JP2001041401A - 水管ボイラ - Google Patents

水管ボイラ

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JP2001041401A
JP2001041401A JP11218447A JP21844799A JP2001041401A JP 2001041401 A JP2001041401 A JP 2001041401A JP 11218447 A JP11218447 A JP 11218447A JP 21844799 A JP21844799 A JP 21844799A JP 2001041401 A JP2001041401 A JP 2001041401A
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Toshihiro Kayahara
敏広 茅原
Akinori Kawakami
昭典 川上
Takashi Morimatsu
隆史 森松
Koichi Wakae
弘一 若江
Kanta Kondo
幹太 近藤
Tomohiro Okubo
智浩 大久保
Osamu Tanaka
収 田中
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Miura Co Ltd
Miura Institute of Research and Development Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Miura Institute of Research and Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス通路に面する伝熱面を全体的に改善し
て,すなわち伝熱面構造を3段階とし、ボイラ効率のさ
らなる向上を図るとともに、缶体全体のスリム化を図
る。 【解決手段】 複数の水管3により構成され、第一開口
部5を備えた環状の第一水管列4と、複数の水管3によ
り構成され、第二開口部10を備えた環状の第二水管列
9とからなり、前記第一水管列4の外側に前記第二水管
列9を配置するとともに、前記第一水管列4の内側に燃
焼室7を設け、前記両水管列4,9の間に前記第一開口
部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12を形成
し、このガス通路12に面する伝熱面をガスの流れに沿
って上流側から高温域伝熱面構造,中温域伝熱面構造お
よび低温域伝熱面構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貫流ボイラ,自
然循環式水管ボイラ,強制循環式水管ボイラなどの水管
ボイラの缶体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水管ボイラの缶体構造には、複数本の水
管を環状に配置して内側水管列を形成し、この内側水管
列の内側を燃焼室とし、前記内側水管列の外側にさらに
複数本の水管を環状に配置して外側水管列を形成し、両
水管列の間にガス通路を形成したものがある。前記燃焼
室内では主に輻射による伝熱が行われ、前記ガス通路で
は主に対流による伝熱が行われる。
【0003】前記水管ボイラでは、ボイラ効率の向上を
図るために、前記水管に伝熱フィンを設けて伝熱面積を
増大させる対策が実施されている。具体的には、前記外
側水管列に設けた開口部近傍の所定本数の外側水管に全
周フィンを設けて、ボイラ効率の向上を図っているもの
がある(たとえば、特開平9−133301号公報参
照)。しかし、前記ガス通路に面している伝熱面のう
ち、前記外側水管列の一部の伝熱面構造しか改善がなさ
れていない。すなわち、前記伝熱面の構造が、前記外側
水管列の開口部近傍とそれより上流側の2段階に設定さ
れたものに過ぎない。しかも、前記全周フィンを設けた
水管は、前記全周フィンの焼損を防止するために、ガス
温度が所定温度以下に低下した領域に設けられるが、こ
の領域は、前記ガス通路全体からすると下流側のごく限
