JP5359529B2 - 撥水性物品の製造方法及び撥水性物品 - Google Patents
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Description
本発明に係る重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液の撥水性化合物は、重量平均分子量が1000以上であることが特徴である。重量平均分子量が1000以上の撥水性化合物を基材上に設けた撥水性物品は、重量平均分子量1000未満の撥水性化合物と比べ耐候性に優れる。重量平均分子量が1000以上の撥水性化合物の重量平均分子量は、1000〜200000が好ましく、1000〜20000がより好ましい。また、分子内に1〜50個の加水分解性反応基を有するものが好ましく、特に基材がガラス基材の場合は、加水分解性反応基は反応性シリル基がもっとも好ましい。重量平均分子量Mwは、例えば標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜1000000迄の13サンプルによる校正曲線を使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
反応性シリル基を有する含フッ素ポリマーは、例えば、ヒドロキシ基を有する含フッ素ポリマーにシラン変性剤を反応させて反応性シリル基を導入することによって得られる。ヒドロキシ基を有する含フッ素ポリマーは、フルオロオレフィンとヒドロキシアルキルビニルエーテルまたはアリルアルコール等のヒドロキシ基含有モノマーとをモノマー主成分として共重合させることによって得られるが、この場合、これらの成分に加えてアルキルビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、イソプロペニルエーテル等のその他のモノマー成分を配合したものを共重合させて得られたものであっても差支えない。
(ただし、式中Rは水素または炭素数1〜10の一価炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。)
これらのうちでγ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好適に用いられる。
環状型含フッ素ポリマーとしては、サイトップ(旭硝子社)のような含フッ素ポリマーが挙げられる。サイトップのMグレードは反応性シリル基を有するが、Aグレードは反応性シリル基を有せず、別途シランカップリング剤と併用するか、基材と記コーティング材料を有する層との間にシランカップリング剤を有する下地層を形成しておくことで同様の効果が得られる。
パーフルオロポリエーテル骨格を有するシラン化合物としては、オプツール(ダイキン工業社)のような含フッ素ポリマーが挙げられる。
ポリジメチルシロキサン骨格化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に係る反応性シリル基を有する撥水性化合物は、重量平均分子量が1000未満であることが特徴である(以下、低分子系撥水性化合物ともいう)。この低分子系撥水性化合物は、低分子量のため立体障害が少なく、前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物が結合していない基材表面を被覆することができ、基材表面の撥水性を有する化合物(前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物及び低分子系撥水性化合物)の被覆率が向上し、耐候性および撥水性が向上するものと推定している。
含フッ素シランカップリング剤としては、ポリフルオロアルキル基及び反応性シリル基を有する化合物が好適に採用される。ポリフルオロアルキル基としては、パーフルオロアルキルエチル基が好ましく、反応性シリル基としては、アルコキシ基、クロル基、イソシアネート基、カルボキシル基、水酸基及びエポキシ基から選ばれる反応性シリル基が好ましい。中でもアルコキシ基が好ましい。
反応性シリル基を有するシラン化合物としては、分子内に反応性シリル基を有し分子量が1000未満であれば、特に限定されない。反応性シリル基としては、アルコキシ基、クロル基、イソシアネート基、カルボキシル基、水酸基及びエポキシ基から選ばれる反応性シリル基が好ましい。中でもアルコキシ基が反応性、安全性、汎用性の観点からより好ましい。
ポリジメチルシロキサン骨格化合物としては、前記一般式(1)で表される化合物を挙げることができるが、重合度nは1〜11の整数を表す。
本発明に係る前記含フッ素ポリマー含有塗布液または撥水性化合物含有塗布液は、上記含フッ素ポリマー及び撥水性化合物の他に4官能型シランカップリング剤を含有することが好ましい。4官能基シランカップリング剤の添加により、耐摩耗性が向上する。
