JP2001039394A - 船用プロペラ駆動装置 - Google Patents

船用プロペラ駆動装置

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JP2001039394A
JP2001039394A JP21354299A JP21354299A JP2001039394A JP 2001039394 A JP2001039394 A JP 2001039394A JP 21354299 A JP21354299 A JP 21354299A JP 21354299 A JP21354299 A JP 21354299A JP 2001039394 A JP2001039394 A JP 2001039394A
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hst
propeller
speed
drive
hydraulic
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JP21354299A
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English (en)
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Mikio Hotta
三樹雄 堀田
Hisanori Mori
久則 森
Koji Furuta
孝司 古田
Hiroyuki Kitagawa
浩之 北川
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船用プロペラ駆動装置において、船舶の運転
条件に適した運転を簡単な操作で行なえるようにするこ
とを目的としている。 【解決手段】 減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッシ
ョン(HST)9を有し、減速ギヤ機構のみを介してプ
ロペラ軸13に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式
トランスミッションを介して動力伝達するHST駆動状
態とに切換自在な減速逆転機15を備えた船用プロペラ
駆動装置であり、機関回転数センサー75又はHST油
圧センサー92を備え、切換機関回転数又は切換HST
油圧値を設定して、機関回転数センサー75あるいは切
換油圧センサー92により、直結駆動状態とHST駆動
状態とを自動的に切り換えるようにしている。航走の場
合、前進時は直結駆動高速領域と、HST駆動低速領域
との間で切り換え、後進時にはHST駆動のみとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、主として漁船に
適した船用プロペラ駆動装置に関し、特に、運転状況に
応じて任意の減速手段に駆動状態を切り換えることがで
きる船用プロペラ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の船用プロペラ駆動装置は、特開平
6−201029号のように固定減速比の減速ギヤ機構
のみを内蔵した減速逆転機や、船体側方に補助プロペラ
を有するサイドスラスターのように、静油圧式トランス
ミッション(Hydro static transmission;以下「HS
T」という)のみを備えた減速逆転機を搭載しているも
のが殆どであるが、特開平5−77788号に記載され
ているように、減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッシ
ョンを組み合わせ、船舶の運転条件に応じて減速手段を
切え換える減速逆転機を搭載したものも開発されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−201
029号公報に記載された直結駆動式のプロペラ駆動装
置は、漁労用トローリング機構を装備しており、減圧弁
を利用してクラッチ摩擦板をスリップさせることによ
り、負荷に応じて一定の低速トローリング運転ができる
ようになっている。回転を一定にさせる方法としては、
減速逆転機出力軸に取り付けたガバナによる油圧変化の
フィードバックが、回転センサーとコントローラの組み
合わせにより、回転数をフィードバックさせ、油圧を調
整する電子制御がある。しかし、油圧を変化させて摩擦
板をスリップさせることにより回転数制御しているた
め、特に、低速領域や微小スリップ領域でのフィードバ
ックによる回転数復帰には限界があり、微小スリップ域
においては、回転数変化勾配が大きく、回転数制御は実
際には不可能である。
【0004】また、エンジンの前部駆動が必要となる場
合、たとえば、集魚灯を多数装備した漁り火漁船では、
エンジンのクランク軸前部に連結した発電機により集魚
灯を灯しながら運転することになるが、機関回転数は発
電機の設定回転数に合わせておかなければならないた
め、船を一定位置に静止させたりあるいは一定低速運転
する操作が一層複雑になり、各レバーの相対的な操作の
順序を間違えたり、あるいは操作間隔がずれたりするた
め、操作に熟練性を要する。さらに直結駆動方式のみで
は、歯打音等捩り振動に伴う軸系としての不具合が生じ
易い。
【0005】一方、HST駆動のみでは、直結駆動に比
べて伝達効率が悪い。
【0006】前記特開平5−77785号公報に記載さ
れたプロペラ駆動装置は、前述のように運転条件にあわ
せて、機械式動力伝達経路と油圧式動力伝達経路とを切
り換えて使用するようになっているが、単に運転条件に
合わせて駆動状態の切り換えることを記載しているだけ
である。
【0007】
【発明の目的】本願発明の目的は、減速手段の使い分け
により、運転条件に適した効率の良い運転が行なえるよ
うにすると共に、機関回転数あるいはHST油圧の変化
を検知して自動的に切り換えるようにすることにより、
操船を容易化することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
は、減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッション(HS
