JP4105827B2 - 船用プロペラ駆動装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、主として漁船に適した船用プロペラ駆動装置に関し、特に、運転状況に応じて任意の減速手段に駆動状態を切り換えることができる船用プロペラ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の船用プロペラ駆動装置は、特開平6−201029号のように固定減速比の減速ギヤ機構のみを内蔵した減速逆転機や、船体側方に補助プロペラを有するサイドスラスターのように、静油圧式トランスミッション(Hydro static transmission;以下「HST」という)のみを備えた減速逆転機を搭載しているものが殆どであるが、特開平5−77788号に記載されているように、減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッションを組み合わせ、船舶の運転条件に応じて減速手段を切り換える減速逆転機を搭載したものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平6−201029号公報に記載された直結駆動のみのプロペラ駆動装置は、漁労用トローリング機構を装備しており、減圧弁を利用してクラッチ摩擦板をスリップさせることにより、負荷に応じて一定の低速トローリング運転ができるようになっている。しかしながら、トローリング運転する場合には、クラッチの切換え用レバーと、トローリングレバーと、機関スロットル用レバーとの、合計3本のレバーを操作しなければならす、操作が複雑になる。
【0004】
また、エンジンの前部駆動が必要となる場合、たとえば、集魚灯を多数装備した漁り火漁船では、エンジンのクランク軸前部に連結した発電機により集魚灯を灯しながら運転することになるが、機関の回転数は発電機の設定回転数に合わせておかなければならないため、船を一定位置に静止させたりあるいは一定低速運転する操作が一層複雑になり、各レバーの相対的な操作の順序を間違えたり、あるいは操作間隔がずれたりするため、操作に熟練性を要する。
【0005】
前記特開平5−77785号公報に記載されたプロペラ駆動装置は、前述のように運転条件に合わせて、機械式動力伝達経路と油圧式動力伝達経路とを切り換えて使用するようになっているが、その操作手段については何等記載されていない。
【0006】
【発明の目的】
本願発明の目的は、モード選定スイッチによる運転モードの切換操作と、ガバナ装置、直結用クラッチ、HST用クラッチ及びHSTレバーに連動する単一のコントロールレバーの操作とを組み合わせることにより、航走モード及び漁労モード等各運転モードにおいて、単一のコントロールレバーの操作のみで、駆動状態の切換え及びプロペラ回転数の調整を可能とし、操船の簡素化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明は、減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッション(HST)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トランスミッションを経由してプロペラ軸に動力を伝達するHST駆動状態とに切換自在な減速逆転機と、
上記各駆動状態を選択してなる複数の運転モードに切換設定可能なモード選定スイッチと、
エンジンのガバナ装置、減速逆転機の直結用クラッチ、HST用クラッチ及びHSTレバーに連動する単一のコントロールレバーと、を備え、
上記単一のコントロールレバーの操作により、各運転モードにおいて、前後進及び中立の切換え、プロペラ回転数の制御及び駆動状態切換えを行えるようにしていることを特徴とする船用プロペラ駆動装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図4は本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の油圧回路図であり、エンジン1の出力軸2とプロペラ軸13間に減速逆転機15を配置している。該減速逆転機15は、減速逆転機入力軸6と減速逆転機出力軸7を内蔵すると共に、減速小ギヤ11とこれに噛み合う減速大ギヤ12からなる固定減速比の減速ギア機構を内蔵しており、かかる減速ギヤ機構に加え、静油圧式トランスミッション(再説明になるが、Hydro static transmission;以下「HST」という)9を切換自在に組み付けてあり、直結用油圧嵌脱クラッチ10と、HST用油圧嵌脱クラッチ33,34の嵌脱により、上記減速ギヤ機構のみを介して動力が伝達される直結駆動状態と、HST9を経由して動力が伝達されるHST駆動状態とに切り換えることができるようになっている。
【0009】
減速逆転機入力軸6は、エンジン出力軸2のフライホイール3にゴムダンパー継手5を介して連結しており、減速逆転機入力軸6には前記直結用油圧嵌脱クラッチ10のアウターケース10aが一体に固着されると共にインナーハブ10bが回転可能に嵌合し、該インナーハブ10bに前記減速小ギヤ11が一体に形成され、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続することにより減速逆転機入力軸6から減速小ギヤ11へと動力が伝達されるようになっている。
