JP2008051150A - 変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプモータの押出容積の制御にフェールが生じた場合に設定できる変速比の幅を広くして可及的に通常時に近い走行を確保する変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】各動力伝達経路を介して伝達されるトルクを押出容積に応じて変化させるように各動力伝達経路毎に設けられ、かつ圧力流体を相互に授受可能に連通されたポンプモータと、各ポンプモータの押出容積を最大および最小ならびにその中間の容積のいずれかに設定して変速比を設定する変速比設定手段とを備え、各ポンプモータは、その押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合にその押出容積が増大するように構成され、かつ前記フェールが生じた場合に、一方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比と他方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比との差を、通常時より大きくする。
【選択図】図4

Description

この発明は、動力の伝達状態を可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積に応じて変更できる少なくとも二つの動力伝達経路を備え、それらの押出容積を最大と最小、ならびにその中間の値に設定することにより適宜に変速することのできる変速機の制御装置に関するものである。
変速機は、入力部材と出力部材との間に、複数の動力伝達経路を選択的に形成し、各動力伝達経路での増減速比を異ならせることにより、入力部材と出力部材との回転数比である変速比を複数の変速比に設定するように構成された動力伝達装置である。この種の変速機が車両に搭載されていることは周知の通りであり、車両用の変速機としては、設定可能な変速比の数が多いこと、小型軽量であること、動力の伝達効率が高いことなどが要求される。そこで例えば特許文献1には、7段以上の変速段を設定でき、しかも小型化を図ることのできる変速機が記載されている。
この特許文献1に記載された変速機は、いわゆるツインクラッチ式の有段変速機であり、第1クラッチを介してエンジンに連結される第1入力軸と、第2クラッチを介してエンジンに連結される第2入力軸と、出力軸と、第1入力軸にギヤ対を介して連結されている副軸と、第1入力軸と副軸との間に設けられるとともに噛み合いクラッチ機構によって選択的に連結状態とする複数のギヤ対と、第2入力軸と出力軸との間に設けられるとともに噛み合いクラッチ機構によって選択的に連結状態とされる複数のギヤ対とを有している。そして、この変速機は、いずれかの入力軸から所定のギヤ対を介して出力軸にトルクを伝達する変速段と、いずれかの入力軸から所定のギヤ対および副軸を介して出力軸にトルクを伝達する変速段とを設定するように構成され、その結果、後進段を含めて7段以上の変速段を設定するように構成されている。
また、無段変速機の変速比を制御する変速サーボユニットとその変速サーボユニットを制御する変速制御ソレノイドバルブユニットとを備え、その変速制御ソレノイドバルブユニットに作動不良が生じた場合に、変速サーボユニットを所定位置に固定して所定の減速比に設定するように構成した変速制御装置が、特許文献2に記載されている。
さらに、特許文献3には、変速制御のための油圧サーボシリンダを動作させるソレノイドバルブに作動不良が生じた場合に、その油圧サーボシリンダにオリフィスを介して油圧を給排する油路を設けておき、その油路を介して油圧を給排することにより油圧サーボシリンダを一方向にゆっくり動作させ、所定の変速比を設定するように構成した制御装置が記載されている。
特開2003−120764号公報 特開平4−370469号公報 特開平1−105065号公報
上記の特許文献1に記載されている変速機では、設定可能な変速段数が多いことにより、エンジンを燃費のよい状態で運転でき、また副軸を効果的に利用するように構成されているので、変速機が全体として小型軽量化され、その結果、車両の燃費を向上させることができる。
しかしながら、動力の伝達経路を設定し、また変更するために用いられている前記第1クラッチおよび第2クラッチは、変速過渡時の慣性力を吸収するべく油圧式の摩擦クラッチによって構成されており、そのために、エネルギー効率や変速応答性の点で改善すべき余地があった。すなわち、油圧式の摩擦クラッチは、油圧によって摩擦板を押圧することにより係合するから、所定の変速段を設定して走行している定常的な状態であっても、クラッチを係合させるための油圧を発生させる必要があり、そのための動力を常時消費することになる。
また、トルクの伝達に関与していないクラッチはいわゆる解放状態に制御されるが、摩擦板の相対回転による引き摺りトルクが生じ、それに伴う摩擦によって動力損失が生じる。また、その際に熱が生じるので、冷却のために常時潤滑油を供給する必要があり、その潤滑のために動力を消費するから、動力損失が増える可能性がある。
さらに、解放状態のクラッチを係合させる場合、摩擦板同士の間のクリアランスが詰まった後、摩擦板同士が実質的に係合してトルクを伝達する。したがってそのクリアランスが詰まるまでの時間が遅れ時間となる。特に、特許文献1に記載された変速機では、一方のクラッチの解放と他方のクラッチの係合とを協調して進行させるいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速となるので、各クラッチ相互の状況に応じて係合もしくは解放を進行させることになり、そのために複雑な制御が余儀なくされるのみならず、変速応答性が必ずしも良好ではない。
また、特許文献2あるいは3に記載された制御装置は、変速比を制御する油圧サーボ機構にいわゆるフェールセーフ機構を設けた構成であり、そのために変速比の制御機構が複雑化する可能性があり、さらに特許文献3に記載された構成では、フェールの発生によって変速比が大きく変化する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、全体としてのエネルギー効率が良好で、しかも変速比を制御する機構にフェールが生じた場合であって走行性能を可及的に確保することができ、さらには構成の簡単な変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源から出力部材に到る少なくとも二つの動力伝達経路のそれぞれに、複数の変速比を選択的に設定する伝動機構が設けられている変速機の制御装置において、前記各動力伝達経路を介して伝達されるトルクを押出容積に応じて変化させるように各動力伝達経路毎に設けられ、かつ圧力流体を相互に授受可能に連通された可変容量型流体圧ポンプモータと、各可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積を最大および最小ならびにその中間の容積のいずれかに設定して変速比を設定する変速比設定手段とを備え、前記各可変容量型流体圧ポンプモータは、その押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合にその押出容積が増大するように構成され、かつ前記フェールが生じた場合に、各動力伝達経路における伝動機構をトルク伝達可能な状態とするとともに一方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比と他方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比との差が、前記フェールが生じていない場合の差より大きくなるようにトルク伝達する伝動機構を選択する変速比選択手段が設けられているものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記各可変容量型流体圧ポンプモータは、その押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合にその押出容積が最大になるように構成されていることを特徴とする変速機の制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記変速比選択手段は、前記フェールが生じている一方の可変容量型流体圧ポンプモータによってトルクが制御される動力伝達経路での変速比が相対的に大きい変速比となるようにその動力伝達経路における伝動機構を選択し、かつ他方の動力伝達経路での変速比が相対的に小さい変速比となるように該他方の動力伝達経路における伝動機構を選択する手段を含むことを特徴とする変速機の制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記フェールが生じている状態で前記出力部材の回転が止まる際に前記各可変容量型流体圧ポンプモータの吐出側の圧力を低下させるリリーフ手段を更に備えていることを特徴とする変速機の制御装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記リリーフ手段は、前記各可変容量型流体圧ポンプモータを連通している回路の圧力を制限するリリーフ弁を含むことを特徴とする変速機の制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記各動力伝達経路は、前記動力源からトルクが伝達される入力要素および前記可変容量型流体圧ポンプモータが連結された反力要素ならびに前記出力部材に対してトルクを出力する出力要素を有する差動機構とを備え、前記伝動機構は、前記出力要素と前記出力部材との間に設けられていることを特徴とする変速機の制御装置である。
