JP2001012578A - 船用プロペラ駆動装置の制御方法 - Google Patents
船用プロペラ駆動装置の制御方法Info
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- JP2001012578A JP2001012578A JP11189049A JP18904999A JP2001012578A JP 2001012578 A JP2001012578 A JP 2001012578A JP 11189049 A JP11189049 A JP 11189049A JP 18904999 A JP18904999 A JP 18904999A JP 2001012578 A JP2001012578 A JP 2001012578A
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Landscapes
- Control Of Fluid Gearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 船舶の航行条件に応じて直結駆動とHST駆
動とを選択できるようにすると共に、両駆動状態の切換
時においてショックの発生を阻止することである。 【解決手段】 減速ギヤ機構及び静油圧式トランスミッ
ション(HST)を有し、減速ギヤ機構のみを介してプ
ロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トラ
ンスミッションを介して動力を伝達するHST駆動状態
とに切り換え自在な減速逆転機を備え、静油圧式トラン
スミッションの油圧モータ21の斜板21aを可変と
し、HST駆動状態と直結駆動状態との切換時におい
て、上記モータ用斜板21aの斜板角を調節することに
より、モータ軸回転数に対応するプロペラ回転数と、機
関回転数に対応する直結駆動状態時のプロペラ回転数と
が、同期するように、モータ軸31の回転を制御する。
動とを選択できるようにすると共に、両駆動状態の切換
時においてショックの発生を阻止することである。 【解決手段】 減速ギヤ機構及び静油圧式トランスミッ
ション(HST)を有し、減速ギヤ機構のみを介してプ
ロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トラ
ンスミッションを介して動力を伝達するHST駆動状態
とに切り換え自在な減速逆転機を備え、静油圧式トラン
スミッションの油圧モータ21の斜板21aを可変と
し、HST駆動状態と直結駆動状態との切換時におい
て、上記モータ用斜板21aの斜板角を調節することに
より、モータ軸回転数に対応するプロペラ回転数と、機
関回転数に対応する直結駆動状態時のプロペラ回転数と
が、同期するように、モータ軸31の回転を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、主として漁船に
適した船用プロペラ駆動装置の制御方法に関し、特に、
運転状況に応じて、固定減速比の減速ギヤ機構のみを介
してプロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と、静油
圧式トランスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝
達するHST駆動状態とを切り換えて運転することがで
きる船用プロペラ駆動装置の制御方法に関する。
適した船用プロペラ駆動装置の制御方法に関し、特に、
運転状況に応じて、固定減速比の減速ギヤ機構のみを介
してプロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と、静油
圧式トランスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝
達するHST駆動状態とを切り換えて運転することがで
きる船用プロペラ駆動装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の船用プロペラ駆動装置は、特開平
6−201029号のように固定減速比の減速ギヤ機構
のみを内蔵した減速逆転機や、船体側方に補助プロペラ
を有するサイドスラスターのように、静油圧式トランス
ミッション(Hydro static transmission;以下「HS
T」という)のみを備えた減速逆転機を搭載しているも
のが殆どであるが、特開平5−77788号に記載され
ているように、機械式動力伝達機構と静油圧式トランス
ミッションを組み合わせ、船舶の運転条件に応じて減速
手段を切り換える減速逆転機を搭載したものも開発され
ている。
6−201029号のように固定減速比の減速ギヤ機構
のみを内蔵した減速逆転機や、船体側方に補助プロペラ
を有するサイドスラスターのように、静油圧式トランス
ミッション(Hydro static transmission;以下「HS
T」という)のみを備えた減速逆転機を搭載しているも
のが殆どであるが、特開平5−77788号に記載され
ているように、機械式動力伝達機構と静油圧式トランス
ミッションを組み合わせ、船舶の運転条件に応じて減速
手段を切り換える減速逆転機を搭載したものも開発され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−201
029号公報に記載された減速ギヤ機構のみを有するプ
ロペラ駆動装置は、漁労用トローリング機構を装備して
おり、減圧弁を利用してクラッチ摩擦板をスリップさせ
ることにより、負荷に応じて一定の低速トローリング運
転ができるようになっている。しかし、摩擦板をスリッ
プさせる領域ではプロペラ回転を設定しにくく、また、
固定減速比の減速ギヤ機構のみでは歯打音等捩り振動に
伴う軸系としての不具合が生じ易い。
029号公報に記載された減速ギヤ機構のみを有するプ
ロペラ駆動装置は、漁労用トローリング機構を装備して
おり、減圧弁を利用してクラッチ摩擦板をスリップさせ
ることにより、負荷に応じて一定の低速トローリング運
転ができるようになっている。しかし、摩擦板をスリッ
プさせる領域ではプロペラ回転を設定しにくく、また、