【0010】
HST9は、周知のようにアキシャルプランジャ型の入力側の油圧ポンプ20と、同様にアキシャルプランジャ型の出力側の油圧モータ21とを、油圧閉回路(油路24,25)によって流体的に接続したものであり、たとえば油圧ポンプ20から吐出される作動油の流れを変更することにより、前進(油圧モータ21の正転)、後進(油圧モータ21の逆転)及び中立状態に切り換えると共に、油圧ポンプ20(又は/及び油圧モータ21)の斜板角を変更することにより変速比を変更して、モータ回転数すなわちプロペラ回転数を調整し、設定することができようになっており、上記前後進及び中立の切換え並びにモータ回転数の調整設定を、HSTレバー87(図1)の回動操作により行うようになっている。油圧閉回路の各油路24,25は、それぞれチェック弁26,27を介してチャージング用分岐油路28に接続しており、該分岐通路28から油圧閉回路内へと作動油を補充する。
【0011】
油圧ポンプ20のポンプ軸30は、HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33を介して減速逆転機入力軸6に断続切換可能に連結している。油圧モータ21のモータ軸31には、継手36を介してクラッチ軸37が連結されており、該クラッチ軸37には、前記減速大ギヤ12に常時噛み合う第2減速小ギヤ35が回転可能に嵌合すると共に、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34が配置されている。該HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34は、アウターケース34aがクラッチ軸37に一体に固着され、インナーハブ34bが前記第2減速小ギヤ35と一体に形成されてクラッチ軸37に回転可能に嵌合しており、第2減速小ギヤ35とクラッチ軸37の間を断続切換自在に連結する。
【0012】
直結用及びHST用の各油圧嵌脱クラッチ10,33,34は湿式多板型の摩擦クラッチであり、直結用及びHST用の各油圧嵌脱クラッチ10,33,34内の作動油室はクラッチ作動油路38,39,40を介してそれぞれ電磁切換弁42,43,44の一方のポートに接続し、各電磁切換弁42,43,44の作動部はコントローラ69に接続している。
【0013】
各電磁切換弁42,43,44の他方のポートは、共通の作動油路45に集合すると共に、切換弁46及び作動油路47を介して作動油ポンプ51の吐出口に接続しており、該作動油ポンプ51の吸込み側油路56は油こし器55を介して油溜(オイルタンク)52に接続している。作動油ポンプ51のポンプ駆動軸57には、ドリブンギヤ60が固着された伝動軸59が連結しており、前記ドリブンギヤ60は直結用油圧嵌脱クラッチ10のアウターケース10aに固着されたドライブギヤ61に常時噛み合っており、エンジン運転中は、常時作動油ポンプ51が作動するようになっている。
【0014】
作動油ポンプ51は、前述のように各油圧嵌脱クラッチ10,33,34に対してクラッチ作動油を供給する本来の機能に加え、HST9のチャージングポンプとしての機能も兼用するように構成されており、作動油ポンプ51の吐出側作動油路47の途中(分岐点P)からチャージング油路54aが分岐し、ラインフィルター62及びチャージング油路54bを介してHST9のチャージング用分岐油路28に接続している。また、HST9の油圧閉回路内の漏油はドレン油路101を介して上記作動油ポンプ51の油溜52に戻るようになっている。すなわち、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の断続切換作動と、HST9への作動油のチャージングとを、共通の油溜52、共通の作動油、一部共通の油路47及び共通の作動油ポンプ51を利用して行うようになっている。
【0015】
作動油路47の分岐点Pからは潤滑油路63も分岐しており、該潤滑油路63には、作動油調圧弁65、潤滑油クーラ66及び潤滑油調圧弁(クラッチ用)67が設けられ、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の潤滑個所へ上記共通の作動油を、潤滑油として供給するようになっている。
【0016】
図4は直結駆動状態を示しており、減速ギヤ11、12のみを介して減速逆転機入力軸6と減速逆転機出力軸7とを連結した状態である。すなわち、HST用両電磁切換弁43,44をオフとし、直結用電磁切換弁42をオンとすることにより、HSTポンプ用及びHSTモータ用両油圧嵌脱クラッチ33,34を切り、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続しており、これにより、エンジン出力軸2からの動力は、フライホイール3、継手5、減速逆転機入力軸6、減速小ギヤ11、減速大ギヤ12及び減速逆転機出力軸7を介してプロペラ軸13へと伝達され、プロペラ14を回転する。この場合、上記減速小ギヤ11と減速大ギヤ12の間で、固定減速比により減速される。