請求項1あるいは2の発明によれば、各動力伝達経路での伝達トルクが、それぞれに設けられている可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積に応じて変化するので、一方の動力伝達経路で伝達されるトルクをゼロとしかつ他方の動力伝達経路のみで動力を伝達するようにすれば、該他方の動力伝達経路で決まる変速比が設定され、あるいは各押出容積を共に最大にし、もしくは最大と最小との中間の値にすることにより、その押出容積の状態に応じた変速比が設定される。これに加えて、各可変容量型流体圧ポンプモータ同士が圧力流体を相互に授受できるように連通されているので、いずれか一方の可変容量型流体圧ポンプモータをポンプとして機能させることにより、該一方の可変容量型流体圧ポンプモータが設けられている動力伝達経路を介していわゆる機械的に出力部材にトルクが伝達されるとともに、他方の可変容量型流体圧ポンプモータがモータとして機能して他方の動力伝達経路を介して出力部材にトルクが伝達される。すなわち、流体を介した動力伝達が並行して生じ、しかも流体を介して伝達されるトルクは連続的に変化させることができるので、変速機の全体としてはいわゆる無段変速となる。
そして、押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合、その押出容積が増大し、あるいは最大になる。したがって、フェールが生じた時点に、押出容積が既に最大になっていれば、変速比は変化しない。また、フェールが生じた時点の押出容積が最小であったり、あるいは中間の値であった場合には、これを増大させた押出容積、および制御可能な他方の押出容積で決まる変速比が設定される。こうして設定される変速比は、各動力伝達経路でのいわゆる機械的伝動で決まる変速比によって制約され、最大変速比や最小変速比にまで大きく変化するものではないので、フェールに起因する変速比の変化を抑制することができる。
さらに、このようなフェールが生じた状態で、各動力伝達経路の変速比同士の差が、フェールの生じていない通常時での差より大きく設定される。その結果、制御可能な押出容積を最小にした状態での変速機の全体としての変速比と、制御可能な押出容積を最大にした状態での変速機の全体としての変速比とのいわゆる変速比幅が大きくなる。言い換えれば、フェールが生じている状態で設定できる最大変速比と最小変速比との間隔が、通常時に一方の押出容積を最大にした状態で他方の押出容積を最小から最大にまで変化させて設定できる変速比の幅より広くなる。そのため、前記フェールが生じても走行性能を、可及的に通常時の走行性能に近づけて、良好な走行性能を得ることができる。また、このような変速比の制御は、新たな機器を追加することなく実行できるので、いわゆるフェールセーフのための構成を簡素化することができる。
請求項3の発明によれば、制御可能な他方の可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積を最小にすれば、変速機の全体としての変速比が大きくなり、その状態から該他方の可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積を次第に増大させると、変速機の全体としての変速比が次第に小さくなる。したがって、前記フェールが生じた状態で一旦停止した後の発進時に十分な駆動トルクを得ることができ、またある程度の中高速での走行が可能になる。
請求項4あるいは5の発明によれば、前記フェールが生じて押出容積が最大に制御されても、出力部材の回転が止まる場合、すなわち変速機を搭載した車両が停止する場合には、可変容量型流体圧ポンプモータの吐出圧が低下させられ、可変容量型流体圧ポンプモータによるトルクが低下させられるので、動力源を回転させておくことができる。すなわち、動力源のストールを、簡単な構成で回避できる。
請求項6の発明によれば、請求項1ないし5の発明による効果と同様の効果を得ることができ、また各可変容量型流体圧ポンプモータが反力を生じる機構として機能するので、その容量が小さくてよく、したがって変速機を小型化することが可能になる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする変速機について説明すると、この発明で対象とする変速機は、少なくとも二つの動力伝達経路を備えており、それら両方の動力伝達経路を介して、動力源から出力部材にトルクを伝達できるように構成され、その結果、動力源と出力部材との回転数の比である変速比を連続的に変化させることのできる変速機である。より具体的には、各動力伝達経路は、ポンプおよびモータの機能を有する可変容量型流体圧ポンプモータを備えており、その押出容積に応じたトルクを伝達するように構成され、さらにそれぞれの可変容量型流体圧ポンプモータが圧力流体を相互に授受できるように連通されている。したがって、一方の可変容量型流体圧ポンプモータがポンプとして機能することにより、その押出容積に応じたトルクが動力源から出力部材に伝達され、同時に、一方の可変容量型流体圧ポンプモータから他方の可変容量型流体圧ポンプモータに圧力流体が供給されて他方の可変容量型流体圧ポンプモータがモータとして機能する。すなわち、圧力流体を介した動力伝達が、並行して生じる。そのトルクが他方の動力伝達経路を介して出力部材に伝達される。その結果、出力部材に伝達されるトルクは、各動力伝達経路を介して伝達されるトルクを合算したトルクとなり、しかも圧力流体を介して伝達されるトルクは、各押出容積に応じて変化するので、結局は、変速比が連続的に変化することになる。
各動力伝達経路は、それぞれ変速比(もしくは回転数比)の異なるギヤ対や巻き掛け伝動機構などの伝動機構を備えることができ、一方の動力伝達経路のみを介して出力部材にトルクを伝達する場合には、変速機の全体としての変速比は、その動力伝達経路における伝動機構の変速比で決まる。このようにして決まる変速比を仮に固定変速比と称すると、固定変速比を設定している状態では、圧力流体を介した動力の伝達が生じないので、動力の損失が生じにくく、効率のよい伝動状態となる。なお、いずれかの伝動機構のみをトルク伝達に関与させるようにするために、クラッチ機構などの切換機構を各伝動機構に含ませることが好ましく、あるいは動力源もしくは出力部材と伝動機構との間に切換機構を設けることが好ましい。
この発明で対象とする変速機は、圧力流体を介して動力を伝達するように構成されているので、ハイドロスタティックトランスミッション(HST)として構成した変速機であってもよいが、上述したように機械的な動力伝達によって変速比を設定する機能を兼ね備えたハイドロスタティック・メカニカル・トランスミッション(HMT)として構成されたものであることが好ましい。そのメカニカルトランスミッションの部分は、必要に応じて適宜の構成とすることができ、常時噛み合っているギヤ対をクラッチ機構もしくは同期連結機構などの切換機構によって選択する構成の機構や、複数の遊星歯車機構もしくは複合遊星歯車機構によって複数の変速比を設定できる構成などを採用することができる。また、可変容量型流体圧ポンプモータは、動力源と出力部材との間に直列に介在させる構成以外に、反力手段として可変容量型流体圧ポンプモータを用いる構成とすることもできる。
つぎに、差動機構を動力分配機構として使用するとともに、伝動機構として複数のギヤ対を使用し、したがって可変容量型流体圧ポンプモータが反力機構となっている具体例を説明する。図1に示す例は、車両用の変速機として構成した例であり、流体を介さずにトルクを伝達して設定できるいわゆる固定変速比として五つの前進段および一つの後進段を設定するように構成した例である。すなわち、動力源(E/G)1に入力部材2が連結されており、この入力部材2からこの発明における差動機構に相当する第1遊星歯車機構3および第2遊星歯車機構4にトルクを伝達するように構成されている。
その動力源1は、内燃機関や電気モータあるいはこれらを組み合わせた構成など、車両に使用されている一般的な動力源であってよい。また、この動力源1と入力部材2との間にダンパーやクラッチ、トルクコンバータなどの適宜の伝動手段を介在させてもよい。
第1遊星歯車機構3が入力部材2と同一軸線上に配置され、第2遊星歯車機構4が第1遊星歯車機構3の半径方向で外側に離隔し、それぞれの中心軸線を平行にした状態で並列に配置されている。これらの遊星歯車機構3,4はこの発明の差動機構に相当し、シングルピニオン型やダブルピニオン型などの適宜の形式の遊星歯車機構を用いることができる。図1に示す例はシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成した例であり、外歯歯車であるサンギヤ3S,4Sと、そのサンギヤ3S,4Sと同心円状に配置された、内歯歯車であるリングギヤ3R,4Rと、これらサンギヤ3S,4Sとリングギヤ3R,4Rとに噛み合っているピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に保持したキャリヤ3C,4Cとを備えている。そして、第1遊星歯車機構3におけるリングギヤ3Rに前記入力部材2が連結され、このリングギヤ3Rが入力要素となっている。
また、入力部材2にはカウンタドライブギヤ5が取り付けられており、このカウンタドライブギヤ5にアイドルギヤ6が噛み合っているとともに、そのアイドルギヤ6にカウンタドリブンギヤ7が噛み合っている。このカウンタドリブンギヤ7は、前記第2遊星歯車機構4と同一軸線上に配置され、かつ第2遊星歯車機構4のリングギヤ4Rに、一体となって回転するように連結されている。したがって、第2遊星歯車機構4においては、そのリングギヤ4Rが入力要素となっている。各遊星歯車機構3,4の入力要素であるリングギヤ3R,4Rは、カウンタギヤ対がアイドルギヤ6を備えた構成であるから、同方向に回転するようになっている。