T)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介してプロペラ軸
に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トランスミッ
ションを介してプロペラ軸に動力を伝達するHST駆動
状態とに切換自在な減速逆転機と、機関回転数センサー
とを備え、切換機関回転数を設定して、機関回転数セン
サーにより切換機関回転数を検知することにより、直結
駆動状態とHST駆動状態とを自動的に切り換えるよう
にしていることを特徴とする船用プロペラ駆動装置。
【0009】請求項2記載の発明は、減速ギヤ機構と静
油圧式トランスミッション(HST)を有し、上記減速
ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に動力を伝達する直結
駆動状態と静油圧式トランスミッションを介してプロペ
ラ軸に動力を伝達するHST駆動状態とに切換自在な減
速逆転機と、静油圧式トランスミッションの油圧閉回路
内の圧力を検出するHST油圧検出センサーとを備え、
切換HST油圧値を設定して、HST油圧検出センサー
により切換HST油圧を検知することにより、HST駆
動状態と直結駆動状態とを自動的に切り換えるようにし
ていることを特徴とする船用プロペラ駆動装置である。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の船用プロペラ駆動装置において、低速領域ではHS
T駆動状態、高速領域では直結駆動状態に切り換えるよ
うにしていることを特徴とする船用プロペラ駆動装置で
ある。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記
載の船用プロペラ駆動装置において、前進高速領域では
直結駆動状態、前進低速領域ではHST駆動状態、後進
時はHST駆動状態に切り換えるようにしていることを
特徴とする船用プロペラ駆動装置である。
【0012】請求項5記載の発明は、減速ギヤ機構と静
油圧式トランスミッション(HST)を有し、上記減速
ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に動力を伝達する直結
駆動状態と静油圧式トランスミッションを介してプロペ
ラ軸に動力伝達するHST駆動状態とに切換自在な減速
逆転機と、プロペラ回転数センサーと、静油圧式トラン
スミッションの変速比を変更するHSTレバーに連動連
結するHSTレバー操作用アクチュエータとを備え、コ
ントローラにより、HST駆動の設定プロペラ回転数
と、プロペラ回転数センサーで検出したプロペラ回転数
とを比較し、両回転数の差を無くすようにHSTレバー
操作用アクチュエータの作動を制御するようにしたこと
を特徴とする船用プロペラ駆動装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本願発明を適用した船用プ
ロペラ駆動装置の油圧回路図であり、エンジン1の出力
軸2とプロペラ軸13間に減速逆転機15を配置してい
る。該減速逆転機15は、減速逆転機入力軸6と減速逆
転機出力軸7を内蔵すると共に、減速小ギヤ11とこれ
に噛み合う減速大ギヤ12からなる固定減速比の減速ギ
ア機構を内蔵しており、かかる減速ギヤ機構に加え、静
油圧式トランスミッション(再説明になるが、Hydro st
atic transmission;以下「HST」という)9を切換
自在に組み付けてあり、直結用油圧嵌脱クラッチ10
と、HST用油圧嵌脱クラッチ33,34の嵌脱によ
り、上記減速ギヤ機構のみを介して動力が伝達される直
結駆動状態と、HST9を経由して動力が伝達されるH
ST駆動状態とに切り換えることができるようになって
いる。
【0014】減速逆転機入力軸6は、エンジン出力軸2
のフライホイール3にゴムダンパー継手5を介して連結
しており、減速逆転機入力軸6には前記直結用油圧嵌脱
クラッチ10のアウターケース10aが一体に固着され
ると共にインナーハブ10bが回転可能に嵌合し、該イ
ンナーハブ10bに前記減速小ギヤ11が一体に形成さ
れ、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続することにより
減速逆転機入力軸6から減速小ギヤ11へと動力が伝達
されるようになっている。
【0015】HST9は、周知のようにアキシャルプラ
ンジャ型の入力側の油圧ポンプ20と、同様にアキシャ
ルプランジャ型の出力側の油圧モータ21とを、油圧閉
回路(油路24,25)によって流体的に接続したもの
であり、たとえば油圧ポンプ20から吐出される作動油
の流れを変更することにより、前進(油圧モータ21の
正転)、後進(油圧モータ21の逆転)及び中立状態に
切り換えると共に、油圧ポンプ20(又は/及び油圧モ
ータ21)の斜板角を変更することにより変速比を変更
して、モータ回転数すなわちプロペラ回転数を調整し、
設定することができようになっており、上記前後進及び
中立の切換え並びにモータ回転数の調整設定を、HST
レバー87(図3又は図4)の回動操作により行うよう
になっている。油圧閉回路の各油路24,25は、それ
ぞれチェック弁26,27を介してチャージング用分岐
油路28に接続しており、該分岐油路28から油圧閉回
路内へと作動油を補充する。
【0016】油圧ポンプ20のポンプ軸30は、HST
ポンプ用油圧嵌脱クラッチ33を介して減速逆転機入力
軸6に断続切換可能に連結している。油圧モータ21の
モータ軸31には、継手36を介してクラッチ軸37が
連結されており、該クラッチ軸37には、前記減速大ギ
ヤ12に常時噛み合う第2減速小ギヤ35が回転可能に
嵌合すると共に、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34
が配置されている。該HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ
34は、アウターケース34aがクラッチ軸37に一体
に固着され、インナーハブ34bが前記第2減速小ギヤ
35と一体に形成されてクラッチ軸37に回転可能に嵌
合しており、第2減速小ギヤ35とクラッチ軸37の間
を断続切換自在に連結する。
【0017】直結用及びHST用の各油圧嵌脱クラッチ