【0017】
図5はHST駆動状態を示しており、HST用両電磁切換弁43,44をオンとし、直結用電磁切換弁42をオフとすることにより、HSTポンプ用及びHSTモータ用両油圧嵌脱クラッチ33,34を接続し、直結用油圧嵌脱クラッチ10を切っており、これにより、エンジン出力軸2の動力は、フライホイール3、継手5、減速逆転機入力軸6、HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33及びポンプ軸30を介してHST9に伝達され、HST9内で所望の設定変速比に減速され、モータ軸31、クラッチ軸37、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34、第2減速小ギヤ35、減速大ギヤ12及び減速逆転機出力軸7を介してプロペラ軸13へと伝達され、プロペラ14を回転する。
【0018】
図1は使用制御機器の構成を示す配線略図であり、前記コントローラ69に対し、入力用の操作機器としては、前後進及び中立の切換え、駆動状態の切換え及び設定プロペラ回転数の各信号を入力するリモコンヘッド71と、航走モード及び漁労モードの各運転モードを選択して入力するモード選定スイッチ72と、漁労モード時の設定機関回転数を入力する機関回転数設定ダイヤル73とを備えている。検出機構としては、機関回転数センサー75とプロペラ回転数センサー76とを備え、それぞれ検出回転数信号を入力するようになっている。上記リモコンヘッド71と機関回転数設定ダイヤル73はそれぞれ位置検出装置(ポテンショメータ)80,81を介してコントローラ69に接続しており、モード選定スイッチ72には、航走モードボタン78と漁労モードボタン79を設けてある。
【0019】
コントローラ69の出力側には、前述のようにHSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33の電磁切換弁43と、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34の電磁切換弁44と、直結用油圧嵌脱クラッチ10の電磁切換弁42が接続すると共に、ガバナ装置82のレギュレータレバー84と、HST9のHSTレバー87が接続している。
【0020】
リモコンヘッド71には単一のコントロールレバー70が回動操作可能に備えられており、コントロールレバー70の回動操作位置を位置検出装置80で検出し、コントローラ69に入力することにより、予めコントローラ69に記憶された各運転モードの制御パターンに従い、各電磁切換弁42,43,44と、ガバナ装置82と、HSTレバー87の総ての駆動部又は選択された一部の駆動部にそれぞれ所定の制御信号を送るようになっている。すなわち、単一のコントロールレバー70の回動操作により、各運転モードにおいて、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の嵌脱と、レギュレータレバー84による機関回転数の調節設定と、HSTレバー87による前後進及び中立位置の切換え並びにプロペラ回転数(モータ回転数)設定に関する総ての操作、あるいは選択された一部の操作を行えるようになっている。
【0021】
図2は航走モードにおけるコントロールレバー70の制御パターンを示しており、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の電磁切換弁42,43,44の切換操作、HSTレバー87の回動操作及びガバナ装置82のレギュレータレバー84の操作は、すべてコントロールレバー70の回動操作のみが有効となり、一方、機関回転数設定ダイヤル73による機関回転数の設定操作は無効となっている。
【0022】
航走モードにおけるコントロールレバー70の制御パターンを具体的に説明すると、前進側において、中立レバー位置P0から前進側中間レバー位置(切換レバー位置)P1までの前進低速域W1はHST駆動状態となるように設定され、前進側中間レバー位置P1から前進全速レバー位置P2までの前進高速域W2は直結駆動状態となるように設定されている。後進側は中立レバー位置P0から後進全速レバー位置P3までの全後進域W3が、HST駆動状態となるように設定されている。上記各速度域W1、W2、W3では、コントロールレバー70の回動量に応じて、機関回転数及び/又はHST9の減速比を変更することにより、無段階でプロペラ回転数を設定できるようになっている。
【0023】
図3は漁労モードにおける制御パターンを示しており、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34の電磁切換弁42,43,44の切換え操作及びHSTレバー87の回動操作は、コントロールレバー70により有効となるが、機関回転数については機関回転数設定ダイヤル73により所望の値に固定(設定)される。
【0024】
漁労モードにおけるコントロールレバー70の制御パターンを具体的に説明すると、前進側において、中立レバー位置P0から漁労前進全速レバー位置P4までの漁労前進域W4は、すべてHST駆動状態となるように設定されており、後進側も中立レバー位置P0から漁労後進全速レバー位置P5までの漁労後進域W5はすべてHST駆動状態となるように設定されている。上記各前後進域W4、W5内では、コントロールレバー70の回動量に応じて、HST9の減速比を変更することにより、無段階でプロペラ回転数を設定できるようになっている。
