JP2001042654A - 転写部材及び該転写部材の製造方法 - Google Patents

転写部材及び該転写部材の製造方法

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JP2001042654A JP21550099A JP21550099A JP2001042654A JP 2001042654 A JP2001042654 A JP 2001042654A JP 21550099 A JP21550099 A JP 21550099A JP 21550099 A JP21550099 A JP 21550099A JP 2001042654 A JP2001042654 A JP 2001042654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性が高く、色ずれ及び飛び散りの少ない
良好なカラー画像が得られる転写部材を提供する。 【解決手段】 エンドレスベルト形状を有し、その表面
粗さRZ が0.08〜1.30μmの範囲にあると共
に、体積抵抗の最大値が最小値の90倍以内であり、更
に、該ベルトの端部周長より計算される端部円周の直径
(単位μm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の平均厚み
(単位mm)をそれぞれZ1 ,Z2 としたとき、下記式
を満たす転写部材及び該転写部材の製造方法。 【数11】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の像担持体上
に形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転
写させて画像形成物を得る電子写真画像形成装置に用い
る転写部材、特には中間転写ベルト、転写ベルト及びそ
れらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、感光ドラム上に記録情報に応
じて光変調されたレーザビーム光を照射し、電子写真プ
ロセスによって感光体の静電潜像を現像し、転写紙に画
像を転写する記録装置を複数個有し、転写部材により転
写紙を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を重畳転
写してカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置が提
案されている。
【0003】転写部材として転写ベルトを用いた画像形
成装置の一例の概略図を図1に示す。図1に示された画
像形成装置は、色分解像重ね合せ転写方式のカラー画像
形成装置の一つの型式として、複数の感光体にそれぞれ
異なる色のトナー像を形成し、この各感光体に順次接触
して搬送される1枚の転写材に位置を合わせて、各感光
体上のトナー像を転写し、フルカラー画像を得るように
したものである。
【0004】図1に示された画像形成装置は、装置本体
320内の上部に電子写真プロセス手段として4つの画
像形成部I,II,III ,IVを並設しており、各画像形成
部I〜IVは、像担持体としての感光ドラム301Y,3
01M,301C,301BK、一次帯電器としての一
次帯電ローラ302Y,302M,302C,302B
K、露光部303Y,303M,303C,303B
K、現像器304Y,304M,304C,304BK
及びクリーナ305Y,305M,305C,305B
Kを含んで構成されている。なお、現像器304Y,3
04M,304C,304BKにはそれぞれイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B
K)のトナーが収容されている。
【0005】また、上記画像形成部I〜IVの下方には転
写装置310が設けられており、該転写装置310は、
駆動ローラ311と従動ローラ312及びテンションロ
ーラ313の間に張設された無端状の転写ベルト314
と、各画像形成部I〜IVの感光ドラム301Y,301
M,301C,301BKにそれぞれ対向して配置され
た転写帯電器315を含んで構成されている。
【0006】他方、装置本体320内の底部には、記録
媒体として複数枚の記録紙Pを積層収容してなるカセッ
ト306が設置されており、該カセット306内の記録
紙Pは給紙ローラ307によって1枚ずつ送り出され、
搬送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送
される。
【0007】そして、装置本体320内の上記記録紙P
の搬送方向下流側には分離帯電器316及び定着器31
7が配設されており、装置本体320の外には排紙トレ
イ318が取り付けられている。
【0008】そして、各画像形成部I〜IVにおいては、
感光ドラム301Y,301M,301C,301BK
が図示矢印方向に所定の速度で回転駆動され、これらは
1次帯電ローラ302Y,302M,302C,302
BKによってそれぞれ一様に帯電処理される。このよう
に帯電処理された各感光ドラム301Y,301M,3
01C,301BKに対して画像情報に応じた露光が露
光部303Y,303M,303C,303BKによっ
て行われると、各感光ドラム301Y,301M,30
1C,301BKには静電潜像が形成され、各静電潜像
は各現像器304Y,304M,304C,304BK
によって現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー
像、シアントナー像及びブラックトナー像としてそれぞ
れ顕像化される。
【0009】一方、前述のようにカセット306から搬
送ガイド308を経てレジストローラ309まで搬送さ
れた記録紙Pは、レジストローラ309によってタイミ
ングを合わされて転写装置310に送り出され、該転写
装置310の転写ベルト314に吸着されてこれと共に
移動して各画像形成部I〜IVを経過し、その過程で該記
録紙Pには転写帯電器315の作用によってイエロート
ナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラッ
クトナー像が重ねて転写される。
【0010】そして、上述のように各カラートナー像の
転写を受けた記録紙Pは、分離帯電器316によって除
電されて転写ベルト314から分離された後、定着器3
17に搬送されてカラートナー像の加熱定着を受け、最
後に装置本体320から排出されて排紙トレイ318上
に積載される。
【0011】前記転写ベルトによるカラー画像形成装置
は、転写紙を各記録装置に順次搬送しながら各色画像を
重畳転写するため、1行程でカラー画像が形成されるの
で、画像出力時間が速いという利点がある。
【0012】また、一方、中間転写体を使用した画像形
成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分
色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成
再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多
色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像
形成機能を具備させた画像形成装置として有効である。
【0013】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図2に示す。
【0014】図2は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザビームプリンタ
ー)である。中間転写ベルト20には中抵抗のシームレ
スベルトを使用している。
【0015】1は第1の画像担持体として繰り返し使用
される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラム
と記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。
【0016】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色分解・結像
露光光学系、または画像情報の時系列電気デジタル画素
信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレー
ザスキャナによる走査露光系など)による画像露光を受
けることにより目的のカラー画像の第1の色成分像(例
えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成され
る。
【0017】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43及びブラック
色現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感
光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー
画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
【0018】中間転写ベルト20は時計方向に感光ドラ
ム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0019】感光ドラム1上に形成担持された上記第1
色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベ
ルト20とのニップ部を通過する過程で、1次転写ロー
ラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転写バ
イアスにより形成される電界により、中間転写ベルト2
0の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
【0020】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0021】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0022】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0023】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。その印加電圧は例えば+100
