JP2009275854A - 可変容量型ポンプモータ式変速機 - Google Patents

可変容量型ポンプモータ式変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】圧油の形でエネルギ回生する際の効率を向上させることのできる変速機を提供する。
【解決手段】動力源1と出力軸18とを直結する直結伝動経路28,29と、その直結伝動経路に介装され、動力源から出力軸に向けた動力の伝達が可能でかつ前記出力軸から前記動力源に向けた動力の伝達が不可能な一方向クラッチ29と、前記出力軸を流体圧ポンプ14にトルク伝達可能に選択的に直結させる伝動機構24と、その伝動機構を介して出力軸から伝達されるトルクによって流体圧ポンプが駆動されている際に、その流体圧ポンプから吐出される圧力流体を蓄える蓄圧器41とを備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関などの動力源が出力した動力を変速用伝動機構を介して機械的に出力部材に伝達する一方、その動力の一部を流体圧を介して出力部材に伝達することにより、変速を行うように構成された変速機に関し、特に流体圧の形でエネルギを回生して蓄えるように構成された変速機に関するものである。
この発明で対象とする変速機もしくは前提とする変速機は、歯車変速機構などの変速用伝動機構を介して動力源から出力部材に動力を伝達する一方、動力源が出力した動力の一部を圧油などの圧力流体を介して前記変速用伝動機構に伝達し、これらの変速用伝動機構で合成した動力を出力するように構成された変速機である。この種の変速機の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された変速機は、二組の差動機構における入力要素のそれぞれにエンジンを連結する一方、各差動機構における反力要素に可変容量型のポンプモータを連結し、さらに各差動機構における出力要素と出力部材との間に、同期連結機構(シンクロナイザー)を介して選択的にトルク伝達可能とされる複数の変速段用ギヤ対を設けて構成されている。さらに、それらのポンプモータは、いわゆる正回転状態で圧油を吐出する吐出口同士、および圧油を吸入する吸入口同士を連通させる閉油圧回路によって接続されている。
したがって、特許文献1に記載されている変速機では、それぞれのポンプモータの押出容積を所定の容積に設定するとともに、隣接する変速段を設定するための変速段用ギヤ対を、出力部材に対してトルクを伝達可能な状態とすることにより、一方のポンプモータがポンプとして機能して油圧を発生し、それに伴う反力が一方の差動機構における反力要素に作用する。その差動機構では、入力要素に動力源からのトルクが作用し、反力要素にはポンプモータによる反力トルクが作用しているので、これらのトルクを合成したトルクが出力要素から所定の変速段用ギヤ対に出力され、そのギヤ比に応じて増幅もしくは低下させられたトルクが出力部材に伝達される。
これに対して、他方のポンプモータは閉油圧回路を介して圧油が供給されることによりモータとして機能し、そのトルクが他方の差動機構における反力要素に伝達される。当該他方の差動機構では、入力要素に動力源からのトルクが入力されているので、そのトルクと反力要素に伝達されたトルクとが合成されて出力要素から所定の変速段用ギヤ対に出力され、そのギヤ比に応じて増幅もしくは低下させられたトルクが出力部材に伝達される。すなわち、出力部材には二組の変速用ギヤ対を介して伝達されたトルクを合成したトルクが現れる。そして、そのトルクは、油圧を介して伝達されるトルクの割合すなわちポンプモータの押出容積に応じて変化し、したがって変速比を連続的に変化させることができる。
さらに、特許文献1に記載された変速機で、いずれか一方のポンプモータの押出容積をゼロにすれば、閉油圧回路での圧油の流動が阻止されるので、他方のポンプモータがロックされる。その結果、そのポンプモータが連結されている差動機構の反力要素が固定されるので、動力源が出力した動力は、その差動機構および所定の変速段用ギヤ対を介して出力部材に伝達され、その変速用ギヤ対のギヤ比に応じた変速比(変速段)が設定される。したがってこの場合、油圧を介した動力の伝達が生じないので、動力伝達効率が相対的に良好になる。
また従来、遊星歯車機構からなるいわゆるメカニカルトランスミッション(MT)と、油圧ポンプおよび油圧モータを主体とするいわゆるハイドロスタティックトランスミッション(HST)とを、エンジンとプロペラシャフトとの間に並列に設けたハイドロ・メカニカル・トランスミッション(HMT)が特許文献2に記載されている。その特許文献2に記載された変速機は、減速時に油圧ポンプおよび油圧モータの両方をポンプとして機能させ、その結果発生した油圧を蓄圧器に蓄えることにより、エネルギ回生を行うように構成されている。
特開2007−327531号公報 特開平11−311328号公報
上述した特許文献1に記載されている変速機においても、減速時にいずれか少なくとも一方のポンプモータが出力部材との間でトルクを伝達できる状態になっているので、そのポンプモータが車両の有する慣性エネルギで駆動され、油圧を発生する。しかしながら、特許文献1に記載され変速機は、減速時にエンジンを強制的に回転させて制動力を得るようになっており、ポンプモータが慣性エネルギで駆動されて発生した油圧を蓄えることができないので、燃費を向上させる点で改善の余地があった。
また、特許文献2に記載された変速装置では、減速時に油圧ポンプおよび油圧モータの両方を、車両の慣性エネルギによって駆動して油圧を発生させ、これを蓄圧器に蓄えることができるので、エネルギ回生が可能である。しかしながら、減速時であってもエンジンが各変速機構に連結されているので、回生可能なエネルギの一部がエンジンを強制的に回転させることに消費されてしまい、回生効率が必ずしも十分に高くない可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、圧力流体の形でエネルギ回生を行うにあたり、回生効率を向上させることができ、また駆動トルクの急激な変化などによるショックを生じさせることなく回生制御を行うことのできる可変容量型ポンプモータ式変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源が出力した動力を動力分割機構によって変速用伝動機構と可変容量型の流体圧ポンプとに分割して伝達し、その流体圧ポンプで発生した圧力流体によって可変容量型の流体圧モータを駆動し、その流体圧モータが出力する動力を前記変速用伝動機構に伝達することにより動力源から伝達された動力と前記流体圧モータから伝達された動力とを合成して出力部材から出力する可変容量型ポンプモータ式変速機において、前記動力源と前記出力部材とを選択的に直結する直結伝動経路と、その直結伝動経路に介装され、前記動力源から前記出力部材に向けた動力の伝達が可能でかつ前記出力部材から前記動力源に向けた動力の伝達が不可能な一方向クラッチと、前記出力部材を前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータとのいずれかにトルク伝達可能に選択的に直結させる伝動機構と、その伝動機構を介して前記出力部材から伝達されるトルクによって前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている際に、その流体圧ポンプもしくは流体圧モータから吐出される圧力流体を蓄える蓄圧器とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータを駆動して前記蓄圧器に蓄圧を開始する際に、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータの押出容積を予め定めた所定値以下に設定し、その後、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている状態でその押出容積を次第に増大させる押出容積制御手段を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータから前記蓄圧器に前記圧力流体を流通させる流路に接続され、かつ排出圧力の可変な排圧弁と、前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータを駆動して前記蓄圧器に蓄圧を開始する際に、前記排圧弁の排出圧力を予め定めた所定値以下に設定し、その後、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている状態で前記排圧弁の排出圧力を次第に増大させる圧力制御手段とを更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記一方向クラッチが解放状態で、かつ前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されて蓄圧を行っている状態から前記一方向クラッチが係合して前記動力源から前記出力部材に動力が伝達される状態に切り替わる際に、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータの押出容積を低下させる出力圧低下手段を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機である。