【0025】
【作用】
1.航走モード選定時の場合
図1において、モード選定スイッチ72の航走モードボタン78を選定する。これにより、ガバナ装置82、各電磁切換弁42,43,44及びHSTレバー87に対してコントロールレバー70の操作のみが有効となり、図2に示す制御パターンにしたがって、以下のように駆動状態の切換え、前後進及び中立の切換え並びにプロペラ回転数の設定を行うことができる。
【0026】
[前進低速域での運転]
図2の航走モードにおいて、コントロールレバー70を前進低速域W1内にセットする。そうすると、直結用油圧嵌脱クラッチ10が切れると共にHST用油圧嵌脱クラッチ33,34が接続し、それと同時にHSTレバー87は、作動モータ等のアクチュエータによりコントロールレバー70の回動量に対応した量だけ前進側に回動し、所望の変速比に設定される。これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプロペラ回転数での前進低速運転となる。
【0027】
運転中、コントロールレバー70の位置は位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76(図1)により検出した実際のプロペラ回転数を比較し、差がある場合には、HSTレバー87及び/又はガバナ装置82のレギュレータレバー84が自動的に回動して、HST9の減速比及び/又は機関回転数を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0028】
[前進高速域での運転]
図2の航走モードにおいて、コントロールレバー70を前進高速域W2内にセットする。立ち上がり時は前進低速域W1での運転と同様にHST駆動状態であるが、機関回転数が上昇し、前進側中間レバー位置(切換レバー位置)P1に対応する所定の機関回転数を越えると、直結駆動状態に自動的に切り換わり、ガバナ装置82のレギュレータレバー84を作動して、コントロールレバー70のセット位置に対応する機関回転数まで機関回転数を上げ、プロペラ回転数を上げる。
【0029】
運転中、コントロールレバー70の位置は位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合には、ガバナ装置82のレギュレータレバー84が自動的に作動し、機関回転数を調節して、プロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0030】
[後進での運転]
図2の航走モードにおいて、コントロールレバーを後進域W3内にセットする。立ち上がりからHST駆動状態となり、HSTレバー87は、コントロールレバー70の回動量に対応した量だけ後進側に回動し、所望の変速比に設定される。これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプロペラ回転数での後進運転となる。
【0031】
運転中、コントロールレバー70の位置は位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合には、HSTレバー87及び/又はガバナ装置82のレギュレータレバー84が自動的に回動してHST9の減速比及び/又は機関回転数を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0032】
2.漁労モード選択時の場合
図1において、モード選定スイッチ72の漁労モードボタン79を選定する。この場合、コントロールレバー70による操作は、各嵌油圧嵌脱クラッチ10,33,34の電磁切換弁42,43,44及びHSTレバー87に対しては有効であるが、ガバナ装置82のレギュレータレバー84に対しては無効状態となり、機関回転数については、設定ダイヤル73により、発電機等の前部駆動装置に対応した値に設定(固定)する。そうして、図3に示すレバー操作範囲での回動操作により、以下のように前後進の切換え及びプロペラ回転数の設定を行うことができる。
【0033】
[漁労前進運転]
図3の漁労モードにおいて、コントロールレバー70を漁労前進域W4内にセットする。そうすると、直結用油圧嵌脱クラッチ10が切れると共にHST用油圧嵌脱クラッチ33,34が接続し、それと同時にHSTレバー87は、作動モータ等のアクチュエータによりコントロールレバーの回動量に対応した量だけ前進側に回動し、所望の変速比に設定される。これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプロペラ回転数での前進漁労運転となる。
【0034】
運転中、コントロールレバー70の位置は位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合には、HSTレバー87が自動的に回動してHST9の減速比を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。なお、機関回転数は前述のように設定ダイヤル73により発電機等前部駆動装置に対応させて固定しているので、プロペラ回転数の変化によって前部駆動装置が影響を受けることは殆どない。
