料を垂直な面に設置して水道水を
かけ、2分後の水濡れ状況を目視にて確認。これを、初
期と1週間浴室暴露後に評価した。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 3.暴露後防汚性:試料を浴室に1週間暴露後、外観上
の汚れ具合いを見た。 ◎:防汚面積100%、○:防汚面積80%以上100
%未満、△:防汚面積60%以上80%未満、×:防汚
面積60%未満、の4段階で評価。 4.洗浄回復性:試料を浴室に1週間暴露後、中性洗剤
(ライオン製ルックお風呂の洗剤でスポンジ洗浄し、ま
た暴露した。これを約3年相当繰り返し、流滴性の回復
度合いを見た。 ◎:流滴性防曇面積100%、○:流滴性防曇面積80
%以上100%未満、△:流滴性防曇面積60%以上8
0%未満、×:流滴性防曇面積60%未満、の4段階で
評価。 5.耐摩耗性:スポンジによる摺動を2万回往復行い、
外観の異常有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。
【0150】
【表2】
【0151】実施例12:スパッタリング(シリカ) RFスパッタリング装置により、鏡表面にシリカを膜厚
50nm形成し、試料12を得た。この試料を用いて上
記評価を実施した。その評価結果を表2に示す。
【0152】表2からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に良好な流滴防曇性を示した。また、汚れも付着
しておらず、初期の清浄性を維持していた。また、繰り
返し、洗浄回復性を評価すると、中性洗剤レベルでも、
流滴性が回復していた。これは、細孔径だけでなく、凹
凸測定からも凹凸が小さく、浴室固有の汚れが膜内部ま
では浸入しなかったため、表面の洗浄だけできれいにな
ったと推察できる。
【0153】実施例13:EB EB蒸着によってシリカ、アルミナの無機酸化物を基材
に被覆して凹凸を形成し、試料13、14を得た。この
試料を用いて上記評価を実施した。その評価結果を表2
に示す。シリカにおいては、スパッタと同様な結果とな
った。アルミナに関しては、初期は良いが曝露によって
流滴性が、かなり失われた。
【0154】実施例14:フッ酸処理(ケミカルエッチ
ング) 20cm角の鏡表面をフッ酸で化学的にエッチングを行
い、微細な凹凸を形成し、試料を得た。この試料を用い
て同様の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0155】表2からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことからフッ酸処理で表面に凹凸を形成するこ
とで、良好な防曇性・防汚性がえられることが確認でき
た。また、繰り返し、洗浄回復性を評価すると、中性洗
剤レベルでも、流滴性が回復していた。これは、凹凸が
試料16よりも小さく、浴室固有の汚れが膜内部までは
浸入しなかったため、表面の洗浄だけできれいになった
と推察できる。
【0156】実施例15:ケイフッ化水素酸溶液による
処理(ケミカルエッチング) 20cm角の鏡をケイフッ化水素酸溶液にて処理するこ
とにより、微細な凹凸を形成し、試料を得た。この試料
を用いて同様の評価を行った。その評価結果を表2に示
す。
【0157】表2からわかるように、初期、1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な流滴防曇性を示し
た。また、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持
していた。また、繰り返し、洗浄回復性を評価すると、
中性洗剤レベルでは、若干流滴性がはじいている箇所が
あった。この試料においては、カビキラーなど、さらに
強力な洗浄をときどきすれば、流滴性が100%回復す
ることがわかった。これは、実施例1の細孔径評価だけ
でなく、AFMによる凹凸評価でも、他より凹凸が大き
い傾向にあり、よごれが孔内部まで浸入して中性洗剤レ
ベルでは落ちきれなかったことが推測できる。
【0158】実施例16:CVD法 (酸化スズ) CVD法により、20cm角の鏡表面に酸化スズをコー
ティングし、試料を得た。この試料を3等分し、1枚を
用いて同様の評価を行った。残りの2枚を用いて、耐温
水性・耐アルカリ性を評価した。耐温水性の評価は、9
5℃の温水に12時間浸漬した後、外観の異常の有無を
目視にて確認する方法で、耐アルカリ性の評価は、5%
NaOHに12時間浸漬した後、外観の異常の有無を目
視にて確認する方法で行った。耐温水性、耐アルカリ性
を評価した試料18,19を用いて同様の評価を行っ
た。その評価結果を表2に示す。
【0159】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。温水・アルカリによる異常は認められず、防曇性・
防汚性にも影響のないことが確認できた。このことか
ら、CVD法により酸化スズを被膜し凹凸を形成するこ
とで、温水・アルカリにも強い、ほぼ半永久的な耐久性
能を有した防曇性・防汚性がえられることが確認でき
た。
【0160】実施例17:凹凸表面の無機酸化物ゾルに
よる処理 ケイフッ化水素酸溶液で処理することにより、微細な凹
凸を形成した鏡表面に球状コロイダルシリカ(固形分濃
度30〜31%、粒子径8〜11nm)ゾルをそれぞれ
コーティングし、試料20を得た。鏡表面に凹凸を形成
した時点では、わずかながら白濁が認められたが、前記
ゾルをコーティングすることにより、表面は光をあてて
も干渉縞、白濁は全く認められなかった。この試料を用
いて同様の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0161】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから、あらかじめ凹凸を形成した基材表面
にさらに金属酸化物で被膜形成して凹凸をすることで、
良好な防曇性・防汚性がえられることが確認できた。
【0162】実施例18:凹凸表面の酸化チタンゾルに
よる処理 アナターゼ型チタニアゾル(固形分濃度15%)をエタ
ノールで、15倍に希釈して塗布液を調整した。上記塗
布液をフローコーティング法により、ケイフッ化水素酸
溶液処理で微細な凹凸を形成した鏡表面に塗布し、自然
乾燥後150度15分乾燥させて試料21を得た。この
試料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を表2
に示す。
【0163】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。試料9のチタニアゾルコーティングに比べて、基材
の影響で凹凸が増し、流滴性が良好になったと考えられ
る。このことから、あらかじめ凹凸を形成した基材表面
にさらに金属酸化物ゾルを塗布して凹凸を形成すること
で、良好な防曇性・防汚性がえられることが確認でき
た。
【0164】実施例19:凹凸表面のアルコキシドによ
る処理 チタンアルコキシド溶液(日本曹達製、NDH510
C、固形分濃度5%)をエタノールで、2倍に希釈して
塗布液を調整した。上記塗布液をフローコーティング法
により、ケイフッ化水素酸溶液処理で微細な凹凸を形成
した鏡表面に塗布し、500℃で30分焼成して試料2
2を得た。この試料を用いて、同様の評価および耐摩耗
性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0165】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。耐摩耗評価では、まったく傷がつかなかった。この
ことからあらかじめ凹凸を形成した基材表面にさらに金
属酸化物を被膜焼成することにより耐摩耗性の良好な凹
凸を形成することができることが確認できた。また、良
好な防曇性・防汚性がえられることも確認できた。ただ
し、凹凸が粗いため、中性洗剤による洗浄回復性は若干
劣る。
【0166】実施例20:凹凸表面の親水材料による処
理 ケイフッ化水素酸溶液で処理することにより、微細な凹
凸を形成した鏡表面にポリアクリル酸、けい酸リチウ
ム、アニオン系界面活性剤(市販浴室洗剤)と徐溶化剤
(変性ポリエーテル)を混合したものをそれぞれコーテ
ィングし乾燥させることで、3種類の試料23、24、
25を得た。この試料を用いて同様の評価を行った。そ
の評価結果を表2に示す。
【0167】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから、あらかじめ凹凸を形成した基材表面
にさらに親水材料で被膜形成することで、良好な防曇性
・防汚性がえられることが確認できた。また、この基材
においては、表面の孔径より内部の孔径が大きく、しか
も3次元的に複雑形状をしているために、この内部に親
水材料が浸入し、汚れの浸入を防ぎ、また、それ自身も
徐々に溶解するため、常にきれいな新しい表面が形成さ
れ、自己浄化機能を有していると考えられる。また、け
い酸リチウムにおいては、熱処理温度を適切に選べば、
基材の表面の孔径より内部の孔径が大きく、しかも3次