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記一方向クラッチが解放状態で、かつ前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されて蓄圧を行っている状態から前記一方向クラッチが係合して前記動力源から前記出力部材に動力が伝達される状態に切り替わる際に、前記排圧弁の排出圧力を低下させる圧力低下手段を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記蓄圧器と該蓄圧器に蓄える圧力流体を発生する前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータとの間に設けられ、かつ前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータから前記蓄圧器に向けた前記圧力流体が流れる場合に開く逆止弁を更に備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機である。
請求項1の発明によれば、動力源と出力部材とが直結伝動経路を介して連結され、かつその直結伝動経路に一方向クラッチが介装されているので、動力源から出力部材に動力を伝達して出力部材を駆動している状態で、動力源が出力する動力を低下させると、出力部材が慣性エネルギで回転し続けてその回転数が維持されるのに対して、動力源の回転数が低下するので、一方向クラッチが解放状態となる。すなわち、動力源が出力部材から遮断される。その状態で、出力部材から流体圧ポンプもしくは流体圧モータに動力が伝達されてこれが駆動されるので、圧力流体が流体圧モータと流体圧モータとのいずれかから吐出され、その圧力流体が蓄圧器に蓄えられる。こうしてエネルギ回生が実行され、その場合、動力源が出力部材に対して遮断されているので、出力部材から入力される動力が、動力源を回転させることに消費されることがなく、したがってエネルギ回生を効率良く行うことができる。また、エネルギ回生あるいは蓄圧を行っている状態から動力源の出力を増大させれば、その回転数の増大に伴って一方向クラッチが係合するので、回生状態から駆動状態への切替を容易に行うことができる。
請求項2の発明によれば、蓄圧によるエネルギ回生は、流体圧ポンプもしくは流体圧モータを出力部材から伝達する動力で駆動することにより行う。その蓄圧を開始する際に、その流体圧ポンプもしくは流体圧モータの押出容積が小さくなっているので、蓄圧の開始に伴って、出力部材にその回転を止める方向に作用するトルクが急激に増大することを回避もしくは抑制でき、その結果、出力部材のトルクが急激に変化したり、それに伴ってショックが悪化するなどの事態を回避もしくは抑制することができる。
請求項3の発明によれば、エネルギ回生のために駆動される流体圧ポンプもしくは流体圧モータが吐出する流体圧を排圧弁によって制御できる。そして、蓄圧によりエネルギ回生を行う場合に、その排圧弁による排出圧力を低下させるので、蓄圧の開始に伴って、出力部材にその回転を止める方向に作用するトルクが急激に増大することを回避もしくは抑制でき、その結果、出力部材のトルクが急激に変化したり、それに伴ってショックが悪化するなどの事態を回避もしくは抑制することができる。
請求項4の発明によれば、いわゆるエネルギ回生を行っている状態から動力源の動力で出力部材を駆動する状態に切り替わる場合、出力部材に直結されている前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが、その押出容積を低下させられていわゆる空転もしくはこれに近い状態になる。そのため、動力源から出力部材に伝達されるトルクを低下させる負のトルクが小さくなり、その結果、いわゆる駆動状態に切り替わる際のショックを防止もしくは低下でき、それに伴いエネルギ回生状態と駆動状態との切替の制御が容易になる。
請求項5の発明によれば、いわゆるエネルギ回生を行っている状態から動力源の動力で出力部材を駆動する状態に切り替わる場合、出力部材に直結されている前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータの吐出圧を低下させるので、その流体圧ポンプもしくは流体圧モータがいわゆる空転もしくはこれに近い状態になる。そのため、動力源から出力部材に伝達されるトルクを低下させる負のトルクが小さくなり、その結果、いわゆる駆動状態に切り替わる際のショックを防止もしくは低下できる。したがって、エネルギ回生状態と駆動状態との切替の制御が容易になる。特に、請求項5の発明によれば、排圧弁の制御は容易かつ迅速に行うことができるので、いわゆる駆動状態への切替を迅速化することができる。
請求項6の発明によれば、エネルギ回生のために前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータから吐出される圧力に応じて、逆止弁が開閉するので、いわゆる駆動状態に切り替わることによって吐出圧が低下しても、特に制御を行うことなく蓄圧器での蓄圧状態を維持することができる。
つぎに、この発明をより具体的に説明すると、この発明で対象とする変速機は、動力伝達経路として少なくとも二つの経路を備えており、それら両方の動力伝達経路を介して伝達される動力を合成して出力部材に伝達できるように構成されている。したがって、この発明で対象とする変速機は、動力源と出力部材との回転数の比である変速比を連続的に変化させることのできる変速機である。より具体的には、各動力伝達経路にはポンプおよびモータの機能を有する可変容量型ポンプモータが設けられており、それらの可変容量型ポンプモータの押出容積に応じたトルクを伝達するように構成され、さらにそれぞれの可変容量型ポンプモータが圧力流体を相互に授受できるように連通されている。
したがって、一方の可変容量型ポンプモータがポンプとして機能することにより、その押出容積に応じたトルクが動力源から出力部材に伝達される。これと同時に、一方の可変容量型ポンプモータから他方の可変容量型ポンプモータに圧力流体が供給されて他方の可変容量型ポンプモータがモータとして機能する。すなわち、圧力流体を介した動力伝達が、並行して生じる。そのトルクが他方の動力伝達経路を介して出力部材に伝達される。その結果、出力部材に伝達されるトルクは、各動力伝達経路を介して伝達されるトルクを合算したトルクとなり、しかも圧力流体を介して伝達されるトルクは、各押出容積に応じて変化するので、結局は、変速比が連続的に変化することになる。そして、駆動時および減速時のいずれにおいても、いずれかの可変容量型ポンプモータがポンプとして機能するように駆動されることにより圧力流体が生じるので、その圧力流体を選択的に蓄える蓄圧器が備えられている。
上記の各動力伝達経路は、それぞれ変速比(もしくは回転数比)の異なるギヤ対や巻き掛け伝動機構などの変速用伝動機構を備えることができる。したがって、一方の動力伝達経路のみを介して出力部材にトルクを伝達する場合には、変速機の全体としての変速比は、その動力伝達経路における変速用伝動機構の変速比で決まる。このようにして決められる変速比を仮に固定変速比と称すると、固定変速比を設定している状態では、圧力流体を介した動力の伝達が生じないので、動力の損失が生じにくく、効率のよい伝動状態となる。なお、いずれかの変速用伝動機構のみをトルク伝達に関与させるようにするために、クラッチ機構などの切換機構を各変速用伝動機構に含ませることが好ましい。あるいは動力源もしくは出力部材と変速用伝動機構との間に切換機構を設けることが好ましい。
この発明に係る変速機は、圧力流体を介して動力を伝達するように構成されているので、上述したように機械的な動力伝達によって変速比を設定する機能を兼ね備えたハイドロ・メカニカル・トランスミッション(HMT)として構成されたものである。そのメカニカルトランスミッションの部分は、必要に応じて適宜の構成とすることができ、例えば常時噛み合っているギヤ対をクラッチ機構もしくは同期連結機構などの切換機構によって選択する構成の機構や、複数の遊星歯車機構もしくは複合遊星歯車機構によって複数の変速比を設定できる構成などを採用することができる。また、可変容量型ポンプモータは、動力源と出力部材との間に直列に介在させる構成以外に、反力手段として可変容量型ポンプモータを用いる構成としてもよい。
つぎに、動力分配機構として差動機構を使用し、かつ変速用伝動機構として複数のギヤ対を使用し、そして可変容量型ポンプモータが反力機構となっている具体例に基づいてこの発明を説明する。図1に示す変速機の例は、車両用の変速機として構成した例であり、流体によるトルク伝達を伴わずに動力を伝達して設定できるいわゆる固定変速比として機械的直結段を含む五つの前進段および一つの後進段を設定するように構成した例である。すなわち、動力源(E/G)1に入力部材2が連結されており、この入力部材2からこの発明における動力分割機構に相当する第1遊星歯車機構3および第2遊星歯車機構4にトルクを伝達するように構成されている。
その動力源1は、ガソリンエンジンなどの内燃機関や電気モータあるいはこれら内燃機関および電気モータを組み合わせた構成など、車両に使用されている一般的な動力源であってよい。また、この動力源1と入力部材2との間にダンパーやクラッチ、トルクコンバータなどの適宜の伝動手段を介在させることができる。
第1遊星歯車機構3が入力部材2と同一の軸線上に配置され、また第2遊星歯車機構4は第1遊星歯車機構3の半径方向で外側に離隔して配置され、それぞれの遊星歯車機構3,4はその中心軸線を互いに平行にした状態で並列に配置されている。これらの遊星歯車機構3,4には、シングルピニオン型やダブルピニオン型などの適宜の形式の遊星歯車機構を用いることができる。図1に示す例は第1および第2の遊星歯車機構3,4としてシングルピニオン型遊星歯車機構を採用した例であり、その構成について説明すると、外歯歯車であるサンギヤ3S,4Sと、そのサンギヤ3S,4Sと同心円状に配置された内歯歯車であるリングギヤ3R,4Rと、これらサンギヤ3S,4Sとリングギヤ3R,4Rとに噛み合っているピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に保持したキャリヤ3C,4Cとを備えている。そして、第1遊星歯車機構3におけるリングギヤ3Rに前記入力部材2が連結され、このリングギヤ3Rが入力要素となっている。