第1遊星歯車機構3におけるキャリヤ3Cは出力要素となっており、そのキャリヤ3Cに回転軸としての第1中間軸8が、一体になって回転するように連結されている。この第1中間軸8は中空軸であって、その内部をモータ軸9が回転自在に挿入されており、このモータ軸9の一端部が、第1遊星歯車機構3における反力要素であるサンギヤ3Sに、一体となって回転するように連結されている。
第2遊星歯車機構4も同様な構成であって、そのキャリヤ4Cが出力要素となっており、そのキャリヤ4Cに他の回転軸としての第2中間軸10が、一体になって回転するように連結されている。この第2中間軸10は中空軸であって、その内部をモータ軸11が回転自在に挿入されており、このモータ軸11の一端部が、第2遊星歯車機構4における反力要素であるサンギヤ4Sに、一体となって回転するように連結されている。
上記のモータ軸9の他方の端部が可変容量型ポンプモータ12の出力軸に連結されている。この可変容量型ポンプモータ12は、斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量を変更可能な流体圧(油圧)ポンプであって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出ポートもしくは吸入ポートから圧力流体を供給することにより、モータとして機能するようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ12を以下の説明では、第1ポンプモータ12と記し、図にはPM1と表示する。
この第1ポンプモータ12には、その押出容積を制御するための容量変更機構が設けられている。この容量変更機構は、斜軸もしくは斜板の傾斜角度を変更し、あるいはラジアルピストンポンプにおけるロータの相対的な偏心量を変更する機能を備えた機構であり、例えばデューティー比に応じた油圧を吐出するソレノイドバルブ(以下、仮に第1ソレノイドバルブと記す)12Aを主体として構成されている。また、容量変更機構は、それ自体がフェールし、あるいは断線などの制御信号系統にフェールが生じるなど、押出容積を任意に制御できない状態が生じた場合に、押出容積が最大となるように構成されている。これは、例えば前記第1ソレノイドバルブ12Aを、断線などのいわゆるOFFフェールした場合に制御油圧を出力しないノーマリークローズ(N/C)タイプの構成としておき、フェール時に制御力が生じないことにより、第1ポンプモータ12における機械的な力で押出容積が最大になるように構成したものである。
また、モータ軸11の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ13の出力軸に連結されている。この可変容量型ポンプモータ13は、前記モータ軸9側の第1ポンプモータ12と同様の構成のものであり、したがって斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量を変更可能な流体圧(油圧)ポンプを採用することができる。なお、この可変容量型ポンプモータ13を以下の説明では、第2ポンプモータ13と記し、図にはPM2と表示する。
この第2ポンプモータ13には、その押出容積を制御するための容量変更機構が設けられている。この容量変更機構は、斜軸もしくは斜板の傾斜角度を変更し、あるいはラジアルピストンポンプにおけるロータの相対的な偏心量を変更する機能を備えた機構であり、例えばデューティー比に応じた油圧を吐出するソレノイドバルブ(以下、仮に第2ソレノイドバルブと記す)13Aを主体として構成されている。また、容量変更機構は、それ自体がフェールし、あるいは断線などの制御信号系統にフェールが生じるなど、押出容積を任意に制御できない状態が生じた場合に、押出容積が最大となるように構成されている。これは、例えば前記第2ソレノイドバルブ13Aを、断線などのいわゆるOFFフェールした場合に制御油圧を出力しないノーマリークローズ(N/C)タイプの構成としておき、フェール時に制御力が生じないことにより、第2ポンプモータ13における機械的な力で押出容積が最大になるように構成したものである。
各ポンプモータ12,13は、圧力流体である圧油を相互に受け渡すことができるように、油路14,15によって連通されている。すなわち、それぞれの吸入ポート12S,13S同士が油路14によって連通され、また吐出ポート12D,13D同士が油路15によって連通されている。したがって各油路14,15によって閉回路が形成されている。この閉回路での油圧制御のための機構については後述する。
上記の各中間軸8,10と平行に、この発明の出力部材に相当する出力軸16が配置されている。そして、この出力軸16と各中間軸8,10との間のそれぞれに、所定の変速比を設定する伝動機構が設けられている。この発明における伝動機構としては、固定された回転数比(変速比)で動力を伝達する機構に限らず、変速比が可変な機構を採用することができ、図1に示す例では、固定された変速比で動力を伝達する複数のギヤ対17,18,19,20,21が採用されている。
具体的に説明すると、前記第1中間軸8には、第1遊星歯車機構3側から順に、第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとが配置されており、第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとは第1中間軸8に対して回転自在に嵌合している。その第4速駆動ギヤ17Aに噛み合っている第4速従動ギヤ17Bと、第2速駆動ギヤ18Aに噛み合っている第2速従動ギヤ18Bとが、出力軸16に一体回転するように取り付けられている。
さらに、上記の第4速従動ギヤ17Bに噛み合っている第3速駆動ギヤ19Aと、第2速従動ギヤ18Bに噛み合っている第1速駆動ギヤ20Aとが、第2中間軸10に回転自在に嵌合させられている。したがって、第4速従動ギヤ17Bが第3速従動ギヤを兼ねており、また第2速従動ギヤ18Bが第1速従動ギヤを兼ねている。これらの第3速駆動ギヤ19Aおよび第1速駆動ギヤ20Aは、第2遊星歯車機構4側からここに挙げた順に配置されている。その第1速駆動ギヤ20Aに隣接して第5速駆動ギヤ21Aが配置されており、この第5速駆動ギヤ21Aは第2中間軸10に回転自在に嵌合して支持されている。そして、この第5速駆動ギヤ21Aに噛み合っている第5速従動ギヤ21Bが出力軸16に一体となって回転するように取り付けられている。ここで、各ギヤ対17,18,19,20,21の回転数比もしくは変速比(それぞれの駆動ギヤの歯数に対する従動ギヤの歯数の比)について説明すると、その回転数比は、第1速用ギヤ対20、第2速用ギヤ対18、第3速用ギヤ対19、第4速用ギヤ対17、第5速用ギヤ対21の順に小さくなるように構成されている。
さらに、発進用ギヤ対22が設けられている。この発進用ギヤ対22は、第1速もしくは第3速あるいは第5速用のギヤ対20,19,21と併せて出力軸16に動力を伝達することにより、発進時の駆動力を必要十分に大きくし、またフェール時に所定の変速比を設定するためのものであって、前記第1ポンプモータ12側のモータ軸9に回転自在に嵌合させられて支持された発進駆動ギヤ22Aと、出力軸16に一体となって回転するように取り付けられた発進従動ギヤ22Bとを備えている。
上述した各ギヤ対17,18,19,20,21,22を、いずれかの中間軸8,10と出力軸16との間でトルク伝達可能な状態とするための切換機構が設けられている。この切換機構は、要は、選択的にトルクを伝達する連結機構であって、従来知られているドグクラッチ機構や同期連結機構(シンクロナイザー)などの機構を採用することができ、図1にはシンクロナイザーを採用した例を示してある。
シンクロナイザーは、基本的には、回転軸と共に回転するスリーブと、その回転軸に対して相対回転する他の回転部材に設けられたスプラインと、前記スリーブに押されて他の回転部材側に移動するシンクロナイザーリングとを有している。そして、スリーブを他の回転部材のスプライン側に移動させる過程でシンクロナイザーリングが回転部材に次第に摩擦接触することにより回転軸と回転部材とを同期させ、その状態でスリーブがスプラインに係合することにより、回転軸と回転部材とを連結するように構成されている。前記第1遊星歯車機構3に連結されているモータ軸9上で、発進駆動ギヤ22Aに隣接する位置に第1のシンクロナイザー(以下、第1シンクロと記す)23が設けられている。この第1シンクロ23は、そのスリーブを図1の左側に移動させることにより係合状態となって、発進駆動ギヤ22Aをモータ軸9に連結し、発進用ギヤ対22がモータ軸9と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、第1シンクロ23は、そのスリーブを図1の右側に移動させることにより解放状態となって、発進駆動ギヤ22Bとモータ軸9との連結を解くように構成されている。
また、前記第2中間軸10上で、第3速駆動ギヤ19Aと第1速駆動ギヤ20Aとの間に第2のシンクロナイザー(以下、第2シンクロと記す)24が設けられている。この第2シンクロ24は、そのスリーブを図1の左側に移動させることにより係合状態となって、第1速駆動ギヤ20Aを第2中間軸10に連結し、第1速用ギヤ対20が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図1の右側に移動させることにより他の係合状態となって、第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結し、第3速用ギヤ対19が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。そして、スリーブを中央に位置させることにより解放状態となって、第3速駆動ギヤ19Aおよび第1速駆動ギヤ20Aと第2中間軸10との連結を解くように構成されている。
