JP2001041090A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JP2001041090A
JP2001041090A JP11217091A JP21709199A JP2001041090A JP 2001041090 A JP2001041090 A JP 2001041090A JP 11217091 A JP11217091 A JP 11217091A JP 21709199 A JP21709199 A JP 21709199A JP 2001041090 A JP2001041090 A JP 2001041090A
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fuel
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路20に触媒22を備え、気筒2内の
燃焼室4に燃料を直接、噴射供給するようにしたディー
ゼルエンジン1において、排気ガス成分の濃度等を周期
的に変動させて触媒22の作用を高めるとともに、それ
に伴うエンジン1のトルク変動を低減する。 【解決手段】 エンジン1の運転状態等に対応する基本
燃料噴射量Qbaseに補正量ΔQを加えるとともに、この
補正量ΔQをリニアO2センサ17からの信号に基づい
てフィードバック補正することで、燃料噴射量Qtを交
互に増大又は減少させる。燃料噴射量Qtが基本燃料噴
射量Qbaseよりも大きいときには、3分割噴射としかつ
非噴射間隔Δtを相対的に長くすることで、燃料の増量
に伴う出力トルクの増大を軽減する。一方、燃料噴射量
Qtが基本燃料噴射量Qbaseよりも小さいときには、2
分割噴射としかつ非噴射間隔Δtを相対的に短くするこ
とで、燃料の減量に伴う出力トルクの低下を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気筒内の燃焼室に
燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエン
ジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のディーゼルエンジン
の燃料噴射制御装置として、例えば特開平6−2129
61号公報に開示されるように、気筒の圧縮上死点近傍
で通常の燃料噴射を行う他に、所定の運転状態では膨張
行程中期から排気行程にかけて少量の燃料(軽油)を追
加供給して、排気中の還元剤成分の濃度を高めることに
より、排気通路に設けたNOx吸収材の機能を回復させ
る(リフレッシュ)ようにしたものが提案されている。
【0003】すなわち、ディーゼルエンジンは通常、空
燃比がかなりリーンな状態(例えばA/F≧18)で運
転されるものなので、そのリーンな状態、即ち排気中の
酸素濃度が高いときにNOxを吸収する一方、酸素濃度
が減少すればNOxを放出するいわゆるNOx吸収材を
用いる技術がある。そして、このNOx吸収材はNOx
の吸収量が増えるに連れて吸収性能が低下する性質を有
するので、前記従来例の装置では、吸収性能が大きく低
下する前に気筒の膨張行程中期以降で追加の燃料を噴射
し、この燃料の燃焼により排気中の酸素を消費させて酸
素濃度を低下させるとともに、排気中のCOやHC等の
還元剤成分の濃度を高めて、その還元剤成分によりNO
x吸収材からのNOxの放出を促し、かつそのNOxを
十分に還元浄化することで、NOx吸収材をリフレッシ
ュするようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、前
記のようなNOx吸収材によるNOx浄化性能は、昨今
の高い環境意識に照らした場合に必ずしも十分とは言え
ず、また、リフレッシュの際に追加で噴射する燃料が無
駄になることから、燃費が大きく悪化するという不具合
がある。この他、空燃比がリーンな状態で排気中のNO
xを還元浄化できるような触媒材料もあるが、このよう
な触媒材料によるNOx浄化性能も十分とは言えない。
【0005】これに対し、本願の発明者は、排気中の酸
素濃度やHC、CO等の還元剤成分の濃度、即ちNOx
吸収材や触媒材料の周囲の酸素分圧や還元剤成分の分圧
を周期的に変動させることにより、NOxの吸収及び放
出作用や還元作用が高まることを発見した。すなわち、
例えば、前記NOx吸収材を備えた燃料噴射制御装置で
は、該NOx吸収材のリフレッシュの際に燃料噴射弁に
よる燃料の噴射量を周期的に変動させるようにすれば、
そのことによってNOx吸収材からのNOxの放出を促
し、短時間で効率よくリフレッシュすることができるも
のである。
【0006】しかしながら、そのように燃料噴射量を変
動させると、これに伴いエンジンの出力トルクが変動す
ることは避けられず、このトルク変動が大きいと、例え
ば自動車用ディーゼルエンジンにおいてドライバビリテ
ィの低下という不具合が生じる。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、気筒内の燃焼室に燃料
を直接噴射するようにしたディーゼルエンジンにおい
て、排気中の所定のガス成分の濃度等を周期的に変動さ
せて浄化材料の作用を高めるとともに、それに伴うエン
ジンのトルク変動を低減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明者は、前記の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、気筒内の燃焼