固定減速比の減速ギヤ機構のみでは歯打音等捩り振動に
伴う軸系としての不具合が生じ易い。
【0004】一方、静油圧式トランスミッションのみを
有するプロペラ駆動装置では、通常は、油圧ポンプの斜
板を可変として、その傾斜角を変更することにより、ポ
ンプ吐出量及び吐出方向を変更し、結果としてモータ軸
の回転方向及び回転数を変更しているが、直結駆動に比
べて伝達効率が悪い。
有するプロペラ駆動装置では、通常は、油圧ポンプの斜
板を可変として、その傾斜角を変更することにより、ポ
ンプ吐出量及び吐出方向を変更し、結果としてモータ軸
の回転方向及び回転数を変更しているが、直結駆動に比
べて伝達効率が悪い。
【0005】これらに対し、前記特開平5−77785
号公報に記載されたプロペラ駆動装置は、前述のように
運転条件に合わせて、機械式動力伝達機構と静油圧トラ
ンスミッションとを切り換えて使用するようになってい
るので、上記問題点を解消することが可能である。
号公報に記載されたプロペラ駆動装置は、前述のように
運転条件に合わせて、機械式動力伝達機構と静油圧トラ
ンスミッションとを切り換えて使用するようになってい
るので、上記問題点を解消することが可能である。
【0006】しかしながら、機械式動力伝達機構と静油
圧式トランスミッションとの間の切換時において、各嵌
脱クラッチの切換タイミング及び両減速機構の回転数差
により、ショックが発生する。ちなみに、同公報にはそ
の操作手段及び制御方法については何等記載されていな
い。
圧式トランスミッションとの間の切換時において、各嵌
脱クラッチの切換タイミング及び両減速機構の回転数差
により、ショックが発生する。ちなみに、同公報にはそ
の操作手段及び制御方法については何等記載されていな
い。
【0007】
【発明の目的】本願発明の目的は、減速ギヤ機構と、静
油圧式トランスミッション(HST)を切換自在に組み
合わせることにより、漁労トローリング時あるいは通常
の高速航行時のような船舶の運転条件に応じて変速手段
を変更できるようにすることに加え、減速ギヤ機構によ
る直結駆動状態と静油圧式トランスミッションによるH
ST駆動状態との間の切換時におけるクラッチ嵌入ショ
ックを防止することである。
油圧式トランスミッション(HST)を切換自在に組み
合わせることにより、漁労トローリング時あるいは通常
の高速航行時のような船舶の運転条件に応じて変速手段
を変更できるようにすることに加え、減速ギヤ機構によ
る直結駆動状態と静油圧式トランスミッションによるH
ST駆動状態との間の切換時におけるクラッチ嵌入ショ
ックを防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
は、減速ギヤ機構及び静油圧式トランスミッション(H
ST)を有し、減速ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に
動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トランスミッシ
ョンを介してプロペラ軸に動力を伝達するHST駆動状
態とに切換自在な減速逆転機を備え、静油圧式トランス
ミッションの油圧モータの斜板を可変とし、HST駆動
状態と直結駆動状態との切換時において、上記油圧モー
タの斜板角を変更することにより、モータ軸の回転数に
対応するプロペラ回転数が、直結駆動状態時のプロペラ
回転数と同期するように、モータ軸回転を制御すること
を特徴とする船用プロペラ駆動装置の制御方法である。
は、減速ギヤ機構及び静油圧式トランスミッション(H
ST)を有し、減速ギヤ機構のみを介してプロペラ軸に
動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トランスミッシ
ョンを介してプロペラ軸に動力を伝達するHST駆動状
態とに切換自在な減速逆転機を備え、静油圧式トランス
ミッションの油圧モータの斜板を可変とし、HST駆動
状態と直結駆動状態との切換時において、上記油圧モー
タの斜板角を変更することにより、モータ軸の回転数に
対応するプロペラ回転数が、直結駆動状態時のプロペラ
回転数と同期するように、モータ軸回転を制御すること
を特徴とする船用プロペラ駆動装置の制御方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本願発明に係る船用プロペ
ラ駆動装置の油圧回路図であり、エンジン1の出力軸2
とプロペラ軸13間に減速逆転機15を配置している。
該減速逆転機15は、減速逆転機入力軸6と減速逆転機
出力軸7を内蔵すると共に、減速小ギヤ11とこれに噛
み合う減速大ギヤ12からなる固定減速比の減速ギア機
構を内蔵しており、かかる減速ギヤ機構に加え、静油圧
式トランスミッション(重複説明になるが Hydro stat
ic transmissionであり、以下「HST」という)9を
切換自在に組み付けてあり、減速逆転機入力軸6上の直
結用油圧嵌脱クラッチ10、HST用油圧嵌脱クラッチ
33,34の嵌脱により、上記減速ギヤ機構のみを介し
て動力が伝達される直結駆動状態と、HST9を介して
動力が伝達されるHST駆動状態とに切り換えることが
できるようになっている。
ラ駆動装置の油圧回路図であり、エンジン1の出力軸2
とプロペラ軸13間に減速逆転機15を配置している。
該減速逆転機15は、減速逆転機入力軸6と減速逆転機
出力軸7を内蔵すると共に、減速小ギヤ11とこれに噛
み合う減速大ギヤ12からなる固定減速比の減速ギア機
構を内蔵しており、かかる減速ギヤ機構に加え、静油圧
式トランスミッション(重複説明になるが Hydro stat
ic transmissionであり、以下「HST」という)9を
切換自在に組み付けてあり、減速逆転機入力軸6上の直
結用油圧嵌脱クラッチ10、HST用油圧嵌脱クラッチ
33,34の嵌脱により、上記減速ギヤ機構のみを介し
て動力が伝達される直結駆動状態と、HST9を介して
動力が伝達されるHST駆動状態とに切り換えることが
できるようになっている。
【0010】減速逆転機入力軸6は、エンジン出力軸2
のフライホイール3にゴムダンパー継手5を介して連結