さらに、前記第1中間軸8上で、第2速駆動ギヤ18Aと第4速駆動ギヤ17Aとの間に第3のシンクロナイザー(以下、第3シンクロと記す)25が設けられている。この第3シンクロ25は、そのスリーブを図1の左側に移動させることにより係合状態となって、第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結し、第2速用ギヤ対18が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図1の右側に移動させることにより他の係合状態となって、第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結し、第4速用ギヤ対17が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。そして、第3シンクロ25は、そのスリーブを中央に位置させることにより解放状態となって、第2速駆動ギヤ18Aおよび第4速駆動ギヤ17Aと第1中間軸8との連結を解くように構成されている。
またさらに、第2中間軸10の軸端側で第5速駆動ギヤ21Aに隣接する位置に第4のシンクロナイザー(以下、第4シンクロと記す)26が設けられている。この第4シンクロ26は、そのスリーブを図1の右側に移動させることにより係合状態となって、第2中間軸10に対して第5速駆動ギヤ21Aを連結するように構成されている。この第4シンクロ26に対して図1の左側には、モータ軸11に一体に取り付けたハブが設けられており、したがって第4シンクロ26は、そのスリーブを図1の左側に移動させることにより他の係合状態となって第2中間軸10とモータ軸11、すなわち第2遊星歯車機構4におけるサンギヤ4Sとキャリヤ4Cとを連結して、第2遊星歯車機構4の全体を一体回転させるように構成されている。
上記の各シンクロ23,24,25,26は、手動操作によって切り替え動作するように構成することができるが、これに替えていわゆる自動制御するように構成することもできる。その場合は、例えば前述したスリーブを軸線方向に移動させる適宜のアクチュエータ(図示せず)を設け、そのアクチュエータを電気的に制御するように構成すればよい。
上述したように、図1に示す変速機は、動力源1が出力したトルクが、いずれかの中間軸8,10もしくはモータ軸9,11を介して出力軸16に伝達されるように構成されている。そして、その出力軸16には、歯車機構あるいはチェーンなどの巻き掛け伝動機構などの伝動手段29を介してデファレンシャル30が連結され、ここから左右の車軸31に動力を出力するようになっている。
つぎに、上記の各ポンプモータ12,13を制御するための流体圧回路(油圧回路)について説明する。各ポンプモータ12,13を連通させている前記閉回路14,15には流体(具体的にはオイル)を補給するためのチャージポンプ(ブーストポンプと称されることもある)36が設けられている。このチャージポンプ36は、上記の閉回路からの漏れなどによるオイルの不足を補うためのものであって、前述した動力源1や図示しないモータなどによって駆動されて、オイルパン37からオイルを汲み上げて閉回路に供給するようになっている。
そのチャージポンプ36の吐出口は、前記閉回路における油路14と油路15とにそれぞれチェック弁38,39を介して連通されている。なお、これらのチェック弁38,39は、チャージポンプ36からの吐出方向に開き、これとは反対方向に閉じるように構成されている。さらに、チャージポンプ36の吐出圧を調整するための調圧弁(リリーフ弁)40が、チャージポンプ36の吐出口に連通されている。このリリーフ弁40は、スプリングによる弾性力とソレノイドバルブ(以下、仮に第5ソレノイドバルブと記す)40Aの出力圧による押圧力との和より高い圧力(設定圧以上の圧力)が作用した場合に開いてオイルをオイルパン37に排出するように構成されており、したがってチャージポンプ36の吐出圧をパイロット圧に応じた圧力に設定するように構成されている。
さらに、第1ポンプモータ12の吸入ポート12Sと油路15との間に、調圧弁(リリーフ弁)41が設けられている。言い換えれば、第1ポンプモータ12と並列に、各油路14,15を連通させるようにリリーフ弁41が設けられている。このリリーフ弁41は、第1ポンプモータ12の吸入ポート12S、または第2ポンプモータ13の吸入ポート13Sから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。すなわち、リリーフ弁41は、ソレノイドバルブ(以下、仮に第3ソレノイドバルブと記す)41Aの出力圧によって調圧値を設定するように構成されており、いずれかの吸入ポート12S,13Sからの吐出圧がその調圧値以上(設定圧以上)の場合には、リリーフ弁41が開いて排圧することにより、吐出圧を調圧値以下に維持するようになっている。
また、第2ポンプモータ13の吐出ポート13Dと油路14との間に、調圧弁(リリーフ弁)42が設けられている。言い換えれば、第2ポンプモータ13と並列に、各油路14,15を連通させるようにリリーフ弁42が設けられている。このリリーフ弁42は、第2ポンプモータ13の吐出ポート13D、または第1ポンプモータ12の吐出ポート12Dから圧油を吐出する場合に、その吐出圧を予め設定した圧力に維持するように構成されている。すなわち、リリーフ弁42は、ソレノイドバルブ(以下、仮に第4ソレノイドバルブと記す)42Aの出力圧によって調圧値を設定するように構成されており、いずれかの吐出ポート12D,13Dからの吐出圧がその調圧値以上の場合には、リリーフ弁42が開いて排圧することにより、吐出圧を調圧値以下に維持するようになっている。
上記の各ポンプモータ12,13の押出容積や各シンクロ23,24,25,26を電気的に制御できるように構成されており、そのための電子制御装置(ECU)43が設けられている。この電子制御装置43は、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、所定の回転部材の回転数や他の検出信号が入力され、それらの入力された信号および予め記憶している情報ならびにプログラムに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて指令信号を出力するように構成されている。
上記の変速機は、エンジン1の動力を出力軸16に伝達する動力伝達経路として、第1ポンプモータ12によって反力が与えられる第1遊星歯車機構3および第4速用ギヤ対17もしくは第2速用ギヤ対18を介して出力軸16に動力を伝達する経路と、第2ポンプモータ13によって反力が与えられる第2遊星歯車機構4および第3速用ギヤ対19もしくは第1速用ギヤ対20あるいは第5速用ギヤ対21を介して出力軸16に動力を伝達する経路との二つの経路を備えている。そして、それぞれの動力伝達経路を介して伝達されるトルクは、それぞれに設けられているポンプモータ12,13の押出容積に応じて変化するようになっている。そして、そのトルクTは、各押出容積をq1,q2とし、かつ油路14,15の圧力差をPとすると、
T=(q1+q2)・P/2π
で表される。
つぎに、上述した変速機の作用について説明する。図2は、各変速段を設定する際の各ポンプモータ(PM1,PM2)12,13、および各シンクロ23,24,25,26の動作状態をまとめて示す図表であって、この図2における各ポンプモータ12,13についての「OFF」は、ポンプ容量を最小もしくは実質的にゼロとし、その出力軸が回転させられても圧油を発生することがなく、また油圧が供給されても出力軸が回転しない状態(フリー状態もしくは空転状態)を示し、「LOCK」はそのロータの回転が止まっている状態を示している。さらに「油圧発生」は、ポンプ容量を実質的なゼロより大きくするとともに圧油を吐出している状態を示し、したがって該当するポンプモータ12,13はポンプとして機能している。また、「油圧回収」は、一方のポンプモータ13(もしくは12)が吐出した圧油が供給されてモータとして機能している状態を示し、したがって該当するポンプモータ12(もしくは13)は軸トルクを発生し、対応するモータ軸9,11および中間軸8,10に駆動トルクを伝達している。
そして、各シンクロ23,24,25,26についての「右」、「左」は、それぞれのシンクロ23,24,25,26におけるスリーブの図1での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「○」は該当するシンクロ23,24,25,26をOFF状態(中立位置)に設定することによりポンプモータ12,13の引き摺りを低減している状態、「ー」は該当するシンクロ23,24,25,26をOFF状態(中立位置)に設定して中立状態となっていることを示す。
ニュートラルポジションが選択されてニュートラル(N)状態を設定する際には、各ポンプモータ12,13が「OFF」状態とされ、また各シンクロ23,24,25,26のスリーブが中央位置に設定される。したがって、いずれのギヤ対17,18,19,20,21,22も出力軸16に連結されていないニュートラル状態となる。すなわち、各ポンプモータ12,13が、押出容積(ポンプ容量)が実質的にゼロとなるように制御される。その結果、いわゆる空回り状態となるので、各遊星歯車機構3,4のリングギヤ3R,4Rに動力源1からトルクが伝達されても、サンギヤ3S,4Sに反力が作用しない。そのため、出力要素であるキャリヤ3C,4Cに連結されている各中間軸8,10にはトルクが伝達されない。