られた領域である。したがって、伝熱量の増加が充分に
図られたものとはなっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、ガス通路に面する伝熱面を全体的に改善
して,すなわち伝熱面構造を3段階とし、ボイラ効率の
さらなる向上を図るとともに、缶体全体のスリム化を図
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、複数の水管により構成され、第一開口部を備えた環
状の第一水管列と、複数の水管により構成され、第二開
口部を備えた環状の第二水管列とからなり、前記第一水
管列の外側に前記第二水管列を配置するとともに、前記
第一水管列の内側に燃焼室を設け、前記両水管列の間に
前記第一開口部から前記第二開口部へ至るガス通路を形
成し、このガス通路に面する伝熱面をガスの流れに沿っ
て上流側から高温域伝熱面構造,中温域伝熱面構造およ
び低温域伝熱面構造としたことを特徴としている。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記高温域伝熱
面構造は、前記両水管列がフィン無し水管による水管壁
構造であり、前記中温域伝熱面構造は、少なくとも前記
第二水管列が片側フィン付水管による水管壁構造であ
り、前記低温域伝熱面構造は、前記第一水管列がフィン
無し水管による水管壁構造であり、前記第二水管列が全
周フィン付水管を互いに所定の間隔をおいて配置した構
造であることを特徴としている。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記高温域伝熱
面構造は、前記両水管列がフィン無し水管による水管壁
構造であり、前記中温域伝熱面構造は、少なくとも前記
第二水管列が片側フィン付水管による水管壁構造であ
り、前記低温域伝熱面構造は、前記第一水管列が片側フ
ィン付水管による水管壁構造であり、前記第二水管列が
全周フィン付水管を互いに所定の間隔をおいて配置した
構造であることを特徴としている。
【0008】さらに、請求項4に記載の発明は、前記低
温域伝熱面構造を構成する前記片側フィン付水管が、そ
の軸方向に沿って延在した状態で設けられた第三伝熱フ
ィンをもって構成されており、この第三伝熱フィンが前
記全周フィン付水管間へ突出していることを特徴として
いる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明は、多管式の水管ボイラとし
て実施され、蒸気ボイラや温水ボイラのほか、熱媒を加
熱する熱媒ボイラなどに適用される。
【0010】複数の水管により環状の第一水管列が形成
され、この第一水管列の内側に燃焼室が設けられてい
る。前記第一水管列の外側に、複数の水管により環状の
第二水管列が形成され、この第二水管列と前記第一水管
列との間にガス通路が設けられている。前記第一水管列
には第一開口部が設けられ、この第一開口部により前記
燃焼室と前記ガス通路とが連通している。前記第二水管
列には第二開口部が設けられ、この第二開口部により前
記ガス通路と煙道とが連通している。
【0011】前記ガス通路は、ガスの流れに沿って上流
側から順に、ガス温度に応じて高温域,中温域および低
温域に区分され、前記ガス通路に面する伝熱面は、前記
各温度域に対応して高温域伝熱面構造,中温域伝熱面構
造および低温域伝熱面構造がそれぞれ設定されている。
これらの各伝熱面構造は、ガス温度に応じて、前記各水
管の熱負荷,前記ガス通路の流通抵抗,前記各水管に設
けた伝熱フィンの焼損等を考慮した上で最大の伝熱量を
得ることができるように、最適の伝熱面構造がそれぞれ
設定されている。すなわち、前記高温域伝熱面構造は、
前記両水管列が複数のフィン無し水管による水管壁構造
に設定され、前記中温域伝熱面構造は、少なくとも前記
第二水管列が複数の片側フィン付水管による水管壁構造
に設定され、前記低温域伝熱面構造は、前記第一水管列
が複数のフィン無し水管による水管壁構造に設定され、
前記第二水管列が複数の全周フィン付水管を互いに所定
の間隔をおいて配置した構造に設定されている。
