JP3038625B2 - 水管ボイラ - Google Patents

水管ボイラ

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JP3038625B2
JP3038625B2 JP4231426A JP23142692A JP3038625B2 JP 3038625 B2 JP3038625 B2 JP 3038625B2 JP 4231426 A JP4231426 A JP 4231426A JP 23142692 A JP23142692 A JP 23142692A JP 3038625 B2 JP3038625 B2 JP 3038625B2
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與四郎 竹村
眞 井戸口
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株式会社荏原総合研究所
荏原ボイラ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状の上部管寄せ又は上
部胴と下部管寄せ又は下部胴とを多数の内側水管と外側
水管で連通した構造の水管ボイラに関するものである。
【0002】
【従来技術】図5は、従来のこの種の水管ボイラの構造
を示す平断面図である。図示するように、従来の水管ボ
イラは、上部管寄せ又は上部胴(図示せず)と下部管寄
せ又は下部胴(図示せず)とを多数の内側水管3と外側
水管4で連通し、この内側水管3の列からなる環状水管
壁と外側水管4の列からなる環状水管壁の間に燃焼ガス
通路5を形成し、該内側水管壁の全長にわたる開口部1
0を設けて、内側水管壁内に形成された燃焼室8と燃焼
ガス通路5とを連通させると共に、外側水管壁の全長に
わたる開口部11を設けて、燃焼ガス通路5と煙道12
を連通させ、更に該燃焼ガス通路5に面した内側水管3
と外側水管4に断面アングル形状のヒレ13を設けた構
造である。
【0003】上記構造の水管ボイラにおいて、燃焼室8
を出た燃焼ガスは内外側水管3,4又は断面アングル形
状のヒレ13によって形成された燃焼ガス通路5、即ち
連続して直角に近い方向変換を繰り返すジグザグ通路を
流れることにより、内外側水管3,4の表面又は断面ア
ングル形状のヒレ13の一辺に衝突を繰り返して水管及
びヒレと強制対流伝熱による熱交換を行ないガス温度を
下げつつ煙道へ向かう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の水管ボイラにおいては、下記のような問題があ
った。 (1)燃焼室出口付近(開口部10の付近)では、燃焼
ガスは高温状態であるから、燃焼ガスの体積流量が大き
くなり通風抵抗が増大する。 (2)また、内側環状水管壁の隣合う内側水管と内側水
管の間は水管に囲まれたV字形状となり、ここに燃焼ガ
スが充分に流れず、燃焼ガスが停滞する停滞領域とな
る。特に、隣合う水管と水管が接する領域、即ちV字形
状の深い伝熱領域ほど燃焼ガスの伝熱に寄与していない
部分であった。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を解決し通風抵抗が小さく、且つ熱伝達
効率の優れた伝熱面を有する水管ボイラを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、水管ボイラにおいて、内側水管の環状水管列
に設けた開口部から燃焼ガス通路の適当な長さにわた
り、隣合う内側水管と内側水管の間に燃焼ガスが通る
間を設け、該隙間の寸法を燃焼ガス通路の燃焼ガスが流
れる下流に向かって漸減したことを特徴とする。
【0007】
【0008】
【作用】水管ボイラを上記の如く構成することにより、
燃焼室からの燃焼ガスは内側水管の環状水管壁に設けた
開口部を通って燃焼ガス通路に流れる以外に、一部は隣
合う内側水管と内側水管の間の隙間を通って燃焼ガス通
路へ流れる。これにより、内側水管列からなる環状水管
