JP2001043425A - 硬貨保留機構及び硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨保留機構及び硬貨処理装置

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JP2001043425A
JP2001043425A JP11214724A JP21472499A JP2001043425A JP 2001043425 A JP2001043425 A JP 2001043425A JP 11214724 A JP11214724 A JP 11214724A JP 21472499 A JP21472499 A JP 21472499A JP 2001043425 A JP2001043425 A JP 2001043425A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貨幣処理等のトラブルが発生していないこと
が確認できから釣銭硬貨を利用者に出金することができ
る硬貨処理装置の提供を目的とする。 【解決手段】硬貨を搬送するよう構成された搬送機構
と、搬送機構内の両端部にそれぞれ配置され、硬貨を通
過させる開状態と、または硬貨を通過させない閉状態と
のいずれか一方の状態になるよう構成された二つのシャ
ッタと、二つシャッタのどちらか一方のみを開状態にす
るよう構成された開閉機構と、搬送機構を駆動し、搬送
機構が硬貨を開状態のシャッタを通過させて搬送するよ
う構成された駆動機構とを備えたことを特徴とする硬貨
保留機構を備えた硬貨処理装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬貨を保留する硬
貨保留機構、該硬貨保留機構を備えた硬貨処理装置に関
し、特に硬貨を一時的に保留する硬貨保留機構、販売機
や金融機器に使用され、入出金処理を行う硬貨処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の硬貨処理装置は、出金硬貨を入金
処理部の収納部から出金シュートに放出し、出金硬貨
は、この出金シュートに案内されて重力、放出力によっ
て移動し、搬送ベルト上に到達していた。搬送ベルト
は、駆動モータによって駆動される構造になっているが
この状態では停止している。
【0003】この従来の硬貨処理装置では、搬送ベルト
の放出口側の終端部に取り付けられ、ソレノイドにより
開閉されるシャッタを有していた。このシャッタは、閉
状態になっており、出金硬貨が、放出口から装置外部の
受皿に放出されることを防止している。出金硬貨が全て
出金シュートから搬送ベルト上に放出され、硬貨処理装
置が正常に作動したことを確認してから、ソレノイドを
作動させてシャッタを開状態にし、搬送ベルトを駆動
し、出金硬貨を放出口から装置外部に取り付けられた受
皿に放出し、釣銭として利用者に返却していた。
【0004】硬貨処理装置にトラブルが発生したときに
は、出金硬貨の出金を即座に停止し、駆動モータを逆転
して搬送ベルトを逆方向に駆動し、搬送ベルト上の出金
硬貨を、放出口とは反対の方向に逆搬送し、オーバーフ
ロー金庫に送りこんでいた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の硬
貨処理装置では、搬送ベルト上に放出した出金硬貨は、
搬送ベルトに接触した時点では勢いを有しており、この
勢いにより搬送ベルト上を転がりオーバーフロー金庫に
落ち込むのを防ぐため、搬送ベルトの長さを長くしなけ
ればならず、大型化が避けられなかった。
【0006】また、装置を小型化しようとすると、搬送
ベルトの長さを短くしなければならず、搬送ベルト上に
放出した出金硬貨が、搬送ベルト上を転がってオーバー
フロー金庫に落ちる可能性があり、出金すべき硬貨を確
実に出金できない場合がある。
【0007】そこで本発明は、出金硬貨を確実に搬送ベ
