JP2001040179A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Info

Publication number
JP2001040179A
JP2001040179A JP11220481A JP22048199A JP2001040179A JP 2001040179 A JP2001040179 A JP 2001040179A JP 11220481 A JP11220481 A JP 11220481A JP 22048199 A JP22048199 A JP 22048199A JP 2001040179 A JP2001040179 A JP 2001040179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin
epoxy resin
acrylate
allyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11220481A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Nakao
稔 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP11220481A priority Critical patent/JP2001040179A/ja
Publication of JP2001040179A publication Critical patent/JP2001040179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部応力が小さく強靱性に優れるとともに、リ
ードフレームや半導体素子に対する接着性にも優れ、か
つブロッキングの無い半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(F)成分を含有する半導
体封止用エポキシ樹脂組成物である。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。 (E)架橋したジアリルフタレート樹脂粉末およびブタ
ジエン系ゴム粒子の少なくとも一方。 (F)クマロン系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部応力が小さ
く、強靱性に優れ、かつリードフレームおよび半導体素
子への接着性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物
およびそれを用いて樹脂封止された半導体装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ,IC等の半導体装置は、
外部環境からの保護および素子のハンドリングを可能に
する観点から、セラミックおよびプラスチックパッケー
ジ等により封止され半導体装置化されている。上記セラ
ミックパッケージは、構成材料そのものが耐湿性に優
れ、しかも中空パッケージのため半導体素子にかかる応
力を無視することができる。このため、信頼性の高い封
止が可能であるが、構成材料そのものが高価であり、量
産性に劣るという問題を有している。
【0003】このようなことから、最近ではエポキシ樹
脂組成物を用いたプラスチックパッケージが主流となっ
てきている。このエポキシ樹脂組成物による封止では、
量産性に優れ安価に作製することができるものの、プラ
スチックパッケージにおいて封止樹脂(硬化体)が半導
体素子に比べて大きい線膨張係数を有するため、低応力
性の改良が大きな課題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、樹脂封止
された半導体装置の内部応力を低減するために、従来か
ら、シリコーンオイルや液状ゴムを用い封止材に添加し
て、樹脂硬化物の弾性率を低下させる方法が採られてい
る。しかしながら、上記方法では、シリコーンオイルや
液状ゴムがいわゆる液状であるということから、得られ
た封止材(封止用樹脂組成物)を粉体状として取り扱う
場合、ブロッキングし易いという欠点を有していた。こ
のため、封止作業性の点で問題となっいた。
【0005】上記のような問題を改良する方法として、
上記シリコーンオイルや液状ゴムに代えて、粉末状のゴ
ムあるいは重合体を添加する方法が提案されている。し
かしながら、このような方法では上記ブロッキング性と
いう点では改良されるが、これを添加した封止材により
半導体素子を樹脂封止した際、封止樹脂(硬化体)とリ
ードフレームおよび半導体素子との接着性が低下すると
いう問題が生じる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、内部応力が小さく強靱性に優れるとともに、リ
ードフレームや半導体素子に対する接着性にも優れ、ブ
ロッキングの無い半導体封止用エポキシ樹脂組成物およ
びそれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置の
提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(F)成分を含有する半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。 (E)架橋したジアリルフタレート樹脂粉末およびブタ
ジエン系ゴム粒子の少なくとも一方。 (F)クマロン系樹脂。
【0008】また、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2
の要旨とする。
【0009】本発明者は、所期の課題を解決するため、
封止材の配合成分を中心に一連の検討の重ねた。その結
果、低応力性、優れた強靱性、リードフレームおよび半
導体素子に対する高い接着性、さらにブロッキングの発
生防止を全て満足することができる配合成分として、架
橋したジアリルフタレート樹脂粉末(以下「架橋ジアリ
ルフタレート樹脂粉末」という)およびブタジエン系ゴ
ム粒子の少なくとも一方とともにクマロン系樹脂を用い
ると、上記目的が達成されることを見出し本発明に到達
した。すなわち、上記クマロン樹脂を用いることによ
り、リードフレームおよび半導体素子表面に対する濡れ
性が向上し、かつクマロン骨格特有の粘着性向上という
作用を奏することから、リードフレームおよび半導体素
子に対する密着性が向上するためであると考えられる。
【0010】さらに、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末
およびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成
分)が、エポキシ樹脂(A成分)およびフェノール樹脂
(B成分)の少なくとも一方の一部または全部と予め混
合分散されている場合、樹脂の弾性率が低下することに
より、半導体素子に与える応力が低くなる。また、架橋
ジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒
子の少なくとも一方の粒子表面に有する官能基と、エポ
キシ樹脂またはフェノール樹脂が反応することにより、
より強靱性の高い構造をとるようになり、樹脂の強靱性
が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0012】本発明にて得られる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール
樹脂(B成分)と、硬化促進剤(C成分)と、無機質充
填剤(D成分)と、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末お
よびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成分)
と、クマロン系樹脂(F成分)とを用いて得ることがで
きるものであり、通常、粉末状もしくはそれを打錠した
タブレット状になっている。
【0013】上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特
に限定するものではなく、ジシクロペンタジエン型,ク
レゾールノボラック型,フェノールノボラック型,ビス
フェノール型,ビフェニル型等の各種のエポキシ樹脂を
用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用い
てよいし2種以上併用してもよい。そして、これらエポ
キシ樹脂のなかでも、特に融点または軟化点が室温を超
えていることが好ましい。例えば、ノボラック型エポキ
シ樹脂としては、通常、エポキシ当量150〜250、