しており、減速逆転機入力軸6には前記直結用油圧嵌脱
クラッチ10のアウターケース10aが一体に固着され
ると共にインナーハブ10bが回転可能に嵌合し、該イ
ンナーハブ10bに前記減速小ギヤ11が一体に形成さ
れ、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続することにより
減速逆転機入力軸6から減速小ギヤ11へと動力が伝達
されるようになっている。
のフライホイール3にゴムダンパー継手5を介して連結
しており、減速逆転機入力軸6には前記直結用油圧嵌脱
クラッチ10のアウターケース10aが一体に固着され
ると共にインナーハブ10bが回転可能に嵌合し、該イ
ンナーハブ10bに前記減速小ギヤ11が一体に形成さ
れ、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続することにより
減速逆転機入力軸6から減速小ギヤ11へと動力が伝達
されるようになっている。
【0011】HST9は、周知のようにアキシャルプラ
ンジャ型の入力側の油圧ポンプ20と、同様にアキシャ
ルプランジャ型の出力側の油圧モータ21とを、油圧閉
回路(油路24,25)によって流体的に接続したもの
であり、たとえばHSTレバー87(図2)の操作によ
って油圧ポンプ20の斜板角等を変更することにより、
油圧ポンプ20から吐出されるHST作動油の吐出方向
及び吐出量を変更し、前進(油圧モータ21の正転)、
後進(油圧モータ21の逆転)及び中立状態に切り換え
ると共に、変速比を変更してモータ回転数を変更できよ
うになっている。油圧閉回路の各油路24,25は、そ
れぞれチェック弁26,27を介してチャージング用分
岐油路28に接続しており、該分岐通路28から油圧閉
回路内へと作動油を補充する。
ンジャ型の入力側の油圧ポンプ20と、同様にアキシャ
ルプランジャ型の出力側の油圧モータ21とを、油圧閉
回路(油路24,25)によって流体的に接続したもの
であり、たとえばHSTレバー87(図2)の操作によ
って油圧ポンプ20の斜板角等を変更することにより、
油圧ポンプ20から吐出されるHST作動油の吐出方向
及び吐出量を変更し、前進(油圧モータ21の正転)、
後進(油圧モータ21の逆転)及び中立状態に切り換え
ると共に、変速比を変更してモータ回転数を変更できよ
うになっている。油圧閉回路の各油路24,25は、そ
れぞれチェック弁26,27を介してチャージング用分
岐油路28に接続しており、該分岐通路28から油圧閉
回路内へと作動油を補充する。
【0012】油圧ポンプ20のポンプ軸30は、HST
ポンプ用油圧嵌脱クラッチ33を介して減速逆転機入力
軸6に断続切換可能に連結している。油圧モータ21の
モータ軸31には、継手36を介してクラッチ軸37が
連結されており、該クラッチ軸37には、前記減速大ギ
ヤ12に常時噛み合う第2減速小ギヤ35が回転可能に
嵌合すると共に、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34
が配置されている。該HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ
34は、アウターケース34aがクラッチ軸37に一体
に固着され、インナーハブ34bが前記第2減速小ギヤ
35と一体に形成されてクラッチ軸37に回転可能に嵌
合しており、第2減速小ギヤ35とクラッチ軸37の間
を断続切換自在に連結する。
ポンプ用油圧嵌脱クラッチ33を介して減速逆転機入力
軸6に断続切換可能に連結している。油圧モータ21の
モータ軸31には、継手36を介してクラッチ軸37が
連結されており、該クラッチ軸37には、前記減速大ギ
ヤ12に常時噛み合う第2減速小ギヤ35が回転可能に
嵌合すると共に、HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ34
が配置されている。該HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ
34は、アウターケース34aがクラッチ軸37に一体
に固着され、インナーハブ34bが前記第2減速小ギヤ
35と一体に形成されてクラッチ軸37に回転可能に嵌
合しており、第2減速小ギヤ35とクラッチ軸37の間
を断続切換自在に連結する。
【0013】各油圧嵌脱クラッチ10,33,34は湿
式多板型の摩擦クラッチであり、各油圧嵌脱クラッチ1
0,33,34内の作動油室はクラッチ作動油路38,
39,40を介してそれぞれ電磁切換弁42,43,4
4の一方のポートに接続し、各電磁切換弁42,43,
44の作動部はコントローラ69に接続し、該コントロ
ーラ69には、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34を
嵌脱するための指示信号を入力するクラッチ用操作部
(コントロールレバー等)92が接続している。
式多板型の摩擦クラッチであり、各油圧嵌脱クラッチ1
0,33,34内の作動油室はクラッチ作動油路38,
39,40を介してそれぞれ電磁切換弁42,43,4
4の一方のポートに接続し、各電磁切換弁42,43,
44の作動部はコントローラ69に接続し、該コントロ
ーラ69には、各油圧嵌脱クラッチ10,33,34を
嵌脱するための指示信号を入力するクラッチ用操作部
(コントロールレバー等)92が接続している。
【0014】各電磁切換弁42,43,44の他方のポ
ートは、共通の作動油路45に集合すると共に、切換弁
46及び作動油路47を介して作動油ポンプ51の吐出
口に接続しており、該作動油ポンプ51の吸込み側油路
56は油こし器55を介して油溜(オイルタンク)52
に接続している。作動油ポンプ51のポンプ駆動軸57
には、ドリブンギヤ60が固着された伝動軸59が連結
しており、前記ドリブンギヤ60は直結用油圧嵌脱クラ
ッチ10のアウターケース10aに固着されたドライブ
ギヤ61に常時噛み合っており、エンジン運転中は、常
時作動油ポンプ51が作動するようになっている。
ートは、共通の作動油路45に集合すると共に、切換弁
46及び作動油路47を介して作動油ポンプ51の吐出