上記の入力部材2に対して平行にカウンタ軸5が配置されている。このカウンタ軸5には、相対的に大径の第1ドリブンギヤ6と相対的に小径の第2ドリブンギヤ7とが取り付けられており、その第1ドリブンギヤ6に噛み合っている第1カウンタギヤ8が、入力部材2に取り付けられている。また、第2ドリブンギヤ7に噛み合っている第2カウンタギヤ9が設けられており、この第2カウンタギヤ9は前記第2遊星歯車機構4と同一軸線上に配置され、かつ第2遊星歯車機構4のリングギヤ4Rに、一体となって回転するように連結されている。したがって、第2遊星歯車機構4においては、そのリングギヤ4Rが入力要素となっている。
これら第1カウンタギヤ8と第1ドリブンギヤ6とのギヤ比と、第2ドリブンギヤ7と第2カウンタギヤ9とのギヤ比とは、互いに逆数の関係となるように設定されている。したがって、各遊星歯車機構3,4の入力要素であるリングギヤ3R,4Rが同方向に同速度で回転するようになっている。
上記の第1遊星歯車機構3におけるキャリヤ3Cに、回転軸としての第1中間軸10が一体になって回転するように連結されており、したがってキャリヤ3Cが出力要素となっている。この第1中間軸10は中空軸であってその内部にモータ軸11が回転自在に挿入されている。このモータ軸11の一端部が、第1遊星歯車機構3における反力要素であるサンギヤ3Sに、一体となって回転するように連結されている。
第2遊星歯車機構4も上記の第1遊星歯車機構3とほぼ同様に構成されている。すなわち、キャリヤ4Cが出力要素となっており、そのキャリヤ4Cに他の回転軸としての第2中間軸12が、一体になって回転するように連結されている。この第2中間軸12は中空軸であってその内部にモータ軸13が回転自在に挿入されており、このモータ軸13の一端部が、第2遊星歯車機構4における反力要素であるサンギヤ4Sに、一体となって回転するように連結されている。
第1遊星歯車機構3におけるサンギヤ3Sに連結されているモータ軸11の他方の端部が可変容量型ポンプモータ14の出力軸(もしくはロータ軸)に連結されている。この可変容量型ポンプモータ14は斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量(押出容積)を変更可能であり、しかも押出容積を正逆いずれにも設定できるいわゆる両振りタイプの流体圧(油圧)ポンプであって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出ポートもしくは吸入ポートから圧力流体を供給することにより、モータとして機能し、その出力軸にトルクが現れるようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ14を以下の説明では、第1ポンプモータ14と記し、図にはPM1と表示する。
また、第2遊星歯車機構4におけるサンギヤ4Sに連結されているモータ軸13の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ15の出力軸に連結されている。この可変容量型ポンプモータ15は前記モータ軸11側の第1ポンプモータ14と同様の構成のものであり、したがって斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量を変更可能な流体圧(油圧)ポンプを採用することができる。なお、この可変容量型ポンプモータ15を以下の説明では、第2ポンプモータ15と記し、図にはPM2と表示する。
上記の第1および第2の各ポンプモータ14,15は、圧力流体である圧油を相互に受け渡すことができるように油路16,17によって連通されている。すなわち、それぞれの吸入ポート14S,15S同士が油路16によって連通され、また吐出ポート14D,15D同士が油路17によって連通されている。したがって各油路16,17によって閉回路が形成されている。なお、この閉回路での油圧制御のための機構については後述する。
動力を出力するための出力部材として出力軸18が設けられており、その出力軸18は上記の各中間軸10,12に対して平行で、かつ前記カウンタ軸5と同一の軸線上に配置されている。そして、この出力軸18と各中間軸10,12との間のそれぞれに、所定の変速比を設定する変速用伝動機構が設けられている。この発明における変速用伝動機構としては、固定された回転数比(変速比)で動力を伝達する機構に限らず、変速比が可変な機構を採用することができ、図1に示す例では、固定された変速比で動力を伝達する複数のギヤ対19,20,21,22が採用されている。
これらのギヤ対19,20,21,22について具体的に説明すると、前記第1中間軸10には、第1遊星歯車機構3側から順に、第4速駆動ギヤ19Aと第2速駆動ギヤ20Aとが配置されており、第4速駆動ギヤ19Aと第2速駆動ギヤ20Aとは第1中間軸10に対して回転自在に嵌合されている。その第4速駆動ギヤ19Aに噛み合っている第4速従動ギヤ19Bと、第2速駆動ギヤ20Aに噛み合っている第2速従動ギヤ20Bとが、出力軸18に一体回転するように取り付けられている。
また、第4速従動ギヤ19Bに噛み合っている第3速駆動ギヤ21Aと、第2速従動ギヤ20Bに噛み合っている第1速駆動ギヤ22Aとが、第2中間軸12に回転自在に嵌合させられている。したがって、第4速従動ギヤ19Bが第3速従動ギヤを兼ねており、また第2速従動ギヤ20Bが第1速従動ギヤを兼ねている。そして、これらの第3速駆動ギヤ21Aおよび第1速駆動ギヤ22Aは、第2遊星歯車機構4側からここに挙げた順に配置されている。
ここで、各ギヤ対19,20,21,22の回転数比もしくは変速比(それぞれの駆動ギヤの歯数に対する従動ギヤの歯数の比)について説明すると、その回転数比は、第1速用ギヤ対22、第2速用ギヤ対20、第3速用ギヤ対21、第4速用ギヤ対19の順に小さくなるように構成されている。
さらに、発進用ギヤ対23が設けられている。この発進用ギヤ対23は、第1速もしくは第3速のギヤ対22,21と併せて出力軸18に動力を伝達することにより、発進時の駆動力を必要十分に大きくするためのものであって、前記第1ポンプモータ14側のモータ軸11に回転自在に嵌合させられて支持された発進駆動ギヤ23Aと、出力軸18に一体となって回転するように取り付けられた発進従動ギヤ23Bとを備えている。
上述した各ギヤ対19,20,21,22,23を、いずれかの中間軸10,12と出力軸18との間でトルク伝達可能な状態とするための切換機構が設けられている。この切換機構は、要は、選択的にトルクを伝達する連結機構であって、従来知られているドグクラッチ機構や同期連結機構(シンクロナイザー)などの機構を採用することができ、図1にはシンクロナイザーを採用した例を示してある。
シンクロナイザーは、回転軸と共に回転するスリーブと、その回転軸に対して相対回転する他の回転部材に設けられたスプラインと、前記スリーブに押されて他の回転部材側に移動するシンクロナイザーリングとを有している。そして、スリーブを他の回転部材のスプライン側に移動させる過程でシンクロナイザーリングが回転部材に次第に摩擦接触することにより回転軸と回転部材とを同期させ、その状態でスリーブがスプラインに係合することにより、回転軸と回転部材とを連結するように構成されている。
前記第1遊星歯車機構3に連結されているモータ軸11上で、発進駆動ギヤ23Aに隣接する位置に第1のシンクロナイザー(以下、発進用シンクロと記す)24が設けられている。この発進用シンクロ24は、そのスリーブ24Sを図1の右側に移動させることにより係合状態となって、発進駆動ギヤ23Aをモータ軸11に連結し、発進用ギヤ対23がモータ軸11と出力軸18との間でトルクを伝達するように構成されている。また、発進用シンクロ24は、そのスリーブ24Sを図1の左側に移動させることにより解放状態となって、発進駆動ギヤ23Aとモータ軸11との連結を解くように構成されている。
また、前記第2中間軸12上で、第3速駆動ギヤ21Aと第1速駆動ギヤ22Aとの間にシンクロナイザー(以下、第1シンクロと記す)25が設けられている。この第1シンクロ25は、そのスリーブ25Sを図1の左側に移動させることにより係合状態となって、第1速駆動ギヤ22Aを第2中間軸12に連結し、第1速用ギヤ対22が第2中間軸12と出力軸18との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブ25Sを図1の右側に移動させることにより他の係合状態となって、第3速駆動ギヤ21Aを第2中間軸12に連結し、第3速用ギヤ対21が第2中間軸12と出力軸18との間でトルクを伝達するように構成されている。そして、スリーブ25Sを中央に位置させることにより解放状態となって、第3速駆動ギヤ21Aおよび第1速駆動ギヤ22Aと第2中間軸12との連結を解くように構成されている。
さらに、前記第1中間軸10上で、第2速駆動ギヤ20Aと第4速駆動ギヤ19Aとの間にシンクロナイザー(以下、第2シンクロと記す)26が設けられている。この第2シンクロ26は、そのスリーブ26Sを図1の左側に移動させることにより係合状態となって、第2速駆動ギヤ20Aを第1中間軸10に連結し、第2速用ギヤ対20が第1中間軸10と出力軸18との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブ26Sを図1の右側に移動させることにより他の係合状態となって、第4速駆動ギヤ19Aを第1中間軸10に連結し、第4速用ギヤ対19が第1中間軸10と出力軸18との間でトルクを伝達するように構成されている。そして、第2シンクロ26は、そのスリーブ26Sを中央に位置させることにより解放状態となって、第2速駆動ギヤ20Aおよび第4速駆動ギヤ19Aと第1中間軸10との連結を解くように構成されている。