V〜2kVの範囲である。
【0024】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63は中間転写ベルト20から離間するこ
とも可能である。
【0025】中間転写ベルト20上に転写された合成カ
ラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの
転写は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20に当
接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10
を通って、中間転写ベルト20と2次転写ローラ63と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ6
3に印加される。この2次転写バイアスにより中間転写
ベルト20から第2の画像担持体である転写材Pへ合成
カラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画
像の転写を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱
定着される。
【0026】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆
極性の電荷が付与される。26はバイアス電源である。
【0027】前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニ
ップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転
写されることにより、中間転写ベルトがクリーニングさ
れる。
【0028】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に第2の画像担持体を張り付けまたは吸着せ
しめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画
像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭
63−301960号公報中で述べられたごとくの転写
装置と比較すると、第2の画像担持体である転写材にな
んら加工や制御(例えばグリッパーに把持する、吸着す
る及び曲率をもたせるなど)を必要とせずに中間転写ベ
ルトから画像を転写することができるため、封筒、ハガ
キ及びラベル紙などの薄い紙(40g/m2 紙)から厚
い紙(200g/m2 紙)まで、幅の広狭、長さの長
短、あるいは厚さの厚薄によらず、第2の画像担持体を
多種多様に選択することができるという利点を有してい
る。
【0029】このような利点のため、すでに市場におい
ては転写ベルトや中間転写ベルトを用いたカラー複写機
及びカラープリンターなどが稼働し始めている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかし、転写ベルト方
式や中間転写ベルト方式のフルカラー複写機やフルカラ
ープリンターは様々な利点があるが、一方で複数の改善
すべき課題も有している。
【0031】例えば、その一つとして、中間転写ベルト
は画像領域以上の表面積が必要であり、サイズは必然的
に大きくなる上、抵抗や表面性など様々な特性が必要と
され、その製造コストは高いものとなり易い。耐久性に
ついても必ずしも十分ではなく、交換頻度が多くなる傾
向がある。その結果、複写機やプリンターの本体価格及
びランニングコストを押し上げ、メンテナンスの手間も
増加する。
【0032】現在、転写ベルトや中間転写体などに用い
られるベルト及びチューブの製造方法はすでに種々知ら
れている。例えば、特開平3−89357号公報や特開
平5−345368号公報には、押し出し成形による半
導電性ベルトの製造方法が開示されている。また、特開
平5−269849号公報にはシートをつなぎ合わせ円
筒形状とし、ベルトを得る方法が開示されている。ま
た、特開平9−269674号公報には円筒基体に多層
の塗工被膜を形成し、最終的に基体を除くことにより、
ベルトを得る方法が開示されている。また一方、特開平
5−77252号公報には遠心成形法によるシームレス
ベルトの開示がある。上述の方法はそれぞれ一長一短が
あり、本発明者等が真に希求している方法ではない。例
えば、押し出し成形では単に、押し出しダイスのダイギ
ャップを所望のベルト厚みと同一寸法に設定し、成形す
ると、コストと飛び散り低減が可能な薄層ベルトの製造
はかなりの困難を有し、例え可能であったとしても厚み
ムラ、それに影響を受ける電気抵抗ムラが生じ易くな
り、中間転写体としての性能及び品質安定性に支障をき
たすことになる。シートをつなぎ合わせる場合はつなぎ
目の段差及び引張り強度の低下が問題となる。また、キ
ャスト成形、塗工や遠心成形法など溶剤を使用する方法
は、塗布液の製造−塗布成形−溶剤の除去など、工数や
コストが増すものである。更に、溶剤の回収など環境に
影響を及ぼす事項も含んでいる。
【0033】とりわけ重要な点としては、良好なカラー
画像を得るためにはエンドレスベルト状の転写ベルトや
中間転写体上で複数の色を重ね合わせることによって生
じる幾つかの問題も解決しなければならないことであ
る。
【0034】その一つは各色の間に生じるずれである。
細線や文字ではわずかの色ずれでも目立ち易く、画像品
位を損なう恐れがある。色ずれの発生原因はエンドレス
ベルト状中間転写体を複数の軸に張架し、駆動回転する
際に中間転写体各部位にかかる張力が必ずしも一定には
ならないため、中間転写体に部分的な伸びやそれに伴う
微少な回転ムラが発生する。これらが各色を重ねるごと
に微妙な色のずれとなって現れるものと思われる。
【0035】即ち、転写ベルトや中間転写ベルトの転写
部材は回転しつつ、張架する各軸を通過する際に、その
厚みの影響を受け、部材表面は部材裏面より速く動かね
ばならず、そのため、表面付近は周方向への伸びを生ず
る。更に、これら転写部材は持続的な張力と繰り返しの
曲げ伸ばし応力を常に受け、経時的に徐々に周方向に伸
びる、所謂クリープを生じる。クリープによるサイズ変
化が大きいと、当初の設計との差異を生じて色ずれを助
長したり、ハーフトーン画像のムラなどの画像不良が発
生する。更に、クリープ量が増大すると転写部材の回転
に支障をきたすなど転写部材の寿命を短縮する大きな要
因となっている。
【0036】この時、ベルト両端が均一に等しく伸縮す
る場合は単にベルト周長全体が大きくまたは小さくなっ
ただけであるが、両端が不均一に変化した時はベルト両
端での回転歪みが発生し、ベルトの寄り、また蛇行やベ
ルトの回転ユニットからのはずれなどの著しい障害が発
生することになる。
【0037】しかるに、本発明者等は前述の問題を解決
した従来とは異なる新規な転写部材である、中間転写ベ
ルト、転写ベルト及びそれら転写部材の製造方法を提供
することにある。
【0038】本発明の目的は、ベルトの寄り、蛇行のな
い安定的な走行性を維持する転写部材及びその製造方法
を提供することにある。
【0039】また、本発明の目的は、帯電工程、画像露
光工程、現像工程及び転写工程を有する画像形成装置に
おいて、該転写工程において転写効率が極めて高い転写
部材及びそれらの製造方法を提供することにある。
【0040】また、本発明の目的は、工程数が少なく、
低コストで、なおかつ寸法精度が高い転写部材の製造方
法を提供することにある。
【0041】また、本発明の目的は、画像の微小部分の
転写不良の発生しない、所謂中抜け画像のない、均一・
均質の画像品質が達成される転写部材及びそれらの製造
方法を提供することにある。
【0042】また、本発明の目的は、広範な温湿度環境
下において、繰り返し使用する苛酷な耐久使用を行って
も特性に変化がなく、初期と同様な特性を維持し得る転
写部材及びそれらの製造方法を提供することにある。
【0043】また、本発明の目的は、有機感光体に悪影
響を与えない転写部材及びそれらの製造方法を提供する
ことにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の像担持
体上に形成されたトナー像を、第2の像担持体に静電的
に転写する転写装置に使用される転写部材において、該
転写部材がエンドレスベルト形状を有し、その表面粗さ
Z が0.08〜1.30μmの範囲にあると共に、体
積抵抗の最大値が最小値の90倍以内であり、更に、該
ベルトの端部周長より計算される端部円周の直径(単位
mm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の平均厚み(単位μ
m)をそれぞれZ1 ,Z2 としたとき、下記式を満たす
ことを特徴とする転写部材である。
【0045】
【数6】
【0046】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材において、成形用原料を
押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の形状寸法
に成形する転写部材の押し出し成形比が0.5〜3.0
であり、かつ該転写部材がエンドレスベルト形状を有
し、その表面粗さRZ が0.08〜1.30μmの範囲
にあると共に、体積抵抗の最大値が最小値の90倍以内
であり、更に、該ベルトの端部周長より計算される端部
円周の直径(単位mm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の
平均厚み(単位μm)をそれぞれZ1 ,Z2 としたと
き、下記式を満たすことを特徴とする転写部材である。
【0047】
【数7】
【0048】また、本発明は、第1の像担持体上に形成
されたトナー像を、第2の像担持体に静電的に転写する
転写装置に使用される転写部材の製造方法において、成
形用原料を押し出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望
の形状寸法に成形する転写部材の押し出し成形比が0.