口に接続しており、該作動油ポンプ51の吸込み側油路
56は油こし器55を介して油溜(オイルタンク)52
に接続している。作動油ポンプ51のポンプ駆動軸57
には、ドリブンギヤ60が固着された伝動軸59が連結
しており、前記ドリブンギヤ60は直結用油圧嵌脱クラ
ッチ10のアウターケース10aに固着されたドライブ
ギヤ61に常時噛み合っており、エンジン運転中は、常
時作動油ポンプ51が作動するようになっている。
【0015】作動油ポンプ51は、前述のように各油圧
嵌脱クラッチ10,33,34に対してクラッチ作動油
を供給する本来の機能に加え、HST9のチャージング
ポンプとしての機能も兼用するように構成されており、
作動油ポンプ51の吐出側作動油路47の途中(分岐点
P)からチャージング油路54aが分岐し、ラインフィ
ルター62及びチャージング油路54bを介してHST
9のチャージング用分岐油路28に接続している。ま
た、HST9の油圧閉回路内の漏油はドレン油路71を
介して上記作動油ポンプ51の油溜52に戻るようにな
っている。すなわち、各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34の断続切換作動と、HST9への作動油のチャージ
ングとを、共通の油溜52、共通の作動油、一部共通の
油路47及び共通の作動油ポンプ51を利用して行うよ
うになっている。
嵌脱クラッチ10,33,34に対してクラッチ作動油
を供給する本来の機能に加え、HST9のチャージング
ポンプとしての機能も兼用するように構成されており、
作動油ポンプ51の吐出側作動油路47の途中(分岐点
P)からチャージング油路54aが分岐し、ラインフィ
ルター62及びチャージング油路54bを介してHST
9のチャージング用分岐油路28に接続している。ま
た、HST9の油圧閉回路内の漏油はドレン油路71を
介して上記作動油ポンプ51の油溜52に戻るようにな
っている。すなわち、各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34の断続切換作動と、HST9への作動油のチャージ
ングとを、共通の油溜52、共通の作動油、一部共通の
油路47及び共通の作動油ポンプ51を利用して行うよ
うになっている。
【0016】作動油路47の分岐点Pからは潤滑油路6
3も分岐しており、該潤滑油路63には、作動油調圧弁
65、潤滑油クーラ66及び潤滑油調圧弁(クラッチ
用)67が設けられ、各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34の潤滑個所へ上記共通の作動油を、潤滑油として供
給するようになっている。
3も分岐しており、該潤滑油路63には、作動油調圧弁
65、潤滑油クーラ66及び潤滑油調圧弁(クラッチ
用)67が設けられ、各油圧嵌脱クラッチ10,33,
34の潤滑個所へ上記共通の作動油を、潤滑油として供
給するようになっている。
【0017】図3は図2のIII-III断面図であり、減速
逆転機内の具体的な構造を示している。減速逆転機ケー
ス74は前後1対のケース部材74a,74bを結合し
てなり、減速逆転機ケース74内には、前記減速逆転機
入力軸6、減速逆転機出力軸7、減速小ギヤ11、減速
大ギヤ12及び直結用油圧嵌脱クラッチ10が内蔵され
ると共に、図4に示すようにHSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34、第2減速小ギヤ35及びクラッチ軸37も
内蔵されている。図3に戻り、減速逆転機出力軸7は前
後の軸受106,107を介して減速逆転機ケース74
に回転可能に支持されると共に後方へと突出し、継手1
03を介してプロペラ軸13に連結している。
逆転機内の具体的な構造を示している。減速逆転機ケー
ス74は前後1対のケース部材74a,74bを結合し
てなり、減速逆転機ケース74内には、前記減速逆転機
入力軸6、減速逆転機出力軸7、減速小ギヤ11、減速
大ギヤ12及び直結用油圧嵌脱クラッチ10が内蔵され
ると共に、図4に示すようにHSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34、第2減速小ギヤ35及びクラッチ軸37も
内蔵されている。図3に戻り、減速逆転機出力軸7は前
後の軸受106,107を介して減速逆転機ケース74
に回転可能に支持されると共に後方へと突出し、継手1
03を介してプロペラ軸13に連結している。
【0018】減速逆転機入力軸6はエンジン出力軸心O
1と同一軸心上に配置されると共に、前後の軸受10
9,110を介して減速逆転機ケース74に支持され、
減速逆転機ケース74から前後に突出している。後側ケ
ース部材74bの後面には、中間ハウジング83が着脱
自在に固定(外付け)され、該中間ハウジング83の後
面にHSTケース85a、85bが着脱自在に固定され
ている。
1と同一軸心上に配置されると共に、前後の軸受10
9,110を介して減速逆転機ケース74に支持され、
減速逆転機ケース74から前後に突出している。後側ケ
ース部材74bの後面には、中間ハウジング83が着脱
自在に固定(外付け)され、該中間ハウジング83の後
面にHSTケース85a、85bが着脱自在に固定され
ている。
【0019】中間ハウジング83内には、減速逆転機入
力軸6とポンプ軸30が同一軸心O1上で前後から突入
すると共に前記HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33が
収納されており、該HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ3
3により減速逆転機入力軸6とポンプ軸30を断続切換
自在に連結している。HSTポンプ用の油圧嵌脱クラッ
チ33のアウターケース33aは、図4のHSTモータ
用油圧嵌脱クラッチ34のアウターケース34aよりも
径及び軸方向長さが小さく、作動油のチャージ容積が小
さくなっている。これにより、図1のHSTポンプ用油
圧嵌脱クラッチ33は、HSTモータ用油圧嵌脱クラッ
チ34よりも小さく所作ができ、接続操作(嵌入操作)
を同時に行っても、常にチャージ容積の小さいHSTポ