またさらに、第2中間軸12の軸端側で第1速駆動ギヤ22Aに隣接する位置に、後進段を設定するためのシンクロナイザー(以下、リバースシンクロと記す)27が設けられている。このリバースシンクロ27は、そのスリーブ27Sを図1の右側に移動させることにより係合状態となって、第2中間軸12とモータ軸13、すなわち第2遊星歯車機構4におけるサンギヤ4Sとキャリヤ4Cとを連結して、第2遊星歯車機構4の全体を一体回転させるように構成されている。
上述したカウンタ軸5と出力軸18とは同一軸線上に配置されていて、それぞれの端部が互いに接近しており、これらカウンタ軸5と出力軸18との間には、各軸5,8を一体となって回転するように連結するためのクラッチ機構と一方向クラッチとが直列に設けられている。そのクラッチ機構は、シンクロナイザーや摩擦クラッチなどのように回転数を同期させる同期機能のあるクラッチ機構であり、あるいは噛み合いクラッチであってもよい。また、一方向クラッチは所定の方向に回転数差がある二つの回転部材で係合してトルクを伝達し、またこれとは反対方向に回転数差がある場合には解放状態となってトルクを伝達を行わない伝動機構である。
図1に示す例では、前述したシンクロ24,25,26,27と同様の構成の直結用シンクロ28と、カウンタ軸5の回転数が出力軸18の回転数以上となる場合に係合する一方向クラッチ29とが設けられている。具体的に説明すると、直結用シンクロ28は、ハブにスプライン嵌合したスリーブ28Sを備え、そのスリーブ28Sを図1の右方向に移動させることにより、カウンタ軸5と一体のスプラインにスリーブ28Sが嵌合してトルク伝達可能な状態となるように構成されている。また、スリーブ28Sを上記のように図1の右方向に移動させることに伴ってシンクロナイザーリングがテーパーコーン(それぞれ図示せず)に摩擦接触して回転数を合わせる同期作用が生ずるようになっている。
そして、この直結用シンクロ28のハブと出力軸18との間に一方向クラッチ29が設けられている。したがって、図1に示す構成では、カウンタ軸5に対して出力軸18が高速で回転している状態では、一方向クラッチ29が解放状態となるので、その状態ではカウンタ軸5と出力軸18との間でトルク伝達が生じず、直結用シンクロ28のスリーブ28Sを係合状態に切り替えることができる。その後、カウンタ軸5の回転数が出力軸18の回転数以上になるようにトルクが作用すると、一方向クラッチ29が係合してカウンタ軸5から出力軸18に対してトルクが伝達されるようになっている。なお、これら、直結用シンクロ28と一方向クラッチ29との配列は図1に示す配列とは反対であってもよく、カウンタ軸5と直結用シンクロ28のハブとの間に一方向クラッチ29を配置し、直結用シンクロ28は出力軸18に係合するように構成してもよい。
上記の各シンクロ24,25,26,27,28は、手動操作によって切り替え動作するように構成することができるが、これに替えていわゆる自動制御するように構成することもできる。その場合は、例えば前述したスリーブ24S,25S,26S,27S,28Sを軸線方向に移動させる適宜のアクチュエータ(図示せず)を設け、そのアクチュエータを電気的に制御するように構成すればよい。
上述したように、図1に示す変速機は、動力源1が出力したトルクが、いずれかの中間軸10,12もしくはモータ軸11,13を介して出力軸18に伝達されるように構成されている。そして、その出力軸18には、歯車機構あるいはチェーンなどの巻き掛け伝動機構などの伝動手段30を介してデファレンシャル31が連結され、ここから左右の車軸32に動力を出力するようになっている。
前述した第1および第2のポンプモータ14,15を制御するための流体圧回路(油圧回路)について説明すると、各ポンプモータ14,15を連通させている前記閉回路16,17には流体(具体的にはオイル)を補給するためのチャージポンプ(ブーストポンプと称されることもある)33が接続されている。このチャージポンプ33は、上記の閉回路からの漏れなどによるオイルの不足を補うためのものであって、前述した動力源1や図示しないモータなどによって駆動されて、オイルパン34からオイルを汲み上げて閉回路に供給するようになっている。
チャージポンプ33は一般的なオイルポンプと同様に、吸入口と吐出口とを備えており、その吐出口は、前記閉回路における油路16と油路17とにそれぞれチェック弁35,36を介して連通されている。なお、これらのチェック弁35,36は、チャージポンプ33からの吐出方向に開き、これとは反対方向に閉じるように構成されている。さらに、チャージポンプ33の吐出圧を調整するためのリリーフ弁(排圧弁)37が、チャージポンプ33の吐出口に連通されている。このリリーフ弁37は、リリーフ圧を電気的に制御できるように構成されたバルブであり、したがってチャージポンプ33の吐出圧を必要に応じて設定するように構成されている。
さらに、第1ポンプモータ14の吸入ポート14Sと油路17との間に、リリーフ弁(排圧弁)38が設けられている。言い換えれば、第1ポンプモータ14と並列に、各油路16,17を連通させるようにリリーフ弁38が設けられている。このリリーフ弁38は、第1ポンプモータ14の吸入ポート14S、または第2ポンプモータ15の吸入ポート15Sから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。また、そのリリーフ圧を電気的に制御できる電磁リリーフ弁を使用してもよい。
また、第2ポンプモータ15の吐出ポート15Dと油路16との間に、リリーフ弁(排圧弁)39が設けられている。言い換えれば、第2ポンプモータ15と並列に、各油路16,17を連通させるようにリリーフ弁39が設けられている。このリリーフ弁39は、第2ポンプモータ15の吐出ポート15D、または第1ポンプモータ14の吐出ポート14Dから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。また、そのリリーフ圧を電気的に制御できる電磁リリーフ弁を使用してもよい。
第1ポンプモータ14および第2ポンプモータ15の押出容積や各シンクロ24,25,26,27,28を電気的に制御できるように構成されており、そのための電子制御装置(ECU)40が設けられている。この電子制御装置40は、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、前記入力部材2の回転数を検出する回転数センサ45からの検出信号や車軸32の回転数を検出する回転数センサ46からの検出信号、さらには他の検出信号が入力され、それらの入力された信号および予め記憶している情報ならびにプログラムに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて指令信号を出力するように構成されている。
上記の閉回路16,17には、この発明における蓄圧器であるアキュムレータ41が連通されている。すなわち、前述した各吐出ポート14D,15Dを連通している油路17に、切替弁42および逆止弁43を介してアキュムレータ41が接続されている。その切替弁42は電気的に制御されて閉状態と開状態とに切り替わるいわゆる開閉弁であり、また逆止弁43は、油路17における油圧がアキュムレータ41の油圧より高い場合に開いて油路17からアキュムレータ41に油圧を流入させるように構成されている。そして、アキュムレータ41に蓄えた油圧を適宜の箇所に供給するための油路44がアキュムレータ41に連通されている。なお、アキュムレータ41に蓄えた油圧を選択的に使用する部位は、例えば潤滑の必要がある摺動部や前述した各ポンプモータ14,15などである。
図1に示すこの発明に係る変速機で各変速比を設定する作用を次に説明する。図2はいずれかのギヤ対19,20,21,22,23のギヤ比で決まる各変速段を設定する際の第1および第2のポンプモータ(PM1,PM2)14,15、および各シンクロ24,25,26,27,28の動作状態をまとめて示す図表である。この図2における各ポンプモータ14,15についての「0」は、ポンプ容量(押出容積)を実質的にゼロとし、そのロータ軸が回転させられても圧油を発生することがなく、また油圧が供給されてもロータ軸が回転しない状態(フリー)を示し、「LOCK」はそのロータの回転が止められている状態を示している。さらに「PUMP」は、ポンプ容量を実質的なゼロより大きくするとともに圧油を吐出している状態を示し、したがって該当する第1あるいは第2のポンプモータ14,15はポンプとして機能している。また、「MOTOR」は、一方のポンプモータ14(もしくは15)が吐出した圧油が供給されてモータとして機能している状態を示し、したがって該当する油圧ポンプモータ15(もしくは14)は軸トルクを発生している。
そして、各シンクロ24,25,26,27,28についての「右」、「左」は、それぞれのスリーブ24S,25S,26S,27S,28Sの図1での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「N」は該当するシンクロ24,25,26,27,28をOFF状態(中立位置)に設定している状態を示し、斜体の「N」は引き摺りを低減するためOFF状態(中立位置)に設定していることを示す。