5〜3.0であり、かつ該転写部材がエンドレスベルト
形状を有し、その表面粗さRZ が0.08〜1.30μ
mの範囲にあると共に、体積抵抗の最大値が最小値の9
0倍以内であり、更に、該ベルトの端部周長より計算さ
れる端部円周の直径(単位mm)をそれぞれR1
2 、端部の平均厚み(単位μm)をそれぞれZ1 ,Z
2 としたとき、下記式を満たすことを特徴とする転写部
材の製造方法である。
【0049】
【数8】
【0050】
【発明の実施の形態】本発明は、電子写真に用いられる
ベルトに関し、とりわけ、そのベルト上に多数の異色の
トナーが付着、積層し、それらが一体となって紙などの
像担持体上に転移する中間転写ベルトや、ベルト上に像
担持体を吸着し、一定速度を保ちつつ、搬送し、像担持
体上にズレを生じることなく、トナーを積層させる転写
ベルトに有効な発明である。これらのベルトは、従来の
原稿送りベルト例えばADFベルト及びRDFベルトと
称されるベルト類や、感光ベルトなどよりは、はるかに
きびしい、走行安定性や電気抵抗が要求される。この理
由は本発明者等が前述するごとく同一位置に多数の異色
トナーを積層しなければならないこと、また、第1の像
担持体即ち感光体上に現像されたトナーを100%その
ままの状態で、中間転写ベルト上や、転写ベルト上の像
担持体に転移させて、画質の品位を落とさないことなど
が必要であるためである。前記の原稿送りベルトは、ト
ナーの付着、転移を行う機能も必要なく、当然に、繰り
返して、同一位置に精密に戻る機能も必要としない。単
に重送を防ぎつつ所定位置へ紙などを送ることのみを求
められている。また、感光ベルトは、なるほどトナーを
付着、転移させる機能を有することは、本発明の転写部
材と近似しているが、多数の異色のトナーを感光ベルト
上に付着積層し、それを効率良く転移させる機能を本質
的に有していないことは、本発明と全く異なるところで
ある。一方、従来技術において、特開平9−15599
0号公報には、ベルト周長や電気抵抗に関する開示があ
るが、これらの構成は、電子写真に用いられるベルト一
般について述べられたものに過ぎず、本発明者等の検討
では、中間転写ベルトや転写ベルトにこれらを用いた場
合、色ズレは200μm前後の巾で発生し、中抜け画像
や文字部のトナーの非画像部への飛び散りも発生した。
とりわけ、転写効率は80%前後と実用不可のレベルで
あった。
【0051】本発明が従来と著しく異なる点は、ベルト
が転写ユニットに張架され回転する時、常に等速度で回
転すること、ベルトの停止から起動時にベルト両端に加
わる力が均一に発生し、ベルトに歪みを生じさせないこ
と、また走行時に蛇行、寄りを発生しないことが挙げら
れる。
【0052】トナーの転写が効率よく行われ、その時転
写部材に付着する、また転写部材から転移するトナー像
を損なわないことである。
【0053】これらを達成するため本発明者等は、鋭意
検討の後本発明を完成させた。
【0054】以下は、中間転写ベルトに関して説明する
が、転写ベルトについても同様にあてはまる。
【0055】一般に中間転写ベルトは円筒状に配置され
ることはほとんどない。これは電子写真装置を小型化
し、コストを低減するためであり、本発明者等が示す図
1及び図2のように変形したエンドレス形状がもっぱら
である。このようなベルト配置で、前述のような安定
的、かつ、定常的な走行を行うためには精密なベルト設
計が必要なことは言うまでもないことである。ベルト駆
動力は普通ベルト左右両端に最も負荷が働く。例えば、
ベルト中央が早く回転駆動すると、両端部は進行方向の
斜め前方に引張り力を受けながら回転することになる。
この時、ベルト左右両端部の周長がある限度を越えた周
長差を有すると、左右それぞれの駆動力の方向がアンバ
ランスとなり、ベルト面に歪みが発生する。これがベル
トしわである。このしわは不連続的に繰り返し発生し、
最終的には亀裂となり、ベルトは破損する。ベルトの左
右両端及び中央部分がそれぞれ同速度で回転していて
も、両端の周長が異なれば、当然ベルトは左右で周速差
を発生し、蛇行やベルトはずれが生じる。
【0056】しかし、この周長差も、前記の特開平9−
155990号公報で提案されるような長手方向の直径
差が最大で1.0mmの範囲では、一応図2の転写ユニ
ット上で張架回転することはできる。しかし、本発明者
等が意図する転写されたトナーの積層時のズレ、所謂色
ズレを100μm以内に納めるためには不十分であり、
最低でも0.8mm以下でなければならない。90μm
以下の色ズレ防止のためには0.7mm以下が必要であ
る。
【0057】本発明の左右端部の直径とは、例えば図2
に示されるベルト20は円筒形状を有していないが、ベ
ルトの左右両端の周長の寸法測定より計算される長さよ
り円周を想定しそこから計算して求められる直径をい
う。この時の計算された左右の直径(mm)をR1 ,R
2 とする時 |R1 −R2 |≦0.8 … の範囲が
必要であり、好ましくは |R1 −R2 |≦0.7 で
ある。
【0058】ここで注意すべきは、中間転写ベルトにお
いては画像領域、転写ベルトでは像担持体の大きさ、即
ち紙サイズである。
【0059】画像領域や紙サイズが大きくなれば、ベル
トの周長及び巾は当然大きくなる。この時に許容される
左右両端部円周の直径R1 ,R2 の差分の公差と、小画
像領域や小サイズ紙用のベルトのR1 ,R2 の差分の公
差は明らかに異なる。周長が長いため大径ベルトでは許
される公差も小径ベルトでは不十分になる。そのため、
本発明ではベルトの巾の大きさに対応した好ましい範囲
を規定しなければならない。即ち、
【0060】
【数9】 但し、Lはベルト巾(mm)を示す。である。
【0061】また更に、本発明の中間転写ベルトが図2
の3軸の転写ユニットに張架回転する時、各プーリー位
置で前述のようにベルト表面と裏面では周速差が発生
し、これも色ズレやベルトの耐久性に影響を及ぼす。あ
まりに厚みムラがあると、微視的にはベルトは周速ムラ
を生じながら回転することになる。取りも直さずこの現
象は数10μm、はなはだしい場合は数100μmの色
ズレを生じることになる。そのためには、本発明のベル
トの左右端部の平均厚み(μm)をそれぞれZ1,Z2
としたときに下記式を満たさなければならない。
【0062】
【数10】 このように、,及び式が相俟って満足させること
により、初めて本発明の目的を達成することができる。
【0063】本発明における中間転写ベルト及び転写ベ
ルトの厚さそれぞれZ1 ,Z2 は、40〜300μmの
範囲であることが好ましい。40μm未満では成形安定
性に欠け、厚さムラを生じ易く、耐久強度も不十分で、
中間転写ベルト及び転写ベルトの破断や割れが発生する
場合がある。一方で300μmを超えると、材料が増え
コストが高くなる上に、中間転写ベルト架張軸部位での
内面と外面の周速差が大きくなり、画像飛び散りが悪化
し易い。更に、中間転写ベルト及び転写ベルトの剛性が
高くなり過ぎて駆動トルクが増大し、本体の大型化やコ
スト増加を招くといった問題を生じる。