【0012】まず、前記高温域伝熱面構造について説明
する。前記高温域を流れるガスは比較的高温のため、前
記高温域伝熱面構造は、前記両水管列とも伝熱フィンを
設けないフィン無し水管とし、水管の熱負荷が高くなり
過ぎないようにしている。水管の熱負荷が高くなり過ぎ
ないため、スケールが付着しにくく、前記水管の焼損が
確実に防止される。
【0013】つぎに、前記中温域伝熱面構造について説
明する。前記中温域は、前記高温域における伝熱により
ガス温度が低下し、それに伴う体積の減少によりガス流
速が低下し、その分伝熱量が減少する。そこで、前記中
温域伝熱面構造は、前記水管の片側(前記ガス通路側)
に伝熱フィンを設けて水管1本当たりの伝熱面積を増大
させ、伝熱量を増加させている。前記中温域伝熱面構造
は、少なくとも前記第二水管列が前記片側フィン付水管
で構成されるが、前記両水管列を前記片側フィン付水管
で構成すると、前記中温域における伝熱量がより増加す
る。
【0014】ここにおいて、前記中温域伝熱面構造にお
ける前記伝熱フィンは、前記水管の周壁から前記ガス通
路へ向けて突出する横ヒレ形状とし、平板状のフィン部
材をほぼ水平にかつ前記水管の軸方向に多段状に設けた
構成とする。前記伝熱フィンを横ヒレ形状にすると、ガ
スの流通抵抗が増大せず、圧力損失の少ない缶体構造と
することができる。また、前記伝熱フィンは、前記水管
の軸方向に亘って延在する縦ヒレ形状とすることもで
き、たとえば平板状,棒状あるいは断面略L字形状等の
フィン部材を前記水管の軸方向に沿って設けた構成とす
ることもできる。
【0015】したがって、前記中温域伝熱面構造が、前
記片側フィン付水管で構成されているので、前記中温域
におけるガス温度の低下度合いが大きくなる。これによ
り、前記中温域の下流側におけるガス温度が、前記低温
域おける前記全周フィン付水管の伝熱フィンが焼損しな
い温度まで確実に低下する。また、ガス温度がより上流
位置で前記低温域の設定ガス温度まで低下するので、前
記中温域における水管本数を減らして、前記中温域にお
ける前記ガス通路の長さを短くすることができる。
【0016】さらに、前記低温域伝熱面構造について説
明する。前記低温域は、前記中温域よりさらにガス温度
が低下しているため、前記低温域伝熱面構造は、前記第
二水管列を前記全周フィン付水管として、水管1本当た
りの伝熱面積をさらに増大させている。また、前記低温
域では、前記第二水管列が前記ガス通路内に挿入された
構成となり、ガスが前記第二水管列の内外両側を流れ、
水管の周壁全体にガスが接触して伝熱が行われることに
より、伝熱量が大幅に増加する。
【0017】ここにおいて、前記全周フィン付水管の伝
熱フィンは、帯状のフィン部材を前記水管の周壁にスパ
イラル状に巻き付けた構成とする。また、前記伝熱フィ
ンは、複数の円板状のフィン部材をそれぞれ分離させて
前記水管の軸方向に多段状に設けた構成とすることもで
きる。さらに、前記伝熱フィンは、周方向に複数個に分
割したフィン部材を前記水管の軸方向に多段状に設けた
構成とすることもできる。
【0018】また、前記低温域伝熱面構造を構成する前
記第一水管列は、前記フィン無し水管による水管壁構造
に代えて片側フィン付水管による水管壁構造とすること
もできる。この片側フィン付水管の伝熱フィンは、前記
縦ヒレ形状とし、たとえば平板状,棒状あるいは断面略
L字形状等のフィン部材を、前記水管の軸方向に沿って
延在した状態で設けた構成とする。前記伝熱フィンは、
前記第二水管列の前記全周フィン付水管間へ向けて突出
して設けられ、前記全周フィン付水管間にガスが滞留す
るのを防止する乱流促進部材としても作用する。また、
前記伝熱フィンは、前記横ヒレ形状とすることもでき、
平板状のフィン部材をほぼ水平にかつ前記水管の軸方向
に多段状に設けた構成とすることもできる。
【0019】以上のように、前記3段階の伝熱面構造に
よれば、前記ガス通路に面する伝熱面構造を全体的に工
夫したものであり、前記ガス通路に面する伝熱面をガス
温度に応じて最適の伝熱面構造とすることができ、ボイ
ラ効率を格段に向上させることができる。また、前記中