10,33,34は湿式多板型の摩擦クラッチであり、
直結用及びHST用の各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34内の作動油室はクラッチ作動油路38,39,40
を介してそれぞれ電磁切換弁42,43,44の一方の
ポートに接続し、各電磁切換弁42,43,44の作動
部はコントローラ69に接続している。
【0018】各電磁切換弁42,43,44の他方のポ
ートは、共通の作動油路45に集合すると共に、切換弁
46及び作動油路47を介して作動油ポンプ51の吐出
口に接続しており、該作動油ポンプ51の吸込み側油路
56は油こし器55を介して油溜(オイルタンク)52
に接続している。作動油ポンプ51のポンプ駆動軸57
には、ドリブンギヤ60が固着された伝動軸59が連結
しており、前記ドリブンギヤ60は直結用油圧嵌脱クラ
ッチ10のアウターケース10aに固着されたドライブ
ギヤ61に常時噛み合っており、エンジン運転中は、常
時作動油ポンプ51が作動するようになっている。
【0019】作動油ポンプ51は、前述のように各油圧
嵌脱クラッチ10,33,34に対してクラッチ作動油
を供給する本来の機能に加え、HST9のチャージング
ポンプとしての機能も兼用するように構成されており、
作動油ポンプ51の吐出側作動油路47の途中(分岐点
S)からチャージング油路54aが分岐し、ラインフィ
ルター62及びチャージング油路54bを介してHST
9のチャージング用分岐油路28に接続している。ま
た、HST9の油圧閉回路内の漏油はドレン油路101
を介して上記作動油ポンプ51の油溜52に戻るように
なっている。すなわち、各油圧嵌脱クラッチ10,3
3,34の断続切換作動と、HST9への作動油のチャ
ージングとを、共通の油溜52、共通の作動油、一部共
通の油路47及び共通の作動油ポンプ51を利用して行
うようになっている。
【0020】作動油路47の分岐点Sからは潤滑油路6
3も分岐しており、該潤滑油路63には、作動油調圧弁
65、潤滑油クーラ66及び潤滑油調圧弁(クラッチ
用)67が設けられ、各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34の潤滑個所へ上記共通の作動油を、潤滑油として供
給するようになっている。
【0021】図5は図4のV-V断面図であり、減速逆転
機内の具体的な構造を示している。減速逆転機ケース7
4は前後1対のケース部材74a,74bを結合してな
り、減速逆転機ケース74内には、前記減速逆転機入力
軸6、減速逆転機出力軸7、減速小ギヤ11、減速大ギ
ヤ12及び直結用油圧嵌脱クラッチ10が内蔵されると
共に、図6に示すようにHSTモータ用油圧嵌脱クラッ
チ34、第2減速小ギヤ35及びクラッチ軸37も内蔵
されている。図5に戻り、減速逆転機出力軸7は前後の
軸受106,107を介して減速逆転機ケース74に回
転可能に支持されると共に後方へと突出し、継手103
を介してプロペラ軸13に連結している。
【0022】減速逆転機入力軸6はエンジン出力軸心O
1と同一軸心上に配置されると共に、前後の軸受10
9,110を介して減速逆転機ケース74に支持され、
減速逆転機ケース74から前後に突出している。
【0023】図8は図5の拡大部分図であり、後側ケー
ス部材74bの後面には、中間ハウジング83が着脱自
在に固定(外付け)され、該中間ハウジング83の後面
にHSTケース85a、85bが着脱自在に固定されて
いる。
【0024】中間ハウジング83内には、減速逆転機入
力軸6とポンプ軸30が同一軸心O1上で前後から突入
すると共に前記HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33が
収納されており、中間ハウジング83内において、前述
のようにHSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33により減
速逆転機入力軸6とポンプ軸30を断続切換自在に連結
している。HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33は、ア
ウターケース(クラッチハウジング)33aと、インナ
ーハブ(スパイダー)33bと、複数の摩擦板64と、
複数のスチール板95と、押圧ピストン96等から構成
されている。アウターケース33aは、中間ハウジング
83の内周に固定された筒形のクラッチ用ケース97
に、1対の軸受98を介して回転可能に支持されると共
に、ポンプ軸30にスプライン嵌合しており、一方、イ
ンナーハブ33bは減速逆転機入力軸6にスプライン嵌
合している。スチール板95はアウターケース33aの
外周筒部に軸方向移動可能にスプライン嵌合し、摩擦板
94はスチール板95間に配置されると共に、インナー
ハブ33bの外周スプライン部に軸方向移動可能にスプ
ライン嵌合している。押圧ピストン96はアウターケー
ス33aの内周面、すなわち作動油室100に軸方向移
動可能に嵌合し、作動油室100内の油圧によりばね1
04に抗して移動して、係止板102との間で摩擦板9
4とスチール板95を挟圧する。なお、上記のように、
油圧ポンプ20のポンプ軸30を、減速逆転機入力軸6
と同一軸心上に揃えていることにより、損失馬力を低減
できると共に、部品の増加抑制、重量低減及び全体の大
きさの抑制を達成することができる。
【0025】ポンプ用油圧嵌脱クラッチ33のアウター
ケース33aは、モータ用油圧嵌脱クラッチ34(図
6)のアウターケース34aに比べ、外径及び軸方向長
さが小さく形成され、チャージ容積が小さくなってい
る。これにより、図1のHSTポンプ用油圧嵌脱クラッ
チ33は、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34よりも
小さく所作ができ、接続操作(嵌入操作)を同時に行っ
ても、常にチャージ容積の小さいHSTポンプ用油圧嵌
脱クラッチ33が先に接続するようになっている。
【0026】図6において、HSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34のクラッチ軸37は、前後の軸受90,91
を介して減速逆転機ケース74に支持されると共に中間
ハウジング83内に突入し、一方、HST油圧モータ2