軟化点50〜130℃のものが用いられ、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180
〜210、軟化点60〜110℃のものが一般に用いら
れる。
【0014】上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用い
られるフェノール樹脂(B成分)は、上記エポキシ樹脂
(A成分)の硬化剤として作用するものであり、特に限
定するものではなく、ジシクロペンタジエン型フェノー
ル樹脂,フェノールノボラック樹脂,クレゾールノボラ
ック樹脂,フェノールアラルキル樹脂等があげられる。
これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし2種以上
併用してもよい。そして、これらフェノール樹脂として
は、水酸基当量が70〜250,軟化点が50〜110
℃のものを用いることが好ましい。
【0015】上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール
樹脂(B成分)の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキ
シ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が
0.5〜2.0当量となるように配合することが好まし
い。より好ましくは0.8〜1.2当量である。
【0016】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る硬化促進剤(C成分)としては、従来公知のものが用
いられる。具体的には、エチルグアニジン、トリメチル
グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジ
ン等のアルキル置換グアニジン類、3−(3,4−ジク
ロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル
−1,1−ジメチル尿素、3−(4−クロロフェニル)
−1,1−ジメチル尿素等の3−置換フェニル−1,1
−ジメチル尿素類、2−メチルイミダゾリン、2−フェ
ニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−
ヘプタデシルイミダゾリン等のイミダゾリン類、2−ア
ミノピリジン等のモノアミノピリジン類、N,N−ジメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピ
ル)アミン−N′−ラクトイミド等のアミンイミド系
類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホ
スフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ト
リオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
シクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/
トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート等の有機リン系化合物、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,
5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等のジア
ザビシクロアルケン系化合物等があげられる。なかで
も、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物やジ
アザビシクロアルケン系化合物が好適に用いられる。こ
れらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0017】上記硬化促進剤(C成分)の含有割合は、
エポキシ樹脂組成物全体の0.1〜1.0重量%の割合
に設定することが好ましい。さらに、エポキシ樹脂組成
物の流動性を考慮すると好ましくは0.15〜0.35
重量%である。
【0018】上記A〜C成分とともに用いられる無機質
充填剤(D成分)としては、特に限定するものではなく
従来公知の各種充填剤があげられ、例えば、石英ガラス
粉末、タルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、窒化アルミ
ニウム粉末、窒化珪素粉末等があげられる。これらは単
独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記シリカ粉
末としては、溶融シリカ粉末、結晶性シリカ粉末等があ
げられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数を低
減できるという点から上記シリカ粉末を用いることが好
ましく、上記シリカ粉末のなかでも溶融シリカ粉末を用
いることが高充填、高流動性という点から特に好まし
い。上記溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉
末、破砕溶融シリカ粉末があるが、流動性と強靱性を共
立するという観点から、両者を併用することが好まし
い。特に、平均粒径が10〜40μmの範囲、特に好ま
しくは5〜30μmの範囲の球状溶融シリカ粉末と、平
均粒径が1.0〜40mmの範囲、特に好ましくは2〜
20mmの範囲の破砕溶融シリカ粉末を併用することが
好ましい。この場合の両者の併用割合は、重量比で、球
状溶融シリカ粉末/破砕溶融シリカ粉末=60/40〜
95/5に設定することが好ましい。なお、上記平均粒
径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を
用いて測定することができる。
【0019】上記無機質充填剤(D成分)の配合量は、
エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上であることが
好ましく、より好ましくは80〜90重量%の範囲であ
り、特に好ましくは85〜90重量%である。すなわ
ち、75重量%未満のように少なすぎると、封止樹脂の
吸湿量が増大し、かつ樹脂強度が低下するため、半導体
パッケージのリフロー時にクラックや剥離が発生し易く
なる傾向がみられるからである。
【0020】上記A〜D成分とともに用いられるE成分
は、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン
系ゴム粒子の少なくとも一方である。そして、上記E成
分の使用に際しては、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末
またはブタジエン系ゴム粒子を単独で使用することが特
に好ましい。
【0021】上記架橋ジアリルフタレート樹脂粉末は、
完全に架橋しており、例えば、他の成分との溶融混合時
等加熱されても溶融せず、粉末形状を保持することがで
きる状態のものである。この架橋ジアリルフタレート樹
脂粉末は、例えば、フタル酸ジ(メタ)アリルと、この
フタル酸ジ(メタ)アリルを除くビニル化合物との架橋
共重合体の粉末からなる。
【0022】上記フタル酸ジ(メタ)アリルは、フタル
酸ジアリルおよびフタル酸ジメタアリルの双方を意味
し、上記フタル酸ジ(メタ)アリルとしては、オルソフ
タル酸ジアリル、メタフタル酸ジアリル、テレフタル酸
ジアリル、オルソフタル酸ジメタアリル、メタフタル酸
ジメタアリル、テレフタル酸ジメタアリル等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。なかでも、オルソフタル酸ジアリル、メタフタル酸
ジアリル、テレフタル酸ジアリルが好ましい。
【0023】上記フタル酸ジ(メタ)アリルを除くビニ
ル化合物としては、エポキシ基と反応性を有する官能基
を有するビニル化合物と、エポキシ基と反応性を有する
官能基を有しないビニル化合物とに大別される。
【0024】上記エポキシ基と反応性を有する官能基を
有するビニル化合物において、酸基を有するビニル化合
物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸等の不飽和カルボン酸、フタル酸モノ(メ
タ)アリルエステル、マレイン酸モノ(メタ)アリルエ
ステル、フマル酸モノ(メタ)アリルエステルまたはこ
れらの酸無水物もしくは塩、スチレンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不
飽和スルホン酸またはこれらの塩、ビニルホスホン酸、
アシッドホスホキシルエチル(メタ)アクリレート等の
不飽和リン酸等に代表される、カルボキシル基、スルホ
ン酸基またはリン酸基を有するビニル化合物およびこれ