壁に設けた開口部から流れる燃焼ガス量が減少すると共
に、隙間が形成されている燃焼ガス通路の領域では、該
隙間がない場合にながれる燃焼ガス量よりも少ない量と
なる。従って、隙間が形成された適当な長さの燃焼ガス
通路では、流れる燃焼ガス量が減少することから、通風
抵抗が低下する。
【0009】また、隣合う内側水管と内側水管の間の隙
間を燃焼ガスが流れることから、従来の伝熱寄与が少な
かった隣合う内側水管と内側水管の間のV字形状の領域
の伝熱面を有効に活用することができる。特に燃焼ガス
通路を流れる主たる燃焼ガスと隣合った内側水管と内側
水管の間を流れるより温度が低い一部の燃焼ガスが混合
することから、燃焼ガス温度の低下、即ち熱効率の改善
にも役立つ。また、隣合う内側水管と内側水管の間の隙
間を燃焼ガス通路の燃焼ガスの流れる方向に向かって漸
減したことにより後に詳述するように上記のような作用
が一層顕著となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は本発明の一実施例である水管ボイ
ラの構造を示す図で、図1はその縦断面図、図2はその
平断面図である。図示するように、本水管ボイラは上部
管寄せ又は上部胴1及び下部管寄せ又は下部胴2をとも
に環状に形成し、該上部管寄せ又は上部胴1と下部管寄
せ又は下部胴2とを多数の内側水管3と外側水管4で連
結されている。
【0011】内側水管3は互いに密接され環状水管壁と
して配列すると共に、外側水管4をヒレ16によって連
結され環状水管壁として配列している。内側水管3の水
管壁と外側水管4の水管壁との間に燃焼ガス通路5が形
成されている。燃焼ガス通路5に面した内側水管3及び
外側水管4の側面には断面アングル形状のヒレ13を管
長手方向に取り付け、内側水管3の環状水管壁内に燃焼
室8を形成する。内側水管3の列に開口部10を設けて
燃焼室8と燃焼ガス通路5とを連通させ、外側水管の列
に開口部11を設けて燃焼ガス通路5と煙道12とを連
通させている。
【0012】外側水管壁の外側にケーシング6を設けガ
スタイト構造になっており、該ケーシング6の外側には
断熱材7を設けている。上部管寄せ又は上部胴1の内側
に燃焼装置9が設けられている。内側水管3と外側水管
4とは周方向に略半ピッチ角ずつずらして配列されてい
る。そして、燃焼ガス通路5に面した内側水管3及び外
側水管4の水管長手方向に水管全長にわたり断面アング
ル形状のヒレ13が設けてある。
【0013】内側水管3で形成される環状水管壁内に設
けた燃焼室8からの燃焼ガスの出口(開口部10)から
燃焼ガスの流れの下流に向かって適当な長さの燃焼ガス
通路5にわたり隣合う内側水管と内側水管の間に僅かな
隙間15を設けており、この隙間15の寸法を下流に向
かって漸減している。
【0014】上記構成の水管ボイラにおいて、燃焼装置
9で発生し燃焼室8で燃焼した燃焼ガスは開口部10に
向かって、分岐して燃焼ガス通路5に入ると共に、一部
の燃焼ガスは、隣合う内側水管3と内側水管3の間に設
けられた隙間15を通って燃焼ガス通路5に至る。そし
て内外側水管3,4及び断面アングル形状のヒレ13に
案内され、内外側水管3,4に対して直交する方向に燃
焼ガス通路5を通り、外側水管4の水管壁に設けられた
開口部11で合流して煙道12から外部に排出される。
【0015】図3は本発明の他の実施例である水管ボイ
ラの構造を示す平断面図である。本水管ボイラが図1及
び図2に示す構造の水管ボイラと異なる点は、燃焼ガス
の出口(開口部10)から燃焼ガスの流れの下流に向か
って適当な長さの燃焼ガス通路5にわたり配設される内
外側水管は断面アングル形状のヒレの無い水管14を配
設している点であり、他の点は図1及び図2に示す構造
の水管ボイラと略同一である。
【0016】図4は本発明の他の実施例である水管ボイ
ラの構造を示す平断面図である。本水管ボイラが図1及
び図2に示す構造の水管ボイラと異なる点は、隣合う内
側水管3もヒレ17で連結した構成であると共に、燃焼
室8からの燃焼ガスの出口(開口部10)から燃焼ガス