室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼル
エンジンにおいて、その燃料噴射弁により各気筒の圧縮
上死点近傍で燃料を複数回に分割して噴射するととも
に、その噴射回数や非噴射間隔を変更することで、エン
ジンの出力トルクの変動を抑えながら、排気中の還元剤
成分等の濃度を変更できることを見出し、本発明を完成
した。尚、前記非噴射間隔とは、燃料噴射弁により燃料
を複数回に分割して噴射するときに、該燃料噴射弁が1
度閉じてから次に開くまでの時間間隔のことである(以
下、同様とする)。
【0009】具体的に、請求項1の発明では、図1に示
すように、エンジン1の気筒内燃焼室4に燃料を直接、
噴射供給する燃料噴射弁5と、エンジン1の排気通路2
0に配置され、排気中の有害成分を浄化する浄化材料2
2とを備え、前記燃料噴射弁5により燃料を少なくとも
エンジン1の運転状態に応じて噴射させるようにしたデ
ィーゼルエンジンの燃料噴射制御装置Aを前提とする。
そして、前記浄化材料22へ流れる排気中の所定のガス
成分に関する値が周期的に変化するように、前記燃料噴
射弁5による気筒の圧縮上死点近傍での燃料噴射量、噴
射回数及び非噴射間隔の少なくとも1つを変更制御する
噴射制御手段35aと、前記燃料噴射弁5による圧縮上
死点近傍での燃料噴射回数及び非噴射間隔の少なくとも
一方を、前記噴射制御手段35aの制御に起因するエン
ジン1のトルク変動が低減するように制御するトルク変
動低減手段35bとを備える構成とする。
【0010】前記の構成により、例えば、気筒2の圧縮
上死点近傍で燃料噴射弁5により燃料が複数回に分割し
て噴射されるとき、噴射制御手段35aにより、燃料噴
射量、噴射回数及び非噴射間隔の少なくとも1つが変更
制御されることで、浄化材料22へ流れる排気中の所定
のガス成分に関する値が周期的に変化するようになり、
これにより、浄化材料22の作用が高められる。すなわ
ち、例えば燃料噴射量を変更すれば、燃焼室4の平均的
な空燃比がリッチ側とリーン側とに変化して、排気中の
HC、CO等の濃度が周期的に変化するようになる。ま
た、例えば噴射回数及び非噴射間隔をそれぞれ増減させ
れば、燃料噴霧と空気とのミクスチャアの変化により燃
焼状態が変化して、排気中のHC、CO等の濃度が周期
的に変化するようになる。
【0011】そして、前記のような空燃比や燃焼状態の
変化に伴うエンジンのトルク変動を低減するように、即
ちエンジンの出力トルクが低くなるときにはこれを高め
るように、また、反対に出力トルクが低くなるときには
これを高めるように、燃料噴射回数及び非噴射間隔の少
なくとも一方をトルク変動低減手段35bにより制御す
るようにすれば、浄化材料22によるNOxの浄化作用
を高めながら、エンジン1のトルク変動を低減すること
ができる。
【0012】請求項2の発明では、噴射制御手段を、燃
料噴射量、噴射回数及び非噴射間隔の少なくとも1つを
所定のガス成分に関する値が設定時間毎に変化するよう
にフィードフォワード制御するものとする。こうすれ
ば、フィードフォワード制御によって、容易に燃料噴射
量等を周期的に変化させることができる。
【0013】請求項3の発明では、所定のガス成分に関
する値を検出する検出手段を備え、噴射制御手段は、所
定のガス成分に関する値が設定値よりも大きい状態と小
さい状態とに交互に変化するように、燃料噴射量、噴射
回数及び非噴射間隔の少なくとも1つを前記検出手段の
検出値に基づいてフィードバック制御するものとする。
こうすれば、検出手段の検出値に基づいてフィードバッ
ク制御することにより、制御精度を高めて、請求項1の
発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0014】請求項4の発明では、噴射制御手段は非噴
射間隔を交互に延長又は短縮するものとし、トルク変動
低減手段は、前記噴射制御手段により非噴射間隔が延長
されるときに噴射回数を減らす一方、非噴射間隔が短縮
されるときには噴射回数を増やすものとする。
【0015】このことで、噴射制御手段により燃料の非
噴射間隔が延長されると、噴射された燃料の燃焼の終期
が遅角側にずれることで、排気中のCO,HC等の濃度
が増大するとともに、エンジンの出力トルクが低下す
る。一方、前記非噴射間隔が短縮されると燃焼の終期が
早まるので、排気中のCO,HC等の濃度が低下し、出
力トルクは高まる。そして、この出力トルクの変動に対
応して、トルク変動低減手段により、非噴射間隔が延長
されるときには噴射回数が減らされて、出力トルクの低
下が抑えられる一方、非噴射間隔が短縮されるときには
噴射回数が増やされて、出力トルクの増大が抑えられ
る。
【0016】請求項5の発明では、噴射制御手段は噴射
回数を交互に増加又は減少させるものとし、トルク変動
低減手段は、前記噴射制御手段により噴射回数が増加さ
れるときに非噴射間隔を短縮する一方、噴射回数が減少
されるときには非噴射間隔を延長するものとする。この
ことで、請求項4の発明と同様に排気中の所定のガス成
分の濃度を増減変化させながら、そのことに伴うトルク
変動を低減できる。
【0017】請求項6の発明では、噴射制御手段は、燃
料噴射量を交互に増大又は減少させるものとする。こう
すれば、燃料噴射量の増大により排気中の酸素濃度が減
少しかつ還元剤成分の濃度が増大する一方、燃料噴射量
が減少すると、酸素濃度が増大しかつ還元剤成分濃度が
減少するので、それらのガス成分の濃度を周期的に変動
させて、浄化材料の作用を高めることができる。
【0018】請求項7の発明では、請求項6の発明にお
けるトルク変動低減手段を、噴射制御手段により燃料噴