ルト上に保留して出金することができ、さらに小型化さ
れた硬貨処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による硬貨保留機構は、図1に
示すように、硬貨を搬送するよう構成された搬送機構1
1と;搬送機構11内の両端部にそれぞれ配置され、前
記硬貨を通過させる開状態と、または前記硬貨を通過さ
せない閉状態とのいずれか一方の状態になるよう構成さ
れた二つのシャッタ46、47と;二つシャッタ46、
47のどちらか一方のみを開状態にするよう構成された
開閉機構12と;搬送機構11を駆動し、搬送機構11
が前記硬貨を前記開状態のシャッタ46、47を通過さ
せて搬送するよう構成された駆動機構14とを備えたこ
とを特徴とする。
【0009】このように構成すると、搬送機構内の両端
部にシャッタを備えるので、搬送機構内に放出された硬
貨を閉状態の二つのシャッタによって移動を拘束し、確
実に保留することができ、搬送機構の長さを短くするこ
とができる。よって、硬貨保留機構を小型化することが
できる。
【0010】さらに、搬送が必要な時点、例えば硬貨処
理及び紙幣処理がある場合は紙幣処理を含んだ全体的な
貨幣処理の状況が分かった時点で、状況に応じ必要など
ちらか一方のシャッタを開状態にし、出金硬貨の搬送を
行うことができる。よって、例えば処理に問題がないこ
とが確認できたあとに出金硬貨を一方向に搬送して出金
し、処理に関するトラブルが発生したときには出金せず
他方向に搬送して出金硬貨を保留することができる。よ
って、出金が不要なとき、例えば処理に関するトラブル
が発生したときに、硬貨を出金する事態が起こることを
防ぐことができる。
【0011】請求項2に係る発明による硬貨保留機構
は、請求項1に記載の硬貨保留機構において、前記駆動
機構は、前記開閉機構をも駆動することを特徴とする。
【0012】駆動機構が開閉機構を駆動するので、開閉
機構が二つのシャッタのどちらか一方のみを開状態に
し、さらに駆動機構が搬送機構をも駆動するので、搬送
機構は硬貨を開状態のシャッタを通過させて搬送するこ
とができる。さらに他方のシャッタは、開閉機構が駆動
されても閉状態を維持し、搬送機構が閉状態のシャッタ
を通過する方向に硬貨を搬送しないようにすることがで
きる。また駆動機構が、搬送機構に加えて開閉機構をも
駆動するので、搬送機構用と、開閉機構用の駆動機構を
別々とする場合に比べて、硬貨保留機構をさらに小型化
することができる。
【0013】請求項3に係る発明による硬貨処理装置
は、硬貨を投入する硬貨投入口と;請求項1または請求
項2に記載の硬貨保留機構と;出金硬貨を出金するよう
構成された硬貨出金口と;出金硬貨を保留するよう構成
された保留金庫部と;投入された前記硬貨を収納し、出
金硬貨を前記搬送機構に放出するよう構成された収納部
と;前記駆動機構を駆動させる制御信号を前記駆動機構
に送るよう構成された制御手段とを備え;前記硬貨保留
機構は、前記放出された出金硬貨を一時的に保留し、前
記二つのシャッタの一方を通過させて前記硬貨出金口に
搬送するか、または前記二つのシャッタの他方を通過さ
せて前記保留金庫部に搬送するよう構成されていること
を特徴とする。
【0014】本発明の硬貨処理装置は、本発明の硬貨保
留機構を備えており、硬貨保留機構が小型化できるた
め、硬貨処理装置をも小型化することができる。さら
に、例えば硬貨処理及び紙幣処理がある場合は紙幣処理
を含んだ全体的な貨幣処理に問題がないことが分かって
から、硬貨を出金することができ、確実な硬貨処理をす
ることができる。また、例えば貨幣処理に問題があると
き、すなわち硬貨の出金が不要のときに出金する事態を
防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複
した説明は省略する。
【0016】図1は、本発明の実施の形態の硬貨保留機