【0064】以下に本発明の中間転写ベルト及び転写ベ
ルトとして用いられる転写部材の製造方法の一態様を説
明する。但し、それにより本発明が制限を何ら受けるも
のではない。
【0065】図3及び図4に本発明に用いる成形装置を
示す。本装置は基本的には、押し出し機、押し出しダイ
ス、及び必要に応じ気体吹き込み装置よりなる。図3
は、2層構成ベルト成形用に押し出し機100及び11
0と2基具備しているが、少なくとも本発明において
は、1基以上有していればよい。
【0066】次に、本発明における単層の転写部材の製
造方法について述べる。まず、成形用樹脂、導電剤及び
添加剤などを、所望の処方に基づき、予め予備混合後、
混練分散した成形用原料を押し出し機100に具備した
ホッパー120に投入する。押し出し機100は、成形
用原料が後工程でのベルト成形が可能となる溶融粘度と
なり、また原料相互が均一分散するように、設定温度及
び押し出し機スクリュー構成は選択される。
【0067】成形用原料は、押し出し機100中で溶融
混練され、溶融体となり押し出しダイス140に入る。
押し出しダイス140は、気体導入路150が配設され
ており、気体導入路150により空気などが押し出しダ
イス140に吹き込まれることにより、押し出しダイス
140を通過した溶融体は径方向に拡大膨張する。この
時、吹き込まれる気体は、空気以外に窒素、二酸化炭素
及びアルゴンなどが挙げられる。
【0068】膨張した成形体は、冷却リング160によ
り冷却されつつ上方向に引き上げられる。この時、寸法
安定ガイド170の間を通過することにより最終的な形
状寸法180が決定される。更に、これを所望の幅に切
断することにより、本発明の中間転写ベルト190を得
ることができる。
【0069】本発明における押し出し成形比とは、押し
出しダイス140の口径に対する、押し出しダイスを通
過し口径が拡大膨張した形状寸法180が得られた時の
口径比を表すものである。
【0070】即ち、押し出し成形比=成形後の口径/押
し出しダイス口径である。
【0071】前述の説明は、単層ベルトに関してであっ
たが、2層の場合は図3に示されるように、更に押し出
し機110及びホッパー130を配置し、押し出し機1
00の混練溶融体と同時に2層用の押し出しダイス14
0へ押し出し機110の混練溶融体を送り込み、2層同
時に拡大膨張させ2層ベルトを得ることができる。もち
ろん3層以上の時は、層数に応じ相応に押し出し機を準
備すればよい。
【0072】図5〜図7に2層及び3層構成の中間転写
ベルトを例示する。このように本発明は単層のみなら
ず、多層構成の転写ベルト及び中間転写ベルトを一段工
程で、かつ短時間に寸法精度良く成形することが可能で
ある。この短時間成形が可能ということは、大量生産及
び低コスト生産が可能であることを十分示唆するもので
ある。
【0073】図4は、本発明にかかる別の中間転写ベル
トの製造方法である。ホッパー120に投入された成形
用原料は、押し出し機100を通過する過程で均一分散
された溶融体となり、押し出しダイス141から押し出
される。内部冷却マンドレル165に押し出されたベル
トの内面は、接触しつつまたは非接触の状態で冷却さ
れ、所望寸法180に整えられ本発明の中間転写ベルト
190を得る。
【0074】この時の押し出し成形比とは、以下のよう
に求めることができる。
【0075】押し出し成形比=成形後のベルト口径/押
し出しダイス口径
【0076】本発明の転写部材、特に中間転写ベルトや
転写ベルトとして機能するためには、ベルト各部の体積
抵抗率及び表面抵抗率の一方または両方は、最大値を最
小値の90倍以内に収めなければならない。それが90
倍を超えると、ベルト内の電気抵抗のムラが転写性に悪
影響を生じ、ベタ部の部分的な転写不良や、文字部の中
抜けが発生し易くなる。とりわけ、低温低湿の環境下で
著しい劣化となり易い。
【0077】体積抵抗値や表面抵抗値の均一性に関して
は、特公平8−25232号公報、特許第259200
0号公報及び特開平5−200904号公報において、
そのベルト内での抵抗の最大値は最小値の100倍以内
という開示が行われている。しかし、本発明のような中
間転写ベルトや転写ベルトとして用いる場合はこの範囲
では不十分であることが判明している。これらの抵抗が
大の部分と小の部分でのトナーの転写効率は10%以上
の差が生じ、これは画像上では色の濃淡ムラまたは文字
のカスレとなって現われ、実用上は不十分のレベルであ
った。
【0078】以下に中間転写ベルトと電気抵抗の関係に
ついて述べる。この電気抵抗値の範囲は本発明の製造方
法と不可分の関係に有り、図3の製造方法においてベル
トは急激に周方向に拡大膨張するため、特にベルト周方
向の体積抵抗率及び表面抵抗率の一方または両方は、そ
の最大値が最小値の90倍以内にすることが必要であ
る。これらを達成するためには、本発明に用いられる樹
脂と抵抗制御剤との相溶性、抵抗制御剤の量、及び分散
加工時の工程条件、更に図3及び図4に示されるベルト
製造時の各工程条件を詳細に検討することにより、上記
の範囲に収めることができる。
【0079】本発明における体積抵抗率と表面抵抗率
は、単に測定条件の違いばかりではなく、全く別個の電
気特性を示すものである。即ち、転写部材に印加される
電圧/電流が厚み方向に加えられた場合、転写部材の電
荷の移動は、主に転写部材の内部構造の物性、換言すれ
ば、転写部材の層構造や添加剤、また抵抗制御剤の種類
や分散状態によって決定され、その結果として、転写部
材の表面電位や除電速度等が決まる。一方、転写部材の
表面のみで電荷の授受が行われているように電圧/電流
が加えられた場合、転写部材の内部構造や層構造には殆
ど依存せず、表面における添加剤や抵抗制御剤の存在割
合によってのみ帯電及び除電が決まる。
【0080】しかるに、本発明においては、この2つの
抵抗率が相俟って好ましい範囲に入ることが、転写効率
の維持、転写部材の均一な転写性、中抜けやフィルミン
グなどの欠陥のない画像全面にわたる高画質が得られる
必要十分条件である。
【0081】本発明の転写部材の電気抵抗値及びベルト
内の電気抵抗値の一様性は、転写部材のうち、中間転写
ベルトや転写ベルトの性能を維持する上で非常に重要な
因子である。中間転写ベルトの電気抵抗値が高過ぎる場
合は、1次転写時及び2次転写時に十分な転写電界を与
えることができず、転写不良となり易い。一方、低過ぎ
る場合は、部分的な放電が生じ、やはり転写電界を形成
することができない。また、ベルト内の抵抗が不均一で
あると、前述と同様に部分的な放電、即ちリークが発生
し、1次及び2次転写時に印加した電流はそこから逃
げ、必要な転写電界を得ることができない。
【0082】本発明の製造方法においては、押し出し成
形比の大小によりベルト内の電気抵抗値の均一性は著し
く影響を受ける。図3の製造方法では、押し出し成形比
が3.0を超えると、押し出しダイスを通過後、拡大膨
張する工程で、拡大率が大き過ぎるため引き上げ方向
(軸方向)及び周方向に電気抵抗のムラが生じ易い。特