元的な複雑形状を埋め耐久性の向上がはかれる。さら
に、オキシ塩化ジルコニウムのような加熱処理によっ
て、ジルコニアに変化する材料を含浸して、所定の処理
をすれば、さらに耐久性が向上することが可能となる。
【0168】実施例21:凹凸表面のスパッタ処理 真空蒸着法によりシリカをコーティングし、あらかじめ
凹凸を形成した20cm角の鏡表面にさらにスパッタに
よってチタニアをコーティングして試料を得た。この試
料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を表2に
示す。
【0169】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから真空蒸着で凹凸形成した基材表面にさ
らに凹凸をつけることで、さらに良好な防曇性・防汚性
がえられることが確認できた。また、チタニアには光触
媒活性があり、UV照射によって流滴性の回復が認めら
れた。
【0170】実施例22:凹凸表面のスパッタ処理 スパッタによりチタニアをコーティングし、所定の凹凸
を形成した20cm角の鏡表面にさらにスパッタによっ
て酸化スズをコーティングして試料27、28を得た。
この試料を用いて同様の評価を行った。その評価結果を
表2に示す。
【0171】表2からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことからスパッタで凹凸形成した基材表面にさ
らに凹凸をつけることで、さらに良好な防曇性・防汚性
がえられることが確認できた。SEMにより、表面と断
面からスパッタチタニアの微構造を観察してみると、柱
状の結晶が基材面から垂直に集積した構造であった。こ
の表面は、略2次元構造であり、柱状結晶同士の間に
は、微小なすきまがあることがわかった。結晶になって
いるため、耐久的に強く、しかも結晶同士の微小なすき
まが流滴性に好適と考えられる。この結晶構造は、チャ
ンバー内の酸素濃度が高い方が、柱状になり、酸素濃度
が低い方が、アナターゼ型結晶構造が有意となることが
わかった。アナターゼが有意になるにしたがって、表面
から見た微構造は、正方からアスペクト比をもった直方
に変化し、光活性面だけでなく流滴性面でも、より好適
に使用できるようになる。さらに、このうえに、より親
水性のよいシリカ、酸化スズを形成すれば、汚れの付き
にくい、流滴維持性の良い表面層が形成できる。
【0172】実施例23: 凹凸と表面電位 アルミナゾル、シリカゾル、酸化スズゾル、チタニアゾ
ル、ジルコニアゾルの5種類の金属酸化物ゾルをそれぞ
れ鏡表面にコーティングし、試料を得た。各試料の表面
粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均幅(L)
及び零電荷点を計測した後、浴室内に設置し、2週間暴
露した。暴露期間中は、入浴は1日4人とし、鏡面への
意図的な水かけ、洗浄等は一切行わないこととした。比
較のためノーマルな鏡も同様に設置し、暴露を行った。
尚、零電荷点とはゼータ電位が0になる時の水溶液のp
Hであり、零電荷点の値より高いpHの水溶液中に入れた
時にはゼータ電位が負に、それより低いpHの水溶液中
に入れた時には正になる。鏡表面の零電荷点測定は、レ
ーザーゼータ電位計(大塚電子製、ELS−6000)
を用い、ポリスチレンラテックスを光散乱のモニター粒
子として電気浸透流を測定し、電気浸透流が0になった
時の電解質水溶液のpHを滴定法により求めた。表面粗
さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均幅(L)
は、走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ
社製D3000)のAFM(原子間力顕微鏡)モードに
て測定した。試料は2週間暴露後に浴室から取り出し、
流滴性評価方法に従って、目視による4段階評価を実施
した。その結果を下表4に示す。
【0173】
【表3】
【0174】表3からわかるように、ノーマル鏡は零電
荷点がシリカゾル鏡と同等であるが水濡れ面積は60%
に満たなかった。一方、各種ゾルを塗布した鏡では、ア
ルミナ鏡が60%以上、酸化スズ・ジルコニア鏡が80
%以上、シリカ鏡が100%の水濡れ面積を示した。以
上より、零電荷点の値が小さい(表面電位が負である)
だけ、あるいは、微細な凹凸だけでは、親水性を維持し
にくいことが確認できた。つまり、微細な凹凸と零電荷
点が7未満(pH7付近の水中において表面電位が負)
であることとが組合わさることによって、さらには零電
荷点が低いほど、良好な親水性を維持することができ、
水膜形成によって、防曇性・防汚性・水滴形成防止性・
水滴付着防止性が得られることが確認できた。
【0175】実施例24:凹凸上に1層コート リチウムシリケート+無機酸化物ゾル リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)と球状コロイダ
ルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子径8〜11n
m)を固形分比1:1で固形分濃度1%になるように混
合調整してコーティング処理した。試料29。
【0176】リチウムシリケートと球状コロイダルシリ
カ(固形分濃度30〜31%、粒子径8〜11nm)の
混合物でコーティング処理することにより、微細な凹凸
を形成した鏡表面にリチウムシリケート、前記球状コロ
イダルシリカと前記リチウムシリケートを固形分比1:
10混合したものをそれぞれコーティングし、2種類の
試料30、31を得た。
【0177】ケイフッ化水素酸溶液で処理することによ
り、微細な凹凸を形成した鏡表面にリチウムシリケー
ト、前記球状コロイダルシリカと前記リチウムシリケー
トを混合したものを2種類のゾルをそれぞれコーティン
グし、2種類の試料を得た。試料32、33を得た。こ
れらの試料を用いて、前記評価を行った。その評価結果
を表4に示す。
【0178】
【表4】
【0179】初期及び暴露後、さらには、約3年相当の
繰り返し後でも、良好な結果が得られた。
【0180】実施例25:膜厚と防曇・防汚性の関連 シリカゾルによって、20cm角の鏡表面に各種膜厚で
コーティングして試料を得た。この試料を用いて同様方
法で防曇・防汚性の評価を行った。あわせて外観評価も
行った。評価結果を表5に示す。
【0181】
【表5】
【0182】表5からわかるように、本実験の範囲内で
は膜厚の違いによる防曇・防汚性に差はないが、膜厚が
500nmでは干渉縞がみられ、外観上は問題があっ
た。このことより、膜厚は400nm以下が好ましいこ
とが確認できた。また、膜の硬さも厚いと低下すること
がわかった。
【0183】実施例26:洗剤の種類と流滴性の洗浄回
復性 前記、実施例と同じ処方の試料1、2、17、比較例1
を準備し、同様に入浴暴露試験を実施し、洗剤の種類に
よってどれぐらい洗浄回復性に差が出るか調査した。洗
浄回復性の繰り返し期間は、約6ケ月相当で評価した。
石鹸のみ手洗いを、中性洗剤(ライオン製ルック)とセリ
ア磨きはスポンジ洗浄を、カビキラーについてはスプレ
ーのみで5分放置後、シャワー洗浄した。
【0184】
【表6】
【0185】酸化スズは、石鹸手洗いでも、繰り返し流
滴性が回復することがわかった。この試料のみ、引き続
いて評価を継続した結果、約3年相当の間、石鹸手洗い
という簡便な方法で、流滴性が回復することがわかっ
た。浴室用としては、耐久性、流滴性に優れた材料と微
構造の組み合わせであることが確認できた。
【0186】実施例:27 鏡を80℃の温水に24時間浸漬し、その後自然に乾燥
させて試料を得た。この試料を実施例19と同様に評価
を行った。その結果、表面粗さ(Ra)は、0.675
nm、凹凸平均高さ(H)は、3.094nm、凹凸平
均幅(L)は、24.899nmであった。初期防曇
性、暴露後防曇性・防汚性の評価はいずれも◎であり、
暴露後も良好な防曇性と清浄性を維持可能なことが確認
できた。このことから、温水浸漬によって基材表面に凹
凸を形成することでも、良好な防曇性・防汚性がえられ
ることが確認できた。
【0187】実施例28:鏡とシャワー位置 試料として、コロイダルシリカをコーティングし、熱処
理することにより、表面に微細な凹凸構造を形成した親
水性鏡(サイズ:200mm×300mm)を準備し
た。初期の接触角が20°以下であることをあらかじめ
確認してから浴室に設置し、防汚評価を行った。試料
は、通常の鏡の設置高さと同じ床面から500mmの位
置に、シャワーとの間隔は横方向(鏡の左右方向)10
0〜300mm、奥行き方向0〜100mmの各位置に
取付けた。入浴は1日4人とし、シャワーを使用してシ
ャンプー・リンス、石鹸、ボディーシャンプー等を使っ
て洗髪洗体モニターを実施した。鏡の汚れ具合をはかる
指標としては接触角を用い、接触角が30°を維持する
日数で示した。その結果を表7に示す。
【0188】
【表7】
【0189】表7から、鏡とシャワーの位置は、本実験
の範囲では離れているほうが汚れにくく、親水性を維持
できることがわかった。横方向では250mm以上が良
く、さらに好ましくは300mm以上が良いことが確認
できた。奥行き方向では、50mm以上、好ましくは1