の流れの下流に向かって適当な長さの燃焼ガス通路5に
わたり隣合う内側水管と内側水管の間をヒレで連結せず
隙間15としている点及び開口部10の近くの内外側水
管3,4を断面アングル形状のヒレの無い水管14とし
ている点である。その他の点は図1及び図2に示す構造
の水管ボイラと略同一である。なお、この場合内側水管
と該内側水管に隣合う水管に設けたヒレとの間に隙間1
5を設けるようにしても良いことは当然である。
【0017】水管ボイラを図1、図2、図3及び図4に
示す構造とすることにより、燃焼室8からの燃焼ガスは
内側水管3の環状水管壁に設けた開口部10を通って燃
焼ガス通路に流れる以外に、一部は内側水管3と内側水
管3の間の隙間15及び水管14と水管14の間の隙間
15を通って燃焼ガス通路5へ流れる。これにより、内
側水管3からなる環状水管壁に設けた開口部10から流
れる燃焼ガス量が減少すると共に、隙間15が形成され
ている燃焼ガス通路の領域では、該隙間15がない場合
にながれる燃焼ガス量よりも少ない量となる。従って、
前記僅かな隙間15が形成された適当な長さの燃焼ガス
通路5では、流れる燃焼ガス量が減少することから、通
風抵抗が低下する。
【0018】また、隣合う内側水管の間の隙間を燃焼ガ
スが流れることから、従来の伝熱寄与が少なかった隣合
う内側水管3の間のV字形状の領域の伝熱面を有効に活
用することができる。特に隙間15を構成する隣合う内
側水管と内側水管の間の伝熱面と熱交換して燃焼ガス温
度を下げるが、この低下した燃焼ガス温度と等しいか又
はそれ以上の温度を保持する燃焼ガス通路5にわたっ
て、隣合う内側水管3と内側水管の間の隙間15を設け
ることによって、燃焼ガス通路5を流れる主たる燃焼ガ
スと隙間15を流れるより温度が低い一部の燃焼ガスを
混合することから、燃焼ガス温度の低下、即ち熱効率の
改善にも役立つ。
【0019】また、隣合う内側水管3と内側水管3の間
の隙間15を燃焼ガス通路の燃焼ガスの流れる方向に向
かって漸減することにより、上記のような作用が一層顕
著となる。即ち、通風抵抗が低下する点に関しては、隣
合う内側水管3と内側水管3の間の隙間15を燃焼ガス
温度が高い上流では広くとり、燃焼ガス温度が低くなる
下流では狭くする。通風損失は燃焼ガス温度が高いほど
体積流量が増加して大きくなるという特徴がある。この
特徴から燃焼ガス温度が高い上流では、隣合う内側水管
3と内側水管の間の隙間15を広くして、該隙間15に
比較的多くの燃焼ガスをバイパスとして流すことによ
り、燃焼ガス通路5を流れる燃焼ガス量を少なくし、通
風抵抗を大幅に低下させることができる。
【0020】また、燃焼室8から出た燃焼ガスは燃焼ガ
ス通路5を流れると共に、その温度が低下する。隣合っ
た内側水管3と内側水管3の間の隙間15を広くとった
上流では、この隙間15を通過して燃焼室8から燃焼ガ
ス通路5へ流れる燃焼ガス流量も比較的多量となること
から隙間15をバイパスしてながれる燃焼ガスが隣合う
内側水管3と内側水管3の間の伝熱面との熱交換により
下がる温度低下分もまた小さいものとなる。また、隣合
う内側水管3と内側水管3の間の隙間15を狭くした燃
焼ガス通路5の下流では隙間15をバイパスしてながれ
る燃焼ガス量が少ないことから、隣合う内側水管3と内
側水管3の間の伝熱面との熱交換により下がる温度低下
分は大きいものとなる。
【0021】この作用を活かして燃焼ガス通路を流れる
燃焼ガスの温度低下状況に併せて、隣合った内側水管3
の間の隙間15を上流から下流に向かって漸減すること
により、隣合う内側水管3の間の伝熱面を一層有効に活
用することができ、燃焼ガス温度の低下及び熱効率の改
善に一層役立つ。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば下記
のような効果が期待できる。 (1)内側水管の環状水管列に設けた開口部から燃焼ガ
ス通路の適当な長さにわたり、隣合う内側水管と内側水
管の間に燃焼ガスが通る隙間を設け、該隙間の寸法を燃