らビニル化合物の酸無水物もしくは塩があげられる。
【0025】上記エポキシ基と反応性を有する官能基を
有するビニル化合物において、水酸基を有するビニル化
合物としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−
ヒドロキシブチル、(メタ)アリルアルコール、乳酸
(メタ)アリル、グリセリンの(メタ)アクリル酸モノ
エステル、ペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸
モノエステル、アリルアルコール、メタクリルアルコー
ル等の水酸基を有するビニル化合物があげられる。特に
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
【0026】上記エポキシ基と反応性を有する官能基を
有するビニル化合物において、エポキシ基を有するビニ
ル化合物としては、ジビニルベンゼンモノエポキシド、
ジイソプロペニルベンゼンモノエポキシド等分子内に複
数の芳香族共役性ビニル化合物の少なくとも一つのビニ
ル基を残して他がエポキシ化されたビニル化合物類、ブ
タジエン、イソプレンモノエポキシド、1,5−ヘキサ
ジエンモノエポキシド、ビニルシクロヘキセンモノエポ
キシド等複数の不飽和結合を有する脂肪族ビニル化合物
の一つのビニル基を残して他がエポキシ化されたビニル
化合物類、(メタ)アリルグリシジルエーテル、2−メ
チルグリシジル(メタ)アリルエーテル、エチレングリ
コールジ(メタ)アリルエーテルモノエポキシド、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アリルエーテルモノエポキ
シド、ヘキサンジオール(メタ)アリルエーテルモノエ
ポキシド、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエ
ーテルモノエポキシド、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アリルエーテルモノエポキシド、ジメチロールシク
ロヘキサンジ(メタ)アリルエーテルモノエポキシド、
トリ(メタ)アリルイソシアヌレートモノエポキシド、
トリ(メタ)アリルイソシアヌレートジエポキシド等分
子内に複数の同種または異種のアリルエーテル基もしく
はメタアリルエーテル基を有する、ビニル化合物の少な
くとも一つのビニル基を残して他がエポキシ化されたビ
ニル化合物類、ジ(メタ)アリルカーボネートモノエポ
キシド、蓚酸ジ(メタ)アリルモノエポキシド、コハク
酸ジ(メタ)アリルモノエポキシド、フマル酸ジ(メ
タ)アリルモノエポキシド、マレイン酸ジ(メタ)アリ
ルモノエポキシド、アジピン酸ジ(メタ)アリルモノエ
ポキシド、シクロヘキサンジカルボン酸ジ(メタ)アリ
ルモノエポキシド、フタル酸ジ(メタ)アリルモノエポ
キシド等分子内に複数の同種または異種のアリルエステ
ル基またはメタアリルエステル基を有するビニル化合物
の少なくとも一つを残して他がエポキシ化されたビニル
化合物類、グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリ
シジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する
(メタ)アクリル酸エステル類があげられる。
【0027】上記エポキシ基と反応性を有する官能基を
有するビニル化合物において、アミノ基を有するビニル
化合物としては、(メタ)アクリル酸アミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等
のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、
(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルアミン、メチ
ルジ(メタ)アリルアミン、トリ(メタ)アリルアミ
ン、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド
等のアミノ基を有し、同一または異種の(メタ)アリル
基を有する化合物類があげられる。
【0028】さらに、(メタ)アクリル酸アミド、N−
メチル(メタ)アクリル酸アミド等のN−アルキル置換
基を有してもよい(メタ)アクリル酸アミド類、N−メ
チロール(メタ)アクリル酸アミド、N−(o−メチル
メチロール)(メタ)アクリル酸アミド、N−(o−ブ
チルメチロール)(メタ)アクリル酸アミド、N,N−
ジ(o−メチルメチロール)(メタ)アクリル酸アミ
ド、N,N−ジ(o−ブチルメチロール)(メタ)アク
リル酸アミド等のN−メチロール置換またはN−(o−
アルキルメチロール)置換された(メタ)アクリル酸ア
ミド、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のカ
ルボニル基を有するビニル化合物類、(メタ)アクロレ
イン、クロトンアルデヒド等のアルデヒド基を有するビ
ニル化合物類、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリ
レート等同一のメチレン基またはメチン基で2つのカル
ボニル基が縮合された基を有するビニル化合物類、ビニ
ルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等のアリコキシシリル基を有するビ
ニル化合物類等があげられる。
【0029】つぎに、上記エポキシ基と反応性を有する
官能基を有しないビニル化合物としては、(メタ)アク
リル酸エステル、スチレン類、α−メチルスチレン類、
(メタ)アリルエーテル類、(メタ)アリルエステル
類、シアノ基を有するビニル化合物類、不飽和結合を有
する脂肪族炭化水素類、ビニルエーテル、ビニルエステ
ル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、ビニルシ
ラン類、(メタ)アリルアルコール、トリ(メタ)アリ
ルシアヌレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート
等があげられる。
【0030】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アルコールの炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸
エステルがあげられる。上記アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸シクロペンチル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アク
リル酸ヘプチル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の
炭素数が1〜8の飽和脂肪族アルコールからなるアクリ
ル酸エステル類があげられる。
【0031】上記メタクリル酸エステルとしては、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n
−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸シクロ
ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸メチル
シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル等の炭素数が1〜8の飽和脂肪族ア
ルコールからなるメタクリル酸エステル類があげられ
る。
【0032】さらに、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル等の脂肪族炭化水素のアルコールからなる(メ
タ)アクリル酸エステル類、ベンジル(メタ)アクリレ
ート等の芳香族基を含む(メタ)アクリル酸エステル
類、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、トリフル
オロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキ
ル(メタ)アクリレート、1−位のみが水素置換された
パーフルオロアルコールの(メタ)アクリレート等のハ
ロゲン化されたアルコール成分からなるアクリル酸エス
テルもしくはメタクリル酸エステル類、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセ
リントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、トリアジントリ(メタ)ア
クリレート、ホスファゼントリ(メタ)アクリレート等