1のモータ軸31は中間ハウジング83に上記クラッチ
軸心O2と同軸心で後方から突入し、中間ハウジング8
3内で、前記スリーブ継手36を介して連結している。
【0027】図4は減速逆転機の後面図であり、HST
ケース85a,85bの上端には、前述のようにHST
9内のポンプ吐出油路を切り換えることにより、モータ
軸回転を正転(前進)、逆転(後進)及び中立状態の間
で切り換えると共に油圧ポンプの斜板角を変更すること
により、減速比を変更するHSTレバー(サーボレバ
ー)87が設けられている。前記HST用チャージング
油路54a,54bとしては外部配管されたゴムホース
を使用しており、また、ドレン油路101としても外部
配管されたゴムホースを使用している。
【0028】図1は直結駆動状態を示しており、減速ギ
ヤ機構の減速ギヤ11、12のみを介して減速逆転機入
力軸6と減速逆転機出力軸7とを連結した状態である。
すなわち、HST用両電磁切換弁43,44をオフと
し、直結用電磁切換弁42をオンとすることにより、H
STポンプ用及びHSTモータ用両油圧嵌脱クラッチ3
3,34を切り、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続し
ており、これにより、エンジン出力軸2からの動力は、
フライホイール3、継手5、減速逆転機入力軸6、減速
小ギヤ11、減速大ギヤ12及び減速逆転機出力軸7を
介してプロペラ軸13へと伝達され、プロペラ14を回
転する。この場合、上記減速小ギヤ11と減速大ギヤ1
2の間で、固定減速比により減速される。
【0029】図2はHST駆動状態を示しており、HS
T用両電磁切換弁43,44をオンとし、直結用電磁切
換弁42をオフとすることにより、HSTポンプ用及び
HSTモータ用両油圧嵌脱クラッチ33,34を接続
し、直結用油圧嵌脱クラッチ10を切っており、これに
より、エンジン出力軸2の動力は、フライホイール3、
継手5、減速逆転機入力軸6、HSTポンプ用油圧嵌脱
クラッチ33及びポンプ軸30を介してHST9に伝達
され、HST9内で所望の設定減速比に減速され、モー
タ軸31、クラッチ軸37、HSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34、第2減速小ギヤ35、減速大ギヤ12及び
減速逆転機出力軸7を介してプロペラ軸13へと伝達さ
れ、プロペラ14を回転する。
【0030】図3は使用制御機器の構成を示す配線略図
であり、前記コントローラ69に対し、入力用の操作機
器としては、前後進及び中立の切換え、駆動状態の切換
え及び設定プロペラ回転数の各信号を入力するリモコン
ヘッド71と、航走モード及び漁労モードの各運転モー
ドを選択して入力するモード選定スイッチ72と、漁労
モード時の設定機関回転数を入力する機関回転数設定ダ
イヤル73とを備えている。検出機構としては、機関回
転数センサー75とプロペラ回転数センサー76とを備
え、それぞれ検出回転数信号を入力するようになってい
る。上記リモコンヘッド71と機関回転数設定ダイヤル
73はそれぞれ位置検出装置(ポテンショメータ)8
0,81を介してコントローラ69に接続しており、モ
ード選定スイッチ72には、航走モードボタン78と漁
労モードボタン79を設けてある。
【0031】コントローラ69の出力側には、前述のよ
うにHSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33の電磁切換弁
43と、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34の電磁切
換弁44と、直結用油圧嵌脱クラッチ10の電磁切換弁
42が接続すると共に、ガバナ装置82のレギュレータ
レバー84と、HST9のHSTレバー87が接続して
いる。
【0032】リモコンヘッド71には単一のコントロー
ルレバー70が回動操作可能に備えられており、コント
ロールレバー70の回動操作位置を位置検出装置80で
検出し、コントローラ69に入力することにより、予め
コントローラ69に記憶された各運転モードの制御パタ
ーンに従い、各電磁切換弁42,43,44と、ガバナ
装置82と、HSTレバー87の総ての駆動部又は選択
された一部の駆動部にそれぞれ所定の制御信号を送るよ
うになっている。すなわち、単一のコントロールレバー
70の回動操作により、各運転モードにおいて、各油圧
嵌脱クラッチ10,33,34の嵌脱と、レギュレータ
レバー84による機関回転数の調節設定と、HSTレバ
ー87による前後進及び中立位置の切換え並びにプロペ
ラ回転数(モータ回転数)設定に関する総ての操作、あ
るいは選択された一部の操作を行えるようになってい
る。
【0033】図9は航走モードにおけるコントロールレ
バー70の制御パターンを示しており、各油圧嵌脱クラ
ッチ10,33,34の電磁切換弁42,43,44の
切換え操作、HSTレバー87の回動操作及びガバナ装
置82のレギュレータレバー84の操作は、すべてコン
トロールレバー70の回動操作のみが有効となり、一
方、機関回転数設定ダイヤル73による機関回転数の設
定操作は無効となっている。
【0034】航走モードにおけるコントロールレバー7
0の制御パターンを具体的に説明すると、前進側におい
て、中立レバー位置P0から前進側切換位置P1までの前
進低速領域W1はHST駆動状態となるように設定さ
れ、前進側切換位置P1から前進全速レバー位置P2まで
の前進高速領域W2は直結駆動状態となるように設定さ
れている。後進側は中立レバー位置P0から後進全速レ
バー位置P3までの全後進領域W3が、HST駆動状態と
なるように設定されている。上記各速度領域W1、W2、
W3では、コントロールレバー70の回動量に応じて、
機関回転数及び/又はHST9の減速比を変更すること
により、無段階でプロペラ回転数を設定できるようにな
っている。
【0035】図11は、航走モードにおける駆動状態を
機関回転数Nとプロペラ回転数Npの関係で示してお
り、領域W1は前述のようにHST駆動状態の前進低速
領域、領域W2は直結駆動状態の前進高速領域、W3はH
ST駆動状態の後進領域、N0は機関のアイドリング回
転数である。HST駆動前進低速領域W1と、直結駆動