【0035】
[漁労後進運転]
コントロールレバー70を漁労後進域W5内にセットする。そうすると、直結用油圧嵌脱クラッチ10が切れると共にHST用油圧嵌脱クラッチ33,34が接続し、それと同時にHSTレバー87は、作動モータ等のアクチュエータによりコントロールレバー70の回動量に対応した量だけ後進側に回動し、所望の変速比に設定される。これにより、HST駆動状態で、かつ、所望のプロペラ回転速度での漁労後進運転となる。
【0036】
運転中、コントロールレバー70の位置は位置検出装置80で判別され、該位置に対応する設定プロペラ回転数と、プロペラ回転数センサー76により検出した実際のプロペラ回転を比較し、差がある場合には、HSTレバー87が自動的に回動してHST9の減速比を調節し、実際のプロペラ回転数を設定プロペラ回転数に近付ける。
【0037】
以上のように本願実施の形態では、航走時には機関回転数に応じて、高速では直結駆動状態、低速ではHST駆動状態に使い分けているが、操船者はそれに関係なく、単一のコントロールレバー70の操作にて、船側0から前進全速までの操船が可能となり、また、漁労時においては、機関回転数は、プロペラ回転数とは別に調節ダイヤル73により設定可能なため、プロペラ回転数は航走時と同じコントロールレバー70により設定可能となるのである。
【0038】
【その他の実施の形態】
(1)HSTポンプ用及びHSTモータ用両油圧嵌脱クラッチ33,34を共通のHST用電磁切換弁42又は43で切換できるように構成することもできる。
【0039】
(2)運転モードとして、図2に示す航走モードでは、後進をHST駆動のみに設定しているが、直結駆動の後進高速域を有する制御パターンとすることもできる。
【0040】
(4)図1ではモード選定スイッチ72を押しボタン型で表しているが、回動レバー型等を採用することも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明によると、
(1)減速ギヤ機構と、HSTを切換自在に組み合わせることにより、航行条件に応じて減速手段を変更できるようにしているのに加え、各種運転モードを選択自在なモード選定スイッチと、ガバナ装置、直結用クラッチ、HST用クラッチ及びHSTレバーに連動可能な単一のコントロールレバーを組み合わせているので、いずれの運転モードでも、単一のコントロールレバーの操作により、各運転状況に応じた駆動状態に切り換えることができると共に、プロペラ回転数を設定することができ、操船が容易になる。また、レバー数が減ることにより、部品コストの低減にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の制御機器の配線略図である。
【図2】 航走モード時のコントロールレバーの制御パターンを示す配線略図である。
【図3】 漁労モード時のコントロールレバーの制御パターンを示す配線略図である。
【図4】 本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の油圧回路図であって、直結駆動状態を示している。
【図5】 本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の油圧回路図であって、HST駆動状態を示している。
【符号の説明】
9 静油圧式トランスミッション(HST)
10 直結用油圧嵌脱クラッチ
13 プロペラ軸
15 減速逆転機
20 HST用油圧ポンプ
21 HST用油圧モータ
24,25 油圧閉回路の油路
30 ポンプ軸
31 モータ軸
33 HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ
34 HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ
69 コントローラ
70 コントロールレバー
71 コントロールヘッド
72 モード選定スイッチ
73 漁労時機関回転数設定ダイヤル
82 ガバナ装置
84 レギュレータレバー
87 HSTレバー

Claims (1)

  1. 減速ギヤ機構と静油圧式トランスミッション(HST)を有し、上記減速ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トランスミッションを経由してプロペラ軸に動力を伝達するHST駆動状態とに切換自在な減速逆転機と、
    上記各駆動状態を選択してなる複数の運転モードに切換設定可能なモード選定スイッチと、
    エンジンのガバナ装置、減速逆転機の直結用クラッチ、HST用クラッチ及びHSTレバーに連動する単一のコントロールレバーと、を備え、
    上記単一のコントロールレバーの操作により、各運転モードにおいて、前後進及び中立の切換え、プロペラ回転数の制御及び駆動状態切換えを行えるようにしていることを特徴とする船用プロペラ駆動装置。
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