00mm以上が良いことが確認できた。
【0190】実施例29:抗菌性 200mm×300mmの鏡を用意した。シリカゾルと
チタニアゾルを混合塗布して凹凸を形成した試料を得
た。シリカとチタニアゾルで凹凸形成後、その上に硝酸
銀水溶液を塗布し、BLBランプを用いて銀を光還元固
定した試料を得た。比較のため、鏡表面に直接銀を固定
した試料も準備した。これらの試料の表面粗さ(R
a)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)を測定
後、表面にカビの胞子を付着させ、浴室内に設置して、
2週間暴露を行った。暴露期間中の入浴は1日4人とし
た。2週間後、その汚れ付着やカビの発生状況を確認す
ると共に、実施例1〜9と同様の方法で流滴性の評価を
行った。結果を表 に示す。尚、表面粗さ(Ra)、凹
凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)は、走査型プロー
ブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製 D300
0)のAFM(原子間力顕微鏡)モードにて測定した。
【0191】
【表8】
【0192】表からわかるように、比較試料は表面にカ
ビは発生しなかったものの、汚れが付着しており、水濡
れ面積60%未満と流滴による防曇効果は得られないよ
うな状況であった。シリカで凹凸を形成した試料は、汚
れはほとんど付着しておらず、水濡れ面積60%以上と
かろうじて流滴性を保持した。しかし、表面にはまだら
にカビが発生し、その部分が親水性を失っており、使用
する上では好ましくない状態であった。一方、シリカの
凹凸上に銀を固定したものは、表面粗さ、凹凸平均高さ
・幅はシリカで凹凸を形成した先の試料と大差ないにも
かかわらず、カビも付着しておらず、水濡れ面積は80
%以上と良好な流滴性を維持した。このことから、凹凸
上に銀を固定することにより、部材表面のカビの発生を
防ぐことができ、それによって親水性を良好に維持でき
ることが確認できた。以上より、凹凸と抗菌金属を組み
合わせることにより、親水性が長期間良好な状態で維持
可能なことが示唆された。
【0193】
【発明の効果】本発明によれば、汚れの汚染付加量が大
きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主とし
て、浴室・シャワールーム等において好適に使用できる
防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた実用に供
し得る浴室用流滴性防曇鏡を提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凹凸表面の模式的な断面図を示す。
【図2】 基材に金属酸化物層を被覆し凹凸を形成した
場合の模式的な断面図を示す。
【図3】 基材に直接凹凸を形成した場合の模式的な断
面図を示す。
【図4】 凹凸表面上にさらに凹凸を形成した場合の模
式的な断面図を示す。
【図5】 水の接触角と流滴性維持時間の関係の例を示
す。
【図6】 鉛筆硬度と耐久性、流滴性の関係を表した表
を示す。
【図7】 ケイフッ化処理表面のSEM写真を示す。
【図8】 スパッタシリカの表面のSEM写真を示す。
【図9】 スパッタチタニアの表面のSEM写真を示
す。
【図10】 CVD酸化スズの表面のSEM写真を示
す。
【図11】 ケイフッ化処理表面の汚れ蓄積時のSEM
写真を示す。
【図12】 ケイフッ化処理表面のAFM像を示す。
【図13】 スパッタシリカ表面のAFM像を示す。
【図14】 スパッタチタニア表面のAFM像を示す。
【図15】 CVD酸化スズの表面のAFM像を示す。
【図16】 本発明の実施の一形態による浴室の模式的
な斜視図である。
【図17】 本発明の実施の一形態による浴室の模式的
な斜視図である。
【符号の説明】
H:凹凸高さ L:凹凸幅 1:基材 2:金属酸化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森原 かおり 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 3B111 AA01 AA03 AC01 AC03 AD01 BE01 CA03 CD01

Claims (161)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡表面に水膜を形成し、曇りの原因であ
    る微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機能を発現
    する鏡において、浴室固有の課題に対して実用に供し得
    るように設計制御されたことを特徴とする浴室用鏡。
  2. 【請求項2】 浴室固有の課題が、鏡表面に形成した水
    膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、良好な流
    滴性を繰り返し長時間維持するように、設計制御された
    ことを特徴とする請求項1に記載の浴室用鏡。
  3. 【請求項3】 浴室固有の課題が、鏡表面に形成した水
    膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、良好な流
    滴性を繰り返し長時間維持するように、設計制御したこ
    とを特徴とする請求項1〜2に記載の浴室用鏡の設計方
    法。
  4. 【請求項4】 浴室固有の課題が、鏡表面に形成した水
    膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、良好な流
    滴性を繰り返し長時間維持するように、鏡の表面構造と
    材料特性を設計制御したことを特徴とする請求項1〜3
    に記載の浴室用鏡。
  5. 【請求項5】 浴室固有の課題が、鏡表面に形成した水
    膜をはじかせる浴室固有の汚れの存在下でも、良好な流
    滴性を繰り返し長時間維持するように、鏡の表面構造と
    材料特性を設計制御したことを特徴とする請求項1〜4
    に記載の浴室用鏡の設計方法。
  6. 【請求項6】 水と親和性をもった材料で凹凸を形成し
    たことを特徴とする請求項1〜5に記載の浴室用鏡。
  7. 【請求項7】 水と親和性をもった材料で凹凸を形成し
    たことを特徴とする請求項1〜6に記載の浴室用鏡の設
    計方法。
  8. 【請求項8】 該鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åに制御された無
    機金属酸化物からなることを特徴とする請求項1〜7に
    記載の浴室用鏡。
  9. 【請求項9】 該鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åに制御された無
    機金属酸化物からなることを特徴とする請求項1〜8に
    記載の浴室用鏡の設計方法。
  10. 【請求項10】 該鏡表面が略10〜200Å、より好
    ましくは略10〜100Åの細孔径に制御されたことを
    特徴とする請求項1〜9に記載の浴室用鏡。
  11. 【請求項11】 該鏡表面が略10〜200Å、より好
    ましくは略10〜100Åの細孔径に制御されたことを
    特徴とする請求項1〜10に記載の浴室用鏡の設計方
    法。
  12. 【請求項12】 該鏡表面が、シリカ、ジルコニア、酸
    化スズ、チタニア、アルミナ、セリアを主成分とした1
    種または数種複合化した材料から設計されたことを特徴
    とする請求項1〜11に記載の浴室用鏡。
  13. 【請求項13】 該鏡表面が、シリカ、ジルコニア、酸
    化スズ、チタニア、アルミナ、セリアを主成分とした1
    種または数種複合化した材料で設計制御されたことを特
    徴とする請求項1〜12に記載の浴室用鏡の設計方法。
  14. 【請求項14】 該鏡表面をスパッタリングなどのPV
    Dで形成したことを特徴とする請求項1〜13に記載の
    浴室用鏡。
  15. 【請求項15】 該鏡表面をスパッタリングなどのPV
    Dで制御形成したことを特徴とする請求項1〜14に記
    載の浴室用鏡の設計方法。
  16. 【請求項16】 該鏡表面をCVDで制御形成したこと
    を特徴とする請求項1〜15に記載の浴室用鏡。
  17. 【請求項17】 該鏡表面をCVDで制御形成したこと
    を特徴とする請求項1〜16に記載の浴室用鏡の設計方
    法。
  18. 【請求項18】 該鏡表面をゾルゲル法で制御形成した
    ことを特徴とする請求項1〜17に記載の浴室用鏡。
  19. 【請求項19】 該鏡表面をゾルゲル法で制御形成した
    ことを特徴とする請求項1〜18に記載の浴室用鏡の設
    計方法。
  20. 【請求項20】 該鏡表面をケミカルエッチングで制御
    形成したことを特徴とする請求項1〜19に記載の浴室
    用鏡。
  21. 【請求項21】 該鏡表面をケミカルエッチングで制御