ンプ用油圧嵌脱クラッチ33が先に接続するようになっ
ている。
力軸6とポンプ軸30が同一軸心O1上で前後から突入
すると共に前記HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ33が
収納されており、該HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ3
3により減速逆転機入力軸6とポンプ軸30を断続切換
自在に連結している。HSTポンプ用の油圧嵌脱クラッ
チ33のアウターケース33aは、図4のHSTモータ
用油圧嵌脱クラッチ34のアウターケース34aよりも
径及び軸方向長さが小さく、作動油のチャージ容積が小
さくなっている。これにより、図1のHSTポンプ用油
圧嵌脱クラッチ33は、HSTモータ用油圧嵌脱クラッ
チ34よりも小さく所作ができ、接続操作(嵌入操作)
を同時に行っても、常にチャージ容積の小さいHSTポ
ンプ用油圧嵌脱クラッチ33が先に接続するようになっ
ている。
【0020】図2のIV-IV断面を示す図4において、H
STモータ用油圧嵌脱クラッチ34のクラッチ軸37
は、前後の軸受90,91を介して減速逆転機ケース7
4に支持されると共に中間ハウジング83内に突入し、
HST油圧モータ21のモータ軸31は中間ハウジング
83に上記クラッチ軸心O2と同軸心で後方から突入
し、中間ハウジング83内で、前記スリーブ継手36を
介して連結している。油圧モータ21のモータ用斜板2
1aは斜板角が可変に構成されており、外部からの操作
で斜板角を変更することにより、油圧ポンプ20から吐
出される作動油量及び方向に関係なく、負荷の大きさに
関係なく、モータ回転数を設定できるようになってい
る。
STモータ用油圧嵌脱クラッチ34のクラッチ軸37
は、前後の軸受90,91を介して減速逆転機ケース7
4に支持されると共に中間ハウジング83内に突入し、
HST油圧モータ21のモータ軸31は中間ハウジング
83に上記クラッチ軸心O2と同軸心で後方から突入
し、中間ハウジング83内で、前記スリーブ継手36を
介して連結している。油圧モータ21のモータ用斜板2
1aは斜板角が可変に構成されており、外部からの操作
で斜板角を変更することにより、油圧ポンプ20から吐
出される作動油量及び方向に関係なく、負荷の大きさに
関係なく、モータ回転数を設定できるようになってい
る。
【0021】図6はモータ用斜板21aの斜板角を制御
する制御回路の一例を示しており、モータ用斜板21a
にはシリンダ等アクチュエータ98が連結し、該アクチ
ュエータ98は電磁切換弁97の切換により伸縮等の作
動をし、可変斜板21aの斜板角を変更するようになっ
ている。電磁切換弁97は前記コントローラ69に接続
している。該コントローラ69の入力側には、前記クラ
ッチ用操作部92に加え、機関回転数センサー93と、
モータ軸回転数センサー99と、同期用スイッチ95が
接続しており、クラッチ用操作部92からの各クラッチ
断続用指示信号と、機関回転数センサー93からの機関
回転数信号と、モータ軸回転数センサー99からのモー
タ軸回転数と、同期用スイッチ95からの同期用指示信
号が入力されるようになっている。コントローラ69
は、入力した機関回転数から該機関回転数に対応する直
結駆動状態時のプロペラ回転数を算出すると共に、入力
したモータ軸回転数から該モータ軸回転数に対応するプ
ロペラ回転数を算出できるようになっており、同期用ス
イッチ95をオンとした場合、モータ軸回転数に対応す
るプロペラ回転数と、機関回転数に対応する直結駆動状
態時のプロペラ回転数とを比較して、その差を無くすよ
うに電磁切換弁97に指示信号を送り、アクチュエータ
98を作動させ、斜板21aの角度を変更してモータ軸
31の回転数を変更するようになっている。すなわち、
同期用スイッチ95をオンとすることにより、モータ軸
31の回転数に対応するプロペラ回転数が、機関回転数
に対応する直結駆動状態時のプロペラ回転数と同じにな
るように、モータ軸31の回転数を制御するようになっ
ている。また、回転数が一致したことを報知するランプ
等報知機器96もコントローラ69に接続している。
する制御回路の一例を示しており、モータ用斜板21a
にはシリンダ等アクチュエータ98が連結し、該アクチ
ュエータ98は電磁切換弁97の切換により伸縮等の作
動をし、可変斜板21aの斜板角を変更するようになっ
ている。電磁切換弁97は前記コントローラ69に接続
している。該コントローラ69の入力側には、前記クラ
ッチ用操作部92に加え、機関回転数センサー93と、
モータ軸回転数センサー99と、同期用スイッチ95が
接続しており、クラッチ用操作部92からの各クラッチ
断続用指示信号と、機関回転数センサー93からの機関
回転数信号と、モータ軸回転数センサー99からのモー
タ軸回転数と、同期用スイッチ95からの同期用指示信
号が入力されるようになっている。コントローラ69
は、入力した機関回転数から該機関回転数に対応する直
結駆動状態時のプロペラ回転数を算出すると共に、入力
したモータ軸回転数から該モータ軸回転数に対応するプ
ロペラ回転数を算出できるようになっており、同期用ス
イッチ95をオンとした場合、モータ軸回転数に対応す
るプロペラ回転数と、機関回転数に対応する直結駆動状
態時のプロペラ回転数とを比較して、その差を無くすよ
うに電磁切換弁97に指示信号を送り、アクチュエータ
98を作動させ、斜板21aの角度を変更してモータ軸
31の回転数を変更するようになっている。すなわち、
同期用スイッチ95をオンとすることにより、モータ軸
31の回転数に対応するプロペラ回転数が、機関回転数
に対応する直結駆動状態時のプロペラ回転数と同じにな
るように、モータ軸31の回転数を制御するようになっ
ている。また、回転数が一致したことを報知するランプ
等報知機器96もコントローラ69に接続している。
【0022】図2は減速逆転機の後面図であり、HST
ケース85a,85bの上端には、前述のようにHST
9内のポンプ吐出油路を切り換えることにより、モータ
軸回転を正転(前進)、逆転(後進)及び中立状態の間
で切り換えるHSTレバー(サーボレバー)87が設け