の分子内に複数の同一または異種のアクリル基もしくは
メタクリル基を有するエステル類、アリル(メタ)アク
リレート、メタアリル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等
があげられる。
【0033】上記スチレン類としては、スチレン、オル
ソまたはパラクロロスチレン、オルソまたはパラメチル
スチレン、オルソまたはパラメチルスチレン、オルソま
たはパラクロロメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ト
リビニルベンゼン等芳香族環がハロゲンまたはアルキル
基またはハロゲン化アルキル基またはビニル基で置換さ
れたスチレン類があげられる。
【0034】上記α−メチルスチレン類としては、α−
メチルスチレンまたはパラクロロα−メチルスチレン、
オルソまたはパラクロロメチルα−メチルスチレン、ジ
イソプロペニルベンゼン等芳香族環がハロゲンまたはア
ルキル基またはハロゲン化アルキル基またはビニル基で
置換されたα−メチルスチレン類があげられる。
【0035】上記(メタ)アリルエーテル類としては、
メチル(メタ)アリルエーテル、エチル(メタ)アリル
エーテル、プロピル(メタ)アリルエーテル、ブチル
(メタ)アリルエーテル、ヘキシル(メタ)アリルエー
テル、シクロヘキシル(メタ)アリルエーテル、2−エ
チルヘキシル(メタ)アリルエーテル、フェニル(メ
タ)アリルエーテル、クレジル(メタ)アリルエーテ
ル、ジ(メタ)アリルエーテル、アリル(メタ)アリル
エーテル等のアリルエーテルもしくはメタアリルエーテ
ル類、エチレングリコールジ(メタ)アリルエーテル、
プロピレングリコールジ(メタ)アリルエーテル、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アリルエーテル、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アリルエーテル、ジメチロールシク
ロヘキサンジ(メタ)アリルエーテル、ジ(メタ)アリ
ルエーテル等の分子内に同一種または異種の形で複数の
アリルエーテル基もしくはメタアリルエーテル基を有す
るビニル化合物類等があげられる。
【0036】上記(メタ)アリルエステル類としては、
酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪
酸(メタ)アリル、安息香酸(メタ)アリル、乳酸(メ
タ)アリル等のアリルエステルまたはメタリルエステル
類、ジ(メタ)アリルカーボネート、シュウ酸ジ(メ
タ)アリル、コハク酸ジ(メタ)アリル、フマル酸ジ
(メタ)アリル、マレイン酸ジ(メタ)アリル、アジピ
ン酸ジ(メタ)アリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジ
(メタ)アリル等の分子内に同一種または異種の形で複
数のアリルエステル基またはメタリルエステル基を有す
るビニル化合物類があげられる。
【0037】上記シアノ基を有するビニル化合物類とし
ては、(メタ)アクリロニトリル等があげられる。さら
に、上記不飽和結合を有する脂肪族炭化水素類として
は、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロ
ヘキセン等の分子内に1個の不飽和結合を有する脂肪族
炭化水素類、ブタジエン、イソプレン、1,5−ヘキサ
ジエン、ビニルシクロヘキセン等の複数の不飽和結合を
有する脂肪族炭化水素類等のビニル化合物があげられ
る。
【0038】上記ビニルエーテルとしては、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニ
ルエーテル、N−アミルビニルエーテル、イソアミノビ
ニルエーテル、(メタ)アリルビニルエーテルジビニル
エーテル等があげられる。上記ビニルエステルとして
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、長鎖カルボン酸
ビニル等のビニルエステル類等があげられる。
【0039】上記マレイン酸エステルとしては、ジメチ
ルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジブチルマレイン
酸、ジ(メタ)アリルマレイン酸等の飽和または不飽和
脂肪族炭化水素アルコールのマレイン酸エステルがあげ
られる。上記フマル酸エステルとしては、ジメチルフマ
ル酸、ジエチルフマル酸、ジブチルフマル酸等の飽和脂
肪族炭化水素アルコールのフマル酸エステル類があげら
れる。
【0040】上記ビニルシラン類としては、トリメチル
ビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジエチルジビ
ニルシラン、トリメチル(メタ)アリルシラン、ジメチ
ルジ(メタ)アリルシラン、テトラ(メタ)アリルシラ
ン等の飽和または不飽和脂肪族炭化水素で置換されたシ
ラン類があげられる。
【0041】上記ビニル化合物としては、アルコールの
炭素数が1〜8の(メタ)クリル酸エステルが好まし
い。上記アクリル酸エステルのなかでもアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペン
チル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘプチル、
アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の炭素数1〜3の
飽和脂肪族アルコールからなるエステル類が好ましい。
上記メタクリル酸エステルのなかでも、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸シクロペンチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸メチルシクロ
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシルが好ましい。
【0042】さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシルがあげられる。
【0043】本発明に用いられる架橋ジアリルフタレー
ト樹脂粉末は、上記モノマー成分を用い、適宜の配合割
合で配合し、従来公知の方法、例えば、乳化重合等によ
って製造することができるが、これ以外に分散重合、懸
濁重合によっても製造することができる。
【0044】そして、上記架橋ジアリルフタレート樹脂
粉末は、平均粒径0.05〜0.5μmのミクロゲルの
球状集合体であり、この球状集合体の平均粒径が1〜5
0μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは2
0〜30μmの範囲である。すなわち、平均粒径が上記
範囲を外れ大き過ぎると、樹脂成分中で、いわゆる「ダ
マ」になり易く、充分な分散が得られ難くなるため、成
形品質の低下や応力性の低下傾向がみられる。また、平
均粒径が上記範囲より小さ過ぎると、粉末の飛散等によ
り樹脂成分中への分散が充分に行われず、作業性が低下
する傾向がみられるからである。なお、上記架橋ジアリ
ルフタレート樹脂粉末の平均粒径は、例えば、レーザー
式粒度計(ホリバ製作所社製、LA−910)により測
定することができる。
【0045】上記ブタジエン系ゴム粒子は、通常、メタ
クリル酸アルキル,アクリル酸アルキル,ブタジエン,
スチレン等の共重合反応によって得られるものが用いら
れる。例えば、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン−ビニルト
ルエン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、メタ
クリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタ
クリル酸メチル−ブタジエン−ビニルトルエン共重合
体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ブタジエン−ビニルトルエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等をあ
げることができる。そして、上記共重合体のなかでも、
メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体を
用いることが好ましく、特にブタジエンの組成比率が7
0重量%以下、メタクリル酸メチルの組成比率が15重
量%以上のメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
共重合体が好適に用いられる。特に好ましくはブタジエ