    形成したことを特徴とする請求項1〜20に記載の浴室
    用鏡の設計方法。
  22. 【請求項22】 該鏡表面を陽極酸化法で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜21に記載の浴室用鏡。
  23. 【請求項23】 該鏡表面を陽極酸化法で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜22に記載の浴室用鏡の設計方
    法。
  24. 【請求項24】 鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無機金
    属酸化物からなる層中に水との親和性の良い物質、より
    好ましくは、親水性有機物及び/または界面活性剤及び
    /または親水性無機物が内在保持されたことを特徴とす
    る請求項1〜23に記載の浴室用鏡。
  25. 【請求項25】 鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åをもった無機金
    属酸化物からなる層中に水との親和性の良い物質、より
    好ましくは、親水性有機物及び/または界面活性剤及び
    /または親水性無機物が内在保持されたことを特徴とす
    る請求項1〜24に記載の浴室用鏡の設計方法。
  26. 【請求項26】 毛髪保護剤(毛髪用リンス)などに含
    まれる陽イオン(カチオン)系界面活性剤やシリコーン
    などの鏡表面の水膜をはじかせる汚れ成分は、細孔中に
    は浸入させないが、水は通すという選択透過特性を可能
    とする請求項1〜25に記載の鏡表面の設計制御方法。
  27. 【請求項27】 毛髪保護剤(毛髪用リンス)などに含
    まれる陽イオン(カチオン)系界面活性剤やシリコーン
    などの鏡表面の水膜をはじかせる汚れ成分は、細孔中に
    は通さないが、水は通すという選択透過特性を可能とし
    た請求項1〜26に記載の浴室用鏡。
  28. 【請求項28】 該鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Å、より好ましく
    は、略10〜200Å、さらに好ましくは、略10〜1
    00Åで3次元網目構造のような複雑な構造にならない
    ように設計制御し、毛髪保護剤(毛髪用リンス)などに
    含まれるカチオン系界面活性剤やシリコーンなどの鏡表
    面の水膜をはじかせる汚れ成分は孔中に通さないが、水
    は通すといった選択透過機能を可能とした構造を有する
    ことを特徴とする請求項1〜27に記載の浴室用鏡の設
    計方法。
  29. 【請求項29】 該鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Å、より好ましく
    は、略10〜200Å、さらに好ましくは、略10〜1
    00Åで3次元網目構造のような複雑な構造にならない
    ように設計制御し、毛髪保護剤(毛髪用リンス)などに
    含まれるカチオン系界面活性剤やシリコーンなどの鏡表
    面の水膜をはじかせる汚れ成分は孔中に通さないが、水
    は通すといった選択透過機能を可能とした構造を有する
    ことを特徴とする請求項1〜27に記載の浴室用鏡。
  30. 【請求項30】 洗面行為中の2分以上、望ましくは、
    3分以上の長時間にわたって少なくとも流滴防曇性の維
    持特性を可能とする略10〜2000Å、より好ましく
    は、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜20
    0Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲内に
    細孔径を有した請求項1〜29に記載の浴室用鏡の設計
    方法。
  31. 【請求項31】 洗面行為中の2分以上、望ましくは、
    3分以上の長時間にわたって少なくとも流滴防曇性の維
    持特性を可能とする略10〜2000Å、より好ましく
    は、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜20
    0Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲内に
    細孔径を有した請求項1〜30に記載の浴室用鏡。
  32. 【請求項32】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜
    200Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲
    内に細孔径を有し、接触角が略50度以下の水の接触角
    になるように設計したことを特徴とする請求項1〜31
    に記載の浴室用鏡の設計方法。
  33. 【請求項33】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜
    200Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲
    内に細孔径を有し、接触角が略50度以下の水の接触角
    になるように設計したことを特徴とする請求項1〜32
    に記載の浴室用流滴性防曇鏡。
  34. 【請求項34】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜
    200Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲
    内に細孔径を有し、50度以下の水の接触角をもった浴
    室用流滴性防曇鏡において略2〜3分以上流滴性を維持
    することを可能とした請求項1〜33に記載の浴室用鏡
    の設計方法。
  35. 【請求項35】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Å、より好ましくは、略10〜
    200Å、さらに好ましくは、略10〜100Åの範囲
    内に細孔径を有し、50度以下の水の接触角をもった浴
    室用流滴性防曇鏡において略2〜3分以上流滴性を維持
    することを可能とした請求項1〜34に記載の浴室用
    鏡。
  36. 【請求項36】 流滴性の維持時間と水の接触角の関係
    をT=0.069*A^2-6.6*A+159の式を満たすように制御し
    たことを特徴とした請求項1〜35に記載の浴室用鏡の
    制御方法。
  37. 【請求項37】 流滴性の維持時間と水の接触角の関係
    をT=0.069*A^2-6.6*A+159の式を満たすように制御し
    たことを特徴とした請求項1〜36に記載の浴室用鏡。
  38. 【請求項38】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åで立面での略20度以下の水
    の後退角となるように設計したことを特徴とする請求項
    1〜37 に記載の浴室用鏡の設計方法。
  39. 【請求項39】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åで立面での略20度以下の水
    の後退角となるように設計したことを特徴とする請求項
    1〜38 に記載の浴室用鏡。
  40. 【請求項40】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水の接
    触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM(原子
    間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åの表面高さhを
    もつようにしたことを特徴とする請求項1〜39に記載
    の浴室用鏡の設計方法。
  41. 【請求項41】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水の接
    触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM(原子
    間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åの表面高さhを
    もつようにしたことを特徴とする請求項1〜39に記載
    の浴室用鏡。
  42. 【請求項42】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水の接
    触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM(原子
    間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åの表面幅Lをも
    つようにしたことを特徴とする請求項1〜41に記載の