温域伝熱面構造を設けることにより、ガス温度をより上
流位置で低下させることができ、伝熱量の増加に対して
効果の大きい前記低温域伝熱面構造をより上流位置を始
点として設けることができる。さらに、同じ蒸発量の缶
体と比較して、水管本数を減らすことができるので、缶
体の外径をより小さくしてスリムな缶体とすることがで
きる。
【0020】
【実施例】以下、この発明を多管式の貫流ボイラに適用
した実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0021】まず、図1および図2に示す第一実施例に
ついて説明する。図1は、この発明の第一実施例におけ
る縦断面説明図であり、図2は、図1のII−II線に沿う
横断面説明図である。
【0022】最初にボイラの缶体構成について説明する
と、ボイラの缶体は、所定の距離を離して配置された上
部管寄せ1および下部管寄せ2を備えている。これらの
上部管寄せ1および下部管寄せ2の間には、複数の水管
3,3,…が環状に配置されている。これらの各水管3
は、水管壁構造をした環状の第一水管列4を形成し、前
記各水管3の上下端部は、前記上部管寄せ1および前記
下部管寄せ2にそれぞれ接続されている。前記第一水管
列4は、その一部に第一開口部5を備えている。前記各
水管3は、前記第一開口部5を除いて、密接された状態
または第一縦ヒレ部材6,6,…によりそれぞれ連結さ
れている。
【0023】前記第一水管列4の内側には、燃焼室7が
設けられている。この燃焼室7の上方には、バーナ8が
取り付けられている。このバーナ8は、前記上部管寄せ
1の内方中央部から前記燃焼室7へ向けて挿入されてい
る。また、前記バーナ8は、送風機(図示省略)を備え
ている。
【0024】前記第一水管列4の外側には、複数の水管
3,3,…が環状に配置されている。これらの各水管3
は、環状の第二水管列9を形成し、前記各水管3の上下
端部は、前記上部管寄せ1および前記下部管寄せ2にそ
れぞれ接続されている。前記第二水管列9は、その一部
に第二開口部10を備えている。この第二開口部10
は、前記第一水管列4の前記第一開口部5に対して約1
80度反対側に設けられている。前記各水管3間には、
前記第二開口部10および前記第二開口部10から所定
距離上流側の範囲を除いて、第二縦ヒレ部材11,1
1,…が設けられ、前記各水管3は前記各第二縦ヒレ部
材11でそれぞれ連結されている。前記第一水管列4の
各水管3と前記第二水管列9の各水管3とは、周方向に
ほぼ半ピッチずつずらした状態で配置されている。
【0025】前記第一水管列4と前記第二水管列9との
間には、前記第一開口部5から前記第二開口部10へ至
るガス通路12,12が設けられている。この両ガス通
路12は、前記第一開口部5を介して前記燃焼室7と連
通し、前記第二開口部10を介して煙道13と連通して
いる。したがって、前記燃焼室7を出たガスは、前記第
一開口部5で分岐して前記両ガス通路12へそれぞれ流
入し、前記第二開口部10において合流して前記煙道1
3へ流入するようになっている。
【0026】さて、前記缶体構成において、前記ガス通
路12を流れるガスの温度は、前記両水管列4,9への
伝熱により下流側へ向かうにしたがって低下していく。
そこで、この第一実施例においては、ガス温度の低下の
度合いに応じて、前記ガス通路12に面する前記両水管
列4,9によって構成される伝熱面構造を、高温域伝熱
面構造,中温域伝熱面構造および低温域伝熱面構造の3
段階とし、つぎのように設定している。なお、以下の説
明においては、前記両ガス通路12は、前記第一開口部
5から前記第二開口部10へ至る通路としてほぼ対称と
なっているので、一方の前記ガス通路12について説明
する。
【0027】まず、高温域伝熱面構造について説明す
る。前記第一開口部5から前記ガス通路12へ流入した
ガスの温度は、約1300℃である。ガス温度が約90
0℃〜約1300℃の高温域においては、前記両水管列
4,9は、複数のフィン無し水管A,A,…による水管
壁構造となっている。前記フィン無し水管Aは、伝熱フ