られている。前記HST用チャージング油路54a,5
4bとしては外部配管されたゴムホースを使用してお
り、また、ドレン油路71としても外部配管されたゴム
ホースを使用している。
ケース85a,85bの上端には、前述のようにHST
9内のポンプ吐出油路を切り換えることにより、モータ
軸回転を正転(前進)、逆転(後進)及び中立状態の間
で切り換えるHSTレバー(サーボレバー)87が設け
られている。前記HST用チャージング油路54a,5
4bとしては外部配管されたゴムホースを使用してお
り、また、ドレン油路71としても外部配管されたゴム
ホースを使用している。
【0023】
【作用】[低速域での前進]低速域で前進する場合に
は、図1に示すように減速逆転機入力軸6からHST9
を経由したHST駆動状態とし、たとえばトローリング
等を行う。具体的には、HST用の両電磁切換弁43,
44をオンとし、直結用電磁切換弁42をオフとするこ
とにより、HSTポンプ用及びモータ用の両油圧嵌脱ク
ラッチ33,34を接続し、直結用嵌脱クラッチ10を
切る。エンジン出力軸2の動力は、フライホイール3、
継手5、減速逆転機入力軸6、HSTポンプ用油圧嵌脱
クラッチ33及びポンプ軸30を介してHST9に伝達
され、HST9内で所望の設定変速比に減速され、モー
タ軸31、クラッチ軸37、HSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34、第2減速小ギヤ35、減速大ギヤ12及び
減速逆転機出力軸7を介してプロペラ軸13へと伝達さ
れ、プロペラ14を前進回転方向に回転する。HST用
の作動油は、作動油ポンプ51から、チャージング油路
54a、フィルター62及びチャージング油路54bを
介して補給され、また、油圧閉回路から漏れる作動油は
ドレン油路71から油溜52へと戻される。
は、図1に示すように減速逆転機入力軸6からHST9
を経由したHST駆動状態とし、たとえばトローリング
等を行う。具体的には、HST用の両電磁切換弁43,
44をオンとし、直結用電磁切換弁42をオフとするこ
とにより、HSTポンプ用及びモータ用の両油圧嵌脱ク
ラッチ33,34を接続し、直結用嵌脱クラッチ10を
切る。エンジン出力軸2の動力は、フライホイール3、
継手5、減速逆転機入力軸6、HSTポンプ用油圧嵌脱
クラッチ33及びポンプ軸30を介してHST9に伝達
され、HST9内で所望の設定変速比に減速され、モー
タ軸31、クラッチ軸37、HSTモータ用油圧嵌脱ク
ラッチ34、第2減速小ギヤ35、減速大ギヤ12及び
減速逆転機出力軸7を介してプロペラ軸13へと伝達さ
れ、プロペラ14を前進回転方向に回転する。HST用
の作動油は、作動油ポンプ51から、チャージング油路
54a、フィルター62及びチャージング油路54bを
介して補給され、また、油圧閉回路から漏れる作動油は
ドレン油路71から油溜52へと戻される。
【0024】[高速域での前進]高速域で前進する場合
には、図7に示すように減速ギヤ11、12のみを介し
て減速逆転機入力軸6と減速逆転機出力軸7とを連結す
る直結駆動状態とする。具体的には、HST用の両電磁
切換弁43,44をオフとし、直結用電磁切換弁42を
オンとすることにより、HST用の両油圧嵌脱クラッチ
33,34を切り、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続
する。これにより、エンジン出力軸2からの動力は、フ
ライホイール3、継手5、減速逆転機入力軸6、減速小
ギヤ11、減速大ギヤ12及び減速逆転機出力軸7を介
してプロペラ軸13へと伝達され、プロペラ14を前進
回転方向に回転する。上記減速小ギヤ11と減速大ギヤ
12の間で、固定減速比により減速される。
には、図7に示すように減速ギヤ11、12のみを介し
て減速逆転機入力軸6と減速逆転機出力軸7とを連結す
る直結駆動状態とする。具体的には、HST用の両電磁
切換弁43,44をオフとし、直結用電磁切換弁42を
オンとすることにより、HST用の両油圧嵌脱クラッチ
33,34を切り、直結用油圧嵌脱クラッチ10を接続
する。これにより、エンジン出力軸2からの動力は、フ
ライホイール3、継手5、減速逆転機入力軸6、減速小
ギヤ11、減速大ギヤ12及び減速逆転機出力軸7を介
してプロペラ軸13へと伝達され、プロペラ14を前進
回転方向に回転する。上記減速小ギヤ11と減速大ギヤ
12の間で、固定減速比により減速される。
【0025】[HST駆動状態から直結駆動状態への切
換時]図1のHST駆動状態では、前述のように、プロ
ペラ軸13はHST9によりモータ軸31を介して駆動
している。すなわち、実際のプロペラ回転数は、モータ
軸31の回転数に対応する回転数となっている。図6の
同期用スイッチ95をオンとすると、コントローラ69
では、検出された機関回転数に対応する直結駆動状態時
のプロペラ回転数を算出し、このプロペラ回転数と、モ
ータ軸回転数センサー99から入力されたモータ軸回転
数に対応するプロペラ回転数(すなわち実際のプロペラ
回転数)とを比較し、その差を無くすように指示信号を
電磁切換弁97に送り、アクチュエータ98を作動させ
てモータ斜板21aの斜板角を変更し、モータ軸31の
回転数を変更する。これにより実際のプロペラ回転数が
変化し、直結駆動状態時のプロペラ回転数に一致する
と、コントローラ69からたとえば報知機器96に報知
指示が出され、点灯等で報知される。このように実際の
プロペラ回転数が直結駆動状態時のプロペラ回転数に一
致した時点で、クラッチ用操作部92を操作し、各HS
T用油圧嵌脱クラッチ33,34及び直結用油圧嵌脱ク
ラッチ10を切り換え、直結駆動状態に切り換える。し
たがって、嵌入ショックが生じることなく、HST駆動
状態から直結駆動状態に切り換えられる。
換時]図1のHST駆動状態では、前述のように、プロ
ペラ軸13はHST9によりモータ軸31を介して駆動
している。すなわち、実際のプロペラ回転数は、モータ
軸31の回転数に対応する回転数となっている。図6の
同期用スイッチ95をオンとすると、コントローラ69
では、検出された機関回転数に対応する直結駆動状態時