に、周方向に瞬時に大きく拡大されるため電気抵抗ムラ
は周方向に大きくなる。そのため、押し出し成形比は、
より好ましくは2.8以下にすることで良好な結果を得
られる。
【0083】押し出し成形比が、1.05未満であると
押し出し成形速度と、気体吹き込み量及び速度のバラン
スを取ることが微妙に難しく、ベルトの形状寸法の不安
定性やベルトの肉厚方向にムラが発生し易くなる。この
ベルト肉厚は、やはり電気抵抗値に影響を与える因子で
あり、肉厚の不均一はベルト内の抵抗均一性に不具合を
与える。押し出し成形比が、1.05未満で成形したい
場合は、図3のごときの製造方法では不可能であり、こ
れと異なる図4のごときの成形製造方法を用いる必要が
ある。図4の場合、好ましい押し出し成形比は0.5以
上である。
【0084】また一方、本発明の転写部材に処方される
抵抗制御剤量は、本発明の製造方法と密接な関係にあ
る。抵抗制御剤量が30重量%を超えると、同時に処方
される樹脂がどんなに延伸、拡大が可能な柔軟な樹脂で
あっても、押し出し成形機を通過後に塑性的な溶融体と
なり、所望の拡大膨張を行うことができない傾向にあ
り、また仮に、成形できたとしても、量が多いため抵抗
制御剤粒子起因のブツ、フィッシュアイや穿孔が頻発す
る傾向にある。
【0085】本発明において、転写部材として、必要な
電気抵抗値としては、1×105 〜1×1016Ωの範囲
である。抵抗制御剤量が0%であれば、成形時に、上述
のような問題は当然発生しない。しかし、本発明の転写
部材を構成するためには抵抗制御剤を含有しなくとも、
転写部材の抵抗値が1×105 〜1×1016Ωとなるよ
うな成形用原料を用いることが必要であり、そのために
は成形用原料として、それ自身で1×105 〜1×10
16Ωを発現する樹脂、換言すれば、中抵抗樹脂を使用し
なければならない。
【0086】しかるに、本発明の製造方法では、抵抗制
御剤量が30重量%以下とすることが好ましく、より好
ましくは25重量%以下、特に好ましくは21重量%以
下である。特に、抵抗制御剤としてイオン電導性及び電
子電導性を単独または併用で用いる場合、イオン電導性
抵抗制御剤は分散性に優れる反面、湿度依存性が大きい
ため多量に使用することはできない。また、電子電導性
抵抗制御剤は、前述のように本発明の中間転写ベルトの
製造方法においては、電気抵抗の均一性に著しく影響を
与える。そのため、本発明においては、イオン電導性抵
抗制御剤としては0.05〜10重量%、電子電導性抵
抗制御剤としては3〜30重量%を、それぞれ単独また
は併用して用いることが好ましい。
【0087】本発明において、図3及び図4の押し出し
ダイスのダイギャップの厚みより、最終の中間転写ベル
ト190の肉厚を小さくすることが好ましい。これは押
し出し時、中間転写ベルトの表面の平滑性を得るためと
肉厚の均一性、これは前述のように中間転写ベルトの電
気特性に影響を与える因子であり、これらを確保するた
めに好ましい。その範囲は、ダイスのダイギャップに対
し、99/100〜1/100である。1/100未満
になると、押し出し圧が高くなり、円滑な押し出しが困
難となる傾向にある。
【0088】また更に、本発明において、ベルトの表面
粗さRZ は画質に大きく影響を及ぼす因子であり、その
制御は前述のR1 ,R2 ,Z1 ,Z2 及び体積抵抗、表
面抵抗の制御と同等の重みを有するものである。
【0089】ベルト表面に数μm〜数十μmの凹凸があ
ると、それがRZ に反映し、RZ の値は大きくなる。こ
の状態のベルトを用いトナーの転写を行うと、微少部分
の転写不良が発生し、画像上に多数の細かい白ポチとな
って現れる。この現象のはなはだしい場合は白い画像抜
けとなる。そのためには、RZ は少なくとも1.30μ
m以下でなければならない。好ましくは1.20μm以
下である。本発明のR Z はJIS−B0601に従って
測定する。
【0090】また一方、ベルトのRZ は0に近づけば全
て良いわけではない。
【0091】図2に示されるように中間転写ベルト20
は感光ドラム1及び画像担持体Pと接触、摺擦すること
により、トナーの転移、授受を行う。この時感光ドラム
1と画像担持体Pとの間に適度の摩擦を生ずることによ
り、良好にトナーは転移することができる。そのため、
ベルト20があまりに平滑であると、好ましい摩擦力を
発生することができない。はなはだしい場合は、画像担
持体Pと密着してしまい、画像担持体Pの分離不良の不
具合が発生する。このため、本発明の転写部材の表面は
0.08μm以上のRZ がなければならない。
【0092】0.08μm以上のRZ を有すれば、転写
部材の表面に残存するトナーを除去するため、ウレタン
ごときのクリーニングブレードを当接した場合でも、そ
のトナーはすり抜けることなくブレードにより、かき取
り除去することができる。本発明者などの経験では、転
写部材の表面をRZ =0.08μm未満と極力平滑にし
た場合、上記のウレタンブレードを当接した時、ブレー
ドは部材表面に密着するため、駆動トルクは大きくな
り、ブレードへの不均一な負荷も発生し、いわゆるブレ
ードビビリが生じ、そのビビリ部分からのトナーのすり
抜けが発生した。
【0093】本発明の転写部材に用いられる樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ
−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル
酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合
体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−
アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸
フェニル共重合体など)、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体及びスチレ
ン−メタクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−
α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−ア
クリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのス
チレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単
重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メ
タクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリ
ル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性ア
クリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂及びアク
リル・ウレタン樹脂など)、塩化ビニル樹脂、スチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタ
ン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
アミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテル
イミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリサ
ルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリベンゾ
イミダゾール樹脂などからなる群より選ばれる1種類、
あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、
上記材料に限定されるものではない。
【0094】本発明に用いる転写部材は、転写不良、中
抜け画像が生じない程度の硬度が必要であり、その好ま
しい範囲は60°〜100°、より好ましくは70°〜
100°、特に好ましくは73°〜100°であり、そ
の測定方法はJIS−Aの方式に従うものとする。
【0095】次に、本発明の転写部材の電気抵抗値を調
整するための抵抗制御剤のうち、電子電導性抵抗制御剤
としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、アルミニ
ウムドープ酸化亜鉛、酸化スズ被覆酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化スズ被覆硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ア
ルミニウム金属粉末及びニッケル金属粉末などが挙げら
れる。また、イオン電導性抵抗制御剤としては、例え
ば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベン
ジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂
肪族アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸
リチウム、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステ
ルアミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合
体及びメトキシポリエチレングリコールアクリレート共
重合体などが挙げられる。
【0096】本発明の転写部材の抵抗値の測定方法は、
以下の通りである。 (1)中間転写ベルトを図8に示したように張架し、中
間転写ベルト20を2本の金属ローラ202及び203
で挟み、直流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器及び電位
差計をつなぐ。 (2)駆動ロールにて中間転写ベルト表面の移動速度が
100〜300mm/秒になるようにベルトを駆動す
る。 (3)直流電源から100V〜1KVの範囲内で電圧を
回路に印加し、抵抗器の両端の電位差Vrを電位差計で
読む。なお、測定時の雰囲気は、気温23±5℃、湿度
50±10%RHとする。 (4)得られた電位差Vrから、回路に流れる電流値I
を求める。 (5)中間転写ベルトの抵抗値=印加電圧/電流値I。
【0097】なお、図8において、200は駆動ロー
ラ、201は金属ローラ、204は直流電源、205は
抵抗器、206は電位差計である。
【0098】また、第1の画像担持体としては、少なく
とも最外層にポリテトラフルホロエチレン(PTFE)
微粉末を含有する感光ドラムを用いると、より高い1次
転写効率が得られるために好ましい。これは、PTFE
微粉末を含有することにより、感光ドラム最外層の表面
エネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためで
はないかと考えられる。
【0099】次に、本発明における表面抵抗率及び体積
低効率について述べる。
【0100】<測定器> 抵抗計:超高抵抗計R8340A(アドバンステスト社
製) 試料箱:超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンステ
スト社製) 但し、主電極は直径25mm、ガード・リング電極は内
径41mm、外径49mmとする。
【0101】<サンプル>ベルトを直径56mmの円形
に切断する。切断後、片面はその全面をPt−Pd蒸着
膜により電極を設け、もう一方の面はPt−Pd蒸着膜
により直径25mmの主電極と内径38mm、外径50
mmのガード電極を設ける。Pt−Pd蒸着膜は、マイ
ルドスパッタE1030(日立製作所製)で蒸着操作を
2分間行うことにより得られる。蒸着操作を終了したも
のを試料サンプルとする。
【0102】<測定条件> 測定雰囲気:23℃/湿度55% (試料は予め23℃/湿度55%の雰囲気に12時間以
上放置しておく) 測定モード:プログラムモード5 (ディスチャージ10秒、チャージ及びメジャー30
秒) 印加電圧:1〜1000(V)
【0103】印加電圧は、本発明の画像形成装置で使用
される転写部材に印加される電圧の範囲の一部である1
〜1000Vの間で任意に選択できる。また、サンプル
の抵抗値、厚み及び絶縁破壊強さなどに応じて、上記印
加電圧の範囲において、使用される印加電圧は適宜変え
ることができる。また、前記印加電圧の何れか一点の電
圧で測定された複数箇所の体積抵抗率及び表面抵抗率
が、本発明の抵抗範囲に含まれれば、本発明の目的とす
る抵抗範囲であると判断される。
【0104】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例中、「部」は重量部である。
【0105】 (実施例1) ポリサルホン 70部 ポリカーボネート 30部 導電性カーボンブラック 12部
【0106】上記の配合を2軸の押し出し混練機で混練
し、所望の電気抵抗になるようにカーボンなど添加剤を
十分にバインダー中に均一分散させ、1〜2mmのペレ
ットとした成形用原料(1)を得た。次に、図3に示さ
れる一軸押し出し機100のホッパー120へ前記混練
物を投入し、加熱して押し出すことにより、溶融体とし
た。溶融体は引き続いて、直径80mm、ダイギャップ
0.9mmの単層用押し出しダイス140に導かれた。
更に、そこで空気導入路150より空気を吹き込み、拡
大膨張させ、形状寸法180として直径95.5mm、
厚み120μmとした。更に、ベルト巾130mmで切
断し、シームレスエンドレスベルト状中間転写体190
を得た。
【0107】次に、中間転写ベルト190は図10に示
される形状安定治具に組み込み、中間転写ベルト190
のガラス転移点以上である200〜280℃の範囲で約