本発明では、前記基材と前記コーティング材料を有する層との間に下地層を有することが好ましく、下地層は酸化珪素を含有することが好ましい。また下地層の酸化珪素中には炭素が含有されている事が好ましく、炭素含有により、後からコーティングされる撥水性化合物との結合を促進する効果があり、その結果撥水層が高密度で形成され、耐候性や耐摩耗性が向上する為と推察している。下地層の炭素含有率(炭素原子数濃度)は、濡れ性、撥水剤との反応性等を考慮し、1.0炭素原子数濃度%から20.0炭素数濃度%であることが好ましい。本発明で言う炭素含有率を示す炭素原子数濃度とは、下記のXPS法によって算出されるもので、以下に定義される。
XPS表面分析装置は、本発明では、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。具体的には、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定した時、1.5eV〜1.7eVとなる様に設定した。
次いで、大気圧プラズマ法(大気圧プラズマCVD法)について、さらに詳細に説明する。
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。
1:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックス及びアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項及び5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明の撥水性物品に適用可能な基材としては、透明性に優れた基材であることが好ましく、透明ガラス基材等の無機質の透明基材やプラスチック基材等の有機質の透明樹脂基材が挙げられる。
本発明の撥水性物品を作製する方法の一例を以下に示すが、本発明においては、ここで例示する作製方法に限定されるものではない。
基材、特にガラス基材表面に付着した異物、塵等を取り除くため、コーティング材料を有する層を設ける前に、基材表面をプラズマ洗浄法、湿式洗浄法等により洗浄処理を施す。
基材に対するコーティング材料を有する層の形成安定性を高める目的で、基材表面にコロナ放電、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、プラズマ処理、レーザー処理、オゾン酸化処理等の表面処理や、シランカップリング剤等の塗布を行う。この工程2は、工程1と兼ねて行われる場合や、工程1だけで工程2は省略することができる。
基材上に、コーティング材料を有する層を設ける前にセラミック膜である下地層を、ウェット塗布方式、大気圧プラズマ法により形成する。この工程3は、必要に応じて行われる。
基材上に、あるいは下地層上に、本発明に係る重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液を塗布し、コーティング材料を有する層の一部を形成する。
重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物が基材に固定化された後、基材に固定化されていない余分な重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物を、重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物の良溶媒等でリンス(洗浄)し、その後、重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液を塗布することがさらに好ましい。これは、余分な重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物が重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する撥水性化合物の基材固定化への阻害を排除するためである。この工程5は、必要に応じて行われる。
上記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液を塗布した上に、さらに、重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液を塗布し、コーティング材料を有する層を形成する。
コーティング材料を有する層を形成した後、後処理として、熱焼成、プラズマ溶着、フレーム溶着、紫外線照射、電子線照射等を施して、コーティング材料を有する層を構成する材料間の接着強度を高める。この工程7は、必要に応じて行われる。
側鎖にヒドロキシ基を有する含フッ素ポリマーとしてのルミフロンLF−200(旭硝子社製)100gをキシレン400gで希釈し、シラン変成剤としてのKBE−9007(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業社製)15gとジブチルチンジラウレート0.017gを加えて室温・窒素雰囲気下で2時間撹拌してトリエトキシシラン(反応性シリル基)を有する含フッ素ポリマー(重量平均分子量7000、溶液)を得た。得られた含フッ素ポリマーの固形分濃度が1%となるようにキシレンで希釈し、高分子撥水剤−1とした。