構10の構成を示す正面断面図、図2は図1の左側面
図、図3は図1の右側面図である。以下図1〜図3を参
照して説明する。
【0017】硬貨保留機構10は搬送機構11を備え、
搬送機構11は搬送面21が水平に配置された搬送ベル
ト22を有し、原動軸23に取り付けられた原動プーリ
24と、従動軸25に取り付けられた従動プーリ26に
張架されている。搬送ベルト22の搬送面21(前二者
図1に二点鎖線で表示)は硬貨を確実に搬送するため多
数の小さな突起(不図示)を有する。原動軸23と従動
軸25は互いに平行であって同じレベルに配置されてい
る。原動プーリ24と従動プーリ26は、ほぼ同一の径
を有する。
【0018】硬貨保留機構10は、また互いに平行に配
置され、原動軸23と従動軸25が直角に取り付けられ
た一対の板金製の側壁13A、B(図6参照)を備え
る。硬貨保留機構10は、さらに駆動機構としての駆動
手段14を有する。駆動手段14は駆動機としての駆動
モータ31と、その出力軸32に取り付けられた第1の
ギヤ33と、側壁13Bから外面側に突出した原動軸2
3の突出部に取り付けられた第2のギヤ34と、第1の
ギヤ33と第2のギヤ34の両方に係合する第3のギヤ
35を含んで構成される。第3のギヤ35は、第1及び
第2のギヤ33、34と同様に側壁13Bの外面側に配
置されている。
【0019】さらに第3のギヤ35と側壁13Bの外側
面との間に、第3のギヤ35と同軸の、第4のギヤ36
が配置されている。第3のギヤ35と第4のギヤ36が
取り付けられたギヤ軸37は側壁13Bの外面側に片持
ちに取り付けられている。なお、駆動モータ31は図1
中、時計方向、反時計方向どちら方向にも回転可能であ
る。
【0020】硬貨保留機構10は、また開閉機構として
のシャッタ開閉機構12を備える。シャッタ開閉機構1
2は、第4のギヤ36に係合する第5のギヤ38と、第
5のギヤ38と同軸であり第5のギヤ38の側壁13B
側とは反対側の側面に接触して配置された略円板形のカ
ム41と、カム41の外周側部41Aに互いに180度
離れて加工された一対の凹部42、43にそれぞれ係合
する一対のレバー44、45とを備える。
【0021】さらに、シャッタ開閉機構12は、搬送ベ
ルト22の搬送面21の一端部に配置され、レバー44
によって開閉される板金製の第1のシャッタとしてのシ
ャッタ46と、他端部に配置され、レバー45によって
開閉される板金製の第2のシャッタとしてのシャッタ4
7とを有する。ここで端部とは、端部近傍を含む概念で
ある。
【0022】図4に、カム41が基準位置にある場合
の、カム41、レバー44、45、シャッタ46、47
等の配置を示す。カム41の凹部42、43が、搬送ベ
ルト22の搬送面21から等しいレベルにある。このと
き、レバー44が凹部42に、レバー45が凹部43に
係合し、略一直線上にある。
【0023】側壁13A、B(図6参照)を貫通しその
両外側面から張り出した軸48、49(図6参照)が側
壁13A、Bに取り付けられている。軸48、49の側
壁13Bから張り出した部分に、レバー44、45が回
転可能に取り付けられている。また、レバー44、45
は、レバー凸部50、51と、レバー凸部50、51の
反対側にあるレバー端部52、53とを有する。レバー
凸部50、51は、前述のようにカム41が基準位置に
ある場合、それぞれカム41の凹部42、43に係合し
ている。レバー凸部が凹部に係合しているときは、係合
がまさにはずれるとき、及びまさに係合するとき以外
は、レバー凸部は凹部に接触せず、レバー凸部は凹部の
凹んだ部分の中にある。カム41の回転軸は、軸48、
49に平行で、軸48、49の中間に位置する。レバー
凸部50、51は、軸48、49に挟まれた領域の外側
に位置している。
【0024】次に、図5にシャッタ46の構造を分解図
で示す。シャッタ47(図4参照)はシャッタ46と鏡
対称になっているので構造の説明を省略する。シャッタ
