JPH0517558A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH0517558A
JPH0517558A JP3192699A JP19269991A JPH0517558A JP H0517558 A JPH0517558 A JP H0517558A JP 3192699 A JP3192699 A JP 3192699A JP 19269991 A JP19269991 A JP 19269991A JP H0517558 A JPH0517558 A JP H0517558A
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epoxy resin
phenol
chemical
resin composition
group
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JP3192699A
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Kazuya Yamamoto
一也 山本
Takashi Chiba
尚 千葉
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型性を損うことなく半田付け時の耐クラッ
ク性や半田付け後の耐湿信頼性に優れた電子部品の封止
用エポキシ樹脂組成物の提供。 【構成】 (A) エポキシ樹脂、(B) 特定構造のフェノー
ル類及び/又は該フェノール類のノボラック化合物を含
有するフェノール樹脂硬化剤、(C) エポキシ基及びポリ
オキシアルキレン基を含有するシリコーン重合体、及び
(D) 無機充填剤を必須成分として含有してなることを特
徴とするエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、封止時の連続成形性、
半田付け時の耐クラック性及び半田付け工程後の耐湿信
頼性に優れたエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体産業では高集積化が進むに
つれチップサイズの大型化とともに、配線基板等への高
密度実装に適した表面実装が主流になりつつある。例え
ば、QFP (クワッド・フラット・パッケージ(Guad Flat
Package))やSOP (スモール・アウトライン・パッケ
ージ(Small Outline Package))等がそれに当たり、こ
れらを回路基板に取り付ける場合、パッケージ全体を20
0 ℃以上の高温に加熱して半田付けされる。そのため、
保管時に周囲の湿度の影響を受けて吸湿したパッケージ
は、半田付け時の水分の爆発的な気化によりクラックが
発生したり、たとえクラックが発生しなくても、チップ
やリードフレームと樹脂との界面剥離が起こり、その結
果、耐湿信頼性が低下するという問題が発生し、従来の
封止樹脂では追随できない状況になってきた。
【0003】この問題を解決する方法として、ビフェニ
ル型やナフタレン骨格等の結晶性エポキシ樹脂を含有す
るエポキシ樹脂組成物が数多く提案された(例えば特開
昭63-251419 号公報、特開昭64-87616号公報、特開平1-
108256号公報、特開平2-88621 号公報)が、満足のいく
半田耐熱性やチップ及びリードフレームと封止樹脂との
密着性のレベルまで到達できず、しかもガラス転移点の
低下等を招く問題も発生した。
【0004】本出願人は、先にテルペン系を原料とした
後記一般式〔1〕〜〔6〕で表わされるフェノール類及
び/又は該フェノール類のノボラック化合物を硬化剤と
して用いることによって、ガラス転移点が向上し耐クラ
ック性や密着性を飛躍的に改善できることを見い出した
が、金型からの離型性が悪くなる傾向にあり、ワックス
に代表される離型剤の単なる増量ではそれを解決するこ
とができにくい問題が未解決であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ基及
び特定のポリオキシアルキレン基を含有するシリコーン
重合体を離型剤として用いればチップやリードフレーム
との密着性を損なうことなく、少量添加でも金型からの
離型性が改善され、その結果、半田付時の耐クラック性
や半田付け後の耐湿信頼性が著しく改善されることを見
い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、次
の(A) 、(B) 、(C) 及び(D) の成分を必須として含有し
てなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0007】(A) エポキシ樹脂 (B) 下記一般式〔1〕〜〔6〕のいずれかで表わされ
るフェノール類及び/又は該フェノール類のノボラック
化合物を含有するフェノール樹脂硬化剤 (C) 下記一般式〔7〕又は〔8〕で表わされるような
エポキシ基及びポリオキシアルキレン基を含有するシリ
コーン重合体 (D) 無機充填剤
【0008】
【化9】
【0009】
【化10】
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】
【化14】
【0014】
【化15】
【0015】
【化16】
【0016】以下、さらに詳しく本発明について説明す
る。
【0017】本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹
脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するも