シフト装置(図示せず)によってニュートラルポジションが選択されていることによりニュートラル状態を設定する際には、各ポンプモータ14,15の押出容積がゼロとされ、また各シンクロ24,25,26,27,28がOFF状態とされる。すなわちそれぞれのスリーブ24S,25S,26S,27S,28Sが中央位置に設定される。したがって、いずれのギヤ対19,20,21,22,23も出力軸18に連結されていないニュートラル状態となる。その結果、各ポンプモータ14,15がいわゆる空回り状態となる。したがって、各遊星歯車機構3,4のリングギヤ3R,4Rに動力源1からトルクが伝達されても、サンギヤ3S,4Sに反力が作用しないため、出力要素であるキャリア3C,4Cに連結されている各中間軸10,12にはトルクが伝達されない。
シフトポジションがドライブポジションなどの走行ポジションに切り替えられると、第2シンクロ26およびリバースシンクロ27ならびに直結用シンクロ28をOFF状態に設定したまま、発進用シンクロ24のスリーブ24Sが図1の右側に移動させられるとともに、第1シンクロ25のスリーブ25Sが図1の左側に移動させられる。したがって、発進駆動ギヤ23Aが第1ポンプモータ14のロータ軸(出力軸)に連結されて第1ポンプモータ14から出力軸18にトルクを伝達できる状態になる。また、第1速駆動ギヤ22Aが前記中間軸12に連結されて第2遊星歯車機構4から出力軸18にトルクを伝達できる状態になる。すなわち、固定変速比である第1速を設定する状態となる。また、これと併せて各ポンプモータ14,15の押出容積がゼロより大きい容積に制御される。
したがって、第2ポンプモータ15は前記第2遊星歯車機構4によって分配された動力源1の動力によって駆動されてポンプとして機能するので、第2ポンプモータ15は、油圧を発生させることに伴う反力トルクをモータ軸13およびサンギヤ4Sに与える。これを図2には「PUMP」と記載してある。そのため、第2遊星歯車機構4の差動作用によってキャリヤ4Cにトルクが伝達され、そのトルクが第1速用ギヤ対22を介して出力軸18に伝達される。
一方、第2ポンプモータ15で発生した油圧がその吸入ポート15Sから吐出されて第1ポンプモータ14の吸入ポート14Sに供給される。その結果、第1ポンプモータ14がモータとして機能する。これを図2には「MOTOR」と記載してある。このようにして第1ポンプモータ14に伝達される動力が発進用ギヤ対23を介して出力軸18に伝達される。したがって発進から第1速までの駆動状態では、第2遊星歯車機構4を介したいわゆる機械的な動力の伝達と、油圧を介した動力の伝達との両方が生じ、これらの動力を合成した動力が出力軸18に現れる。また、この過程での変速比は、固定変速比である第1速より大きい値となり、その変速比は連続的に、あるいは無段階に変化する。
こうして動力源1の回転数や車速が変化して第1速の変速比になると、第1ポンプモータ14の押出容積がゼロに設定されてOFF状態となり、また第2ポンプモータ15の押出容積が最大に設定され、その結果、実質上、第2ポンプモータ15の回転がロックされる。すなわちモータ軸13およびこれに連結されている第2ポンプモータ15が固定される。その結果、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sが固定され、また第1遊星歯車機構3は出力軸18に対する動力の伝達に関与しなくなるので、動力源1が出力した動力は、第2遊星歯車機構4および第1速用ギヤ対22を介して出力軸18に伝達される。すなわち、第1速用ギヤ対22のギヤ比で決まる固定変速比が設定される。なお、この場合、第1ポンプモータ14およびこれに連結されているモータ軸11が空転するので、第1中間軸10にトルクは現れない。なお、この固定変速比である第1速で発進用シンクロ24のスリーブを解放状態とすれば、第1ポンプモータ14を連れ回さないので、動力損失を防止できる。また、アップシフト待機状態となる。
固定変速比である第1速からアップシフトする場合、第2シンクロ26のスリーブ26Sを図1の左側に移動させて第2速駆動ギヤ20Aを第1中間軸11に連結しておく。なお、リバースシンクロ27および直結用シンクロ28は中立状態にしておく。また、第2シンクロ26のスリーブ26Sを第2速駆動ギヤ20Aに係合させる場合、第2シンクロ26のスリーブ26Sの回転数と第2速駆動ギヤ20Aとの回転数を一致させる同期制御を行う。その同期制御は、前記シンクロ24,25,26,27,28のスリーブ24S,25S,26S,27S,28Sを相手部材に係合させる場合にも同様に行われる。
この状態で、第1ポンプモータ14の押出容積を最大に向けて次第に増大させる。第2速へのアップシフト待機状態では、第1ポンプモータ14は逆回転しているから、その押出容積を次第に増大させることによりポンプとして機能する。すなわち、油圧を発生し(図2に「PUMP」と記してある)、同時にそれに伴う反力トルクがモータ軸11に現れる。その結果、第1遊星歯車機構3および第2速用ギヤ対20を介した動力の伝達が次第に行われる。また、第1ポンプモータ14で発生した油圧が第2ポンプモータ15に供給されてこれがモータとして機能する(図2に「MOTOR」と記してある)ので、第2ポンプモータ15および第2遊星歯車機構4ならびに第1速用ギヤ対22を介した動力の伝達が生じる。そのため、第1速から第2速への変速の過程での変速比は、第1速の変速比と第2速の変速比との間の値となり、かつ連続的に変化する変速比となる。すなわち、変速比が連続的に変化する無段変速状態となる。これは、上述した発進から第1速の変速比に到るまでの間、および各固定変速比の間でも同様であり、したがって上述した変速機は、無段変速機として機能させることができる。
上述のようにして第2ポンプモータ15の押し出し容積がゼロになり、OFF状態に設定されている状態で、第1ポンプモータ14の押出容積がほぼ最大になることによりその回転が停止し、もしくは停止に近い状態になると、モータ軸11が実質的に固定される。したがって、第1遊星歯車機構3では、そのサンギヤ3Sが固定されるので、リングギヤ3Rに入力された動力がキャリヤ3Cから中間軸10を経て第2速駆動ギヤ20Aに出力される。一方、第2ポンプモータ15はOFF状態となっており、またこれと同軸上に配置されているリバースシンクロ27および第2シンクロ25はOFF状態であってそのスリーブが中立位置にあるので、第2ポンプモータ15や第2遊星歯車機構4は動力の伝達に関与しない。したがって、第2速用ギヤ対20のギヤ比で決まる固定変速比である第2速が設定される。
他の固定変速比である前進段を設定する場合にも上記の例とほぼ同様に制御される。すなわち、第3速は第1シンクロ25のスリーブ25Sを図1の右側に移動させて第3速駆動ギヤ21Aを第2中間軸12に連結する係合状態とし、また第2ポンプモータ15の押出容積を最大にするとともに第1ポンプモータ14の押出容積をゼロにすることにより、第1速の場合と同様に、モータ軸13および第2ポンプモータ15を固定し、さらに他のシンクロ24,26,27,28は解放状態にする。したがって、第3速用ギヤ対21を介して出力軸18に動力が伝達され、固定変速比である第3速が設定される。
また、第4速は第2シンクロ26のスリーブ26Sを図1の右側に移動させて第4速駆動ギヤ19Aを第1中間軸10に連結する係合状態とし、また第1ポンプモータ14の押出容積を最大にするとともに第2ポンプモータ15の押出容積をゼロにすることにより、第2速の場合と同様に、モータ軸11および第1ポンプモータ14を固定し、さらに他のシンクロ24,25,27,28は解放状態にする。したがって、第4速用ギヤ対19を介して出力軸18に動力が伝達され、固定変速比である第4速が設定される。
上記のようにして設定される第4速では、動力源1もしくは入力部材2から第1遊星歯車機構3および第4速用ギヤ対19を介して出力軸18に動力が伝達され、したがってこれらのギヤのギヤ比を総合したギヤ比が、変速機としての変速比となる。この発明に係る変速機では、その第4速での変速比が、前記入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6のギヤ比より小さい値に設定されている。その変速比とギヤ比との差は、変速機に掛かる負荷およびそれに起因する圧油の漏れに応じて設定されている。具体的に説明すると、第4速で特には大きい負荷が掛かっていない状態での第1遊星歯車機構3についての共線図は図3に示すようになる。すなわち、第1ポンプモータ14によってサンギヤ3Sが固定され、これに対してリングギヤ3Rには動力源1から動力が入力されているので、出力要素であるキャリヤ3Cが、第1遊星歯車機構3のギヤ比(サンギヤ3Sの歯数とリングギヤ3Rの歯数との比)に応じた回転数Ncで回転する。この状態を図3に破線で示してある。
他方、動力源1が最大トルクを出力しているなどの負荷が最大の時には、第1ポンプモータ14における圧力が最大になる。そのために不可避的もしくは設計上許容されている圧油の漏れが生じ、第1ポンプモータ14およびこれが連結されているサンギヤ3Sが低速Npm1で逆回転する。その状態を図3に実線で示してある。その結果、圧油の漏れによって、出力要素であるキャリヤ3Cに対するリングギヤ3Rの相対的な回転数ΔNcが増大する。
リングギヤ3Rには入力部材2を介して動力源1が連結されているので、上記のような圧油の漏れが生じると、動力源1の回転数が増大し、変速比は、圧油の漏れが生じない場合すなわち無負荷の場合に比較して僅かに大きくなる。この発明に係る変速機では、このような圧油の漏れに伴う変速比の変化を考慮して、固定変速比である第4速の変速比が、前記入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6のギヤ比以下の値になるように、第4速用ギヤ対19のギヤ比を設定してあるので、第4速で最大トルクが作用している状態であっても、出力軸18の回転数はカウンタ軸5の回転数以上となる。