のプロペラ回転数を算出し、このプロペラ回転数と、モ
ータ軸回転数センサー99から入力されたモータ軸回転
数に対応するプロペラ回転数(すなわち実際のプロペラ
回転数)とを比較し、その差を無くすように指示信号を
電磁切換弁97に送り、アクチュエータ98を作動させ
てモータ斜板21aの斜板角を変更し、モータ軸31の
回転数を変更する。これにより実際のプロペラ回転数が
変化し、直結駆動状態時のプロペラ回転数に一致する
と、コントローラ69からたとえば報知機器96に報知
指示が出され、点灯等で報知される。このように実際の
プロペラ回転数が直結駆動状態時のプロペラ回転数に一
致した時点で、クラッチ用操作部92を操作し、各HS
T用油圧嵌脱クラッチ33,34及び直結用油圧嵌脱ク
ラッチ10を切り換え、直結駆動状態に切り換える。し
たがって、嵌入ショックが生じることなく、HST駆動
状態から直結駆動状態に切り換えられる。
【0026】[直結駆動状態からHST駆動状態への切
換時]図7の直結駆動状態では、前述のようにプロペラ
軸13は減速ギヤ機構を介して回転している。モータ軸
31は空転あるいは停止している。図6の同期用スイッ
チ95をオンとすると共に、直結用油圧嵌脱クラッチ1
0を接続したままでたとえばHSTポンプ用油圧嵌脱ク
ラッチ33を接続する。コントローラ69では、検出さ
れた機関回転数に対応する直結駆動状態時のプロペラ回
転数(すなわち、実際のプロペラ回転数)と、モータ軸
回転数センサー99から入力されたモータ軸回転数に対
応するプロペラ回転数(算出された回転数)とを比較
し、その差を無くすように指示信号を電磁切換弁97に
送り、アクチュエータ98を作動させてモータ斜板21
aの斜板角を変更し、モータ軸31の回転数を変更す
る。これによりモータ軸回転数が変化し、モータ軸回転
数に対応するプロペラ回転数が直結駆動状態時のプロペ
ラ回転数(実際のプロペラ回転数)に一致すると、コン
トローラ69からたとえば報知機器96に報知指示が出
され、点灯等で報知される。このようにモータ軸回転数
に対応するプロペラ回転数が、実際のプロペラ回転数に
一致した時点で、クラッチ用操作部92を操作し、HS
Tモータ用油圧嵌脱クラッチ34を接続すると共に、直
結用油圧嵌脱クラッチ10を切り、HST駆動状態に切
り換える。
換時]図7の直結駆動状態では、前述のようにプロペラ
軸13は減速ギヤ機構を介して回転している。モータ軸
31は空転あるいは停止している。図6の同期用スイッ
チ95をオンとすると共に、直結用油圧嵌脱クラッチ1
0を接続したままでたとえばHSTポンプ用油圧嵌脱ク
ラッチ33を接続する。コントローラ69では、検出さ
れた機関回転数に対応する直結駆動状態時のプロペラ回
転数(すなわち、実際のプロペラ回転数)と、モータ軸
回転数センサー99から入力されたモータ軸回転数に対
応するプロペラ回転数(算出された回転数)とを比較
し、その差を無くすように指示信号を電磁切換弁97に
送り、アクチュエータ98を作動させてモータ斜板21
aの斜板角を変更し、モータ軸31の回転数を変更す
る。これによりモータ軸回転数が変化し、モータ軸回転
数に対応するプロペラ回転数が直結駆動状態時のプロペ
ラ回転数(実際のプロペラ回転数)に一致すると、コン
トローラ69からたとえば報知機器96に報知指示が出
され、点灯等で報知される。このようにモータ軸回転数
に対応するプロペラ回転数が、実際のプロペラ回転数に
一致した時点で、クラッチ用操作部92を操作し、HS
Tモータ用油圧嵌脱クラッチ34を接続すると共に、直
結用油圧嵌脱クラッチ10を切り、HST駆動状態に切
り換える。
【0027】なお、前記クラッチ切換操作において、H
STポンプ用油圧嵌脱クラッチ33はHSTモータ用油
圧嵌脱クラッチ34よりもチャージ容積が小さくなって
いるので、嵌入所作が速く、常にHSTポンプ用油圧嵌
脱クラッチ33の方が先に接続する。これにより、HS
T9の油圧ポンプ20と油圧モータ21との役割逆転現
象を防止することができる。
STポンプ用油圧嵌脱クラッチ33はHSTモータ用油
圧嵌脱クラッチ34よりもチャージ容積が小さくなって
いるので、嵌入所作が速く、常にHSTポンプ用油圧嵌
脱クラッチ33の方が先に接続する。これにより、HS
T9の油圧ポンプ20と油圧モータ21との役割逆転現
象を防止することができる。
【0028】
【その他の実施の形態】(1)図6に示す制御機器は、
一例であり、本願発明は該制御機器に限定されるもので
はない。たとえば、図6では、機関回転数センサー93
と、モータ軸回転数センサー99とを備えているが、仮
想線で示すようにプロペラ軸回転数センサー94を追加
することもできる。この場合は、HST駆動状態から直
結駆動状態に切り換える時には、プロペラ軸回転数セン
サー94で検出した実際のプロペラ回転数と、モータ軸
回転数センサー99で検知したモータ軸回転数に対応す
るプロペラ回転数とを比較し、この差を無くすようにモ
ータ斜板角を制御する。一方、直結駆動状態からHST
駆動状態に切り換える時には、プロペラ軸回転数センサ
ー94で検出した実際のプロペラ回転数と、機関回転数
センサー93で検出した機関回転数に対応する直結駆動
状態時のプロペラ回転数とを比較し、この差を無くすよ
うにモータ斜板角を制御する。
一例であり、本願発明は該制御機器に限定されるもので
はない。たとえば、図6では、機関回転数センサー93
と、モータ軸回転数センサー99とを備えているが、仮
想線で示すようにプロペラ軸回転数センサー94を追加
することもできる。この場合は、HST駆動状態から直
結駆動状態に切り換える時には、プロペラ軸回転数セン
サー94で検出した実際のプロペラ回転数と、モータ軸
回転数センサー99で検知したモータ軸回転数に対応す
るプロペラ回転数とを比較し、この差を無くすようにモ
ータ斜板角を制御する。一方、直結駆動状態からHST
駆動状態に切り換える時には、プロペラ軸回転数センサ
ー94で検出した実際のプロペラ回転数と、機関回転数
センサー93で検出した機関回転数に対応する直結駆動
状態時のプロペラ回転数とを比較し、この差を無くすよ
うにモータ斜板角を制御する。
【0029】(2)図6に示す同期用スイッチ95にク