のであれば特に制限はなく、具体例を挙げれば、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類の
ノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノール
A、ビスフェノールF及びビスフェノールSなどのグリ
シジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸
とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジル
エステル型エポキシ樹脂、その他、線状脂肪族エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ア
ルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラ
ック型エポキシ樹脂、1,6-ジヒドロキシナフタレン型エ
ポキシ樹脂、2,7-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹
脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、さらに
は難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入し
たエポキシ樹脂などがあり、これらを1種又は2種以上
を用いる。特に半田耐熱性と耐湿信頼性の観点からは、
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒド
ロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエ
ポキシ樹脂が好適である。
【0018】本発明の(B)成分のフェノール樹脂硬化剤
は、目的とする半田耐熱性と耐湿信頼性の観点から上記
一般式〔1〕〜〔6〕で示されるような、脂環式フェノ
ール類及び/又はこれらのノボラック化合物を必須成分
とするものである。
【0019】例えば一般式〔1〕は、α−テルピネン
(1,3-P-メンタジエン) 、γ- テルピネン(1,4-P-メン
タジエン) 、α−フェランドレン(1,5-P-メンタジエ
ン) 、テルピノレン(1,4(8)-P- メンタジエン) 、β−
テルピネン(1,7(3)-P- メンタジエン) 、β−ファラン
ドレン(1,7(2)-P- メンタジエン) より選ばれる少なく
とも一種の単環状モノテルペンに、フェノール又は炭素
数1〜5のアルキル基が置換したアルキルフェノール類
が付加したフェノール類である。
【0020】一般式〔2〕は、リモネン(1,8(9)-P- メ
ンタジエン) 、イソリモネン(2,8(9)-P- メンタジエ
ン) 、シルベストレン(1,8(9)-m- メンタジエン) 、テ
ルピノレン(1,4(8)-P- メンタジエン) より選ばれる少
なくとも一種の単環状モノテルペンに、フェノール又は
炭素数1〜5のアルキル基が置換したアルキルフェノー
ル類が付加したフェノール類である。
【0021】一般式〔3〕は、β−テルピネン(1,7(3)
-P- メンタジエン) 、β−フェランドレン(1,7(2)-P-
メンタジエン) より選ばれる少なくとも一種の単環状モ
ノテルペンに、フェノール又は炭素数1〜5のアルキル
基が置換したアルキルフェノール類が付加したフェノー
ル類である。
【0022】上記一般式〔1〕〜〔3〕で表わされるフ
ェノール類は、反応条件によって類似構造の副生成物を
含むことがあるが、本発明では、単離抽出をしなくても
重量%程度含有しておれば差し支えない。
【0023】次に上記一般式〔4〕〜〔6〕で表わされ
るフェノール類のノボラック化合物は、フェノール類と
ホルムアルデヒドとから酸性触媒下で縮合させる公知の
方法で合成することができる。一般式〔4〕〜〔6〕に
おいて、最大分子量をM、モノマー分子量をM0 とした
ときM/M0 が20を越えた場合、封止時の流動性に支
障をきたすのでM/M0 は20以下特に15以下が好ま
しい。
【0024】上記一般式〔1〕〜〔6〕で表わされる硬
化剤は、1種以上を単独で使用してもよく、また、従来
の硬化剤と併用してもよい。その場合における両者の割
合は、本発明に係る硬化剤10〜100 重量%好ましくは20
〜100 重量%、従来の硬化剤90〜0重量%好ましくは80
〜0重量%である。
【0025】従来の硬化剤としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノ
ール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソ
プロピルフェノール及びオクチルフェノール等からなる
群より選ばれた1種又は2種以上をホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド及び/又はパラキシレンとともに
酸性触媒下で反応させて得られたノボラック型樹脂、や
ジシクロペンタジエンフェノール樹脂等が挙げられる。
【0026】(A) 成分と(B) 成分の割合は、耐熱性、耐
湿信頼性及び離型性等の点から、硬化剤のフェノール性
酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基との比が0.5 〜1.5 が
好ましく、さらには0.7 〜1.3 特に0.85〜1.15の範囲が
最適である。
【0027】従来、(A) 成分の中で特にビスヒドロキシ
ビフェニルエポキシ樹脂を用いることで充填剤の飛躍的
な高充填が可能となり、また、その樹脂自体の特徴でも