    浴室用鏡の設計方法。
  43. 【請求項43】 細孔径略10〜2000Å、より好ま
    しくは、10〜1000Åでしかも50度以下の水の接
    触角をもった浴室用流滴性防曇鏡においてAFM(原子
    間力顕微鏡)で測定した表面粗さが略10〜2000
    Å、より好ましくは、10〜1000Åの表面幅Lをも
    つようにしたことを特徴とする請求項1〜42に記載の
    浴室用鏡。
  44. 【請求項44】 Wenzelの式において接触角が5
    0度以下かつAFM(原子間力顕微鏡)で測定した表面
    高さhが略200nm以下、より好ましくは、1〜100
    nmであるようにしたことを特徴とした請求項1〜43
    に記載の浴室用流滴性防曇鏡の設計方法。
  45. 【請求項45】 Wenzelの式において接触角が5
    0度以下かつAFM(原子間力顕微鏡)で測定した表面
    高さhが略200nm以下、より好ましくは、1〜100
    nmであるようにしたことを特徴とした請求項1〜44
    に記載の浴室用流滴性防曇鏡。
  46. 【請求項46】 Wenzelの式においてAFM(原
    子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lよりも浅く
    なるようにしたことを特徴とした請求項1〜45に記載
    の浴室用鏡の設計方法。
  47. 【請求項47】 Wenzelの式においてAFM(原
    子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lよりも浅く
    なるようにしたことを特徴とした請求項1〜46に記載
    の浴室用鏡。
  48. 【請求項48】 浴室固有の環境条件での耐久性に優
    れ、洗浄回復性のよい請求項1〜47に記載の浴室用鏡
    の設計制御方法。
  49. 【請求項49】 浴室固有の環境条件での耐久性に優
    れ、洗浄回復性のよい請求項1〜48に記載の浴室用
    鏡。
  50. 【請求項50】 Wenzelの式においてAFM(原
    子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lよりも浅
    く、略2次元クレータ構造になるようにしたことを特徴
    とした請求項1〜49に記載の浴室用鏡の設計方法。
  51. 【請求項51】 Wenzelの式においてAFM(原
    子間力顕微鏡)で測定した表面高さhが幅Lよりも浅
    く、略2次元クレータ構造になるようにしたことを特徴
    とした請求項1〜50に記載の浴室用鏡。
  52. 【請求項52】 該鏡表面がスパッタリングやイオンプ
    レーティングなどのPVDで緻密な結晶構造になるよう
    に設計制御したことを特徴とする請求項1〜51に記載
    の浴室用鏡の設計方法。
  53. 【請求項53】 該鏡表面がスパッタリングやイオンプ
    レーティングなどのPVDで緻密な結晶構造になるよう
    に設計制御したことを特徴とする請求項1〜51に記載
    の浴室用鏡。
  54. 【請求項54】 該鏡表面がCVDで緻密な結晶構造に
    なるように設計制御したことを特徴とする請求項1〜5
    3に記載の浴室用鏡の設計方法。
  55. 【請求項55】 該鏡表面がCVDで緻密な結晶構造に
    なるように設計制御したことを特徴とする請求項1〜5
    4に記載の浴室用鏡。
  56. 【請求項56】 結晶粒界とクレータ2次元構造の組み
    合わせで構成されるようにしたことを特徴とした請求項
    1〜55に記載の浴室用鏡の設計方法。
  57. 【請求項57】 結晶粒界とクレータ2次元構造の組み
    合わせで構成されるようにしたことを特徴とした請求項
    1〜56に記載の浴室用鏡。
  58. 【請求項58】 Wenzelの式において水の接触角
    が50度以下で略2次元構造であるようにしたことを特
    徴とした浴室用鏡の設計方法。
  59. 【請求項59】 Wenzelの式において水の接触角
    が50度以下で略2次元構造であるようにしたことを特
    徴とした浴室用鏡。
  60. 【請求項60】 圧痕による鉛筆硬度評価において鉛筆
    硬度が略2H以下になるようにしたことを特徴とする請
    求項1〜59に記載の浴室用鏡の設計方法。
  61. 【請求項61】 圧痕による鉛筆硬度評価において鉛筆
    硬度が略2H以下になるようにしたことを特徴とする請
    求項1〜60に記載の浴室用鏡。
  62. 【請求項62】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    鏡において該鏡表面の開孔の面積比が略15〜65%に
    なるようにしたことを特徴とした請求項1〜61に記載
    の浴室用鏡の設計方法。
  63. 【請求項63】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    鏡において該鏡表面の開孔の面積比が略15〜65%に
    なるようにしたことを特徴とした請求項1〜61に記載
    の浴室用鏡。
  64. 【請求項64】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    流滴性防曇鏡において流滴防曇性機能を発揮する層の体
    積割合が略30〜50%であるようにしたことを特徴と
    した請求項1〜63に記載の浴室用鏡の設計方法。
  65. 【請求項65】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    流滴性防曇鏡において流滴防曇性機能を発揮する層の体
    積割合が略30〜50%であるようにしたことを特徴と
    した請求項1〜64に記載の浴室用鏡。
  66. 【請求項66】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    流滴性防曇鏡において鏡表面の開孔の面積比が略15〜
    65%で、かつ流滴親水性機能を発揮する層の体積割合
    が略30〜50%であるようにしたことを特徴とした請
    求項1〜65に記載の浴室用鏡の設計方法。
  67. 【請求項67】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室用
    流滴性防曇鏡において鏡表面の開孔の面積比が略15〜
    65%で、かつ流滴親水性機能を発揮する層の体積割合
    が略30〜50%であるようにしたことを特徴とした請
    求項1〜66に記載の浴室用鏡の設計方法。
  68. 【請求項68】 AFMで測定した凹凸幅、高さをもと
    に、Wenzel式より求めた真の表面積と見かけの表
    面積の比が略1〜2の範囲になるようにしたことを特徴
    とした請求項1〜67に記載の浴室用鏡の設計方法。
  69. 【請求項69】 AFMで測定した凹凸幅、高さをもと
    に、Wenzel式より求めた真の表面積と見かけの表
    面積の比が略1〜2の範囲になるようにしたことを特徴
    とした請求項1〜68に記載の浴室用鏡。
  70. 【請求項70】 異方性凹凸によって親水維持時間が異
    なるように設計、構成したことを特徴とする請求項1〜
    69に記載の浴室用鏡の設計方法。
  71. 【請求項71】 異方性凹凸によって親水維持時間が異
    なるように設計、構成したことを特徴とする請求項1〜
    70に記載の浴室用鏡。
  72. 【請求項72】 鏡と顔の距離が、少なくとも50cm
    以内の範囲で、鏡に映し出された像が、2重像でぼやけ
    て見えにくくなるのを防ぐように設計したことを特徴と
    する請求項1〜71に記載の浴室用鏡の設計方法。
  73. 【請求項73】 鏡と顔の距離が、少なくとも50cm
    以内の範囲で、鏡に映し出された像が、2重像でぼやけ
    て見えにくくなるのを防ぐように設計したことを特徴と
    する請求項1〜72に記載の浴室用鏡。
  74. 【請求項74】 鏡表面の細孔径が10〜2000Å、
    より好ましくは、10〜1000Åをもった無機金属酸
    化物で設計された浴室用流滴性防曇鏡において立面での
    後退角が20度以下になるように設計したことを特徴と
    する請求項1〜73に記載の浴室用鏡の設計方法。
  75. 【請求項75】 鏡表面の細孔径が10〜2000Å、
    より好ましくは、10〜1000Åをもった無機金属酸
    化物で設計された浴室用流滴性防曇鏡において立面での
    接触角が20度以下になるように設計したことを特徴と
    する請求項1〜74に記載の浴室用鏡。
  76. 【請求項76】 浴室固有の汚れが付きにくい、及び/
    またはとれやすいことを特徴とした請求項1〜75に記
    載の浴室用鏡の表面構造及び/または材料特性の設計方
    法。
  77. 【請求項77】 浴室固有の汚れが付きにくい、及び/