10〜30分間加熱処理を施し、その後室温まで冷却
し、本発明の中間転写ベルト(1)を得た。この中間転
写ベルト(1)はハガキ、名刺及びポストカードなどの
小サイズ用フルカラープリンターに用いられる中間転写
ベルトである。
【0108】この時の端部円周直径であるR1 ,R2
それぞれ95.2mm、95.7mmであり、また厚み
1 ,Z2 は110μm及び123μmであった。
【0109】RZ は形状安定治具の平滑な金型面に接触
させたため、かなり良好であり、R Z =0.98μmで
あった。その結果を表1に示す。
【0110】本実施例の形状安定治具とは図10に示さ
れるように、熱膨張率の異なった金属または樹脂などの
材質でできた外円筒枠500及び内円筒枠501よりな
り、外円筒枠500と内円筒枠501の間は所望に応じ
て50〜200μm前後のスキマに調整することができ
る。
【0111】このスキマに本発明の中間転写ベルト19
0を装着し、加熱することにより外円筒枠500と内円
筒枠501の間で中間転写ベルト190は加熱圧縮され
る。この加熱圧縮工程により、ベルト厚み及び周長など
の寸法、及びベルト表面の粗さは適正な状態に制御され
ることとなる。外円筒枠500と内円筒枠501は材質
の熱膨張率が異なるため一定温度で加熱すると、一方の
みが膨張し、外筒と内筒の間に適正なスキマを形成する
ことができる。
【0112】この中間転写ベルトの100V印加時の体
積抵抗は7×108 Ωであった。また、上記の中間転写
ベルト(1)を図9に示されるように周方向に4箇所、
各位置での軸方向に2箇所、計8箇所の測定を行い同一
中間転写ベルト内の電気抵抗のバラツキを測定したが、
8箇所の測定値は体積抵抗、表面抵抗とも1.5桁以内
に収まっていた。体積抵抗値の最大値、最小値はそれぞ
れ8.8×108 Ωcm、4.1×107 Ωcmであっ
た。中間転写ベルト(1)の目視観察によると、表面に
はブツ及びフィッシュアイなどの異物、及び成形不良は
見られなかった。
【0113】この中間転写ベルト(1)を図2に示され
るフルカラー電子写真装置に装着し、23℃/60%R
Hの環境下でハガキ用紙にシアンとマゼンタ、シアンと
イエローのそれぞれ2色を使用してブルーとグリーンの
文字画像及びライン画像をプリントした。
【0114】それぞれの画像を目視で判断し、色ズレと
画像飛び散りについて評価を行ったところ、両者とも問
題なく、良好な結果であった。
【0115】次に、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、2次転写残トナーにクリーニングローラで正規帯電
と逆の電荷を与えて感光体に戻す1次転写同時クリーニ
ング方式とし、フルカラー画像5万枚の連続耐久試験を
行った。
【0116】耐久後は初期と比較して極わずかの飛び散
りが見られたが、特に問題となることではなく、良好な
画像を得ることができた。クリープによる画像欠陥や駆
動不良、トナーのフィルミングもなく、ヒビ割れ、削れ
及び摩耗などの問題点も認められず、十分な耐久性を有
しているものと判断された。その結果を表2に示す。
【0117】 (実施例2) ポリサルホン 80部 ポリエーテルサルホン 20部 導電性カーボンブラック 16部
【0118】上記の配合を2軸押し出し機で混練分散
し、均一な混練物を得、成形用原料(2)とした。次
に、成形用原料(2)を用い、実施例1と同様の成形方
法を用いて中間転写ベルト(2)を得た。その結果を表
1に示す。
【0119】中間転写ベルト(2)の100V印加時の
電気抵抗は4×107 Ωであった。
【0120】この中間転写ベルト(2)の抵抗ムラは1
桁以内と良好であった。
【0121】次に、この中間転写ベルト(2)を使用し
て実施例1と同様にしてプリント試験を行ったところ、
中間転写ベルト(1)と同様に良好な結果であった。そ
の結果を表2に示す。
【0122】 (実施例3) ポリエーテルサルホン 80部 ポリブチレンテレフタレート 20部 導電性カーボンブラック 15部
【0123】上記の配合を2軸押し出し機で混練分散
し、均一な混練物を得、成形用原料(3)とした。次
に、この成形用原料(3)を用いた以外は実施例1と同
様の成形方法を用いて中間転写ベルト(3)を得た。そ
の結果を表1に示す。
【0124】次に、この中間転写ベルト(3)を使用し
て実施例1と同様にしてプリント試験を行ったところ、
中間転写ベルト(1)と同様に良好な結果であった。そ
の結果を表2に示す。
【0125】 (実施例4) ポリサルホン 100部 導電性カーボンブラック 10部
【0126】上記の配合を実施例1と同様の方法で混
合、分散し、1〜2mmのペレットとした成形用原料
(4)を得た。溶融体は引き続いて、図4に示される装
置を用いて直径300mmの環状押し出しダイスを使用
し、次に実施例1で用いた形状安定治具を用い、直径2
80mm、巾250mmの転写ベルト(1)を得た。そ
の結果を表1に示す。
【0127】この転写ベルトを図1の装置に張架し、実
施例1と同じパターン、同じ方法でプリント試験を行っ
た。
【0128】耐久後は初期と比較して特に問題となるこ
とはなく、良好な画像を得ることができた。クリープに
よる画像欠陥や駆動不良、トナーのフィルミングもな
く、ヒビ割れ、削れ及び摩耗などの問題点も認められ
ず、十分な耐久性を有しているものと判断された。走行
性も良好であった。その結果を表2に示す。
【0129】(比較例1)実施例1と同様にして中間転
写ベルトを得、更にベルトの表面粗さの効果を見るた
め、この表面を#800番の耐水研磨紙で研磨し、RZ
=2.30μmの中間転写ベルト(4)を得た。次に、
実施例1と同様にして画質評価を行った。その結果を表
1及び表2に示す。約1万枚の繰り返し連続耐久試験を
行ったが、約0.1〜0.2万枚前後から、クリーニン
グ用帯電部材7では除去できない転写残トナーが中間転
写ベルト(4)上に蓄積し始め、そのため画像上にトナ
ーで白地部を汚染する所謂カブリや、ベルト上でトナー
フィルミングが発生し、それが耐久枚数と共に増加し始
めた。この現象は、ベルト表面の面粗さが粗いため、ク
リーニング用帯電部材7と密着できず、部分的なスキマ
を介在しつつバイアスを印加するため、転写残トナーに
対し均一な帯電が行われなかったためと推測する。
【0130】(比較例2)形状安定治具を使用しない以
外は実施例1と同様にして中間転写ベルト(5)を得
た。その結果を表1及び表2に示す。
【0131】ベルト厚みのバラツキが所望の範囲よりも
大きいため、部分的な周速ムラが発生し、色ズレは許容
範囲外であった。
【0132】(比較例3)実施例1において、成形時の
単層用押し出し環状ダイス140を直径25mm、ダイ
ギャップ1.0mmのダイスに変更した以外実施例1と
同様にして中間転写ベルト(6)を得た。その結果を表
1及び表2に示す。ベルト内の抵抗均一性は不十分なも
のであった。
【0133】 (比較例4) 低密度ポリエチレン 100部 導電性カーボンブラック 15部
【0134】上記の配合を2軸押し出し機で混練分散