ンの組成比率が40〜70重量%であり、メタクリル酸
メチルとスチレンの合計組成比率が30〜60重量%で
ある。この場合、メタクリル酸メチルとスチレンの組成
比率(重量比)はメタクリル酸メチル1に対してスチレ
ンが0.5〜2.0の範囲となることが好ましい。ま
た、本発明における上記(C)成分は、市販品の三菱レ
ーヨン社製のメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体の粉体である商品名メタブレンを凍結粉砕等
を行って、微粉砕化して得ることもできる。
【0046】さらに、上記ブタジエン系ゴム粒子とし
て、コア−シェル構造を有するものが好ましく用いられ
る。このコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム粒
子は、核となるコア部分がブタジエン系ゴム類からなる
粒子で形成され、この核を被覆するよう核の外表面に、
重合体樹脂からなるシェル部分(外層)が形成されたゴ
ム粒子である。上記核の形成材料であるブタジエン系ゴ
ム類としては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス
等があげられる。また、上記核を被覆する外層の形成材
料となる重合体樹脂としては、例えば、ガラス転移温度
が70℃以上となる重合体樹脂があげられ、この重合体
樹脂は不飽和二重結合を有する不飽和単量体の重合によ
って得られる。上記不飽和単量体としては、メタクリル
酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等があげられ
る。このようなコア−シェル構造を有するブタジエン系
ゴム粒子は、例えば、水媒体重合法によって得られる。
詳しく述べると、上記核の形成材料であるブタジエン系
ゴム類と水を配合し重合させて核となるブタジエン系ゴ
ム粒子を調製する。ついで、この水媒体中に、外層の形
成材料となる不飽和単量体を添加して上記核であるブタ
ジエン系ゴム類の表面に不飽和単量体をグラフト共重合
させ、重合体樹脂を上記核の外周面上に積層形成するこ
とによってコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム
粒子が得られる。このようなコア−シェル構造を有する
ブタジエン系ゴム粒子としては、コア(核)部分がスチ
レン−ブタジエン共重合体からなり、シェル部分がメタ
クリル酸メチルあるいはメタクリル酸メチルとスチレン
からなるものが特に好ましく、その組成比は、前述のよ
うに、ブタジエンの組成比率が70重量%以下、メタク
リル酸メチルの組成比率が15重量%以上のものが好ま
しい。特に好ましくはブタジエンの組成比率が40〜7
0重量%であり、メタクリル酸メチルとスチレンの合計
組成比率が30〜60重量%である。この場合、メタク
リル酸メチルとスチレンの組成比率(重量比)はメタク
リル酸メチル1に対してスチレンが0.5〜2.0の範
囲となることが好ましい。
【0047】そして、本発明に用いられるブタジエン系
ゴム粒子としては、その二次粒子の平均粒径が100μ
m以下となるものが好ましく、より好ましくは平均粒径
が20〜100μm、特に好ましくは平均粒径が20〜
50μmである。このように、上記二次粒子の平均粒径
が100μm以下、特に20〜100μmの範囲内で
は、粉体としてのハンドリングおよび分散性がより一層
良好となる。さらに、本発明に用いられるブタジエン系
ゴム粒子としては、上記二次粒子における平均粒径とと
もに、その97重量%以上が二次粒子径250μm以下
であることが好ましく、しかも80重量%以上が二次粒
子径150μm以下であることが望ましい。特に好まし
くは二次粒子の最大粒径が250μm以下であり、二次
粒子径150μm以下が100重量%である。すなわ
ち、二次粒子径150μm以下が80重量%未満では、
例えば、混練機で溶融混合する際に充分な分散状態が得
られ難いからである。また、上記二次粒子径250μm
以下のものが97重量%未満では、半導体装置内におい
て、金線ワイヤー/リードピンの狭部において目詰まり
を起こし易く、金線ワイヤー/リードピンの変形もしく
は断線を生起する傾向がみられるからである。なお、上
記二次粒子は、例えば、X線装置による写真や超音波顕
微鏡写真を用い、樹脂成形物中に黒点として観察される
ものである。
【0048】上記架橋ジアリルフタレート樹脂粉末およ
びブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成分)の
含有割合は、最終的に得られる半導体封止用エポキシ樹
脂組成物全体中0.1〜2重量%の範囲となるよう設定
することが好ましい。特に好ましくは0.2〜1重量%
である。すなわち、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末お
よびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成分)
が0.1重量%未満のように少な過ぎると、強靱性およ
び低応力性の向上効果が得られ難く、逆に2重量%を超
え多過ぎると、樹脂粉末やゴム粒子に含まれるイオン性
不純物に起因する半導体素子の信頼性の低下がみられ、
さらに樹脂粉末やゴム粒子が充分かつ均一に分散しなく
なる傾向がみられるからである。
【0049】上記A〜E成分とともに用いられるクマロ
ン系樹脂(F成分)は、例えば、クマロン類、インデン
類、スチレン類およびその他の成分を含む原料を、13
0〜200℃で、ルイス酸、ブレンステッド酸、固体酸
等の触媒を用いカチオン重合させることにより得ること
ができる。
【0050】上記クマロン系樹脂において、なかでも、
クマロンインデン−スチレン共重合樹脂が好適に用いら
れる。例えば、新日鉄化学社製のエスクロンG−90、
あるいはインデンオリゴマーI−100、IP−100
等のクマロン−インデン系樹脂が用いられる。また、軟
化点が80〜130℃の範囲が、特に好ましくは90〜
110℃の範囲のものが用いられる。
【0051】上記クマロン系樹脂(F成分)の含有量
は、エポキシ樹脂組成物全体中0.1〜2重量%の範囲
となるよう設定することが好ましい。特に好ましくは
0.2〜1重量%である。すなわち、クマロン系樹脂
(F成分)が0.1重量%未満のように少な過ぎると、
樹脂の接着性が低下し、半田実装時のクラックや剥離が
発生し易く、逆に2重量%を超え多過ぎると、成形時に
金型からの離型性不良につながり、成形品の品質低下傾
向がみられるからである。
【0052】なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、上記A〜F成分以外に必要に応じて難燃
剤、難燃助剤、離型剤、カーボンブラック等の顔料や着
色料、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤等他の添加剤を適宜配合することができ
る。
【0053】上記難燃剤としては、ブロム化エポキシ樹
脂等のハロゲン系難燃剤があげられ、さらに上記難燃助
剤として、三酸化二アンチモンや五酸化二アンチモン等
が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。
【0054】さらに、上記ハロゲン系難燃剤以外に、下
記の一般式(1)で表される多面体形状の複合化金属水
酸化物を用いることができる。この複合化金属水酸化物
は、結晶形状が多面体形状を有するものであり、従来の
六角板形状を有するもの、あるいは、鱗片状等のよう
に、いわゆる厚みの薄い平板形状の結晶形状を有するも
のではなく、縦、横とともに厚み方向(c軸方向)への
結晶成長が大きい、例えば、板状結晶のものが厚み方向
(c軸方向)に結晶成長してより立体的かつ球状に近似
した粒状の結晶形状、例えば、略12面体、略8面体、
略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物をいう。
【0055】
【化1】
【0056】上記一般式(1)で表される複合化金属水
酸化物に関して、式(1)中の金属元素を示すMとして
は、Al,Mg,Ca,Ni,Co,Sn,Zn,C
u,Fe,Ti,B等があげられる。
【0057】また、上記一般式(1)で表される複合化
金属水酸化物中のもう一つの金属元素を示すQは、周期
律表のIVa,Va,VIa, VIIa,VIII,Ib,IIbか
ら選ばれた族に属する金属である。例えば、Fe,C
o,Ni,Pd,Cu,Zn等があげられ、単独でもし
くは2種以上併せて選択される。
【0058】このような結晶形状が多面体形状を有する
複合化金属水酸化物は、例えば、複合化金属水酸化物の
製造工程における各種条件等を制御することにより、
縦,横とともに厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大