シフトポジションがドライブポジションなどの走行ポジションに切り替えられると、第1シンクロ23のスリーブが図1の左側に移動させられるとともに第2シンクロ24のスリーブが、図1の左側に移動させられる。したがって、発進駆動ギヤ22Aがモータ軸9に連結されて第1ポンプモータ12と出力軸16とが連結され、また第1速駆動ギヤ20Aが第2中間軸10に連結されて第2遊星歯車機構4の出力要素であるキャリヤ4Cと出力軸16とが連結される。すなわち、固定変速比である第1速を設定する状態となる。また、これと併せて各ポンプモータ12,13の押出容積がゼロより大きい容積に制御される。
したがって、第2ポンプモータ13は前記第2遊星歯車機構4によって分配された動力源1の動力によって駆動されてポンプとして機能するので、第2ポンプモータ13は、油圧を発生させることに伴う反力トルクをモータ軸11およびサンギヤ4Sに与える。これを図2には「油圧発生」と記載してある。そのため、第2遊星歯車機構4の差動作用によってキャリヤ4Cにトルクが伝達され、そのトルクが第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。
一方、第2ポンプモータ13で発生した油圧がその吸入ポート13Sから吐出されて第1ポンプモータ12の吸入ポート12Sに供給される。その結果、第1ポンプモータ12がモータとして機能する。これを図2には「油圧回収」と記載してある。このようにして第1ポンプモータ12に伝達される動力が発進用ギヤ対22を介して出力軸16に伝達される。したがって発進から第1速までの駆動状態では、第2遊星歯車機構4を介したいわゆる機械的な動力の伝達と、油圧を介した動力の伝達との両方が生じ、これらの動力を合成した動力が出力軸16に現れる。また、この過程での変速比は、固定変速比である第1速より大きい値となり、その変速比は連続的に、あるいは無段階に変化する。
こうして動力源1の回転数や車速が変化して第1速の変速比になると、第1ポンプモータ12の押出容積がゼロに設定されてOFF状態となり、また第2ポンプモータ13の押出容積が最大に設定され、その結果、実質上、第2ポンプモータ13の回転がロックされる。すなわちモータ軸11およびこれに連結されている第2ポンプモータ13が固定される。その結果、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sが固定され、また第1遊星歯車機構3は出力軸16に対する動力の伝達に関与しなくなるので、動力源1が出力した動力は、第2遊星歯車機構4および第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。すなわち、第1速用ギヤ対20のギヤ比で決まる固定変速比が設定される。なお、この場合、第1ポンプモータ12およびこれに連結されているモータ軸9が空転するので、第1中間軸8にトルクは現れない。なお、この固定変速比である第1速で第1シンクロ23のスリーブを解放状態(図2の〇印)とすれば、第1ポンプモータ12を連れ回さないので、動力損失を防止できる。また、アップシフト待機状態となる。
固定変速比である第1速からアップシフトする場合、第3シンクロ25のスリーブを図1の左側に移動させて第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結しておく。なお、第4シンクロ26は中立状態にしておく。また、第3シンクロ25のスリーブを第2速駆動ギヤ18Aに係合させる場合、第3シンクロ25のスリーブの回転数と第2速駆動ギヤ18Aとの回転数を一致させる同期制御を行う。その同期制御は、前記シンクロ23,24,25,26のスリーブを相手部材に係合させる場合にも同様に行われる。
この状態で、第1ポンプモータ12の押出容積を最大に向けて次第に増大させる。第2速へのアップシフト待機状態では、第1ポンプモータ12は逆回転しているから、その押出容積を次第に増大させることによりポンプとして機能する。すなわち、油圧を発生し(図2に「油圧発生」と記してある)、同時にそれに伴う反力トルクがモータ軸9に現れる。その結果、第1遊星歯車機構3および第2速用ギヤ対18を介した動力の伝達が次第に行われる。また、第1ポンプモータ12で発生した油圧が第2ポンプモータ13に供給されてこれがモータとして機能する(図2に「油圧回収」と記してある)ので、第2ポンプモータ13および第2遊星歯車機構4ならびに第1速用ギヤ対20を介した動力の伝達が生じる。そのため、第1速から第2速への変速の過程での変速比は、第1速の変速比と第2速の変速比との間の値となり、かつ連続的に変化する変速比となる。すなわち、変速比が連続的に変化する無段変速状態となる。これは、上述した発進から第1速の変速比に到るまでの間、および各固定変速比の間でも同様であり、したがって上述した変速機は、無段変速機として機能させることができる。
上述のようにして第1ポンプモータ12の押出容積をほぼ最大にしてその回転が停止し、もしくは停止に近い状態になることにより、モータ軸9が実質的に固定される。また、併せて第2ポンプモータ13がOFF状態に設定される。したがって、第1遊星歯車機構3では、そのサンギヤ3Sが固定されるので、リングギヤ3Rに入力された動力がキャリヤ3Cから中間軸8を経て第2速駆動ギヤ18Aに出力される。一方、第2ポンプモータ13はOFF状態となっており、これと同軸上に配置されている第4シンクロ26および第2シンクロ24はOFF状態であってそのスリーブが中立位置にあるので、第2ポンプモータ13や第2遊星歯車機構4は動力の伝達に関与しない。したがって、第2速用ギヤ対18のギヤ比で決まる固定変速比である第2速が設定される。
以下、同様にして、第3速は第2シンクロ24のスリーブを図1の右側に移動させて第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結する係合状態とし、また第2ポンプモータ13の押出容積を最大にすることにより、第1速の場合と同様に、モータ軸11および第2ポンプモータ13を固定し、さらに他のシンクロ23,26は解放状態にする。したがって、第3速用ギヤ対19を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速比である第3速が設定される。また、第4速は第3シンクロ25のスリーブを図1の右側に移動させて第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結する係合状態とし、また第1ポンプモータ12の押出容積を最大にすることにより、第2速の場合と同様に、モータ軸9および第1ポンプモータ12を固定し、さらに他のシンクロ23,24,26は解放状態にする。したがって、第4速用ギヤ対17を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速比である第4速が設定される。そして、第5速は、第4シンクロ26のスリーブを図1の右側に移動させて第5速駆動ギヤ21Aを第2中間軸10に連結する係合状態とする。また第1速や第3速の場合と同様に、第2ポンプモータ13の押出容積を最大にし、かつ第1ポンプモータ12をOFF状態とすることにより、第2ポンプモータ13およびモータ軸11を固定する。さらに他のシンクロ23,24,25は解放状態にする。したがって、第5速用ギヤ対21を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速比である第5速が設定される。
さらに、後進段について説明すると、シフト装置によってリバースポジションが選択された場合には、第1シンクロ23のスリーブが図1の左側に移動させられ、また第4シンクロ26のスリーブが図1の右側に移動させられ、さらに他のシンクロ24,25はOFF状態に設定される。したがって、第4シンクロ26によって第2中間軸10とモータ軸11とが連結されることにより、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが連結されて第2遊星歯車機構4の全体が実質的に一体化される。また、発進駆動ギヤ22Aがモータ軸9すなわち第1ポンプモータ12のロータに連結される。
したがって、動力源1から第2遊星歯車機構4に伝達された動力がそのまま第2ポンプモータ13に伝達されてこれが駆動され、第2ポンプモータ13によって油圧が発生する。なお、第2シンクロ24がOFF状態であるから、第2遊星歯車機構4あるいは第2中間軸10から出力軸16に動力が伝達されることはない。一方、第1ポンプモータ12の押出容積がゼロより大きい容積、例えば最大容積に制御される。その結果、第2ポンプモータ13から供給された油圧によって第1ポンプモータ12がモータとして機能し、モータ軸9にトルクを出力する。その場合、第1ポンプモータ12にはその吐出ポート12Dから油圧が供給されるので、第1ポンプモータ12が逆回転する。そして、そのトルクが発進用ギヤ対22を介して出力軸16に伝達されるので、後進状態となる。すなわち、後進段では、油圧を介した動力の伝達が生じ、これを図2では、第1ポンプモータ12について「油圧回収」と記し、第2ポンプモータ13について「油圧発生」と記してある。
上記のようにこの発明で対象とする変速機では、いずれかのギヤ対17,〜22をシンクロ23,24,25,26によってトルク伝達可能な状態とし、かつトルク伝達可能なギヤ対に連結される遊星歯車機構3,4に対する反力をいずれかのポンプモータ12,13をロックして最大とすれば、そのギヤ対のギヤ比に応じた固定変速比が設定される。これに対して、固定変速比の間の変速比は、伝達されるトルクが前述した式で表される関係にあるので、一方の押出容積を最大にし、かつ他方の押出容積を最大と最小との中間の値に制御することにより設定することができ、あるいは両方の押出容積を中間の値に制御しても設定することができる。これを線図で示すと、図3のとおりであり、図3の(A)に示す例は、一方の押出容積を最大にして各変速比を設定する例であり、図3の(B)に示す例は、固定変速比以外のいわゆる中間変速比を、各押出容積を共に中間の値に制御して設定する例である。これらの図3の(A)および(B)において、1st〜4thは固定変速比の変速段を示し、★印と数字とで示す位置はいわゆる中間変速比を示す。