46は軸48(図中一点鎖線にて示す。)に取り付けら
れている。具体的に説明すると、シャッタ46は、シャ
ッタ取付板65と、シャッタ取付板65に取り付けられ
たシャッタ本体67とを有する。これらは実際には図示
しないビスにより一体に構成されている。シャッタ本体
67には、開閉接触部69、測定板71、及び手動開閉
ノブ76が形成されている。
【0025】軸48の側壁13A、B(図中二点鎖線に
て部分的に示す。)に挟まれた部分に、シャッタ取付板
65が取り付けられ、シャッタ本体67が図示の位置か
ら方向X1(軸48を中心に回転し搬送ベルト22(図
1参照)に当接するシャッタ本体67の部分が搬送ベル
ト22から離れる方向)に回転可能に取り付けられてい
る。したがって、シャッタ本体67は図中に示されてい
る姿勢(閉状態)からさらに方向X1の反対方向に回転
することはない。シャッタ取付板65は、側壁13A、
Bの両端部近傍に配置されており、閉状態のシャッタ本
体67は側壁13A、Bに端面に接触し、開状態のシャ
ッタ本体67は側壁13A、Bの端面から離れる。
【0026】シャッタ本体67には、その上部に測定板
71が形成され、測定板71は側壁13Bの外面側から
離れた位置に、測定板71が閉状態のシャッタ本体67
から方向X1に、約90度の角度だけ開いて形成されて
いる。この測定板71が近づいたこと(シャッタ46が
閉状態にあること)を測定するセンサ58(図4参照)
が側壁13Bの外面側に、閉状態にあるシャッタ本体6
7の測定板71に対して約45度傾いて配置されて取り
付けられている。測定板71は、シャッタが閉状態にあ
る時に、センサ58の逆コ型形状の凹み部分に挟まれて
検出されるように配置されている(図2参照)。
【0027】シャッタ本体67の上部の、左側側面から
みて側壁13A、Bに挟まれる領域及び側壁13Bの外
面側に延長された領域に、上部板73が形成され、上部
板73は、閉状態のシャッタ本体67から方向X1に、
約135度の角度だけ開いて形成されている。側壁13
Bの外面側に延長された領域の端部近傍に孔75を有す
る。
【0028】シャッタ本体67の、シャッタ取付板65
が取り付けられた面と同じ側の面であって、測定板71
が取付いている側面と同じ側の側面に、開閉接触部69
がシャッタ本体67の延長部として同一平面内に形成さ
れ、シャッタ本体67が閉状態にあるときこの開閉接触
部69にレバー端部52が面接触し、開閉接触部69を
押し上げるとシャッタ本体67が同時に押し上げられ、
開状態になる。
【0029】手動開閉ノブ76が、シャッタ本体67の
上部であって測定板71とは反対側の位置に、すなわち
側壁13Aの外面側に形成され、シャッタ46を手動で
開閉する場合に利用される。
【0030】ここで再び図4を参照して、レバー44、
45に関連した作用を述べる。前述のように開閉接触部
69、70(図6参照)はシャッタ46、47が閉状態
にあるとき、レバー44、45のレバー端部52、53
に接触している。上部板73、74の孔(上部板73の
孔75は、図5参照)、及び側壁13B(図6参照)の
外面側に固定されたピン(不図示)とに接続されたバネ
(引張りバネ)62、63(図中二点鎖線にて表示)が
取り付けられ、シャッタ46、47を閉状態になる方向
(方向X1、X2とは反対の方向)に軸48、49を中
心に回転するよう付勢している。
【0031】カム41がとちらかの方向に回転すると、
レバー44、45が水平状態から傾き、レバー凸部5
0、51のどちらか一方が水平状態より下側の位置に来
て、他方が水平状態より上側の位置に来る状態になる。
このときレバー凸部50、51と凹部42、43との係
合が外れ、レバー凸部50、51がカム41の外周側部
41Aに接触している状態になる。そして、レバー凸部
50、51が水平状態より下側の位置にきたレバー4
4、45のレバー端部52、53は、開閉接触部69、
70に当接して開閉接触部69、70を押し上げ、シャ