このように第4速が設定されている状態では、出力軸18がカウンタ軸5より高速で回転するので、一方向クラッチ29がトルク伝達する状態に係合することがない。この第4速の変速比でOFF状態(ニュートラル状態)になっている直結用シンクロ28のスリーブ28Sを図1の右側に移動させると、すなわちカウンタ軸5に係合するように動作させると、カウンタ軸5との回転数の差を吸収する同期作用を伴ってカウンタ軸5に係合する。その場合、直結用シンクロ28に連結されている一方向クラッチ29は、上記のように解放状態になっているので、同期作用に伴って吸収するべきエネルギは、一方向クラッチ29における駆動側もしくは従動側のいずれか一方の回転部材を回転させる程度の軽微なものとなる。したがって、直結用シンクロ28における同期機構は容量が比較的小さい簡易な構成のものでよく、またその係合を容易に行うことができる。さらに、出力軸18のトルクが殆ど変化しないので、いわゆる変速ショックが悪化することはない。
直結用シンクロ28を上記のように係合させた場合、第4速の変速比が前記入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6のギヤ比より小さいことにより、一方向クラッチ29は空転(オーバーラン)状態になる。この状態で第4速を設定している第2シンクロ26のスリーブ26Sを図1での中央に移動させてOFF状態に切り替えると、出力軸18に対する第4速用ギヤ対19を介したトルクの伝達がなくなるので、動力源1がいわゆるパワーオン状態であれば、その回転数が増大し、カウンタ軸5の回転数が出力軸18の回転数以上になる状態になる。すなわち、一方向クラッチ29が完全に係合してカウンタ軸5から出力軸18にトルクが伝達される。こうしていわゆる機械的直結段が設定される。
この直結段では、カウンタ軸5と出力軸18とが直結用シンクロ28および一方向クラッチ29を介して直接連結されるので、第4速用ギヤ対19および第2速用ギヤ対20のいわゆる連れ周りが生じるものの、第1ポンプモータ14にトルクが作用したり、それに伴って圧油の漏れが生じたりすることがないので、出力軸18に対する動力の伝達効率が向上する。
機械的直結段では、入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6および直結用シンクロ28ならびに一方向クラッチ29を介して動力源1から出力軸18にトルクが伝達されるから、その変速比は上記のギヤ8,6のギヤ比に応じた値となる。このようにして決まる直結段での変速比が固定変速比である第4速の変速比より僅かに大きくなるように、上記のギヤ8,6のギヤ比を設定しておくことにより、第4速から直結段へのダウンシフトの際の変速比の変化が小さくなり、その結果、一方向クラッチ29の係合ショックや変速ショックを防止あるいは抑制することができる。
また、直結段の変速比は、前記入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6のギヤ比に応じた値となるから、直結段の変速比を上記のギヤ8,6によって適宜に設定することができる。言い換えれば、上述した構成であれば、直結段の変速比の設定の自由度が向上する。そして、前記入力部材2とカウンタ軸5とを連結しているギヤ8,6を、変速比が“1”より小さくなるオーバードライブ機構として構成することにより、頻度の高い高速巡航時での動力源1の回転数を相対的に低くして、動力源1に内燃機関を使用した場合の燃費を向上させることができる。
つぎに後進段について説明する。シフトポジションがニュートラルポジションからリバースポジションに切り替えられるなどのことによって後進段を設定する指示が行われると、リバースシンクロ27のスリーブ27Sが図1の右側に移動させられて、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが連結され、第2遊星歯車機構4の全体が一体化される。また発進用シンクロ24のスリーブ24Sが図1の右側に移動させられて発進駆動ギヤ23Aがモータ軸11に連結され、第1ポンプモータ14から出力軸18にトルクを伝達できる状態になる。他のシンクロ25,26,28はOFF状態(ニュートラル状態)に設定される。
この状態で第2ポンプモータ15の押出容積を次第に増大させる。また、第1ポンプモータ14の押出容積を、上述した前進段(前進走行)の場合とは反対の負の方向に次第に増大させる。車両が停止している状態では出力軸18は回転していないから、これに連結された第1ポンプモータ14は停止している。これに対して、第2遊星歯車機構4はその全体が一体となって回転する状態でリングギヤ4Rに動力源1から動力が入力されるから、サンギヤ4Sおよびこれに連結されている第2ポンプモータ15が動力源1から出力された動力で正回転方向に駆動される。
したがって、第2ポンプモータ15の押出容積を次第に増大させることにより、第2ポンプモータ15がポンプとして機能し、油圧を発生する。その油圧が第1ポンプモータ14の吸入ポート14Sに油路16を介して供給されるが、第1ポンプモータ14はいわゆる両振りタイプであってその押出容積が、前進走行時とは反対方向に設定されているので、そのロータ軸およびこれと一体のモータ軸11が前進走行時とは反対方向に回転する。そして、このモータ軸11から発進用ギヤ対23を介して出力軸18にトルクが伝達されるので、出力軸18が前進走行時とは反対方向に回転し、後進段となる。その発進用ギヤ対23は減速機として機能するように構成されているので、前進方向への発進時と同様、大きな駆動力が要求される車両の後進方向への発進時においても、より大きな駆動トルクを得ることができる。
この発明に係る変速機は、出力軸18と第1ポンプモータ14とを直結できるので、これを利用して減速時もしくは制動状態でのエネルギ回生を行うように構成されている。ここで、「直結」とは、一方の回転数が増大すると他方の回転数も増大し、また一方が停止すれば他方も停止するように、両者の間の変速比を一定に保って回転する連結状態であり、一方の回転数が増大しても他方の回転数が増大しないなど、両者の回転数の関係を変化させる手段もしくは機構が介在しない連結状態である。図1に示す例では、発進用シンクロ24が発進駆動ギヤ23Aとモータ軸11とを連結した状態であり、その状態では出力軸18とモータ軸11もしくは第1ポンプモータ14との間に発進用ギヤ対23が介在するものの、そのギヤ比は一定であり、動力を伝達している状態で変化することはなく、これが直結状態である。したがって発進用シンクロ24がこの発明の伝動機構に相当する。
制動時のエネルギ回生すなわち蓄圧の作用を図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイムチャートを参照して説明する。図1に示す変速機を搭載した車両が、動力源1の出力する動力で走行している駆動状態では、スロットル開度θやエンジン回転数Neおよびブレーキ信号などの車両の走行状態を示す信号が繰り返し読み込まれている。なお、ブレーキ信号は、例えばブレーキペダルが踏み込まれることによりONとなるスイッチから出力される信号である。走行状態を示すこれらの信号に基づいて制動状態か否かが判断される(ステップS1)。駆動状態であることによりステップS1で否定的に判断された場合には、リターンして従前の制御状態を継続する。これとは反対に、ブレーキ信号がONになるなど、車両が制動状態になったことによりステップS1で肯定的に判断された場合には、エネルギ回生(蓄圧)のための制御が開始される(ステップS2)。この時点は、図5に示すタイムチャートでは、t1時点である。なお、図5には駆動状態で直結段が設定されている場合を示してあり、したがってt1時点以前では、出力軸18の回転数とカウンタ軸5の回転数とが一致している。
蓄圧のために、先ず、アキュムレータ41と前記油路17との間に設けられている切替弁42が図1の左側に切替動作させられる。すなわち開弁状態に切り替えられ、油路17とアキュムレータ41とが、逆止弁43を介して連通させられる。また、第1ポンプモータ14の押出容積q1が低下させられる。エネルギ回生は、出力軸18と第1ポンプモータ14とを直結し、出力軸18から伝達されるトルクで第1ポンプモータ14を駆動し、これをポンプとして機能させて行うので、エネルギ回生を開始する際に出力軸18に対してその回転を止める方向に大きいトルクが作用することを避けて、ショックを防止するためである。押出容積q1のこのような低下制御と併せて、発進用シンクロ24のスリーブ24Sを図1の右側に移動させ、発進用シンクロ24をいわゆるON状態に切り替える。すなわち、出力軸18と第1ポンプモータ14のモータ軸11とを、発進用ギヤ対23および発進用シンクロ24を介して直結する。
つぎに、アキュムレータ41が接続されている油路17の圧力を制御するためのリリーフ弁39がON状態に制御される(ステップS3)。すなわち、油路17からの排圧を止めて、蓄圧のための目標とする油圧を油路17に保持できる状態にする。これは、図5のタイムチャートでは、t2時点である。
以上のように制御することにより、出力軸18から伝達されるトルクで第1ポンプモータ14を駆動して油圧を発生させ、これをアキュムレータ41に蓄える状態になるので、第1ポンプモータ14から圧油を吐出させるべくその押出容積q1を次第に増大させる制御が開始される(ステップS4)。制動時の蓄圧は、動力源1に替わって制動力を発生するために行われるから、第1ポンプモータ14の押出容積q1は必要とする制動トルクを得られるように制御される。すなわち、この場合における第1ポンプモータ14の押出容積q1と必要とするブレーキトルクTとは、下記の(1)式の関係にある。