ラッチ用操作部92を連動させることもできる。たとえ
ばHST駆動状態から直結駆動状態に切り換える時、ま
ず、同期用スイッチ95をオンとすることにより、前述
のように油圧モータ21の回転数を変更して、実際のプ
ロペラ回転数を直結駆動状態時と同じプロペラ回転数と
し、回転数が一致した後、クラッチ用操作部92が自動
的に作動して、直結駆動状態となるように各油圧嵌脱ク
ラッチ10,33,34を切り換えるようにすることも
できる。
ラッチ用操作部92を連動させることもできる。たとえ
ばHST駆動状態から直結駆動状態に切り換える時、ま
ず、同期用スイッチ95をオンとすることにより、前述
のように油圧モータ21の回転数を変更して、実際のプ
ロペラ回転数を直結駆動状態時と同じプロペラ回転数と
し、回転数が一致した後、クラッチ用操作部92が自動
的に作動して、直結駆動状態となるように各油圧嵌脱ク
ラッチ10,33,34を切り換えるようにすることも
できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本願発明によると、
減速ギヤ機構と、HSTを切換自在に組み合わせること
により、トローリング等の漁労航行あるいは通常の高速
航行のような船舶の航行条件に応じて変速手段を変更で
きるのに加え、両駆動状態間の切換時、モータ斜板角を
変更してモータ軸回転数を変更することにより、負荷に
関係なく、上記モータ軸回転数に対応するプロペラ回転
数が、直結駆動状態時でのプロペラ回転数と一致するよ
うに制御するので、切換時のクラッチ嵌入ショックを防
止することができ、切換が円滑に行なえる。
減速ギヤ機構と、HSTを切換自在に組み合わせること
により、トローリング等の漁労航行あるいは通常の高速
航行のような船舶の航行条件に応じて変速手段を変更で
きるのに加え、両駆動状態間の切換時、モータ斜板角を
変更してモータ軸回転数を変更することにより、負荷に
関係なく、上記モータ軸回転数に対応するプロペラ回転
数が、直結駆動状態時でのプロペラ回転数と一致するよ
うに制御するので、切換時のクラッチ嵌入ショックを防
止することができ、切換が円滑に行なえる。
【図1】 本願発明を適用した船用プロペラ駆動装置の
油圧回路図であって、HST駆動状態を示している。
油圧回路図であって、HST駆動状態を示している。
【図2】 図1の船用プロペラ駆動装置の減速逆転機の
後面図である。
後面図である。
【図3】 図2のIII-III断面図である。
【図4】 図2のIV-IV断面図である。
【図5】 図2のV-V断面図である。
【図6】 油圧モータ用可変斜板の制御機器を示す制御
回路図である。
回路図である。
【図7】 直結駆動状態を示す図1と同様の油圧回路図
である。
である。
9 静油圧式トランスミッション(HST) 10 直結用油圧嵌脱クラッチ 11 減速小ギヤ 12 減速大ギヤ 13 プロペラ軸 15 減速逆転機 20 HST用油圧ポンプ 20a ポンプ用斜板 21 HST用油圧モータ 21a モータ用斜板(可変斜板) 31 モータ軸 33 HSTポンプ用油圧嵌脱クラッチ 34 HSTモータ用油圧嵌脱クラッチ 93 機関回転数センサー 94 プロペラ軸回転数センサー 99 モータ軸回転数センサー
Claims (1)
- 【請求項1】 減速ギヤ機構及び静油圧式トランスミッ
ション(HST)を有し、減速ギヤ機構のみを介してプ
ロペラ軸に動力を伝達する直結駆動状態と静油圧式トラ
ンスミッションを介してプロペラ軸に動力を伝達するH
ST駆動状態とに切換自在な減速逆転機を備え、 静油圧式トランスミッションの油圧モータの斜板を可変
とし、 HST駆動状態と直結駆動状態との切換時において、上
記油圧モータの斜板角を変更することにより、モータ軸
の回転数に対応するプロペラ回転数が、直結駆動状態時
のプロペラ回転数と同期するように、モータ軸回転を制
御することを特徴とする船用プロペラ駆動装置の制御方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189049A JP2001012578A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 船用プロペラ駆動装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189049A JP2001012578A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 船用プロペラ駆動装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001012578A true JP2001012578A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16234445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11189049A Pending JP2001012578A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 船用プロペラ駆動装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001012578A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015199373A (ja) * | 2014-04-04 | 2015-11-12 | ヤンマー株式会社 | マリンギヤ装置及びこれを備えた船舶 |
-
1999
- 1999-07-02 JP JP11189049A patent/JP2001012578A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015199373A (ja) * | 2014-04-04 | 2015-11-12 | ヤンマー株式会社 | マリンギヤ装置及びこれを備えた船舶 |
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