ィンを設けない構成となっており、前記水管3の熱負荷
が高くなり過ぎないようになっている。また、伝熱フィ
ンを設けない代わりに、前記ガス通路12の幅を若干狭
めて流路断面積を小さくすることによりガス流速を増加
させ、前記水管3の過熱が生じない熱負荷の範囲内で伝
熱量の増加を図る構成とすることができる。
【0028】つぎに、中温域伝熱面構造について説明す
る。ガス温度が約500℃〜約900℃の中温域におい
ては、前記両水管列4,9は、複数の片側フィン付水管
B,B,…による水管壁構造となっている。前記片側フ
ィン付水管Bは、前記水管3の片側(前記ガス通路12
側)に横ヒレ形状の多数の第一伝熱フィン14,14,
…が多段状に設けられている。ガス温度が低下すると、
体積が減少してガス流速も低下するが、前記片側フィン
付水管Bとすることにより、水管1本当たりの伝熱面積
が増大し伝熱量が増加する。
【0029】ここにおいて、前記第一伝熱フィン14
は、前記水管3の周壁から前記ガス通路12へ向けて突
出する横ヒレ形状でかつほぼ水平に設けられているの
で、ガスの流通抵抗の増大が抑えられる。加えて、前記
中温域は、ガス温度が約900℃以下となっているの
で、前記第一伝熱フィン14が焼損することがなく、ま
た前記片側フィン付水管Bの熱負荷が高くなり過ぎるこ
ともない。
【0030】また、前記各第一伝熱フィン14の取付け
ピッチは、上流側の水管3ほど大きく下流側の水管3ほ
ど小さくして,すなわち下流側ほどその取付け枚数を多
くして、ガスの流れに沿って伝熱面積が順次増加するよ
うに設定し、前記各水管3の熱負荷の均等化を図ること
もできる。前記伝熱面積を順次増加させる構成は、前記
各第一伝熱フィン14における前記水管3の周壁からの
突出高さを下流側ほど高くした構成により実施すること
もできる。さらに、前記取付けピッチの調節および前記
突出高さの調節は、両方組み合わせて実施することもで
きる。
【0031】さらに、低温域伝熱面構造について説明す
る。ガス温度が約500℃以下の低温域においては、前
記第一水管列4は、複数のフィン無し水管A,A,…に
よる水管壁構造となっており、前記第二水管列9は、複
数の全周フィン付水管C,C,…を互いに所定の間隔を
おいて配置した構造になっている。前記全周フィン付水
管Cは、第二伝熱フィン15として、帯状のフィン部材
が前記水管3の周壁にスパイラル状に巻き付けられてい
る。前記第二水管列9の内外両側をガスが流れ、前記全
周フィン付水管Cの外周全体にガスが接触して伝熱が行
われるようになっている。
【0032】ここにおいて、前記全周フィン付水管C
は、その内側となる前記第一水管列4側が前記第一水管
列4の前記フィン無し水管Aにほぼ接触した状態で配置
されており、また前記第一水管列4と反対側となる前記
全周フィン付水管Cの外側には、ガス通路壁として機能
する円弧状のガイド部材16がほぼ密着した状態で配置
されている。このガイド部材16は、前記低温域伝熱面
構造を構成する部分の隔壁として配置されるもので、そ
の上流側端部は、前記中温域伝熱面構造を構成する前記
第二水管列9の最下流側に位置する水管に連結されてお
り、またその下流側端部は、前記第二開口部10の一側
を画成する端部となっている。また、前記ガイド部材1
6は、ガスを前記各全周フィン付水管Cに沿うように流
すとともに、前記各全周フィン付水管Cとの間隔を狭め
てガス流速を高めることにより伝熱量を増加させる働き
をなす。
【0033】前記低温域においては、ガスが前記第二水
管列9の内外両側を流れるので、前記全周フィン付水管
Cの伝熱面を有効に作用させることができるとともに、
ガスの流通抵抗を低く抑えることができる。加えて、前
記低温域は、ガス温度が約500℃以下となっているの
で、前記第二伝熱フィン15や前記ガイド部材16の焼
損が防止される。すなわち、前記第二伝熱フィン15
は、前記中温域の前記第一伝熱フィン14より厚みが薄
く形成されており、また前記ガイド部材16は、前記水
管3のように冷却媒体となる水との接触がないため、ガ
ス温度が高いと焼損しやすいが、前記低温域のガス温度
は、前記中温域における伝熱により約500℃以下に低