    またはとれやすいように表面構造及び/または材料特性
    の設計制御したことを特徴とした請求項1〜76に記載
    の浴室用鏡。
  78. 【請求項78】 良好な流滴性を得るように鏡の表面構
    造と表面電位を制御したことを特徴とする請求項1〜7
    7に記載の浴室用鏡の設計方法。
  79. 【請求項79】 良好な流滴性を得るように鏡の表面構
    造と表面電位を制御したことを特徴とする請求項1〜7
    8に記載の浴室用鏡。
  80. 【請求項80】 鏡表面の表面電位が0よりも負である
    ように設計したことを特徴とする請求項1〜79に記載
    の浴室用鏡の設計方法。
  81. 【請求項81】 鏡表面の表面電位が0よりも負である
    ように設計したことを特徴とする請求項1〜80に記載
    の浴室用鏡。
  82. 【請求項82】 3次元網目構造のような複雑な構造に
    ならないように制御し、しかも表面電位が負であるよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜81に記載の浴室用
    鏡の設計方法。
  83. 【請求項83】 3次元網目構造のような複雑な構造に
    ならないように制御し、しかも表面電位が負であるよう
    にしたことを特徴とする請求項1〜82に記載の浴室用
    鏡。
  84. 【請求項84】 鏡表面の表面電位が略0〜−100mV
    であるようにしたことを特徴とする請求項1〜83に記
    載の浴室用鏡の設計方法。
  85. 【請求項85】 鏡表面の表面電位が略0〜−100mV
    であるようにしたことを特徴とする請求項1〜84に記
    載の浴室用鏡。
  86. 【請求項86】 該鏡表面の表面電位が負で構成された
    無機酸化物よりなる、1種または数種複合化設計したこ
    とを特徴とする請求項1〜85に記載の浴室用鏡の設計
    方法。
  87. 【請求項87】 該鏡表面の表面電位が負で構成された
    無機酸化物よりなる、1種または数種複合化設計したこ
    とを特徴とする請求項1〜86に記載の浴室用鏡。
  88. 【請求項88】 該鏡表面が、シリカ、ジルコニア、酸
    化スズ、チタニア、セリアを主成分とした1種または数
    種複合化設計したことを特徴とする請求項1〜87に記
    載の浴室用鏡の設計方法。
  89. 【請求項89】 該鏡表面が、シリカ、ジルコニア、酸
    化スズ、チタニア、セリアを主成分とした1種または数
    種複合化設計したことを特徴とする請求項1〜88に記
    載の浴室用鏡。
  90. 【請求項90】 出荷時に表面を保護するための保護シ
    ートにおいて、鏡表面とシートを付着させる接着剤をタ
    ックフリーになるように設計あるいは糊なしにしたこと
    を特徴とする請求項1〜89に記載の浴室用鏡及び/ま
    たは保護シート及び/または接着剤の設計方法。
  91. 【請求項91】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートにお
    いて、鏡表面とシートを付着させる接着剤をタックフリ
    ーになるように設計したことを特徴とする請求項1〜9
    0に記載の浴室用鏡及び/または保護シート及び/また
    は接着剤。
  92. 【請求項92】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートにお
    いて、鏡表面とシートを付着させる接着剤が親水性材料
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜91に記
    載の浴室用鏡及び/または保護シート及び/または接着
    剤の設計方法。
  93. 【請求項93】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートにお
    いて、鏡表面とシートを付着させる接着剤が親水性材料
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜92に記
    載の浴室用鏡及び/または保護シート及び/または接着
    剤。
  94. 【請求項94】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートにお
    いて、鏡表面とシートを付着させる接着剤が親水性材料
    でかつ抗菌性能を有する材料を含んだ設計がなされてい
    ることを特徴とする請求項1〜93に記載の浴室用鏡及
    び/または保護シート及び/または接着剤の設計方法。
  95. 【請求項95】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートにお
    いて、鏡表面とシートを付着させる接着剤が親水性材料
    でかつ抗菌性能を有する材料を含んだ設計がなされてい
    ることを特徴とする請求項1〜94に記載の浴室用鏡及
    び/または保護シート及び/または接着剤。
  96. 【請求項96】 鏡表面に水膜を形成することで防曇機
    能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡において、鏡表面に
    形成された水膜が乾燥して水膜切れを起こすことを防ぐ
    ことで流滴防曇性を維持させるようにしたことを特徴と
    する請求項1〜95に記載の浴室用流滴性防曇鏡装置並
    びに制御方法。
  97. 【請求項97】 鏡表面に水膜を形成することで防曇機
    能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡において、鏡表面に
    形成された水膜の表面張力並びに界面張力を低下させ流
    滴性を維持させることを特徴とする請求項1〜96に記
    載の浴室用流滴性防曇鏡装置並びに制御方法。
  98. 【請求項98】 鏡表面よりもわずかに高くなる端面を
    設けたことを特徴とする請求項1〜97に記載の浴室用
    鏡。
  99. 【請求項99】 キズによる鉛筆硬度評価において鉛筆
    硬度がH以上で構成され、鏡表面にシリカを主成分とし
    たことを特徴とする請求項1〜98に記載の浴室用鏡の
    設計方法。
  100. 【請求項100】 キズによる鉛筆硬度評価において鉛
    筆硬度がH以上で構成され、鏡表面にシリカを主成分と
    したことを特徴とする請求項1〜98に記載の浴室用
    鏡。
  101. 【請求項101】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室
    用流滴性防曇鏡において、圧痕による鉛筆硬度評価にお
    いて鉛筆硬度が2H以下で、キズによる鉛筆硬度評価に
    おいて鉛筆硬度がH以上を兼ね備えた設計をしたことを
    特徴とする請求項1〜100に記載の浴室用鏡の設計方
    法。
  102. 【請求項102】 鏡表面がシリカを主成分とした浴室
    用流滴性防曇鏡において、圧痕による鉛筆硬度評価にお
    いて鉛筆硬度が2H以下で、キズによる鉛筆硬度評価に
    おいて鉛筆硬度がH以上を兼ね備えた設計をしたことを
    特徴とする請求項1〜101に記載の浴室用鏡。
  103. 【請求項103】 鏡表面にシリカ成分を含んだ層が形
    成された浴室用流滴性防曇鏡において、少なくとも市販
    の洗剤でおかされないことを特徴とする浴室用鏡の設計
    方法。
  104. 【請求項104】 鏡表面にシリカ成分を含んだ層が形
    成された浴室用流滴性防曇鏡において、少なくとも市販
    の洗剤でおかされないことを特徴とする浴室用鏡。
  105. 【請求項105】 鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、略10〜1000Åをもった無機
    金属酸化物よりなる浴室用流滴性防曇鏡において、表面
    に浴室固有の鏡の耐久性に耐えられる凹凸皮膜を形成し
    たことを特徴とする浴室用鏡の設計方法。
  106. 【請求項106】 鏡表面の細孔径が略10〜2000
    Å、より好ましくは、略10〜1000Åをもった無機
    金属酸化物よりなる浴室用流滴性防曇鏡において、表面
    に浴室固有の鏡の耐久性に耐えられる凹凸皮膜を形成し
    たことを特徴とする浴室用鏡。
  107. 【請求項107】 浴室固有の耐久性条件が、耐温水
    性、耐アルカリ性、耐摺動性を満足することように設計
    されたことを特徴とする浴室用鏡の設計方法。
  108. 【請求項108】 浴室固有の耐久性条件が、耐温水
    性、耐アルカリ性、耐摺動性を満足することように設計
    されたことを特徴とする浴室用鏡。
  109. 【請求項109】 膜厚500nm以下で構成されている
    ことを特徴とする無機金属酸化物からなる請求項1〜1
    08に記載の浴室用鏡の設計方法。
  110. 【請求項110】 膜厚500nm以下で構成されている