射量が増大されるときに、噴射回数及び非噴射間隔をい
ずれも増大させる一方、燃料噴射量が減少されるときに
は噴射回数及び非噴射間隔をいずれも減少させるものと
する。
【0019】このことで、燃料噴射量が増大されるとき
には、燃料の噴射回数及び非噴射間隔をいずれも増大さ
せることで、燃料の増量に伴うトルクの増大変化を軽減
する一方、反対に燃料噴射量が減少されるときには、燃
料の噴射回数及び非噴射間隔をいずれも減少させること
で、燃料の減量に伴うトルクの減少変化を軽減すること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(全体構成)図2は本発明の実施
形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置Aの
全体構成を示し、1は車両に搭載された多気筒ディーゼ
ルエンジンである。このエンジン1は複数の気筒2,
2,…(1つのみ図示する)を有し、その各気筒2内に
往復動可能にピストン3が嵌挿されていて、このピスト
ン3によって各気筒2内に燃焼室4が区画されている。
また、燃焼室4の上面の略中央部には、インジェクタ
(燃料噴射弁)5が先端部の噴孔を燃焼室4に臨ませて
配設され、各気筒毎の所定の噴射タイミングで開閉作動
されて、燃焼室4に燃料を直接噴射するようになってい
る。
【0021】前記各インジェクタ5は燃料を高圧状態で
蓄えるためのコモンレール6に接続されている。このコ
モンレール6には、内部の燃圧(コモンレール圧)を検
出する圧力センサ6aが配設されているとともに、クラ
ンク軸7により駆動される高圧供給ポンプ8が接続され
ていて、この高圧供給ポンプ8の作動によりコモンレー
ル6内の燃圧を所定値以上に保持するようになってい
る。また、クランク軸7の回転角度を検出する電磁ピッ
クアップからなるクランク角センサ9が設けられてい
る。このクランク角センサ9は、クランク軸7端に配設
された被検出用プレート(図示せず)の外周に相対向す
るように配置され、該被検出用プレートの外周部に形成
された突起部の通過に対応して、パルス信号を出力す
る。
【0022】エンジン1の一側には、各気筒2の燃焼室
4に対し図外のエアクリーナで濾過した吸気(空気)を
供給する吸気通路10が接続されており、この吸気通路
10の下流端部は、図示しないサージタンクを介して気
筒毎に分岐し、それぞれ吸気ポートにより各気筒2の燃
焼室4に連通されている。また、サージタンク内で各気
筒2に供給される過給圧力を検出する吸気圧センサ10
aが設けられている。前記吸気通路10には上流側から
下流側に向かって順に、エンジン1に吸入される吸気流
量を検出するホットフィルム式エアフローセンサ11
と、後述のタービン21により駆動されて吸気を圧縮す
るブロワ12と、このブロワ12により圧縮した吸気を
冷却するインタークーラ13と、吸気通路10の断面積
を絞る吸気絞り弁14とがそれぞれ設けられている。こ
の吸気絞り弁14は、全閉状態でも吸気が流通可能なよ
うに切り欠きが設けられたバタフライバルブからなり、
後述のEGR弁24と同様、ダイヤフラム15に作用す
る負圧の大きさが負圧制御用の電磁弁16により調節さ
れることで、弁の開度が制御されるようになっている。
【0023】一方、エンジン1の他側には、各気筒2の
燃焼室4から排気を排出する排気通路20が接続されて
おり、この排気通路20の上流端部は分岐して、それぞ
れ図示しない排気ポートにより各気筒2の燃焼室4に連
通されている。この排気通路20には、上流側から下流
側に向かって順に、排気中の酸素濃度を検出するための
リニアO2センサ17(検出手段)と、排気流により回
転されるタービン21と、排気中の有害成分を浄化する
排気浄化用触媒22(浄化材料)とが配設されている。
前記タービン21及びブロワ12からなるターボ過給機
25は、詳しくは図示しないが、タービン21の全周を
囲むように複数のフラップが配設され、その各フラップ
の回動によりノズル断面積を変化させて、タービン21
への排気流速を調整するようにしたVGT(バリアブル
ジオメトリーターボ)である。
【0024】また、前記触媒22は、軸方向(排気の流
れ方向)に沿って互いに平行に延びる多数の貫通孔を有
するハニカム構造のコージェライト製担体を有し、その
各貫通孔壁面に触媒層を形成したものである。この触媒
22は、排気中の酸素濃度が高いとき、即ち燃焼室4の
平均的な空燃比がリーンな状態のときにNOxを吸収す
る一方、該平均的空燃比が略理論空燃比付近又はそれよ
りもリッチな状態になって、排気中の酸素濃度が低下す
れば、吸収したNOxを放出して、還元浄化する吸収還
元タイプのものである。一例を挙げれば、内側触媒層と
して、白金Pt等の貴金属とNOx吸収材であるバリウ
ムBaとがアルミナやセリアをサポート材として担持さ
れる一方、外側触媒層として、白金Pt及びロジウムR
hとBaとがゼオライトをサポート材として担持されて
いる2層コートタイプのものが好適である。
【0025】尚、前記触媒22において、バリウムBa
に代えてそれ以外のアルカリ土類金属やナトリウムNa
等のアルカリ金属、又は希土類金属のうちの少なくとも
一種を用いるようにしてもよい。また、前記内側触媒層
のサポート材としてゼオライトを用いてもよく、その場
合には前記外側触媒層のサポート材として、アルミナ又
はセリアを用いてもよい。さらに、前記触媒22として
は、担体の壁表面にアルミナやセリアがサポート材とし
て担持された触媒層を形成し、このサポート材に、白金
Pt、ロジウムRh、パラジウムPd等の貴金属と、カ
リウムK等のアルカリ金属やバリウムBa等のアルカリ