前進高速領域W2とは、前記図9の切換位置P1に対応す
る切換機関回転数N1(プロペラ回転数Np1)で自動的に
切り換わるようになっている。すなわち機関回転数が増
加側に上記切換機関回転数N1を通過する場合は、HS
T駆動から直結駆動へ、反対に機関回転数が減少側に上
記切換機関回転数N1を通過する場合には、直結駆動か
らHST駆動へと切り換るように設定されている。
【0036】また、HST駆動前進低速領域W1の最大
機関回転数値、すなわち上記切換機関回転数N1に対
し、HST駆動後進領域W3での最大機関回転数N3(プ
ロペラ回転数Np3)が大きく設定されている。すなわ
ち、航走モードでは、前進時よりも後進時の方が、高い
機関回転数までHST駆動が行なえるように設定されて
いる。
【0037】図10は漁労モードにおける制御パターン
を示しており、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の
電磁切換弁42,43,44の切換え操作及びHSTレ
バー87の回動操作は、コントロールレバー70により
有効となるが、機関回転数については機関回転数設定ダ
イヤル73により所望の値に固定(設定)される。
【0038】漁労モードにおけるコントロールレバー7
0の制御パターンを具体的に説明すると、前進側におい
て、中立レバー位置P0から漁労前進全速レバー位置P4
までの漁労前進領域W4は、すべてHST駆動状態とな
るように設定されており、後進側も中立レバー位置P0
から後進全速レバー位置P5までの漁労後進領域W5はす
べてHST駆動状態となるように設定されている。上記
各HST駆動前後進領域W4、W5内では、コントロール
レバー70の回動量に応じて、HST9の減速比を変更
することにより、無段階でプロペラ回転数を設定できる
ようになっている。
【0039】図12は、漁労モードにおける駆動状態
を、機関回転数Nとプロペラ回転数Npの関係で示して
おり、W4は前述のようにHST駆動漁労前進領域、W5
はHST駆動漁労後進領域である。プロペラ回転数Np
は、前進側も後進側もその最大回転数が一定の回転数N
p4,Np5に制限されており、したがって、ある機関回転
数N6以上では、機関回転数の増加に関らず、プロペラ
回転数は常に一定値Np4又はNp5に保たれる。すなわ
ち、上記機関回転数N6以上では、前記設定ダイヤル7
3により固定した機関回転数に関らず、プロペラ回転数
を一定値Np4又はNp5に保つことができるのである。
【0040】
【作用】1.航走モード選定時の場合 図3において、モード選定スイッチ72の航走モードボ
タン78を選定する。これにより、ガバナ装置82、各
電磁切換弁42,43,44及びHSTレバー87に対
してコントロールレバー70の操作のみが有効となり、
図9に示す制御パターンにしたがって、以下のように駆
動状態の切換え、前後進及び中立の切換え並びにプロペ
ラ回転数の設定を行うことができる。
【0041】[前進低速領域での運転]図9の航走モー
ドにおいて、コントロールレバー70を前進低速領域W
1内にセットする。そうすると、直結用油圧嵌脱クラッ
チ10が切れると共にHST用油圧嵌脱クラッチ33,
34が接続し、それと同時にHSTレバー87は、作動
モータ等のアクチュエータによりコントロールレバー7
0の回動量に対応した量だけ前進側に回動し、所望の減
速比に設定される。これにより、HST駆動状態で、か
つ、所望のプロペラ回転数での前進低速運転となる。
【0042】運転中、コントロールレバー70の位置は
位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プ
ロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76(図3)
により検出した実際のプロペラ回転数を比較し、差があ
る場合には、HSTレバー87及び/又はガバナ装置8
2のレギュレータレバー84が自動的に回動して、HS
T9の減速比及び/又は機関回転数を調節し、実際のプ
ロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0043】[前進高速領域での運転]図9の航走モー
ドにおいて、コントロールレバー70を前進高速領域W
2内にセットする。立ち上がり時は前進低速領域W1での
運転と同様にHST駆動状態であるが、機関回転数が上
昇し、図11の切換機関回転数N1を越えると、直結駆
動状態に自動的に切り換わり、ガバナ装置82のレギュ
レータレバー84を作動して、コントロールレバー70
のセット位置に対応する機関回転数まで機関回転数を上
げ、プロペラ回転数を上げる。
【0044】運転中、コントロールレバー70の位置は
位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プ
ロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検
出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合に
は、ガバナ装置82のレギュレータレバー84が自動的
に作動し、機関回転数を調節して、プロペラ回転数を設
定プロペラ回転数に近付ける。
【0045】[後進での運転]図9の航走モードにおい
て、コントロールレバー70を後進領域W3内にセット
する。立ち上がりからHST駆動状態となり、HSTレ
バー87は、コントロールレバー70の回動量に対応し
た量だけ後進側に回動し、所望の変速比に設定される。
これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプロペラ
回転数での後進運転となる。
【0046】運転中、コントロールレバー70の位置は
位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プ
ロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検
出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合に
は、HSTレバー87及び/又はガバナ装置82のレギ
ュレータレバー84が自動的に回動してHST9の減速
比及び/又は機関回転数を調節し、実際のプロペラ回転