下しているので、焼損が確実に防止される。さらに、前
記全周フィン付水管Cの熱負荷が高くなり過ぎることも
ない。
【0034】また、前記第二伝熱フィン15の巻付けピ
ッチは、各水管3とも同じにすることもできるし、下流
側の水管3ほど小さくして伝熱面積を順次増加させた構
成にすることもできる。伝熱面積を順次増加させると、
前記各全周フィン付水管Cの熱負荷の均等化を図ること
ができる。
【0035】ところで、この第一実施例においては、前
記第二開口部10のほぼ中央部に、ガス案内用水管17
を設けている。このガス案内用水管17は、ガスを最下
流位置,すなわち前記第二開口部10の両側に位置する
2本の前記全周フィン付水管C,Cに沿って案内しなが
ら前記煙道13へ導く働きをなす。前記ガス案内用水管
17を設けることにより、最下流位置に位置する前記両
全周フィン付水管C,Cにおける伝熱を効果的に行うこ
とができるとともに、前記ガス案内用水管17自体も熱
を回収する作用をなし、伝熱量が増加する。この第一実
施例においては、前記ガス案内用水管17に前記第二伝
熱フィン15が設けられている。
【0036】前記第二水管列9の外側には、断熱材18
が設けられ、さらにその外側に、缶体カバー19が設け
られている。
【0037】以上の構成の貫流ボイラにおいて、その作
用を説明する。前記バーナ8を作動させると、前記燃焼
室7内で燃焼反応が行われ、燃焼反応がほぼ完了した高
温のガスが、前記第一開口部5を通って前記ガス通路1
2へ流入する。前記ガス通路12へ流入したガスは、二
方向に分かれて前記ガス通路12を流れる。ガスが前記
ガス通路12を流れる際、ガスの熱が前記各水管3内の
被加熱流体に伝えられ、ガスの温度は下流側へ行くほど
低下する。前記第二開口部10で合流したガスは、前記
煙道13から排ガスとして外部へ排出される。そして、
前記各水管3内の被加熱流体は、加熱されながら上昇
し、前記上部管寄せ1から蒸気として取り出される。
【0038】前記ガス通路12に面する前記両水管列
4,9の伝熱面構造を前記3段階の伝熱面構造とするこ
とにより、伝熱量が増加し、ボイラ効率が格段に向上す
る。特に、前記中温域および前記低温域の伝熱量が大幅
に増加する。しかも、全体的にガスの流通抵抗を増大さ
せることなく、かつ前記水管の熱負荷が高くなり過ぎな
いようにしつつ、ボイラ効率を向上させることができ
る。ガスの流通抵抗が増大しないため、能力の比較的小
さい送風機を使用することができ、また水管の熱負荷が
高くなり過ぎないため、スケールが付着しにくく前記水
管の焼損を確実に防止することができる。
【0039】ここで、前記中温域伝熱面構造を設けるこ
とによる効果について、さらに詳細に説明する。前記中
温域伝熱面構造を設けることにより、ガス温度をより上
流位置で約500℃まで低下させることができ、伝熱量
の増加に対して効果の大きい前記低温域伝熱面構造をよ
り上流位置を始点として設けることができる。これは、
前記中温域伝熱面構造による伝熱量の増加と相俟って、
さらなる伝熱量の増加に頗る効果的である。
【0040】そして、前記中温域伝熱面構造を設けるこ
とにより、前記中温域における前記ガス通路12の長さ
を短くすることができ、その分、前記水管3の本数を減
らすことができる。したがって、缶体の外径を小さくし
てスリムな缶体とすることができ、省スペース化を図る
ことができる。
【0041】ところで、前記伝熱面構造によれば、缶体
の外壁の温度を低く抑えることもできる。すなわち、ガ
ス温度が相対的に高い前記高温域および前記中温域で
は、前記第二水管列9を水管壁構造としているため、前
記第二水管列9の外側は比較的低温となっている。ま
た、前記低温域においては、ガス温度が低下しているた
め、前記ガイド部材16の外側は比較的低温になってい
る。したがって、前記伝熱面構造によれば、前記ガイド
部材16および前記断熱材18として比較的耐熱性の低
いものを用いることができるとともに、前記断熱材18
を厚くする必要がなく、缶体の外径を小さくすることが
できる。
【0042】つぎに、図3に示す第二実施例について説