土類金属とを担持した1層コートタイプのものを用いて
もよい。
【0026】前記排気通路20は、タービン21よりも
上流側の部位で、排気の一部を吸気側に還流させる排気
還流通路(以下EGR通路という)23の上流端に分岐
接続されている。このEGR通路23の下流端は吸気絞
り弁14よりも下流側の吸気通路10に接続されてお
り、そのEGR通路23の途中の下流端寄りには負圧作
動式の排気還流量調節弁(以下EGR弁という)24が
配設されていて、排気通路20の排気の一部をEGR弁
24により流量調節しながら吸気通路10に還流させる
ようになっている。すなわち、前記EGR弁24はその
開度をリニアに調節可能なものであり、弁体を作動させ
るダイヤフラム26が負圧通路27によりバキュームポ
ンプ(負圧源)29に接続されていて、その負圧通路2
7に介設された電磁弁28の作動によりEGR弁駆動負
圧が調節されることによって、開閉作動される。
【0027】尚、前記ターボ過給機25のフラップにも
EGR弁24と同様にダイヤフラム30が取り付けられ
ていて、負圧制御用の電磁弁31によりダイヤフラム3
0に作用する負圧が調節されることで、フラップの作動
量が調節されるようになっている。
【0028】前記各インジェクタ5、高圧供給ポンプ
8、吸気絞り弁14、EGR弁24、ターボ過給機25
のフラップ等はコントロールユニット(Engine Contoro
l Unit:以下ECUという)35からの制御信号によっ
て作動するように構成されている。一方、このECU3
5には、前記圧力センサ6aからの出力信号と、クラン
ク角センサ9からの出力信号(クランク角信号)と、エ
アフローセンサ11からの出力信号と、リニアO2セン
サ17からの出力信号と、車両の運転者による図示しな
いアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出する
アクセル開度センサ32からの出力信号とが少なくとも
入力されている。
【0029】そして、インジェクタ5の作動による燃料
噴射制御が行われて、燃料噴射量及び燃料噴射時期がエ
ンジン1の運転状態に応じて制御されるとともに、高圧
供給ポンプ8の作動によるコモンレール圧力、即ち燃量
噴射圧の制御が行われ、これに加えて、吸気絞り弁14
の作動による吸入空気量の制御と、EGR弁24の作動
による排気還流量の制御と、ターボ過給機25のフラッ
プの作動制御とが行われるようになっている。
【0030】(燃料噴射制御)具体的に、前記ECU3
5のメモリには、エンジン1の目標トルク及び回転数の
変化に応じて実験的に決定した最適な燃料噴射量Qを記
録した燃料噴射量マップが格納されている。そして、ア
クセル開度センサ32からの出力信号に基づいて求めた
目標トルクとクランク角センサ9からの出力信号に基づ
いて求めたエンジン回転数とに基づいて、前記燃料噴射
量マップから基本燃料噴射量Qbaseが読み込まれる。そ
して基本的には、基本燃料噴射量Qbaseと圧力センサ6
aにより検出されたコモンレール圧力とに基づいて、各
インジェクタ5の励磁時間(開弁時間)が決定されて、
図3に示すように、各気筒2の圧縮上死点近傍でインジ
ェクタ5により燃料が噴射されるようになっている。
尚、前記のようにして求めた燃料噴射量をエンジン水温
や大気圧等に応じて補正した上で、この補正後の燃料噴
射量を基本燃料噴射量Qbaseとしてもよい。
【0031】ここで、本発明の特徴部分であるが、この
実施形態ではエンジン1が所定の運転状態にあるときに
は、同図(b),(c)にそれぞれ示すように、各気筒
2の圧縮上死点近傍での燃料噴射を2回又は3回に分割
して行うとともに、その分割回数や非噴射間隔を変更し
て燃料の燃焼状態を変化させることで、排気中の酸素濃
度やCO,HC等の還元剤成分の濃度を周期的に変化さ
せて、触媒22の作用を高めるようにしている。すなわ
ち、一般的に、排気中の有害成分を浄化する排気浄化用
触媒やリーン状態でNOxを吸収するNOx吸収材等の
作用は、該触媒上での化学反応やNOxの吸収及び放出
作用に関与する所定のガス成分の分圧が周期的に変動す
ることで高められるものなので、例えば、前記のように
燃料噴射の分割回数や非噴射間隔を変更して、排気中の
CO,HC濃度等を変化させれば、そのことによって、
触媒22の作用を高めることができるのである。
【0032】前記の燃料噴射の分割について詳しく説明
すると、気筒2の圧縮上死点近傍でインジェクタ5によ
り燃料を噴射する場合、燃料は全体として円錐形状の噴
霧を形成しながら燃焼室4に広がるとともに、空気との
摩擦により分裂して微小な油滴になり(燃料の微粒
化)、それらの油滴の表面から燃料が蒸発して燃料蒸気
が生成される(燃料の気化霧化)。このとき、燃焼室4
内の空気は極めて高圧で粘性の高い状態になるので、前
記図3(a)に示すように、燃料を一括して噴射する場
合にその噴射量が多いと、そのうちの先に噴出した燃料
油滴に後続の燃料油滴が追いついて再結合してしまい、
燃料の微粒化ひいては気化霧化が阻害されることが考え
られる。
【0033】これに対し、前記図3(b),(c)に示
すように燃料噴射を複数回に分割して行うようにすれ
ば、インジェクタ5の先の開弁により噴出した燃料油滴
に、次の開弁により噴出した燃料油滴が追いつくことは
少なくなり、油滴同士の再結合に起因する燃料微粒化の
阻害を大幅に低減することができる。また、燃圧を高め
て燃料の微粒化をさらに促進することも可能になり、こ
うすることで、燃焼室における燃料噴霧の分布の均一化
も図られる。そして、このような分割噴射による燃料噴