数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0047】2.漁労モード選択時の場合 図3において、モード選定スイッチ72の漁労モードボ
タン79を選定する。この場合、コントロールレバー7
0による操作は、各嵌油圧嵌脱クラッチ10,33,3
4の電磁切換弁42,43,44及びHSTレバー87
に対しては有効であるが、ガバナ装置82のレギュレー
タレバー84に対しては無効状態となり、機関回転数に
ついては、設定ダイヤル73により、発電機等の前部駆
動装置に対応した値に設定(固定)する。そうして、図
10に示すレバー操作範囲での回動操作により、前後進
の切換え及びプロペラ回転数の設定を行うことができ
る。
【0048】[漁労前進運転]図10の漁労モードにおい
て、コントロールレバー70を漁労前進領域W4内にセ
ットする。そうすると、直結用油圧嵌脱クラッチ10が
切れると共にHST用油圧嵌脱クラッチ33,34が接
続し、それと同時にHSTレバー87は、作動モータ等
のアクチュエータによりコントロールレバーの回動量に
対応した量だけ前進側に回動し、所望の変速比に設定さ
れる。これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプ
ロペラ回転数での前進漁労運転となる。
【0049】運転中、コントロールレバー70の位置は
位置検知機構80で判別され、該位置に対応する設定プ
ロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検
出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合に
は、HSTレバー87が自動的に回動してHST9の減
速比を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回
転数に近付ける。なお、機関回転数は前述のように設定
ダイヤル73により発電機等前部駆動装置に対応させて
固定しているので、プロペラ回転数の変化によって前部
駆動装置が影響を受けることは殆どない。
【0050】[漁労後進運転]コントロールレバー70
を漁労後進領域W5内にセットする。そうすると、直結
用油圧嵌脱クラッチ10が切れると共にHST用油圧嵌
脱クラッチ33,34が接続し、それと同時にHSTレ
バー87は、作動モータ等のアクチュエータによりコン
トロールレバー70の回動量に対応した量だけ後進側に
回動し、所望の変速比に設定される。これにより、HS
T駆動状態で、かつ、所望のプロペラ回転速度での漁労
後進運転となる。
【0051】運転中、コントロールレバー70の位置は
位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プ
ロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検
出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合に
は、HSTレバー87が自動的に回動してHST9の減
速比を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回
転数に近付ける。
【0052】
【実施の形態2】(1)図13に示す実施の形態は、H
ST9にHST油圧センサー92を設け、HST油圧を
検知することにより、HST駆動と直結駆動とを切り換
えるようにしている。その他の構成は図1〜図12に示
した実施の形態1と同じであり、同じ部品には同じ符号
を付している。
【0053】図14は、上記のようにHST油圧センサ
ー92を備えた場合において、回転立ち上げ時のプロペ
ラ回転数NpとHST油圧Prの関係を示しており、Pr0
は、HST用油圧嵌脱クラッチ33,34をオンに切り
換えた時の油圧値、Pr1は、HST駆動から直結駆動へ
と切り換わる時の油圧値を示している。すなわち、HS
T用油圧嵌脱クラッチ33,34を接続することにより
HST駆動すると、HST油圧Prが油圧値Pr0から増
加するに伴って、曲線Xで示すようにプロペラ回転数N
pも増加する。そしてHST油圧Prが切換油HST油圧
値Pr1を越えると、HST用油圧嵌脱クラッチ33,3
4が切れると共に、直結用油圧嵌脱クラッチ10が接続
し、直結状態となる。
【0054】直結駆動状態では、HST油圧は低下する
ので、前記立ち上げ時に、HST駆動から直結駆動に切
り換わる時の切換プロペラ回転数Np1を記憶しておき、
そして立ち下げ時には、上記切換プロペラ回転数Np1を
プロペラ回転数センサー76で検知して、直結駆動から
HST駆動へと自動的に切り換わるように構成する。
【0055】
【実施の形態3】図15に示す実施の形態は、HSTレ
バー87を駆動するアクチュエータの一例を示してお
り、HST駆動時において、実際のプロペラ回転数が、
コントロールレバー70(図16)により設定されたプ
ロペラ回転数から変化した場合に、自動的に設定プロペ
ラ回転数に復帰するために装備している。
【0056】アクチュエータとしてHSTレバー操作用
モータ112を減速逆転機15に装着しており、該HS
Tレバー操作用モータ112の回動レバー113を、連
結リンク114を介してHSTレバー87に連動連結す
ると共に、レバー位置検出装置(ポテンショメータ)1
15に連結し、HSTレバー操作用モータ112によ
り、HSTレバー87を回動操作できるようになってい
る。
【0057】HSTレバー操作用モータ112は、図1
6に示すようにコントローラ69に接続しており、HS
T駆動による漁労時、負荷等が変化して、実際のプロペ
ラ回転数が、コントロールレバー70により設定された
プロペラ回転数から変化すると、設定プロペラ回転数と
実際のプロペラ回転数とをコントローラ69内で比較
し、その差に相当する分だけHSTレバー操作用モータ
112により、HSTレバー87を回動操作できるよう
になっている。
【0058】図17はフロー図を示しており、ステップ
S1において、コントロールレバー70をHST駆動領
域(たとえば図12漁労前進領域W4)内の所望の位置
まで回動操作する。ステップS2において、コントロー
ルレバー位置検出装置80によりコントロールレバー7