オプツールAES−6(ダイキン工業社製)(重量平均分子量6000、溶液)の1gをノベックHFE7100 100gで希釈して固形分濃度を0.2%に調整し、高分子撥水剤−2とした。
ポリジメチルシロキサン骨格化合物X−24−9011(信越化学工業社製)を、固形分濃度が1%となるように酢酸エチルで希釈し、高分子撥水剤−3(重量平均分子量1500、溶液)とした。
含フッ素シランカップリング剤(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3、分子量568)を、固形分濃度が0.2%となるようにIPAで希釈して低分子撥水剤−1とした。
アルキルシランカップリング剤(CH3(CH2)9Si(OCH3)3、分子量262)を、固形分濃度が0.2%となるようにキシレンで希釈し、低分子撥水剤−2とした。
ガラス基材として市販の3mm厚みソーダライムガラス(オプトン社製)を中性洗剤、水、アルコールで順次洗浄し乾燥した後、アセトンで払拭した。その上に、高分子撥水剤−1を、ディップ塗布法で塗布、乾燥し、150℃で30分間硬化処理を行って乾燥膜厚が20nmのコーティング材料層を有する撥水性物品1を作製した。
撥水性物品1の作製において、高分子撥水剤−1を表1に示す撥水剤に変えた以外は同様にしてそれぞれ撥水性物品2〜5を作製した。
ガラス基材として市販の3mm厚みソーダライムガラス(オプトン社製)を中性洗剤、水、アルコールで順次洗浄し乾燥した後、アセトンで払拭した。その上に、高分子撥水剤−1を、ディップ塗布法で塗布、乾燥した。その上に高分子撥水剤−3をディップ塗布法で塗布、乾燥して、150℃で30分間硬化処理を行って乾燥膜厚が40nmのコーティング材料層を有する撥水性物品6を作製した。
撥水性物品6の作製において、塗布1回目の撥水剤と塗布2回目の撥水剤を表1記載の化合物に代えて、他は同様にしてそれぞれ撥水性物品7〜11を作製した。
ガラス基材として市販の3mm厚みソーダライムガラス(オプトン社製)を中性洗剤、水、アルコールで順次洗浄し乾燥した後、アセトンで払拭した。その上に、高分子撥水剤−2を、ディップ塗布法で塗布、乾燥し、150℃で30分間硬化処理を行った後、表面を含フッ素ポリマー1の良溶媒であるキシレンでリンス(洗浄)し、その上に低分子撥水剤−1をディップ塗布法で塗布、乾燥して、乾燥膜厚が40nmのコーティング材料層を有する撥水性物品12を作製した。
〈下地層の形成〉
ガラス基材として市販の3mm厚みソーダライムガラス(オプトン社製)を中性洗剤、水、アルコールで順次洗浄し乾燥した後、アセトンで払拭した後、図1記載の大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記放電条件で厚さ45nmの下地層を形成した。
放電ガス:窒素ガス 94.9体積%
薄膜形成性ガス:テトラエトキシシラン(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:水素ガス 5.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm2
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 8W/cm2
上記形成した第1層の炭素原子数濃度は、VGサイエンティフィックス社製のESCALAB−200Rを用いたXPS法で測定した結果、12原子数%であった。
撥水性物品13の作製において、添加ガスの条件を水素ガスから酸素ガスに変更して行った事以外は同様にして下地層を形成した。その際の下地層の炭素原子数濃度は、検出限界未満(0.1%未満)であった。
上記下地層の上に、撥水性物品12の作製と同様にして、高分子撥水剤−2及び低分子撥水剤−1を含むコーティング材料層を形成して、撥水性物品13および14を作製した。
〔評価1:作製直後の撥水性物品の評価〕
(撥水性の評価:静的接触角の測定)
上記作製した各撥水性物品について、検液として水を用いた静的接触角を、接触角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)により、3μlの質量の水滴による静的接触角を測定し、下記の基準に従って撥水性の評価を行った。この静的接触角の値が大きいほど、静的な撥水性が優れていることを表している。
○:静的接触角が90°以上、100°未満
△:静的接触角が85°以上、90°未満
×:静的接触角が85°未満
(滑水性の評価:臨界滑落角の測定)
上記作製した各撥水性物品について、接触角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)を用いて、50μlの水滴を滴下した後、撥水性物品を保持しているステージの角度0°(水平)から90°(直角)方向に徐々に傾斜させ、水滴が撥水性物品表面を滑りはじめる角度を求め、これを臨界滑落角とし、下記の基準に従って滑水性(水滴滑落性)の評価を行った。臨界滑落角が小さい程、動的な撥水性が優れており、例えば、走行中の自動車のフロントガラス窓に付着した雨滴が飛散しやすくなって、運転者の視界が妨げられないことを表している。