霧と空気との混合状態の変化は、燃料の噴射圧力、分割
噴射の回数及びその間の非噴射間隔の長さ等の相互の関
係によって変化し、これに伴い燃焼状態が変化すること
で、エンジン1の出力トルクや排気ガス成分の濃度も変
化すると考えられる。
【0034】より具体的に、エンジン1の目標トルクに
対応する分量の燃料を略圧縮上死点から一括して噴射し
た場合(以下、一括割噴射という)、同じく略圧縮上死
点から2回に分割して噴射した場合(2分割噴射とい
う)、及び同様にして3回に分割して噴射した場合(3
分割噴射という)のそれぞれについて、インジェクタ5
の非噴射間隔Δtを350〜900マイクロ秒(μse
c)の範囲で適宜変更しながら、これに伴い変化する噴
射終了時のクランク角度と燃費率やCO濃度等との関係
を計測した実験結果の一例を、図4〜図7に示す。
【0035】まず、図4にCO濃度について示すよう
に、2分割噴射では、Δt=350,400,550,
700,900μsecのときの値をそれぞれプロット
し、また、3分割噴射では、Δt=400,550,7
00,900μsecのときの値をそれぞれプロットし
た。同図によれば、排気中のCO濃度は、前記2分割及
び3分割噴射のいずれの場合も、インジェクタ5の非噴
射間隔Δtが短いときに低減する一方、非噴射間隔Δt
が長くなるに連れて増大する傾向がある。また、図5に
示すように、排気中のNOx濃度はCO濃度とは反対に
非噴射間隔Δtが長いほど低減できることが分かる。
尚、図示しないが、排気中のHC濃度については前記C
O濃度と同様の傾向がある。
【0036】一方、このときのエンジンの燃費率の変化
は図6に示すようになり、一括噴射よりも2分割噴射の
方が燃費率が改善される反面、3分割噴射では、非噴射
間隔Δtが短いときには燃費率がやや改善されるが、非
噴射間隔Δtが長くなるに連れて燃費率が悪化する傾向
がある。言い換えると、燃料噴射総量を変えずに噴射回
数及び非噴射間隔Δtを増やせば、エンジンの出力トル
クは低下することになる。そして、このときの排気温度
の変化は図7に示すようになり、一括噴射よりも2分割
噴射の方が排気温度が高く、その2分割噴射よりも3分
割噴射の方がさらに排気温度が高くなることが分かる。
このことから、特に、エンジンが排気温度の低い運転状
態にあるときに燃料噴射の分割を行うことにより、触媒
の温度状態を高めに維持して、その作用を活性化できる
とも考えられる。
【0037】尚、前記実験データは、この実施形態のも
のと同様の4気筒ディーゼルエンジン(排気量は約20
00cc)を用いて、比較的負荷の低い状態でかつエン
ジン回転数を約1500rpmとして運転しながら計測
したものである。
【0038】従って、前記実験データに基づき、例え
ば、非噴射間隔Δt=700μsecの2分割噴射状態と
非噴射間隔Δt=400μsecの3分割噴射状態とに交
互に切換えるようにすれば、エンジンの出力トルクが略
同じ状態で排気中のCO,HC濃度を交互に増減変化さ
せることができ、これにより、エンジンのトルク変動を
招くことなく、触媒22によるNOxの吸収、放出及び
還元浄化作用を高めることができる。或いは、燃料噴射
量を増減変化させるとともに、燃料の減量時に非噴射間
隔Δt=350μsecの2分割噴射を行う一方、燃料の
増量時に非噴射間隔Δt=900μsecの3分割噴射を
行うようにすれば、燃料噴射量の増減に伴うトルク変動
を軽減することができる上に、燃料増量時には排気中の
CO,HC濃度を一層、高めることができるので、前記
の触媒22の作用を最大限に高めることが可能になる。
【0039】以下に、上述の如く、排気ガス成分の濃度
を変動させて触媒22の作用を高めながら、エンジン1
のトルク変動を低減するようにした燃料噴射制御の処理
動作について、具体的に図8に示すフローチャート図に
沿って説明する。尚、この制御は各気筒毎にクランク角
信号に同期して実行される。
【0040】まず、同図に示すスタート後のステップS
A1において、クランク角信号、エアフローセンサ出
力、アクセル開度、リニアO2センサ出力等のデータを
入力し、続くステップSA2において、アクセル開度か
ら求めた目標トルクとクランク角信号から求めたエンジ
ン回転数Neとに基づいて、燃料噴射量マップから基本燃
料噴射量Qbaseを読み込むとともに、その噴射時期ITba
seを予め設定した別のマップから読み込む。この噴射時
期のマップには、エンジン水温やエンジン回転数Neに対
応する最適な噴射時期が実験的に求められて記録されて
おり、例えば、エンジン1の温度状態やエンジン回転数
Neが異なれば燃料噴霧の着火遅れ時間が異なるので、こ
のことに対応して基本的な噴射時期ITbaseが設定され
る。
【0041】続いて、ステップSA3において、リニア
O2センサ17からの出力信号に基づいて、排気の空気
過剰率λが運転状態に対応する目標値λ0よりも小さい
か否か判別する。この判別結果がNOであれば(λ≧λ
0)、排気の空燃比は目標とする状態よりもリーン側に
ずれていると判定して、ステップSA8に進む一方、判
別結果がYESであれば(λ<λ0)、排気の空燃比は
目標とする状態よりもリッチ側にずれていると判定し
て、ステップSA4に進む。このステップSA4では、
インジェクタ5による燃料噴射量を補正するための補正
量ΔQの前回値からゲイン係数αを減算して、補正量Δ
Qの今回値を演算し、続くステップSA5において、前
記ステップSA2で求めた基本燃料噴射量Qbaseに補正
量ΔQを加えて、今回の燃料噴射総量Qtを求める。
【0042】続いて、ステップSA6において、燃料の
3分割噴射を実行するために、前記燃料噴射総量Qtを