ッタ46、47を開状態にする。レバー凸部50、51
が水平状態より上側に来たレバー44、45のレバー端
部52、53は、開閉接触部69、70から離れ、シャ
ッタ46、47の閉状態が保たれる。
【0032】レバー凸部50、51が水平状態より下側
を向いた状態から、凹部42、43に係合した状態(レ
バー44、45が水平な状態)になると、シャッタ4
6、47はバネ62、63の付勢力により開状態から閉
状態に変わる。一方レバー凸部50、51が水平状態よ
り上側を向いた状態から、凹部42、43に係合した状
態(レバー44、45が水平な状態)になっても、シャ
ッタ46、47は閉状態を維持する。
【0033】シャッタ46、47が、閉状態から開状態
になると、測定板71、72はセンサ58、59(二点
鎖線にて表示)から離れ、センサ58、59に検出され
た状態から、検出されない状態に移行する。
【0034】前述のように本実施の形態の硬貨保留機構
10はカム41機構を使用して、搬送ベルト22を駆動
する駆動モータ31の駆動力をシャッタ46、47の開
閉のための駆動力として利用することができ、二つのソ
レノイドを使用してそれぞれシャッタを開閉する場合に
比べて、硬貨保留機構10をより小型化することができ
る。
【0035】なお、図1〜図3に示すように、従動軸2
5の側壁13A(図6参照)から外面側に突出した突出
部には第6のギヤ39が形成されており、この第6のギ
ヤ39のギヤ部を検出することにより第6のギヤ39の
回転数を測定するセンサ64が取り付けられている。セ
ンサ64は、側壁13Aの外面側に取り付けられてい
る。
【0036】次に、図8を参照して本発明の硬貨保留機
構10を備えた硬貨処理装置1の構成を説明する。
【0037】硬貨処理装置1は、利用者が硬貨を投入す
る硬貨投入口81と、出金硬貨を利用者に出金する硬貨
出金口90と放出された硬貨を受ける受皿82を備え
る。さらに硬貨処理装置1は、投入された硬貨が入金ガ
イド83を通って送られ、送られた硬貨の真偽と種類を
識別する識別部3と、識別された硬貨を種類別に分ける
振分部4と、振り分けられた硬貨を収納し、収納した硬
貨を出金硬貨として放出する収納部5とを有する入金処
理部2を備える。否硬貨(真正でない硬貨、変形した硬
貨)は識別部3から返却シュート84、硬貨出金口90
を通って受皿82に直接返却される。
【0038】硬貨処理装置1は、また収納部5からの出
金硬貨が第1の出金シュート85を通って放出され一時
保留される硬貨保留機構10と、収納部5に収納されて
おらず出金できない出金硬貨を第2の出金シュート86
を通って硬貨保留機構10に放出する出金部7と、収納
部5に収納しきれない投入硬貨が循環硬貨として収納部
5から入金オーバーフローシュート87を通して放出さ
れる保留金庫部としてのオーバーフロー金庫9と、硬貨
処理装置1を制御する制御手段8とを備える。
【0039】硬貨保留機構10は、硬貨処理装置1と平
行して、同じ利用者によって別途投入された紙幣を処理
する紙幣処理装置(不図示)の紙幣処理との整合性を図
って、出金硬貨を搬送し、出金ガイド88から硬貨出金
口90を経て受皿82に放出する。また、硬貨処理装置
1と紙幣処理装置を含んだシステム全体にトラブルが発
生したときには出金硬貨を搬送し、硬貨処理装置1内
に、具体的にはオーバーフロー金庫9内にオーバーフロ
ー通路89を通して収納する。
【0040】次に、図1及び図8を参照し、硬貨保留機
構10を備えた硬貨処理装置1の作用について説明す
る。ここでは、硬貨処理装置1は紙幣処理装置(不図
示)と共にシステム(不図示)を構成しているものとす
る。
【0041】まず、通常時の場合について説明する。利
用者によって硬貨投入口81から硬貨処理装置1に硬貨
が投入される。硬貨は識別部3に導かれ、硬貨の真偽、
硬貨の種類が識別される。硬貨はさらに振分部4におい
て種類ごとに振り分けられて、収納部5に収納される。