きい、所望の多面体形状、例えば、略12面体、略8面
体、略4面体等の形状を有する複合化金属水酸化物を得
ることができ、通常、これらの混合物からなる。
【0059】上記多面体形状を有する複合化金属水酸化
物の具体的な代表例としては、酸化マグネシウム・酸化
ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和
物、酸化マグネシウム・酸化銅の水和物等があげられ
る。
【0060】また、上記多面体形状を有する複合化金属
水酸化物のアスペクト比は、通常1〜8、好ましくは1
〜7、特に好ましくは1〜4である。ここでいうアスペ
クト比とは、複合化金属水酸化物の長径と短径との比で
表したものである。すなわち、アスペクト比が8を超え
ると、この複合化金属水酸化物を含有するエポキシ樹脂
組成物が溶融したときの粘度低下に対する効果が乏しく
なる。そして、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物の構成成分として用いられる場合には、一般的に、ア
スペクト比が1〜4のものが用いられる。
【0061】上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげ
られ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワッ
クスが用いられ、これらは単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。
【0062】また、耐湿信頼性テストにおける信頼性向
上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス
等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0063】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、例えばつぎのようにして製造することができる。す
なわち、上記A〜F成分および必要に応じて他の添加剤
を、同時に配合し混合した後、ミキシングロール機等の
混練機にかけ加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却
した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠
するという一連の工程により製造することができる。
【0064】上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製
造に際して、予め、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末お
よびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成分)
と、上記エポキシ樹脂(A成分)およびフェノール樹脂
(B成分)の少なくとも一方の一部または全部とを混合
分散させることが好ましい。このように、予め樹脂成分
中にE成分を混合分散させた後、この予備混合分散物に
残余成分を配合して溶融混合して、上記と同様、冷却、
粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造する。このよう
に、予備混合分散を行うことにより、架橋ジアリルフタ
レート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒子の少なくと
も一方(E成分)と、エポキシ樹脂およびフェノール樹
脂がより反応し易くなり、より強靱性の高い構造となる
ため、樹脂の強靱性が向上するようになる。さらに、粒
子がより細かく分散されることで、粒子のもつ低応力性
がより効果的になり、樹脂の低応力性が向上するという
効果を得ることができ好ましい。
【0065】上記予備混合を詳しく述べると、まず、エ
ポキシ樹脂(A成分)およびフェノール樹脂(B成分)
の少なくとも一方の一部または全部を加熱することによ
り完全に溶融させる。ついで、この溶融物に、架橋ジア
リルフタレート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒子の
少なくとも一方(E成分)を添加して、加熱混合する工
程である。上記エポキシ樹脂(A成分)およびフェノー
ル樹脂(B成分)の少なくとも一方の一部または全部を
溶融させる際の加熱条件としては、130〜170℃に
加熱した反応釜で材料を攪拌しながら融解することがあ
げられる。また、溶融物に架橋ジアリルフタレート樹脂
粉末およびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E
成分)を添加して加熱混合する際の条件としては、上記
反応釜で溶解した樹脂を攪拌羽根を用いて攪拌しなが
ら、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン
系ゴム粒子を少しずつ添加し、温度を一定に保ちながら
約30〜60分間攪拌混合することがあげられる。
【0066】上記予備混合に際して、架橋ジアリルフタ
レート樹脂粉末またはブタジエン系ゴム粒子と、フェノ
ール樹脂の使用全量を混合分散させることが、強靱性と
低応力性の両立という点から特に好ましい。
【0067】このようなエポキシ樹脂組成物を用いての
半導体素子の封止は、特に制限するものではなく、通常
のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行
うことができる。
【0068】このようにして得られる半導体装置は、封
止用樹脂組成物として用いられるエポキシ樹脂組成物中
に、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン
系ゴム粒子の少なくとも一方(E成分)およびクマロン
系樹脂(F成分)が含有されているため、優れた低応力
性および強靱性を有するとともに、封止樹脂(硬化体)
がリードフレームおよび半導体素子に対し高い接着性を
示すために、高い信頼性を備えている。
【0069】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0070】下記に示す各成分を準備した。
【0071】〔エポキシ樹脂A〕o−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点70
℃)
【0072】〔エポキシ樹脂B〕ブロム化エポキシ樹脂
(エポキシ当量455、軟化点80℃)
【0073】〔フェノール樹脂〕フェノールノボラック
樹脂(水酸基当量105、軟化点83℃)
【0074】〔硬化促進剤〕トリフェニルホスフィン
【0075】〔シリカ粉末A〕球状溶融シリカ粉末(平
均粒径25μm)
【0076】〔シリカ粉末B〕破砕溶融シリカ粉末(平
均粒径5μm)
【0077】〔クマロン系樹脂〕エスクロンG−90
(新日鉄化学社製)、軟化点100℃
【0078】〔シランカップリング剤〕γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン
【0079】〔離型剤〕カルナバワックス
【0080】〔難燃助剤〕三酸化二アンチモン
【0081】〔カーボンブラック〕
【0082】〔架橋ジアリルフタレート樹脂粉末〕約
0.1μmの粒子径のミクロゲルの集合体、平均粒径3
0μm(ダイソー社製、DAP−WBパウダー)
【0083】〔ブタジエン系ゴム粒子〕メチルメタクリ
レート・ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子(二次
粒子の平均粒径70μm)(三菱レーヨン社製、メタブ
レンC−132E)
【0084】〔変性エポキシ樹脂Aの作製〕上記o−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部を万能
混合釜に入れて150℃に加熱した。o−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂が完全に溶融した後、架橋ジア
リルフタレート樹脂粉末(約0.1μmの粒子径のミク
ロゲルの集合体、平均粒径30μm)12重量部を加
え、60分間加熱混合(150℃)することにより、架
橋ジアリルフタレート樹脂粉末が均一に分散した変性エ
ポキシ樹脂Aを作製した。
【0085】〔変性エポキシ樹脂Bの作製〕上記o−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部を万能
混合釜に入れて150℃に加熱した。o−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂が完全に溶融した後、メチルメ
タクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子
(二次粒子の平均粒径70μm)12重量部を加え、6
0分間加熱混合(150℃)することにより、上記ゴム
粒子が均一に分散した変性エポキシ樹脂Bを作製した。
【0086】〔変性フェノール樹脂Aの作製〕上記フェ
ノールノボラック樹脂100重量部を万能混合釜に入れ
て150℃に加熱した。フェノールノボラック樹脂が完
全に溶融した後、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末(約
0.1μmの粒子径のミクロゲルの集合体、平均粒径3
0μm)12重量部を加え、60分間加熱混合(150
℃)することにより、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末
が均一に分散した変性フェノール樹脂Aを作製した。
【0087】〔変性フェノール樹脂Bの作製〕上記フェ
ノールノボラック樹脂100重量部を万能混合釜に入れ
て150℃に加熱した。フェノールノボラック樹脂が完
全に溶融した後、メチルメタクリレート・ブタジエン・
スチレン共重合体ゴム粒子(二次粒子の平均粒径70μ
m)12重量部を加え、60分間加熱混合(150℃)
することにより、上記ゴム粒子が均一に分散した変性フ
ェノール樹脂Bを作製した。
【0088】
【実施例1〜8、比較例1〜6】下記の表1〜表2に示
す各原料を同表に示す割合で同時に配合し、100℃に
加熱したロール混練機(10分間)にかけて溶融混練し
た。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタ
ブレット状に打錠することにより半導体封止用エポキシ
樹脂組成物を得た。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】このようにして得られた実施例および比較
例のエポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法に従って、
スパイラルフロー値、ゲルタイム、フローテスター粘
度、曲げ強度、曲げ弾性率、ガラス転移温度、接着性、
耐半田性を測定・評価した。その結果を後記の表4〜表
6に併せて示す。
【0092】〔スパイラルフロー値〕スパイラルフロー
測定用金型を用い、175±5℃にてEMMI 1−6
6に準じてスパイラルフロー値を測定した。
【0093】〔ゲルタイム〕規定温度(175℃)の熱
平板上に試料(200〜500mg)を載せ、撹拌しな
がら熱平板上に薄く引き伸ばし、試料が熱平板上に溶融
した時点から硬化するまでの時間を読み取りゲル化時間
とした。
【0094】〔フローテスター粘度〕上記各エポキシ樹
脂組成物を2g精秤し、タブレット状に成形した。そし
て、これを高化式フローテスターのポット内に入れ、1
0kgの荷重をかけて測定した。溶融したエポキシ樹脂
組成物がダイスの穴(直径1.0mm×10mm)を通
過して押し出されるときのピストンの移動速度からサン
プルの溶融粘度を求めた。
【0095】〔曲げ強度および曲げ弾性率〕上記エポキ
シ樹脂組成物を用い、トランスファーモールドマシン
(成形条件:175℃×2分間)により、長さ80mm
×幅10mm×厚み4mmの試験片を成形し、これをさ
らに175℃で5時間後硬化を行うことにより、曲げ試
験サンプルを作製した。これを用い、JIS K 71
71に準じて測定した。
【0096】〔ガラス転移温度〕上記と同様、上記エポ
キシ樹脂組成物を用い、トランスファーモールドマシン
(成形条件:175℃×2分間)により、長さ20mm
×幅5mm×厚み5mmの試験片を成形し、これをさら
に175℃で5時間後硬化を行うことによりサンプルを
作製した。このサンプルを熱機械分析装置(リガク社
製、MJ−800GM)を用いてガラス転移温度を測定
した。
【0097】〔接着性〕上記各エポキシ樹脂組成物と金
属フレーム板とを用いて、図1に示すように、金属フレ
ーム板13の左端表面に円錐台形状の樹脂硬化体15が
設けられた接着力測定サンプルを、トランスファーモー
ルド法(175℃×2分間、175℃×5時間後硬化)
によって成形した(接着部の面積は10mm2 )。これ
を用いて、図2に示すように、測定治具16により樹脂
硬化体15を挟持した後、この測定治具16の端部をオ
ートグラフ装置のチャック17で固定するとともに、測
定サンプルの金属フレーム板13の端部を他のオートグ
ラフ装置のチャック18で固定して矢印方向に荷重を加
えながら金属フレーム板13表面の樹脂硬化体15が金
属フレーム板13から剥がれ落ちる際の剪断力を測定し
この値を接着力とした。なお、上記金属フレーム板13
の材質として、42アロイ合金(42ニッケル−鉄合
金)を用いて測定した。さらに、上記金属フレーム板1
3に代えてポリイミドコーティング層(厚み30μm、
感光性ポリイミドコート材)を有するシリコンチップを
用い、上記と同様にして、ポリイミドコーティング層が
形成されたシリコンチップと樹脂硬化体との接着力を測
定した。
【0098】また、上記実施例および比較例で得られた
エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファ
ー成形(条件:175℃×2分)し、175℃×5時間
で後硬化することにより半導体装置を得た。この半導体
装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5
×7.5mm、銅製フレーム)である。
【0099】〔耐半田性〕 クラック発生数 上記半導体装置を用い、85℃/85%RH中で168
時間吸湿させた後、240℃×10秒の赤外線(IR)
リフローで半田評価試験を行った。そして、クラックが
発生したパッケージをカウント(10個中)した。な
お、パッケージのクラックの解析は超音波顕微鏡を用い
た。
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】上記表3〜表4の結果から、実施例品は、
曲げ強度が高く強靱性に優れ、かつ曲げ弾性率の値から
低応力性にも優れていることがわかる。しかも、リード
フレームおよび半導体素子に対して高い接着力を示し、
耐半田性においても優れた結果が得られた。これに対し
て、比較例1品はクマロン系樹脂を含有しないため、リ
ードフレームおよび半導体素子に対する接着性に劣って
おり、曲げ強度も低く強靱性においても劣っていること
がわかる。また、それ以外の比較例品においても、強度
的に劣っているか、あるいは接着性に劣るという結果が
得られた。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明は、架橋ジアリル
フタレート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒子の少な
くとも一方(E成分)とクマロン系樹脂(F成分)を含
有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このた
め、低応力性および強靱性に優れ、しかもリードフレー
ムや半導体素子に対する接着性に優れた、しかもブロッ
キングの無いものである。したがって、上記半導体封止
用エポキシ樹脂組成物を用いて得られる半導体装置で
は、優れた低応力性を備え、かつ強度的に優れ、高い信
頼性を有するものである。
【0104】さらに、架橋ジアリルフタレート樹脂粉末
およびブタジエン系ゴム粒子の少なくとも一方(E成
分)が、エポキシ樹脂(A成分)およびフェノール樹脂
(B成分)の少なくとも一方の一部または全部と予め混
合分散されている場合、半導体素子に与える応力が低く
なり半田実装時のクラックの発生が抑制される。また、
架橋ジアリルフタレート樹脂粉末およびブタジエン系ゴ
ム粒子の少なくとも一方の表面に有する官能基と、エポ
キシ樹脂またはフェノール樹脂が反応することにより、
より強靱性の高い構造をとるようになり、樹脂の強靱性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂組成物からなる樹脂硬化体の接着
性を評価する際に用いられる接着力測定サンプルを示す
斜視図である。
【図2】樹脂硬化体とフレームとの剪断力の測定方法を