3等分して、それぞれ、第1〜第3回の燃料噴射量Qt1
〜Qt3として演算する。続くステップSA7では、前記
ステップSA5で求めた補正量ΔQに応じて、この燃料
噴射量の補正に起因するエンジン1の出力トルクの変動
ができるだけ小さくなるように、非噴射間隔Δtを求め
るとともに、この非噴射間隔Δtと前記ステップSA2
で求めた基本的な噴射時期ITbaseとに基づいて、第1〜
第3回の燃料噴射時期IT1〜IT3をそれぞれ求める。
【0043】すなわち、図3(c)に示すように、第1
噴射時期IT1は基本的な噴射時期ITbaseと同じであり、
続く第2噴射時期IT2及び第3噴射時期IT3は、それぞれ
先の噴射が終了してインジェクタ5が閉じてから前記非
噴射間隔Δtを空けて設定される。ここで、前記非噴射
間隔Δtは相対的に長くなるように、略600〜100
0マイクロ秒(μsec)の範囲で設定するようにし、そ
の際に、第3噴射の終了時期が気筒の圧縮上死点後35
°CA(ATDC35°CA)よりも以前になるように
設定する。
【0044】つまり、前記ステップSA3〜SA5の制
御手順により、リニアO2センサ17による検出結果に
基づいて、排気の空燃比がリッチ側にずれていると判定
される間は、図9に示すように、燃料の補正量ΔQを徐
々に減らして、空燃比を徐々にリーン側に変化させると
ともに、ステップSA6,7の制御手順により、燃料の
噴射回数を相対的に増やしかつその非噴射間隔Δtを相
対的に大きくすることで、エンジン1の出力トルクを低
下させて、前記燃料の補正に伴うトルク変動を低減する
ことができる。
【0045】一方、前記ステップSA3において、排気
の空燃比が目標とする状態よりもリーン側にずれている
と判定して進んだステップSA8では、補正量ΔQの前
回値にゲイン係数αを加算して今回値を演算し、続くス
テップSA9において、前記ステップSA2で求めた基
本燃料噴射量Qbaseに前記補正量ΔQを加えて、今回の
燃料噴射総量Qtを求める。続いて、ステップSA10
において、燃料の2分割噴射を実行するために前記燃料
噴射総量Qtを2等分して、それぞれ、第1及び第2回
の燃料噴射量Qt1,Qt2として演算する。続くステップ
SA11では、前記ステップSA9で求めた補正量ΔQ
に応じて、この燃料噴射量の補正に起因するエンジン1
の出力トルクの変動ができるだけ小さくなるように、非
噴射間隔Δtを求めるとともに、この非噴射間隔Δtと
前記ステップSA2で求めた基本的な噴射時期ITbaseと
に基づいて、第1及び第2回の燃料噴射時期IT1,IT2を
演算する。但し、この場合には前記非噴射間隔Δtは相
対的に短く、100〜600マイクロ秒(μsec)の範
囲で設定する。
【0046】つまり、前記ステップSA3,SA8,S
A9の制御手順により、リニアO2センサ17による検
出結果に基づいて、排気の空燃比がリーン側にずれてい
ると判定される間は、燃料の補正量ΔQを徐々に増やし
て空燃比をリッチ側に変化させるとともに、前記ステッ
プSA10,SA11の制御手順により、燃料の噴射回
数を相対的に減らしかつその非噴射間隔Δtを相対的に
小さくすることで、エンジン1の出力トルクを高めて、
前記燃料の補正に伴うトルク変動を低減することができ
る。
【0047】そして、前記ステップSA7又はステップ
SA11に続いて、ステップSA12では、クランク角
信号に基づいて第1噴射時期IT1なったか否か判別し、
噴射時期になるまで待って(ステップSA12でN
O)、噴射時期になれば(ステップSA12でYE
S)、ステップSA13に進んで第1の燃料噴射を行
い、噴射量Qt1の燃料をインジェクタ5により燃焼室4
に噴射する。続くステップSA14では、同様にクラン
ク角信号に基づいて第2噴射時期IT2になったか否か判
別し、噴射時期になるまで待って(ステップSA14で
NO)、噴射時期になれば(ステップSA14でYE
S)、ステップSA15に進んで第2の燃料噴射を実行
する。
【0048】続いて、ステップSA16では、第3の燃
料噴射量Qt3の値が零であるか否か判別し、Qt3=0で
YESならばリターンする一方、Qt3≠0でNOであれ
ばステップSA17に進む。そして、クランク角信号に
基づいて第3噴射時期IT3になったか否か判別し、噴射
時期になるまで待って(ステップSA17でNO)、噴
射時期になれば(ステップSA17でYES)、ステッ
プSA18に進んで第3の燃料噴射を実行して、しかる
後にリターンする。
【0049】前記図8に示すフローのステップSA3〜
5,SA8,9の制御手順により、インジェクタ5によ
る圧縮上死点近傍での燃料噴射総量Qtを、触媒22に
流通する排気中のCO,HC,O2等の濃度が周期的に
変化するように変更制御する噴射制御手段35aが構成
されている。また、ステップSA6,7,10,11の
制御手順により、インジェクタ5による圧縮上死点近傍
での燃料噴射回数及び非噴射間隔を、前記噴射制御手段
35aの制御に起因するエンジン1のトルク変動が低減
するように制御するトルク変動低減手段35bが構成さ
れている。
【0050】したがって、この実施形態に係るディーゼ
ルエンジンの燃料噴射制御装置Aによれば、エンジン1
が所定の運転状態にあるときに、この運転状態等に対応
する基本燃料噴射量Qbaseを補正量ΔQにより増減補正
して、図9に示すように、気筒2の圧縮上死点近傍で噴
射する燃料の総量Qtを増減変化させることにより、排
気中の酸素濃度やHC,CO等の還元剤成分の濃度を周
期的に変動させて、触媒22によるNOxの吸収、放出
及び還元浄化作用を促進することができる。