明する。ここにおいて、前記第一実施例と同様の構成部
材には同一の参照番号を付して、その詳細説明を省略す
る。さて、この第二実施例においては、ガイド部材16
が、全周フィン付水管Cの外周に沿って凹凸状に形成さ
れている。前記ガイド部材16を凹凸状に形成すること
により、ガス流速が増加し、またガスが前記全周フィン
付水管Cの外周全体とより密に接触して、伝熱量がさら
に増加する。
【0043】つぎに、図4に示す第三実施例について説
明する。ここにおいても、前記各実施例と同様の構成部
材には同一の参照番号を付して、その詳細説明を省略す
る。さて、この第三実施例においては、前記第二実施例
の凹凸状のガイド部材16に加えて、低温域の第一水管
列4に第三伝熱フィン20が設けられている。この第三
伝熱フィン20は、平板状のフィン部材が前記第一水管
列4の水管3の周壁にその軸方向に沿って延在した状態
で設けられ、その先端部が第二水管列9の全周フィン付
水管C間へ向けて突出している。
【0044】前記第三伝熱フィン20を設けることによ
り、前記全周フィン付水管C間にガスが滞留するのを、
より効果的に防止することができる。また、前記第三伝
熱フィン20は、ガス通路12の半径方向の幅を広げる
ことなく、前記第一水管列4の水管3に前記第二水管列
9の全周フィン付水管Cを接触させた状態で設けること
ができ、ガス流速の維持および缶体のスリム化の点でも
効果的である。
【0045】さらに、図5に示す第四実施例について説
明する。ここにおいても、前記各実施例と同様の構成部
材には同一の参照番号を付して、その詳細説明を省略す
る。さて、この第四実施例においては、低温域の第一水
管列4に第四伝熱フィン21が設けられている。この第
四伝熱フィン21は、中温域における第一伝熱フィン1
4と同様に、横ヒレ形状とし、平板状のフィン部材がほ
ぼ水平にかつ水管3の軸方向に多段状に設けられてい
る。前記第四伝熱フィン21は、前記第一伝熱フィン1
4より前記水管3の周方向に広がり、1枚当たりの伝熱
面積が大きくなっている。
【0046】以上の前記各実施例は、前記ガス通路12
において、前記第一開口部5から流入したガスが二方向
に分かれて流れ、前記第二開口部10で合流する,いわ
ゆるオメガフローの缶体について説明したが、この発明
は、たとえば実開平7−12701号公報に記載されて
いるように、前記第一開口部5から流入したガスが一方
向に前記ガス通路12をほぼ一周するように流れる,い
わゆる「の」の字フローの缶体にも適用することができ
る。また、この発明は、たとえば特開平10−2630
3号公報に記載されているように、前記第一開口部5を
前記第一水管列4に周方向にほぼ等分に複数個設け、こ
れら各第一開口部5に対応させて前記ガス通路12を複
数のブロックに分割した構成の缶体にも適用することが
できる。
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、ガス通路に面する伝
熱面構造を全体的に工夫して、3段階の伝熱面構造とす
ることにより、ガス温度に応じて最適の伝熱面構造とす
ることができ、ボイラ効率を格段に向上させることがで
きる。また、高温域伝熱面構造と低温域伝熱面構造との
間に中温域伝熱面構造を設けることにより、ガス温度を
より上流位置で低下させることができ、伝熱量の増加に
対して効果の大きい低温域伝熱面構造をより上流位置を
始点として設けることができる。さらに、同じ蒸発量の
缶体と比較して、水管本数を減らすことができるので、
缶体の外径をより小さくしてスリムな缶体とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における第一実施例の縦断面説明図で
ある。
【図2】図1のII−II線に沿う横断面説明図である。
【図3】この発明における第二実施例の横断面説明図で
ある。
【図4】この発明における第三実施例の横断面説明図で
ある。
【図5】この発明における第四実施例の横断面説明図で
ある。
【符号の説明】