焼ガス通路の燃焼ガスが流れる下流に向かって漸減した
ので、燃焼ガスの体積流量が大きい温度の高い上流側で
は寸法の大きい隙間を多くの燃焼ガスが流れ、燃焼ガス
の体積流量が小さい温度の低い下流側の寸法の小さい隙
間を少ない燃焼ガスが流れることになり、通風抵抗を低
下させることができる。特に燃焼ガス通路に面した内側
水管及び外側水管のいずれか一方又は双方に断面がアン
グル形状のヒレを水管長手方向に取付けた構造の水管ボ
イラにおいては燃焼ガス通路の通風抵抗が大きいから、
上記効果は顕著である。
【0023】(2)また、隣合う内側水管と内側水管の
間の隙間を燃焼ガスが流れることから、従来の伝熱寄与
が少なかった隣合う内側水管と内側水管の間のV字形状
の領域の伝熱面を有効に活用することができ、熱効率の
改善ができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である水管ボイラの構造を示
す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例である水管ボイラの構造を示
す平断面図である。
【図3】本発明の他の実施例である水管ボイラの構造を
示す平断面図である。
【図4】本発明の他の実施例である水管ボイラの構造を
示す平断面図である。
【図5】従来の水管ボイラの構造を示す平断面図であ
る。
【符号の説明】
1 上部管寄せ又は上部胴 2 下部管寄せ又は下部胴 3 内側水管 4 外側水管 5 燃焼ガス通路 6 ケーシング 7 断熱材 8 燃焼室 9 燃焼装置 10 開口部 11 開口部 12 煙道 13 断面がアングル形状のヒレ 14 断面がアングル形状のヒレの無い水管 15 隙間 16 ヒレ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−70901(JP,A) 特開 昭62−178802(JP,A) 実開 平1−117402(JP,U) 実開 昭63−148003(JP,U) 実開 平1−151004(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F22B 21/06 F22B 37/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部管寄せ又は上部胴及び下部管寄せ又
    は下部胴をともに環状に形成し、該上部管寄せ又は上部
    胴と下部管寄せ又は下部胴とを多数の内側水管と外側水
    管で連通し、前記内側水管を互い密接し又はヒレによ
    って連結して環状水管壁として配列すると共に、前記外
    側水管を互いに密接し又はヒレによって連結して環状水
    管壁として配列し、前記内側水管の水管壁と前記外側水
    管の水管壁との間に燃焼ガス通路を形成し、該燃焼ガス
    通路に面した内側水管及び外側水管のいずれか一方又は
    双方に断面がアングル形状のヒレを管長手方向に取り付
    け、 前記内側水管の環状水管壁内に燃焼室を形成すると共
    に、前記内側水管の列に開口部を設けて前記燃焼室と前
    記燃焼ガス通路とを連通させ、前記外側水管の列に開口
    部を設け前記燃焼ガス通路と煙道とを連結させた構造の
    水管ボイラにおいて、 前記内側水管の環状水管列に設けた開口部から燃焼ガス
    通路の適当な長さにわたり、隣合う内側水管と内側水管
    の間に燃焼ガスが通る隙間を設け、該隙間の寸法を燃焼
    ガス通路の燃焼ガスが流れる下流に向かって漸減した
    とを特徴とする水管ボイラ。
  2. 【請求項2】 前記内側水管の環状水管列に設けた開口
    部から燃焼ガス通路の燃焼ガスの流れの下流に向かって
    適当な長さの燃焼ガス通路にわたり内側水管及び外側水
    管に断面がアングル形状のヒレのない水管を配置した
    とを特徴とする請求項1に記載の水管ボイラ。
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