ある高接着力により、半田耐熱性やチップ及びリードフ
レームとの密着性が大幅に改善されたが、その一方で、
ガスラ転移点の低下や金型からの離型性が悪化した。そ
こで、それぞれの対策として、3官能又は4官能に代表
される耐熱性のフェノール樹脂又はノボラック化合物と
の併用・組合せや、ワックスの増量ないしシリコーン離
型剤の添加が行われたが、耐クラック性や密着性が悪く
なり、満足のいく半田耐熱性や密着性のレベルにまで到
達させることができなかった。
【0028】また、上記のとおり、(B) 成分を使用する
ことにより、ガラス転移点をはじめ半田耐熱性や密着性
が著しく改良されたが、同時に金型からの離型性が悪く
なる傾向があり、特にビスヒドロキシビフェニル型のエ
ポキシ樹脂と組合せた場合には、ワックス等の単なる増
量やシリコーンオイル等の添加だけではそれを解決する
ことはできず、PKG しみ出しの問題も含めて新たな問題
に直面した。
【0029】以上の2つの問題に対し、本発明者らは既
存ワックス等の種類や添加量について多くの検討を行っ
たが満足な結果は得られなかった。そこで、シリコーン
離型剤についてさらに検討を重ねた結果、(C) 成分とし
て、エポキシ基及び特定のポリオキシアルキレン基を有
するシリコーン重合体を離型剤として用いれば、驚くべ
きことに、チップやリードフレームとの密着性を損うこ
となく少量添加でも金型からの離型性が著しく改善さ
れ、耐クラック性や半田付け工程後の耐湿信頼性が大幅
に向上することを見い出したものである。
【0030】すなわち、本発明で使用される(C) 成分
は、上記一般式〔7〕及び/又は〔8〕で示されるもの
である。特にシリコーン骨格中に導入されるポリオキシ
アルキレン基及びエポキシ基は重要な役割を果たしてお
り、まず、R5におけるa/b が0.5 を越えると、つまりポ
リオキシエチレン部の比率が多くなると、成形体の離型
性の改良効果が乏しくなり、また親水性がより強いため
耐湿信頼性も低下する。
【0031】ポリオキシアルキレン部の分子量として
は、特に制限はしないが、(C) 成分全体に対して50〜60
重量%の分率を占めるのが好適である。その理由は、60
重量%を越えると、ポリオキシアルキレン部の親水性に
より耐湿信頼性が低下しやすくなり、一方、50重量%未
満では、樹脂マトリックスとの相溶性が悪く、成形時に
おけるしみ出し等の問題は解決できにくい。
【0032】また、R4のエポキシ基の当量についても本
発明では特に限定しないが、(C) 成分のシリコーン重合
体のエポキシ当量として1000〜7000の範囲が好ましく、
1000未満では官能基数が多いため、成形時の流動性、特
にダイパットの変形やワイヤー流れに支障をきたし、一
方、7000を越えると、樹脂マトリックスとの分散が不十
分となり離型性の改善効果が小さくなる。なお、R3はメ
チル基の他、カルボキシル基やアミノ基のような第三の
官能基を含んでいてもよい。
【0033】(C) 成分のシリコーン重合体の分子量とし
ては特に制限するものではないが5000〜50000 が好適で
ある。5000未満では十分な離型性が得られず、一方、50
000を越えると形成時の流動性が低下する。
【0034】(C) 成分のシリコーン重合体は、配合成分
中に直接添加しドライブレンドしてもよいが、あらかじ
めエポキシ樹脂又はフェノール樹脂と加熱混合あるいは
反応させてから使用するのが望ましい。特にフェノール
樹脂においては、(C) 成分中のエポキシ基とフェノール
性水酸基との反応を促進する硬化促進剤の存在下で加熱
反応させてもよい。
【0035】この場合の硬化促進剤としては、例えば、
2-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-
フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、1,8-ジア
ザビシクロ(5,4,0)- ウンデセン、ベンジルジメチルア
ミンなどの三級アミン類やテトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテト
ラフェニルボレート、2-エチル-4- メチルイミダゾール
テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリンテトラフ
ェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩類、トリ
フェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ-(p-
メチルフェニル) ホスフィンなどの有機ホスフィン類な
どが挙げられる。
【0036】(C) シリコーン重合体の割合は、エポキシ
樹脂組成物全体の0.01〜0.50重量%の範囲が好ましい。
0.01重量%未満では硬化物の金型からの離型性が不十分
となり、最悪な場合、封止樹脂が金型の一部に付着した
ままとなり連続成形ができなくなることがある。一方、
0.50重量%を越えると成形時にシリコーン化合物がしみ
出して金型や成形品外観に汚れが発生し、加えて、エポ
キシ樹脂とICチップやリードフレームとの接着性が低下
し、その結果、本発明の目的である半田耐熱性や耐湿信
頼性の改善効果が十分でなくなる。
【0037】なお、本発明で使用される(C) 成分以外
に、必要に応じて、ワックス等の他の離型剤を添加する
ことができる。その具体例を挙げれば、天然ワックス
類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド
類、エステル類、パラフィン等である。