【0051】また、前記の燃料噴射量の制御によって、
燃料噴射総量Qtが基本燃料噴射量Qbaseよりも多くな
るときには、そのことによるエンジン1の出力トルクの
増大を阻止するよう、燃料噴射回数を3回に増やしかつ
非噴射間隔Δtを600〜1000μsecと相対的に長
くして、エンジン1の出力トルクを低下させるようにす
る。反対に、燃料噴射総量Qtが基本燃料噴射量Qbase
よりも少なくなるときには、そのことによるエンジン1
の出力トルクの低下を阻止するよう、燃料噴射回数を2
回に減らしかつ非噴射間隔Δtを100〜600μsec
と相対的に短くして、エンジン1の出力トルクを高める
ようにする。つまり、燃料噴射総量Qtを周期的に増減
変化させて排気中の還元剤成分濃度を周期的に変動させ
ながら、そのことに伴うトルク変動は軽減できる。
【0052】しかも、この実施形態の燃料噴射制御装置
Aには、排気中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ
17が備えられており、このリニアO2センサ17によ
る検出値に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御す
るようにしているので、燃料噴射量の制御精度を高め
て、前記のような作用効果を十分に得ることができる。
【0053】(他の実施形態)本発明は前記実施形態に
限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包
含するものである。すなわち、前記実施形態では、リニ
アO2センサ17からの信号に基づいて、排気の空気過
剰率λが目標値λ0になるように燃料噴射量Qを補正す
ることにより、結果的に、燃料噴射量Qを交互に増大又
は減少させるようにしているが、これに限らず、いわゆ
るディザ制御(フィードフォワード制御)によって、所
定期間毎に交互に燃料噴射量Qを略一定量ずつ増大又は
減少させるようにしてもよい。
【0054】また、前記実施形態では、噴射制御手段3
5aによりインジェクタ5による燃料噴射量を増減補正
するものとし、これに対応するように、トルク変動低減
手段35bにより燃料噴射の分割回数及びその間の非噴
射間隔を変更制御するようにしているが、これに限るも
のではない。すなわち、例えば、噴射制御手段35aに
より非噴射間隔を交互に延長又は短縮するとともに、こ
れに対応して、非噴射間隔が延長されるときにトルク変
動低減手段35bにより噴射回数を減らす一方、非噴射
間隔が短縮されるときには噴射回数を増やすようにして
もよい。
【0055】或いは、噴射制御手段35aにより噴射回
数を交互に増加又は減少させるとともに、これに対応し
て、噴射回数が増加するときにトルク変動低減手段35
bにより非噴射間隔を短縮す一方、噴射回数が減少する
ときには非噴射間隔を延長するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係るディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置によると、
燃料噴射弁により燃料を気筒の圧縮上死点近傍で噴射す
るようにする場合に、その噴射量、噴射回数及び非噴射
間隔の少なくとも1つを噴射制御手段により変更制御し
て、浄化材料へ流れる排気中の所定のガス成分に関する
値を周期的に変化させることで、該浄化材料の作用を高
めることができる。その際、トルク変動低減手段により
燃料噴射回数及び非噴射間隔の少なくとも一方を、前記
噴射制御手段による制御に起因するエンジンのトルク変
動が低減するように制御することにより、浄化材料によ
る排気浄化作用を高めながら、エンジンのトルク変動を
低減することができる。
【0057】請求項2の発明によると、噴射制御手段に
よる制御をフィードフォワード制御とすることで、燃料
噴射量等を容易に周期的に変化させることができる。
【0058】請求項3の発明によると、噴射制御手段に
よる制御を検出手段の検出値に基づくフィードバック制
御とすることで、燃料噴射量等の制御精度を高めて、請
求項1の発明の効果を十分に得ることができる。
【0059】請求項4の発明によると、噴射制御手段に
より噴射回数を増減変化させることで、排気中の還元剤
成分等の濃度を周期的に変動させて、浄化材料の作用を
高めることができるとともに、これに応じて、トルク変
動低減手段により非噴射間隔を制御することで、トルク
変動を低減できる。
【0060】請求項5の発明によると、噴射制御手段に
より非噴射間隔を交互に延長又は短縮することで、排気
中の還元剤成分等の濃度を周期的に変動させて、浄化材
料の作用を高めることができるとともに、これに応じ
て、トルク変動低減手段により噴射回数を増減変化させ
ることで、トルク変動を低減できる。
【0061】請求項6の発明によると、噴射制御手段に
より燃料噴射量を交互に増大又は減少させることで、排
気中の還元剤成分等の濃度を周期的に変動させて、浄化
材料の作用を高めることができる。
【0062】請求項7の発明によると、請求項6の発明
において、噴射制御手段により燃料噴射量が増大される
ときに、トルク変動低減手段により噴射回数及び非噴射
間隔を増大させる一方、反対に燃料噴射量が減少される
ときには噴射回数及び非噴射間隔を減少させることによ
り、燃料の増減に伴うトルク変動を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す説明図である。
【図2】実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料噴射
制御装置の全体構成を示す図である。