q1=2πT/(P・kd・ks) …(1)
ここで、kdは終減速機であるデファレンシャル31におけるデフ比、ksは前述した発進用ギヤ対23のギヤ比である。また、Pは油路17に発生させるべき油圧、言い換えれば、蓄圧する際の圧力である。
第1ポンプモータ14は上述したように出力軸18に直結されていて出力軸18から伝達されるトルクすなわち回生トルクで回転させられている。その回転方向は車両が前進走行しているので正回転方向である。したがって、吸入ポート14Sから吸入し、吐出ポート14Dから吐出するように押出容積q1を次第に増大させると、第1ポンプモータ14は油圧ポンプとして機能して油路17に圧油を吐出する。そして、その油圧がアキュムレータ41における圧力より高くなると、第1ポンプモータ14が吐出した圧油は、逆止弁43を押し開いてアキュムレータ41に流入し、ここに蓄えられる。その場合、動力源1は一方向クラッチ29が解放状態(オーバーラン状態)になることにより出力軸18に対して切り離されているので、出力軸18から伝達されるトルクは、動力源1を回転することに消費されず、主として第1ポンプモータ14を駆動することに消費される。すなわち、出力軸18から伝達される動力の殆どを油圧の形でアキュムレータ41に回収することができる。その結果、エネルギの回生効率を向上させることができる。なお、アキュムレータ41に圧油が流入することにより閉回路で不足する圧油は、チャージポンプ33によって閉回路16,17に供給される。
圧油がアキュムレータ41に回収されている状態では、第1ポンプモータ14をポンプとして駆動するトルクが制動トルクとなって車両に作用し、その結果、出力軸18の回転数が図5に示すように、車速の低下と共に次第に低下する。また、動力源1の回転数はアイドル回転数にまで低下し、したがってカウンタ軸5の回転数は図5に示すように、アイドル回転数に相当する回転数まで低下してその回転数に維持される。
こうして蓄圧している間、すなわちエネルギ回生している間においても車両の走行状態を示す信号、例えばスロットル開度θの検出信号やエンジン回転数Neの検出信号さらにはブレーキ信号などが読み込まれており、これらの信号に基づいて制動状態か否かが判断される(ステップS5)。制動状態であることによりステップS5で肯定的に判断された場合には、ステップS4に戻って従前のエネルギ回生制御(蓄圧制御)が継続される。これとは反対にステップS5で否定的に判断された場合には、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれてスロットル開度θが増大するなど、制動状態から駆動状態に切り替わったことになり、その場合は、蓄圧の終了制御あるいは駆動状態を成立させるための制御が実行される。
すなわち、先ず、前記油路17の油圧を制御するための前記リリーフ弁39がOFF状態に切り替えられる(ステップS6)。これは、図5におけるt3時点であり、油路17の圧力を低下させることにより、第1ポンプモータ14が圧油を吐出するトルクを低下させるための制御である。こうすることにより、動力源1が出力軸18を回転させるトルクに対してこれを減殺するように作用する第1ポンプモータ14の駆動トルクが低下し、その結果、駆動状態に切り替わる際の一時的なトルクの低下やそれに起因するショックが防止もしくは抑制される。なお、第1ポンプモータ14を回転させるためのトルクを低下させるためには、その押出容積q1を低下させることも可能であるが、押出容積q1をゼロにするのと比較してリリーフ弁39をOFF状態する方が動作が速いので、ステップS6のように制御することにより、駆動状態への切替応答性が向上する。また、リリーフ弁39をOFF状態にすることにより油路17の圧力が低下すると、逆止弁43が閉じるので、アキュムレータ41での蓄圧状態を特に制御することなく維持することができる。
動力源1の回転数の増大に伴ってカウンタ軸5の回転数が図5に示すように次第に増大し、その回転数が出力軸18の回転数に一致すると、一方向クラッチ29が係合する。
ついで、前述したステップS2とは反対の制御が実行される(ステップS7)。これは、図5におけるt4時点である。この制御の一つは、前記切替弁42を図1の右方向に動作させて、油路17とアキュムレータ41との連通を遮断する制御である。すなわち、切替弁42を閉じる。アキュムレータ41は逆止弁43によって既に遮断されているが、走行中に油路17の油圧がアキュムレータ41における圧力より高くなることが考えられるので、駆動状態でアキュムレータ41に対して圧油が流入しないように、切替弁42を閉じることとしたのである。また、第1ポンプモータ14の押出容積q1を最大(MAX)に設定する。直結段から固定変速比である第4速への変速に備えるためである。さらに、発進用シンクロ24を解放状態に切り替える。出力軸18と第1ポンプモータ14との直結を解消して、直結段を設定するためである。すなわち、動力源1が出力する動力が増大すると、カウンタ軸5の回転数が増大して一方向クラッチ29が係合するので、動力源1と出力軸18とが直結状態になる。したがって、いわゆるダブルロック状態になったり、それに伴ってショックが生じたりすることを防止するために、発進用シンクロ24を解放する。
なお、アキュムレータ41に蓄えた油圧は、変速の際に回転数を同期させるためにいずれかのポンプモータ14,15を一時的に駆動するために使用され、あるいは潤滑などのために使用される。
上記のようにこの発明に係る変速機では、一方のポンプモータ14を出力軸18に直結することができ、また直結段を設定している状態で制動状態あるいは減速状態に切り替わることにより動力源1の回転数が低下すると、一方向クラッチ29が解放状態になって動力源1が出力軸18から切り離されるので、回生するべき動力で動力源1を連れ回すことなく、蓄圧でき、その結果、エネルギの回生効率を向上させることができる。また、図1に示す構成では、蓄圧時に出力軸18と第1ポンプモータ14との間に介在する歯車機構は発進用ギヤ対23のみであるから、トルク伝達に伴う摩擦損失が少なくなり、この点でもエネルギの回生効率を向上させることができる。
さらに、蓄圧のためには、直結段を設定する一方向クラッチ29を解放させ、また発進用シンクロ24を係合させ、さらにリリーフ弁39をOFF状態にするなど、各変速比を設定するために設けられ、またそれぞれの変速比で必要とする油圧制御を行うために設けられている機器を使用するので、蓄圧のために新たに設ける機構が少なく、その結果、全体としての必要部品を少なくし、低コスト化を図ることができる。また、制動状態になることにより蓄圧を開始する場合、エネルギ回生のためにポンプとして機能させる第1ポンプモータ14の押出容積q1を一旦低下させるので、出力軸18にその回転を止める方向に第1ポンプモータ14から作用するトルクが急激に増大することがなく、その結果、ショックを防止もしくは抑制できるとともに、回生制御が容易になる。
ところで、この発明に係る変速機では、アキュムレータ41が接続されている油路17の油圧は、押出容積および排圧弁での設定圧力のいずれによってでも制御できるので、エネルギ回生を行う際に押出容積を変更せずに、排圧弁での設定圧力を変更して、前記油路17の圧力を制御してもよい。また、前述した切替弁42はアキュムレータ41を油路17から遮断するように作用するので、前述した逆止弁43を設けずに、切替弁42のみをアキュムレータ41の流入口側に設けてもよい。図6には、このようにリリーフ弁39で油路17の圧力を制御し、また前記逆止弁43を設けていない場合の蓄圧制御の例をフローチャートで示してある。
ここに示す例であっても、前述した図4に示す例と同様に、先ず、制動状態か否かが判断される(ステップS11)。このステップS11で否定的に判断された場合、すなわち制動状態ではない場合には、リターンして従前の制御状態を維持する。制動状態になっていることによりステップS11で肯定的に判断された場合には、蓄圧のための制御が実行される(ステップS12)。すなわち、切替弁42がON制御されて開き、アキュムレータ41が油路17に連通されられる。また、発進用シンクロ24のスリーブ24Sが図1の右側に移動させられて係合状態になり、発進用駆動ギヤ23Aがモータ軸11に連結されている。すなわち、第1ポンプモータ14が発進用ギヤ対23を介して出力軸18に直結される。
ついで、リリーフ弁39の設定圧を変更することによる圧力制御が開始される(ステップS13)。これは、出力軸18から第1ポンプモータ14にトルクが作用し始めた際の油路17の圧力を低下させ、その後にその圧力を目標圧力にまで増大させる制御である。その場合、当初、圧力を低下させるのは、ショックを防止するためである。また、目標圧力は、下記の(2)式で求められる圧力である。
P=2πT/(q1・kd・ks) …(2)
すなわちその目標圧力Pは、押出容積が「q1」の状態で、目標ブレーキトルクを得るのに必要な圧力である。したがって、ステップS13に示す制御を実行することにより、前述した図4に示す制御でステップS4を実行してエネルギ回生(蓄圧)を行っている状態と同様の状態になる。