3 水管 4 第一水管列 5 第一開口部 7 燃焼室 9 第二水管列 10 第二開口部 12 ガス通路 20 第三伝熱フィン A フィン無し水管 B 片側フィン付水管 C 全周フィン付水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森松 隆史 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 若江 弘一 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 近藤 幹太 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 大久保 智浩 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 田中 収 愛媛県松山市堀江町7番地 株式会社三浦 研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の水管3により構成され、第一開口
    部5を備えた環状の第一水管列4と、複数の水管3によ
    り構成され、第二開口部10を備えた環状の第二水管列
    9とからなり、前記第一水管列4の外側に前記第二水管
    列9を配置するとともに、前記第一水管列4の内側に燃
    焼室7を設け、前記両水管列4,9の間に前記第一開口
    部5から前記第二開口部10へ至るガス通路12を形成
    し、このガス通路12に面する伝熱面をガスの流れに沿
    って上流側から高温域伝熱面構造,中温域伝熱面構造お
    よび低温域伝熱面構造としたことを特徴とする水管ボイ
    ラ。
  2. 【請求項2】 前記高温域伝熱面構造は、前記両水管列
    4,9がフィン無し水管Aによる水管壁構造であり、前
    記中温域伝熱面構造は、少なくとも前記第二水管列9が
    片側フィン付水管Bによる水管壁構造であり、前記低温
    域伝熱面構造は、前記第一水管列4がフィン無し水管A
    による水管壁構造であり、前記第二水管列9が全周フィ
    ン付水管Cを互いに所定の間隔をおいて配置した構造で
    あることを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記高温域伝熱面構造は、前記両水管列
    4,9がフィン無し水管Aによる水管壁構造であり、前
    記中温域伝熱面構造は、少なくとも前記第二水管列9が
    片側フィン付水管Bによる水管壁構造であり、前記低温
    域伝熱面構造は、前記第一水管列4が片側フィン付水管
    Bによる水管壁構造であり、前記第二水管列9が全周フ
    ィン付水管Cを互いに所定の間隔をおいて配置した構造
    であることを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。
  4. 【請求項4】 前記低温域伝熱面構造を構成する前記片
    側フィン付水管Bが、その軸方向に沿って延在した状態
    で設けられた第三伝熱フィン20をもって構成されてお
    り、この第三伝熱フィン20が前記全周フィン付水管C
    間へ突出していることを特徴とする請求項3に記載の水
    管ボイラ。
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US09/630,389 US6269782B1 (en) 1999-08-02 2000-08-01 Water-tube boiler
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015135218A (ja) * 2014-01-20 2015-07-27 株式会社日本サーモエナー 多管式貫流ボイラ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015135218A (ja) * 2014-01-20 2015-07-27 株式会社日本サーモエナー 多管式貫流ボイラ

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