一方、この発明で対象とする上記の変速機は、各ポンプモータ12,13の押出容積を制御する機構がフェールした場合、その押出容積が最大になるように構成されている。具体的には、第1もしくは第2のソレノイドバルブ12A,13Aが断線などによって制御できない状態(いわゆるOFFフェールした状態)が生じると、これが閉状態になって押出容積が最大となる。したがって、フェールが生じた時点の変速比あるいは各押出容積の状態によっては、アップシフトやダウンシフトが生じ、あるいは変速が生じない。
これを図3を参照して説明すると、図3の(A)に点P1で示し、あるいは図3の(B)に点P2で示す固定変速比(例えば第3速)が設定されている状態で両方のポンプモータ12,13にフェールが生じた場合、第3シンクロ25のスリーブを図1の右側に移動させて第4速ギヤ対17をトルク伝達可能な状態にしたアップシフト待機状態であれば、★4で示すアップシフト側の変速比への変速が生じる。各押出容積が最大になるからである。これとは反対に第3シンクロ25のスリーブを図1の左側に移動させて第2速ギヤ対18をトルク伝達可能な状態にしたダウンシフト待機状態であれば、★3で示すダウンシフト側の変速比への変速が生じる。第2速ギヤ対18と第3速ギヤ対19との両方を介した機械的伝動と、各ポンプモータ12,13の間での流体伝動を介して動力伝達との両方が生じるからである。このようなフェールに基づくアップシフトあるいはダウンシフトは、OFF状態のポンプモータ13(もしくは12)の押出容積が増大することによって生じ、したがって、上記の点P1あるいは点P2で示す状態で第1ポンプモータ12のみがフェールした場合であっても、同様のアップシフトもしくはダウンシフトが生じる。
また、図3の(A)に点P3で示すいわゆる中間変速比の状態は、第2速ギヤ対18と第3速ギヤ対19とをトルク伝達可能な状態に設定し、第1ポンプモータ12の押出容積q1を最大にし、かつ第2ポンプモータ13の押出容積q2を中間値に設定している状態である。言い換えれば、シンクロの係合・解放状態としては第2速でのアップシフト待機状態とし、その状態で流体伝動を生じさせている状態である。この状態で各ポンプモータ12,13にフェールが生じた場合、および押出容積q2が中間値になっている第2ポンプモータ13にフェールが生じた場合、両方のポンプモータ12,13の押出容積q1,q2が共に最大になるので、★3で示すアップシフト側の変速比への変速が生じる。これに対して第1ポンプモータ12にフェールが生じた場合には、その押出容積q1が既に最大になっているので、変速は生じない。
さらに、図3の(A)に点P4で示すいわゆる中間変速比の状態は、固定変速比である第1速より大きい変速比であり、これは、第1速ギヤ対20とスタートギヤ対22との両方をトルク伝達可能な状態とし、かつ第2ポンプモータ13の押出容積q2を最大に制御するとともに、第1ポンプモータ12の押出容積q1を中間値に制御して設定される。この状態で両方のポンプモータ12,13にフェールが生じた場合、および押出容積q1が中間値になっている第1ポンプモータ12にフェールが生じた場合、両方のポンプモータ12,13の押出容積q1,q2が共に最大になるので、★1で示すダウンシフト側の変速比への変速が生じる。これに対して第2ポンプモータ13にフェールが生じた場合には、その押出容積q2が既に最大になっているので、変速は生じない。
さらに、図3の(B)に点P5で示す変速比が設定されている場合について説明すると、この変速比は各押出容積q1,q2を共に中間値に制御して設定されている。したがって、各ポンプモータ12,13にフェールが生じると、両方の押出容積q1,q2が最大になるので、第1速と第2速との中間の変速比である★2で示す変速比へのダウンシフトが生じる。また、第1ポンプモータ12のみにフェールが生じると、その押出容積q1が最大になるので、第2速の近い★5で示す変速比へのアップシフトが生じる。さらに、第2ポンプモータ13のみにフェールが生じると、その押出容積q2が最大になるので、第1速側の★6で示す変速比へのダウンシフトが生じる。なお、上記のいずれの場合も、前述した各リリーフ弁40,41,42のそれぞれが、各ソレノイドバルブ40A,41A,42Aによって正常に調圧されている状態で押出容積の制御にフェールが生じた場合の例である。
図3を参照して説明したように、この発明に係る変速機の制御装置では、いずれかのポンプモータ12,13の押出容積を制御する機構にフェールが生じると、図3に★印を付して示す変速比への変速が生じる場合がある。そして、その変速後の変速比は、フェールが生じた時点の変速比に対して、固定変速比同士の変速比幅より小さい変化幅の変速比である。したがってこの発明によれば、押出容積の制御にフェールが生じても、変速比が大きく変化することがないので、上記の変速機を搭載した車両の挙動を安定的に維持することができる。このようなフェールセーフは、各ポンプモータ12,13の押出容積を制御するソレノイドバルブ12A,13Aをノーマリークローズタイプにするなど、既存の機器の特性や機能を特定する程度の構成の変更によって確立でき、新たな部品を追加するなどの必要がないことにより装置全体の構成を簡素化することができる。
ところで、上記の変速機では、発進後、車速が増大するのに従って次第に変速比が小さくなるように制御され、その過程で前記閉回路内の油圧が過剰に高くならないように、第1速から第5速の固定変速比を順に設定するように制御される。すなわち、発進時には、発進用ギヤ対22と第1速用ギヤ対20とがトルクを伝達するようにシンクロ23,24が制御される。車速の増大によって第1速が設定された後は、第1速用ギヤ対20と第2速用ギヤ対18とがトルクを伝達するようにシンクロ24,25が制御される。また同様に、第2速が設定された後は、第2速用ギヤ対18と第3速用ギヤ対19とがトルクを伝達するようにシンクロ24,25が制御される。第3速が設定された後は、第3速用ギヤ対19と第4速用ギヤ対17とがトルクを伝達するようにシンクロ24,25が制御される。そして、第4速が設定された後、車速が更に増大すれば、第4速用ギヤ対17と第5速用ギヤ対21とがトルクを伝達するようにシンクロ25,26が制御される。このように制御することにより、ポンプモータ12,13の回転数が特に高くなったり、それに伴って油圧が高くなるなどのことが防止もしくは抑制され、その結果、動力損失を少なくして動力伝達効率や燃費を向上させることができる。
しかしながら、いずれか一方のポンプモータ12,13の押出容積を制御できないフェールが生じた場合、その押出容積が最大にまで増大させられて固定されるので、一方の動力伝達経路での変速比と他方の動力伝達経路での変速比を通常時と同様にすると、設定可能な変速比の幅が狭くなる。例えば、断線などのいわゆるOFFフェールによって第1ポンプモータ12の押出容積q1を制御できない事態が生じると、その押出容積q1が最大に固定されるから、発進用ギヤ対22と第1速用ギヤ対20とがトルク伝達できる状態であれば、図3の(A)に示すように★1で示す変速比までしか設定できない。また、第1速用ギヤ対20と第2速用ギヤ対18とがトルクを伝達できる状態であれば、図3の(A)に示すように第1速の変速比から★2で示す変速比までの変速比しか設定できない。すなわち、固定変速比同士の変速比幅の半分である。この発明の制御装置は、このようにフェール時の変速比幅が狭くなることを回避するために、以下の制御を行うように構成されている。
図4はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、いずれか一方のポンプモータ12,13におけるソレノイドバルブ12A,13AのOFFフェールが検出されると(ステップS1)、駆動側のリリーフ弁41の圧力制御が開始される(ステップS2)。なお、ソレノイドバルブ12A,13AのOFFフェールは、通常の電子制御装置で行われているフェール検出プログラムによって検出でき、具体的には指令信号とそれに応じた検出信号との不一致によって検出することができる。また、駆動側のリリーフ弁は、フェール時に動力源から動力が伝達されて駆動されるポンプモータの吐出圧を制御するリリーフ弁である。したがって、第1ポンプモータ12が駆動されていれば、その吸入ポート12Sから油圧が吐出されるので、第3ソレノイドバルブ41Aによってリリーフ弁41の調圧値を制御し、また反対に第2ポンプモータ13が駆動されていれば、その吸入ポート13Sから油圧が吐出されるので、第3ソレノイドバルブ41Aによってリリーフ弁41の調圧値を制御することになる。
このリリーフ圧の制御は、具体的には、吐出圧を低下させる制御であり、これは、駆動側のポンプモータによる反力を低下させて、エンジン1と出力軸16との間の伝達トルク容量を低下させるためである。すなわち、フェールが生じたことにより車両を停止(ステップS3)させるのが通常であり、その場合、出力軸16の回転が止まった時点で、前記閉回路の油圧をゼロに低下させると、エンジン1と出力軸16との間でトルクを伝達できなくなり、これは実質的なニュートラル状態であり、エンジン1を回転させ続けることができる。
その状況を図5に示してあり、車両を停止させるために車速が次第に低下し、予め定めた所定の車速に達した時点に、リリーフ圧すなわち前記閉回路内の圧力を低下させ始める。その後、車速の低下に応じて前記閉回路内の圧力を低下させ、車速がゼロになった時点で閉回路内の油圧をゼロにする。その結果、各ポンプモータ12,13は空転し、反力や駆動力を生じないので、エンジン1をアイドリング回転させることができる。