0の回動位置を検出し、いわゆるポテンショ出力を変更
する。ステップS3において、コントローラ69を介し
てHSTレバー操作用モータ112を駆動する。ステッ
プS4においてHST駆動によりプロペラ14を駆動す
る。
【0059】ステップS5において、プロペラ回転数セ
ンサー76によりプロペラ回転数を検出し、所望のプロ
ペラ回転数となっているか否かを判別する。所望の回転
数になっていない場合は、ステップS1に戻り、再びコ
ントロールレバー70を操作する。所望の回転数になっ
ている場合、すなわち設定回転数になっている場合は、
ステップS6において上記設定プロペラ回転数での運転
となる。
【0060】ステップS7において、上記設定プロペラ
回転数による運転となった時に、HSTレバー87の位
置をレバー位置検出装置115で検出し、記憶する。ス
テップS8において、実際のプロペラ回転数が負荷変動
などにより変化すると、ステップS9において、実際の
プロペラ回転数と上記設定回転数との差を算出し、たと
えば変動回転差に対応するポテンショ電圧を計算する。
ステップS10において、上記変動回転数差に対応させて
HSTレバー操作用モータ112を駆動し、HSTレバ
ー87を回動操作することにより、上記回転数差をなく
すようにプロペラ回転数を修正する。
【0061】
【その他の実施の形態】(1)HSTポンプ用及びHS
Tモータ用両油圧嵌脱クラッチ33,34を共通のHS
T用電磁切換弁42又は43で切換できるように構成す
ることもできる。
【0062】(2)運転モードとして、図11に示す航
走モードでは、後進をHST駆動のみに設定している
が、直結駆動の後進高速領域を有する制御パターンとす
ることもできる。
【0063】(3)図3ではモード選定スイッチ72を
押しボタン型で表しているが、回動レバー型等を採用す
ることも可能である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本願発明は、固定減
速比の減速ギヤ機構による直結駆動と、無段変速が可能
な静油圧式トランスミッションによるHST駆動とを切
換自在に組み合わせることにより、運転条件に適した減
速段に変更できるようにしているのに加え、次のような
利点がある。
【0065】(1)機関回転数センサー75を備え、切
換機関回転数N1を設定して、機関回転数センサー75
により切換機関回転数N1を検知することにより、直結
駆動状態とHST駆動状態とを自動的に切り換えるよう
にしているので、低速時あるいは高速時の運転条件に応
じて自動的に駆動状態を選択することができ、操船が容
易にかつ効率良く行なえる。
【0066】(2)請求項2記載の発明のように、機関
回転数センサー75による機関回転数の検出に代えて、
静油圧式トランスミッションにHST油圧センサー92
を備え、切換HST油圧値Pr1を設定して、HST油圧
センサー92により切換HST油圧値Pr1を検知するこ
とにより、HST駆動状態から直結駆動状態へと自動的
に切り換えるようにしていると、機関回転数センサーに
より機関回転数を検出する場合に比べ、HST駆動時に
おけるプロペラ軸の回転トルクを正確に把握し、検出す
ることができ、より正確な切換点でHST駆動から直結
駆動に切り換えることができる。
【0067】(3)請求項3記載の船用プロペラ駆動装
置のように、低速領域ではHST駆動状態、高速領域で
は直結駆動状態に切り換えるようにしていると、低速運
転ではHST駆動により、歯車の打音等を無くすことが
できると共にプロペラ回転数の設定も容易に行なえ、高
速運転では直結駆動により、高い機械効率を保つように
することができる。
【0068】(4)請求項4記載の発明のように、前進
高速領域では直結駆動状態、前進低速領域ではHST駆
動状態、後進時はHST駆動状態に切り換えるようにし
ていると、たとえば航走モードでの前進時では、立ち上
がりから高速までの一連の加速運転において、加速時の
HST駆動から自動的に直結駆動へと切り換わり、円滑
に上記一連の加速運転が行なえ、かつ、機関効率のよい
直結駆動を十分に利用することができ、一方、後進で
は、プロペラ回転数の無段変速可能なHST駆動のみと
していることにより、着岸操作等を容易に行なうことが
できる。
【0069】(5)請求項5記載の発明のように、プロ
ペラ軸回転数センサー76と、静油圧式トランスミッシ
ョンの変速比を変更するHSTレバーに連動連結するH
STレバー操作用アクチュエータ、たとえばHSTレバ
ー操作用モータ112とを備え、コントローラ69によ
り、HST駆動時の設定プロペラ回転数と、プロペラ軸
回転数センサー76で検出したプロペラ回転数とを比較
し、両回転数の差を無くすようにHSTレバー操作用モ
ータ112の作動を制御するようにしていると、たとえ
ばトロール等の漁労時において、従来のように、トロー
リング機構により、摩擦板のスリップ用油圧を調節して
船速を維持する方式に比べ、大きな負荷変動があっても
確実に設定プロペラ回転数に復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の
直結駆動状態を示す油圧回路図である。
【図2】 HST駆動状態を示す図1と同じ油圧回路図
である。
【図3】 制御機器の配線図である。
【図4】 本願発明の船用プロペラ駆動装置の減速逆転
機の後面図である。
【図5】 図4のV-V断面図である。
【図6】 図4のVI-VI断面図である。
【図7】 図4のVII-VII断面図である。
【図8】 図5の拡大部分図である。
【図9】 航走モード時のコントロールレバーの制御パ
ターンを示す配線略図である。
【図10】 漁労モード時のコントロールレバーの制御
パターンを示す配線略図である。
【図11】 航走モード時の各駆動領域を、機関回転数
とプロペラ回転数との関係で示す図である。
【図12】 漁労モード時の各駆動領域を、機関回転数
とプロペラ回転数との関係で示す図である。
【図13】 別の実施の形態による制御機器の配線図で
ある。
【図14】 請求項2記載の発明を適用する場合におけ
るHST油圧とプロペラ回転数との関係を示す図であ
る。
【図15】 請求項5記載のHSTレバー操作用アクチ
ュエータを備えた減速逆転機の後面図である。
【図16】 図15のHSTレバー操作用アクチュエー