○:臨界滑落角が10°以上、20°未満
△:臨界滑落角が20°以上、30°未満
×:臨界滑落角が30°以上
〔評価2:耐候性の評価〕
(耐候性試験)
耐候性試験として、耐紫外線試験機(アイスーパーUVテスター W−13、岩崎電気製)を用いて、各撥水性物品の撥水性層を有する面側に、波長340nm、強度0.6W/cm2の紫外線を、ブラックパネル温度48±2℃の条件で、照射20時間、暗黒4時間のサイクルで、1時間毎に30秒間イオン交換水シャワーリングをする条件で、合計400時間の紫外線照射を行った。上記紫外線照射後の水滴による静的接触角を測定し、耐候性評価とした。
○:静的接触角が80°以上、90°未満
△:静的接触角が70°以上、80°未満
×:静的接触角が70°未満
(各特性値の測定)
上記耐候性試験を行った各撥水性物品について、評価1と同様の方法で、撥水性(静的接触角)の測定を行った。
(耐摩耗試験)
耐摩耗性試験として、往復摩耗試験機(HEIDON−14DR)にネル布を取り付けて、荷重1kg/cm2の条件で各撥水性物品の撥水性層表面を100mm/secで10000回往復摺動させた。
上記耐摩耗試験を行った各撥水性物品について、評価1と同様の方法で、撥水性(静的接触角)の測定を行い、耐摩耗性の目安とした。
11 第1電極
12 第2電極
21 第1電源
22 第2電源
30 プラズマ放電処理室
35 ロール回転電極(第1電極)
36 角筒型固定電極群(第2電極)
41、42 電源
51 ガス供給装置
F 元巻き基材
Claims (6)
- 基材上に撥水層を有する撥水性物品の製造方法において、
該撥水層を、重量平均分子量が1000以上の、反応性シリル基を有する、含フッ素ポリマー、パーフルオロポリエーテル骨格を有するシラン化合物及びポリジメチルシロキサン骨格化合物から選ばれる撥水性化合物含有塗布液と、重量平均分子量が1000未満の、反応性シリル基を有する、含フッ素シランカップリング剤、シラン化合物及びポリジメチルシロキサン骨格化合物から選ばれる撥水性化合物含有塗布液とを、この順に該基材上に塗布して形成する事を特徴とする撥水性物品の製造方法であって、
前記撥水層と基材との間に、珪素酸化物を主成分とし、層内に炭素成分を含有する下地層を有し、
前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液が塗布された後、塗膜表面を洗浄し、その後前記重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する撥水性化合物含有塗布液を塗布して、撥水層を形成する事を特徴とする撥水性物品の製造方法。 - 前記下地層の炭素含有率(炭素原子数濃度)が、1.0〜20.0炭素数濃度%であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性物品の製造方法。
- 前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物がパーフルオロポリエーテル骨格を有するシラン化合物であり、前記重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する撥水性化合物が含フッ素シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撥水性物品の製造方法。
- 前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有する撥水性化合物の重量平均分子量が、1000〜20000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水性物品の製造方法。
- 基材上に撥水層を有する撥水性物品であって、
該撥水層は、重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有するパーフルオロポリエーテル骨格を有するシラン化合物からなる撥水性化合物と、重量平均分子量が1000未満の反応性シリル基を有する含フッ素シランカップリング剤からなる撥水性化合物とを有し、
前記撥水層と基材との間に、珪素酸化物を主成分とし、層内に炭素成分を炭素含有率(炭素原子数濃度)で1.0〜20.0炭素数濃度%含有する下地層を有する事を特徴とする撥水性物品。 - 前記重量平均分子量が1000以上の反応性シリル基を有するパーフルオロポリエーテル骨格を有するシラン化合物からなる撥水性化合物の重量平均分子量が、1000〜20000であることを特徴とする請求項5項に記載の撥水性物品。
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