【図3】燃料噴射を一括して行う場合(a)と、2分割
して行う場合(b)と、3分割して行う場合(c)とに
ついて、それぞれ噴射時期を示した説明図である。
【図4】燃料噴射の分割回数及び非噴射間隔をそれぞれ
変化させたときの、排気中のCO濃度の変化特性を示す
グラフ図である。
【図5】排気中のNOx濃度の変化特性を示す図4相当
図である。
【図6】エンジンの燃費率の変化特性を示す図4相当図
である。
【図7】排気温度の変化特性を示す図4相当図である。
【図8】燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート
図である。
【図9】排気の空気過剰率の変化に応じて燃料噴射量を
補正する制御のタイムチャート図である。
【符号の説明】
A 燃料噴射制御装置 1 ディーゼルエンジン 2 気筒 4 燃焼室 5 インジェクタ(燃料噴射弁) 17 リニアO2センサ(検出手段) 22 触媒(浄化材料) 35 ECU(コントロールユニット) 35a 噴射制御手段 35b トルク変動低減手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 375 F02D 41/04 375 41/14 330 41/14 330Z Fターム(参考) 3G091 AA10 AA11 AA18 AB06 CB02 CB03 DC06 EA05 EA06 EA12 EA34 FB06 FB07 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB10X HA36 3G301 HA02 HA11 HA13 JA02 JA04 JA25 LB12 MA11 MA18 MA21 MA26 ND01 ND42 NE01 NE06 NE23 PA04Z PA07Z PB08Z PD04A PD04Z PE03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの気筒内燃焼室に燃料を直接、
    噴射供給する燃料噴射弁と、 エンジンの排気通路に配置され、排気中の有害成分を浄
    化する浄化材料とを備え、 前記燃料噴射弁により燃料を少なくともエンジンの運転
    状態に応じて噴射させるようにしたディーゼルエンジン
    の燃料噴射制御装置において、 前記浄化材料へ流れる排気中の所定のガス成分に関する
    値が周期的に変化するように、前記燃料噴射弁による気
    筒の圧縮上死点近傍での燃料噴射量、噴射回数及び非噴
    射間隔の少なくとも1つを変更制御する噴射制御手段
    と、 前記圧縮上死点近傍での燃料噴射回数及び非噴射間隔の
    少なくとも一方を、前記噴射制御手段の制御に起因する
    エンジンのトルク変動が低減するように制御するトルク
    変動低減手段とを備えていることを特徴とするディーゼ
    ルエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 噴射制御手段は、燃料噴射量、噴射回数及び非噴射間隔
    の少なくとも1つを、所定のガス成分に関する値が設定
    時間毎に変化するようにフィードフォワード制御するも
    のであることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴
    射制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 所定のガス成分に関する値を検出する検出手段を備え、 噴射制御手段は、前記所定のガス成分に関する値が設定
    値よりも大きい状態と小さい状態とに交互に変化するよ
    うに、燃料噴射量、噴射回数及び非噴射間隔の少なくと
    も1つを前記検出手段の検出値に基づいてフィードバッ
    ク制御するものであることを特徴とするディーゼルエン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 噴射制御手段は、非噴射間隔を交互に延長又は短縮する
    ものであり、 トルク変動低減手段は、前記噴射制御手段により非噴射
    間隔が延長されるときに噴射回数を減らす一方、非噴射
    間隔が短縮されるときには噴射回数を増やすものである
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 噴射制御手段は、噴射回数を交互に増加又は減少させる
    ものであり、 トルク変動低減手段は、前記噴射制御手段により噴射回
    数が増加されるときに非噴射間隔を短縮する一方、噴射
    回数が減少されるときには非噴射間隔を延長するもので
    あることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 噴射制御手段は、燃料噴射量を交互に増大又は減少させ
    るものであることを特徴とするディーゼルエンジンの燃
    料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 トルク変動低減手段は、噴射制御手段により燃料噴射量
    が増大されるときに、噴射回数及び非噴射間隔をいずれ
    も増大させる一方、燃料噴射量が減少されるときには噴
    射回数及び非噴射間隔をいずれも減少させるものである
    ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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