し、均一な混練物を得、成形用原料(5)とした。次い
で、形状安定治具は用いず、実施例1と同様にして直径
95.5mm、長さ130mm、厚み130μmの中間
転写ベルト(7)を得た。
【0135】この中間転写ベルト(7)の100V印加
時の電気抵抗は6×106 Ωであった。
【0136】次に、この中間転写ベルト(7)を使用し
て実施例1と同様にしてプリント試験を行ったところ、
中間転写ベルト(1)と比較すると初期において色ズレ
と飛び散りとも悪く、走行性も不安定であり、更に、耐
久により色ズレ、飛び散りが更に悪化し、画像ムラも発
生したため耐久試験を1万枚で中止した。この結果、材
料の強度と耐久性とが不十分であることが判明した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、色ずれや画像飛び散り
を低減した耐久性の高い転写部材及び該転写部材の製造
方法を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の概略構成図である。
【図2】他の画像形成装置の概略構成図である。
【図3】押し出し成形機の概略構成図である。
【図4】他の押し出し成形機の概略構成図である。
【図5】2層構成中間転写ベルトの部分図である。
【図6】3層構成中間転写ベルトの部分図である。
【図7】3層構成中間転写ベルトの全体図である。
【図8】電気抵抗の測定方法の例を示す図である。
【図9】電気抵抗の測定箇所の例を示す図である。
【図10】形状安定治具の概略構成図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
    を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
    される転写部材において、該転写部材がエンドレスベル
    ト形状を有し、その表面粗さRZ が0.08〜1.30
    μmの範囲にあると共に、体積抵抗の最大値が最小値の
    90倍以内であり、更に、該ベルトの端部周長より計算
    される端部円周の直径(単位mm)をそれぞれR1 ,R
    2 、端部の平均厚み(単位μm)をそれぞれZ1 ,Z2
    としたとき、下記式を満たすことを特徴とする転写部
    材。 【数1】
  2. 【請求項2】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
    を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
    される転写部材において、成形用原料を押し出し機で円
    筒状に溶融押し出しし、所望の形状寸法に成形する転写
    部材の押し出し成形比が0.5〜3.0であり、かつ該
    転写部材がエンドレスベルト形状を有し、その表面粗さ
    Z が0.08〜1.30μmの範囲にあると共に、体
    積抵抗の最大値が最小値の90倍以内であり、更に、該
    ベルトの端部周長より計算される端部円周の直径(単位
    mm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の平均厚み(単位μ
    m)をそれぞれZ1 ,Z2 としたとき、下記式を満たす
    ことを特徴とする転写部材。 【数2】
  3. 【請求項3】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
    を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
    される転写部材において、成形用原料を押し出し機で円
    筒状に溶融押し出しし、所望の形状寸法に成形する転写
    部材の押し出し成形比が1.05〜3.0であり、かつ
    該転写部材がエンドレスベルト形状を有し、その表面粗
    さRZ が0.08〜1.30μmの範囲にあると共に、
    体積抵抗の最大値が最小値の90倍以内であり、更に、
    該ベルトの端部周長より計算される端部円周の直径(単
    位mm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の平均厚み(単位
    μm)をそれぞれZ1 ,Z2 としたとき、下記式を満た
    すことを特徴とする転写部材。 【数3】
  4. 【請求項4】 成形後の転写部材の厚みが45〜300
    μmである請求項1〜3のいずれかに記載の転写部材。
  5. 【請求項5】 前記転写部材の体積抵抗が100 〜10
    14Ωである請求項1〜4のいずれかに記載の転写部材。
  6. 【請求項6】 転写部材が中間転写ベルトである請求項
    1〜5いずれかに記載の転写部材。
  7. 【請求項7】 転写部材が転写ベルトである請求項1〜
    5いずれかに記載の転写部材。
  8. 【請求項8】 転写部材が少なくとも、抵抗制御剤及び
    熱可塑性樹脂よりなるエンドレスベルトである請求項1
    〜7のいずれかに記載の転写部材。
  9. 【請求項9】 第1の像担持体上に形成されたトナー像
    を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使用
    される転写部材の製造方法において、成形用原料を押し
    出し機で円筒状に溶融押し出しし、所望の形状寸法に成
    形する転写部材の押し出し成形比が0.5〜3.0であ
    り、かつ該転写部材がエンドレスベルト形状を有し、そ
    の表面粗さRZ が0.08〜1.30μmの範囲にある
    と共に、体積抵抗の最大値が最小値の90倍以内であ
    り、更に、該ベルトの端部周長より計算される端部円周
    の直径(単位mm)をそれぞれR1 ,R2 、端部の平均
    厚み(単位μm)をそれぞれZ1 ,Z2 としたとき、下
    記式を満たすことを特徴とする転写部材の製造方法。 【数4】
  10. 【請求項10】 第1の像担持体上に形成されたトナー
    像を、第2の像担持体に静電的に転写する転写装置に使
    用される転写部材の製造方法において、成形用原料を押
    し出し機で円筒状に溶融押し出しし、次に気体を吹き込
    みつつ所望の形状寸法に成形する転写部材の押し出し成
    形比が1.05〜3.00であり、かつ該転写部材がエ
    ンドレスベルト形状を有し、その表面粗さRZ が0.0
    8〜1.30μmの範囲にあると共に、体積抵抗の最大
    値が最小値の90倍以内であり、更に、該ベルトの端部
    周長より計算される端部円周の直径(単位mm)をそれ
    ぞれR1 ,R2 、端部の平均厚み(単位μm)をそれぞ
    れZ1 ,Z2 としたとき、下記式を満たすことを特徴と
    する転写部材の製造方法。 【数5】
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