【0038】次に本発明に使用される(D) 成分の無機充
填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレ
ー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、シリカチ
タニア、ZnO-Al2O3-SiO2系結晶化ガラス、MgO-Al2O3-Si
O2系結晶化ガラス、Cu2O-Al2O3-SiO2 系結晶化ガラス、
窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリコン
オキシナイトライド、サイアロンなどが、また、その形
状としては、球状、破砕状、角とりを行なった破砕状、
ウィスカー状、薄片状などが挙げられる。
【0039】これらの無機充填剤の種類や粒度、配合量
などは用途によって決定されるものであって特に制限は
しないが、通常、半導体封止用の場合には、溶融シリ
カ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素等が好適であ
る。粒度としては、ゲート詰まりや微細化したインナー
リード周辺や薄型PKG での充填性の観点から、トップ粒
子を150 μm 以下好ましくは75μm以下特に好ましくは5
0μm 以下にすることである。一方、成形性やバリ及び
トランスファーマシンにおけるポット/プランジャー間
のクリアランスからの樹脂もれを抑制するために充填剤
の粒度分布は広い方が好ましい。無機充填剤の配合量に
ついてはエポキシ樹脂組成物全体の25〜90重量%特に65
〜90重量%が好適である。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記
(A) 〜(D) 成分のほかにも必要に応じて以下の成分を配
合することができる。すなわち、低応力化剤として、シ
リコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴ
ム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマー
や飽和型エラストマーなどのゴム状物質、各種熱可塑性
樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂状物質、さらにはエポ
キシ樹脂、フェノール樹脂の一部又は全部をアミノシリ
コーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコーンな
どで変性した樹脂など、シランカップリング剤として、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,
4-エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン
等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル
アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、
フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン
化合物やメルカプトシランなど、表面処理剤として、Zr
キレート、チタネートカップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤など、難燃助剤として、Sb2O3 、Sb
2O4 、Sb2O5 など、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ
樹脂やリン化合物など、着色剤として、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、染料、顔料などである。
【0041】特に高い耐湿信頼性や高温放置安定性が要
求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効
である。イオントラップ剤の具体例としては、DHF-4A、
KW-2000 、KW-2100 (協和化学(株)製商品名)、IXE-
600 (東亜合成(株)製商品名)などが挙げられる。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤
を配合することができる。その硬化促進剤としては、上
記したようなものが挙げられるが、耐熱性及び耐湿性の
面から有機ホスフィン化合物とシクロアミジン誘導体が
特に好ましい。また、耐熱性をさらに高めるためにビス
マレイミド類等のイミド化合物を配合することもでき
る。
【0043】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の諸
材料をブレンダー又はミキサーで混合した後、加熱ロー
ル、ニーダー、押出機、バンバリーミキサーなどの装置
によって溶融混練し、冷却粉砕することによって製造す
ることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。なお、以下の例における部及び%
はいずれも重量基準で示した。
【0045】((B) 成分の製造) i)フリーデルクラフツ反応によって、α−テルピネン
とフェノールとを反応させて得られたフェノール類とホ
ルムアルデヒドとから塩酸酸性触媒下で縮合させて製造
した。得られた生成物P−1の水酸基当量は182g/
eqであり、またGPCの結果は1≦M/M0 ≦14の分
布であった。 ii)フリーデルクラフツ反応によってリモネンとフェノ