示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 31/08 C08L 31/08 45/02 45/02 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 AC023 AC073 AC083 BF053 BK004 BN163 CC032 CC042 CC052 CD001 CD021 CD051 CD061 CD071 CE002 DE147 DF017 DJ017 DJ047 DL007 ER026 ET016 EU046 EU116 EU136 EW146 EW176 EY016 FA083 FD017 FD090 FD130 FD156 FD160 GQ05 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EA06 EB03 EB04 EB12 EB18 EB19 EC03 EC04 EC09 EC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(F)成分を含有するこ
    とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。 (E)架橋したジアリルフタレート樹脂粉末およびブタ
    ジエン系ゴム粒子の少なくとも一方。 (F)クマロン系樹脂。
  2. 【請求項2】 (E)成分である架橋したジアリルフタ
    レート樹脂粉末およびブタジエン系ゴム粒子の少なくと
    も一方が、上記(A)成分であるエポキシ樹脂および
    (B)成分であるフェノール樹脂の少なくとも一方の一
    部または全部と予め混合分散されている請求項1記載の
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または2記載の半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してな
    る半導体装置。
JP11220481A 1999-08-03 1999-08-03 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 Pending JP2001040179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220481A JP2001040179A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11220481A JP2001040179A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001040179A true JP2001040179A (ja) 2001-02-13

Family

ID=16751774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11220481A Pending JP2001040179A (ja) 1999-08-03 1999-08-03 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001040179A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011001424A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電気機器用絶縁注型樹脂及びこれを用いた高電圧電気機器
JP2016008240A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 京セラケミカル株式会社 圧縮成形用粉粒状樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP2017160427A (ja) * 2016-03-04 2017-09-14 京セラ株式会社 封止用樹脂組成物及び半導体装置
CN114350295A (zh) * 2021-12-30 2022-04-15 江苏科化新材料科技有限公司 环氧树脂组合物及其制备方法与应用、环氧树脂及其应用

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011001424A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電気機器用絶縁注型樹脂及びこれを用いた高電圧電気機器
JP2016008240A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 京セラケミカル株式会社 圧縮成形用粉粒状樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP2017160427A (ja) * 2016-03-04 2017-09-14 京セラ株式会社 封止用樹脂組成物及び半導体装置
CN114350295A (zh) * 2021-12-30 2022-04-15 江苏科化新材料科技有限公司 环氧树脂组合物及其制备方法与应用、环氧树脂及其应用
CN114350295B (zh) * 2021-12-30 2024-01-26 江苏中科科化新材料股份有限公司 环氧树脂组合物及其制备方法与应用、环氧树脂及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0697325A (ja) 樹脂封止型半導体装置
JP3468996B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置
JP2011148959A (ja) 半導体封止用樹脂シートおよび樹脂封止型半導体装置
JP2000007890A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびその製法ならびに半導体装置
WO2018150779A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂シート及び半導体装置並びに半導体装置の製造方法
JP2001040179A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JPS63230725A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002012742A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH11116775A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびその製法
JPH093167A (ja) 樹脂組成物及びこれを用いた樹脂封止型半導体装置
JPH1036486A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2593503B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた樹脂封止型半導体装置
JP3537224B2 (ja) エポキシ樹脂系組成物及び樹脂封止型半導体装置
JP3540628B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置
JPH03140322A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料及び樹脂封止型半導体装置
JP3976390B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製法およびそれによって得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半導体装置
JP2001189407A (ja) 表面処理済み無機質充填剤の製法および半導体封止用エポキシ樹脂組成物ならびに半導体装置
JP3449603B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JPH05206333A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH0517558A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP4850599B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて得られた半導体装置
JP2006022188A (ja) エポキシ樹脂組成物及びその製造方法並びに半導体装置
JPH0841292A (ja) エポキシ樹脂組成物の製造法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2001019832A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2658749B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物及び半導体装置