収納部5に収納しきれない硬貨は入金オーバーフローシ
ュート87を通ってオーバーフロー金庫9に収納され
る。識別部3によって真正硬貨と識別されなっかた硬貨
(変形硬貨を含む)は、振分部4及び収納部5には送ら
れず、識別部3から返却シュート84、硬貨出金口90
を通って受皿82へ送られ利用者に返却される。投入さ
れた硬貨の個数と種類の情報は制御手段としての制御部
8へ送られ、さらにシステムの制御部(不図示)へ送ら
れる。
【0042】利用者は必要に応じて紙幣処理装置にも紙
幣を投入し、紙幣と硬貨の投入後、商品が購入される。
そして購入された商品と投入金額との差額がシステムの
制御部で計算され、釣銭として出金すべき硬貨の額に関
する情報が硬貨処理装置1の制御部8に送られる。
【0043】制御部8から制御信号が収納部5と出金部
7に送られ、釣銭として払い出すべきとされた硬貨が収
納部5から第1の出金シュート85を通って、硬貨保留
機構10に放出される。収納部5に収納されていない硬
貨の払い出しが必要な場合は、出金部7から第2の出金
シュート86を通って、硬貨保留機構10に放出され
る。硬貨保留機構10に放出された出金硬貨は搬送ベル
ト22の搬送面21上に保留される。このとき硬貨保留
機構10のカム41は基準位置(図4参照)にあり、レ
バー凸部50、51は凹部42、43に係合した状態に
ある。よって、シャッタ46、47は閉状態にあり出金
硬貨は確実に搬送面21上に保留される。
【0044】平行して行われている紙幣処理等の終了信
号がシステムの制御部から制御部8に入力される。制御
部8からの信号が硬貨保留機構10に、具体的には駆動
モータ31に送られる。
【0045】前述の制御部8からの信号により、駆動モ
ータ31が正回転する(図1中、反時計方向)。駆動モ
ータ31による駆動トルクは出力軸32、第1のギヤ3
3、第3のギヤ35、第2のギヤ34を介して伝達さ
れ、さらに原動軸23を介して原動プーリ24へ伝達さ
れ、同時に第4のギヤ36、第5のギヤ38を介してカ
ム41に伝達される。原動プーリ24と、カム41は共
に図1中、反時計方向に回転する。
【0046】原動プーリ24の反時計方向の回転によ
り、出金硬貨は従動プーリ26から原動プーリ24の方
向すなわち受皿82の方向に搬送ベルト22によって搬
送される。同時にカム41の反時計方向の回転により、
レバー44では、レバー凸部50がカム41の凹部42
との係合が外れ、水平状態から下側に(搬送ベルト22
方向)に向かいカム41の外周側部41A上に接する。
また、レバー45では、レバー凸部51がカム41の凹
部43との係合が外れ、水平状態から上側に(搬送ベル
ト22から離れる方向)に向かいカム41の外周側部4
1A上に接する。よって、シャッタ46はバネ62の付
勢力に抗して開状態となり、シャッタ47はそのまま閉
状態を維持する(図7に示す状態)。出金硬貨は、開状
態のシャッタ46を通過して搬送ベルト22によって搬
送され、硬貨出金口90から受皿82に放出され利用者
に出金される。
【0047】このとき、後述のようにカム41が1/2
回転すると、閉状態から開状態になっているシャッタ4
6は、レバー凸部50が今度は凹部43に係合するの
で、再び閉状態になり、これをセンサ58が検出し、セ
ンサ58から送られる検出信号によって制御部8が駆動
モータ31を停止する。このカム41が1/2回転する
間、駆動モータ31は、原動軸23を8回転させる。
【0048】すなわち、第5の歯車の歯数は48、第4
の歯車の歯数は12、第3の歯車の歯数が48、第2の
歯車の歯数は12であるので、カム41(第5の歯車)
が1/2回転すると、第2の歯車は8回転する。原動プ
ーリの直径は18mmであるので、この間の搬送距離は
452mm(18×3.14×8)であり、搬送ベルト
22の内周長(本実施の形態では208mm)の約2倍
の搬送がなされ、搬送ベルト22上の出金硬貨は確実に
受皿82に搬送される。