タを備えた場合の制御機器の配線図である。
【図17】 図15及び図16によるHSTレバー操作
用アクチュエータに関するフロー図である。
【符号の説明】
9 静油圧式トランスミッション(HST) 10 直結用油圧嵌脱クラッチ 11 減速小ギヤ 12 減速大ギヤ 13 プロペラ軸 14 プロペラ 15 減速逆転機 20 HST用油圧ポンプ 21 HST用油圧モータ 33 HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ 34 HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ 42,43,44 電磁切換弁 69 コントローラ 70 コントロールレバー 73 漁労時機関回転数設定ダイヤル 74 減速逆転機ケース 75 機関回転数センサー 76 プロペラ回転数センサー 80,81 位置検出装置 82 ガバナ装置 84 レギュレータレバー 87 HSTレバー 92 HST油圧センサー 112 HSTレバー操作用モータ(アクチュエータ) 115 位置検出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 61/08 F16H 61/08 // F16H 59:68 59:74 (72)発明者 古田 孝司 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 北川 浩之 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA01 AA14 CA11 CA21 FB34 GC32 GC44 GC73 HA03 HA15 KA01 LA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッシ
    ョン(HST)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介して
    プロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式ト
    ランスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝達する
    HST駆動状態とに切換自在な減速逆転機と、 機関回転数センサーとを備え、 切換機関回転数を設定して、機関回転数センサーにより
    切換機関回転数を検知することにより、直結駆動状態と
    HST駆動状態とを自動的に切り換えるようにしている
    ことを特徴とする船用プロペラ駆動装置。
  2. 【請求項2】 減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッシ
    ョン(HST)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介して
    プロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式ト
    ランスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝達する
    HST駆動状態とに切換自在な減速逆転機と、 静油圧式トランスミッションの油圧閉回路内の圧力を検
    出するHST油圧検出センサーとを備え、 切換HST油圧値を設定して、HST油圧検出センサー
    により切換HST油圧値を検知することにより、HST
    駆動状態と直結駆動状態とを自動的に切り換えるように
    していることを特徴とする船用プロペラ駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の船用プロペラ駆動
    装置において、低速領域ではHST駆動状態、高速領域
    では直結駆動状態に切り換えるようにしていることを特
    徴とする船用プロペラ駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の船用プロペラ駆動
    装置において、前進高速領域では直結駆動状態、前進低
    速領域ではHST駆動状態、後進時はHST駆動状態に
    切り換えるようにしていることを特徴とする船用プロペ
    ラ駆動装置。
  5. 【請求項5】 減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッシ
    ョン(HST)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介して
    プロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式ト
    ランスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝達する
    HST駆動状態とに切換自在な減速逆転機と、 プロペラ回転数センサーと、 静油圧式トランスミッションの変速比を変更するHST
    レバーに連動連結するHSTレバー操作用アクチュエー
    タとを備え、 コントローラにより、HST駆動の設定プロペラ回転数
    と、プロペラ回転数センサーで検出したプロペラ回転数
    とを比較し、両回転数の差を無くすようにHSTレバー
    操作用アクチュエータの作動を制御するようにしたこと
    を特徴とする船用プロペラ駆動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157321A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Toyota Motor Corp 無段変速機用の油圧制御装置
CN102190080A (zh) * 2011-05-12 2011-09-21 杭州发达齿轮箱集团有限公司 带倒顺车、离合功能、pto可全功率的输出船用齿轮箱
JP2015081054A (ja) * 2013-10-24 2015-04-27 ダイハツディーゼル株式会社 変速機切換制御装置

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