このように、エンジン1から出力軸16に伝達するトルクを閉回路内の油圧で制御できるので、再発進時には、前記リリーフ弁41の調圧値を次第に高くして、出力軸16に現れるトルクを次第に増大させる。いわゆるフリクションスタートと称される発進制御に類似した制御を行う。こうすることにより、車両の駆動トルクが次第に増大するので、円滑に発進することができる。
ついで、押出容積を制御するソレノイドバルブにOFFフェールが生じたポンプモータ12,13が判断される(ステップS4)。上述したステップS1で、フェールが生じているポンプモータ12,13が検出されているので、そのフェールの生じているポンプモータ12,13がいずれの動力伝達経路側のものであるかが判断される。第1ポンプモータ12の押出容積の制御にフェールが生じている場合には、それに応じた最適なギヤ対の組み合わせが選択される(ステップS5)。同様に、第2ポンプモータ13の押出容積の制御にフェールが生じている場合には、それに応じた最適なギヤ対の組み合わせが選択される(ステップS6)。
ここでギヤ対の最適な組み合わせとは、いずれか一方のポンプモータ12,13の押出容積を最大に固定した状態で、走行に必要な変速比幅を得られるギヤ対の組み合わせである。より具体的には、少なくとも一方の動力伝達経路での変速比(もしくはトルク伝達するギヤ対の変速比)と他方の動力伝達経路での変速比(もしくはトルク伝達するギヤ対の変速比)との差が、フェールの生じていない通常時における差より大きくなるギヤ対の組み合わせである。したがって、発進用ギヤ対22と第1速用ギヤ対20や、第3速用ギヤ対19と第4速用ギヤ対17のようにいわゆる固定変速比として隣接しているギヤ対の組み合わせではなく、二段以上離れた固定変速比をそれぞれ設定するギヤ対である。また、最適とは、路面状態などの走行環境や要求されている駆動力などに基づいて、少なくともリンプホーム走行を確保でき、かつ可及的に通常走行に近い走行を可能にすることである。したがって、最適なギヤ対の組み合わせては、設計上あるいは実験もしくはシミュレーションなどによって予め定めておくことができる。
第1ポンプモータ12の押出容積を制御できないフェールが生じてその押出容積q1が最大に固定されている場合にトルク伝達可能な状態に設定されるギヤ対の組み合わせの例を示すと図6のとおりである。図6に「スタートー3速係合」と記載されているのは、発進用ギヤ対22と第3速用ギヤ対19とを、出力軸16に対してトルク伝達できる状態にした場合を示し、また「スタートー5速係合」と記載されているのは、発進用ギヤ対22と第5速用ギヤ対22とを、出力軸16に対してトルク伝達できる状態にした場合を示している。すなわち、発進用ギヤ対22に対して固定変速比として二段以上離れた変速比を設定するためのギヤ対をトルク伝達可能な状態にしてある。
この状態で、制御可能な第2ポンプモータ13の押出容積q2を最小から次第に増大させると、それに併せて変速比が高速側の変速比に向けて次第に減少する。そして、第2ポンプモータ13の押出容積q2が最大になる変速比まで、連続的に変速比を変化させることができる。このようにして得られる最小の変速比は、トルク伝達可能な状態となっている高速側のギヤ対で得られる変速比のほぼ半分の値であり、同様に変速比幅もほぼ半分になる。これに対して隣接する固定変速比を設定するためのギヤ対をそれぞれトルク伝達可能な状態とした場合には、図6に「スタートー1速係合」と表示して記載してあるように、隣接する固定変速比同士の間隔で表される変速比幅の半分の変速比幅になる。なお、図6には第4速用ギヤ対17と第5速用ギヤ対21とをトルク伝達できる状態にした場合の例を「4−5速係合」と表示して記載してある。
このように、フェールが生じた場合に各動力伝達経路での変速比の差を、フェールが生じていない通常時の差より大きくすれば、制御可能な一方のポンプモータの押出容積を最小から最大まで変化させることにより、広い幅で変速比を設定することができる。そのため、フェールが生じていても発進時の駆動力を充分に確保することができ、また車速の増大に従って変速比を小さくすることができるので、中高速での走行を、エンジン回転数を特に増大させることなく安定して行うことができる。
なお、各動力伝達経路は、複数のギヤ対を備えているので、ポンプモータの押出容積の制御にフェールが生じた場合に使用するギヤ対を選択する余地がある。具体的には、発進用ギヤ対22や第1速用ギヤ対20などの低速側のギヤ対をトルク伝達可能な状態にする場合と、第4速用ギヤ対17や第5速用ギヤ対21などの高速側のギヤ対をトルク伝達可能な状態にする場合とのいずれも可能である。図7は、低速側のギヤ対を選択した場合に設定できる変速比を示しており、第1ポンプモータ12の押出容積q1の制御にフェールが生じた場合、発進用ギヤ対22をトルク伝達可能な状態とし、したがって押出容積q2の制御可能な第2ポンプモータ13側では第3速用ギヤ対19をトルク伝達可能な状態とする。これを「スタートー3速係合」と表示してある。この場合は、最大変速比から第3速の半分程度の変速比までの変速比が設定可能である。これに対して第2ポンプモータ13の押出容積q2の制御にフェールが生じた場合、第1速用ギヤ対20をトルク伝達可能な状態とし、したがって押出容積q1の制御可能な第1ポンプモータ12側では第4速用ギヤ対17をトルク伝達可能な状態とする。これを「1ー4速係合」と表示してある。この場合は、固定変速比である第1速から第4速の半分程度の変速比までの変速比が設定可能である。したがって、フェールの生じているポンプモータ側の動力伝達経路の変速比を低速側の変速比(相対的に大きい変速比)に設定することにより、低速側の変速比で発進し、発進時に大きい駆動力を得ることができる。
また、図8は高速側のギヤ対を選択した場合に設定できる変速比を示しており、第1ポンプモータ12の押出容積q1の制御にフェールが生じた場合、第1ポンプモータ12側の動力伝達経路では第4速用ギヤ対17をトルク伝達可能な状態とし、したがって押出容積q2の制御可能な第2ポンプモータ13側では第1速用ギヤ対20をトルク伝達可能な状態とする。これを「1ー4速係合」と表示してある。この場合は、第1速変速比と第4速変速比とのほぼ中央の値の変速比から第4速変速比までの変速比が設定可能である。これに対して第2ポンプモータ13の押出容積q2の制御にフェールが生じた場合、第2ポンプモータ13側の動力伝達経路では第5速用ギヤ対21をトルク伝達可能な状態とし、したがって押出容積q1の制御可能な第1ポンプモータ12側では第2速用ギヤ対18をトルク伝達可能な状態とする。これを「2ー5速係合」と表示してある。この場合は、第2速変速比と第5速変速比とのほぼ中央の値の変速比から第5速変速比までの変速比が設定可能である。すなわち、フェールの生じているポンプモータ12,13側の動力伝達経路の変速比を相対的に高速側の変速比とした場合には、フェール後も高い車速を得られる。
前述したステップS5あるいはステップS6では、上述したフェールに応じたギヤ対の組み合わせ(すなわち最適ギヤ関係)を、車両が停止して出力軸16の回転が止まっている時点におけるエンジン水温あるいは排気浄化触媒温度、変速機油温、車体の総重量などの状況に応じて選択する。例えば、フェール後に検出された油温が低い場合には、いずれかのポンプモータ12,13の回転数が高くなり易いギヤ対の組み合わせ(一例として「スタートー5速係合」)を選択し、反対にフェール後に検出された油温が高い場合には、ポンプモータ12,13の回転数が高くならないギヤ対の組み合わせ(一例として「スタートー3速係合」)を選択する。このようにして変速比を設定した場合、トルク伝達するギヤ対の組み合わせが、効率などを考慮して設けられている固定変速比用のギヤ対の組み合わせとは異なるものになるので、いずれかのポンプモータ12,13の回転数が通常時より高回転数になることがある。すなわち、ポンプとして機能した場合の回転数Npと、モータとして機能した場合の回転数Nmは、下記の(1)式および(2)式で表される。
Figure 2008051150
Figure 2008051150
ここで、Ninはエンジン回転数あるいは入力回転数、q1は第1ポンプモータ12の押出容積、q2は第2ポンプモータ13の押出容積、ρは遊星歯車機構3,4のギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比)、κはトルク伝達するギヤ対のギヤ比(但し、i,jは固定変速比の番号であって、i<j)である。
一例として1−2速係合時と1−4速係合時とを比較すると、ギヤ比(各動力伝達経路での変速比)κは高速側ほど小さいから、(1)式より1−2速係合時のポンプ回転数より1−4速係合時のポンプ回転数の方が大きくなる。この関係は、ポンプモータ12,13がモータとして機能して回転する場合の回転数Nmにもあてはまる。すなわち、ポンプモータ12,13の回転数は、トルク伝達可能な状態に係合するギヤ対のステップ幅(ギヤ比の差)が大きいほど高回転数になる。そのため、前述したフェール時にトルク伝達可能に係合させるギヤ対のギヤ比の乖離幅(言い換えれば、変速段数の飛び幅、もしくは各動力伝達経路での変速比の差)が大きすぎると、ポンプモータ12,13の回転数が上限回転数を超える可能性がある。そこで、トルク伝達可能に係合させているギヤ対のギヤ比とポンプモータ12,13の上限回転数Npm,limとからエンジン1の上限回転数NE,limを決定する。
上記の(1)式および(2)式にポンプモータ12,13の耐久性などを考慮して設定されている上限回転数Npm,limを代入してエンジン1の上限回転数NE,limを求めると、(3)式および(4)式に示すようになる。
Figure 2008051150
Figure 2008051150