【0049】この段階で、レバー44のレバー凸部50
(シャッタ46用)が凹部43に係合し、レバー45の
レバー凸部51(シャッタ47用)が凹部42に係合
し、この場合も、カム41は基準位置にある。すなわ
ち、基準位置にあるカム41には2態様がある。以下の
説明にあたり、カム41は、レバー凸部50が凹部42
に、レバー凸部51が凹部43に係合する基準位置にあ
るときから回転を開始するものとする。
【0050】次に、異常時の場合について説明する。収
納部5または出金部7からの硬貨の出金が開始された後
にシステムにトラブルが発生した場合は、利用者への出
金は行わず、システムの制御部から硬貨処理装置1の制
御部8へ以下の指示がなされる。まず、収納部5または
出金部7から出金硬貨の放出が終わらずに継続中である
場合は、この放出が即時停止される。次に、駆動モータ
31が逆転(図1中、時計方向)される。
【0051】よって、従動プーリ26とカム41は、共
に図1中時計方向に回転する。従動プーリ26の時計方
向の回転により、出金硬貨は原動プーリ24から従動プ
ーリ26の方向すなわちオーバーフロー金庫9の方向に
搬送ベルト22によって搬送される。通常時は搬送面2
1が張り側となっているが、この場合(異常時の場合)
は搬送面21がゆるみ側になっている。同時にカム41
の時計方向の回転により、レバー44では、レバー凸部
50がカム41の凹部42との係合が外れ、水平状態か
ら上側に(搬送ベルト22から離れる方向)に向かいカ
ム41の外周側部41A上に接し、また、レバー45で
は、レバー凸部51がカム41の凹部43との係合が外
れ、水平状態から下側に(搬送ベルト22への方向)に
向かいカム41の外周側部41A上に接する。
【0052】よって、シャッタ46はそのまま閉状態を
維持し、シャッタ47はバネ63の付勢力に抗して開状
態となる。出金硬貨は、開状態のシャッタ47を通過し
て搬送ベルト22によって搬送され、オーバーフロー金
庫9にオーバーフロー通路89を通って送られ保留さ
れ、利用者に出金されない。このとき、通常時と同様
に、カム41が1/2回転すると閉状態から開状態にな
っているシャッタ47はレバー凸部51が凹部42に係
合するので、再び閉状態になり、これをセンサ59が検
出し、センサ59から送られる検出信号によって制御部
8が駆動モータ31の逆転を停止する。
【0053】よって、硬貨処理装置1及び紙幣処理装置
のシステム全体が問題なく貨幣処理を行ってから、利用
者への硬貨の出金が確実におこなわれ、システムに問題
が起きた場合に利用者に硬貨の出金が行われることを、
確実に防止できる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明の硬貨保留機構によ
れば、搬送機構の両端部にそれぞれシャッタを設けたの
で、これを閉状態にすることにより、搬送ベルトが短く
ても、硬貨がシャッタを通過するのを防ぎ搬送機構内に
保留することができ、硬貨保留機構を小型化することが
できる。
【0055】また、搬送機構上の硬貨の搬送し出金が必
要なときは、搬送機構を駆動することにより、シャッタ
を開状態のときにのみ、硬貨をシャッタを通過させて搬
送することができる。硬貨の保留が必要なときに確実に
保留し、硬貨の搬送が必要なときに確実に搬送すること
ができ、硬貨の搬送が不要なときに搬送するという事態
の発生を防ぐことができ、硬貨を確実に出金することが
できる。
【0056】また駆動機構を、搬送機構を駆動するだけ
でなく、開閉機構をも駆動するようにすると、駆動機構
を一つとすることができ硬貨保留機構をさらに小型化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬貨保留機構の実施の形態の概略構成
を示す正面断面図である。
【図2】図1の硬貨保留機構の左側面図である。
【図3】図1の硬貨保留機構の右側面図である。
【図4】図1の硬貨保留機構のシャッタ開閉機構とその