    ことを特徴とする無機金属酸化物からなる請求項1〜1
    08に記載の浴室用鏡。
  111. 【請求項111】 より好ましくは膜厚200nm以下で
    構成されていることを特徴とする無機金属酸化物からな
    る請求項1〜110に記載の浴室用鏡並びにその設計方
    法。
  112. 【請求項112】 流滴防曇性機能を有する鏡表面の硬
    さが鉛筆硬度のキズ評価でH以上である材料で構成され
    たことを特徴とする請求項1〜111に記載の浴室用鏡
    並びにその設計方法。
  113. 【請求項113】 浴室での化学的、機械的な耐久性に
    優れた酸化スズを流滴性機能層としたことを特徴とする
    請求項1〜112に記載の浴室用鏡並びにその設計方
    法。
  114. 【請求項114】 浴室での化学的、機械的な耐久性に
    優れた酸化スズを流滴性機能層とし、かつ、その表面構
    造が略2次元構造であるように設計したことを特徴とす
    る請求項1〜113に記載の浴室用鏡並びにその設計方
    法。
  115. 【請求項115】 鏡基材と流滴防曇性層の間に密着性
    及び/または耐久性を良くする層を介在させたことを特
    徴とする請求項1〜114に記載の浴室用鏡並びにその
    設計方法。
  116. 【請求項116】 浴室固有の一般洗剤について耐久性
    をもった材料で無機質シリカ表面に1層以上コートした
    ことを特徴とする請求項1〜115に記載の浴室用鏡並
    びにその設計方法。
  117. 【請求項117】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、略10〜1000Åにおいて化学的要因及び
    /または機械的な要因で鏡表面をわずかに削り取り流滴
    性を回復させるように設計したことを特徴とした請求項
    1〜116に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  118. 【請求項118】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、略10〜1000Åにおいて、アルカリ洗剤
    のように鏡表面を若干溶かす機能をもったもので流滴性
    を回復させる設計をしたことを特徴とした請求項1〜1
    17に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  119. 【請求項119】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、略10〜1000Åにおいて、研磨剤入りの
    洗剤で鏡表面を若干削る機能をもったもので流滴性を回
    復させる洗浄設計をしたことを特徴とした請求項1〜1
    18に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  120. 【請求項120】 細孔径略10〜200Åにおいて家
    庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復さ
    せる洗浄設計をしたことを特徴とした請求項1〜119
    に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  121. 【請求項121】 細孔径略10〜200Åにおいて家
    庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復さ
    せることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において、家
    庭用一般洗剤のpHが中性であることを特徴とする請求
    項1〜120に記載の浴室用鏡並びにその流滴性洗浄回
    復手段。
  122. 【請求項122】 細孔径略10〜200Åにおいて家
    庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復さ
    せることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において家庭
    用一般洗剤のpHがアルカリ性であり、より好ましくは
    弱アルカリ性であることを特徴とする請求項1〜121
    に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復
    手段。
  123. 【請求項123】 細孔径略10〜200Åにおいて家
    庭用一般洗剤で鏡表面を清浄にし流滴性を簡便に回復さ
    せることを特徴とした浴室用流滴性防曇鏡において家庭
    用一般洗剤のpHが酸性であり、より好ましくは弱酸性
    であることを特徴とする請求項1〜122 に記載の浴
    室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  124. 【請求項124】 細孔径略10〜200Åにおいて鏡
    表面よりやわらかい対象物ツメ、プラスチックなどのこ
    すれ傷がつきにくいようにしたことを特徴とした請求項
    1〜123 に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその設
    計方法。
  125. 【請求項125】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、10〜1000Åにおいて浴室汚れ付着物を
    洗剤によって落とすことを義務づけたことを特徴とする
    請求項1〜124に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにそ
    の流滴性洗浄回復手段。
  126. 【請求項126】 アルカリ及び/または界面活性剤及
    び/または次亜塩の入った洗剤で付着物を落とすことを
    義務づけた請求項1〜125に記載の浴室用流滴性防曇
    鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  127. 【請求項127】 アルカリ及び/または界面活性剤及
    び/または次亜塩の入った洗剤をスプレーすることで付
    着物を落とすことを義務づけた請求項1〜126に記載
    の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  128. 【請求項128】 アルカリ及び/または界面活性剤及
    び/または次亜塩の入った洗剤でスポンジこすり洗いす
    ることで付着物を落とすことを義務づけた請求項1〜1
    27に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄
    回復手段。
  129. 【請求項129】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、10〜1000Åで3次元網目構造のような
    複雑な構造を有さないように設計したことを特徴とする
    請求項1〜128に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにそ
    の設計方法。
  130. 【請求項130】 細孔径略10〜2000Å、より好
    ましくは、10〜1000Åにおいて、より好ましく
    は、略2次元構造になるようにしたことを特徴とする請
    求項1〜129に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその
    設計方法。
  131. 【請求項131】 入浴行為のあと鏡表面が乾燥する前
    にシャワーで鏡面に湯水を、より好ましくは湯をかけて
    洗浄することを義務づけたことを特徴とする請求項1〜
    130 に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性
    洗浄回復手段。
  132. 【請求項132】 入浴行為の前に鏡表面にシャワーな
    どで水をかけて、より好ましくは冷水を鏡面にかけて水
    膜を形成させることを義務づけた請求項1〜131に記
    載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手
    段。
  133. 【請求項133】 浴室固有の汚れを除去するために洗
    剤洗浄を義務づけたことを特徴とした請求項1〜132
    に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復
    手段。
  134. 【請求項134】 浴室固有の汚れを除去するために石
    鹸手洗いを義務づけたことを特徴とした請求項1〜13
    3に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回