なお、前述した発進用ギヤ対22と他の前進段用のギヤ対とをトルク伝達可能な状態に係合させた場合のエンジン上限回転数NE,limは、(5)式および(6)式に示すようになる。なお、κsは発進用ギヤ対22のギヤ比である。
Figure 2008051150
Figure 2008051150
前述したステップS5あるいはステップS6で、フェールに応じた最適ギヤ関係を設定した後、上記の演算によってエンジン回転数の上限値が求められる(ステップS7)。そして、その上限値を超えないようにエンジン1の回転数が制御される(ステップS8)。これは、スロットル開度や燃料噴射量を制御することによって実行でき、また内燃機関とモータ・ジェネレータとを動力分配機構で連結したハイブリッド車では、モータ・ジェネレータによって制御できる。エンジン回転数をこのように制御することにより、フェールが発生している状態での走行(いわゆるリンプホーム走行)の際にポンプモータ12,13の回転数が過剰に高回転数になることを回避し、その損傷や耐久性の低下などを防止もしくは抑制することができる。なお、ポンプモータ12,13の上限回転数は設計上、予め定めておくことができ、またポンプモータ12,13の実際の回転数は回転数センサーを設けて検出することもできる。したがって、この種のセンサーを設けた場合には、上述した演算に基づくエンジン回転数制御に替えて、そのセンサーによる検出値が設計上定めた上限値を超えないようにエンジン回転数を制御することも可能である。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、車速やアクセル開度などの車両の走行状態に応じて図2に示すように押出容積およびシンクロを制御する前記電子制御装置43が、この発明の変速比設定手段に相当する。また、前述した第1および第2のソレノイドバルブ12A,13Aならびにこれらに指令信号を出力する電子制御装置43が、この発明における「押出容積を制御する機構」に相当する。さらに、前述したステップS5およびステップS6を実行する機能的手段ならびに各シンクロ23,24,25,26が、この発明の変速比選択手段に相当し、ステップS7およびステップS8を実行する機能的手段が、この発明の回転数制限手段に相当し、特にステップS7の機能的手段が、この発明の回転数算出手段に相当する。またさらに、上述したリリーフ弁41およびその第3ソレノイドバルブ41Aならびにこれを制御する電子制御装置43が、この発明のリリーフ手段に相当する。そして、各ギヤ対17,18,19,20,21,22がこの発明の伝動機構に相当し、各遊星歯車機構3,4がこの発明の差動機構に相当する。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、対象とする変速機は、図1に示す構成以外のものであってもよく、要は、少なくとも二つの動力伝達経路で伝達するトルクを流体圧ポンプモータの押出容積に応じて変更でき、したがっていずれか一方の動力伝達経路のみを介してトルクを伝達して変速比を設定し、また両方の動力伝達経路を介してトルクを伝達することにより変速比を設定できる変速機であればよい。また、固定変速比を設定できるように構成する場合、固定変速比は4速より多くてもよく、あるいは反対に少なくてもよい。例えば、図9に示すように、第1中間軸8と出力軸16との間に、第6速用ギヤ対44を設け、さらに第1中間軸8に回転自在に嵌合して支持されている第6速駆動ギヤ44Aを第1中間軸8に選択的に連結される第5シンクロ45を設け、他の構成は図1に示す構成と同様にしてもよい。
なおまた、複数の動力伝達経路は、複数組の遊星歯車機構を複合させた歯車機構によって構成することもでき、このような構成とした場合には、動力源の回転中心軸線の延長方向に出力軸を延ばした構成とし、いわゆるFR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に適した構成とすることが容易である。さらに、フェール時にいずれかのポンプモータの吐出圧を低下させる手段は、そのために設けた特定のバルブであってもよく、上記のリリーフ弁に限られない。またさらに、フェールによって押出容積を増大させる場合、最大まで増大させずに、予め定めた容積まで増大させるように構成してもよい。そして、この発明では、動力伝達経路は二つに限られず、要は、複数設けてあればよい。
またさらに、この発明では、ギヤ対に替えてベルトやチェーンなどの機構を用いてもよい。そして、この発明で差動作用のある歯車機構を用いる場合、シングルピニオン型遊星歯車機構に替えて例えばダブルピニオン型遊星歯車機構を用いることができ、あるいは更に他の構成の差動歯車機構によって構成することもできる。
この発明に係る変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。 図1に示す変速機の動作状態をまとめて示す図表である。 各変速比を設定するための各押出容積の状態を示す線図である。 この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 フェールが生じている状態での車速と閉回路内の油圧との関係を示す線図である。 一方のポンプモータの押出容積の制御がフェールした場合にこの発明の制御装置で設定する変速比の幅の例を通常時と比較して示す線図である。 フェールの生じたポンプモータ側の変速比を相対的に低速側とした場合に設定される変速比の例を示す線図である。 フェールの生じたポンプモータ側の変速比を相対的に高速側とした場合に設定される変速比の例を示す線図である。 この発明に係る変速機の他の例を模式的に示すスケルトン図である。
符号の説明
1…動力源(E/G)、 2…入力部材、 3…第1遊星歯車機構、 4…第2遊星歯車機構、 8…第1中間軸、 9…モータ軸、 10…第2中間軸、 11…モータ軸、 12…可変容量型ポンプモータ(第1ポンプモータ)、 12A…第1ソレノイドバルブ、 13…可変容量型ポンプモータ(第2ポンプモータ)、 13A…第2ソレノイドバルブ、 14,15…油路、 16…出力軸、 17,18,19,20…ギヤ対、 22…第1のシンクロナイザー(第1シンクロ)、 23…第2のシンクロナイザー(第2シンクロ)、 24…第3のシンクロナイザー(第3シンクロ)、 42…リリーフ弁、 42A…第4ソレノイドバルブ、 43…電子制御装置(ECU)。

Claims (6)

  1. 動力源から出力部材に到る少なくとも二つの動力伝達経路のそれぞれに、複数の変速比を選択的に設定する伝動機構が設けられている変速機の制御装置において、
    前記各動力伝達経路を介して伝達されるトルクを押出容積に応じて変化させるように各動力伝達経路毎に設けられ、かつ圧力流体を相互に授受可能に連通された可変容量型流体圧ポンプモータと、
    各可変容量型流体圧ポンプモータの押出容積を最大および最小ならびにその中間の容積のいずれかに設定して変速比を設定する変速比設定手段とを備え、
    前記各可変容量型流体圧ポンプモータは、その押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合にその押出容積が増大するように構成され、かつ
    前記フェールが生じた場合に、各動力伝達経路における伝動機構をトルク伝達可能な状態とするとともに一方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比と他方の動力伝達経路でトルク伝達する伝動機構の変速比との差が、前記フェールが生じていない場合の差より大きくなるようにトルク伝達する伝動機構を選択する変速比選択手段が設けられている
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 前記各可変容量型流体圧ポンプモータは、その押出容積を制御する機構にフェールが生じた場合にその押出容積が最大になるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  3. 前記変速比選択手段は、前記フェールが生じている一方の可変容量型流体圧ポンプモータによってトルクが制御される動力伝達経路での変速比が相対的に大きい変速比となるようにその動力伝達経路における伝動機構を選択し、かつ他方の動力伝達経路での変速比が相対的に小さい変速比となるように該他方の動力伝達経路における伝動機構を選択する手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の変速機の制御装置。
  4. 前記フェールが生じている状態で前記出力部材の回転が止まる際に前記各可変容量型流体圧ポンプモータの吐出側の圧力を低下させるリリーフ手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の変速機の制御装置。
  5. 前記リリーフ手段は、前記各可変容量型流体圧ポンプモータを連通している回路の圧力を制限するリリーフ弁を含むことを特徴とする請求項4に記載の変速機の制御装置。
  6. 前記各動力伝達経路は、前記動力源からトルクが伝達される入力要素および前記可変容量型流体圧ポンプモータが連結された反力要素ならびに前記出力部材に対してトルクを出力する出力要素を有する差動機構とを備え、
    前記伝動機構は、前記出力要素と前記出力部材との間に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の変速機の制御装置。
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JP2013545939A (ja) * 2010-11-30 2013-12-26 三菱重工業株式会社 送電網の機能不全に強い再生可能エネルギー抽出装置

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