ールとを反応させて得られたフェノール類とホルムアル
デヒドとから塩酸酸性触媒下で縮合させて製造した。得
られた生成物P−2の水酸基当量は170g/eqであ
り、またGPCの結果は1≦M/M0 ≦12の分布であ
った。 iii)同様にフリーデルクラフツ反応によってβ−テル
ピネンとフェノールとを反応させて得られたフェノール
類とホルムアルデヒドとから塩酸酸性触媒下で縮合させ
て製造した。得られた生成物P−3の水酸基当量は17
4g/eqであり、またGPCの結果は1≦M/M0 ≦1
3の分布を示した。
【0046】((C) 成分の製造) 表1に示す各種のシリコーン重合体とフェノールノボラ
ック樹脂を加熱混合又は反応させた後、それを冷却・粉
砕しシリコーン重合体を分散させた樹脂を製造した。表
1において、記号A、Bは本発明に係る樹脂であり、
C、D及びEは比較例に係る樹脂である。
【0047】
【表1】
【0048】実施例1〜10 比較例1〜7 表2に示す材料を表3の実施例1〜10及び表4の比較
例1〜7に示す割合で配合しミキサーによりドライブレ
ンドした。これをロール表面温度100℃のミキシング
ロールを用いて5分間加熱混練した後、冷却・粉砕して
エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0049】
【表2】
【0050】これらのエポキシ樹脂組成物について、以
下に従うガラス転移点(Tg) 、耐クラック性、チップ、
リードフレームとの密着性、離型性、PKG しみ出し及び
耐湿信頼性を評価した。それらの結果を表3と表4に示
す。 (1) ガラス転移点(Tg) 低圧トランスファー成形法により、175 ℃×2分の条件
で試験片(9×9×4mm)を作製し、175 ℃×5時間の
ポストキュアを行った。判定は、TMA(昇温時間+2℃/
分)で実施した。
【0051】(2) 耐クラック性、及びチップ、リードフ
レームとの密着性 低圧トランスファー成形法により、175 ℃×2分の条件
で模擬素子を封止した44ピンQFP 成形体(パッケージ)
の16個を得た後、175 ℃×5時間のポストキュアを行っ
た。それを温度85℃、湿度85%RHの条件で80時間放置
後、260 ℃の半田浴に10秒間浸漬した。 (i) 耐クラック性 超音波探査映像装置により、16個のパッケージ中に観察
された内部クラックの発生率を求めた。 (ii) チップ、リードフレームとの密着性 模擬素子をボンディングしている側としていない側にお
ける超音波探査映像の観察において、以下の基準で比較
評価した。 全面が密着している ・・・A 中央部が密着し周囲は剥離している・・・B 全面が剥離している ・・・C
【0052】(3) 離型性 低圧トランスファー成形法により離型力評価用金型を用
いて175 ℃×2分の条件で成形し、突き出しピンの突き
出し力を測定した。そして、離型力の小さい方からA、
B、C、D、Eの5段階評価を行った。
【0053】(4) PKG しみ出し 低圧トランスファ成形法により16ピンDIP(梨地)で
メラミン洗浄後、175℃×2分の条件でエポキシ樹脂組
成物を400 ショット連続成形した際のPKG 表面のしみ出
し状況を観察した。
【0054】(5) 耐湿信頼性 耐クラック性試験を行った44ピン QFPを用い、121 ℃、
100 % RH で加湿処理し、ピン不良発生率50%になる時
間を求めた。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、離型性
を損うことなく半田付け時の耐クラック性や半田付け後
の耐湿信頼性に優れるため、表面実装の電子部品特に半
導体等の封止材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NKB 8416−4J H01L 23/29 23/31

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 次の(A) 、(B) 、(C) 及び(D) の成分を
    必須として含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。 (A) エポキシ樹脂 (B) 下記一般式〔1〕〜〔6〕のいずれかで表わされ
    るフェノール類及び/又は該フェノール類のノボラック
    化合物を含有するフェノール樹脂硬化剤 (C) 下記一般式〔7〕又は〔8〕で表わされるような
    エポキシ基及びポリオキシアルキレン基を含有するシリ
    コーン重合体 (D) 無機充填剤 【化1】 【化2】 【化3】【化4】 【化5】【化6】 【化7】【化8】
JP3192699A 1991-07-08 1991-07-08 エポキシ樹脂組成物 Pending JPH0517558A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001085155A (ja) * 1999-09-13 2001-03-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2001279064A (ja) * 2000-03-31 2001-10-10 Toray Ind Inc 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
KR100616527B1 (ko) * 1999-06-18 2006-08-28 주식회사 케이씨씨 3겹 강관 하도용 열경화성 분체도료 조성물

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