こうして蓄圧している間、すなわちエネルギ回生している間においても車両の走行状態を示す信号、例えばスロットル開度θの検出信号やエンジン回転数Neの検出信号さらにはブレーキ信号などが読み込まれており、これらの信号に基づいて制動状態か否かが判断される(ステップS14)。制動状態であることによりステップS14で肯定的に判断された場合には、ステップS13に戻って従前のエネルギ回生制御(蓄圧制御)が継続される。これとは反対にステップS14で否定的に判断された場合には、アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれてスロットル開度θが増大するなど、制動状態から駆動状態に切り替わったことになり、その場合は、リリーフ弁39による圧力制御が終了される(ステップS15)。すなわち、蓄圧時には目標圧力を上記の(2)式で求まる圧力に設定するが、駆動状態に切り替わって回生制御を終了する場合には、リリーフ弁39の設定圧を通常の変速制御での圧力に低下させる。こうすることにより、動力源1が出力軸18を回転させるトルクに対してこれを減殺するように作用する第1ポンプモータ14の駆動トルクが低下し、その結果、駆動状態に切り替わる際の一時的なトルクの低下やそれに起因するショックが防止もしくは抑制される。
ついで、前述したステップS12とは反対の制御が実行される(ステップS16)。この制御の一つは、前記切替弁42を図1の右方向に動作させて、油路17とアキュムレータ41との連通を遮断する制御である。すなわち、切替弁42を閉じる。また、発進用シンクロ24を解放状態に切り替える。出力軸18と第1ポンプモータ14との直結を解消して、直結段を設定するためである。すなわち、動力源1が出力する動力が増大すると、カウンタ軸5の回転数が増大して一方向クラッチ29が係合するので、動力源1と出力軸18とが直結状態になる。したがって、いわゆるダブルロック状態になったり、それに伴ってショックが生じたりすることを防止するために、発進用シンクロ24を解放する。
したがって、図6に示す制御を実行するように構成した場合には、押出容積を変更せずに、リリーフ弁39の設定圧を変更することにより蓄圧およびその解除のための油圧制御を行うことができる。したがって、リリーフ弁39の設定圧の変更は、ポンプモータ14,15の押出容積の変更に比較して応答性が高いから、制動時のブレーキトルクや駆動状態に切り替わった際の駆動トルクを、遅れを特には生じさせることなく発生させることができる。その結果、制御応答性が良好になって車両としてのドライバビリティを向上させることができる。なお、図1に示す逆止弁43を廃止した構成では、部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、カウンタ軸5と出力軸18とを直結用シンクロ28および一方向クラッチ29で連結する動力伝達経路がこの発明の直結伝動経路に相当する。また、図4に示すステップS4の制御を実行する機能的手段が、この発明の押出容積制御手段に相当し、図6のステップS13の制御を実行する機能的手段が、この発明の圧力制御手段に相当し、図1のステップS2の制御を実行する機能的手段が、この発明の出力圧低下手段に相当し、図1のステップS6の制御を実行する機能的手段が、この発明の圧力低下手段に相当する。
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、変速用伝動機構はギヤ対に限られず、ベルトやチェーンを用いた機構、あるいはローラ式伝動機構などであってもよい。さらに、設定可能な固定変速比は機械的直結段を含む前進5段より多くてもよく、あるいは4段以下であってもよく、また後進段を設定するための構成は、後進段用のギヤ対を設けたものであってよい。そのように構成した場合には、いわゆる両振りタイプのポンプモータを用いずに、いわゆる片振りタイプのものであってよい。そして、動力源との間でオーバードライブ機構を構成する回転部材は、前述したカウンタ軸を使用した構成に限られず、要は、動力源との間で増速機構を構成するものであればよい。
この発明に係る変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。 図1に示す変速機における各変速比を設定する際の各ポンプモータおよび各シンクロの動作状態をまとめて示す図表である。 第4速で無負荷の場合と最大トルクが作用している場合とにおける第1遊星歯車機構についての共線図である。 この発明に係る変速機で実行されるエネルギ回生(蓄圧)のための制御例を説明するためのフローチャートである。 図4に示す制御を行った場合の挙動の変化を説明するためのタイムチャートである。 この発明に係る変速機で実行されるエネルギ回生(蓄圧)のための他の制御例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…動力源、 2…入力部材、 3…第1遊星歯車機構、 4…第2遊星歯車機構、 5…カウンタ軸、 6…第1ドリブンギヤ、 8…第1カウンタギヤ、 14…第1ポンプモータ、 15…第2ポンプモータ、 18…出力軸、 22…第1速用ギヤ対、 20…第2速用ギヤ対、 21…第3速用ギヤ対、 19…第4速用ギヤ対、 24…発進用シンクロ、 25…第1シンクロ、 26…第2シンクロ、 27…リバースシンクロ、 28…直結用シンクロ、 29…一方向クラッチ、 38,39…電磁リリーフ弁、 40…電子制御装置、 41…アキュムレータ、 42…切替弁、 43…逆止弁。

Claims (6)

  1. 動力源が出力した動力を動力分割機構によって変速用伝動機構と可変容量型の流体圧ポンプとに分割して伝達し、その流体圧ポンプで発生した圧力流体によって可変容量型の流体圧モータを駆動し、その流体圧モータが出力する動力を前記変速用伝動機構に伝達することにより動力源から伝達された動力と前記流体圧モータから伝達された動力とを合成して出力部材から出力する可変容量型ポンプモータ式変速機において、
    前記動力源と前記出力部材とを選択的に直結する直結伝動経路と、
    その直結伝動経路に介装され、前記動力源から前記出力部材に向けた動力の伝達が可能でかつ前記出力部材から前記動力源に向けた動力の伝達が不可能な一方向クラッチと、
    前記出力部材を前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータとのいずれかにトルク伝達可能に選択的に直結させる伝動機構と、
    その伝動機構を介して前記出力部材から伝達されるトルクによって前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている際に、その流体圧ポンプもしくは流体圧モータから吐出される圧力流体を蓄える蓄圧器と
    を備えていることを特徴とする可変容量型ポンプモータ式変速機。
  2. 前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータを駆動して前記蓄圧器に蓄圧を開始する際に、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータの押出容積を予め定めた所定値以下に設定し、その後、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている状態でその押出容積を次第に増大させる押出容積制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ポンプモータ式変速機。
  3. 前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータから前記蓄圧器に前記圧力流体を流通させる流路に接続され、かつ排出圧力の可変な排圧弁と、
    前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータを駆動して前記蓄圧器に蓄圧を開始する際に、前記排圧弁の排出圧力を予め定めた所定値以下に設定し、その後、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されている状態で前記排圧弁の排出圧力を次第に増大させる圧力制御手段と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ポンプモータ式変速機。
  4. 前記一方向クラッチが解放状態で、かつ前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されて蓄圧を行っている状態から前記一方向クラッチが係合して前記動力源から前記出力部材に動力が伝達される状態に切り替わる際に、前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータの押出容積を低下させる出力圧低下手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変容量型ポンプモータ式変速機。
  5. 前記一方向クラッチが解放状態で、かつ前記出力部材から伝達される動力により前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータが駆動されて蓄圧を行っている状態から前記一方向クラッチが係合して前記動力源から前記出力部材に動力が伝達される状態に切り替わる際に、前記排圧弁の排出圧力を低下させる圧力低下手段を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ポンプモータ式変速機。
  6. 前記蓄圧器と該蓄圧器に蓄える圧力流体を発生する前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータとの間に設けられ、かつ前記流体圧ポンプもしくは流体圧モータから前記蓄圧器に向けた前記圧力流体が流れる場合に開く逆止弁を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の可変容量型ポンプモータ式変速機。
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