    復手段。
  135. 【請求項135】 浴室固有の汚れを除去するために中
    性洗剤で定期的にスポンジ洗いを義務づけたことを特徴
    とした請求項1〜134に記載の浴室用流滴性防曇鏡並
    びにその流滴性洗浄回復手段。
  136. 【請求項136】 浴室固有の汚れを除去するために中
    性洗剤で、より好ましくは、キレート剤、金属封鎖剤な
    どが配合された中性洗剤で定期的にスポンジ洗いを義務
    づけたことを特徴とした請求項1〜135に記載の浴室
    用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  137. 【請求項137】 浴室固有の汚れを除去するためにア
    ルカリ洗剤を噴霧して定期的に洗浄することを義務づけ
    たことを特徴とした請求項1〜136に記載の浴室用流
    滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  138. 【請求項138】 浴室固有の汚れを除去するためにア
    ルカリ洗剤を噴霧して定期的に洗浄する際にスポンジな
    どで洗浄することを義務づけたことを特徴とした請求項
    1〜137に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴
    性洗浄回復手段。
  139. 【請求項139】 浴室固有の汚れを除去するためにア
    ルカリ洗剤を噴霧して定期的に洗浄する際に安全のため
    に手袋、メガネをかけること及び換気を積極的に行うこ
    とを義務づけたことを特徴とした請求項1〜138に記
    載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄回復手
    段。
  140. 【請求項140】 浴室固有の汚れを除去するためにセ
    リアなどの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬さ及
    び/または大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的に洗
    浄することを義務づけたことを特徴とした請求項1〜1
    39に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその流滴性洗浄
    回復手段。
  141. 【請求項141】 浴室固有の汚れを除去するためにセ
    リアなどの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬さ及
    び/または大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的に洗
    浄する際にスポンジこすり洗いすることを義務づけたこ
    とを特徴とした請求項1〜140に記載の浴室用鏡並び
    にその流滴性洗浄回復手段。
  142. 【請求項142】 浴室固有の汚れを除去するためにセ
    リアなどの鏡面に目視的にキズとして目立たない硬さ及
    び/または大きさ、粒径をもった研磨材料で定期的に洗
    浄する際に該研磨材料がスポンジ面にあるかじめ備わっ
    ていることを特徴とした請求項1〜141に記載の浴室
    用鏡並びにその流滴性洗浄回復手段。
  143. 【請求項143】 石鹸手洗いのような簡便な洗浄で流
    滴防曇性が繰り返し回復するための鏡表面の表面構造と
    材料特性を設計制御したことを特徴とする請求項1〜1
    42に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  144. 【請求項144】 洗髪用リンスに含まれる成分で鏡面
    をコートし、石鹸の親水部が表面に配向しやすくしたこ
    とを特徴とする請求項1〜143に記載の浴室用鏡並び
    にその設計方法。
  145. 【請求項145】 洗髪用リンスに含まれる成分で鏡面
    をあらかじめコートすることを義務づけたことを特徴と
    する請求項1〜144に記載の浴室用鏡並びにその設計
    方法。
  146. 【請求項146】 出荷前に洗髪用リンスに含まれる成
    分で鏡面をあらかじめコートすることを特徴とする請求
    項1〜145に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  147. 【請求項147】 出荷時に鏡表面に貼る保護シートに
    おいて、鏡表面とシートを付着させる接着剤が洗髪時の
    リンスに含まれる成分を含んでいることを特徴とする請
    求項1〜146に記載の浴室用鏡及び/またはシート及
    び/または接着剤並びにその設計方法。
  148. 【請求項148】 シャワーヘッドで簡単に水がかけら
    れる位置に鏡を配置したことを特徴とする請求項1〜1
    47に記載の浴室用鏡並びにその設計方法。
  149. 【請求項149】 風呂いすや床にすわって、あるいは
    立ってシャワーを浴びて頭を洗う時の鏡との距離が略2
    0cm以上、より好ましくは、略30cm以上、100
    cm以下になるようにシャワーヘッドと鏡の位置を配設
    したことを特徴とする請求項1〜148に記載の浴室用
    鏡並びにその設計方法。
  150. 【請求項150】 浴室の壁面に略平行に取り付けたこ
    とを特徴とする請求項1〜149に記載の浴室用鏡並び
    にその設計方法。
  151. 【請求項151】 鏡表面に水膜を形成することで防曇
    機能を発現させる浴室用流滴性防曇鏡の壁面への取り付
    け方を特徴とする請求項1〜150に記載の浴室用鏡並
    びにその設計方法。
  152. 【請求項152】 流滴性による防曇機能を有した浴室
    用流滴性防曇鏡において自動的に鏡面を自動洗浄するこ
    とを特徴とする請求項1〜151に記載の浴室用鏡装置
    並びに制御方法。
  153. 【請求項153】 鏡の中に通常鏡と親水機能を併せも
    たせたことを特徴とする請求項1〜152に記載の浴室
    用鏡並びにその設計方法。
  154. 【請求項154】 鏡の略上半面を親水にし、汚れがつ
    きやすく、また、汚れがたまりやすい下半面を通常鏡と
    したことを特徴とする請求項1〜153に記載の浴室用
    鏡並びにその設計方法。
  155. 【請求項155】 略中央部を親水機能、周囲を通常鏡
    としてアルカリ性などの洗剤に対する耐久性を向上させ
    た請求項1〜154に記載の浴室用鏡並びにその設計方
    法。
  156. 【請求項156】 簡便に取り外しができる請求項1〜
    155に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその設計方
    法。
  157. 【請求項157】 出荷前に洗髪用リンスに含まれる成
    分で鏡面をあらかじめコートすることを特徴とする請求
    項1〜156に記載の浴室用流滴性防曇鏡並びにその設
    計方法。
  158. 【請求項158】 出荷時に鏡表面に貼るシートにおい
    て、鏡表面とシートを付着させる接着剤が洗髪時のリン
    スに含まれる成分を含んでいることを特徴とする請求項
    1〜157に記載の浴室用鏡及び/またはシート及び/
    または接着剤並びにその設計方法。
  159. 【請求項159】 鏡表面に水膜を形成し、曇りの原因
    となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機能を
    発現する鏡において、透明な基材の一方の面に流滴性防
    曇機能層を形成し、他方の面に反射コートを施したこと
    を特徴とする請求項1〜158に記載の浴室用流滴性防
    曇鏡。
  160. 【請求項160】 鏡表面に水膜を形成し、曇りの原因
    となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機能を
    発現する鏡において、基材の一方の面に反射コートを施
    し、その上に流滴性防曇機能層を形成したことを特徴と
    する請求項1〜159に記載の浴室用流滴性防曇鏡。
  161. 【請求項161】 鏡表面に水膜を形成し、曇りの原因
    となる微小な結露水を水膜に吸収することで防曇機能を
    発現する鏡において、浴室固有の課題に対して実用に供
    し得るように設計制御した請求項1〜160に記載の浴
    室用鏡を備えた浴室。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2008106554A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Matsushita Denko Bath & Life Kk 床パン

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