周辺を示す部分正面断面図である。
【図5】シャッタの構造を説明する分解立体図である。
【図6】(A)は、シャッタ開閉機構とその周辺を示す
部分平面図である。(B)は、(A)のレバー45のA
矢視図である。
【図7】(A)は、図4のカムが基準位置を外れた状態
を示す部分正面断面図である。(B)は、(A)のレバ
ー44のB矢視図である。
【図8】本発明の硬貨処理装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 硬貨処理装置 2 入金処理部 3 識別部 4 振分部 5 収納部 7 出金部 8 制御手段 9 オーバーフロー金庫 10 硬貨保留機構 11 搬送機構 12 シャッタ開閉機構 13A、B 側壁 14 駆動手段 21 搬送面 22 搬送ベルト 23 原動軸 24 原動プーリ 25 従動軸 26 従動プーリ 31 駆動モータ 32 出力軸 33 第1のギヤ 34 第2のギヤ 35 第3のギヤ 36 第4のギヤ 37 ギヤ軸 38 第5のギヤ 39 第6のギヤ 41 カム 41A 外周側部 42、43 凹部 44、45 レバー 46、47 シャッタ 48、49 軸 50、51 レバー凸部 52、53 レバー端部 58、59 センサ 62、63 バネ 64 センサ 65 シャッタ取付板 67 シャッタ本体 69、70 開閉接触部 71、72 測定板 73 上部板 75 孔 76、77 手動開閉ノブ 81 硬貨投入口 82 受皿 83 入金ガイド 84 返却シュート 85 第1の出金シュート 86 第2の出金シュート 87 入金オーバーフローシュート 88 出金ガイド 89 オーバーフロー通路 90 硬貨出金口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 良房 東京都中野区中央2丁目48番5号 中野平 和ビル 株式会社高見沢サイバネティック ス内 Fターム(参考) 3E001 AB05 BA01 CA06 CA07 CA09 FA11 FA23 FA57

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬貨を搬送するよう構成された搬送機構
    と;前記搬送機構内の両端部にそれぞれ配置され、前記
    硬貨を通過させる開状態と、または前記硬貨を通過させ
    ない閉状態とのいずれか一方の状態になるよう構成され
    た二つのシャッタと;前記二つシャッタのどちらか一方
    のみを開状態にするよう構成された開閉機構と;前記搬
    送機構を駆動し、前記搬送機構が前記硬貨を前記開状態
    のシャッタを通過させて搬送するよう構成された駆動機
    構とを備えたことを特徴とする;硬貨保留機構。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構は、前記開閉機構をも駆動
    することを特徴とする;請求項1に記載の硬貨保留機
    構。
  3. 【請求項3】 硬貨を投入する硬貨投入口と;請求項1
    または請求項2に記載の硬貨保留機構と;出金硬貨を出
    金するよう構成された硬貨出金口と;出金硬貨を保留す
    るよう構成された保留金庫部と;投入された前記硬貨を
    収納し、出金硬貨を前記搬送機構に放出するよう構成さ
    れた収納部と;前記駆動機構を駆動させる制御信号を前
    記駆動機構に送るよう構成された制御手段とを備え;前
    記硬貨保留機構は、前記放出された出金硬貨を一時的に
    保留し、前記二つのシャッタの一方を通過させて前記硬
    貨出金口に搬送するか、または前記二つのシャッタの他
    方を通過させて前記保留金庫部に搬送するよう構成され
    ていることを特徴とする;硬貨処理装置。
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